JP6745287B2 - 蓄熱材、これを用いた蓄熱パック、恒温容器および輸送用容器 - Google Patents

蓄熱材、これを用いた蓄熱パック、恒温容器および輸送用容器 Download PDF

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Description

本発明は、所定温度で相変化する蓄熱材、これを用いた蓄熱パック、恒温容器および輸送用容器に関する。
従来から、品質保持のために温度管理を要する商品等が輸送される際には、商品に応じた温度範囲に管理されている。例えば、管理温度に冷却された保冷剤を恒温ボックスに配置し、その恒温ボックスに商品を収容することで、商品の保冷が可能になる。
また、医薬品等を輸送するためには、輸送品温度を2℃〜8℃にコントロールする必要がある。そのためには、5℃付近で融点を示す蓄熱材が求められる。現在、一般に用いられる5℃に融点をもつ蓄熱材としては、パラフィン系材料があるが、可燃性材料であることから、代替材料として難燃性であって、パラフィンと同じくらいの潜熱量をもつ蓄熱材の開発が求められている。
一方、クラスレートハイドレート(包接水和物)、特にセミクラスレートハイドレート(準包接水和物)は、主剤の水溶液が水和物生成温度以下に冷却されることにより結晶化する。その結晶には潜熱として利用し得る熱エネルギーが貯蔵されるため、潜熱蓄熱材またはその成分として用いられる。
特に、非ガスをゲスト化合物とする準包接水和物の代表例である第四級アンモニウム塩の水和物は、常圧で生成し、結晶化する際の熱エネルギー(蓄熱量)が大きく、また、パラフィンのような可燃性ではない。したがって、第四級アンモニウム塩の水和物は、取り扱いが容易であるため、ビルの空調の氷蓄槽よりも効率的な蓄熱槽、熱輸送媒体への利用が進んでいる。
特許文献1および特許文献2では、TBABの濃度を下げることによって、調和融点を下げることを実現している。また、水よりも融点の低い物質を融点降下剤として適量包接水和物に混入させることにより、任意の融点をもつ蓄冷剤を作製している。
特開2005−126728号公報 特開平11−264681号公報
しかしながら、上記文献における蓄冷剤では、包接水和物スラリーを生成するため、利用温度範囲で液相として存在する水溶液を混合している。そのため、利用温度範囲で液相として存在する水溶液を混合した分、潜熱量が低下している。この点について図14を用いて説明する。
図14は、従来の包接水和物の水溶液濃度による潜熱量の比較(利用上限温度を12℃)を示した図である。例えば、TBAB40wt%(融点11.8〜12℃)の潜熱量が46kcal/kgであるのに対し、図14に示すように、TBAB水和物の充填率を56%にすることで潜熱量は26kcal/kgに低下してしまう。一方、TBAB27wt%のTBAB水和物の充填率を43%にすると、潜熱量は26kcal/kgを維持した状態で利用温度幅を5〜12℃に広げることができる。つまり、利用温度範囲を下げることはできたが、潜熱量を維持することができない。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、難燃性であって、調和融点濃度のTBABがもつ潜熱量を低下させることなく、蓄熱材の有効温度領域を、調和融点濃度のTBABの有効温度領域よりも低くすることができる蓄熱材、これを用いた蓄熱パック、恒温容器および輸送用容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係る蓄熱材は、所定温度で相変化する蓄熱材であって、水と、TBABと、前記水に溶解したKClと、を有し、前記水及び前記TBABの合計量に対する前記TBABの重量濃度が35.0wt%41.0wt%以下であるまた、本発明の別の一態様に係る蓄熱材は、所定温度で相変化する蓄熱材であって、水と、前記水に対して、セミクラスレートハイドレートの調和融点を与える濃度のTBABと、前記水に溶解したKClと、を有し、2℃〜8℃で融解する。
このように、水、TBABおよびKClを有することで、調和融点濃度のTBABの有効温度領域の温度保持時間をほぼ維持したまま、蓄熱材の有効温度領域を、調和融点濃度のTBABの有効温度領域よりも低くすることができる。さらに、水に対してセミクラスレートハイドレートの調和融点を与える濃度のTBABを用いるため、有効温度領域が低くなっても潜熱量を維持することができる。
本発明によれば、調和融点濃度のTBABの有効温度領域の温度保持時間をほぼ維持したまま、蓄熱材の有効温度領域を、調和融点濃度のTBABの有効温度領域よりも低くすることができる蓄熱材を提供することができる。
