JP3729337B2 - 建物の自然換気方法とそのための自然換気構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建物の内部全体を効率良く乾燥させ得る自然換気方法と、そのための自然換気構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工的な強制換気装置を要さない建物の自然換気手段として、特開昭63−165632号と特開昭64−21141号並びに特開平1−158176号が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先ず特開昭64−21141号に係る建物の換気構造では、本発明と同じ建物全体の換気を目的としているが、そのための必須不可欠な通気路(4a)が建物(1)の壁パネル(4)に形成されており、床下換気口(3a)から取り入れた外気をその壁パネル(4)の通気路(4a)に沿い流通させて、屋根(5)の排気口(5a)から抜き出すようになっているので、生活上最も大切な居室の内部が換気されず、その居室としては依然気密状態にある。
【0004】
この点、特開昭63−165632号に係る家屋の通気システムでは、その通気シャフトゾーン(5)から各居室(8)の内部へ、屋外の新鮮な空気が自然と廻り込み流通する如く矢視説明されているが、そのためには通気シャフトゾーン(5)と各居室(8)を隔離している間仕切り壁に対して、室内空気排出口(10)と室内空気取り入り口(9)との上下一対を開口形成しなければならない。各居室(8)の床面と天井面が密閉状態にあるからである。
【0005】
又、たとえ室内空気取り入れ口(9)と室内空気排出口(10)とを設けたとしても、これらは家屋を縦断する間仕切り壁の一部だけに開口する横穴である。しかも、上記通気シャフトゾーン(5)は階段室又は別途のダクトから成るものとして、家屋の一部に区画されたものであり、その通気シャフトゾーン(5)の床面と天井面も1個所での部分的に開口しているに過ぎない。
【0006】
その場合、上記室内空気取り入れ口(9)と室内空気排出口(10)の各開口面積や、上記通気シャフトゾーン(5)における床面と天井面の各開口面積については勿論のこと、断熱ダクト(20)と屋根空気排出口(7)の各開口面積についても、その悉く必要な大きさを特定する具体的な記載がなされていない。
【0007】
そのため、第1図の矢印に基く理想的な説明にも拘らず、これらの開口面積が家屋の内部に溜まる飽和水蒸気(湿気)量との相関々係上、万一不足するような場合には、実際問題として家屋の内部全体を確実に自然換気することは不可能であって、殊更各居室(8)内に滞留している水蒸気(湿気)を、ただ単に攪拌作用するにとどまる結果となる。風向きの判明する毎秒0.3m以上の風力が無ければ、その屋外の新鮮な空気を家屋の横穴として開口する床下空気取り入れ口(3)から、積極的に吸入することも困難であり、未だ外界の風力に頼る不安定・不確実な自然換気手段であると言わざるを得ない。
【0008】
次に、特開平1−158176号に記載された押入れ換気構造の場合、その家屋の押入れ(4)(5)に限っては床面がすのこ体(13)として、同じく天井面がすのこ状の通気枠(46)として、これらから開口分布する入口(32)と出口(33)が形成されているため、その押入れ(4)(5)の内部全体を換気することができると言える。
【0009】
しかし、生活上重要な居室(7)(8)は気密材(11)の取り付けられた開閉戸(10)を介して、押入れ(4)(5)や押入れ換気流路(6)(6A)(6B)と隔離された密閉状態にある。そのため、その居室(7)(8)の内部へ第1図のように、排気口(35)と給気口(34)との部分的な上下一対を設けて、居室換気流路(9)であると称したとしても、その居室(7)(8)の内部から水蒸気(湿気)を完全に抜き出し得る保障がないことは、上記特開昭63−165632号と同様である。
【0010】
