JP4974707B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、複数階からなる建物に関するものである。
近年では、住宅用のエネルギ関連設備として、例えば自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯設備や燃料電池設備などが普及しつつある。これらの設備機器は、省エネルギ化により地球の環境保全を実現していく上でも今後益々普及が促進されると考えられる。こうした実情において、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯設備や燃料電池設備などの設備機器は、ガス給湯器などこれまでの設備機器に比べて体格が大きいため、建物の側方等に設置する場合において建物の外観とマッチングせず、建物の見栄えが損なわれる等の問題が生じている。
住宅の室外側に住宅用設備機器を設置するための先行技術として、例えば特許文献1が開示されている。同特許文献1では、住宅の外壁を形成する外装ユニット内に、室外側に設置する住宅用設備機器を集合させて一体に組み込み設置している。より具体的には、空調機、給湯器、換気ユニットのいずれを組み合わせて設置することとしている。
特開平11−141049号公報
しかしながら、上記特許文献1では、外装ユニット内に設備機器を収容する構成からして、設置対象となる設備機器は比較的小型なものに限られ、ヒートポンプ式電気給湯設備等の比較的大型の設備機器を設置することは困難である。ゆえに、こうした比較的大型の設備機器を建物側方に設置する上で改善の余地が残されている。
本発明は、比較的大型の屋外設備機器であっても好適に設置することができ、しかも設備設置状態での建物の見栄えの低下を抑制することができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
本発明の建物(建物10,40)は、複数階からなる建物であり、下階部分(一階部分11,41)の外壁面よりも外方に張り出すようにして上階部分(二階部分12,42)に張り出し部(張り出し部15,45)を設けるとともに、前記下階部分において前記張り出し部の下方となる外壁を無窓構成とし、さらに、前記張り出し部の下方において同張り出し部の屋外側縁部よりも屋外側へ出ない範囲で屋外設備機器用の設備設置スペース(設備設置スペースSA)を設定したことを特徴とする。例えば、前記張り出し部の底面と地上面との間に前記設備設置スペースが設けられているとよい。
上記構成の建物によれば、建物の側方において張り出し部の下方に設けられた設備設置スペースは、張り出し部の平面寸法に応じて任意に変更でき、かつ下階部分の高さを有するスペースであるため、比較的背の高い大型の屋外設備機器、例えばエネルギ資源に関する設備(ヒートポンプ式電気給湯設備や燃料電池設備など)を設置する場合にも好適なる設置が可能となる。また、設備設置スペースに対面する外壁は無窓構成となっているため、当該設置スペースに背の高い屋外設備機器を設置してもそれに起因して視界や採光の妨げが生じるといった不都合も生じない。その結果、比較的大型の屋外設備機器であっても好適に設置することができ、しかも設備設置状態での建物の見栄えの低下を抑制することができる。
また、前記下階部分において前記張り出し部の下方にアルコーブ(アルコーブ46)を設けた建物では、そのアルコーブの天井面と地上面との間に前記設備設置スペースが設けられているとよい。なお、アルコーブは、建物の外壁の一部に設けられた凹所のことである。本構成では、下階部分における外壁面よりも奥まった場所に設備設置スペースが設けられるため、比較的目立たないようにして設備設置スペースが設定できる。
前記下階部分には、同下階部分の階高とほぼ同じ高さを有する隔壁パネル(隔壁パネル21,31,51)が、前記設備設置スペースを囲むようにして設けられているとよい。この場合、隔壁パネルによって、設備設置スペースに設置される屋外設備機器を完全に覆い隠すことが可能となる。
前記隔壁パネルが、前記張り出し部の外壁面とほぼ面一で設けられているとよい。これにより、張り出し部の外壁面と隔壁パネルの外面とが連続し、建物全体としての一体感を生じさせることができる。したがって、建物の見栄えが向上する。