比較例および実施例1の温度変化測定結果を示したグラフである。 実施例1および比較例のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例2のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例3のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例4のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例5のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例6のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例7のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例7aのDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1および実施例8のDSC測定結果を示したグラフである。 実施例1の蓄熱材を凍結させたときの温度変化を示したグラフである。 第2の実施形態の恒温容器を示す断面図である。 第3の実施形態の輸送用容器を示す斜視図である。 従来の包接水和物の水溶液濃度による潜熱量の比較を示した図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
(蓄熱材の構成)
本明の蓄熱材は、所定温度で相変化する潜熱蓄熱材であり、水、臭化テトラノルマルブチルアンモニウム(以下、TBABと略する)および塩化カリウム(以下、KClと略する)からなる。
TBABは、第四級アンモニウム塩のひとつである。第四級アンモニウム塩の水和物は、非ガスをゲスト化合物とする準包接水和物の代表例であり、常圧で生成し、結晶化する際の熱エネルギー(蓄熱量)が大きく、また、パラフィンのような可燃性材料ではないことから取り扱いが容易である。このように準包接水和物を形成するTBABを用いることで大きな潜熱のエネルギーを利用できる。
本実施形態では、このような準包接水和物を形成するTBABを用いる。水に対するTBAB準包接水和物の濃度は、40.5wt%±0.5wt%であることが好ましい。また、KClのTBABに対するmol比は、0.90以上であることが好ましい。
水と、水に対してセミクラスレートハイドレートの調和融点を与える濃度のTBABに、水よりも融点の高いKClを混合することにより、包接水和物スラリーの生成を抑制し、調和融点濃度のTBABの有効温度領域の温度保持時間をほぼ維持したまま、つまり調和融点濃度のTBABの融点における潜熱量を維持したまま、調和融点濃度のTBABの有効温度領域よりも低い有効温度領域を有することが可能となる。
上記の構成をとることによって、TBABの融解開始温度を12℃から4℃前後へ下げ、上限温度も8℃以下に下げることができる。TBABの濃度を低くすることにより、融解開始温度を低くすることもできるが、蓄熱材の耐久性も低下してしまう。しかし、本実施形態の蓄熱材は、水に対するTBAB準包接水和物の濃度が、40.5wt%±0.5wt%で調和融点濃度をほぼ維持しているため、蓄熱材の耐久性の低下を防ぐことができる。
(蓄熱材の製造方法)
まず、本発明の一態様に係る蓄熱材の材料となるTBAB[40.0g(0.124mol)〜41.0g(0.127mol)]、水[59.0g〜60.0g]およびKCl[8.33g(0.112mol)〜9.48g(0.127mol)]を用意する。室温で、これら用意した材料のうち、まず水とTBABを混合する。その後、得られた混合液にKClを混合することで、蓄熱材を作製することができる。各材料を混合する順序は、先に水とKClを混合し、その後、水とKClとの混合液にTBABを混合する順序であっても良い。
(測定実験)
次に、蓄熱材に対する測定実験を説明する。測定実験では、各材料の含有量の異なる蓄熱材を作製し、(1)温度変化測定、(2)示差走査熱量測定(DSC)、(3)凍結温度測定、を行なった。
表1に、測定(1)〜(3)で使用した各蓄熱材のTBAB、水およびKClの含有量を示す。
Figure 0006745287
比較例の蓄熱材は、従来技術として知られているTBABと水を混合して作製した調和融点濃度のTBAB(40.5wt%)の蓄熱材である。実施例1〜6、および実施例8の蓄熱材は、先に水とTBABを混合し、その後、水とTBABとの混合液にKClを混合することによって作製した蓄熱材である。実施例7の蓄熱材は、先に水とKClを混合し、その後水とKClとの混合液にTBABを混合することによって作製した蓄熱材である。