特開平1−158176号の第2図に記載された別な実施例では、階下居室(7)の床面に給気口(34)と、階上居室(8)の天井面に排気ダクト(65)と、天井ふところ(23)にダクト(64)とが各々形成されているが、これらは悉く1個所での局部的な開口であるに過ぎず、しかもその開口面積が家屋の内部全体に溜まる飽和水蒸気量との相関々係から、必要な大きさとして特定記載されていないので、やはり上記特開昭63−165632号と同様の理由により、やはり家屋の内部全体から水蒸気(湿気)を完全に抜き出すことができない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのために建物の自然換気方法として、建物の床下空間をベタ基礎のコンクリート打ちやシート類の敷設などにより防湿せず、地表面に向かい露出した全体的な給気口として、地熱や湿気が浮上する状態に維持すると共に、
【0012】
その建物を横断する床面と天井面並びに屋根面には、各々細かい床面通気間隙と天井面通気間隙並びに屋根面通気間隙の多数づつを全体的な分布状態として、しかもその床面積全体と天井面積全体並びに屋根面積全体の各々に占める開口面積の比率が、小さくとも建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値となるように開口させることにより、
【0013】
上記建物を縦断する外壁や内部の間仕切り壁にたとえ通気口が無くても、又各種建具や窓、上記床下空間の周囲がたとえ密閉された使用状態にあっても、その床下空間から上記床面通気間隙と天井面通気間隙並びに屋根面通気間隙を通じて外方へ吸い出される上昇換気流により、建物の内部全体を完全な自然乾燥状態に保つことを特徴とし、
【0014】
又、同じく建物の自然換気構造として、建物の床下空間をベタ基礎のコンクリート打ちやシート類の敷設などにより防湿せず、地表面に向かい露出した全体的な給気口として、地熱や湿気が浮上する状態に維持すると共に、
【0015】
その建物を横断する床面と天井面並びに屋根面へ、何れも各種桟材のすかし打ちや、簀子材、多孔板材又は編組み材の施工などにより、各々細かい床面通気間隙と天井面通気間隙並びに屋根面通気間隙の多数づつを全体的な分布状態として、しかもその床面積全体と天井面積全体並びに屋根面積全体の各々に占める開口面積の比率が、小さくとも建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値となるように開口形成して、
【0016】
上記建物を縦断する外壁や内部の間仕切り壁にたとえ通気口が無くても、又各種建具や窓、上記床下空間の周囲がたとえ密閉された使用状態にあっても、その建物の内部全体を上記床下空間から浮上する地熱や湿気が屋根面の外方へ洩れなく自然に吸い出される上昇換気流路として機能し得るように定めたことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の詳細を説明すると、先ず図1〜4は本発明を適用した第1実施形態として、住居となる一戸建て(2階建て)の建物を例示している。
【0018】
(1F)(2F)は床材とその下地材(根太)を包含する意味での階下床面と階上床面であって、これらの建物を横断する床面(1F)(2F)には、図3、4の間取り図から示唆される通り、多数の床面通気間隙(f1)(f2)が開口分布されている。
【0019】
つまり、階下床面(1F)並びに階上床面(2F)の床材を、図5〜11に拡大して示すような短冊状の板や半割り丸太、さらし竹、その他の桟材(3)としてすかし打ちしたり、交錯する簀子材(4)や多孔板材(5)を張設したりすることによって、比較的細かい多数の床面通気間隙(f1)(f2)を床面(1F)(2F)の全体へ、好ましくはほぼ均一な分布状態に開口形成するのである。
【0020】
(S1)は階下床面(1F)の床下空間であり、ここは地表面(G)へ露出する全体的な給気口(6)として、防湿のためのコンクリート打ち(所謂ベタ基礎)や防湿シート類の敷設などを行なわず、地熱が浮上する状態に維持する。その際、床下空間(S1)の周囲は密閉してもさしつかえない。(7)はコンクリート製の布基礎又は束石、(8)は割り栗石である。
【0021】
又、(1C)(2C)は天井材とその下地材(野縁)を包含する意味での階下天井面と階上天井面であり、これらの建物を横断する天井面(1C)(2C)にも、図3、4の間取り図から示唆されるように、多数の天井面通気間隙(c1)(c2)が開口分布されている。
【0022】
