種々の構成は、本発明に基づくゲッタ領域を伴って設けられる発光装置及び電子放出装置のために下記に記述されている。電子放出装置の各々は電界放射原理に従って動作し、ここではしばしば電界放射と呼ばれている。発光装置の内の1つが電界放射の内の1つと結合されている時、その結合は電界放射ディスプレイ(以下、再度「FED」と言う。)を形成する。
本発光装置の各々は、よくある下記に述べられるもの以外の電子放出装置と一般に結合され得る。例えば本電子放出装置の各々は、熱放射又は電界放射に加えて、他の技術に基づいて動作する電子放出装置と結合されている。その場合には、発光装置及び電子放出装置の結合は単にフラット・パネルCRTディスプレイである。同様に、本電子放出装置の各々は、フラット・パネルCRTディスプレイを単に形成するための、よくある下記に述べられるもの以外の発光装置と結合され得る。その結果生じたフラット・パネルCRTディスプレイが特にFEDであるか否かに関係なく、ディスプレイはフラット・パネルテレビジョン、パーソナル・コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ワークステーション若しくは携帯情報端末のような携帯端末用のフラット・パネルビデオモニタに適している。
本フラット・パネルCRTディスプレイの各々における電子放出装置は、横列及び縦列を成して配設された電子放出領域の2次元配列を有する。各電子放出領域は、コーンやフィラメント、不規則に形成された粒子のような1つ又は1つ以上の電子放出素子から成る。ディスプレイの発光装置は、横列及び縦列を成して配列された発光領域の2次元配列を有する。各発光領域は通常蛍光体で成り、電子放出領域の内の対応している1つに対向してそれぞれ位置されている。
本フラット・パネルディスプレイの各々は、通常カラーディスプレイであるが、例えば緑黒(black−and−green)や白黒のようなモノクロディスプレイであっても良い。各発光領域及び対向側に配置された対応電子放出領域は、モノクロディスプレイ中のピクセル、及びカラーディスプレイ中のサブ・ピクセルを形成する。カラーピクセルは、赤色用、緑色用、青色用の通常3つのサブ・ピクセルから成る。
フラット・パネルCRTディスプレイは、ディスプレイのアクティブ領域中にその画像を形成する。アクティブ領域は、発光装置のアクティブ発光部分と、電子放出装置のアクティブ電子放出部分と、アクティブ発光部分及びアクティブ電子放出部分の間の空間とから成る。アクティブ発光部分は、発光領域の最初の横列から発光領域の最後の横列にかけて延び、また、発光領域の最初の縦列から発光領域の最後の縦列にかけて延びている。アクティブ電子放出部分は、電子放出領域の最初の横列から電子放出領域の最後の横列にかけて延び、また、電子放出領域の最初の縦列から電子放出領域の最後の縦列にかけて同様に延びている。
電子放出装置の外面に対して垂直の方向から見て、電子放出領域の各横列は、電子放出装置のアクティブ部分を横切って延びる一対の想像平行直線(又は平面)によっておおざっぱに固定されている。2本の直線の間に位置されており、また電子放出領域の横列を有する装置領域が、ここでは「チャネル」と呼ばれている。同様に、電子放出装置の外面に対して垂直の方向から見て、電子放出領域の各縦列はアクティブ電子放出部分を横切って延びる一対の想像平行直線(又は平面)によっておおざっぱに固定されている。これら2本の直線の間に位置されており、電子放出領域の縦列を有する装置領域もまた、ここでは「チャネル」と呼ばれている。電子放出領域の横列及び縦列を有しているチャネルは、ワッフル模様のようなパターンを形成するために交差している。放出素子の横列及び縦列の交差しているチャネルの間の領域は、ここでは「交差領域」と呼ばれている。
電子放出装置の各々は、対向する側に位置される発光装置を除去している電子電流の大きさを制御するための制御電極の一群を有する。電子放出装置が電界放射である時、制御電極は電子放出素子から電子を抽出する。発光装置中のアノードは、発光領域の方へ抽出された電子を引き付ける。
電子放出装置が、例えば熱放射によるディスプレイ動作の間、電子を連続して放出する電子放出素子を有する時、制御電極は放出された電子を選択的に通過する。すなわち、制御電極がない状態で、これらの電子が制御電極の位置を行き過ぎることを可能にする条件の下で放出されている時、制御電極は制御電極を通過するための特定の電子を許容し、またそれらの電子の残りを収集するか、一の方では残りの電子が制御電極を通過することを防止する。発光装置中のアノードは、発光領域の方へ通過した電子を引き付ける。
本発光装置及び電子放出装置の各々は、一般にプレートと共にプレート構造体を形成するフラットプレートと、上に設けられている層の一群と、領域とから成る。フラット・パネルディスプレイにおいて、ディスプレイの画像がディスプレイの正面に現れるので、発光装置はフェースプレート構造体とここでは時々呼ばれている。フラット・パネルディスプレイ中の電子放出装置は、バックプレート構造体とここでは時々呼ばれている。
前述した説明において、「電気絶縁」若しくは「誘電体」という言葉は、1010Ω・cmよ り大きな抵抗力を有している物質に適用される。「電気非絶縁」若しくは「非誘電体」という言葉は、1010Ω・cm以下の抵抗力を有している物質をこのように呼ぶ。電気非絶縁物質又は非誘電物質は、(a)1Ω・cm未満の抵抗力のための電気伝導物質と、(b)1Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲内である抵抗力のための電気抵抗物質と、に分類される。同様に、「電気非伝導」という言葉は、少なくとも1Ω・cmの抵抗力を有している物質を呼び、電気抵抗物質と電気絶縁物質とを含む。これらのカテゴリは、10V/μm以下の電界で決定されている。
下記に述べられる発光装置及び電子放出装置において使用されるゲッタ領域の各々は電気伝導であり、電気抵抗であり、一般に電気絶縁であっても良い1つ又は1つ以上の層又は領域から成る。各ゲッタ領域は通常電気非絶縁物質、すなわち電気伝導物質又は/及び電気抵抗物質、好ましくは金属のような電気伝導物質で構成されている。各ゲッタ領域のための対象金属は、アルミニウム、チタニウム、バナジウム、鉄、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデナム、バリウム、タンタラム、タングステン、トリウムであり、これらの金属の1つ又は1つ以上の合金を含んでいる。チタニウムとジルコニウムは各ゲッタ領域のための特別な関係を持たせている。1つの実施例において、各ゲッタ領域はチタニウムとジルコニウムの合金で形成されている。
他の実施例において、各ゲッタ領域は大部分が単一原子のみで成る。単一原子は上述のゲッタ物質の内のどれか1つ、すなわちアルミニウム、チタニウム、バナジウム、鉄、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデナム、バリウム、タンタラム、タングステン、トリウムの金属の内のどれか1つである。チタニウム及びジルコニウムの各々は、単一素子の実施例におけるゲッタ物質のための特別な関係を持たせている。
下記に述べる発光装置の各々の中にゲッタ領域を形成するゲッタ物質は、通常発光装置のアクティブ部分を横切って相対的に均一な方法で分配されている。同様に、ゲッタ領域若しくは下記に述べる電子放出装置の各々におけるゲッタ領域を形成するゲッタ物質は、通常電子放出装置のアクティブ部分を横切って相対的に均一に分配されている。これは、本発明の発光装置及び電子放出装置の各々が装置のアクティブ部分中の不均一なゲッタリングから生じる問題を回避することを可能にする。
[発光装置のアクティブ部分中にゲッタ物質を有しているフラット・パネルディスプレイ]
図5及び図6は、本発明に基づいて構成されるフラット・パネルCRTディスプレイのアクティブ領域の一部分の側断面図及び平面断面図をそれぞれ示している。図5及び図6のフラット・パネルディスプレイは電子放出装置、及び外電子放出装置と対向する側に位置されたゲッタ含有アクティブ発光部分を有している発光装置を有する。電子放出装置及び発光装置は、典型的には10−6トール(1.33322×10−4Pa)以下の内部圧力である高真空で維持される密封外囲器(sealed enclosure)を形成するための外壁(図示せず)を経て、互いに接続されている。図6の平面断面図は、密封外囲器を経て側面に沿って延びている平面に沿った発光装置の方向をとっている。従って、図6は主として発光装置のアクティブ部分の一部分の平面図を提示している。
第1に、図5及び図6のフラット・パネルディスプレイ中の電子放出装置を考える。電子放出装置若しくはバックプレート構造体は、一般にフラット電気絶縁バックプレート40と、層の一群と、バックプレート40の内面の上に位置される領域42とで形成されている。層/領域42は、側面に沿って分離された電子放出領域44の横列及び縦列の2次元配列を含む。電子放出領域44の各々は、発光装置の方へ方向付けされている電子を放出する1つ又は1つ以上の電子放出素子(ここでは分離して図示せず)から成る。層/領域42のアイテム46は、電子集束システムの一部分又は全部のような突起部分(又は構造体)であり、電子放出領域44の上側に延びる突起部分を表している。電子放出装置が電界放射である時、ディスプレイはFEDである。
図5及び図6のフラット・パネルディスプレイの発光装置又はフェースプレート構造体は、一般にフェースプレート50の内面の上に配置されるフラット電気絶縁フェースプレート50と、層の一群と、領域52とで形成されている。フェースプレート50は透明である。すなわち、少なくとも可視光は、ディスプレイの正面でフェースプレート50の外面上に画像を形成するために、フェースプレート50を通過することを目的とする場所で一般に可視光の透過である。フェースプレート50は通常ガラスで成る。層/領域52はパターン化された遮光領域54と、発光領域56の横列及び縦列の2次元配列と、パターン化された第1のゲッタ領域58と、電気非絶縁光反射アノード層60とから成る。
遮光領域54及び発光領域56は、フェースプレート50上に直接設けられている。発光領域56は、電子放出装置中の電子放出領域44のそれぞれに対応する位置で、遮光領域54を経て延びている発光開口部62中に位置されている。フェースプレート50は、少なくとも開口部62の下側で可視光の透過である。遮光領域54は、通常発光領域56よりも厚みがある。従って、遮光領域54が発光領域56の各々を完全に側面に沿って囲むように、遮光領域54は発光領域56よりもフェースプレート50からさらに離れて延びている。しかしながら、遮光領域54は、発光領域56よりもフェースプレート50から離れてほぼ同じ距離か、又はより少ない距離に延びている。後者の場合において、遮光領域54は高さの一部分のみに沿って各発光領域56を側面に沿って囲んでいる。
ゲッタ領域58は遮光領域54の表面上に位置されており、発光領域56を有している装置領域を横切って延びている。従って、ゲッタ領域58は、発光装置のアクティブ発光部分中に少なくとも部分的に位置付けされており、それ故に全体的なフラット・パネルディスプレイのアクティブ領域中に少なくとも部分的に位置付けされている。図5及び図6の発光装置において、ゲッタ領域58の横端(lateral (side) edges)は遮光領域54の横端でほぼ垂直に直線になっている。開口部は一般に発光開口部62とそれぞれ調和しており、フェースプレート50の上に設けられている発光領域56の上側でそれぞれゲッタ領域58を経て延びている。
非絶縁層60は、発光領域56及びゲッタ領域58の表面上に設けられている。層60はまた、発光開口部62中の遮光領域54の側壁の一部分を被覆している。層60がブランケット層として図示されているけれども、層60は実際には貫通されている。互いに関連して無作為な位置に位置される微小な孔は、層60を完全に経て延びている。
遮光領域54は一般に可視光の不透過である。さらに詳細には、領域54はフラット・パネルディスプレイの正面に影響を及ぼし、フェースプレート50を通過し、それから領域54に影響を及ぼす可視光を主として吸収する。ディスプレイの正面から見ると、すなわちフェースプレート50の内面よりも、フェースプレート50の外面により近い位置から見ると、領域54は暗く、主として黒色である。これにより、領域54は、ここでは「ブラックマトリクス」としばしば呼ばれている。さらにまた、ブラックマトリクス54は、主として電子放出装置中の電子放出領域44から放出される電子によって衝突された時の非放出光である。前述した特徴は、画像コントラストを高めるためのマトリクス54を可能にする。
ブラックマトリクス54は1つ又は1つ以上の層又は領域から成り、その各々は電気絶縁、電気抵抗、電気伝導であっても良い。マトリクス54の厚みの一部分のみが、可視光を吸収する暗黒物質から成っていても良い。マトリクス54の厚みの暗黒部分はフェースプレート50に隣接し、又はフェースプレート50から垂直に分離されている。
ブラックマトリクス54は、通常黒ずんだポリイミドのようなブラック高分子材料で形成される電気絶縁物質を含む。例えばマトリクス54は、米国特許第6,046,539号に記載されているような黒ずんだポリイミドの1つ又は2つのパターン化された層から成っていても良い。マトリクス54は、クロム又は/及び酸化クロムを含んでいても良い。適切に析出される時、酸化クロムは黒色であっても良い。典型的な実施例において、マトリクス54は下部の黒ずんだポリイミド層と、中間のクロム接着層と、黒色であっても黒色でなくても良い上部のポリイミド層とから成る。あるいは、マトリクス54はグラファイトを基礎としている電気伝導物質、例えば米国特許第5,858,619号に記載されているような分離された水性グラファイトで形成されても良い。
発光領域56は、電子放出領域44によって放出されている後の非絶縁層60を通過する電子によって衝突されている上部に光を放出する蛍光体で成っている。領域56及びそのような発光開口部62も図6の平面図の例において、側面に沿って一般に矩形状である。図6で示される水平方向又は横列方向における3つの連続した領域56の内の1つは、ほぼ正方形状の側面積を占有する。これは、ほぼ正方形状のカラーピクセルを定義する3つの連続した領域56のカラーディスプレイに適している。各カラーピクセル中の領域56の内の1つは赤色放出蛍光体から成り、各カラーピクセル中の他の領域56の内の1つは緑色放出蛍光体から成り、各カラーピクセル中の3つ目の領域56は青色放出蛍光体から成っている。領域56は、例えばモノクロディスプレイ用のほぼ正方形状等の他の形状であっても良い。
ゲッタ領域58は、フラット・パネルディスプレイの構成要素によって放出される汚染物質ガスをソーブする。ポリイミドのような高分子材料がブラックマトリクス54で使用されている時、高分子材料はかなりの量の汚染物質ガスの放出をしばしば可能にしている。ゲッタ領域58がマトリクス54に直接隣接しているので、マトリクス54によって放出される汚染物質ガスの一部は、これらのガスが発光装置と電子放出装置との間の密封外囲器に入る前に、領域58によってソーブされている。マトリクス54の次に位置付けしている領域58はこのように有利である。領域58は通常0.1〜10μm、典型的には2μmの厚みである。
多くのゲッタと同様に、ゲッタ領域58は通常多孔性である。汚染物質ガスは領域58の外層に沿って又は外層の近くで収集され、このために時が経つに従ってゲッタリング性能が衰えていく。「活性化(activation)」工程に基づく領域58を適切に処理することによって、領域58が多孔性である時、領域58の外層に沿って又は外層の近くで蓄積されるガスは、内部に向かって衝突されている。これは、領域58の内部にあるガス保持性能が達するに至るまで、多くのゲッタリング性能を回復するための領域58を可能にする。領域58は通常多くの回数活性化させることができる。
ゲッタ領域58は、フラット・パネルCRTディスプレイを組立てるための外壁を互いに経て、密閉している発光装置及び電子放出装置の前に形成されている。一般的な製造手順において、汚染物質ガスが領域58の多くの効果的なゲッタリング表面に沿って位置されているように、完成した発光装置がディスプレイ密封動作に先立って空気中に露光されている。従って、発光装置と電子放出装置との間の外囲器が高真空である間のディスプレイ密封動作の間、又は該動作の後に活性化されるために、領域58が通常必要とされる。
ゲッタ領域の活性化は、種々の方法で行われ得る。領域58は、十分に長い期間のために通常300〜900°Cといった十分に高い温度まで上昇されることによって活性化される。一般的に言って、領域58を活性化させるために必要な時間は、活性化温度の上昇に従って減少する。高真空環境で300°Cを超える温度、通常350°Cで、ディスプレイを密封することによって、活性化は密封動作の間に自動的に達成されている。ブラックマトリクス54又は非絶縁層60が電気抵抗物質を有する時、電圧は、活性化されるための領域58を引き起こすために十分高い温度のために、それを加熱するための抵抗物質に印加される。
全体的なフラット・パネルディスプレイの構成によって、電磁波エネルギーは活性化するためのゲッタ領域58の方へ局所的に方向付けられている。例えば領域58は、レーザービームのように方向付けられたエネルギーの光線を伴って時々活性化されている。時として、活性化は領域58の方へ、マイクロ波エネルギーのようなラジオ周波数エネルギーによって達成されている。
電子放出領域44によって放出されているいくつかの電子は、発光領域56の側面の非絶縁層60を常に通過し、ゲッタ領域58に衝突する。これらの電子は通常相対的に高エネルギーであり、領域58の支持基盤に従っている場合には、時として領域58を活性化するために非常に活性的である。
発光領域56に衝突する電子のいくつかは、光を放出するための領域56を引き起こすというよりも、むしろ領域56から離れた後方に散乱されている。ブラックマトリクス54は、これら後方散乱(backscattered)電子のいくつかを収集し、それによってそのような散乱電子が領域56の非対象物に衝突し、また画像劣化を引き起こすことを防止する。領域56を越えて垂直に延びるマトリクス54を有することによって、後方散乱電子を収集するためのマトリクス54の能力が高められている。ゲッタ領域58がマトリクス54の上に設けられているので、マトリクス54の効果的な高さが増加されている。これはさらに後方散乱電子を収集するための、また画像劣化を回避するための能力を高める。ゲッタ領域58は、実際、マトリクス54を含む合成ブラックマトリクスの一部分とみなされている。
非絶縁層60は、層60中の微小な孔を通過し、ゲッタ領域58によってソーブされるための密封外囲器中にガスを許容するために貫通されている。電子放出領域44によって放出される電子はまた、発光領域56に衝突する前に層60を通過するので、層60もまた通常非常に薄い。
非絶縁層60は通常電気伝導であり、また発光領域56のための電子を引き付けるためのアノードとしての機能を果たす。このために、選択されたアノードの電気ポテンシャルは、通常500〜10,000V付近で、フラット・パネルディスプレイの動作の間の適切な電源(図示せず)から層60に印加されている。層60はまた、領域56によって放出される最初に後方に方向付けられた光のいくつかを反射することによって、ディスプレイの画像の光度を高める。電気伝導であり、光反射であり、そして望ましい孔の特徴を有する層60のために、層60は通常0.3〜1.5μm、典型的には0.75μmの厚みを有しているアルミニウムのような金属で成る。
図5及び図6のフラット・パネルディスプレイは、ディスプレイの密封外囲器が高真空であるように組立てられており、密閉されている後の発光装置又は電子放出装置を横切る外部圧力と内部圧力の圧力差は、通常1気圧(1.01325×105Pa)付近である。スペーサ(内部サポート)は、外部圧力と内部圧力の圧力差のような外力がディスプレイを崩壊し、又はその他のダメージを与えることを防止するための発光装置と電子放出装置の間の選択された位置に通常位置されている。スペーサはまた、発光装置と電子放出装置との間で大体一定の間隔を維持する。スペーサはピクセルの特定の横列の間に位置付けされるほぼフラットな壁として通常構成されている。図6中のアイテム64は、典型的なスペーサ壁を示している。
図7〜図9の各々は、本発明に基づいて構成される発光装置のゲッタ含有アクティブ発光部分の一部分の側断面図を表している。図7〜図9の各々の発光装置は、変更されたディスプレイ、さらに通常FEDを形成するような図5及び図6のフラット・パネルCRTディスプレイ中の発光装置と代替可能である。下記の記述を除いて、図7〜図9の各々における発光装置は、図5及び図6の発光装置と同様に形成されて、構成され、機能している構成要素50と、54と、56と、58と、60とを有する。
図7〜図9の発光装置は、図5及び図6の発光装置と比べゲッタ領域58の側面形状で異なる。図5及び図6の発光装置において、領域58はブラックマトリクス54の上部表面の全部の上に設けられている(図5の位置付けでは下に設けられている)が、マトリクス54を越えて、また発光開口部62の中に著しく側面に沿って延びていない。1つの代替として、領域58は、通常開口部62の中でマトリクス54を越え、側面に沿って延びることのないマトリクス54の上部表面の一部分のみの上に設けられても良い。