なおここで、隔壁パネルの外面には、建物の外壁面と同じ外装材が取り付けられているとよい。これにより、設備設置スペース(及び同スペースに設けられた屋外設備機器)の存在を一層目立たなくすることができ、建物の外観向上が可能となる。また、隔壁パネルによる包囲スペース内に、人が通ることのできる通路スペース(通路スペースSB)が設けられているとよい。この場合、通路スペースを使い屋外設備機器のメンテナンス等を行うことができる。
また、前記隔壁パネルに、開閉動作可能な開閉体(メンテナンス用扉32)が設けられ、その開閉体の開放に伴い前記設備設置スペースへのアクセスが可能となっているとよい。この場合、開閉体の開閉動作によって、設備設置スペースへの外部からのアクセスが可能となり、屋外設備機器のメンテナンス等を容易に行うことができる。
前記開閉体に、その開閉を許可又は阻止するためのオートロック装置(オートロック装置36)を設け、前記設備設置スペース内に設置された屋外設備機器が運転状態にある場合に、前記オートロック装置をロック状態(施錠状態)に保持するとよい。なお、オートロック装置は、屋外設備機器の運転状態に応じてロック/アンロックが切り換えられる電気施錠装置である。
上記構成によれば、屋外設備機器の運転中は、オートロック装置がロック状態に保持されるため、屋外側から設備設置スペースへのアクセスが禁じられた状態のままとなる。したがって、屋外設備機器へのアクセスが不可となり、その付近にいる人等の安全性が確保される。
前記隔壁パネルには、前記設備設置スペース内の換気を行う換気設備(ルーバ34A,34B及び換気ファン35)が設けられているとよい。換気設備は、設備設置スペース内に屋外空気を取り込むとともに、当該スペース内の空気を屋外に排出するものであればよい。例えば、屋外設備機器としてヒートポンプ式電気給湯設備等を設置する場合、設備設置スペース内に熱がこもることも考えられる。この点、隔壁パネルに換気設備を設けることにより、熱のこもりが抑制できる。
前記換気設備は、前記設備設置スペース内に設置された屋外設備機器の運転状況に応じて作動されるものであるとよい。例えば、屋外設備機器の運転開始に伴い換気設備を稼働させる。又は、屋外設備機器の運転負荷増加に伴い換気設備を稼働させる。この場合、設備設置スペース内が好適なる熱環境に保持できる。
前記張り出し部の底面部には、前記設備設置スペースに設置される屋外設備機器から延びる配線や配管等を収容する収容部(収容部23)が設けられているとよい。これにより、屋外設備機器から延びる配線や配管等の収まりを改善することができる。特に、屋外設備機器が何らかの態様(電気的な接続や、気体又は液体の流通経路を含む)で建物の上階部分に接続される場合には、本構成が特に有効であると考えられる。
ユニット式建物(ユニット式建物10,40)において、前記上階部分及び前記下階部分において各々対応させて建物ユニット(建物ユニットU1,U2)を設置するとともに、前記上階部分に、前記下階部分の建物ユニットに対して余剰となる付属ユニット(付属ユニットUF)を設け、その付属ユニットにより前記張り出し部を形成するとよい。これにより、強固な構成の張り出し部が構築できる。
なお、上記のように付属ユニットによって張り出し部が構成される建物において、付属ユニットとそれに隣接する建物ユニットとによって一つの居室が形成されるとよい。すなわち、建物ユニット内に形成される居室が、付属ユニット分だけ拡張されるとよい。
また、ユニット式建物において、前記上階部分及び前記下階部分において各々対応させて建物ユニットを設置するとともに、前記上階部分に、前記下階部分の建物ユニットよりも床面積が大きい大型ユニットを設け、その大型ユニットにより前記張り出し部を形成するとよい。これにより、やはり強固な構成の張り出し部が構築できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、鉄骨ラーメンユニット工法にて構築された2階建てユニット式建物に具体化しており、そのユニット式建物10の外観を図1〜図3に示す。なお図1には、建物10以外に、同建物10に付随する敷地内の外構等を併せ示し、図2、図3には、それら外構等を取り除いて建物10のみを示している。
図1等において、敷地内には基礎Kが設けられ、その基礎K上に建物10が建てられている。建物10は、大別して一階部分11と二階部分12と屋根部分13とから構成されている。一階部分11の側方には、例えば建物10の敷地境界部に沿って外構としてのフェンスFが設置されている。