その階下天井面(1C)並びに階上天井面(2C)の天井材としても、上記床材と同様な桟材(3)や簀子材(4)を施工したり、或いは図13のようなスダレやよしずなどの編組み材(9)を張設したりすることによって、やはり比較的細かい多数の天井面通気間隙(c1)(c2)を天井面(1C)(2C)の全体へ、望ましくはほぼ均一な分布状態に開口形成するわけである。
【0023】
更に、(R)は屋根材とその下地材(野地板)を包含する意味での屋根面であり、この建物を横断する屋根面(R)にも多数の屋根面通気間隙(r)が開口分布されている。その屋根材として図例のような瓦(10)を採用する建物の場合には、その下地材の野地板を桟材(3)としてすかし打ちしたり、簀子材(4)として施工したりすると共に、瓦(10)をその隣り合う相互のすかし状態に並列設置して、屋根面(R)の全体へやはり比較的細かい多数の屋根面通気間隙(r)を好ましくはほぼ均一に開口分布させるのである。
【0024】
その際にも、防水のためのシート類やアスファルトルーフィング、樹皮などを一切敷設せず、その屋根面通気間隙(r)と階上天井面(2C)の上記天井面通気間隙(c2)とが、屋根裏空間(S2)を介して全面的に連通する状態に保つ。
【0025】
上記瓦(10)に代る銅板やトタンなどの金属板を採用する建物の場合には、その屋根面(R)の頂上部へ図16、17のような屋根面通気間隙(r)となる笠付き煙突(11)の複数を垂立させれば良い。
【0026】
(12)は建物を縦断する間仕切り壁又は障子や襖、開閉扉などの建具、(13)は同じく建物を縦断する窓又は外壁を示している。上記階下床面(1F)や階上床面(2F)の床材に敷設されることとなる畳やジュウタン、その他の各種床仕上げ材は図示省略してあるが、これらの敷設使用状態にあっても、その床面通気間隙(f1)(f2)は常に一定の開口面積だけ開口するようになっている。
【0027】
即ち、本発明では上記床面(1F)(2F)に開口分布する多数の床面通気間隙(f1)(f2)のみならず、上記天井面(1C)(2C)に開口分布する多数の天井面通気間隙(c1)(c2)と屋根面(R)に開口分布する多数の屋根面通気間隙(r)についても、その対応する床面積、天井面積又は屋根面積の全体に各々占める開口面積の比率が、小さくとも建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度の数値とほぼ等しくなる開口面積に設定されている。飽和水蒸気密度は温度だけの関数、つまり一定の体積中に含む飽和水蒸気密度はその空気の温度により決まっていて、温度の高いほど飽和水蒸気密度は大きくなる比例関係にあり、水蒸気を含んだ空気の温度が低下すると、水蒸気は飽和状態に近づき、露点に達するや凝結して水滴になるため、このような自然法則を考慮して、その水蒸気の蒸発面積となる上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の各最小開口面積を規定しているのであり、その各最小開口面積は床面積、天井面積又は屋根面積に上記平均温度と対応する飽和水蒸気密度の数値を乗じることによって求めることができる。
【0028】
このことを具体的な数値に基いて言えば、図18は飽和水蒸気密度の温度依存性を示す関数表であり、例えば財団法人東京大学出版会発行の書籍「一般気象学」(第2版)や国立天文台編纂の書籍「理科年表」などに掲載されているが、今図1〜4に示した建物の建築地域における年間の平均温度が30℃であると仮定した場合、この数値と対応する飽和水蒸気密度は図18の関数表から30.4g/m3であるため、その建物に開口分布させる上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の各最小開口面積を、その床面積、天井面積又は屋根面積の全体に対する約30.4%の比率として、その飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値に設定することにより、水蒸気を飽和状態まで溜まらないうちに吸い出すわけである。
【0029】