もう1つの代替として、ゲッタ領域58はブラックマトリクス54の全体の上部平面の大部分の上に設けられ、またマトリクス54の側壁の一部分から一部分まで、又は端から端までを延びるように発光開口部62の中へ延びていても良い。図7は開口部62の一部分から一部分まで、またそのようなマトリクス54の側壁の一部分から一部分まで延びる領域58の例を表している。この例において、領域58は、発光領域56の上部(図7の位置付けでは低部)表面を越えて延びている。代わりに、ゲッタ領域58は開口部62の中で部分的に延びているが、発光領域56に達するためには十分でない。
図8は、フェースプレート50に達するように、発光開口部62の中の端から端までのブラックマトリクス54の上部表面に沿って、またマトリクス54の側壁に沿って完全に延びるゲッタ領域58の例を表している。図8の例において、領域58は発光領域56の下にはっきりと設けられない(図8の位置付けにおいては上に設けられない)。図9は、領域58がマトリクス54の上部表面の上に設けられる例を表し、開口部62の端から端までのマトリクス54の側壁に沿って延び、それから開口部62の底部にフェースプレート50の一部分を部分的に横切って延びている。従って、領域58の一部分は、本例において発光領域56の下に設けられる(図9の位置付けにおいては上に設けられる)。図5〜図9の発光装置は、ゲッタ領域58がブラックマトリクス54の少なくとも一部分の上に設けられ、また開口部62の底部でフェースプレート50の位置の下にわずか部分的に延び、わずか部分的に側面に沿って横切るという共通の特徴を有する。
それは、ブラックマトリクス54とゲッタ領域58とで形成される合成ブラックマトリクスによって容易に達成されているというよりも、フェースプレート50からさらに離れて延びる遮光ブラックマトリクスを有するためのフラット・パネルCRTディスプレイの発光装置であることが望ましい。そのような場合において、図8の例で示されているように付加領域66は、ゲッタ領域58の上で、非絶縁層60の下に設けられている。付加領域66はゲッタ領域58の上部表面上に位置されているけれども、領域66は、領域58の横端(両端)に対して著しく下に延びない。従って、ゲッタ領域58は、ディスプレイの密封外囲器中に存在するガスを依然としてソーブできる。
付加領域66は、通常ブラックマトリクス54の側面形状とほぼ同じ形状である。従って、開口部は発光開口部62と調和する領域66を経て延びている。領域66はまた、図5及び図6の発光装置と、図7及び図8の発光装置とを具備している。いずれにせよ、ブラックマトリクス54と、ゲッタ領域58と、付加領域66との結合は、発光領域56から離れて後方に散乱された電子を収集するための能力をさらに高めるより背の高い合成ブラックマトリクスを形成する。
付加領域66は、異なる化学合成品の2つ又は2つ以上の補助領域(又は補助層)から成っていても良い。領域66のための対象物質は、ブラックマトリクス54のために上側に指定された物質を含んでいる。一実施例において、領域66はポリイミドのような高分子材料で成り、それは黒色であっても黒色でなくても良い。
ブラックマトリクス54は、図5に示されているものとは全く異なる側面形状を有する。例えばマトリクス54は時々単一の連続領域であるというよりも、むしろ列方向に延びている側面に沿って分離されたストライプで成る。そういった場合には、マトリクス54は各発光領域56を部分的に側面に沿ってのみ囲んでいる。
図5〜図9のどの発光装置においても、又はこれらの図の発光装置の示された変形例のどの発光装置においても、ガスの経路にほとんど影響されず、またブラックマトリクス54を密封するように配置されている付加領域(図示せず)を含んでも良い。この密封領域は、通常その外面に沿うマトリクス54の全部、又はほぼ全部を被覆する。特に密封領域はマトリクス54の上に設けられて(図5及び図7〜図9の位置付けにおいては下に設けられ)、非絶縁層60の下に設けられる(図5及び図7〜図9の位置付けにおいては上に設けられる)。マトリクス54が、例えばポリイミドのような高分子材料で、かなりの量の汚染物質ガスを放出する物質を有する時、密封領域はマトリクス54によって放出されるガスがフラット・パネルディスプレイの密封外囲器に入ることを防止するために機能する。
種々の現象は、電子のような荷電粒子による加熱および衝突を含んでおり、それはガスを放出するためのブラックマトリクス54を引き起こす。密封領域はまた、対向する側に位置された電子放出装置によって放出される高エネルギー電子の経路に、普通はほとんど影響されない。マトリクス54がさらに通常ポリイミドのような高分子材料で、高エネルギー電子によって衝突されている上部にかなりの量のガスを容易に放出する物質から成る時、密封領域は主に電子放出装置によって放出される高エネルギー電子がマトリクス54に命中することを防止する。従って、密封領域は、マトリクス54によって放出される相当量のガスを引き起こすが、その量は著しく減少されている。
密封領域は通常ゲッタ領域58の上に位置されているが、領域58の下で、ブラックマトリクス54と領域58との間に位置されても良い。いずれにせよ、ゲッタ領域58は、通常マトリクス54の上に設けられる密封領域に沿って位置されている。図8の発光装置において、特にポリイミドのような高分子材料で、電子によって加熱されており、又は衝突されている上部にかなりの量の汚染物質ガスを放出する物質で、密封領域が形成されている時、密封領域は、通常その外面の全部又はほぼ全部を被覆するような付加領域66の上に位置されている。また、密封領域は、付加領域66の下に位置付けされている。密封領域の一例は、図15a〜図15gに関連して下記に表されている。
もし、密封領域がブラックマトリクスに沿った位置にひびを有していた場合に起こることを考える。密封領域に沿って位置されるゲッタ領域58の場合、ゲッタ領域58はマトリクス54によって放出されており、その他密封領域中のひびを通過し、ディスプレイの密封外囲器に入る汚染物質ガスをソーブする。従って、ゲッタ領域58及び密封領域は、そのように放出された汚染物質ガスがフラット・パネルディスプレイにダメージを与えことを防止するために協働する。
密封領域がゲッタ領域58の上に位置されている時、密封領域(フェースプレート50との結合)は、発光装置の外側に存在するガスが密封領域によって被覆されているゲッタ領域58が到達することを防止する。結果として、ゲッタ領域58は通常フラット・パネルディスプレイの組立て及び密閉に先立って活性化されている。発光装置は、特にブラックマトリクス54によって放出される汚染物質ガスのガスをソーブするためのゲッタ領域58の性能を著しく減少させることなく、ゲッタ活性化の後で、組立て及び最後のディスプレイ密封に先立って空気中に露光されている。密封領域で被覆しているゲッタ領域58は、領域58がディスプレイの密封外囲器中に存在する汚染物質ガスをソーブすることを主に防止するけれども、それは、かなりの製造利点である領域58のゲッタリング性能の著しい減少を引き起こす空気中への連続した露光を有することなく、ディスプレイ密封に先立って領域58を活性化することを可能にしている。密封領域がゲッタ領域58を被覆する時、ディスプレイは、例えば電子放出装置中で、通常密封外囲器中に存在する汚染物質ガスをソーブするための付加ゲッタ領域を設けている。
もし、ゲッタ領域58が密封領域の上に位置されているのであれば、領域58はブラックマトリクス54によって放出されており、密封領域中のひびを通過する汚染物質ガスと同様に密封外囲器中に存在する汚染物質ガスをソーブすることができる。ゲッタ領域58は、それから最後のディスプレイの密封の間又は後に活性化されている。
密封領域は電気伝導、電気抵抗、電気絶縁物質の1つ又は1つ以上の層又は領域で形成されている。密封領域のための第1の対象物はアルミニウムのような金属を含む。密封領域のための他の対象物は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ホウ素であり、またこれらの電気絶縁体の2つ又はそれ以上の結合、例えばシリコンオキシナイトライドのような結合を含んでいる。
図5〜図9のどの発光装置においても、又はこれらの発光装置の前述したどの変形例においても、ゲッタ領域58が金属又は他の電気伝導物質を有する時、領域58の導電物質は時々フラット・パネルディスプレイのためのアノードとして使用されている。その場合において、非絶縁層60は時々削除されている。選択されたアノードの電気ポテンシャルは、ディスプレイ動作の間に領域58の導電物質に印加されている。
前述した変形例を含んでいる図5〜図9のいずれの発光装置においても、ブラックマトリクス54が金属又は他の電気伝導物質を有する実施例において、マトリクス54の導電物質はディスプレイのアノードとして時々使用されている。非絶縁層60は再度時々削除されている。選択されたアノードの電気ポテンシャルは、ディスプレイ動作の間にマトリクス54の導電物質に印加されている。もし、ゲッタ領域が電気伝導物質をも有するものであるならば、マトリクス54及び領域58の導電物質は合同でアノードとしての機能を時々果たす。アノードポテンシャルはそれからディスプレイ動作の間に、マトリクス54及び領域58の両方の導電物質に印加されている。
種々の工程は、図5〜図9の発光装置及び前述したそれらの発光装置の改良を施すために使用されている。図10a〜図10d(以下、まとめて「図10」と言う。)は、本発明に基づく図5及び図6の発光装置を製造するための工程を示している。図11a〜図11e(以下、まとめて「図11」と言う。)は、本発明に基づく図7の発光装置を製造するための工程を表している。図12a〜図12e(以下、まとめて「図12」と言う。)及び図13a〜図13d(以下、まとめて「図13」と言う。)は、本発明に基づく図7の発光装置の2つの変形例を製造するための工程をそれぞれ示している。図14a〜図14e(以下、まとめて「図14」と言う。)は、本発明に基づく図8の発光装置を製造するための工程を表している。図15a〜図15g(以下、まとめて「図15」と言う。)は、本発明に基づく図9の発光装置の一実施例を製造するための工程を示している。便宜上、図10〜図15の加工工程における断面図は、図5及び図7〜図9における断面図と相対的に逆さまにして表されている。
図10の工程のための開始点はフェースプレート50である。図10aを参照。遮光ブラックマトリクス物質のブランケット層54Pがフェースプレート50上に形成されている。ブラックマトリクス層54Pはブラックマトリクス54の前駆体であり、符号の最後の文字「P」は、前記文字「P」の符号の部分と一致する領域の前駆体を指示するために使用されている。ブラックマトリクス層54Pは、同じ又は異なる化学合成品の2つ又は2つ以上の補助層として形成されても良い。典型的な実施例において、層54Pは少なくとも黒ずんだポリイミドのようなブラック高分子材料から成っている。
ブラックマトリクス層54Pは、種々の技術で形成されても良い。例えば層54Pは化学気相析出(以下、「CVD」と言う。)又は物理気相析出(以下、「PVD」と言う。)によって部分的に又は全体的に析出されている。適切なPVD技術は蒸着と、スパッタリングと、溶射とを含む。ブラックマトリクス物質を有している液剤又はスラリーのコーティングは、押出しコーティング、スピンコーティング、メニスカスコーティング、液溶射、乾燥によって析出されている。適切な相当量の液剤又はスラリーは注がれており、又は他の方法でフェースプレート50上に配置されており、ドクター・ブレード又はそれと同様な装置を使用することによって拡げられており、それから乾燥されている。シンタリング又はベーキングは必要に応じて実行されている。
ブラックマトリクス層54Pがポリイミドを含む時、化学線で重合可能なポリイミド物質の層がフェースプレート50の上に析出されている。ポリイミド層は、ポリイミドを硬化することによってポリメリゼーション(polymerization)に耐えるためのポリイミド物質を引き起こすための適切な化学線放射、例えば紫外線(以下、「UV」と言う。)光で露光されている。もし、ポリイミドがブラック特性を伴う層54Pを設けるのであれば、高温での熱分解ステップは黒ずんだ硬化ポリイミドのために実施されている。層54Pがポリイミド以外の高分子材料を有する時、同様な一般手順が使用されている。
望ましいゲッタ物質のブランケット層58Pは、図10cに示されている構造体を製造するためのブラックマトリクス層54Pの上に形成されている。ゲッタ層58Pはゲッタ領域のための望ましい多孔率を有するような方法で形成されている。層58Pは、同じ又は異なるゲッタリング物質から成っている2つ又は2つ以上の補助層として形成されても良い。
CVDやPVDのような種々の技術は、ゲッタ層58Pを形成するために使用されても良い。適切なPVD技術は電気メッキと化学メッキとの両方を含んでいる蒸着と、スパッタリングと、溶射と、電気泳動析出/誘電泳動析出と、電気化学析出とを含む。ゲッタ物質を有している液剤又はスラリーのコーティングは、押出しコーティング、スピンコーティング、メニスカスコーティング、液溶射によってブラックマトリクス層54P上に析出されており、それから乾燥されている。適度な液剤又はスラリーは層54P上に配置されており、ドクター・ブレードや他の装置を使用することで拡げられており、それから乾燥されている。シンタリング又はベーキングは必要に応じて、そのように析出されたゲッタ物質を単一の多孔性の固体に変換するため、必要に応じて望ましくない揮発性物質を追い払うために使用されている。
蒸着又はスパッタリングがゲッタ層58Pを物理析出するために使用されている時、蒸着又はスパッタリングは角を形成する方法で好ましく行われている。すなわち、蒸着又はスパッタリングはブラックマトリクス層54P(の上面)に対して一般に垂直に、またフェースプレート50(の上面又は低面)に対して一般に垂直に延びている直線でゼロでない平均傾斜角で実施されている。ゲッタ物質の原子又は粒子は、平均で、層54Pに対して一般に垂直に延びている直線で指し示された傾斜角である主要な衝突軸と大体平行に、瞬時に延びる経路に沿う層54Pに影響を与える。平均傾斜角は通常少なくとも10°であり、好ましくは少なくとも15°であり、さらに好ましくは少なくとも20°である。角を形成する蒸着(angled evaporation)のためには、平均傾斜角は通常21°〜22°である。傾斜角は角を形成する蒸着又はスパッタリング手順の間に変えても良い。
蒸着動作又はスパッタリング動作がブラックマトリクス層54Pに対してほぼ垂直に、又は著しくゼロでない平均傾斜角で行われていると否とに関係なく、ゲッタ物質は高真空環境中に位置される析出源から与えられている。フェースプレート50及び層54Pから成っている部分的に組立てられたプレート構造体もまた、もちろん高真空環境中に位置されている。プレート構造体及びゲッタ物質の析出源は互いに関連して平行移動されても良い。
角を形成する蒸着又はスパッタリングが使用されている時、プレート構造体及びゲッタ物質の析出源は、フェースプレート50に対して一般に垂直に延びている直線(又は軸)について互いに関連して回転されても良い。回転はほぼ一定の回転速度で行われているが、可変の回転速度で行われても良い。いずれにせよ、回転は少なくとも1つの完全な回転のために実施されている。
フラット基板構造体上のゲッタ層58Pのようなゲッタ層を析出する実験は、ゲッタ物質の析出が回転しない角を形成する蒸着によって行われている時、ゲッタ層が粒子間に隙間を伴う長く真っ直ぐな粒子を有するということを指示する。そのように析出された微細構造体は、ゲッタリング性能を高める相対的に高い表面積を有する。典型的な実験において、チタニウムから成っているゲッタ物質は、回転しない約20°の平均傾斜角で析出されていた。プレート構造体を回転すること及びゲッタ物質の析出源は、互いに関連してゲッタリング性能をさらに高めるように、より大きな表面積さえをも有しているらせん形ゲッタ物質粒子を製造する。
溶射がゲッタ物質層58Pを形成するために使用されている時、熱源は部分的に組立てられた発光装置のブラックマトリクス層54P上に析出されている融解粒子又は半融解粒子の溶射(spray)をゲッタ物質に変換する。溶射は、ここに参考のために示されているヴァン・デン・ベルグ(van den Berg)、「溶射工程」、進歩した物質&工程、1998年12月、31〜34ページに記載されている。溶射技術はプラズマ溶射と、ワイヤ・アーク溶射と、電気熱源を使用する両方の溶射と、フレーム溶射と、高速度酸素燃料溶射と、爆発銃溶射と、化学熱源を使用するすべての溶射とを含む。プラズマ溶射及びフレーム溶射は、ゲッタ層58Pを形成するために特に魅力がある。溶射動作が完了した後、シンタリング又はベーキングは、単一多孔性の構造体を、そのように析出されたゲッタ物質に変換するために実施されても良い。
類似した蒸着、スパッタリング、溶射は角を形成する方法で実施されることができる。上述の角を形成する蒸着又はスパッタリングについての説明を、角を形成する溶射に適用する。特に角を形成する溶射のための平均傾斜角は少なくとも10°であり、好ましくは少なくとも15°であり、さらに好ましくは少なくとも20°である。
ゲッタ物質の相対的に厚い層は溶射、特にプラズマ溶射又はフレーム溶射で容易に達成され得る。前述したように、ブラックマトリクス54及びゲッタ領域58で形成される合成ブラックマトリクスは、発光領域56から離れて後方に散乱する電子のいくつかを収集し、それによってこれらの電子が非目標領域56に衝突し、画像劣化を引き起こすことを防止する。後方散乱電子を収集するための能力が合成ブラックマトリクス増加の高さとして増加するので、ゲッタ物質の溶射はより多くの後方散乱電子を収集するように、より背を高くするための合成ブラックマトリクスの作製を容易にし得る。また、ゲッタ領域58の増加している厚みは、ガスソービング能力を増加させる。従って、ゲッタ物質の溶射は、高能力フラット・パネルCRTディスプレイを製造することを容易にする。
ゲッタ層58Pの電気泳動析出/誘電泳動析出は他の表面、例えばフェースプレート50の外面に著しく蓄積することなく、ブラックマトリクス層54P上に選択的に蓄積するためのゲッタ物質を有する粒子を引き起こすために十分な強さの電界を使用することを必要とするが、そのゲッタ物質は望ましいものではない。フェースプレート50及びブラックマトリクス層54Pで形成された部分的に組立てられたプレート構造体は、浮遊しているゲッタ物質を有している粒子において、流体中に部分的に又は完全に浸っている。適切な方法で方向付けられた電界を有することによって、粒子はゲッタ層58Pを形成するための層54Pの方へ移動する。通常流体は液体であるが、気体であっても良い。
電気泳動析出/誘電泳動析出の間、ゲッタ物質を有している粒子は電荷を帯びている。その場合、析出は電気泳動である。陽性又は陰性の帯電は、それらが流体中に構成素子を粒子帯電する結果として流体と結合されている時、それらが流体と結合されており、又は粒子に加えられることができる地点で先立って粒子上に存在しても良い。いくつかの場合において、特に粒子が分裂されており、電界が実質的に不均一に収束する性質である時、粒子は電気非帯電である。そのような非帯電粒子の析出は、誘電泳動によって発生する。析出が電気泳動及び誘電泳動の結合によって生じるので、流体は帯電粒子及び非帯電粒子を含んでも良い。
電気泳動析出及び誘電泳動析出は、「電気泳動析出」として時々共にグループ分けされている。しかしながら、「電気泳動析出/誘電泳動析出」という言葉は、析出が電気泳動及び誘電泳動の内の1つ又は両方によって生じるということを強調するためにここでは使用されている。
電気泳動析出/誘電泳動析出のための電界は、ゲッタ含有物質の浮遊粒子を有している流体中に位置される2つの電極によって製造されている。異なる電気ポテンシャルは、その内の1つが大地基準であっても良く、電界を形成するポテンシャル差異を配置するための析出手順の間に2つの電極に印加されている。浮遊粒子がブラックマトリクス層54Pの方へ移動し、またブラックマトリクス層54P上に蓄積するような方法で、2つの電極は位置付けされている。
ブラックマトリクス層54Pが、特に露光(上部)表面に沿って電気伝導物質を有する時、導電物質は電極の内の1つとしての機能を果たす。その結果、ゲッタ層58Pを形成するためのゲッタ物質、通常金属の電気泳動析出/誘電泳動析出は、析出手順の間に適切な電気ポテンシャルを伴うブラックマトリクス層54Pの導電物質を設けることを必要とする。電気ポテンシャルの値は、他の電極に印加される電気ポテンシャルの値、及び浮遊粒子が陽性帯電されるか、非帯電であるか、陰性帯電されるか否かによる。
種々の技術は、ゲッタ物質を有する浮遊粒子を伴う流体を与えるために使用されている。例えば粒子は流体中又は気体中に位置される物体の表面上に設けられている。もし、粒子が物体表面にくっつく傾向があるのであれば、物体は物体表面から抜け出す粒子を助けるために振動されている。振動は音波源又は超音波源から与えられている。粒子はまた溶射で発生されることもできる。
ブラックマトリクス層54が露光(上部)表面に沿って電気伝導物質を含む時、ゲッタ層58Pは、例えば電気メッキ、化学メッキの電気化学析出によって形成される。同様な電気泳動析出/誘電泳動析出は、ゲッタ層58Pを形成するために使用している電気メッキが、ブラックマトリクス層54Pのための適切な電気ポテンシャルを与えることを必要とする。化学メッキがゲッタ層58Pを形成するために使用されている時、非電気ポテンシャルはブラックマトリクス層54P(又はゲッタ層58P)に印加されている。
