JP5002237B2 - 建物の換気構造 - Google Patents
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Description
前記建物本体1に隣接して風洞部7が設けられ、この風洞部7は、建物本体1の上下方向に沿って空気を上昇させて外部に排出するための上昇経路7aと、この上昇経路7aに直交して設けられ、外部の空気を取り入れて上昇経路7a内に吹き込ませるための吹込経路7bとを備えており、
前記複数の部屋2,3,4,5,6は、前記風洞部7に沿って配置されるとともに、この風洞部7に面する開口部2a,3a,4a,5a,6aを備えており、
前記上昇経路は、建物本体1の上下階にわたる外壁面の一部が他の外壁面よりも室内側に後退して形成された凹部7aであり、
前記吹込経路7bは、建物本体1の外壁9と該外壁9に対向するガレージ壁13との間に設けられることによって横穴状に形成されたガレージであり、
前記風洞部7の上端部には屋根20が設けられるとともに、この屋根20には開閉可能な天窓21が設けられていることを特徴とする。
また、前記吹込経路7bが、前記上昇経路7aに直交して設けられているので、吹込経路7bは横方向に向かって配置されることとなる。これによって、横方向や斜め方向に吹く風を吹込経路7b内に取り入れやすくなるので、取り入れた外部の空気を前記上昇経路7a内に確実に吹き込ませることが可能となり、前記複数の部屋2,3,4,5,6の自然換気を促進することが可能となり、特に夏場であっても快適な居住環境を形成することができる。
前記吹込経路7bは、建物Aが建築される地域の夏季の主風向に対応する方向に開口していることを特徴とする建物の換気構造。
これに対し、冬季の主風向が北向きであった場合は、北風が前記吹込経路7b内に吹き込むことを極力防ぐことができる。
前記吹込経路7bには、この吹込経路7b内の空気を加湿冷却する加湿冷却手段8が設けられていることを特徴とする。
前記複数の部屋2,3,4,5,6には、前記開口部2a,3a,4a,5a,6aに対向する外壁9に窓2b,3b,4b,5b,6bがそれぞれ設けられていることを特徴とする。
前記風洞部7には、前記複数の部屋3,4と略同じ高さの床面を有するデッキ部15が設けられており、このデッキ部15は、複数のデッキ用板材15aを所定の間隔をあけて配置することによって形成されていることを特徴とする。
なお、本実施の形態における建物Aは、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
さらに、建物本体1内には、複数の部屋2,3,4,5,6が配置されているとともに、各階を行き来できる階段が複数設けられている。
なお、前記目隠し壁12は、例えば側断面視において平行四辺形をなす桟材を上下に所定間隔で複数配置してなる建築用板材(図示せず)を、前記凹部7aにおいて上下に連続的に配置することによって構成されている。
そして、前記凹部7aおよびガレージ7bによって形成された略L字状の空間が、前記風洞部7として用いられている。
前記風洞部7は、上述したように、前記建物本体1に隣接して設けられており、この風洞部7に沿って前記複数の部屋2,3,4,5,6が配置されるとともに、これら複数の部屋2,3,4,5,6の開口部2a,3a,4a,5a,6aが風洞部7に面して設けられている。
このため、風洞部7内を上昇する比較的冷たい空気を、前記開口部2a,3a,4a,5a,6aから複数の部屋2,3,4,5,6へと吹き込ませることができ可能となり、建物本体1内の自然換気を容易かつ確実に行うことができるようになっている。
このように前記吹込経路7bが、前記上昇経路7aに直交して設けられているので、吹込経路7bは横方向に向かって配置されることとなる。これによって、横方向や斜め方向に吹く風を吹込経路7b内に取り入れやすくなるので、取り入れた外部の空気を前記上昇経路7a内に確実に吹き込ませることが可能となり、前記複数の部屋2,3,4,5,6の自然換気を促進することができるようになっている。
また、これら窓2b,3b,4b,5b,6bは、図1に示すように、比較的高い位置に設けられることが好ましい。つまり、前記風洞部7内を下方から上昇してくる空気が、前記開口部2a,3a,4a,5a,6aから部屋2,3,4,5,6内に流入して、さらに外部へと抜けやすいようにするためであり、これによって、換気効率の向上を図ることができる。
これに対し、冬季の主風向が北向きであった場合は、北風が前記吹込経路7b内に吹き込むことを極力防ぐことができる。
なお、この吹込経路7bの開口する方向については、地域ごとの気候風土等によって変更して良く、任意である。
本実施の形態の加湿冷却手段8としては、極微細な水分(例えば4マイクロメートル程度)を噴霧し、その気化熱を利用することによって周囲を濡らさずに冷却できるドライミスト装置8aや、自動的に水播きするスプリンクラー8b等が挙げられる。本実施の形態の吹込経路7bには、図2に示すように、前記ガレージ壁13の端部付近にドライミスト装置8aが設けられており、このドライミスト装置8aが、ガレージ7b内に位置することによって噴霧された水分に日射があたらず、冷却効果を向上させることができる。
まず、前記母屋1aと離れ家1bに挟まれた位置に設けられた中庭10には、図2に示すように、複数のデッキ用板材16aが所定の間隔をあけて配置されたデッキ床16が形成されている。また、この中庭10も、前記凹部7aと同様に目隠し壁17によって目隠しされている。さらに、この目隠し壁17に対向して開口部10aが設けられているとともに、左右側方にも複数の開口部10b,10cが設けられている。
2 部屋
2a 開口部
3 部屋
3a 開口部
4 部屋
4a 開口部
5 部屋
5a 開口部
6 部屋
6a 開口部
7 風洞部
7a 上昇経路(凹部)
7b 吹込経路(ガレージ)
Claims (5)
- 建物本体内の複数の部屋の暖かい空気を外部へ排出してなる建物の換気構造において、
前記建物本体に隣接して風洞部が設けられ、この風洞部は、建物本体の上下方向に沿って空気を上昇させて外部に排出するための上昇経路と、この上昇経路に直交して設けられ、外部の空気を取り入れて上昇経路内に吹き込ませるための吹込経路とを備えており、
前記複数の部屋は、前記風洞部に沿って配置されるとともに、この風洞部に面する開口部を備えており、
前記上昇経路は、建物本体の上下階にわたる外壁面の一部が他の外壁面よりも室内側に後退して形成された凹部であり、
前記吹込経路は、建物本体の外壁と該外壁に対向するガレージ壁との間に設けられることによって横穴状に形成されたガレージであり、
前記風洞部の上端部には屋根が設けられるとともに、この屋根には開閉可能な天窓が設けられていることを特徴とする建物の換気構造。 - 請求項1に記載の建物の換気構造において、
前記吹込経路は、建物が建築される地域の夏季の主風向に対応する方向に開口していることを特徴とする建物の換気構造。 - 請求項1または2に記載の建物の換気構造において、
前記吹込経路には、この吹込経路内の空気を加湿冷却する加湿冷却手段が設けられていることを特徴とする建物の換気構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の換気構造において、
前記複数の部屋には、前記開口部に対向する外壁に窓がそれぞれ設けられていることを特徴とする建物の換気構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の換気構造において、
前記風洞部には、前記複数の部屋と略同じ高さの床面を有するデッキ部が設けられており、このデッキ部は、複数のデッキ用板材を所定の間隔をあけて配置することによって形成されていることを特徴とする建物の換気構造。
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