そうすれば、昼間の日射を受けて暖められた地熱や、夜間の居住から建物の内部に発生する暖気が上昇換気流として、その建物の床下空間(S1)から上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)を経て外方へ流動することになり、その建物の内部全体を上昇換気流路(P)として効率良く自然換気することができ、上記最小開口面積の確保によって、水蒸気(湿気)が洩れなく吸い出され、建物の内部へ飽和状態に滞留するおそれはない。
【0030】
特に、建物を横断する上記床面(1F)(2F)と天井面(1C)(2C)並びに屋根面(R)について、その床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつが全体的に開口分布されており、建物の内部全体を上昇換気流路(P)として、その床下空間(S1)から屋根面(R)の外方へ向かう上昇換気流が起生されるようになっているため、建物を縦断する外壁(13)や内部の間仕切り壁(12)に通気口(横穴)を設ける必要がなく、又たとえ障子や襖、開閉扉などの建具(12)や窓(13)を開放せず、その密閉した使用状態にあっても、更に上記床下空間(S1)の周囲がたとえ密閉状態にあっても、建物の内部が高気密や高断熱の空間とならず、生活上最も重要な居室も含む建物の内部全体を完全に換気することができ、別個なファンやその他の強制換気装置を必要としない。
【0031】
念のために言えば、上記屋根面(R)の全体に多数の屋根面通気間隙(r)を開口分布させたとしても、建物の内部はその外部よりも低温化することがなく、その暖気の膨張力と外圧(台風)に対する内圧の発生によって、雨水を押し出し作用するため、その雨水が建物の内部へ侵入するおそれはなく、このことは出願人の実験により確認している。
【0032】
又、建物の床下空間(S1)には防湿のためのコンクリート打ちや防湿シート類の敷設を行なわない旨として上記したが、地表面(G)から浮上する湿気は地熱や建物内部の暖気により暖められ、軽くなって、階下床面(1F)の全体に開口分布する多数の床面通気間隙(f1)を通じ、上昇換気流として屋根面通気間隙(r)から抜け出すため、一切の支障を生じない。このことも、出願人の実験により確認済みである。
【0033】
但し、上記床面積全体に対する床面通気間隙(f1)(f2)の最小開口面積比、天井面積全体に対する天井面通気間隙(c1)(c2)の最小開口面積比並びに屋根面積全体に対する屋根面通気間隙(r)の最小開口面積比が、上記の設定数値よりも小さいと、未だ建物の内部に飽和水蒸気が滞留しやすく、結露やカビ、ダニ、腐朽、居住者のゼンソクやアレルギー疾患、シックハウス疾候などの発生するおそれがあるため、上記比率に設定する必要がある。
【0034】
それだからと言って、上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)を、その床面積、天井面積又は屋根面積の全体に対して過大な比率に開口形成すると、建物自身の物理的な耐久強度や冬期での耐寒性が低下するため、その最大開口面積については建物の構造や建築地域の気象条件などを総合的に考慮して、適当に選定する。
【0035】
上記のように、天井面通気間隙(c1)(c2)の最小開口面積比と屋根面通気間隙(r)の最小開口面積比については、床面通気間隙(f1)(f2)のそれと同一であってもさしつかえないが、厳密に言えば天井面(1C)(2C)と屋根面(R)は床面(1F)(2F)よりも地上高さが高く、その高低差が空気の圧力や膨張度を左右することになる関係上、天井面通気間隙(c1)(c2)の最小開口面積と屋根面通気間隙(r)の最小開口面積は、これらを床面通気間隙(f1)(f2)のそれよりも1m高くなる毎に、約0.0012%の一定比率づつ拡大させることが好ましい。この比率の数値は1気圧760mmHgとして、10m増す毎に1.2hPaづつ低気圧となることに基く計算値である。
【0036】
更に言えば、図1、2のような建物の屋根面(R)に一定の傾斜角度(θ)がある場合、その角度の零度(水平)に近づく程、水蒸気を含む空気が外方へ抜け出し難くなる関係上、屋根面通気間隙(r)の最小開口面積については、その傾斜角度(θ)に応じた一定の比率だけ、水平な床面(1F)(2F)に開口する床面通気間隙(f1)(f2)の最小開口面積よりも拡大させることが望ましい。このことは、天井面(1C)(2C)に一定の傾斜角度(θ)がある場合にも、同様に適用することができる。