図10bを参照すると、発光開口部62のための望ましい位置で開口部を有しているフォトレジストマスク(図示せず)は、ゲッタ層58Pの表面上に形成されている。層58Pは、層58Pを経る開口部を形成するためのフォトレジストマスク中の開口部を経てエッチングされている。層58Pの残りはゲッタ領域58を構成する。フォトレジストはこの地点又は左の場所に移動されている。いずれにせよ、ブラックマトリクス層54Pは、層54Pを経る開口部62を製造するためのゲッタ領域58中の開口部を経てエッチングされている。層54Pの残りはブラックマトリクス54を構成する。もし、フォトレジストがまだ同じ場所にあるのであれば、マトリクス54を製造するためのエッチングもまた、フォトレジストが除去されている後にマスク開口部を経て行われる。
ゲッタ領域58及びブラックマトリクス54を層58P及び54Pに変換するために使用されるエッチングステップは、層58P及び54Pの構成によって同じエッチング液又は異なるエッチング液を伴って実施されている。両方のエッチングステップは、1つ又は1つ以上のプラズマエッチング液を異方性に使用することに実施されている。エッチングステップの内の1つ又は両方は、化学エッチング液のような等方性のエッチング液を伴って実施されている。もし、マトリクス54を層54Pに変換するために使用されるエッチングステップが等方性のエッチング液を伴って実施されているのであれば、マトリクス54はゲッタ領域58の下を少し切り取っても良い。
図10aの構造体を形成し、図10bの構造体を製造するための前述したブランケット析出/マスクされたエッチング技術を使用する代わりに、図10bの構造体はリフトオフ技術によって形成されている。特にブラックマトリクス54(又はゲッタ領域58)のための望ましいパターン中に、それから発光開口部62のための反対のパターン中に開口部を有しているフォトレジストマスクは、フェースプレート50の上のどのブラックマトリクス又はゲッタ物質をも析出する前にフェースプレート50の上に設けられている。ブラックマトリクス物質は、それからマスク中に開口部を導入されている。いくつかのブラックマトリクス物質はマスク上に同時に常に蓄積する。このステップは、ブラックマトリクス層54Pを形成するための前述したどの方法においても実施されている。
それからゲッタ物質は構造体の表面上、すなわちブラックマトリクス物質上に、ゲッタ層58Pを形成するための前述したいずれの方法においても形成されている。典型的な実施例において、プラズマ溶射又はフレーム溶射の形の溶射は、ブラックマトリクス物質上にゲッタ物質を物理析出するために使用されている。フォトレジストマスクは、マスクの上に設けられているどのブラックマトリクス及び/又はゲッタ物質をもリフトオフするために除去されている。図10bの構造体は、それによって製造されている。
発光領域56は、図10c中に示されているように発光開口部62中に形成されている。領域56の構造体は種々の方法で達成されている。カラーディスプレイのためには、赤、緑、青の3色の内の1色のみの放出光の化学線作用的な蛍光体能力のスラリーは、開口部62の中に導入されている。各3つの開口部の内の1つは、UV光のような化学線で露光されている。非露光蛍光体は、いずれも適切な現像剤を伴って除去されている。それからこの手順は、図10cの構造体が製造されるまで、他の2色の放出光の化学線作用的な蛍光体能力のスラリーを伴って2回繰り返される。
非絶縁層60は、図10の組立て工程を完了するための発光領域56及びゲッタ領域58上に形成されている。層60がまたブラックマトリクス54の側壁の上に部分的に延びる図10dを参照。層60は、層60を通過するためのガスを可能にする微細な孔の形で穿孔を有するように形成されている。適切な電気非絶縁物質、普通アルミニウムのような金属の蒸着は、層60を形成するために使用される。図10dの構造体は図5の発光装置を構成する。
図11の組立て工程に取りかかるにあたって、ブラックマトリクス54がフェースプレート50上に最初に形成されている。図11aを参照。これは図10の工程におけるブラックマトリクス層54Pを形成するための前述したどの方法においても、マトリクス54のためのブランケット前駆体を形成することを課しても良い。従って、前駆体ブラックマトリクス層は、同じ又は異なる化学合成品の多数の補助層として形成されても良い。発光開口部62のための意図された位置の上側に開口部を有している適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用することによって、開口部62は、図11aの構造体を製造するための前駆体ブラックマトリクス層を経てエッチングされている。エッチングは、通常プラズマエッチング液のような異方性のエッチング液を伴って行われるが、等方性のエッチング液を伴って実施されても良く、ブラックマトリクス54の望ましい形態又は/及び厚みに依存する。
あるいは、ブラックマトリクス54のための望ましいパターン中に、及びそのような発光開口部62のための反対のパターン中に開口部を有しているフォトレジストマスクは、フェースプレート50上のどのブラックマトリクス物質をも析出する前に、フェースプレート50の上に設けられている。ブラックマトリクス物質はマスク開口部の中に導入されている。いくつかのブラックマトリクス物質は、マスク上に同時に蓄積されても良い。このステップは、図10の工程におけるブラックマトリクス層54Pを形成するために使用されるいずれの技術に基づいても実施することができる。マスクが、マスクの上に設けられているどのブラックマトリクス物質をもリフトオフするために除去されており、これにより、図11の構造体を製造する。
他の代替の方法として、ブラックマトリクス54がポリイミドから成る又はポリイミドを含む時、化学線作用的なポリイミド物質の層はフェースプレート50の上に形成されている。ポリイミド層は、陰性の色調(negative tone)の場合において、ブラックマトリクス54のための意図された位置で開口部を共に有している。すなわち、ポリイミド層は重合可能であり、ポリイミド又は陽性の色調(positive tone)のポリイミドの場合において、発光開口部62のための意図された位置で開口部を有しているレチクルを経る適切な化学線、例えばUV光で選択的に露光されている。陰性の色調の時、露光されたポリイミド又は陽性の色調の時、露光されたポリイミドを除去するために現像動作(development operation)が実施されている。もし、ポリイミドがブラック特性を伴うブラックマトリクス54を与えることができるのであれば、残りのポリイミドはマトリクス54又はマトリクス54の層を製造するために熱分解によって黒ずんでいる。マトリクス54がポリイミド以外の高分子材料を有する時、同様な一般の手順が遵守されている。
さらなる代替物は、マトリクス54のための望ましいパターンにおけるフェースプレート50の表面上に金属である薄い電気伝導層を最初に設けることによって、2つ(又は2つ以上)の層としてブラックマトリクス54を形成することを必要とする。フラット・パネルディスプレイの正面、すなわちフェースプレート50の外層から見ると、導電パターンは黒色、例えば多孔性を適切にするものの結果物であっても良い。もし、(ディスプレイの正面から見た時)導電パターンが黒色でないのであれば、導電パターンとして主として同じパターンを有しているブラック層が導電パターンの下に設けられている。いずれにせよ、マトリクス54のための意図された側面形状中の開口部を有しているモールドは、導電パターンの主として外側のフェースプレートの上面(内面)の上に形成されている。モールド開口部を定義する側壁は、好ましくはフェースプレート50に対してほぼ垂直に延びている。通常金属のような電気伝導ブラックマトリクス物質は、例えば電気メッキや化学メッキによってモールド開口部の中で、またマトリクス54の構造体を完了するための導電パターンの上に電気化学析出される。
図11aの構造体が形成されている程度に関係なく、ゲッタ物質は図11b及び図11cに示されるように、ブラックマトリクス54上にゲッタ領域58を形成するための物理的に曲げられた析出技術によって析出されている。図11bは、形成されたゲッタ領域58の一部分58Aで角を形成する析出手順における中間時点を示している。図11cは、領域58が完全に形成された後の構造体を示している。蒸着、スパッタリング、プラズマ溶射及びフレーム溶射を含んでいる溶射によって、物理的に曲げられた析出が実施されている。ゲッタ物質はフェースプレート50及びブラックマトリクス54を伴って形成されるプレート構造体に関連して平行移動されており、及び/又はプレート構造体に関連して回転されている析出源から与えられている。
ゲッタ物質の1つ又は1つ以上の原子から各々成っている粒子は、物理的に曲げられた析出動作の間にフェースプレート50に対して垂直に延びている直線68で、平均傾斜角αを成すブラックマトリクス54に影響を与える。図11b及び図11c中の矢印70は、ゲッタ物質の粒子に続く経路を示している。図11b及び図11cの各々の経路70の内の1つは、瞬時のゲッタ物質の粒子のための主要な衝突軸を表す。経路70は、平均で垂線68の傾斜角αである。
物理的に曲げられた析出を使用することによって、ゲッタ領域58の総表面積は図10の工程に関連して前述した理由のために増加されている。図10の工程に関連して前に記載した傾斜角と同様に、図11の工程における傾斜角αは通常少なくとも10°であり、好ましくは少なくとも15°であり、さらに好ましくは少なくとも20°である。角を形成する蒸着のためには、角αは典型的には21°〜22°である。領域58が異なる合成物の一部分から成るので、ゲッタ物質は角を形成する析出の間に変えられ得る。他方で、物理的に曲げられた析出は前述したように、領域58のための有利な微細構造体を形成するための主として単一原子のみから成っているゲッタ物質を伴って実施されている。
図11の工程におけるゲッタ物質の角を形成する物理析出は、以下のような方法で導入されている。その方法は、ブラックマトリクス54の側壁に沿うゲッタ物質の下に直接位置されたフェースプレート50の一部分からできる限り離れて、いずれのゲッタ物質も発光開口部62の底部でフェースプレート50上にほとんど蓄積しない方法である。ゲッタ物質がマトリクス54の側壁の一部分から一部分までのみ、及びそのような開口部62の一部分から一部分までのみを蓄積するということで、傾斜角αは十分に大きい。
傾斜角αの値を注意深く選択することによって、開口部62の底部でフェースプレート50の他の場所で蓄積するかなりの量のゲッタ物質を有することなく、マトリクス54の側壁に沿ってゲッタ物質の下に直接フェースプレート50の一部分でフェースプレート50を接触するか、又はほぼ接触するゲッタ領域58を有することが可能であっても良い。もし、少量のゲッタ物質が開口部62の底部に沿った望ましくない位置で蓄積されるのであれば、清浄作業は望ましくない位置でゲッタ領域58の厚みを削減することなく、この望ましくないゲッタ物質を除去するための非常に短い時間で実施される。
角を形成する物理ゲッタ物質の析出は、種々の方位角の(回転の)方向付けから実施されている。図11b及び図11cは、角を形成する析出のための2つの反対の方位角の方向付けを示している。図11b及び図11cにおける反対の析出の方向付けは、十分な期間で実施されているゲッタ物質の析出での方向付けを表す。あるいは、フェースプレート50とブラックマトリクス54を伴って形成されるゲッタ物質の析出源及びプレート構造体が、垂線68について互いに関連して回転されている時、図11b及び図11cに示される析出の方向付けは、発生する瞬時の方向付けを表す。図10の工程の場合、図11の工程における角を形成する物理ゲッタ物質の析出の間の回転は、少なくとも1つの完全な回転のためのほぼ一定の回転速度で実施されている。
発光領域56は、図11dに示されるように発光開口部62中に形成されている。非絶縁層60は、それから図11eに表されるように発光領域56及びゲッタ領域58上に形成されている。本例において、ゲッタ領域58は、層60がマトリクス54と接触していないブラックマトリクス54の側壁をかなり下の方に延ばす。発光領域56及び層60の構造体は、図10の工程と同様な方法で実施されている。図11eの構造体は図7の発光装置である。
図10及び図11の工程の変形例において、図11aの構造体が最初に製造されている。構造体は発光開口部62を占有するフォトレジストマスクを伴って設けられている。マスクはブラックマトリクス54の上に部分的に延びていても良い。ゲッタ物質は、マトリクス54の露光された物質上に設けられている。いくつかのゲッタ物質が常にマスク上に蓄積する。このステップは、図10の工程におけるゲッタ層58Pを形成するための前述したどの方法においても実施されることができる。典型的な実施例は、マトリクス54の露光された物質上のゲッタ物質を析出するためのプラズマ溶射又はフレーム溶射の形で、溶射を使用することを必要とする。
フォトレジストマスクは、マスクの上に設けられているどのゲッタ物質をもリフトオフするために除去されている。ゲッタ領域58が、図10bにおける領域58よりも側面に沿って小さいということを除いて、結果として起こる構造体は、図10bに示されているものと似たものを表す。言い換えると、そのように変更された構造体中の領域58は、普通ブラックマトリクス54の一部分のみの上に設けられる。この時点から、さらなる処理手続は図10の工程のための前述した方法で導入されている。ゲッタ領域58が通常マトリクス54の一部分のみの上に設けられるということを除いて、最後の発光装置は、図10dに示されているものと似ている。開口部は発光開口部62を伴う一般に同心の位置で、領域58を経て延びている。
図12の工程は、図11の工程と同様な方法でフェースプレート50上にブラックマトリクス54を形成することから開始する。図11aの繰り返しである図12aを参照。図12bに示されるように、中央部の電気伝導層72がブラックマトリクス54上に形成されている。中央部の電気伝導層72は、好ましくは発光開口部62の少なくとも一部分から一部分まで延びているが、開口部62の底部でフェースプレート50の上に著しく延びていない。図12bの例において、層72はマトリクス54の側壁の一部分から一部分まで延び、またそのような開口部62の一部分から一部分までにのみ延びている。
中央部の導電層72は、通常図10及び図11の工程と関連して一般に、前述のような物理的に曲げられた析出に基づいてブラックマトリクス54上に適切な電気伝導物質を析出することによって形成されている。図12bの特有な例のための物理的に曲げられた析出は平均傾斜角として実施されており、その平均傾斜角はフェースプレート50に対して垂直に一般に延びている直線に関連して測定され、導電物質が開口部62の一部分から一部分までにのみ蓄積されるということで十分に大きい。蒸着、スパッタリング、溶射は層72の物理的に曲げられた析出を実施するために使用されている。
中央部の導電層72のための対象物質はニッケルと、クロミウムと、アルミニウムとを含む。典型的な実施例において、層72は角を形成する蒸着によって析出されたアルミニウムで成る。
ゲッタ物質は、図12cに示されるようなゲッタ領域58を形成するための中央部の導電層72上に選択的に析出されている。層72は、発光開口部62の底部でフェースプレート50の上に著しく延びていないので、領域58は開口部62の底部でフェースプレート50の上に著しく延びていない。領域58は、層72の電気伝導性質をうまく利用する技術によって析出されている。領域58の選択的な析出のための対象技術は電気泳動析出/誘電泳動析出と電気化学析出とを含み、さらに電気メッキと化学メッキとを含んでいる。電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気メッキが領域58を形成するために使用されている時、析出手順の間に適切な電気ポテンシャルが層72に印加されている。
図12dを参照すると、発光領域56は発光開口部62中に形成されている。それから非絶縁層60は、図12eに示されるようにゲッタ領域58及び発光領域56上に形成されている。図11の工程の場合のように、ゲッタ領域58は、非絶縁層62がブラックマトリクス54と接触しない図12の工程における開口部62中にかなり深く延びている。図12の工程における発光領域56及び非絶縁層60の構造体は、図10の工程と同じ方法で再度実施されている。図12eの構造体は図7の発光装置の変形例である。
図13の工程は、フェースプレート50上にブラックマトリクス54を形成することによって開始されている。図11aの繰り返しである図13aを参照。マトリクス54は、その上面の少なくとも部分的に沿い、そして通常少なくとも全部に沿う電気伝導物質で成っているマトリクス54を条件とする、図10の工程におけるマトリクス54を形成するために使用されるどの技術に基づいても形成される。図13aには明示されていないけれども、マトリクス54は図13aの例におけるその全上面及び側壁に沿う電気伝導物質で成る。この模範的な実施例は、電気伝導物質を伴うマトリクス54を単に形成することによって形成されている。
ゲッタ物質は、電気伝導物質で成る露光された表面の主としてどこでも、ブラックマトリクス54上に蓄積するように選択的に析出されている。ゲッタ領域58は、図13bに示されるようにマトリクス54上に形成されている。領域58は同じ又は異なる化学合成品の多数の補助領域(又は補助層)として形成されている。電気伝導物質が本例におけるマトリクス54の全上面及び側壁に沿って設けられているので、領域58はマトリクス54の全上面及び側壁上に形成されている。もし、マトリクス54が上面に沿うが、側壁には沿わない電気伝導であるのであれば、領域58はマトリクス54の上面にのみに沿って存在している。
図13の工程におけるゲッタ領域58を形成するためのゲッタ物質の選択的な析出は、電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気化学析出によって行われており、さらに電気メッキと化学メッキの両方を含んでいる。電気泳動析出/誘電泳動析出は、ゲッタ層58Pを形成するための図10の工程と関連して前述した方法で実施されている。電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気メッキが使用されている時、適切な電気ポテンシャルが、析出手順の間にブラックマトリクス54の導電物質に印加されている。
発光領域56及び非絶縁層60は、図10の工程のための前述した方法で形成されている。特に発光領域56は図13に示されるように、発光開口部62中に形成されている。非絶縁層60は、図13dの構造体を製造するためのゲッタ領域58及び発光領域56上に形成されており、図7の発光装置の他の変形例である。
マトリクス54がその上面の全部、好ましくは側壁の少なくとも一部分から一部分まで沿う電気伝導物質で実質的に成っていると言うことを除いて、図14の工程は、図13の工程と同様な方法で、フェースプレート50上にブラックマトリクス54を形成することによって開始されている。図13a、また図11aの繰り返しである図14aを参照。図14aに明示されていないけれども、マトリクス54は図14aの例における全上面及び側壁に沿う電気伝導物質で成る。
ゲッタ領域58は、図13の工程のための前述した方法でブラックマトリクス54上に選択的に析出されている。図13bの繰り返しである図14bを参照。電気伝導物質が本例におけるマトリクス54の全上面及び側壁に沿って存在しているので、領域58は、図13の工程と丁度一致するマトリクス54の全上面及び側壁に沿って形成されている。もし、マトリクス54が側壁の下側部分のみならず、上面全体に沿って電気伝動性であれば、領域58は側壁の下側部分のみならず、マトリクス54の上面全体に沿って存在することになる。
付加領域66は、図14cに示されるようにゲッタ領域58の上に形成されている。付加領域66は、同じ又は異なる化学合成品の2つ又は2つ以上の補助領域(又は補助層)として形成されている。ブラックマトリクス54のためのゲッタ領域58の接着は、図12の工程に関連して前述したような方法で、低融点地点物質を使用することによって改善されている。
種々の技術が付加領域66を形成するために使用されている。例えば望ましい付加物質のブランケット層は、構造体の上面の上に設けられている。適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用することによって、発光開口部62のための位置で付加物質の一部分が除去されている。
もし、付加領域66がポリイミドから成ることができるのであれば、化学線作用的なポリイミドの層が、構造体の上に設けられる。開口部62中のポリイミドの一部分は適切なレチクルを経て、現像動作を実施している例えばUV光のような化学線のためのポリイミド層を選択的に露光することによって除去されている。化学線作用的なポリイミドが化学線作用的(actinic radiation)で重合可能なポリイミドである時、非露光部分は現像動作の間に除去されている。付加領域66がポリイミド以外の高分子材料を有する時、同様な一般的な手順が使用されている。
発光領域56は、図14dに示されるように発光開口部62中に形成されている。非絶縁層60は、図14eに示されるように付加領域66及び発光領域56上に形成されている。層60はまた、ゲッタ領域58の側面の上に部分的に延びている。発光領域56及び層60の構造体は、図10の工程のための前述した方法で実施されている。図14eの構造体は図8の発光装置を構成する。