建物10の一階部分11と二階部分12とを比較すると、二階部分12はその一部が一階部分11の外壁面よりも外方に張り出して張り出し部15となっている。張り出し部15は、建物10において玄関(図示略)とは異なる建物側面に設けられており、この意味からすれば、比較的目立たない場所に設けられている。
また、建物10において張り出し部15と同じ建物側面には、その張り出し部15の外壁に窓16が設けられるとともに、一階部分11に窓17が設けられている。ここで特に、一階部分11の窓17は、張り出し部15の真下位置から外れた位置に設けられている。換言すれば、一階部分11において張り出し部15の真下位置の外壁(図2に示す破線枠X部分)には窓が設けられていない構成となっている。
建物10は複数の建物ユニットが結合されて構築されたものであり、一階/二階の各部分11,12においてユーザの要望に合った間取りを実現すべく各々所定個数の建物ユニットが使用されて建物10が構築されている。建物ユニットの構成については周知であるため、図示による詳細な説明は割愛することとし、ここでは建物ユニットの構成を簡単に説明する。すなわち、建物ユニットは、四隅に設けられた柱と、各柱の上端部及び下端部を四辺に連結する各4本の天井大梁、床大梁とを有してなり、これらにより直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。
図4は建物ユニットの配置を示す平面図であり、(a)は一階部分11における建物ユニットの配置を、(b)は二階部分12における建物ユニットの配置を示す。また、図5は、建物10において骨組構造の一部を示す側面図である。
図4に示すように、一階部分11は、いずれも同じ大きさ(床面積)を有する6つの建物ユニットU1を用いて構築されている。また、二階部分12は、一階部分11の建物ユニットU1と同じ大きさ(床面積)の6つの建物ユニットU2と、その建物ユニットU2よりも床面積が小さくかつ一階部分11の建物ユニットU1に対して余剰となる付属ユニットUFとを用いて構築されている。本実施形態において、一階部分11の6つの建物ユニットU1と、二階部分12の同じく6つの建物ユニットU2とは建物10の基本構造部分をなすものであるが、これらの個数や大きさ等は、一階部分11よりも二階部分12が外方にはみ出さないことを条件に任意である。
上記のように構築される一階部分11と二階部分12とによれば、各々6つずつの建物ユニットU1,U2が上下に対応して設けられるとともに、付属ユニットUFが一階部分11(各建物ユニットU1)よりも外方に張り出して設けられることとなる。図5には、付属ユニットUFが張り出して設けられた状態を示しており、この付属ユニットUFにより張り出し部15が構成されるようになっている。付属ユニットUFは、二階部分12において隣接する建物ユニットU2に結合支持されるが、一階部分11の建物ユニットU1には結合支持されない構造となっている。
各建物ユニットU1,U2は、必ずしもユニットごとに区画された空間部(居室)を形成するものではなく、隣接する各ユニットを跨ぐようにして空間部(居室)を形成することも可能となっている。この場合、付属ユニットUFについても同様であり、本実施形態では、付属ユニットUFとそれに隣接する建物ユニットU2によって1つの居室が形成されるようになっている。図4には、その居室空間を破線枠Yで示している。
なお、図5に示すように、付属ユニットUFの天井大梁b1は、屋根勾配と同じ勾配角度で斜め方向に設けられている。これにより、付属ユニットUFを設けても、屋根の軒先部分の高さを抑えることができる。つまり、付属ユニットUFを取り付けていない建物と比較して、屋根の軒先部分の屋根高さをほぼ同じにすることが可能となる。このため、斜線制限(北側斜線制限等)のかかる場所でも敷地境界の比較的近くまで建物を建てることが可能となる。
建物10において、二階部分12の張り出し部15の下方は、ヒートポンプ式電気給湯設備や燃料電池設備といった屋外設備機器Eを設置するための設備設置スペースSAとなっている(図4のハッチング部分参照)。すなわち、設備設置スペースSAは、張り出し部15の屋外側縁部よりも屋外側へ出ない範囲で、張り出し部15の底面と地上面(例えば、コンクリート製の叩き)との間に設けられている。例えば、ヒートポンプ式電気給湯設備は高さが2mほどの大きさを有し、ガス給湯器などに比べて体格が大きいものとなっている。この点、設備設置スペースSAは一階部分11の高さを有するスペースであるため、その大型の屋外設備機器Eであっても余裕を持って設置可能となっている。その設置状態が図1に示されている。
