JP2000319648A - 蓄熱材 - Google Patents

蓄熱材

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JP2000319648A
JP2000319648A JP11133811A JP13381199A JP2000319648A JP 2000319648 A JP2000319648 A JP 2000319648A JP 11133811 A JP11133811 A JP 11133811A JP 13381199 A JP13381199 A JP 13381199A JP 2000319648 A JP2000319648 A JP 2000319648A
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Kunikazu Kuchino
邦和 口野
Takahito Ishii
隆仁 石井
Toshimitsu Kurumisawa
利光 胡桃沢
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した
蓄熱材を開放系もしくは部分的に密閉した系で使用する
場合には、溶融状態の時蓄熱材の水溶液となる場合に、
溶融状態の温度が高い場合は水溶液中の水分が蒸発し、
蓄熱材の組成が変化する。この状態で凝固しても蒸発し
た水分量だけ結晶水が減少しており、水和塩として結晶
化する量が減少し、潜熱量が低下するという課題を有し
ていた。そのため、蓄熱材を入れる容器を完全に密閉し
なければならず、水蒸気が通る隙間があるような容器で
は利用できなかった。 【解決手段】 結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄
熱材において、前記蓄熱材中に密度が1g/cm3 未満
で、なおかつ融点が前記蓄熱材の融点よりも低い水分蒸
発防止剤を含有したことを特徴とする蓄熱材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶水を含む溶融
塩の潜熱を利用した蓄熱材であり、水分蒸発防止剤を含
有した蓄熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄
熱材は、種々知られているが蓄熱量が大きく、例えば暖
房器具用の蓄熱材として有望であり、既に実用化されて
いる。そして、従来の結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用
した蓄熱材は、溶融状態の時に蓄熱材の水溶液となるた
め、溶融状態の温度が高い場合は水溶液中の水分が蒸発
し、蓄熱材の組成が変化するのを防ぐために、すべて密
閉系で構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材を開放系も
しくは部分的に密閉した系で使用する場合には、溶融状
態の時蓄熱材の水溶液となる場合に、溶融状態の温度が
高い場合は水溶液中の水分が蒸発し、蓄熱材の組成が変
化する。この状態で凝固しても蒸発した水分量だけ結晶
水が減少しており、水和塩として結晶化する量が減少
し、潜熱量が低下するという課題を有していた。そのた
め、蓄熱材を入れる容器を完全に密閉しなければなら
ず、水蒸気が通る隙間があるような容器では利用できな
かった。
【0004】また、特公昭63−67836号公報に
は、蓄熱材の容器内には、酢酸ナトリウム・3水和塩を
主剤として過冷却防止の核形成剤としてフッ化リチウム
(LiF)を微量添加することにより、酢酸ナトリウム
3水和塩の融点(58℃)における結晶融解熱を利用す
る蓄熱材を内蔵したものが開示されており、融点58℃
において、ほぼ60cal/gの融解潜熱が得られるも
ので、吸放熱性能が安定しており、しかも単位重量当た
りの蓄熱量が優れている。しかし、酢酸ナトリウム3水
和塩のみでは、一旦融解すると非常に過冷却状態になり
やすいため、その融解液は通常−20℃程度まで冷却し
ないと、過冷却状態が変化しないため凝固せず、融解潜
熱を放出しないので、融解潜熱を利用した蓄熱材にとっ
ては致命的な欠点であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱
材において、前記蓄熱材中に密度が1g/cm3 未満
で、なおかつ融点が前記蓄熱材の融点よりも低い水分蒸
発防止剤を含有したことを特徴とする蓄熱材とした。
【0006】上記発明によれば、結晶水を含む溶融塩の
潜熱を利用した蓄熱材が封入された容器内に水分蒸発防
止剤を封入したため、前記蓄熱材が熱を蓄えている時に
前記蓄熱材が融解し水溶液になっている間、水分が蒸発
することを防止することができる。
【0007】また、酢酸ナトリウム3水和塩を100重
量部に対して、フッ化リチウムを0.1重量部〜40重
量部の範囲で含有させた請求項1記載の蓄熱材とするも
ので、微量のフッ化リチウム(LiF)を添加すると、
蓄熱性能には全く影響なく凝固時の核形成剤となり、本
蓄熱材が過冷却を生ずることなく、吸放熱性能の安定し
た単位重量当たりの蓄熱量の大きい蓄熱材を提供するも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、結晶水を
含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材において、前記蓄熱