図15の工程に移動することによって、ブラックマトリクス54は本工程中の多数の部分から成るように形成されている。図15の工程は、フェースプレート50の内面上に黒ずんだポリイミドのブランケット層74を形成することで開始される。図15aを参照。黒ずんだブランケットポリイミド層74は、フェースプレート50上のポリイミドのブランケット層を形成することによって、またそれからそれを黒くするためのブランケットポリイミド層をピロリジング(pyrolizing)することによって形成されている。ブランケットポリイミド層は、フェースプレート50上に化学線作用的で重合可能なポリイミド物質のブランケット層を析出することによって、またそれからポリイミドを硬化するための適切な化学線、例えばUV光のための化学線作用的なポリイミドを露光することによって形成されても良い。
通常クロミウムから成っているパターン化された接着層76は、ポリイミド層74上に形成されている。接着層76が、ブラックマトリクス54のために意図されるパターンを大体側面に沿って形成されている。接着層76は、層76を形成した後に直接構造体上に形成される物質、通常ポリイミド又は他の高分子材料の接着を改善するために機能する。
接着層76はフェースプレート50上にクロミウムのブランケット層を析出し、マスクが発光開口部62のための意図された位置で、一般に開口部を有するようなブランケットクロミウム層上にフォトレジストマスク(図示せず)を形成し、マスク開口部を経て露光されるクロミウム部分を除去し、マスクを除去することによって形成されている。あるいは、接着層76のための望ましい形状の開口部を有しているフォトレジストマスクは、クロミウムがマスク開口部の中へ導入されている後のポリイミド層74上に形成されており、マスクがその上に設けられているどのクロミウムをもリフトオフするために除去されている。
ポリイミドのパターン化された層78は、図15に示されるように接着層76上に形成されている。前駆体発光開口部62Pは、一般に発光開口部62のためのそれぞれの位置で、ポリイミド層78及び下に設けられているクロミウム層76を経て延びている。ポリイミド層78は、クロミウム層76及びポリイミド層74上の化学線作用的で重合可能なポリイミド物質のブランケット層を形成し、開口部62Pのための意図された位置で開口部を有しているレチクル(図示せず)を経る適切な化学線、例えばUV光のためのブランケットポリイミド層を選択的に露光し、非露光ポリイミド物質を除去することによって形成されている。低部のポリイミド層74と、中央部のクロミウム層76と、上部のポリイミド層78とは、前駆体遮光ブラックマトリクス領域54´を形成する。
層74及び78中のポリイミド物質は、層74及び78のポリイミドと一般に同じ方法で処理されている他の高分子材料に置換され得る。同様に、接着層76はクロミウム以外の接着剤を伴って形成されている。もし、層78の物質が層74の物質と良く接着されるのであれば、層76はまた取り除かれても良い。この場合において、層78は層74の代わりに、又は層74に付け加えて黒色に作られても良い。
望ましいゲッタ物質のブランケット前駆体層58P´は、構造体の表面上に形成されている。図15cを参照。ゲッタ層58P´は上部のポリイミド層上に位置されており、開口部62Pの底部で低部のポリイミド層74に対して下に、又は低部のポリイミド層74を横切って発光開口部62P中に延びている。ゲッタ層58P´は、図10の工程におけるゲッタ層58Pを形成するための前述したどの方法においても形成されている。同様に、層58P´は層58P´のための前述したどの物質から成っていても良い。
ブランケット層80は、ブラックマトリクス54を構成した後で密封(又は保護)するためのゲッタ層58P´上に形成されている。密封層80は、主としてガスの経路に影響されない層80のタイプ及びそのような厚みの物質を伴って形成されている。層80の物質はまた、通常対向する側に位置される電子放出装置によって放出される高エネルギー電子の経路に影響されないようなタイプ及び厚みである。もし、ポリイミド層74及び78が加熱され、又は高エネルギー電子によって衝突されている結果として起こる時にかなりの量のガスを放出しないのであれば、層80は取り除かれても良い。
蒸着、スパッタリング、溶射、CVDのような種々の技術が、密封層80を形成するために使用されている。通常このような場合は、層58Pが電気伝導である時、密封層80は、電気メッキ及び化学メッキを含んでいる電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気化学析出によって形成されている。密封物質を有している液剤又はスラリーのコーティングは、例えば液射によってゲッタ層58P´上に析出されており、それから層80を形成するために乾燥されている。シンタリング又はベーキングは、ガスの経路のため及び通常また電子の経路に主として影響されない固体を、そのように析出された密封物質に変換するために必要に応じて使用されても良い。
密封層80は、密封領域のための前述したどの物質又は物質のタイプを伴っても形成されることができる。従って、層80はアルミニウム、窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ホウ素の1つ又は1つ以上で通常成る。典型的な実施例において、層80はゲッタ層58P´の上でアルミニウムを蒸着することによって形成されている。
適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用することによって、発光開口部62Pは開口部62Pの底部で、層80と、58P´と、74との一部分を除去するためのエッチング動作を実施することによって、発光開口部62になるための密封層80と、ゲッタ層58P´と、低部のポリイミド層74とを経て延びている。図15dを参照。層80と、58Pと、74とはそれぞれ密封領域80Aと、ゲッタ領域58と、パターン化された低部のポリイミド層74Aとになる。低部のポリイミド層74Aと、接着層76と、上部のポリイミド層78との結合が、ブラックマトリクス54を構成する。エッチング動作は、1つ又は1つ以上のプラズマエッチング液を使用することで異方性に通常実施されているが、等方性にも実施されている。
ゲッタ領域58の外層は、発光開口部62の底部付近にエッジ部分を含んでいるゲッタリング表面部分から成り、それはブラックマトリクス54を伴うインタフェースを形成しない。エッチング動作のため、開口部62の底部付近の領域58のエッジは露光されている。これらのエッジは、領域58の外層の合計の小部分を構成する。密封領域80Aは、ゲッタ領域58の外層の残りを被覆する。従って、密封領域80Aはゲッタ領域58の外層のほぼ全部、通常少なくとも90%、好ましくは少なくとも97%を被覆する。
同様に、ブラックマトリクス54の外層は、発光開口部62の底部でエッジ部分を含んでいるブラックマトリクス表面部分から成り、それはフェースプレート50を伴うインタフェースを形成しない。マトリクス54のエッジ、特に開口部62の底部で低部のポリイミド領域74Aのエッジが、エッチング動作の結果として露光されている。これらのエッジは、マトリクス54の外層の合計の小部分を構成する。密封領域80A及びゲッタ領域58の各々が、マトリクス54の外層の残りを被覆する。従って、密封領域80A及びゲッタ領域58の各々は、マトリクス54の外層のほぼ全部、通常少なくとも90%、好ましくは少なくとも97%を被覆する。
通常電気絶縁物質から成っているブランケット保護(又は分離)層82は、図15eに示されるように構造体の表面上に形成されている。保護層82は密封層80A上に位置されており、また開口部62の底部でフェースプレート50に対応するための密封層80Aの側壁に沿って発光開口部62の中へ下に延びている。保護層82はまた、開口部62の底部付近のブラックマトリクス54及びゲッタ領域58のエッジを被覆する。保護層82のような保護層の更なる詳細がハヴェン他、国際特許出願PCT/US99/11170号、1999年5月20日出願、現在は国際特許公報WO99/63567号に記載されている。
保護層82は、(ここでは)ガスを放出するための層74Aと78とを引き起こす高エネルギー電子からブラックマトリクス54、特にポリイミド層74A及び78を保護するための密封層80Aと協働している。マトリクス54がゲッタ領域58によってソーブされず、また密封層80Aによってブロックされない汚染物質ガスを放出する時、保護層82はフラット・パネルディスプレイの密封外囲器中へのガスの進入を遅くする。保護層82はまた、発光領域56とゲッタ領域58との間の望ましくない化学反応を阻害するように、後に形成された発光領域56からゲッタ領域58を絶縁する。
保護層82は、通常可視光の伝達可能な物質で成る。従って、発光開口部62の底部での層82の存在は、条件を満たしている。典型的な実施例において、層82はCVDによって析出された酸化ケイ素から成る。可視光を伝達する電気絶縁物質から成っている層82を条件として、層82を形成するために適している他の技術は、スパッタリング及び蒸着を含む。
あるいは、保護層82は可視光をブロックする、すなわち吸収又は/及び反射する。その場合には、層82の一部分が発光開口部62の底部で除去されている。
図15fを参照すると、発光領域56は発光開口部62中に形成されており、開口部62の底部で保護層82の上に設けられる。保護層82は、発光領域56とゲッタ領域58との間に設けられる。非絶縁層60は、図15gに示されるように発光領域56及び保護層82上に形成されている。発光領域56及び非絶縁層60の構造体は、図10の工程のための前述した方法で行われている。図15gの構造体は、図9の発光装置の変形例である。
ゲッタ含有アクティブ発光部分を有している発光装置を製造するための図10〜図15の工程の変形例において、遮光ブラックマトリクスとしての機能をも果たす多孔性のゲッタ領域54/58は、ブラックマトリクスゲッタ領域54/58中の発光開口部62を定義するための適切なマスクを使用しているフェースプレート50の上に、ブラックマトリクスゲッタ物質を溶射することによって、フェースプレート50の上に形成されている。例えばブラックマトリクスゲッタ物質のブランケット層は、フェースプレート50上で溶射されても良い。開口部62のための意図された位置で開口部を有しているフォトレジストマスクを使用することによって、マスク開口部を経て露光されるブラックマトリクスゲッタ物質の一部分は、ブラックマトリクスゲッタ領域54/58を形成するための適切なエッチング液、通常プラズマのような異方性のエッチング液を伴って除去されている。
あるいは、ブラックマトリクスゲッタ領域54/58のための意図された位置の上側に開口部を有しているフォトレジストマスクは、フェースプレート50の上に設けられている。ブラックマトリクスゲッタ物質は、マスクがその上に位置されるどのブラックマトリクスゲッタ物質をもリフトオフするために除去されている後のマスク開口部の中へ導入されている。フェースプレート50上に設けられているブラックマトリクスゲッタ物質の残りは、領域54/58を形成する。
ブラックマトリクスゲッタ領域54/58を形成することに使用される溶射は、フレーム溶射又はプラズマ溶射によって通常行われている。シンタリングは固形物であるが、多孔性でもよい固形物を溶射されたブラックマトリクスゲッタ物質に変換するために、必要に応じて実施されている。ブラックマトリクスゲッタ物質のための対象は、前述したようなゲッタ金属である。すなわち、アルミニウム、チタニウム、バナジウム、鉄、ニオビウム、モリブデナム、ジルコニウム、バリウム、タンタラム、タングステン、トリウムであり、またこれらの金属の1つ又は1つ以上を有している合金を含んでいる。これらのブラックマトリクスゲッタ物質が十分な多孔性であるか、又は/及び互いに適切な形状に部分的に又は完全に変換されている時、これらのブラックマトリクスゲッタ物質は、これらの金属の合金と同様に、フラット・パネルディスプレイの正面から見て、通常黒色になる。もし、溶射されたブラックマトリクスゲッタ物質が(ディスプレイの正面から見ると)黒色でないのであれば、領域54/58は溶射されたブラックマトリクスゲッタ物質の下に位置され、溶射されたブラックマトリクスゲッタ物質と同じ側面形状のものを有しているブラック層を含む。
発光領域56は、ブラックマトリクスゲッタ領域54/58を経て延びる発光開口部62中に設けられている。非絶縁層60は、発光領域56及びブラックマトリクスゲッタ領域54/58の上に設けられている。発光領域56及び層60の構造体は、図10の工程のための前述した方法で実施されている。結果として起こっている発光装置は、互いに結合されるブラックマトリクス54及びゲッタ領域58を伴う図5及び図6の発光装置と同様なものを表す。
ブラックマトリクスゲッタ領域54/58が金属又は他の電気伝導物質から成る時、領域54/58はフラット・パネルディスプレイのためのアノードとしての機能を時々果たす。非絶縁層60の構造体は、時々この組立て工程の変形例から取り除かれている。選択されたアノード電気ポテンシャルが、ディスプレイ動作の間にそのように変更された発光装置中の合成領域54/58に印加されている。
図16及び図17は、本発明に基づいて構成されるフラット・パネルCRTディスプレイのアクティブ領域の一部分の側断面図及び平面断面図をそれぞれ示している。図16及び図17のフラット・パネルディスプレイは、ゲッタ含有アクティブ発光部分を有している電子放出装置と、その対向する側に位置される発光装置とを有する。図16及び図17の電子放出装置及び発光装置は、高真空で維持される密封外囲器を形成するための外壁(図示せず)を経て互いに接続されている。図17の平面断面図は、密封外囲器を経て側面に沿って延びている平面に沿って、発光装置の方向に導入されている。従って、図17は発光装置のアクティブ部分の一部分の平面図を主として表す。
図16及び図17のフラット・パネルディスプレイ中の電子放出装置は、バックプレート40と、バックプレート40の内面の上に位置される層/領域42とから成る。層/領域42は、図5及び図6のフラット・パネルディスプレイの電子放出装置と同じように配置された電子放出領域44と、突起部分46と、さらに通常電子集束システムの一部分又は全部を含んでいる。図16及び図17のディスプレイ中の電子放出装置が電界放射である時、図16及び図17におけるディスプレイはFEDである。図16及び図17のディスプレイと図5及び図6のディスプレイとの間の差異は、発光装置において生じる。
図16及び図17における発光装置は、フェースプレート50と、フェースプレート50の内面の上に位置される層/領域52とを伴って形成されている。層/領域52は、遮光ブラックマトリクス54と、発光領域56と、ゲッタ領域58と、非絶縁層60とから成る。図16及び図17の発光装置中のフェースプレート50と、ブラックマトリクス54と、発光領域56とは図5及び図6の発光装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。従って、図16及び図17の発光装置中の発光領域56は、電子放出装置中のそれぞれに対向する電子放出領域44の位置で、フェースプレート50に下がるブラックマトリクス54を経て延びる発光開口部62中にそれぞれ位置されている。フェースプレート50は、少なくとも発光領域56より下で再度可視光の伝達が可能である。
ゲッタ領域58及び非絶縁層60の位置は、図5及び図6の発光装置に関連する図16及び図17の発光装置中で主として反対である。特にゲッタ領域58は、図5及び図6の発光装置で生じるので、下部の層60というよりは、むしろ図16及び図17の発光装置中の非絶縁層60の上に設けられる。従って、領域58は、図16及び図17の発光装置中のブラックマトリクス54及び発光領域56上に設けられる。
図5及び図6の発光装置中に生じるように、ゲッタ領域58は、マトリクス54に対してほぼ垂直に整列された縁部(edgewise)であるというよりは、むしろブラックマトリクス54を側面に沿って越え、また図16及び図17の発光装置中の発光開口部62の中へ部分的に平行に延びている。さらに、図16及び図17の発光装置中の領域58の横の位置は、図5及び図6の発光装置中の領域58の横の位置よりも、開口部62の中へ部分的に延びる領域58である図7の発光装置中の領域58の横の位置の方がやや類似している。
図16及び図17の発光装置中のゲッタ領域58の横の位置は、種々の方法で変更されている。図16及び図17の発光装置中の領域58は、次のように変更されている。(a)ブラックマトリクス54の一部分のみの上に設けられる、(b)図5及び図6の発光装置中に生じるマトリクス54の横のエッジに対してほぼ垂直に整列された横列方向のエッジを伴うマトリクス54の上に完全に設けられる、または(c)マトリクス54の上に完全に設けられ、そして非絶縁層60の垂直部分に完全に下がり、可能であれば図9の発光装置において生じるものと似た方法で、発光領域56上に位置される層60の水平部分上の発光開口部62の中へ延びている。マトリクス54を越えて、そして通常開口部62の中へ側面に沿って部分的に延びる領域58を設けることによって、図16及び図17の発光装置は、図8の発光装置中の付加領域66に似た付加領域(図示せず)を含むために、またマトリクス54と、(非絶縁層60の上に設けられている一部分と、)領域58と、付加領域とを伴って形成される合成ブラックマトリクスの全面的な高さを増加するようにゲッタ領域58を上に設けるために変更されている。
前述の構成上の差異を条件として、非絶縁層60が図16及び図17の発光装置中で貫通さている必要がないということを除いて、図16及び図17の発光装置中のゲッタ領域58及び非絶縁層60は、図5〜図9の発光装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。それにも拘わらず、層60は、図16及び図17の発光装置中で通常まだ貫通されており、通常図5〜図9の発光装置と同じ物質から成る。層60はそれによって、図16及び図17の発光装置中のアノードとしての機能を果たすので、選択されたアノード電気ポテンシャルは、フラット・パネルディスプレイの動作の間に電源(図示せず)から層60のために再度与えられている。
図16及び図17の発光装置、又は発光装置の前述したどの変形例でも、対向する側に位置される電子放出装置によって放出される高エネルギー電子の経路もまた通常主として影響されず、またブラックマトリクス54を部分的に又は完全に密封するように位置付けされているガスの経路に主として影響されない付加領域(図示せず)を含んでも良い。密封領域は、マトリクス54の外層の一部分又は全部を被覆する。例えば密封領域は非絶縁層60の下に位置されており、マトリクス54の外層の全部又はほぼ全部を被覆する。あるいは、密封領域は層60の上側及び、ゲッタ領域58の下側又は上側のどちらか一方に位置されている。この場合において、密封領域はマトリクス54の外層の一部分のみを被覆する。万一マトリクス54が汚染物質ガスを放出する場合、密封領域は、フラット・パネルディスプレイの密封外囲器の中へこれらのガスが進入することを防ぐか、又は阻止することができる。
ゲッタ領域58又はブラックマトリクス54が、前述した装置の変形例を含んでいる図16及び図17の発光装置中に金属又は他の電気伝導物質を有する時、領域58又は/及びマトリクス54の導電物質は、フラット・パネルディスプレイのためのアノードとして提供される。非絶縁層60は、そのような実施例において時々取り除かれている。選択されたアノードの電気ポテンシャルは、ディスプレイ動作の間に領域58又は/及びマトリクス54に印加されている。取り除かれた層60に関して、図16及び図17のように変更された発光装置は、取り除かれた層60を伴う図5及び図6の発光装置と同じように構成されている。
種々の工程は、図16及び図17の発光装置と、その発光装置の前述した変形例とを組立てるために有用であり得る。図18a〜図18e(以下、まとめて「図18」と言う。)は、図16及び図17の発光装置を製造するための1つの工程を示している。便宜上、図18の組立て工程における断面図が、図16の断面図に関連して逆さまに記載されている。
図18の工程のための開始点は、フェースプレート50である。図18aを参照。ブラックマトリクス54が、図11の工程と同じ方法でフェースプレート50上に形成されている。図18aは、図11の繰り返しである。発光開口部62は、フェースプレート50に対して下にブラックマトリクス54を経て延びている。
発光物質は、図18bに示されるように発光領域56を形成するための発光開口部62の中に導入されている。非絶縁層60は、図18cに示される発光領域56及びブラックマトリクス54上に形成されている。層60が必ずしも貫通されていることを必要としないということを条件として、発光領域56及び層60は図10の工程と同様な方法で形成されている。
ゲッタ物質が、図18d及び図18eに示されるように非絶縁層60上にゲッタ領域58を形成するための物理的に曲げられた析出技術によって析出されている。図18dは、領域58の一部分である58Bが形成されている物理的に曲げられた析出工程中の中間時点を示している。図18eは、領域58が完全に形成された後の構造体を示している。図18eの構造体は図16及び図17の発光装置である。
図18の工程における物理的に曲げられた析出は、図11の工程と同じ方法で主として実施されている。ゲッタ物質の粒子は、平均して瞬時の垂線68の平均傾斜角αである経路70に沿った非絶縁層60に影響を与える。図18d及び図18eは、角を形成する析出のための2つの対向する方位角の方向付けを示している。これら2つの方位角の方向付けは、図11b及び図11c中に表されている2つの方位角の方向付けとそれぞれ類似している。図18の工程中の物理的に曲げられた析出は、通常蒸着によって行われているが、スパッタリングや溶射によって行われても良い。