設備設置スペースSAに対面する外壁、すなわち一階部分11において張り出し部15の下方の外壁(図2に示す破線枠X部分)には窓が設けられていない。そのため、比較的大型の屋外設備機器Eが設置された場合にも邪魔にならず、窓を通じての視界や採光が妨げられる等の不都合が生じないものとなっている。
また、一階部分11において張り出し部15の下方には、設備設置スペースSAを囲むようにして隔壁パネル21が設けられている。隔壁パネル21は、例えば、透明又は半透明のポリカーボネート樹脂等からなるパネル体を枠体に組み付けて構成されるものである。隔壁パネル21は、一階部分11の階高とほぼ同じ高さを有しており、その上部には屋根が設けられている。図4に示すように、隔壁パネル21は、二階部分12の張り出し部15の外壁面よりも屋外側に張り出して設けられ、例えばその側面部には出入り口21aが設けられている。隔壁パネル21の内側には人の通行が可能な通路スペースSBが確保されている。この通路スペースSBを使って、屋外設備機器Eのメンテナンス等を行うことができるようになっている。
ここで、二階部分12の張り出し部15には、屋外設備機器Eから延びるダクトや電気配線等を収容するための収容部が一体的に設けられていてもよい。すなわち、図6に示すように、二階部分12の張り出し部15の下方にはその底面部に沿って収容部23が設けられている。この収容部23は、屋外設備機器Eからすれば、直上に設けられることとなり、その収容部23内に、屋外設備機器Eから延びるダクトD等が収容されるようになっている。図示の構成例では、屋外設備機器Eから延びるダクトDが建物の二階部分12に導かれる構成において、そのダクトDの中途部分が収容部23内に収容されている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
建物10において、二階部分12に張り出し部15を設けるとともに、その張り出し部15の下方となる一階外壁を無窓構成とし、さらに、張り出し部15の下方に屋外設備機器用の設備設置スペースSAを設定した。かかる構成において、設備設置スペースSAは、張り出し部15の平面寸法に応じて任意に変更でき、かつ一階部分11の高さを有するスペースであるため、ヒートポンプ式電気給湯設備や燃料電池設備など、比較的背の高い大型の屋外設備機器Eを設置する場合にもその設置が可能となる。また、設備設置スペースSAに対面する外壁は無窓構成となっているため、当該設置スペースに背の高い屋外設備機器Eを設置してもそれに起因して屋内側からの視界や採光が妨げられるといった不都合も生じない。その結果、比較的大型の屋外設備機器Eであっても好適に設置することができ、しかも設備設置状態での建物の見栄えの低下を抑制することができる。
一階部分11に、設備設置スペースSAを囲むようにして隔壁パネル21を設けたため、その隔壁パネル21によって屋外設備機器Eを完全に覆い隠すことが可能となる。ゆえに、外観の向上を一層図ることができる。
張り出し部15の底面部に収納部23を設けた構成によれば、屋外設備機器Eから延びる配線や配管等の収まりを改善することができる。
ユニット式建物10において、二階部分12に付属ユニットUFを設けることで張り出し部15を形成したため、強固な構成の張り出し部15が構築できる。付属ユニットUFとそれに隣接する建物ユニットU2とによって一つの居室を形成する構成によれば、二階部分12において部分的に居室を拡張することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、設備設置スペースを囲む隔壁パネルの正面部に開閉体を設け、その開閉体の開放に伴い設備設置スペースへのアクセスを可能とする構成を採用する。その構成例を図7、図8に示す。なお本実施形態において、建物10の基本構造は上記第1の実施形態(図1、図2参照)と同様であるため、共通の構成については同じ符号を用いてその説明を省略する。
図7及び図8に示すように、一階部分11において張り出し部15の下方には、設備設置スペースSAを囲むようにして隔壁パネル31が設けられている。この隔壁パネル231に関する構成が上記第1の実施形態とは相違しており、以下詳述する。