【0037】
図1〜4の建物に記入した寸法に基いて、上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の各最小開口面積を試算した具体的な数値は、図19〜21に示す通りとなる。尚、屋根面通気間隙(r)を拡大させた比率の数値は、屋根面(R)の傾斜角度(θ)を15度とし、その傾斜角度の90度(垂直)を100%とした基準による計算値である。
【0038】
上記のように、天井面通気間隙(c1)(c2)と屋根面通気間隙(r)の各開口面積を、床面通気間隙(f1)(f2)のそれよりも地上高さが高くなる分だけ、一定の比率づつ拡大させるならば、屋根面(R)の全体に開口分布する屋根面通気間隙(r)からの積極的な吸い出し力が、建物の内部全体に洩れなく作用して、その床下空間(S1)から屋根面(R)の外方へ抜ける上昇換気流をますます促進させることができ、その換気流が停滞しない結果、水蒸気(湿気)の飽和状態に達しないことは勿論、結露の発生するおそれもない。
【0039】
次に、図22〜24は本発明の第2実施形態として、事務室となる5階建てのビルディングを例示しており、その各事務室の床面(1F)〜(5F)と天井面(1C)〜(5C)並びに屋根面(R)の全体には、上記第1実施形態と同様な桟材(3)のすかし打ち、簀子材(4)や多孔板材(パンチングメタル)(5)の施工などによって、各々床面通気間隙(f1)〜(f5)と天井面通気間隙(c1)〜(c5)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつが開口分布されている。
【0040】
そのビルディングの建築地域における年間の平均温度を35℃とし、これから図18の関数表により求めた飽和水蒸気密度の数値である39.6g/m3 を一定比率として、床面積に対する床面通気間隙(f1)〜(f2)の最小開口面積と、天井面積に対する天井面通気間隙(c1)〜(c2)の最小開口面積と、屋根面積に対する屋根面通気間隙(r)の最小開口面積を各々試算した結果は、図23、24に示す通りである。
【0041】
又、階層ビルディングとして、その床面通気間隙(f1)〜(f5)と天井面通気間隙(c1)〜(c5)並びに屋根面通気間隙(r)の各最小開口面積が、最階下の床面(1F)に開口する床面通気間隙(f1)のそれよりも地上高さの高くなる毎に、一定の比率づつ拡大されていることは、上記第1実施形態と同様である。
【0042】
このようなビルディングに本発明を適用する場合、多数の縦通気孔(14)が開口分布するコンクリート製のベタ基礎(15)を施工し、その各縦通気孔(14)へ砂利などの粒子状骨材(16)を詰め込むことにより、地熱を浮上させて、これを上記第1実施形態と同じく、最階下の床下空間(S1)から事務室の内部を経て、やはり屋根面(R)の外方へ向かう上昇換気流により抜き出すのである。
【0043】
尚、第2実施形態におけるその他の構成と作用は先の第1実施形態と実質的に同一であるため、その図22に図1〜4との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明では建物の自然換気方法として、建物の床下空間(S1)をベタ基礎のコンクリート打ちやシート類の敷設などにより防湿せず、地表面(G)に向かい露出した全体的な給気口(6)として、地熱や湿気が浮上する状態に維持すると共に、
【0045】
その建物を横断する床面(1F)(2F)と天井面(1C)(2C)並びに屋根面(R)には、各々細かい床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつを全体的な分布状態として、しかもその床面積全体と天井面積全体並びに屋根面積全体の各々に占める開口面積の比率が、小さくとも建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値となるように開口させることにより、
【0046】