非絶縁層60は発光開口部62の中へ延び、発光開口部62を横切る凹部を有する。ゲッタ領域58の垂直部分に沿ったゲッタ物質の下側の発光領域56の一部分を除いて、図18の物理的に曲げられた析出は、いずれのゲッタ物質も層60の凹部の水平部分上にほとんど蓄積しないような方法で導入されている。傾斜角αは、ゲッタ物質が層60の凹部の中の一部分から一部分までにのみ蓄積するということで非常に大きいものである。
傾斜角αの値を注意深く選択することによって、時々層60の凹部の水平部分上の他の場所でも蓄積するかなりの量のゲッタ物質を有することなく、層60の凹部の水平部分と接触するか、又はほぼ接触するゲッタ領域58を有することを可能にする。もし、少量のゲッタ物質が、層60の凹部の水平部分に沿った望ましくない位置で蓄積するのであれば、清浄動作は、望ましくない時点に領域58の厚みを削減することなく、この望ましくないゲッタ物質を除去するのに十分な短い期間の間で実施される。
もし、ゲッタ領域58がブラックマトリクス54の一部分又は全部の上に設けられるが、マトリクス54を越えて側面に沿って延びないように作られているのであれば、他の技術は領域58を形成するために利用されている。例えば領域58は、図18cの構造体の上にゲッタ物質のブランケット層を析出することによって、マスクが、発光開口部62の上側に位置され、開口部62を越えて側面に沿って延びている開口部を有するようなブランケット層の上にフォトレジストマスクを設けることによって、マスク開口部を経て露光されるブランケットゲッタ層の一部分を除去することによって、そしてマスクを除去することによって形成される。あるいは、フォトレジストマスクはゲッタ物質がマスク開口部の中へ析出されており、フォトレジストマスクは、マスクが上に設けられているどのようなゲッタ物質をもリフトオフするために、除去されている後の領域58のための望ましい形状であるマスク開口部を有する非絶縁層60の上に設けられている。
[電子放出装置のアクティブ部分中にゲッタ物質を有しているフラット・パネルディスプレイ]
図19及び図20は、本発明に基づいて構成されるFEDのアクティブ領域の一部分の側断面図及び平面断面図をそれぞれ示している。図19及び図20のFEDは、発光装置と、ゲッタ含有アクティブ電子放出部分を有し、対向する側に位置された電子放出装置とを具備している。図19及び図20の発光装置及び電子放出装置は、高真空で維持される密封外囲器を形成するための外壁(図示せず)を経て互いに接続されている。図20の平面断面図は、密封外囲器を経て側面に沿って延びている平面に沿う電子放出装置の方向に導入されている。また、図20は電子放出装置のアクティブ部分の平面図を主として表す。
最初に、図19及び図20のFED中の発光装置を考える。発光装置又はフェースプレート構造体は、ここではフェースプレート50と、一般に遮光ブラックマトリクス54を含む上に設けられている層/領域52と、電子放出装置中の電子放出領域44に対向して位置された側面に沿って分離された発光領域56とから成る。層/領域52はまた、ブラックマトリクス54及び発光領域56の上に設けられる薄い光反射電気伝導層として通常実施されているアノード(分離して図示せず)を含む。そのような場合において、発光装置はゲッタ領域58を含むための図5〜図9と、図16と、図17に関連して前述したように構成されても良い。あるいは、アノードは、一方ではフェースプレート50の間に位置され、他方ではブラックマトリクス54と発光領域56との間に位置される透明な電気伝導層である。
図19及び図20のFED中の電子放出装置又はバックプレート構造体は、バックプレート40と、ガラスと、電子放出領域44及び突起部分46を含む上に設けられている層/領域42とから成る。さらに詳細には、層/領域42は、低部の電気非絶縁領域100と、誘電層102と、電子放出素子104の側面に沿って分離されたセット(sets)の横列及び縦列の2次元配列と、側面に沿って分離された一般に平行な制御電極106の一群と、パターン化された電気非伝導のベース集束構造体108と、電気非絶縁フォーカスコーティング110と、ゲッタ領域112とを伴って形成されている。電子放出素子104の各セットは多数の素子104から成り、電子放出領域44の内の1つを形成する。突起部分46は、素子104によって放出される集束電子のためのシステムを互いに形成するベース集束構造体108と、フォーカスコーティング110とを含む。図19及び図20の例において、部分46はまたゲッタ領域112を含む。
低部の非絶縁領域100は、バックプレート40上に位置される側面に沿って分離された一般に平行なエミッタ電極(分離して図示せず)の一群を有する。エミッタ電極は行方向において縦に、すなわち図20の平面図において水平に延びている。低部の非絶縁領域100はまた、エミッタ電極の上に設けられている電気抵抗層(同じように分離して図示せず)を含み、側面形状によって、またエミッタ電極の間のスペース中にバックプレート40に対して下に延びても良い。少なくとも、抵抗層が電子放出素子104の下に設けられる。
典型的には酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコンオキシナイトライドから成っている誘電層102は、低部の非絶縁領域100上に設けられている。開口部114は、非絶縁領域100に対して下の誘電層102(の厚み)を経て延びている。各電子放出素子104は、誘電開口部114の内の対応している1つの中に主として位置されており、領域100と接触する。
電子放出素子104は、通常図19に示されるように円錐形状である。あるいは、素子104はフィラメント形状であっても良い。いずれにせよ、各電子放出領域44中の素子104の面積密度は通常104〜109素子/cm2、典型的には108素子/cm2であり、それは相対的に高い。従って、電子放出サイト(sites)の密度はかなり高く、それによって電子放出サイトの低密度が原因で生じる不均一減少を実質的に回避している。素子104が円錐形状又はフィラメント形状である時、それらはモリブデナムのような金属で成る。各素子104はまた、1つ又は1つ以上の不規則な形状の粒子で成っていても良い。
電子放出領域44は、図20の平面図の例において側面に沿って一般に矩形状である。行方向における領域44の3つの連続するものは、ほぼ四角形状である側面積を占有する。図6の平面図において3つの連続した矩形状の発光領域56の1つが類似したものであることによって、図20中の電子放出領域44の配置は、ほぼ四角形のカラーピクセルのための電子を与える3つの領域44の場合のカラーディスプレイに適している。領域44は他の形状、例えばモノクロディスプレイのためのほぼ四角形状を有していても良い。
制御電極106は誘電層102上に設けられ、また列方向、すなわち図20の平面図において垂直の方向に延びている。開口部116は制御電極106を経て延びている。各電子放出素子104は、制御開口部116の内の対応している1つを経て露光されている。特に電子放出領域44の各縦列中の素子104は、対応制御電極106の内の1つにおける制御開口部116を経て露光されている。図19の例において、各素子104は対応制御開口部116の中へわずかに延びている。
各制御電極106は、主制御部分(分離して図示せず)と、主制御部分に隣接する1つ又は1つ以上のより薄いゲート部分(同様に分離して図示せず)とから成る。主制御部分は電極106の完全な長さを延ばす。各主制御部分は、領域44の各縦列中の電子放出領域44の横の境界をそれぞれに定義する主制御開口部の一群を有する。各ゲート部分は、主制御開口部の1つ又は1つ以上を測定(span)する。制御開口部116は、ゲート部分を経た開口部である。電極106がそのように構成されている時、主制御部分はニッケル又は/及びアルミニウムのような金属から成り、他方でゲート部分はクロミウム又は/及びモリブデナムのような金属から成る。
構造体108とフォーカスコーティング110とを伴って形成される電子集束システムのベース集束構造体108は、誘電層102の上に設けられ、(図19の平面の外側の)制御電極106の一部分の上に延びている。フォーカス開口部118の横列及び縦列の2次元配列は、ベース集束構造体108(の厚み)を経て延びている。結果として、構造体108は、図19及び図20の例においてワッフル模様やグリッド模様のように側面に沿って形成されている。
フォーカス開口部118の各縦列は、制御電極106の内の対応している1つの上側に位置されている。各電子放出領域44中の電子放出素子104は、フォーカス開口部118の内の対応している1つを経て露光されている。各フォーカス開口部118は、通常、対応電子放出領域44を伴って側面に沿ってほぼ同心である。各電極106が、前述したような主制御部分及び1つ又は1つ以上のより薄く隣接しているゲート部分から成る時、各フォーカス開口部118はまた、通常対応領域44よりもより幅が広く、また長さが長い。
フォーカスコーティング110は、ベース集束構造体108の外層の少なくとも一部分上に位置されており、また制御電極106から主として電気的に分離されるように構成されている。特にコーティング110は構造体108の表面の少なくとも一部分上に位置されており、またフォーカス開口部118の中へ構造体108の側壁の少なくとも一部分から一部分まで延びている。図19及び図20は、コーティング110が構造体108の主として全表面上に位置されており、また構造体108の側壁の一部分から一部分まで延びる場合の模範的な場合を示している。コーティング110は、構造体108の側壁の端から端まで延び、また制御電極106と接触しないか、又は別の方法で電極106を伴って電気的に相互作用するように、そのように近付けた電極106を得ないコーティング110を具備したフォーカス開口部118の底部で、誘電層102を均等に部分的に横切って延びている。これらの変形例の全部において、開口部は電子放出領域44と、領域44のそのような電子放出素子104とがバックプレート40の上に設けられる場所で、少なくともコーティング110を経て延びている。
ベース集束構造体108は、電気絶縁物質又は電気抵抗物質の1つ又は1つ以上の層又は領域から成っていても良い。構造体108は、少なくとも構造体108の外層に沿って通常電気絶縁である。すなわち、表面位置は誘電層102を伴うインタフェースを形成しない。典型的な実施例において、構造体108はポリイミドのような高分子材料で形成されている。構造体108は1〜100μm、典型的には50μmの厚みを有する。
フォーカスコーティング110は通常電気伝導であるが、電気抵抗であっても良い。いずれにせよ、少なくともコーティング110が構造体108と接触する表面積に沿って、コーティング110は構造体108よりも非常に低い平均電気抵抗である。コーティング110は0.1〜0.4μm、典型的には0.2μmの厚みを有しているアルミニウムのような金属から成る。
制御電極106は、電子放出領域44中の素子104から電子を選択的に抽出する。電子集束システム108/110は、発光装置中の発光領域56の内の1つの目的物の方へ抽出された電子を集束する。この目的のためには、フォーカスコーティング110はFEDの動作の間に、電源(図示せず)から選択されたフォーカス電気ポテンシャルを受け取る。とりわけ、システム108/110の援助は、電子放出装置と発光装置との間の密封外囲器中に位置されるスペーサ、例えば図20に示されるスペーサ壁64の存在のような種々の要因によって引き起こされる望ましくない電子軌道偏向に打ち勝つ。
ゲッタ領域112は、最初にベース集束構造体108から成っているサポート領域の上に設けられる。図19及び図20の発光装置において、サポート領域はまた、直接設けられる領域112上にフォーカスコーティングを含む。領域112は、電子集束システム108/110の表面の少なくとも一部分上に位置されており、またフォーカス開口部118の中にシステム108/110の側壁の少なくとも一部分から一部分まで延びている。図19及び図20は、領域112がコーティング110のほぼ全表面上に位置されており、またコーティング110の垂直部分に対して下に延びているが、コーティング110を越えて著しく延びないという模範的な場合を表す。領域112は0.1〜10μm、典型的には2μmの厚みを有する。
ゲッタ領域112が電気非絶縁物質、特に金属のような電気伝導物質から成る時、電極106を伴って電気的に相互作用するように近付けた制御電極106を得ない領域112を設けるコーティング110によって、被覆されないベース集束構造体108の側壁の一部分又は全部を被覆するようなフォーカスコーティング110の垂直部分を越えて、ゲッタ領域112が著しく延びている。同様に、領域112が電気非絶縁物質から成る時、電極106を伴って電気的に相互作用するように近付けた電極106を得ない領域112を再度具備したフォーカス開口部118の底部で誘電層102の上に、領域112が部分的に均等に延びている。そういうわけでコーティング110のように、領域112は電極106から電気的に分離されている。
電子放出領域44及び領域44のような電子放出素子104がバックプレート40の上に設けられる場所で、開口部が少なくともゲッタ領域112を経て延びている。また、ベース集束システム108は、制御電極106を延ばすというよりも、バックプレート40からさらに離れて延びている。
電子集束システム108/110は、種々の他の方法で設定される又は/及び構成される電子集束システムと交換され得る。例えば電子集束システムは、システム108/110と一般に同じ方法でパターン化された電気伝導物質の層で成る。電気絶縁物質は、電子集束システムのパターン化された導電層が、どの制御電極106とも別の方法で接触する位置に与えられている。この変更された電子集束システムにおいて、パターン化された導電電子集束層は、ゲッタ領域112のためのサポート領域を形成する。
電子集束システムは、図19及び図20の例における電子集束システム108/110のワッフル模様のようなパターンとは著しく異なった側面形状を有している。例えばフォーカス開口部118の各縦列は、長いトレンチ模様のようなフォーカス開口部と時々交換され得る。そのような場合において、電子集束システムは列方向に延び、またそれらの端部で互いに接続されていても、接続されていなくても良いストライプの一群から成る。
図21及び図22はそれぞれ、本発明に基づいて構成される電子放出装置のゲッタ含有アクティブ電子放出部分の一部分の側断面図を表す。図21及び図22の各々の電子放出装置は、変更されたFEDを形成するような図19及び図20のFED中の電子放出装置に適している。下記に示すものを除いて、図21及び図22の各々の電子放出装置は、図19及び図20の電子放出装置と同じように構成され、機能している構成要素40と、100と、102と、104と、106と、108と、110と、112とを有する。図21及び図22の電子放出装置は、ベース集束構造体108と関連する領域112の位置決めにおける図19及び図20の電子放出装置とは異なっている。
図21の電子放出装置において、ゲッタ領域112は、それによってゲッタ領域112のためのサポート領域として機能するベース集束構造体108上に設けられている。この差異を除いて、領域112は図19及び図20の電子放出装置と同じ方法で、構造体108及び誘電層102の上に設けられる。すなわち、図21の電子放出装置中の領域112は、構造体108の表面の少なくとも一部分の上に設けられ、通常は構造体108の側壁の上で、またフォーカス開口部の中に少なくとも部分的に延び、そして領域112が電気非絶縁物質、特に金属のような電気伝導物質から成る時、電極106を伴って電気的に相互作用するように十分に近付けた制御電極106を得ない領域112を具備した開口部118の底部で、層102の上に部分的に均等に延びている。図21は、領域112が構造体108の実質的に全表面上に設けられ、そして構造体108の側壁の一部分から一部分まで延びている場合の模範的な状況を表す。電子放出領域44がバックプレート50上に設けられる場所で、開口部が少なくとも領域112を経て延びている。
フォーカスコーティング110は、図21の電子放出装置中のゲッタ領域112上に設けられる。故に、ガスがコーティング110中の微細な孔(不図示)を通過すること、およびガスが領域112によってソーブされることを可能にするように、コーティング110には、貫通孔が設けられている。コーティング110は、領域112の表面の少なくとも一部分の上に設けられ、またフォーカス開口部118の中に領域112の垂直部分の上に延びている。図21は、コーティング110が領域112のほぼ全表面上に位置されており、領域112の垂直部分に対して下に延びているが、領域112を越えて著しく延びない場合の模範的な状況を表す。コーティング110は、領域112によって被覆されないベース集束構造体108の側壁の一部分、又は全部を被覆するような領域112の垂直部分を越えて著しく延び、コーティング110が電気非絶縁物質から成る時、電極106を伴って電気的な相互作用をするように近付けた制御電極106を得ないコーティング110を具備した開口部118の底部で、誘電層102の上に部分的に均等に延びている。
図22の電子放出装置は、ベース集束構造体108を伴って形成されるサポート領域上に位置されるゲッタ領域110/112を有する。ゲッタ領域110/112は、フォーカスコーティングとしても機能する。本質的に、図19〜図21の電子放出装置中のフォーカスコーティング110及びゲッタ領域112は、図22の電子放出装置中で互いに結合されている。
図19〜図21の電子放出装置中の構造体108の上に延びるゲッタ領域112とおおよそ同じ範囲内で、ゲッタ領域110/112はベース集束構造体108及び誘電層102の上に延びている。図22は、領域110/112が構造体108のほぼ全表面上に位置されており、またフォーカス開口部118の中に構造体108の側壁の一部分から一部分まで延びている場合の模範的な状況を示している。図19〜図21の電子放出装置中のフォーカスコーティング110及びゲッタ領域112と同様に、領域110/112が電気非絶縁物質から成る時、領域110/112は制御電極106から主として電気的に分離されている。
次の段落で述べるように、ゲッタ領域110/112は通常多孔性である。しかしながら、図21の電子放出装置中のゲッタ領域110とは異なり、ゲッタ領域110/112は貫通されていることを必要としない。領域110/112はまたフォーカスコーティングとして機能するので、領域110/112はディスプレイ動作の間に電源(図示せず)から選択されたフォーカス電気ポテンシャルを受け取る。
図19〜図21の電子放出装置中のゲッタ領域112は、汚染物質ガスをソーブするための発光装置中のゲッタ領域58と同様な方法で機能する。同様のことが、図22の電子放出装置中のゲッタ領域110/112に適用される。この目的のためには、領域112又は110/112は通常多孔性である。
類似したゲッタ領域58では、ゲッタ領域112又は110/112は密閉している発光装置及び電子放出装置が外壁を互いに経る前に形成されている。領域112又は110/112を形成した後であるが、FED組立て(及び密封)動作の前に、領域112又は110/112は空気中に露光されている。図21の電子放出装置の場合において、空気への領域112の露光が、フォーカスコーティング112中の孔を経て生じる。結果として、領域112又は110/112は、FEDの密封外囲器が高真空である間のFED組立て動作の間又はその後に活性化されている。領域112又は110/112の活性化は、領域58のための前述したどの方法によっても一般に行われている。
電子放出装置の前述した変形例を含んでいる図19〜図22の電子放出装置は、種々の方法で変更されることができる。関連した発光装置によって製造される画像の質は、発光装置中の対応発光領域56に対向する側に位置される2つ又は2つ以上の側面に沿って、分離された電子放出部分である電子放出領域44の各々を構成することによって、時々強調されている。そのような場合において、各フォーカス開口部118は、そのように分配された領域44の電子放出部分の上側にそれぞれに位置された2つ又は2つ以上のフォーカス開口部で同様に交換されている。シュロップ(Schropp)他の国際特許出願PCT/US99/14679、1999年6月29日出願、現在は国際特許公報WO 00/02081を参照。フォーカス開口部118の中へ延びるコーティング110及び領域112と同じ方法で、フォーカスコーティング110及びゲッタ領域112が、これらのフォーカス開口部の中へ延びている。
図19〜図22の電子放出装置の各々、又はこれらの電子放出装置の前記変更された変形例のどの電子放出装置も、ガスの経路に主として影響を与えず、またベース集束構造体108を密封するように位置付けされている付加領域を含んでも良い。この密封領域は、その外層に沿う構造体108の全部又はほぼ全部を被覆する。構造体108が相当量の汚染物質ガスを放出することができる物質、例えばポリイミドのような高分子材料を有する時、密封領域は構造体108によって放出されたガスがFEDの密封外囲器に入ることを防止するために機能する。さらに、ゲッタ領域112及び密封領域は、そのような放出しているガスがFEDに損害を与えることを防止するために協働する。
密封領域は、密封領域の上に位置されるゲッタ領域112を伴うベース集束構造体108上に直接設けられても良い。密封領域は(誘電層102と結合して)、それから構造体108によって放出されたガスがディスプレイの密封外囲器に入ることを防止する。もし、密封領域がひびを有しているのであれば、ゲッタ領域112は、構造体108によって放出されている後にひびを通過する汚染物質ガスをソーブする。
