JP4701074B2 - 建物 - Google Patents
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Description
このため、上記のように効率の良い自然換気が可能な建物においては、前記換気装置や空調機器を設置するためのスペースを確保するかわりに、例えば、建物内に比較的大きな収納スペースを設ける等、建物内のスペースを有効的に活用したいという要望があった。
前記第1上階床20aの一部の上方および前記下階床10aの上方に第2上階床20bが設けられ、第1上階床20aと第2上階床20bとの間が、天井高が0.9m〜1.4mの収納室2とされるとともに、第2上階床20bと下階床10aとの間が前記第1部屋11および収納室2に隣接する第2部屋12とされており、
前記収納室2に隣接するようにして前記第1上階床20a上に第3部屋21が設けられ、この第3部屋21に隣接するようにして前記第2上階床20b上に第4部屋22が設けられており、
前記収納室2には、前記第2部屋12および第3部屋21に面して開口部3、4が設けられており、
これら開口部3,4には、これら開口部3,4を開放または閉塞し、開放時には、前記収納室2を介して第2部屋12と第3部屋21とを空気流通可能に連通する開閉扉5,5が設けられており、
前記第2部屋12と第3部屋21とは、前記収納室2を挟んで対向するようにして配置されており、前記収納室2の第2部屋12側の壁に前記第2部屋12に面する開口部3が形成され、この収納室2の第2部屋12側の壁に対向する第2部屋12の壁に外部へ通じる窓12aが設けられており、前記収納室2の第3部屋21側の壁に前記第3部屋21に面する開口部4が形成され、この収納室2の第3部屋21側の壁に対向する第3部屋21の壁に外部へ通じる窓21aが設けられており、
前記第2部屋12と収納室2とは、同じ第2上階床20bの下方に位置することによって、互いの天井間に段差がない状態とされており、
前記第3部屋21と収納室2とは、同じ第1上階床20aの上方に位置することによって、互いの床間に段差がない状態とされていることを特徴とする。
また、建物1の上階20と下階10とのほぼ中間に位置する前記第1上階床20a上に比較的大きい収納スペースを設けることによって、下階10や外部で使用する物品も、上階20で使用する物品も収納しやすくなるので、建物1の収納性能を向上することが可能となる。さらに、同じ床レベルに前記収納室2と第3部屋21とが設けられているので、前記第3部屋21からの物品の搬入および搬出がし易い。
その上、前記収納室2に前記第2部屋12および第3部屋21に面して開口部3、4が設けられることによって、下階10の部屋の空気は上階20へと行き渡りやすくなり、上階20の部屋の空気は下階10へと行き渡りやすくなるので、建物1全体の空気の流通性が向上し、建物1内の換気を行う際において効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、開閉扉5によって前記開口部3、4を開放した場合、前記第2部屋12と第3部屋21とが連通して空気の流通性が向上するので、特に夏場等の温暖な時季において効率の良い自然換気が可能となる。
一方、前記開口部3、4を閉塞した場合、各階10、20の気密性を向上することができるので、建物1を暖房する際の補助となり、特に冬場等の寒冷な時季において過ごしやすい生活環境を作り出すことが可能となる。
前記第2部屋12に設けられた窓12aは高窓とされていることを特徴とする。
前記第2部屋12に面した開口部3に設けられる開閉扉5には、この開閉扉5の略全面にわたってルーバー5bが設けられていることを特徴とする。
前記第4部屋22の上部にロフト23が設けられ、このロフト23の天井部には、上端部が屋根25から上方に突出して外部と連通する排気塔24が設けられていることを特徴とする。
前記第1部屋11および第4部屋22には外部へ通じる窓11a、22aがそれぞれ設けられていることを特徴とする。
すなわち、天井高の低い第1部屋11の窓11aから天井高の高い第2部屋12へと空気を送ることによって、下階10の部屋全体の暖かい空気を第2部屋12の天井部付近に溜めることができる。そして、前記第2部屋12の天井部付近に溜まった暖かい空気を、第2部屋12の窓12aから空気を流入させることによって第3部屋21へと送ることができる。
一方、前記第3部屋21の窓21aから流入させた空気を、第3部屋21の天井部付近に溜まった暖かい空気を第4部屋22へと送る際の補助として用いることができる。そして、前記第4部屋22の窓22aから空気を流入させることで、第4部屋22の天井部付近に溜まった暖かい空気を、前記排気塔24を通じて外部へと排出することができる。
したがって、前記第1部屋11、第2部屋12、第3部屋21および第4部屋22に設けられた窓11a、12a、21a、22aを開放することによって、外部から空気を招き入れて各部屋11、12、21、22内の暖かい空気をより上昇させることができるので、効率良く自然換気することが可能となる。
