JP2007009511A - 木造屋根の垂木間空間にダクトを形成して屋根裏頂部から高温空気を排出する方法 - Google Patents

木造屋根の垂木間空間にダクトを形成して屋根裏頂部から高温空気を排出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】木造家屋では、夏季屋根が太陽光に照らされて高温になると,これが屋根裏の空気温度を高くし,天井があっても熱拡散で屋内全体の室温を高める。このため2階の部屋、平屋建ての家は暑いというのが一般的通念となっている。
【解決手段】これを防ぐには屋根裏頂部から高温空気をファンで外部に放出することが有効である。屋根裏頂部の空気を排出するには、頂部に開口するダクトを設置して軒先まで導きファンを用いて外部に放出する必要があるが、垂木間空間を利用すると簡単安価にダクトを構成でき、これにクロスフローファンを用いた排気装置を付加しても1排気系統当たり10万円以下で施工可能である。将来排気冷却を計画した場合にも極めて安価に実施できるので、1棟あたり2,3本垂木間空間にダクトを設けておくことがこれからの木造家屋建築では必須要件となるであろう。
【選択図】図1

Description

夏季、木造家屋の屋根裏頂部の高温空気を排出することにより、屋根裏空気温度、したがって屋内の空気温度を大幅に低下させる技術に関する。
木造家屋では夏季太陽に熱せられた屋根からの熱伝導で屋根裏の空気温度が上がり、これが家屋内全体の空気温度を高めている。
屋根裏の空気温度は対流により上に行くほど高くなっている。冷房装置を用いずに木造家屋の室内温度を下げるには、太陽で暖められた屋根裏頂部から高温空気を外部に排出する以外に有効な方法はない。
木造家屋の屋根の構造には、切妻式と寄せ棟式がある。
切妻式屋根を持つ家屋では、切妻面の頂上付近に換気窓を設けたり、換気扇をつけたりして屋根裏で暖められた暖気を高い位置から外部に放出できる。
しかし寄せ棟式屋根の家屋では、換気窓を設けるとしても軒桁の外側あるいは軒天井付近以外につけるところはない。軒天井に換気窓をつけてもその高さが屋根頂部より低いので、屋根裏頂部の高温空気を直接外に排出することはできない。
現在建築されている木造家屋の多くは寄せ棟式の屋根をもち、夏季家屋内の高温に悩んでいる人の数は極めて多い。
屋内温度を下げるために、特に設計製作したダクトを介して屋根裏頂部近くから高温空気をファンで引きだし、軒天井に設けた換気窓から放出する方法が用いられている。しかしダクトシステムの設備にかなり大きい費用を要する。
屋根を2重構造とし棟に換気構造を持たせて自然換気を行う方法も用いられている。しかし二重屋根、風雨の侵入を防止する棟構造が必要なため、その施工は大変高価になる。
屋根裏空気の換気方法に関する特許公開公報には次のようなものがある。
特開 10-189125 建築物の屋根裏換気装置 特開 2003-239409 木造家屋の換気装置
夏季は屋根裏の空気温度が太陽に暖められて大きく上昇するため、天井一枚で高温空気に接する2階の部屋は暑い、平屋建ての家は暑いというのが一般的通念となっている。この通念を打破することが課題である。
現在の建築基準法では、屋内各部屋を通じて強制的換気を行うことが義務付けられているが、その通路をどのようにつけて最終的にどこから排出するかは示されていない。夏季には換気通路を最終的に屋根裏に集めて屋根裏空気を外部に放出することにより、屋内すべての部屋の空気を清浄にかつ低温に保持することができるので、これを実施することが望まれる。しかし家屋内の換気通路全般については本申請書では触れない。
2本あるいは3本の垂木の下面を木製合板あるいは金属板等で隙間なく覆って、屋根板、垂木およびその下面に張った覆い板で囲まれた空間をダクトとして屋根頂部から高温空気をファンで吸い込み軒下あるいは軒先に放出する。
垂木は棟木、もやおよび軒桁上に置かれているため、2本の垂木間の空間には全く空気の流れを遮るものがない。この垂木間空間を利用することにより極めて簡単、安価に排気ダクトを形成することができる。
屋根裏で暖められた空気は対流で順次上に昇るので、屋根裏頂部から高温空気を吸い込み外部へ放出すると、自然でかつ効率のよい熱放出系を形成できる。
屋根の下にある天井面に通気口を適切に設けておけば、屋根裏頂部からの排気システムにより屋内全体の通気経路が完結する。
排気能力としては、一つの棟木を持つ屋根に1,2箇所にダクトと30乃至50ワットの排気装置を設ければ充分で、屋根全面をダクト化する必要はない。
このように垂木間空間を利用してダクトを形成すれば、簡単、安価に排気冷却システムを実現できる。1排気系当たり高くても10万円以下で施工可能である。
棟木から軒桁まで垂木2本あるいは3本の下面を木製合板あるいは金属板で隙間なく覆って屋根板との間に細長い矩形ダクトを形成する。
一棟あたり必要に応じて数個所にこのダクトを設ける。
各ダクトには、軒天井をつけるか否か等軒桁の外装処理にも依存するが、適当な接続ダクト、排気ダクト,排気口と共に30乃至50ワット程度のクロスフローファンを設置する。
30乃至50ワット程度のクロスフローファン1台で熱量排出率ほぼ1キロワットを期待できる。クロスフローファンは低騒音、高排気量、高背圧であり、この目的に適する。
大きい排気量を必要とする場合は、3本以上の垂木空間を1ダクトとして利用し、軸長の長いクロスフローファンを用いて排気量を大きくできる。
ダクト、クロスフローファンの設置位置は、居室,寝室の上は避け、トイレ、風呂等、限時的に使用する場所の上がよい。
建築時に1棟あたり数個所の垂木列の下を板で覆ってダクトを作っておけば、その後天井に穴を開けることなく、必要に応じてファンを設置して排気系を形成できる。
建築時に垂木間空間を利用したダクトを数本用意しておくことは,これからの木造家屋の必須条件となるであろう。
棟木と直角方向の垂木間空間に形成したダクトと排気装置断面図
符号の説明
1 垂木
2 棟木
3 もや
4 軒桁
5 屋根板
6 ダクト形成用覆い板
7 屋根
8 接続ダクト
9 排気ダクト
10 シロッコファン
11 軒天井
12 梁

Claims (1)

  1. 木造家屋の屋根の垂木間空間にダクトを形成して屋根裏頂部の高温空気をファンを用いて軒先から排出する方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013025242A2 (en) * 2011-08-12 2013-02-21 Paul Stuart & Associates, Llc Hyper-aeration apparatus for attic ventilation
CN111589241A (zh) * 2020-04-16 2020-08-28 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种转炉三次除尘气楼和屋顶气楼优化改造控制方法

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