[1.温度変化測定]
比較例および実施例1の蓄熱材を用いて、温度変化測定を行なった。
[測定手順]
作製した蓄熱材50gをプラスチック容器にそれぞれ取出し、−30℃の恒温槽で凍結後、環境温度を30℃に変更した時の蓄熱材の温度変化を測定した。その結果を以下に示す。なお、恒温槽内の温度は、−30℃から30℃まで1℃/minで温度上昇させ、その後30℃の状態を維持した。
[測定結果]
図1は、比較例および実施例1の温度変化測定結果を示したグラフである。実線は、蓄熱材1の有効温度領域2℃〜8℃を示している。破線は、比較例の有効温度領域8.8℃〜14.8℃を示している。比較例の蓄熱材の融点が11.8℃であることから、比較例の有効温度領域を、融点11.8℃±3℃(温度幅を蓄熱材1と同じ6℃)とした。また、各有効温度領域内で温度を維持する時間は、実施例1では63分、比較例では67分、であった。
以上の結果から、調和融点濃度を有するTBAB40.5wt%水溶液に、TBABに対するmol比が1となるKClを添加することによって、調和融点濃度のTBABの有効温度帯域の温度保持時間をほぼ維持したまま、調和融点濃度のTBABの有効温度帯域よりも低くすることできることがわかった。
また、一般的に、液相と固相の比熱は、液相の方が大きい。そのため、仮に実施例1に液相が含まれていれば、実施例1の比熱が比較例の比熱よりも大きくなり、実施例1および比較例は、同じ温度変化を示さず、実施例1の方が比較例よりも温度上昇が遅くなる。しかし、図1に示すように、2℃以下において、比較例および実施例1は、同等の温度変化を示していることから、その他の温度での融解挙動を示さない(融点は1つ)、つまり液相のない固体であることがわかった。
[2.示差走査熱量測定(DSC)]
比較例、実施例1〜8の蓄熱材を用いて、示差走査熱量測定(DSC)を行なった。
[温度条件]
示差走査熱量測定時の温度条件は30℃から−30℃へ5℃/minで温度降下させ、−30℃で5分間保持し、その後−30℃から30℃へ5℃/minで温度上昇とした。
[測定結果]
図2〜10は、実施例1と、比較例および実施例2〜8との示差走査熱量測定結果を示したグラフである。表2に、各蓄熱材の融解開始外挿温度(融点)[℃]および潜熱量[J/g]を示す。
Figure 0006745287
ここで、融解開始外挿温度(融点)とは、DSCにより得られるDSC曲線において、吸熱ピークが始まる温度をベースラインへ外挿して求めた温度である。また、潜熱量とは、DSCにより得られるDSC曲線において、吸熱ピークの面積から求めた値である。
比較例および実施例1〜8の蓄熱材の融解開始外挿温度(融点)、潜熱量について、実施例1と比較した結果を以下に示す。
[比較例と実施例1の比較結果]
図2は、比較例と実施例1のDSC測定結果を示したグラフである。図2に示す通り、TBAB40.5wt%水溶液に、TBABに対するmol比1となるKClを混合することにより、潜熱量があまり低下することなく、融解開始外挿温度が12℃から4℃へ下がることがわかった。
[実施例1と実施例2の比較結果]
図3は、実施例1および実施例2のDSC測定結果を示したグラフである。KClの含有量を、TBABに対するmol比を1から0.90にしても、融解開始外挿温度の変化は−0.3℃、潜熱量の変化は+0.7%にとどまることがわかった。
[実施例1と実施例3の比較結果]
図4は、実施例1および実施例3のDSC測定結果を示したグラフである。TBABの含有量を40.0gにしたTBAB40.0wt%水溶液に、TBABに対するmol比1となるKClを混合した蓄熱材でも、DSC曲線の変化はほぼ見られず、融解開始外挿温度は同値、潜熱量もほぼ同値であった。
[実施例1と実施例4の比較結果]
図5は、実施例1および実施例4のDSC測定結果を示したグラフである。TBABの含有量を40.5gから40.0gにしたTBAB40.0wt%水溶液に、KClの含有量を、TBABに対するmol比を1から0.90にしても、融解開始外挿温度は同値、潜熱量の変化は−3.2%にとどまることがわかった。
[実施例1と実施例5の比較結果]
図6は、実施例1および実施例5のDSC測定結果を示したグラフである。TBABの含有量を41.0gにしたTBAB41.0wt%水溶液に、TBABに対するmol比1となるKClを混合した蓄熱材でも、融解開始外挿温度は同値、潜熱量の変化は+1.3%にとどまることがわかった。
[実施例1と実施例6の比較結果]
図7は、実施例1および実施例6のDSC測定結果を示したグラフである。TBABの含有量を40.5gから41.0gにしたTBAB41.0wt%水溶液に、KClの含有量を、TBABに対するmol比を1から0.90にしても、融解開始外挿温度の変化は−0.1℃、潜熱量の変化は+1.1%にとどまることがわかった。