材中に密度が1g/cm3 未満で、なおかつ融点が前記
蓄熱材の融点よりも低い水分蒸発防止剤を含有したこと
を特徴とする蓄熱材である。
【0009】結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱
材を入れた容器に、水分が蒸発しないように密度が1g
/cm3 以下で、なおかつ融点が水和塩型潜熱蓄熱材よ
りも低い水分蒸発防止剤を入れることにした。蓄熱材入
り容器内に蓄熱材と水分蒸発防止剤を同時に入れると、
結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材が融解する
時に、水分蒸発防止剤の方が密度が低いので、水分蒸発
防止剤の層ができ、蓄熱材の水分蒸発を防止することが
できる。その結果として結晶水を含む溶融塩の潜熱を利
用した蓄熱材の水分の蒸発を抑えることができ、蓄熱量
を劣化させることがなく、何度でも繰り返し蓄熱、放熱
を繰り返すことができる。
【0010】請求項2記載の発明は、前記蓄熱材が酢酸
ナトリウム3水和塩を100重量部に対して、フッ化リ
チウムを0.1重量部〜40重量部の範囲で含有させた
ことを特徴とする請求項1記載の蓄熱材である。
【0011】結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱
材に酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチウムで構成さ
れると、酢酸ナトリウム3水和塩の大きな潜熱が利用で
きるために蓄熱量が大きい。また蓄熱材を入れた容器が
冷却され酢酸ナトリウム3水和塩が再結晶するときの過
冷却を防止するためにフッ化リチウムを適量添加してい
る。その結果として酢酸ナトリウム3水和塩の大きな融
解潜熱が利用することができる。
【0012】請求項3記載の発明は、水分蒸発防止剤が
流動パラフィンであることを特徴とする請求項1記載の
蓄熱材である。
【0013】水分蒸発防止剤に流動パラフィンを用いる
と、結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材の融点
よりもはるかに低く、密度が1g/cm3 よりもはるか
に小さいため、前記蓄熱材が融解する際、必ず蓄熱材の
上部に流動パラフィンの層ができ、結晶水を含む溶融塩
の潜熱を利用した蓄熱材の水分蒸発を防止することがで
きる。さらに流動パラフィンは他の物質を溶解しにくい
ので、蓄熱材を溶解することはない。その結果として蓄
熱材の水分の蒸発を抑えることができ、蓄熱量を劣化さ
せることがなく、何度でも繰り返し蓄熱、放熱を繰り返
すことができる。
【0014】請求項4記載の発明は、水分蒸発防止剤が
シリコーンオイルであることを特徴とする請求項1記載
の蓄熱材である。
【0015】シリコーンオイルは、蒸気圧が低く引火点
が高く化学的安定性に優れた、安全性が高い物質で、水
分蒸発防止剤にシリコーンオイルを用いると、結晶水を
含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材の融点よりもはるか
に低く、密度が1g/cm3よりも小さいため、前記蓄
熱材が融解する際、必ず蓄熱材の上部にシリコーンオイ
ルの層ができ、結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄
熱材の水分蒸発を防止することができる。また温度によ
る粘度変化が少なく、容積変化が小さいため、温度によ
ってシリコーンオイルの層が大きく変化することはな
い。さらにシリコーンオイルは他の物質を溶解しにくい
ので、蓄熱材を溶解することはない。その結果として蓄
熱材の水分の蒸発を抑えることができ、蓄熱量を劣化さ
せることがなく、何度でも繰り返し蓄熱、放熱を繰り返
すことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0017】(実施例1)図1は本発明の実施例1の蓄
熱容器の外観図である。図1において、1は蓄熱容器本
体で、2は蓄熱容器本体1にかぶせられた蓋で、3は蓄
熱容器本体1と蓋2との間にできる隙間で、蓄熱容器本
体1内部には結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱
材4と水分蒸発防止剤5が入っている。
【0018】蓄熱容器本体内に、融点が57℃で、融解
潜熱が60cal/gの結晶水を含む溶融塩の潜熱を利
用した蓄熱材を入れ、融点が57℃以下の密度がそれぞ
れ0.8、0.9、1.0、1.1g/cm3 の水分蒸
発防止剤を入れた系について、100℃に保持し、15
00時間経過までの重量変化を測定し、水分蒸発量の推
移を確認した。また水分蒸発量の推移から、蓄熱材1g
当たりの潜熱蓄熱量の変化を計算した。これらの結果を
(表1)に示す。
【0019】
【表1】
【0020】(表1)の結果から、密度が1g/cm3
以上の水分蒸発防止剤を入れた系については、重量変化
が大きい。この重量変化分はすべて水であると考えられ
るので、これらの系については、蓄熱材の潜熱蓄熱量が
大幅に減少する。しかし、密度が1g/cm3 未満の水
分蒸発防止剤を入れた系については、重量変化が小さい
ので、これらの系については、蓄熱材の潜熱蓄熱量がほ
とんど減少しない。