その上、前記収納室に、前記第2部屋および第3部屋に面して開口部が設けられることによって、下階の部屋の空気は上階へと行き渡りやすくなり、上階の部屋の空気は下階へと行き渡りやすくなるので、建物全体の空気の流通性が向上し、建物内の換気を行う際において効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、前記第4部屋の上部にロフトが設けられ、このロフトの天井部に、上端部が屋根から上方に突出して外部と連通する排気塔が設けられることによって、暖かい空気の上昇する性質を利用して建物全体の暖かい空気を前記ロフトへと流入させて、この暖かい空気を前記排気塔を通じて外部へと排出することができるので、より効率良く自然換気を行うことが可能となる。
なお、以下の各実施の形態において説明する建物1は、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
また、以下の各実施の形態において説明する建物1は、下階(1階)10において異なる天井高に設定された複数の部屋11、12と、下階10の部屋に合わせ、上階(2階)20において異なる床レベルとなるように設定された複数の部屋21、22とを備えた2階建ての建物1となっている。
本実施の形態の建物1は、図1に示すように、下階床10aの一部の上方に第1上階床20aが設けられ、この第1上階床20aと下階床10aとの間が第1部屋11とされ、
前記第1上階床20aの一部の上方および前記下階床10aの上方に第2上階床20bが設けられ、第1上階床20aと第2上階床20bとの間が収納室2とされるとともに、第2上階床20bと下階床10aとの間が前記第1部屋11および収納室2に隣接する第2部屋12とされており、
前記収納室2に隣接するようにして前記第1上階床20a上に第3部屋21が設けられ、この第3部屋21に隣接するようにして前記第2上階床20b上に第4部屋22が設けられており、
前記収納室2には、前記第2部屋12および第3部屋21に面して開口部3、4が設けられている。
このように前記第2部屋12を前記第1部屋11よりも高い天井高とすることで、暖かい空気が上昇する性質を利用して、前記第1部屋11の天井部付近に溜まった暖かい空気を、前記第2部屋12の天井部付近に溜めることができるようになる。この時、前記第2部屋12内の暖かい空気も前記第1部屋11の暖かい空気とともに第2部屋12の天井部付近に溜めることができるようになっている。
すなわち、前記第2部屋12と第3部屋21とは、前記収納室2を介して連通した状態となっており、空気の流通性を向上させることができるようになっている。これによって、前記第2部屋12の天井部付近に溜まった下階10の部屋全体の暖かい空気が、前記収納室2を通じて前記第3部屋21と流入するようになる。
なお、前記勾配天井21bは、隣接する前記第4部屋22に向かうほど高くなっているので、第3部屋21から第4部屋22へと空気が流通し易くなっているので好ましい。これによって、前記下階10の部屋から上がってきた暖かい空気を、容易に第4部屋22へと流入させることができるようになっている。
一方、前記開口部3、4を閉塞した場合には、各階10、20の気密性を向上することができるので、建物1を暖房する際の補助となり、特に冬場等の寒冷な時季において過ごしやすい生活環境を作り出すことが可能となる。
なお、このように引戸の形式のものに限られるものではなく、例えば観音開き形式のものでも良く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、前記第2部屋12の天井部付近に面した開口部3に設けられる開閉扉5については、図2(b)に示すように、前記収納室2に収納された物品の落下等を防ぐために開閉可能に設定されたルーバー5b等を用いることが望ましい。
すなわち、このように、前記収納室2の天井高を0.9m〜1.4mに設定することによって、居住者が収納室2に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保でき、また、このように天井高を必要最低限に押さえることで、建物1の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照現象等の影響を極力少なくすることが可能となっている。
なお、前記排気口24a閉塞手段としては、以下に挙げるものに限られるものではないが、例えば、弁膜状の部材等が挙げられる。このような弁膜状の部材によれば、建物1内から排出される空気に押されることによって、前記排気口24aを開放することができるようになっているので好ましい。
このような開閉部材によれば、前記筒状部24bを開いた状態にした場合、排気経路が開放されて自然換気を効率良く行うことができ、前記筒状部24bを閉めた状態にした場合、排気経路が閉塞されて建物1内の気密性を向上することができるようになっている。
すなわち、例えば夏場等の温暖な時季においては、前記筒状部24bを開いた状態にすることによって、建物1内の暖かい空気を効率良く排気することができるとともに、冬場等の寒冷な時季においては、前記筒状部24bを閉めた状態することによって、建物1内の暖かい空気を逃がさないようにすることができるので、居住性の向上を図ることが可能となる。