隔壁パネル31は、一階部分11の外壁パネルと同じ外装材を用いて構成されており、外装材を共通化することによって他の外壁部分との一体感が醸し出されている。また、隔壁パネル31は、一階部分11の階高とほぼ同じ高さを有し、かつ二階部分12の張り出し部15の外壁面とほぼ面一で設けられている。
隔壁パネル31において、張り出し部15の張り出し正面部と同じ壁面には、左右一対のメンテナンス用扉32が設けられており、そのメンテナンス用扉32の開放に伴い設備設置スペースSAへのアクセスが可能となっている(図7(b)の状態)。メンテナンス用扉32は、その上下に設けられた支持板部33A,33Bによりスライド開閉可能に支持されている。なお、メンテナンス用扉32は、左右スライド式とする以外に、上下スライド式としたり、回動軸部を設けて手前側に回動可能とする回動式としたりすることが可能である。
また、メンテナンス用扉32には、その開閉を許可又は阻止するためのオートロック装置36が設けられている。オートロック装置36は、ロック/アンロックが電気信号(例えば、一体又は別体で設けられる制御部からの電気信号)により切り換えられる電気施錠装置である。
上下の各支持板部33A,33Bにはそれぞれ上側ルーバ34と下側ルーバ34Bとが一体に設けられている。また、図8に示すように、上側ルーバ34Aの内側(建物側)には換気ファン35が設けられている。この場合、換気ファン35を駆動すると、それに連動して上下の各ルーバ34A,34Bが開状態となる。これにより、設備設置スペースSAに対して、下側ルーバ34Bを通じて吸気が行われるとともに、上側ルーバ34Aを通じて排気が行われるようになっている。
上記構成において、通常はメンテナンス用扉32が閉鎖状態で保持され、その状態で、ヒートポンプ式電気給湯設備等の屋外設備機器Eが運転される。この場合、上下の各ルーバ34A,34Bを通じて設備設置スペースSA内の換気(熱の排出)が行われ、当該スペースSA内に熱がこもることが抑制される。一方、メンテナンス用扉32を開放することで、屋外設備機器Eのメンテナンス等が行われる。
ここで、屋外設備機器Eの運転状態に応じて換気ファン35や上下の各ルーバ34A,34Bを作動させる構成としてもよい。例えば、屋外設備機器Eの運転が開始されると、自動で換気ファン35や各ルーバ34A,34Bが作動し、同屋外設備機器Eの運転が停止されると、自動で換気ファン35や各ルーバ34A,34Bが作動を停止するように構成する。又は、屋外設備機器Eの運転負荷に応じてファン出力を制御する構成としてもよい。このとき、屋外設備機器Eの運転負荷増加に伴いファン出力を増大させ、同負荷減少に伴いファン出力を低下させる。
また、屋外設備機器Eが運転状態にある場合には、オートロック装置36をロック状態(施錠状態)に保持し、メンテナンス用扉32の開放を禁止する構成としてもよい。
以上第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に、比較的大型の屋外設備機器Eであっても好適に設置することができ、しかも設備設置状態での建物の見栄えの低下を抑制することができる。
上記効果に加えて、隔壁パネル31を張り出し部15の外壁面とほぼ面一で設けたため、張り出し部15の外壁面と隔壁パネル31の外面とを連続させて建物全体としての一体感を生じさせることができる。したがって、建物の見栄えが一層向上する。またこのとき、隔壁パネル31の外面に、建物10の外壁面と同じ外装材を取り付けたため、設備設置スペースSA(及び同スペースに設けられた屋外設備機器E)の存在を一層目立たなくすることができる。
隔壁パネル31にメンテナンス用扉32を設け、そのメンテナンス用扉32の開放に伴い設備設置スペースSAへのアクセスを可能としたため、屋外設備機器Eに対する外部からのアクセスが可能となり、屋外設備機器Eのメンテナンス等を容易に行うことができる。こうしてメンテナンス用扉32を設けた構成によれば、隔壁パネル31で囲まれたスペース内に通路スペースなどの余剰スペースを設ける必要がなくなる。したがって、隔壁パネル31により囲むエリアが小さくなり、隔壁パネル31の体格を小さくすることができる。
屋外設備機器Eが運転状態にある場合に、オートロック装置36をロック状態に保持する構成としたため、屋外設備機器Eの運転中は同設備機器Eへのアクセスが不可となり、その付近にいる人等の安全性が確保される。