[実施例1と実施例7の比較結果]
図8は、実施例1および実施例7のDSC測定結果を示したグラフである。実施例1では、融解開始外挿温度は4.0℃のみである。しかし、実施例7では、融解開始外挿温度が4.0℃と−14.8℃の2つ発現した。TBABとKClの混合順序を逆にすることにより、融解開始外挿温度が2つ発現したが、各融解開始外挿温度における潜熱量の変化は、融解開始外挿温度4.0℃における潜熱量の変化は−1.7%にとどまり、融解開始外挿温度−14.8℃における潜熱量は8.7J/gと非常に小さかった。つまり、実施例1と実施例7とではDSC曲線の変化はほぼ見られなかった。
一方、実施例7では、下限温度(−30℃)以下で、比較例および実施例1〜6では見られなかった発熱ピークが発現した。これは、−14.8℃で融解する物質が凝固することで生じた発熱ピークである。つまり、KClを先入れすることにより、KCl水溶液が凍結しやすくなったと考えられる。このことを確認するため、実施例7aとして、下限温度を−30℃から−40℃へ変更して、再測定を行なった。
[実施例7aの温度条件]
実施例7の蓄熱材を、30℃から−40℃へ5℃/minで温度降下させ、−40℃で5分間保持し、その後−40℃から30℃へ5℃/minで温度上昇させて(下限温度を−30℃から−40℃へ変更して)測定を行なった。
[実施例7aの測定結果]
図9は、実施例1と実施例7aのDSC測定結果を示したグラフである。図9に示す通り、実施例7aにおいても、実施例7と同様に、−30℃以下で発熱ピークが発現することを確認した。そして、融点開始外挿温度および潜熱量は、実施例7の測定結果の値と変わらないことも確認できた。したがって、上述した通り、−14.8℃での潜熱量は、8.7J/gと非常に小さく、これによる高温側の潜熱量の低下も見られないことから、KClを先入れした蓄熱材であっても、TBABを先入れした蓄熱材とほぼ同じ効果が得られることを確認できた。
[実施例1と実施例8の比較結果]
実施例8では、実施例7aと同様、下限温度を−40℃として、熱流を測定した。図10は、実施例1および実施例8のDSC測定結果を示したグラフである。実施例1では、融解開始外挿温度は4.0℃のみである。しかし、実施例8では、融解開始外挿温度が5.0℃と−13.7℃の2つ発現した。TBABの濃度を35.0wt%まで下げることで、融解開始外挿温度−13.7℃が発現した。これは、TBABの濃度を下げたことで水溶液中の余剰水がKCl水溶液となった結果、実施例7および実施例7aよりも融解潜熱がさらに増加した。そして、その影響により、融解開始外挿温度5.0℃における潜熱量が低下することを確認した。したがって、TBABの濃度を下げることは好ましくなく、上記実施例のように安定した熱流を示す40.0wt%以上が好ましい。
以上の各比較結果から、TBAB40.5wt%水溶液に、TBABに対するmol比1となるKClを混合した実施例1の蓄熱材が一番好ましいことがわかった。また、TBABの水に対するwt%は、40.5wt%±0.5であって、KClのTBABに対するmol比は0.90以上であれば、2℃〜8℃で相変化する蓄熱材が得られることがわかった。
また、KClの含有量の上限は、TBAB水溶液に対して、KClが融解可能な量までが好ましい。例えば、20℃に調整したTBAB40。5wt%水溶液に対して、TBABに対するmol比1.39(TBAB40.5wt%水溶液100gに対して、KCl13g)のKClを添加した場合は、全て溶解することが確認できた。しかし、同水溶液(20℃に調整したTBAB40。5wt%水溶液)に対して、TBABに対するmol比1.49(TBAB40.5wt%水溶液100gに対して、KCl14g)のKClを添加した場合は、溶解しきれずに沈殿物が発生した。
つまり、この場合、TBABに対するmol比1.39以下のKClを添加することが好ましいといえる。そして、これ以上の量のKClを混合した場合は、溶解せずに沈殿したKClの質量分、蓄熱材(あるいは保冷剤)としての単位重量当たりの有効潜熱量が低下することになる。
[3.凍結温度測定]
実施例1の蓄熱材を用いて、凍結温度測定を行なった。
[測定手順]
実施例1の蓄熱材50gをプラスチック容器にそれぞれ取出し、30℃の恒温槽に設置し、恒温槽内の温度を30℃から−30℃へ1℃/minで降下させ、その後−30℃の状態を維持した。
[測定結果]
図11は、実施例1の蓄熱材を凍結させたときの温度変化を示したグラフである。実施例1の蓄熱材は、−11.5℃で凍結開始していることがわかる。つまり、実施例1の蓄熱材は、一般的な家庭用冷凍庫温度(−18℃)で凍結可能であることがわかった。添加成分が同等の実施例2〜実施例8についても、同様と推定できる。