上記建物を縦断する外壁(13)や内部の間仕切り壁(12)にたとえ通気口が無くても、又各種建具(12)や窓(13)、上記床下空間(S1)の周囲がたとえ密閉された使用状態にあっても、その床下空間(S1)から上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)を通じて外方へ吸い出される上昇換気流により、建物の内部全体を完全な自然乾燥状態に保つようになっているため、冒頭に述べた従来技術の課題を確実に改良できる効果がある。
【0047】
即ち、本発明の上記構成によれば、建物の床下空間(S1)がベタ基礎のコンクリート打ちやシート類の敷設などによって防湿されず、そのまま地表面(G)に向かい露出した全体的な給気口(6)となる状態に維持されている一方、床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつが、建物の床面(1F)(2F)と天井面(1C)(2C)並びに屋根面(R)に各々全体的な分布状態として開口形成されているため、その建物の床下空間(S1)から屋根面(R)の外方へ向かう上昇換気流により、生活上最も大切な居室も含む建物の内部全体を、総合的に効率良く乾燥させることができる。
【0048】
そして、このような効果は建物を縦断する外壁(13)や内部の間仕切り壁(12)にたとえ通気口(横穴)が無くても、又障子、襖、開閉扉などの各種建具(12)や窓(1 3)、上記床下空間(S1)の周囲がたとえ密閉された状態にあっても、支障なく達成されるのであり、この点に冒頭の従来技術からは得られない本発明に特有の実益がある。
【0049】
しかも、床面積全体と天井面積全体並びに屋根面積全体に各々占める上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の最小開口面積比が、その建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値に設定されているため、建物の内部に飽和水蒸気の滞留するおそれがなく、その内部全体の完全な自然乾燥状態を得られるのである。本発明ではあくまでも自然換気方法として、特別のファンやその他の強制換気装置を要さないことは言うまでもない。
【0050】
特に、請求項2や請求項3の構成を採用するならば、屋根面(R)の全体に開口分布する屋根面通気間隙(r)からの積極的な吸い出し力が、建物の内部全体に洩れなく働いて、その床下空間(S1)から屋根面(R)の外方へ抜ける上昇換気流をますます促進させることができ、その換気流の停滞することが無いため、結露の発生も確実に防止し得るのであり、建物の耐用性に優れる。
【0051】
更に、請求項4の構成によれば、桟材(3)のすかし打ちを初め、簀子材(4)、多孔板材(5)又は編組み材(9)の施工などにより、建物の床面(1F)(2F)と天井面(1C)(2C)並びに屋根面(R)の全体へ、その床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつを容易に開口分布させることができ、その施工性と低廉化に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した2階建て住宅の断面模式図である。
【図2】図1の側面から見た断面模式図である。
【図3】図1における1階部分の間取り図である。
【図4】同じく図1における2階部分の間取り図である。
【図5】図1の階下床面を示す斜面図である。
【図6】床材、天井材又は屋根下地材として使用可能な桟材の一例を示す斜面図である。
【図7】図6に対応する別な桟材の斜面図である。
【図8】半割丸太の桟材を示す斜面図である。
【図9】さらし竹の桟材を示す斜面図である。
【図10】簀子材を示す斜面図である。
【図11】多孔板材を示す斜面図である。
【図12】階下天井面又は階上天井面を示す斜面図である。
【図13】天井材として使用可能な編組み材を示す平面図である。
【図14】屋根面を示す斜面図である。
【図15】図14の瓦を抽出拡大して示す斜面図である。
【図16】図2に対応する別な建物を示す断面模式図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】飽和水蒸気密度の温度依存性を示す関数表である。
【図19】図1〜4の住宅における階下部分の床面通気間隙並びに天井面通気間隙の最小開口面積を試算した一覧表である。