あるいは、密封領域はフォーカスコーティング110又はゲッタ領域110/112の上に設けられても良い。図21の電子放出装置において、密封領域はコーティング110上に位置されており、又はコーティング110とゲッタ領域112との間に位置付けされている。コーティング110又はゲッタ領域110/112の上に設けられる密封領域を有することによって、電子放出装置の外側に存在するガスが密封領域によって被覆されている場所で、密封領域が(誘電層102と結合して)ゲッタ領域112に到達することを主として防止する。それ故に、ゲッタ領域112は、ハーメチック密封(hermetic sealing)を含んでいるFEDの組立てに先立って活性化されている。電子放出装置は、領域112のゲッタリング性能を著しく減少することなく、ゲッタ活性化の後で、また組立て動作に先立って空気中に露光されている。
ゲッタ領域112の上側に位置付けしている密封領域は、領域112がディスプレイの密封外囲器中に存在する汚染物質ガスをソーブすることを主として防止する。しかしながら、最後のディスプレイ密封に先立って領域112を活性化するために有している性能は、現在のFEDを製造することを容易にする。密封領域がゲッタ領域112を被覆する時、FEDは密封外囲器中に存在する汚染物質ガスをソーブするための、例えば発光装置中の付加ゲッタ物質を伴って設けられている。
密封領域は一般に電気絶縁物質、電気抵抗物質、電気伝導物質の1つ又は1つ以上の層又は領域を伴って形成されている。密封領域が電気非絶縁物質、すなわち電気伝導物質又は/及び電気抵抗物質から成る範囲内では、密封領域は制御電極106と接触するべきではなく、又は別の方法で電極106を伴って電気的に相互作用するべきではない。密封領域のための第1の対象物質は、酸化ケイ素である。密封領域のための他の対象物質は、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミニウムである。密封領域はまた、これらの物質の2つ又は2つ以上の結合を伴って形成されても良い。
保護電気絶縁層は、後の処理の間に電極106が腐食されており、又は別の方法でダメージが与えられることを防止するために、又は1つ又は1つ以上の後の層の構造体の間にエッチングステップとして行うために、一方では制御電極106の間に位置されても良く、また他方ではベース集束構造体108の間に位置されても良い。保護層は、構造体108の下に位置された電極106の少なくとも一部分の上に主として延びている。保護層は、フォーカス開口部118の中へ側面に沿って延びるが、必ずしも必要というわけではないが、電子放出領域44の上に普通は延びない。構造体108が、電極106の一部分の上に設けられる場所の位置が互いに側面に沿って分離されているので、保護層は単一(連続)層として、又は側面に沿って分離された部分の一群として実施されている。
種々の工程は、図19〜図22の電子放出装置及び前述したそれらの電子放出装置の変形例を製造するために使用されている。図23a〜図23dは(以下、まとめて「図23」と言う。)、本発明に基づく図19及び図20の電子放出装置を製造するための工程を示している。図24a〜図24cは(以下、まとめて「図24」と言う。)、本発明に基づく図19及び図20の電子放出装置の変形例を製造するための工程を表す。図25a〜図25dは(以下、まとめて「図25」と言う。)、本発明に基づく図21又は図22の電子放出装置を製造するための工程を示している。
図23の工程のための開始点は、バックプレート40である。図23aを参照。低部の非絶縁領域100は、バックプレート40上に形成されている。これはバックプレート40上にエミッタ電極を形成し、それから上に設けられている抵抗層を形成することを可能とする。誘電層102のためのブランケット前駆体誘電層は、非絶縁層100上に形成されている。
制御電極106は、前駆体誘電層上に形成されている。各電極106が主制御部分及び1つ又は1つ以上のより薄い隣接しているゲート部分から成っている時、主制御開口部をスパンし、また主制御部分の上に部分的に延びるように形成された後に、主制御部分は通常ゲート部分のための前駆体が形成されている。ゲート部分のための前駆体が主制御開口部をスパンし、また主制御部分の下に部分的に延びるので、これら2つの動作は逆向きにされている。
この時点では、種々の工程手順が電子放出素子104及びベース集束構造体108を形成するために使用されている。例えば制御開口部116は、米国特許第5,559,389号又は米国特許第5,564,959号に記述されているタイプの帯電粒子のトラッキング工程に基づく制御電極106のための前駆体中に形成されている。制御開口部106を定義するための帯電粒子のトラッキング工程を使用することによって、開口部106の面積密度は容易にかなり高くなる。各電極106が前述したような主制御部分と、1つ又は1つ以上のより薄い隣接しているゲート部分とから成る時、主制御開口部が主な部分を経て延びる場所で、ゲート部分中に制御開口部116が形成されている。
もし、保護層(図示せず)が後に形成されるベース集束構造体108と制御電極106の下に設けられている一部分との間に位置されていることができるのであれば、適切な電気絶縁物質は電極106及び誘電層102の露光された部分の上に析出されている。適切にパターン化されたマスク(図示せず)を使用することによって、そのように析出された絶縁物質の一部分は、保護層を形成するための電子放出領域44のための意図された位置の少なくとも上側に移動されている。各電極106が主制御部分及び1つ又は1つ以上のより薄い隣接しているゲート部分から成る時、絶縁物質は主制御部分を経て延びる主制御開口部から除去されている。
そのような保護層が電子放出装置中に設けられていると否とに拘わらず、誘電層102は誘電開口部114を形成するための制御開口部116を経てエッチングされている。電子放出素子104は、制御開口部116を経て、また誘電開口部114の中に電気伝導エミッタ円錐物質、通常モリブデナムのような金属を析出することによって、円錐として形成されている。開口部116が前述したような方法で形成されている時、各制御開口部116が異なる電子放出素子104を露光し、また制御開口部116の面積密度が容易にかなり高くなるので、各電子放出領域44中の素子104の面積密度、すなわち電子放出サイトの密度は容易にかなり高くなる。
電子放出素子104が形成されている時、エミッタ円錐物質のアクセス(access)層は構造体の表面上に蓄積する。適切なマスク(図示せず)を使用することによって、過剰エミッタ円錐物質は電子放出領域44のための位置の側方に移動されている。従って、過剰エミッタ円錐物質の一部分は、電子放出領域44を被覆するための位置の中に放置されている。各制御電極106が主制御部分及び、1つ又は1つ以上のより薄い隣接しているゲート部分から成る時、これらの過剰エミッタ円錐物質部分は、主制御開口部を被覆する。前述した動作の実施例の記述は、図33cの段階を経て上に向かう図33a〜図33eの工程に関連して下に設けられている。
ベース集束構造体108は、化学線作用を有する重合可能なポリイミドの層を析出することによって、またUV光のような適切な化学線のためのポリイミドを選択的に露光することによって、そして非露光ポリイミドを除去することによって、それから形成されている。もし、露光動作がバックプレート40の低部の表面を経て部分的に実施されているのであれば、構造体108の側壁は、図23aに一般に示されている行方向における制御電極106の縦のエッジの一部分に通常対応しており、そして垂直に一列に並べられている。露光動作はまた、電極106の上側に位置付けされている1つ又は1つ以上のレチクルを経て完全に実施されている。そのような場合において、構造体108の側壁は、電極106のための種々の横の関係を有する。構造体108がポリイミド以外の高分子材料を有する時、同じような一般の手順が付随されている。電子放出領域の上に設けられている過剰エミッタ円錐物質の一部分は、図23aの構造体を製造するために除去されている。
あるいは、電子放出素子104の構造体及びベースフォーカス単一構造体108は、通常前述した技術の内の1つに基づく構造体108を最初に形成することによって行われている。もし、保護層(再度、図示せず)が構造体108と制御電極106の下に設けられている一部分との間に設けられることができるのであれば、保護層は構造体108を形成する前に電極106の上に形成されている。いずれにせよ、構造体108を形成した後、制御電極116及び誘電開口部114は前述した方法で、電極106及び誘電層102を経てそれぞれ形成されている。
電子放出素子104は、それから前述した析出技術に基づく円錐として一般に形成されている。制御電極106及びベース集束構造体108上に蓄積し、さらにまたそれが露光されている範囲内で誘電層102上に蓄積する過剰エミッタ円錐物質は除去されている。図23aの構造体が再度製造されている。
フォーカスコーティング110は、図23bに示されるようにベース集束構造体108上に形成されている。これは、ゲッタ領域58を形成するための図11の工程において一般に使用される物理的に曲げられた析出手順を使用している、構造体108上の適切なフォーカスコーティング物質を析出することを可能にする。フォーカスコーティング物質の粒子がフォーカス開口部118の中の一部分から一部分までにのみ進入し、また開口部118の底部に沿う電子放出素子104上に著しく蓄積しないように容易に析出状態が制御されているので、物理的に曲げられた析出は、ここではコーティング110を形成することに特に適している。従って、それは過剰エミッタ円錐物質の層のような保護層が、コーティング110の物理的に曲げられた析出の間に保護素子104のための電極106の上側に位置されているということを必要としない。コーティング110を形成するために使用される物理的に曲げられた析出技術は、通常角を形成する蒸着であるが、角を形成するスパッタリング又は角を形成する溶射であっても良い。
あるいは、フォーカスコーティング110は、構造体の上面の上にフォーカスコーティング物質のブランケット層を析出することによって、またそれからコーティング110のための意図された位置で、フォーカスコーティング物質を保護するための適切なマスクを使用しているブランケットフォーカスコーティング層の一部分を選択的に除去することによって形成されている。さらにまた、マスクが上に設けられているどのフォーカスコーティング物質をもリフトオフするために除去された後のマスク中の開口部の中に、フォーカスコーティング物質が析出される。前述した過剰エミッタ円錐物質の層のような保護層は、これらの選択肢の両方の間にエッチングされていることから、電子放出素子104を保護するための制御電極106の上に位置されている。
ゲッタ物質が、図23c及び図23dに示されるようにフォーカスコーティング110上にゲッタ領域112を形成するための物理的に曲げられた析出によって析出されている。図23cは形成された領域112の一部分112Aで、角を形成する析出手順中の中間時点を示している。図23dは、領域112が完全に形成された後の構造体を表す。図23dの構造体は、図19及び図20の電子放出装置である。
図23の工程中のゲッタ領域112を形成するために使用される物理的に曲げられた析出は、ゲッタ領域58を形成するための図11の工程と一般に同じ方法で実施されている。ゲッタ物質の粒子は、物理的に曲げられた析出の間にバックプレート50(の低部の表面又は上面)に対して垂直に延びている直線120の平均傾斜角αで、フォーカスコーティング110に影響を与える。傾斜角αは通常少なくとも5°であり、好ましくは少なくとも10°であり、さらに好ましくは少なくとも15°である。角を形成する蒸着のためには、角αは典型的には16〜17°である。いずれにせよ、角αは、ゲッタ物質がコーティング110の垂直部分の一部分から一部分までにのみ、またそのようなフォーカス開口部118の中の一部分から一部分までにのみ蓄積するということで、普通は十分に大きい。
図23c及び図23d中の矢印122は、ゲッタ物質の粒子によって付随される経路を示す。図23c及び図23dの各々における122の経路の内の1つは、瞬時のゲッタ物質の粒子のための主要な衝突軸を表す。経路122は、平均して垂線120に対する傾斜角αである。図23c及び図23dは、物理的に曲げられた析出のための2つの対向する方位角の方向付けを示している。これら2つの方位角の方向付けは、図11b及び図11c中に表される2つの方位角の方向付けとそれぞれ類似している。ゲッタ領域112を形成するための物理的に曲げられた析出は、通常角を形成する蒸着によって行われているが、角を形成するスパッタリング又は角を形成する溶射によって行われてもよい。
図23の工程に代わるものとして、電子放出素子104及びベース集束構造体108が前述した工程手順に基づいて形成されている時、電子放出領域44の上に設けられる過剰エミッタ円錐物質の一部分は、フォーカスコーティング110及びゲッタ112が形成されている間は、同じ場所で放置されている。過剰エミッタ円錐物質のこれらの一部分は、それから素子104がコーティング110及び領域112の構造体の間に汚染されていることを防止する。フォーカスコーティング110及びゲッタ領域112が形成された後、電子放出領域44の上に設けられている過剰エミッタ円錐物質の一部分は除去されている。
図24の工程は、図23の工程と同じ方法でバックプレート40の上に構成要素100と、102と、104と、106と、108とを形成することによって開始されている。図23aの繰り返しである図24aを参照。コーティング110が電気伝導物質、通常金属から成ることを除いて、フォーカスコーティング110は図23の工程と同じ方法でベース集束構造体108の上に形成されている。図23bの繰り返しである図24bを参照。
物理的に曲げられた析出以外の技術を使用することによって、ゲッタ物質は図24cに示されるようにゲッタ領域112を形成するためのフォーカスコーティング110上に選択的に析出されている。コーティング110は電気伝導であり、また制御電極106から電気的に分離されているので、領域112はコーティング110の導電性質をうまく利用する技術によって析出されている。領域112を選択的に析出するためのコーティング110の導電性質を使用する対象技術は、電気メッキと化学メッキとを含んでいる電気泳動析出/誘電泳動析出と、電気化学析出とを含む。領域112が、電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気メッキによって析出されている時、選択された電気ポテンシャルは、析出手順の間にフォーカスコーティング110に印加されている。領域112を形成するための電気泳動析出/誘電泳動析出は、図10の工程におけるゲッタ層58Pを形成するための前述した方法で実施されている。図24cの構造体は、図19及び図20の電子放出装置の変形例である。
図25の工程は、(a)ベース集束構造体108上に析出される物質上に配置されている適切な制限を伴って、図25dの段階に到達している図21の電子放出装置、又は(b)構造体108上に析出される物質上に配置されている他の制限を伴って、図25cの段階に到達している図22の電子放出装置、のいずれか一方を導く。図25の工程において、構成要素100と、102と、104と、106と、108とは図23の工程のための前述したバックプレート40の上に最初に形成されている。図23aの繰り返しである図25aを参照。
ゲッタ物質は、図25b及び図25cに示されるようにベース集束構造体108上にゲッタ領域112又は110/112を形成するための物理的に曲げられた析出によって析出されている。図25bは、領域112の一部分の112Aが形成されており、又は領域110/112の一部分の110A/112Aが形成されるいずれにおいても、物理的に曲げられた析出手順中の中間時点を示している。図25cは、領域112又は110/112が完全に形成された後の構造体を表す。領域112の構造体は、図21の発光装置を形成する段階である。領域110/112の構造体は、領域110/112がまたフォーカスコーティングとして機能する場合の図22の発光装置を製造する。
図25の工程における物理的に曲げられた析出は、ゲッタ領域112又は110/112を形成するための図23の工程と一般に同じ方法で、ゲッタ領域58を形成するための図11の工程と一般に同じ方法で導電されている。さらに、ゲッタ物質の粒子は、平均して垂線120に対して瞬間的な平均傾斜角αである経路122に沿ったベース集束構造体108に影響を与える。図25b及び図25cは、角を形成する析出のための2つの対向する方位角の方向付けを示している。これら2つの方位角の方向付けは図23c及び図23d、故に図11b及び図11cにおいて表される2つの方位角の方向付けとそれぞれ類似している。図25の工程における物理的に曲げられた析出は、角を形成する蒸着によって通常行われているが、角を形成するスパッタリング又は角を形成する溶射によって行われても良い。
図25cの構造体を図21の電子放出装置に変換するために、フォーカスコーティング物質は、貫通されたフォーカスコーティング110を形成するためのゲッタ領域112上に析出されている。図25dを参照。コーティング110は、一般に前述したような物理的に曲げられた析出によって形成されている。角を形成する蒸着、角を形成するスパッタリング、角を形成する溶射が使用されている。ゲッタ領域112が、少なくともその外層に沿った電気伝導物質、通常金属を有する時、コーティング110は、領域112の導電性質をうまく利用する電気メッキ及び化学メッキを含んでいる電気泳動析出/誘電泳動析出、又は電気化学析出のような使用している選択した析出技術を形成されている。電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気メッキが使用されている時、選択された電気ポテンシャルは、析出工程の間に領域112に印加されている。
図26及び図27は、本発明に基づいて構成されるFEDのアクティブ領域の一部分の側断面図と平面断面図とをそれぞれ示している。図26及び図27のFEDは、ゲッタ含有アクティブ電子放出部分を有している発光装置と、その発光装置に対して対向する側に位置される電子放出装置とを有する。図26及び図27の発光装置及び電子放出装置は、高真空で維持される密封外囲器を形成するための外壁(図示せず)を経て互いに接続されている。図27の平面断面図は、密封外囲器を経て側面に沿って延びている平面に沿った電子放出装置の方向において導入されている。さらに、図27は電子放出装置のアクティブ部分の一部分の平面図を主として表す。
図26及び図27のFED中の発光装置は、フェースプレート50と、フェースプレート50の内面の上に位置される層/領域52とから成る。層/領域52は、遮光ブラックマトリクス54と、発光領域56と、アノード(分離して図示せず)とを含む。ピクセルの横列を経る垂直平面に沿って導入されている図20とは異なり、図26はピクセルの一対の横列の間の垂直平面に沿って導入されている。結果として、発光領域56は図26の断面には現れない。それにも拘わらず、ブラックマトリクス54と、発光領域56と、アノードとは図19及び図20のFED中の発光装置と同じように配置されている。図26及び図27のFEDと図19及び図20のFEDとの間の差異は、電子放出装置で生じる。
図26及び図27中の電子放出装置は、バックプレート40と、バックプレート40の内面の上に位置される層/領域42とを伴って形成されている。層/領域42は、低部の非絶縁領域100と、誘電層102と、横列及び縦列の配置された電子放出領域44と、制御電極106と、突起部分46と、側面に沿って分離された中間の電気伝導領域126の一群と、側面に沿って分離されたゲッタ領域128の一群とから成る。各電子放出領域44は、多数の電子放出素子104で成る。図26は、ピクセルの一対の横列の間の垂直平面に沿って導入されているので、領域44は図26中に現れない。図26及び図27の電子放出装置中のバックプレート40と、非絶縁領域100と、誘電層102と、電子放出領域44と、制御電極106とは、図19及び図20の電子放出装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。
突起部分46は、図26及び図27の電子放出装置中に電子集束システムを通常含む。電子集束システムの詳細は図26及び図27には示されていないけれども、電子集束システムはベース集束構造体108及びフォーカスコーティング110から成っても良い。構造体差異がゲッタ領域128の存在によって引き起こされることを条件として、構造体108及びコーティング110は、図19及び図20の電子放出装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。
図26及び図27の電子放出装置において、部分46は、図28に関連して下記に述べるようにフォーカスコーティング110の上に位置されるゲッタ領域112、又は図21の電子放出装置で生じるようなコーティング110と構造体108との間に位置されるゲッタ領域112を含んでも良い。コーティング110及び分離するゲッタ領域112を有する代わりに、部分46は、図22の電子放出装置で生じるようなフォーカスコーティングとしても、また機能するゲッタ領域110/112を有しても良い。ゲッタ領域128の存在から結果として起こる構造体差異を条件として、ゲッタ領域112又は110/112は図19〜図22に関連して前述したように構成されており、そして利用されている。