隔壁パネル31に換気設備(ルーバ34A,34B及び換気ファン35)を設けたため、設備設置スペースSA内における熱のこもりが抑制できる。また、換気設備を屋外設備機器Eの運転状況に応じて作動することで、設備設置スペースSA内を好適なる熱環境に保持することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、上述した第1の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態におけるユニット式建物40の外観を図9〜図11に示す。
建物40は、大別して一階部分41と二階部分42と屋根部分43とから構成されている。建物40の二階部分42には、その一部が一階部分41の外壁面よりも外方に張り出して張り出し部45が形成されている。建物40では、上述した第1の実施形態の建物10との相違点として、一階部分41において張り出し部45の下方にアルコーブ46が設けられており、そのアルコーブ46により設備設置スペースSAが形成されている。アルコーブ46は、平面形状が矩形状をなす凹所であり、地上面から一階/二階の境界部までの上下方向範囲で設けられている。なお、張り出し部45には窓47が設けられ、一階部分41において張り出し部45の真下位置から外れた位置には窓48が設けられている。換言すれば、一階部分41において張り出し部45の真下位置の外壁(アルコーブ46の外壁部分)には窓が設けられていない構成となっている。
図12は、建物40における建物ユニットの配置を示す平面図であり、(a)は一階部分41における建物ユニットの配置を、(b)は二階部分42における建物ユニットの配置を示す。図12におけるユニット配置は図4に等しいが、一階部分41において建物ユニットU1の1つ(建物ユニットU1a)にアルコーブ46が設けられている点が相違している。
建物ユニットU1aは、本来存在する4つの床大梁の1つを無くし、その部位にアルコーブ46を形成した構造となっている。この場合、基礎Kは、アルコーブ部分を迂回するようにして一部屋内側に凹んだ形状で設けられている。
また、一階部分42において張り出し部45の下方には、設備設置スペースSAを囲むようにして隔壁パネル51が設けられている。隔壁パネル51は、例えば、透明又は半透明のポリカーボネート樹脂等からなる透明パネルを枠体に組み付けて構成されるものであり、その上部には屋根が設けられている。ただし、隔壁パネル51は、一階部分11の外壁パネルと同じ外装材を用いて構成されるものであってもよい。
図12に示すように、隔壁パネル51は、一階部分31の外壁面よりも屋外側に張り出すようにして設けられ、その内側には人の通行が可能な通路スペースSBが確保されている。この通路スペースSBを使うことで、屋外設備機器Eのメンテナンス等を行うことができるようになっている。
以上第3の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、比較的大型の屋外設備機器Eであっても好適に設置することができ、しかも設備設置状態での建物の見栄えの低下を抑制することができる。
上記のごとくアルコーブ46を設けた建物40において、第2の実施形態のごとく、隔壁パネル51の正面部に開閉体(メンテナンス用扉)を設け、その開閉体の開放に伴い設備設置スペースSAへのアクセスが可能となる構成を採用することも可能である。またこの場合、前記同様、開閉体(メンテナンス用扉)にオートロック装置を設けたり、隔壁パネルに換気設備(ルーバや換気ファン)を設けたりすることも可能である。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されても良い。
上記第1,第2の実施形態では、ユニット式建物10において、二階部分12の建物ユニットU2の桁面に付属ユニットUFを結合させたが(図4参照)、これを変更し、同じく建物ユニットU2の妻面に付属ユニットUFを結合させる構成であってもよい。この場合、図13に示すように張り出し部15が設けられることとなる。第3の実施形態のユニット式建物40においても同様である。
二階部分12,42の建物ユニットU2において、複数の付属ユニットUFを横並びで連続設置することも可能である。また、張り出し部15,45を複数箇所に分けて設けることも可能である。
上記実施形態では、例えば建物10において、二階部分12の建物ユニットU2に付属ユニットUFを設けることで張り出し部15を形成したが、これを変更する。例えば、二階部分12に、一階部分11の建物ユニットU1よりも床面積が大きい大型ユニットを設け、その大型ユニットにより張り出し部を形成してもよい。