【図20】図1〜4の住宅における階上部分の床面通気間隙並びに天井面通気間隙の最小開口面積を試算した一覧表である。
【図21】図1〜4の住宅における屋根面通気間隙の最小開口面積を試算した一覧表である。
【図22】図1と対応する5階建てビルディングの断面模式図である。
【図23】図22の建物における床面通気間隙並びに天井面通気間隙の最小開口面積を試算した一覧表である。
【図24】図22の建物における屋根面通気間隙の最小開口面積を試算した一覧表である。
【符号の説明】
(1C)(2C)・天井面
(c1)(c2)・天井面通気間隙
(1F)(2F)・床面
(f1)(f2)・床面通気間隙
(R)・屋根面
(r)・屋根面通気間隙
(S1)・床下空間
(P)・上昇換気流路
(3)・桟材
(4)・簀子材
(5)・多孔板材
(9)・編組み材
Claims (4)
- 建物の床下空間(S1)をベタ基礎のコンクリート打ちやシート類の敷設などにより防湿せず、地表面(G)に向かい露出した全体的な給気口(6)として、地熱や湿気が浮上する状態に維持すると共に、
その建物を横断する床面(1F)(2F)と天井面(1C)(2C)並びに屋根面(R)には、各々細かい床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつを全体的な分布状態として、しかもその床面積全体と天井面積全体並びに屋根面積全体の各々に占める開口面積の比率が、小さくとも建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値となるように開口させることにより、
上記建物を縦断する外壁(13)や内部の間仕切り壁(12)にたとえ通気口が無くても、又各種建具(12)や窓(13)、上記床下空間(S1)の周囲がたとえ密閉された使用状態にあっても、その床下空間(S1)から上記床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)を通じて外方へ吸い出される上昇換気流により、建物の内部全体を完全な自然乾燥状態に保つことを特徴とする建物の自然換気方法。 - 建物の天井面(1C)(2C)に開口分布する天井面通気間隙(c1)(c2)の開口面積と、同じく屋根面(R)に開口分布する屋根面通気間隙(r)の開口面積とを、建物の床面(1F)(2F)に開口分布する床面通気間隙(f1)(f2)の開口面積よりも、その地上高さが高くなる分だけ一定比率づつ拡大させることを特徴とする請求項1記載の建物の自然換気方法。
- 建物の傾斜した天井面(1C)(2C)に開口分布する天井面通気間隙(c1)(c2)の開口面積、又は/及び同じく建物の傾斜した屋根面(R)に開口分布する屋根面通気間隙(r)の開口面積を、建物の水平な床面(1F)(2F)に開口分布する床面通気間隙(f1)(f2)の開口面積よりも、その傾斜角度(θ)とほぼ対応する一定比率だけ拡大させることを特徴とする請求項1記載の建物の自然換気方法。
- 建物の床下空間(S1)をベタ基礎のコンクリート打ちやシート類の敷設などにより防湿せず、地表面(G)に向かい露出した全体的な給気口(6)として、地熱や湿気が浮上する状態に維持すると共に、
その建物を横断する床面(1F)(2F)と天井面(1C)(2C)並びに屋根面(R)へ、何れも各種桟材(3)のすかし打ちや、簀子材(4)、多孔板材(5)又は編組み材(9)の施工などにより、各々細かい床面通気間隙(f1)(f2)と天井面通気間隙(c1)(c2)並びに屋根面通気間隙(r)の多数づつを全体的な分布状態として、しかもその床面積全体と天井面積全体並びに屋根面積全体の各々に占める開口面積の比率が、小さくとも建物の建築地域における年間の平均温度と対応する飽和水蒸気密度とほぼ等しい数値となるように開口形成して、
上記建物を縦断する外壁(13)や内部の間仕切り壁(12)にたとえ通気口が無くても、又各種建具(12)や窓(13)、上記床下空間(S1)の周囲がたとえ密閉された使用状態にあっても、その建物の内部全体を上記床下空間(S1)から浮上する地熱や湿気が屋根面(R)の外方へ洩れなく自然に吸い出される上昇換気流路(P)として機能し得るように定めたことを特徴とする建物の自然換気構造。
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