図26及び図27の電子放出装置はまた、図19〜図22の電子放出装置のための前述した他のどの方法によっても一般に変更されている。例えば電子集束システムは、電子集束システム108/110と一般に同じ方法でパターン化され、そしてパターン化された導電電子集束層がどの電極106とも他の方法で接触する場所の位置で、制御電極106から電気絶縁物質によって分離された電気電導層から成っても良い。
中間の導電領域126は、誘電層102上に設けられる。ゲッタ領域128は、中間領域126上に種々に設けられる。下記において述べるように、中間領域126の電気伝導性質は、ゲッタ領域128を形成することに普通使用されている。
ゲッタ領域128は、突起部分46(の厚み)を経て延びるそれぞれのゲッタ露光開口部130中に位置されている。領域128は、通常ゲッタ露光開口部130の底部に到達するか、又はゲッタ露光開口部130の底部に近づいて延びている。図26は、それぞれのごくわずかな開口部130の(平均)高さを占有している領域128を示しているけれども、領域128は開口部130の高さのほとんどの部分を占有しても良い。実際、領域128は開口部130を満たすか、又はほぼ満たす。
中間の導電領域126は、それらの制御電極106に適するような1つ又は1つ以上の金属から成る。実際、電極106のために利用される物質から部分的に又は全体的に成るような電極106と同時に、中間領域106が部分的に又は全体的に時々形成されている。ゲッタ領域128は電気伝導、電気抵抗、電気絶縁であっても良いけれども、領域128は通常電気非絶縁であり、通常電気伝導である。
各中間の導電領域126は、異なる連続した一対の制御電極106の間に位置付けされている。図26及び図27の例において、領域126は誘電層102の上面に沿う電極106と交互である。どの特有な側面形状及び領域128の大きさを伴っても達成できるゲッタリング性能が、それによって通常最大又は最大に近いので、交互になっている配列は有利である。それにも拘わらず、連続した一対の電極106の間に位置されている領域126でない場合を実例としても良い。
図27の平面図において破線で示されている制御電極106のような中間の導電領域126は、ゲッタ領域128の構造体の間に通常電気的にアクセスされている。中間領域126の電気アクセスは、電極106を経て、又は電極106とは無関係に行われている。もし、中間領域126が電極106を経て電気的にアクセスされているのであれば、領域126は、電極106を伴って通常連続であり、またそのように電極106の単なる延長である。中間領域126の電気アクセスが、ゲッタ領域128の構造体の間に実施されているか否か、また実施されている程度に応じて、領域126及び128は種々の側面形状を有する。領域126及び128の形状に対する最初の制約は、それらがどの他の電極106をも伴って著しい電気的な相互作用をするための、いかなる電極106をも引き起こす方法で形成されていないということである。
図26及び図27は、ゲッタ領域128が形成されているような制御電極106とは無関係に、それらが電気的にアクセスされているように、中間の導電領域126が側面に沿って構成されている場合の例を表す。本例において、各中間領域126は(平均)幅よりも大変大きな長さである。さらに詳細には、領域126は、それらがゲッタ領域128の構造体の間の電極106とは無関係に、電気的にアクセスされている場所の周辺の装置位置のための図26及び図27の例における電子放出装置のアクティブ部分を完全に横切って列方向で縦方向に、すなわち図27の平面図において垂直に延びている。図27の模範的な平面図は、電子放出装置のアクティブ部分中に、互いに離れて側面に沿って間隔をあけて配置されているような中間領域126を表しているけれども、領域126は、電気的にアクセスすることを容易にするためのアクティブ装置部分の外部で、部分的に又は完全に互いに接続されても良い。
図26及び図27の例において、各中間の導電領域126は、左側の最も近い制御電極106から、また右側の最も近い電極106から離れて側面に沿って間隔をあけて配置されている。各領域126と、左側及び右側の2つの最も近い電極106との間の側面の空間は領域126がそれら2つの電極106を伴って、又は他のどの電極106をも伴って、著しく電気的な相互作用をしないということで十分に大きい。すなわち、領域126は図26及び図27の例において、電極106から主として電気的に分離されている。
図26及び図27の例における中間の導電領域126と制御電極106との間の横の関連の説明図を容易にするために、図27は、他の場所よりもゲッタ領域128によって被覆されている場所で、より幅が広い中間領域126を表す。この方法で形成されている中間領域126が、各領域126と、左側と右側の最も近い電極106との間の重要な電気相互関係の見込みを増加しても良いけれども、領域126は他の場所よりもゲッタ領域128より下で幅がより広くなくても良い。
図26及び図27の例における各ゲッタ領域128は、中間の導電領域126の内の1つの上に十分に設けられているものとして、下に設けられている中間領域126を越えて側面に沿って延びていないものとして示されている。ゲッタ領域128が電気非絶縁物質から成る時、図26及び図27の例は、制御電極106から主として電気的に分離されている領域128の結果として起こる。この場合において、領域128の非絶縁物質は接触することができ、故に突起部分46の電気非絶縁物質、例えばフォーカスコーティング108、ゲッタ領域110(もし存在するのであれば)、ゲッタ領域110/112(もし存在するのであれば)で電気的に結合されている。
ゲッタ領域128は、中間の導電領域126を越えて側面に沿って延び、ことによると左側の最も近い電極106と右側の最も近い電極106との両方を伴って、著しく電気的に相互作用するためのどの中間領域126又はゲッタ領域128をも引き起こす電気ブリッジを形成しないゲッタ領域128を具備した制御電極106と均等に接触する。言い換えると、電極106の内の1つ以上を伴って電気的に相互作用するため、すなわち電極106の内の1つ以上と電気的に結合されているための領域126又は128の、どれをも引き起こさないように実施しているものと同じ位長い中間領域126を越えて、ゲッタ領域128は側面に沿って延びている。もし、どのゲッタ領域128をも電極106の内の1つの単体と電気的に結合される電気非絶縁物質を有するのであれば、領域128は、突起部分46の電気非絶縁物質、例えばフォーカスコーティング108、ゲッタ領域110(もし存在するのであれば)、ゲッタ領域110/112(もし存在するのであれば)から主として電気的に分離されている。
好ましくは、どの中間の導電領域126とどの制御電極106との間の重要な電気的な相互作用でないものが、中間領域126がゲッタ領域128の構造体の間に電極106と無関係に電気的にアクセスされていることができる状況における中間領域126を越えて、側面に沿って延びているゲッタ領域128の結果として起こる。領域128が電気非絶縁物質から成る時、本変形例における各領域128は、各電極106からそのように主として電気的に分離されている。
図26及び図27の例において、複数のゲッタ領域128が、各中間の導電領域126上に位置されている。各ゲッタ領域128は、ゲッタ露光開口部130の内の対応している異なる1つの中に位置付けされており、それを経て露光されている。また、ゲッタ領域128は、放出素子の横列及び縦列を有する交差しているチャネルの境界の間に位置付けされた割れ目のある領域中に位置されている。
図26及び図27の例におけるゲッタ領域128の配列は、領域128が制御電極106の内の1つ以上を伴って、電気的に相互作用するためのどの中間の導電領域126をも引き起こす電気ブリッジを形成しないという特性を有する状態を維持している間に、種々の方法で変更され得る。例えばゲッタ領域128の一部分又は全部は、電子放出領域44の横列を有するチャネルの中に列方向において延ばされており、どの電子放出領域44の上にも実際に延びない領域128をもが設けられている。すなわち、図27の平面図において、ゲッタ領域128は、電子放出領域44の横列の水平境界を定義する想像水平線の上方に向かって及び/又は越えて延びている。
そのように引き延ばされたゲッタ領域128は、電子放出領域44の横列を有するチャネルの中に延びている対応している引き延ばされたゲッタ露光開口部130のために露光されており、突起部分46によって与えられる機能、例えば電子集束を著しく低下させない方法で引き延ばしているゲッタ露光領域130が設けられている。もし、部分46によって与えられる機能が著しく阻害されているのであれば、それらが形成されている程度によるゲッタ領域128は、電子放出領域44の横列及び縦列を有するチャネルの間に位置付けされる割れ目のある領域を越えて著しく延びない、より小さなゲッタ露光開口部130を経て露光されている。そのような場合において、各ゲッタ露光開口部130は通常ゲッタ領域128よりも小さな側面積であり、またそのゲッタ領域128の一部分を露光するのみである。
各中間の導電領域126上に設けられている複数のゲッタ領域128は、1つの領域128と同じ位低いゲッタ領域128のより少数と交換され得る。そのように変更された領域128の一部分又は全部は、電子放出領域44の横列を有するチャネルを横切って完全に延びても良い。電子放出領域44の横列を有する1つ又は1つ以上のチャネルを横切って完全に延びている各ゲッタ領域128は、突起部分46によって与えられる機能に著しいダメージを与えないように引き延ばしているゲッタ露光開口部130を具備した、領域44の横列を有する1つ又は1つ以上のチャネルを横切って、完全に延び引き延ばされたゲッタ露光開口部130を経て露光されている。もし、部分46の機能が著しく阻害されているのであれば、再度それらが形成された程度によるゲッタ領域128の各々は、電子放出領域44の横列及び縦列を有するチャネルの間の割れ目のある領域を越えて著しく延びない2つ又は2つ以上の、より小さなゲッタ露光開口部130を経て露光されている。
ゲッタ領域128が電気非絶縁物質から成る時、どの中間の導電領域126上にも設けられている領域128の一部分又は全部は、中間領域126の反対側に直接位置された電子放出領域44を有する一対のチャネルの内の1つを伴うが、両方を伴わず行方向に延ばされている。そのように変更されたゲッタ領域128と接触する各領域126は、それから領域126の左側及び右側に直接位置された電極106の内の1つを伴うが両方は伴わず、電気的に相互作用をする。ゲッタ領域128が製造されている程度によってゲッタ露光開口部130は同じように残り、又は突起部分46によって与えられる機能を低下させないようにされ、また行方向において似たような方法で延ばされている。ゲッタ領域128のこれらの延長、そしてことによると行方向におけるゲッタ露光開口部130は領域128の前述した延長と、ことによると列方向におけるゲッタ露光開口部130とを伴って結合されている。
中間の導電領域126が電極106の中で中間領域128を結合することによって、ゲッタ領域128の製造の間に制御電極106を経て電気的にアクセスされることができる時、ゲッタ領域128及びゲッタ露光開口部130の前記変形例が一般に使用される。そのような場合において、1つ又は1つ以上のゲッタ領域128によって被覆される各電極106は、それら2つの隣接している電極106のいずれをも伴って電気的に相互作用するように近付けないが、電極の中間電極隣接106の1つ又は両方の方へ行方向において側面に沿って通常延ばされている。各そのような電極106の横の延長は、それの長さの一部分又は全部に沿って実施されている。例えば行方向におけるそのような各電極106の横の延長は、電子放出領域44の横列を有するチャネルの外側の領域で制限されている。あるいは、ゲッタ領域128は、電子放出領域44の縦列を有するチャネルの非電子放出部分中の電極106を単にオーバーラップさせる。このことについては、下記で述べられている図34〜図39を参照。
さらにまた、中間の導電領域126は時々削除され得る。ゲッタ領域128は、誘電層102上に直接形成されている。ゲッタ領域128は前述したどの側面形状をも依然として有する。特にゲッタ領域128が他の電極106を伴って電気的に相互作用するためのどの電極106をも引き起こすように、そのような方法で形成されていないという制限を条件として、電子放出領域44が存在しない場所で、領域128がワッフル模様のような領域を種々に占有する。電子集束システムは、ベース集束構造体108と、フォーカスコーティング110と同じように一般にパターン化された電気伝導層から成るように同じように変更されており、電極106から電気絶縁されている。
前述した本発明のフラット・パネルCRTディスプレイにおいては、スペーサがFED上から与えられる外力を抵抗するため、電子放出装置と発光装置との間に主として一定の空間を維持するための図26及び図27のFED中の電子放出装置及び発光装置の間の密封外囲器中に位置されている。図26及び図27のFED中の各スペーサは、通常電子放出領域44の一対の連続した横列の間を通過する垂直平面に沿って行方向に延びる壁(図示せず)のように形成されている。連続したスペーサ壁は領域44の横列の実質的な数字、例えば20〜40によって通常分離されている。各スペーサ壁の内の一端は、突起部分46の(上面)と接触する。
ゲッタ領域128は、スペーサ壁の下に部分的に又は完全に位置されている。しかしながら、通常ゲッタ領域128のいずれもスペーサ壁の下に部分的に又は完全に位置されていない。従って、領域128は、スペーサ壁の間の横列で側面に沿って延びているように位置付けされている。たとえそれらが電子放出装置のアクティブ部分を横切って、完全に不均一に分配されていないということを意味する方法で配置している領域128であっても、スペーサ壁の間の横列で側面に沿って延びるように配置している領域128は、装置のアクティブ部分を横切って相対的に均一な方法で分配されている領域128のゲッタ物質を引き起こす。
図28は、突起部分46が図24cに示されるように構成されており、また図19及び図20の電子放出装置中の部分46の変形例をそのように構成している場合の図26及び図27の電子放出装置の実施例の側断面図を表す。すなわち、部分46はベース集束構造体108と、構造体108の上に部分的に設けられるフォーカスコーティング110と、コーティング110の上に設けられるゲッタ領域112とから成る。図28の断面図は、図26の断面図と同様の平面に沿って導入されている。故に、電子放出領域44は図28において現れていない。図28中で示されているものと同様に、図26及び図27の電子放出装置中の部分46は、特に図19及び図20中に示されるものとして、コーティング112と構造体108との間に位置される領域112を有するための図21中に示されるものとして、又はフォーカスコーティングとしての機能をも果たすゲッタ領域110/112を有するための図22中に示されるものとして容易に実施されている。
図26〜図28の電子放出装置中のゲッタ領域128は、図19〜図22の電子放出装置中のゲッタ領域112及び110/112と一般に同じ方法で、またそのような発光装置中のゲッタ領域58と一般に同じ方法で汚染物質ガスをソーブする。さらに、領域128は普通多孔性である。
ゲッタ領域112及び110/112と同様に、ゲッタ領域128は、外壁を経て互いに発光装置及び電子放出装置を密閉する前に形成されている。領域128が形成された後であるがFEDが密封される前に、領域128は通常空気中に露光されている。従って、領域128はFEDの密封外囲器が高真空である間のFEDの密封動作の間又は該密封動作の後に活性化されている。
発光装置中のゲッタ領域58を活性化するための前述したどの技術も、ゲッタ領域128を活性化するために一般に使用されている。電子放出装置が、領域128と、図28に示されるようなゲッタ領域112又はゲッタ領域110/112のいずれか一方とを有する時、そしてゲッタ活性化が例えばFEDの密封動作の間に電子放出装置を加熱することによって実施されている時、領域112又は110/112は領域128と同じ時間で活性化されている。
これらの装置の前述した変形例を含んでいる図26〜図28の電子放出装置中の突起部分46は、ゲッタ領域112又は110/112が存在している時の電子集束、及びゲッタリング以外の1つ又は1つ以上の機能を設けても良い。実際、部分46は、図26〜図28の電子放出装置の内のいくつかの変形例で電子集束を与えなくても良い。他の変形例において、部分46は電子放出装置から削除されても良い。ゲッタ領域128は前述した種々の横の位置で依然として位置されている。部分46がこれらの変形例において欠けているので、領域128は部分46中の開口部を経て露光されているというよりも、むしろ電子放出装置の表面に沿って位置付けされている。
図29a〜図29c(以下、まとめて「図29」と言う。)は、本発明に基づく図26及び図27の電子放出装置を製造するための1つの工程を示している。バックプレート40を始めとして、低部の非絶縁領域100が、図23に関連して前述した方法でバックプレート40の上に形成されている。図29aを参照。ブランケット前駆体誘電層102Pが、非絶縁領域100上に析出されている。
制御電極106及び中間の導電領域126は、誘電層102上に形成されている。領域126の構造体は電極106の構造体と同じ時間で、又は分離する動作で部分的に又は全体的に行われている。ブランケット析出/マスクエッチング、又は/及びマスク析出技術/リフトオフ技術は、電極106及び領域126を形成するために種々に使用され得る。
図23の工程中の電子放出素子104及びベース集束構造体108の構造体について前述したものと似ているものが、工程手順の変形例の内のどの1つも素子104(図29の断面図においては目に見えない)と突起部分46とを形成するために使用されている。図29bは、構造体の表面上の部分46の構造体を示している。素子104は、前駆体誘電層102Pが誘電層102になる時点で形成されても良い。さらに、素子104は、層102Pが層102になる時点の後に形成されても良い。いずれにせよ、ゲッタ露光開口部130は、中間領域126に下がる部分46を経て延びている。部分46がベース集束構造体108(図29においては分離して図示せず)を含む時、フォーカス開口部118(図29の断面図において目に見えない)は、構造体108を経て同じように延びている。
ゲッタ物質は、図29cに示されるようにゲッタ領域128を形成するためのゲッタ露光開口部130の中に、そして中間の導電領域126の上に選択的に析出されている。選択的な析出は、中間領域126の電気伝導をうまく利用する技術によって実施されている。この目的のための対象技術は、電気メッキ及び化学メッキを含んでいる電気泳動析出/誘電泳動析出と、電気化学析出とである。電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気メッキがゲッタ領域128を形成するために使用されている時、中間領域126は析出工程の間に選択された電気ポテンシャルを伴って、中間領域128を設けるために制御電極106と無関係に電気的にアクセスされている。ゲッタ領域128の電気泳動析出/誘電泳動析出は、図23の工程においてゲッタ領域112を形成するための前述した方法で、またそのような図10の工程におけるゲッタ領域58Pを形成するための前述した方法で導電されている。図29cの構造体は、図26及び図27の電子放出装置である。
種々の他の技術は、その装置の前述した変形例を含んでいる図26及び図27の電子放出装置中の、中間の導電領域126及びゲッタ領域128を形成するために使用されている。例えばゲッタ領域128は、突起部分46を形成する前に中間領域126上に形成されている。ブランケット析出/マスクエッチング、及びマスク析出技術/リフトオフ技術は、この方法でゲッタ領域128を形成するために使用されている。突起部分46がその後に形成されるとすぐに、ゲッタ領域128はゲッタ露光開口部130を経て露光されている。
図29の工程が図28の実施例を製造することに使用されている時、ゲッタ領域112は再度電気メッキ及び化学メッキを含んでいる選択的な析出技術、例えば電気泳動析出/誘電泳動析出、電気化学析出によって形成されており、またゲッタ領域128を形成するために使用される同じ物質を伴って形成されている。そのような場合において、領域112及び128は、工程ステップを確保することによってほぼ形成されている。電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気メッキのために選択された電気ポテンシャルが、フォーカスコーティング110及び中間領域126に印加されている。
図30及び図31は、本発明に基づいて構成されるFEDのアクティブ領域の一部分の側断面図及び平面断面図をそれぞれ示している。図30及び図31のFEDは、発光装置と、ゲッタ含有アクティブ電子放出部分を有し、発光装置に対向して位置される電子放出装置とを有する。図30及び図31の発光装置及び電子放出装置は、高真空で維持される密封外囲器を形成するための外壁(図示せず)を経て互いに接続されている。
図示されるFEDが列方向で現れる程度を表す図19及び図26の側断面図と比較してみると、図30の断面図は、図示されるFEDが行方向で現れる程度を表す。図31の平面断面図は、密封外囲器を経て側面に沿って延びている平面に沿って電子放出装置の方向に導入されている。従って、図31は、電子放出装置のアクティブ部分の一部分の平面図を主として表す。図30と一致して、図20及び図27の平面図とを比較すると、図31の平面図中の水平方向は、行方向というよりは、むしろ列方向である。