【0021】(実施例2)本発明の実施例2で用いた蓄
熱容器1は、4が酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチ
ウムから成る水和塩型潜熱蓄熱材で、5が流動パラフィ
ンであること以外は図1と同じである 蓄熱容器本体内に、酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リ
チウムから成る水和塩型潜熱蓄熱材と、流動パラフィン
から成る水分蒸発防止剤を封入した系と、蓄熱容器本体
内に、酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチウムから成
る水和塩型潜熱蓄熱材を封入した系について、100℃
に保持し、1500時間経過までの重量変化を測定し、
水分蒸発量の推移を確認した。また水分蒸発量の推移か
ら、酢酸ナトリウム3水和塩1g当たりの潜熱蓄熱量の
変化を計算した。これらの結果を(表2)に示す。
【0022】
【表2】
【0023】(表2)の結果から、流動パラフィンを添
加した系については、重量変化が小さいが、流動パラフ
ィンを添加しない系については、重量変化が大きい。こ
の重量変化分はすべて水であると考えられるので、流動
パラフィンを添加しない系については、酢酸ナトリウム
3水和塩の潜熱蓄熱量が大幅に減少する。
【0024】酢酸ナトリウム3水和塩は熱を吸収し融点
(58℃)以上になると、酢酸ナトリウム水溶液として
存在する。その後、蓄えられた熱が自然に放冷され冷却
されると、酢酸ナトリウム3水和塩として凝固するが、
蓄熱材が封入された容器に水蒸気が通過できる隙間があ
れば、酢酸ナトリウム水溶液の状態の時にその水分が蒸
発する。そのため蓄熱、放熱が繰り返されると、都度水
分が蒸発することによって、酢酸ナトリウム水溶液が凝
固する際、一部が酢酸ナトリウム3水和塩になることが
出来ずに、酢酸ナトリウム無水塩として残ることにな
る。そして最終的に結晶水が蒸発すれば全量酢酸ナトリ
ウム無水塩(融点=324℃)となり、58℃で融解潜
熱をもたないため、蓄熱量は大きく減少することにな
る。
【0025】そこで水分蒸発防止剤として、例えば融点
が−10℃以下で密度が0.87g/cm3 の流動パラ
フィンを液高が5mmになるように滴下した。つまり、
流動パラフィンの密度が水の密度(1g/cm3 )より
も小さいため、58℃以上でも酢酸ナトリウム水溶液の
上部に流動パラフィンの層が存在するため、水の蒸発を
ブロックすることができる。したがって酢酸ナトリウム
3水和塩中の水分の蒸発を防止することが出来る。
【0026】その結果として、結晶水を含む溶融塩の潜
熱を利用した蓄熱材の水分の蒸発を抑えたことにより、
蓄熱材を入れる容器の上部に水分が抜ける隙間がある場
合でも、蓄熱量を劣化させることがないため、何度でも
繰り返し蓄熱、放熱を繰り返すことができる訳である。
流動パラフィンを添加した系については、潜熱蓄熱量は
減少しない。
【0027】(実施例3)本発明の実施例3で用いた蓄
熱容器1は、4が酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチ
ウムから成る水和塩型潜熱蓄熱材で、5が流動パラフィ
ンであること以外は図1と同じである 蓄熱容器本体内に、酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リ
チウムから成る水和塩型潜熱蓄熱材と、流動パラフィン
から成る水分蒸発防止剤を封入した系と、蓄熱容器本体
内に、酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチウムから成
る水和塩型潜熱蓄熱材を封入した系について、80℃と
室温で蓄熱と放熱を繰り返し、4000回繰り返した時
までの重量変化の経時変化を測定し、水分蒸発量の推移
を確認した。また水分蒸発量の推移から、酢酸ナトリウ
ム3水和塩1g当たりの潜熱蓄熱量の変化を計算した。
この結果を図2に示す。
【0028】図2の結果から、蓄熱と放熱の繰り返しを
行うと、流動パラフィンを添加した系については、重量
変化がほとんどなく、流動パラフィンを添加しない系に
ついては、重量変化が大きい。この重量変化分はすべて
水であると考えられるので、流動パラフィンを添加しな
い系については、酢酸ナトリウム3水和塩の潜熱蓄熱量
が大幅に減少する。しかし、流動パラフィンを添加した
系については、潜熱蓄熱量は全く減少しない。
【0029】(実施例4)本発明の実施例4で用いた蓄
熱容器1は、4が酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチ
ウムから成る水和塩型潜熱蓄熱材で、5がシリコーンオ
イルであること以外は図1と同じである 蓄熱容器本体内に、酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リ
チウムから成る水和塩型潜熱蓄熱材と、シリコーンオイ
ルから成る水分蒸発防止剤を封入した系と、蓄熱容器本
体内に、酢酸ナトリウム3水和塩とフッ化リチウムから
成る水和塩型潜熱蓄熱材を封入した系について、80℃
と室温で蓄熱と放熱を繰り返し、4000回繰り返した
時までの重量変化の経時変化を測定し、水分蒸発量の推
移を確認した。また水分蒸発量の推移から、酢酸ナトリ
ウム3水和塩1g当たりの潜熱蓄熱量の変化を計算し