また、このように夏場において暖かい空気を効率良く排気することができるとともに、冬場において建物1内の暖かい空気を逃がさないようにすることができるので、従来とは異なり、空調機器や換気装置等に係るコストを抑えることが可能となり、その上、多くのエネルギー消費を抑制することが可能となっている。
一方、前記第3部屋21の窓21aから流入させた空気を、第3部屋21の天井部付近に溜まった暖かい空気を第4部屋22へと送る際の補助として用いることができ、前記第4部屋22の窓2aから空気を流入させることによって、第4部屋22の天井部付近に溜まった暖かい空気を、前記排気塔24を通じて外部へと排出することができるようになっている。
その上、前記収納室2に前記第2部屋12および第3部屋21に面して開口部3、4が設けられることによって、下階10の部屋の空気は上階20へと行き渡りやすくなり、上階20の部屋の空気は下階10へと行き渡りやすくなるので、建物1全体の空気の流通性が向上し、建物1内の換気を行う際において効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、前記第4部屋22の上部にロフト23が設けられ、このロフト23の天井部に、上端部が屋根25から上方に突出して外部と連通する排気塔24が設けられることによって、暖かい空気の上昇する性質を利用して建物1全体の暖かい空気を前記ロフト23へと流入させて、この暖かい空気を前記排気塔24を通じて外部へと排出することができるので、より効率良く自然換気を行うことが可能となる。
次に、図面を参照して本発明に係る建物1の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
すなわち、本実施の形態の建物1Bは、図5に示すように、下階10Bにおいて異なる天井高に設定されたガレージ40および第2部屋12Bと、下階10Bの部屋に合わせ、上階20Bにおいて異なる床レベルとなるように設定された第3部屋21Bおよび第4部屋22Bと、前記第2部屋12Bの天井部付近と前記第3部屋21Bの床付近との間に形成された収納室2Bとを備えている。
また、前記第4部屋22Bの上部にはロフト23Bが設けられ、このロフト23Bの天井部には、上端部が屋根25Bから上方に突出して外部と連通する排気塔24Bが設けられている。
2 収納室
3 開口部
4 開口部
10 下階
10a 下階床
11 第1部屋
12 第2部屋
20 上階
20a 第1上階床
20b 第2上階床
21 第3部屋
22 第4部屋
23 ロフト
24 排気塔
Claims (5)
- 下階床の一部の上方に第1上階床が設けられ、この第1上階床と下階床との間が第1部屋とされ、
前記第1上階床の一部の上方および前記下階床の上方に第2上階床が設けられ、第1上階床と第2上階床との間が、天井高が0.9m〜1.4mの収納室とされるとともに、第2上階床と下階床との間が前記第1部屋および収納室に隣接する第2部屋とされており、
前記収納室に隣接するようにして前記第1上階床上に第3部屋が設けられ、この第3部屋に隣接するようにして前記第2上階床上に第4部屋が設けられており、
前記収納室には、前記第2部屋および第3部屋に面して開口部が設けられており、
これら開口部には、これら開口部を開放または閉塞し、開放時には、前記収納室を介して第2部屋と第3部屋とを空気流通可能に連通する開閉扉が設けられており、
前記第2部屋と第3部屋とは、前記収納室を挟んで対向するようにして配置されており、前記収納室の第2部屋側の壁に前記第2部屋に面する開口部が形成され、この収納室の第2部屋側の壁に対向する第2部屋の壁に外部へ通じる窓が設けられており、前記収納室の第3部屋側の壁に前記第3部屋に面する開口部が形成され、この収納室の第3部屋側の壁に対向する第3部屋の壁に外部へ通じる窓が設けられており、
前記第2部屋と収納室とは、同じ第2上階床の下方に位置することによって、互いの天井間に段差がない状態とされており、
前記第3部屋と収納室とは、同じ第1上階床の上方に位置することによって、互いの床間に段差がない状態とされていることを特徴とする建物。 - 請求項1に記載の建物において、
前記第2部屋に設けられた窓は高窓とされていることを特徴とする建物。 - 請求項1または2に記載の建物において、
前記第2部屋に面した開口部に設けられる開閉扉には、この開閉扉の略全面にわたってルーバーが設けられていることを特徴とする建物。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物において、
前記第4部屋の上部にロフトが設けられ、このロフトの天井部には、上端部が屋根から上方に突出して外部と連通する排気塔が設けられていることを特徴とする建物。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
前記第1部屋および第4部屋には外部へ通じる窓がそれぞれ設けられていることを特徴とする建物。
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