[第2の実施形態]
上記の蓄熱材は、恒温容器の構成にも応用できる。図12は、本実施形態の恒温容器を示す断面図である。恒温容器100は、恒温容器本体110と蓄熱パック120を備える。蓄熱パック120は、蓄熱材および蓄熱材を覆う包装材からなり、保冷の対象物S0と熱交換できる位置に配置される。蓄熱材を覆う包装材は、フィルム等の柔らかい材質で形成されたソフト容器であっても良いし、プラスチック(PEやPP)等の硬い材質で形成されたハード容器であっても良い。蓄熱パック120は、蓄熱材の用途に応じたサイズや形に加工して使用できる。
恒温容器本体110は、対象物S0および蓄熱パック120を収容し、蓄熱パック120により予冷の対象物S0を保冷する。これにより、恒温容器内部を2℃〜8℃に維持しつつ、内部に収容した対象物S0を収容することができる。さらに、2℃〜8℃で管理が必要となるワクチン等の医薬品のような対象物を機能が損なわれることなく適切な温度で、一定の時間維持できる。
また、恒温容器100内に配置された保冷の対象物S0と蓄熱パック120との間、または蓄熱パック120の外側に、断熱材130を備えることもできる。このように恒温容器100内に断熱材130を設けることにより、蓄熱材の放熱による対象物S0の温度上昇を抑え、より長い時間、対象物を適切な温度下で管理できる。
[第3の実施形態]
上記の蓄熱材は、輸送用容器の構成にも応用できる。図13は、本実施形態の輸送用容器を示す斜視図である。輸送用容器200は、上記の恒温容器100を収容できる。輸送用容器は、キャリーバック等の小型なものに限らず、コンテナ等の大型輸送用容器でも良い。このように、輸送用容器200内に恒温容器100を収容することにより、対象物S0を適切な温度に維持した状態で、輸送することができる。
また、輸送用容器200は、断熱性素材で形成されたものでも良い。断熱性素材で形成された輸送用容器200内に恒温容器100を収容することにより、熱伝導による輸送用容器200内の温度変化を抑制し、更に長い時間、対象物S0を適切な温度に維持した状態を保つことができる。
また、輸送用容器200は、輻射熱を遮断するシートで形成されたものでも良い。輻射熱を遮断するシートで形成された輸送用容器200内に恒温容器100を収容することにより、輻射熱による輸送用容器200内の温度変化を抑制し、更に長い時間、対象物S0を適切な温度に維持した状態を保つことができる。
なお、本国際出願は、2016年2月5日に出願した日本国特許出願第2016−021131号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2016−021131号の全内容を本国際出願に援用する。
S0 対象物
100 恒温容器
110 恒温容器本体
120 蓄熱パック
130 断熱材
200 輸送用容器

Claims (9)

  1. 所定温度で相変化する蓄熱材であって、
    水と、
    TBABと、
    前記水に溶解したKClと、を有し、
    前記水及び前記TBABの合計量に対する前記TBABの重量濃度が35.0wt%以上41.0wt%以下である蓄熱材。
  2. 2℃〜8℃で融解する請求項1記載の蓄熱材。
  3. 所定温度で相変化する蓄熱材であって、
    水と、
    前記水に対して、セミクラスレートハイドレートの調和融点を与える濃度のTBABと、
    前記水に溶解したKClと、を有し、
    2℃〜8℃で融解する蓄熱材。
  4. 前記KClの含有量は、前記TBABの含有量に対し、mol比で0.90以上である
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄熱材。
  5. −18℃以上で凍結する請求項1から請求項4のいずれかに記載の蓄熱材。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄熱材と、
    前記蓄熱材を覆う包装材と、を備える蓄熱パック。
  7. 対象物を保温する恒温容器であって、
    対象物と熱交換できる位置に配置される請求項6記載の蓄熱パックと、
    前記対象物および蓄熱パックを収容する容器本体と、を備える恒温容器。
  8. 前記対象物と前記蓄熱パックとの間または前記蓄熱パックの外側に設置された断熱材を更に備える請求項7記載の恒温容器。
  9. 請求項7または請求項8記載の恒温容器を収容する輸送用容器。
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