た。この結果を図3に示す。
【0030】図3の結果から、蓄熱と放熱の繰り返しを
行うと、シリコーンオイルを添加した系については、重
量変化がほとんどなく、流動パラフィンを添加しない系
については、重量変化が大きい。この重量変化分はすべ
て水であると考えられるので、シリコーンオイルを添加
しない系については、酢酸ナトリウム3水和塩の潜熱蓄
熱量が大幅に減少する。しかし、シリコーンオイルを添
加した系については、潜熱蓄熱量は全く減少しない。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下記の効
果が得られる。
【0032】本発明の請求項1記載の発明によれば、結
晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材を入れた容器
に、水分が蒸発しないように密度が1g/cm3 以下
で、なおかつ融点が水和塩型潜熱蓄熱材よりも低い水分
蒸発防止剤を入れることにした。蓄熱材入り容器内に蓄
熱材と水分蒸発防止剤を同時に入れると、結晶水を含む
溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材が融解する時に、水分蒸
発防止剤の方が密度が低いので、水分蒸発防止剤の層が
でき、蓄熱材の水分蒸発を防止することができる。その
結果として結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材
の水分の蒸発を抑えることができ、蓄熱量を劣化させる
ことがなく、何度でも繰り返し蓄熱、放熱を繰り返すこ
とができる。
【0033】本発明の請求項2記載の発明によれば、結
晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材に酢酸ナトリ
ウム3水和塩とフッ化リチウムで構成されると、酢酸ナ
トリウム3水和塩の大きな潜熱が利用できるために蓄熱
量が大きい。また蓄熱材を入れた容器が冷却され酢酸ナ
トリウム3水和塩が再結晶するときの過冷却を防止する
ためにフッ化リチウムを適量添加している。その結果と
して酢酸ナトリウム3水和塩の大きな融解潜熱が利用す
ることができる。
【0034】本発明の請求項3記載の発明によれば、水
分蒸発防止剤に流動パラフィンを用いると、結晶水を含
む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材の融点よりもはるかに
低く、密度が1g/cm3 よりもはるかに小さいため、
前記蓄熱材が融解する際、必ず蓄熱材の上部に流動パラ
フィンの層ができ、結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用し
た蓄熱材の水分蒸発を防止することができる。さらに流
動パラフィンは他の物質を溶解しにくいので、蓄熱材を
溶解することはない。その結果として蓄熱材の水分の蒸
発を抑えることができ、蓄熱量を劣化させることがな
く、何度でも繰り返し蓄熱、放熱を繰り返すことができ
る。
【0035】本発明の請求項4記載の発明によれば、水
分蒸発防止剤にシリコーンオイルを用いると、結晶水を
含む溶融塩の潜熱を利用した蓄熱材の融点よりもはるか
に低く、密度が1g/cm3 よりも小さいため、前記蓄
熱材が融解する際、必ず蓄熱材の上部にシリコーンオイ
ルの層ができ、結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄
熱材の水分蒸発を防止することができる。また温度によ
る粘度変化が少なく、容積変化が小さいため、温度によ
ってシリコーンオイルの層が大きく変化することはな
い。さらにシリコーンオイルは他の物質を溶解しにくい
ので、蓄熱材を溶解することはない。その結果として蓄
熱材の水分の蒸発を抑えることができ、蓄熱量を劣化さ
せることがなく、何度でも繰り返し蓄熱、放熱を繰り返
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の蓄熱材の断面図
【図2】本発明の実施例3における蓄熱量の変化を示す
グラフ
【図3】本発明の実施例4における蓄熱量の変化を示す
グラフ
【符号の説明】
1 蓄熱材入り容器本体 2 容器の蓋 3 容器本体と蓋との隙間 4 蓄熱材 5 水分蒸発防止剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶水を含む溶融塩の潜熱を利用した蓄
    熱材において、前記蓄熱材中に密度が1g/cm3 未満
    で、なおかつ融点が前記蓄熱材の融点よりも低い水分蒸
    発防止剤を含有したことを特徴とする蓄熱材。
  2. 【請求項2】 酢酸ナトリウム3水和塩を100重量部
    に対して、フッ化リチウムを0.1重量部〜40重量部
    の範囲で含有させた請求項1記載の蓄熱材。
  3. 【請求項3】 水分蒸発防止剤が流動パラフィンである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の蓄熱材。
  4. 【請求項4】 水分蒸発防止剤がシリコーンオイルであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の蓄熱材。
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