上記実施形態では、本発明をユニット式建物に具体化した事例について説明したが、他の構造の建物にも適用できる。例えば、鉄骨軸組み工法にて建造される建物や、在来木造方向にて建造される建物に本発明を具体化することも可能である。
ユニット式建物の外観を示す斜視図。 ユニット式建物の外観を示す斜視図。 ユニット式建物の外観を示す斜視図。 建物ユニットの配置を示す平面図。 建物において骨組構造の一部を示す側面図。 建物の一部を示す側面図。 第2の実施形態におけるユニット式建物の外観を示す斜視図。 第2の実施形態における建物の一部を示す側面図。 第3の実施形態におけるユニット式建物の外観を示す斜視図。 第3の実施形態におけるユニット式建物の外観を示す斜視図。 第3の実施形態におけるユニット式建物の外観を示す斜視図。 建物ユニットの配置を示す平面図。 別の実施形態におけるユニット式建物の外観を示す斜視図。
符号の説明
10…建物、11…一階部分、12…二階部分、15…張り出し部、21…隔壁パネル、23…収容部、31…隔壁パネル、32…メンテナンス用扉、34A,34B…ルーバ、35…換気ファン、36…オートロック装置、40…建物、41…一階部分、42…二階部分、45…張り出し部、46…アルコーブ、41…隔壁パネル、E…屋外設備機器、K…基礎、SA…設備設置スペース、SB…通路スペース、U1,U2…建物ユニット、UF…付属ユニット。

Claims (9)

  1. 複数階からなる建物であって、
    下階部分の外壁面よりも外方に張り出すようにして上階部分に張り出し部を設けるとともに、前記下階部分において前記張り出し部の下方となる外壁を無窓構成とし、さらに、前記張り出し部の下方において同張り出し部の屋外側縁部よりも屋外側へ出ない範囲で屋外設備機器用の設備設置スペースを設定し、
    前記張り出し部の底面と地上面との間に前記設備設置スペースが設けられており、
    前記下階部分には、同下階部分の階高とほぼ同じ高さを有する隔壁パネルが、前記張り出し部の外壁面よりも屋外側に張り出して、前記設備設置スペースを囲むようにして設けられ、
    前記隔壁パネルによる包囲スペース内に、人が通ることのできる通路スペースが設けられていることを特徴とする建物。
  2. 前記隔壁パネルの外面には、前記下階部分の外壁面と同じ外装材が取り付けられている請求項1に記載の建物。
  3. 前記隔壁パネルに、開閉動作可能な開閉体を設け、その開閉体の開放に伴い前記設備設置スペースへのアクセスを可能とした請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記開閉体に、その開閉を許可又は阻止するためのオートロック装置を設け、
    前記設備設置スペース内に設置された屋外設備機器が運転状態にある場合に、前記オートロック装置をロック状態に保持する請求項に記載の建物。
  5. 前記隔壁パネルには、前記設備設置スペース内の換気を行う換気設備が設けられている請求項1乃至のいずれかに記載の建物。
  6. 前記換気設備は、前記設備設置スペース内に設置された屋外設備機器の運転状況に応じて作動されるものである請求項に記載の建物。
  7. 前記張り出し部の底面部に、前記設備設置スペースに設置される屋外設備機器から延びる配線や配管等を収容する収容部を設けた請求項1乃至のいずれかに記載の建物。
  8. 複数の建物ユニットを結合して構築されるユニット式建物に適用され、
    前記上階部分及び前記下階部分において各々対応させて建物ユニットを設置するとともに、前記上階部分に、前記下階部分の建物ユニットに対して余剰となる付属ユニットを設け、その付属ユニットにより前記張り出し部を形成した請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物。
  9. 複数の建物ユニットを結合して構築されるユニット式建物に適用され、
    前記上階部分及び前記下階部分において各々対応させて建物ユニットを設置するとともに、前記上階部分に、前記下階部分の建物ユニットよりも床面積が大きい大型ユニットを設け、その大型ユニットにより前記張り出し部を形成した請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物。
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