図30及び図31のFED中の発光装置は、フェースプレート50と、遮光ブラックマトリクス54を含む上に設けられている層/領域52と、図19及び図20のFED中の発光装置のための前述した方法で配置されたアノード(分離して図示せず)とから成る。図30及び図31のFEDと、図19及び図20のFEDとの間の差異は電子放出装置から生じている。
図30及び図31中の電子放出装置は、バックプレート40と、低部の非絶縁領域100で成っている上に設けられている層/領域42と、横列及び縦列に配置された電子放出領域44と、制御電極106と、保護電気絶縁フォーカス遮断層130と、領域44中の電子放出素子104によって放出される電子を集束するためのシステムとしての機能をも果たすパターン化されたゲッタ領域132とを伴って形成されている。図30及び図31の電子放出装置中の構成要素100と、102と、44と、106とは、図19及び図20の電子放出装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。
電子集束システムとしての機能を果たしているゲッタ領域132の場合、フォーカス開口部134の横列及び縦列の2次元配列は、領域132(の厚み)を経て延びている。さらに、ゲッタ領域132は、図30及び図31の例においてほぼワッフル模様又はグリッド模様のように、側面に沿って形成されている。フォーカス開口部134は、図19〜図22及び図26〜図28の電子放出装置中のベース集束構造体108を経て延びるフォーカス開口部118と同じ特徴を主として有する。従って、フォーカス開口部134の各縦列は、制御電極106の内の対応している1つの上側に位置されている。
電子集束機能を設けるために、ゲッタ領域132は電気非絶縁物質、好ましくは電気伝導物質から通常成る。特に領域132は、前で確認した1つ又は1つ以上のゲッタ金属を伴って最初に形成されている。領域132は1〜100μm、典型的には50μmの厚みを有する。適切なフォーカスポテンシャルは、FED動作の間に領域132に印加されている。
電子集束ゲッタ領域132の一部分は、図30及び図31の例における制御電極106の一部分の上に延びている。領域132が各制御電極106から物理的に離れて間隔をあけて配置されているような方法で、絶縁フォーカス遮断層130が一方では領域132の間に、他方では制御電極106の間に位置されている。言い換えると、絶縁層130は各電極106の少なくとも一部分の上に、また領域132の少なくとも一部分の下に延びている。ゲッタ領域132が電気非絶縁物質、通常電気伝導物質から成る典型的な場合において、領域132は各電極106から主として電気的に分離されている。
絶縁フォーカス遮断層130は、各制御電極106から主として電気的に分離されているためのゲッタ領域132の電気非絶縁物質を可能にするための種々の方法で形成されている。図30及び図31の例において、絶縁層130はゲッタ領域132の上に、そしてフォーカス開口部134の中へ若干側面に沿って延びるワッフル模様のように側面に沿って形成されている。絶縁層130は、どの電子放出領域44の上にも通常著しく伸びない。この位置は図30及び図31において表されている。それにも拘わらず、層130は著しい画像劣化を引き起こさないような行為と同じ位長い領域44の上に、すなわち制御開口部116(図30及び図31において図示せず)の側面のための制御電極106の上に側面に沿って延びている。ワッフル模様やグリッド模様のように一般に形成されているというよりは、むしろ絶縁層130は一般に電極106の一部分の上に延びている場所でゲッタ領域132の下に延びる複数の側面に沿って、分離された部分から成る。
図32は、絶縁フォーカス遮断層130がゲッタ領域132の下に設けられているが、領域132を越えて側面に沿って著しく延びない場合の図30及び図31の電子放出装置の変形例の側断面図を表す。実際、絶縁層130は、下を切り取られた位置で制御電極106から領域132を分離する空間(open space)をわずかに具備した領域132の下を切り取る。図32は、絶縁層130がゲッタ領域132と主として同じワッフル模様のようなパターンで側面に沿って形成されており、又は絶縁層130が、主としてそれが電極106の一部分の上に設けられるのみの場所で、ゲッタ領域132の下に設けられる複数の側面に沿って分離された部分で成る場合の位置を表す。
電子集束ゲッタ領域132は、絶縁フォーカス遮断層130よりも通常かなり厚い。特に領域132は、絶縁層130よりも普通は少なくとも2倍厚く、好ましくは少なくとも20倍の厚さである。絶縁層130は、通常1つ又は1つ以上の酸化ケイ素と、窒化ケイ素と、窒化ホウ素とを伴って形成されている。
ベース集束構造体108及びフォーカスコーティング110を伴うというよりは、むしろゲッタ領域132を伴う電子集束システムを実施した結果として起こる変更を条件として、図30及び図31の電子放出装置はまた、図19〜図22の電子放出装置のための前述したどの方法においても変更されている。特にゲッタ領域132は、図30〜図32の例において使用されるワッフル模様のようなパターンとは著しく異なる側面形状を有する。例えばフォーカス開口部134の各縦列は、長いトレンチ模様のようなフォーカス開口部と交換されている。ゲッタ領域132は列方向に延び、そして、それらの端部で互いに接続されていても接続されていなくても良いストライプの一群で成る。
通常多孔性であるゲッタ領域132は、発光装置中のゲッタ領域58のための前述した方法で、一般に汚染物質ガスをソーブするために機能する。同様に、ゲッタ領域132は、外壁を互いに経る発光装置及び電子放出装置を密封する前に形成されている。そのように通常空気中に露光されている領域132の場合、領域132はFEDの密封外囲器が高真空である間のFEDの密封動作の間に、又は該密封動作の後に大体活性化されている。発光装置中のゲッタ領域58を活性化するための前述した技術のどれも、ここではゲッタ領域132を活性化するために一般に使用されている。
図33a〜図33e(以下、まとめて「図33」と言う。)は、本発明に基づく図30及び図31の電子放出装置を製造するための工程を示している。図33の工程は、図23の工程と同じ方法で、バックプレート40の上に低部の非絶縁領域100を形成することによって開始されている。図33aを参照。誘電層102のためのブランケット前駆体102Pは、構造体の表面上に形成されており、また非絶縁領域100の上に延びている。
制御電極106のための前駆体が、ブランケット前駆体誘電層102P上に形成されている。電極106のための前駆体は、電極106のための望ましい形状で側面に沿ってパターン化されているが、この時点で制御開口部116を欠いている。各前駆体制御電極は主制御部分と、主制御部分を隣接するより薄いゲート部分の一群とから成る。各前駆体制御電極のゲート部分は、電極の電子放出領域44のための位置で電極の主制御部分を経て延びる主制御開口部の一群をそれぞれスパンする。
絶縁フォーカス遮断層130は、制御電極106のための前駆体の一部分の上に延びるように構造体の表面上に形成されている。開口部136の一群は、電子放出領域44のための意図された位置の上側の絶縁層130を経て延びている。各開口部136は、領域44の内の1つのみのための位置で通常存在している。あるいは、各開口部136は領域44の縦列のための位置を露光しても良い。絶縁層130は、例えば構造体の表面上の望ましい電気絶縁物質のブランケット層を析出すること、それから適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用しているブランケット層を経る開口部130をエッチングすることとを含んでいる種々の技術によって形成されている。
制御開口部116は、制御電極106を定義するための制御電極前駆体を経て形成されている。開口部116は、通常前述した帯電粒子のトラッキング工程に基づいて形成されている。各電極106が主な部分と、より薄い隣接しているゲート部分の一群とから成る典型的な場合において、開口部116はゲート部分を経て延びている。
誘電開口部114(図33において目に見えない)は、制御開口部116を経る層102Pをエッチングすることによって、ブランケット誘電層102Pを経て形成されている。誘電層102が前駆体層102Pの残りの場合の図33bを参照。
電子放出素子104は制御開口部116を経て、誘電開口部114の中に望ましい電気伝導放出円錐物質、通常モリブデナムを蒸発的に(evaporatively)析出することによって誘電開口部114中に円錐として形成されている。蒸発(evaporative)円錐金属析出は、バックプレート100の底面に対して垂直に主として実施されている。放出円錐析出の間、過剰円錐物質の過剰層138は、構造体の表面上に蓄積する。
適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用することによって、過剰エミッタ円錐物質は、電子放出領域44の上側の位置を除いて除去されている。図33cは、過剰エミッタ物質部分138Aが過剰エミッタ円錐物質層138の残りである場合の結果として起こる構造体を表す。各過剰エミッタ円錐物質部分138Aは、領域44の内の対応している1つの上側に位置されている。過剰部分138Aは、領域44のための保護カバーを設けるように、領域44を越えてわずかに側面に沿って延びている。図33の例において、過剰部分138Aは開口部136を完全にスパンする。それにも拘わらず、部分138Aは、領域44を完全に被覆する部分138Aを具備した開口部136をわずかに部分的にスパンする。
電子集束ゲッタ領域132は、図33dに示されるような過剰エミッタ円錐物質部分138Aの側面のための構造体の表面上に形成されている。領域132は望ましい電気非絶縁、好ましくは電気伝導のブランケット層と、ゲッタ物質とを析出することによって、またフォーカス開口部134のための位置でゲッタ物質を除去するための適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用することによって形成されている。CVD及びPVDのような種々の技術は、ブランケットゲッタ物質層を形成するために使用されている。
ゲッタ領域132を形成するための適切なPVD技術は、蒸着と、スパッタリングと、溶射とを含む。ゲッタ物質を有している液剤又はスラリーのコーティングは、押し出しコーティング、スピンコーティング、メニスカスコーティング、液溶射によって構造体の表面上に析出されている。適切な相当量の液剤又はスラリーは、ドクター・ブレードや他のそのような装置を使用して広がる構造体の表面上に配置されており、それから乾燥されている。シンタリング又はベーキングは、そのように析出されたゲッタ物質を単一の多孔性の固体に変換するため、そして必要に応じて望ましくない揮発性物質を追い払うために、必要に応じて使用されている。
ブランケット析出/選択的な除去工程によってゲッタ領域132を形成する代わりに、領域132はリフトオフ技術によって形成されても良い。すなわち、フォトレジストマスクは、望ましいゲッタ物質が例えば前述したどの技術によっても析出された後のフォーカス開口部134のための望ましい位置で、構造体の表面上に形成されている。フォトレジストマスクは、開口部134のための位置でゲッタ物質をリフトオフするために除去される。
ゲッタ領域132が形成された後、過剰エミッタ円錐物質部分138Aは除去される。図33eを参照。図33の構造体は、図30及び図31の電子放出装置である。
図34は、本発明に基づいて構成されるFEDのアクティブ領域の一部分の側断面図を示している。図34のFEDは、発光装置と、ゲッタ含有電子放出部分を有し、発光装置に対向する側に位置された電子放出装置とを有する。図34の発光装置及び電子放出装置は、高真空で維持された密封外囲器を形成するための外壁(図示せず)を経て互いに接続されている。図30の側断面図と似ているものは、図34の側断面図が行方向において現れる図示されたFEDの程度を表す。
図35及び図36は、図34の電子放出装置のアクティブ部分を実施するための2つの方法の平面断面図を表す。特に図35及び図36の各平面断面図は、電子放出装置のアクティブ部分の一部分の平面図を表すような密封外囲器を経て延びている平面に沿う電子放出装置の方向中に導入されている。図34と図31の平面図と似ているものとを呼応して、図35及び図36の平面図における水平方向は列方向である。
図34及び、図35又は図36のどちらか一方のFED中の発光装置は、図19及び図20のFED中の発光装置のために前述したように配列されるフェースプレート50と、遮光ブラックマトリクス54を含む上に設けられている層/領域52と、発光領域56と、アノード(分離して図示せず)とから成る。図34及び、図35又は図36のFEDと図19及び図20のFEDとの間の差異は、電子放出装置が原因で生じる。
図34及び、図35又は図36のどちらか一方のFED中の電子放出装置は、バックプレート40と、低部の非絶縁領域100で成っている上に設けられている層/領域42と、誘電層102と、横列及び縦列に配置される電子放出領域44と、制御電極106と、突起部分46と、側面に沿って分離された電気絶縁領域140の一群と、側面に沿って分離されたゲッタ領域142の一群とを伴って形成されている。前と同じように、各電子放出領域44は複数の電子放出素子104で成る。突起部分46は、ベース集束構造体108及びフォーカスコーティング110を伴って形成される電子集束システムで成る。図34及び、図35又は図36の電子放出装置中のバックプレート40と、非絶縁領域100と、誘電層102と、電子放出領域44と、制御電極106とは、図19及び図20の電子放出装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。
図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置中の突起部分46は、ベース集束構造体108と、上に設けられているフォーカスコーティング110とで形成された電子集束システムから成る。ゲッタ領域142の存在から結果として起こっている構造体差異を条件として、電子集束システム108/110は図19及び図20の電子放出装置と同じように構成されており、そして同じように機能する。
図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置は、図19及び図20の電子放出装置のための前述したどの方法においても一般に変更することができる。例えば図34及び、図35又は図36の電子放出装置は、ベース集束構造体108を密封するための位置付けされた密封領域を伴って設けられても良い。密封領域は、構造体108によって放出されても良いガスの通路に影響されない。密封領域は、(a)フォーカスコーティング110の下の構造体108の上に直接設けられても良く、又は(b)構造体108の上側のコーティング110上に設けられても良い。いずれにせよ、密封領域は、外層に沿って構造体108の全部又はほぼ全部を被覆する。
ゲッタ(又はゲッタ含有)開口部144の一群は、図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置中の突起部分46(の厚み)を経て延びる。各ゲッタ含有開口部144は、電子放出領域44の一対の横列の間に側面に沿って位置されており、制御電極106の内の1つの関連している少なくとも1つの一部分の上に延びている。多数の開口部144は、各電極106の側面に沿って分離された一部分の上に延びている。
図35及び図36の実施例は、各ゲッタ容器開口部144に関連する複数の制御電極106で異なる。図35の実施例において、開口部144の各々は、電極106の内の1つのみと関連しており、そのように関連する電極106の一部分の上に延びている。図35は、各開口部144が、電子放出装置の2つの隣接する割れ目のある領域の中に関連する電極106の両方の縦長の側面を越えて、側面に沿って延びるということを示している。図35の実施例における各開口部144は、関連する電極106の両方の縦長の側面に沿って誘電層102に対して下にそのように延びている。あるいは、図35の実施例は、各開口部144が関連する電極106の上に完全に設けられ、また一方の隣接する割れ目のある領域中の層102に対して下に延びないように変更されることができる。
図36の実施例において、ゲッタ含有開口部144の各々は、制御電極106の内の複数と関連している。従って、図36の実施における各開口部144は、関連する電極106の各々の一部分の上に延び、また電子放出装置の介在している割れ目のある領域を横切るそれらの関連する電極106を越えて側面に沿って延びている。図36の実施例における各開口部144は、行方向において延び、多数の電極106を横切るチャネルを形成する。各チャネル144は電極106の全部を横切る。
いずれのゲッタ含有開口部144も、低部の非絶縁領域100中のどのエミッタ電極の上にも設けられることはない。電子放出物質(図示せず)の1つ又は1つ以上の部分は、開口部144の1つ又は1つ以上の下の誘電層102を経て延びている1つ又は1つ以上の開口部(同様に図示せず)中に位置されても良い。絶縁領域140と、領域140の上に設けられている物質(さらに下記で述べる)との存在を除いて、これらの電子放出物質の部分は、開口部144の1つ又は1つ以上の下の制御電極106の1つ又は1つ以上を経て延びている1つ又は1つ以上の開口部(図示せず)を経て露光されても良い。いずれの開口部144もエミッタ電極の上に設けられない典型的な位置において、いずれの電子放出物質のこれらの部分も、それらがエミッタ電極制限(emitter electrode control)を欠いているので電子放出素子として機能しない。さらに、どんな実施可能な電子放出素子でも、どの開口部144を経ても通常露光されていない。
絶縁領域140の各々は、ゲッタ含有開口部144の内の対応している1つの底部に沿って位置されており、その開口部144の下の各制御電極106の側壁を含んでいる部分を完全に被覆する。各領域140は、通常対応開口部144を横切って実質的に完全に延びている。各領域140は対応開口部144を越えて、また突起部分46の一部分の下にそのように側面に沿って延びても良い。図35及び図36の実施例が原因で生じる各開口部144が、各関連された電極106を越えて側面に沿って延びている時、対応領域140は開口部144と関連のある各電極106を側面に沿って越えて誘電層102の下に延びる。各開口部144が、関連される電極106の上に完全に設けられる場合の図35の実施例の前述した変形例において、いずれの領域140も層102に対して下に延びない。
絶縁領域140は、酸化ケイ素や、窒化ケイ素や、窒化ホウ素や、これらの絶縁体の2つ又は2つ以上の結合のような、1つ又は1つ以上の電気絶縁体を伴って形成されても良い。領域140は図34において相対的に薄い部分であり、ゲッタ含有開口部144のほんのわずかな(平均)高さを占有するように示されているけれども、領域140は開口部144の高さの実質的な部分を占有する。
ゲッタ領域142の各々は、ゲッタ含有開口部144の内の対応している1つの中に位置されており、また絶縁領域140の内の対応している1つの表面上に設けられる。各絶縁領域140は、対応ゲッタ領域142と絶縁領域140の下に延びる各制御電極106との間に設けられ、対応ゲッタ領域142を絶縁領域140の下に延びる各制御電極106から分離する。この電気絶縁分離は、各ゲッタ領域142が図35の実施例が原因で生じる1つの電極106のみの上に延びるか、又は図36の実施例が原因で生じる複数の電極106の上に延びるか否かに無関係に起こる。ゲッタ領域142は通常電気伝導であるが、電気抵抗であっても良い。いずれにせよ、絶縁領域140の存在は、各制御電極106から電気的に分離されている各ゲッタ領域142を導く。
図34〜図36の例において、ゲッタ領域142は、領域142がフォーカスコーティング110と接触するような範囲内においてゲッタ含有開口部144を満たす。さらに詳細には、コーティング110は、図34〜図36の例における領域142の表面上に延びている。ベース集束構造体108の厚みが1〜100μm、典型的には50μmである場合において、領域142は1〜100μm、典型的には50μmの平均厚みを同様に有する。領域142が電気非絶縁、通常電気伝導である時、領域142はコーティング110と電気的に結合されている。
図34及び、図35又は図36のどちらか一方のFEDは、電子放出装置と発光装置との間の密封外囲器中に位置されたスペーサ壁64を有する。図26及び図27のFEDについて前述したものと似たものは、各スペーサ壁64が電子放出領域の一対の連続する横列の間を通過する垂直平面に沿って行方向に延びている。模範的な目的のために、図34〜図36は領域44の3つの横列によって、側面に沿って分離されている2つの壁64を示すけれども、連続した壁64は領域44の横列の実質的な数字、例えば20〜40によって側面に沿って分離されている。
ゲッタ領域142は、スペーサ壁64の下に部分的に又は完全に位置されている。図26及び図27のFED中のゲッタ領域128と似たものは、いずれのゲッタ領域142もどの壁64の下にも部分的に又は完全に位置されない。図35の実施例において、領域142は壁64の間に側面に沿って位置され、また行方向に延びている横列を形成する。図36の実施例において、ゲッタ領域142は領域44の横列の間に側面に沿って位置され、行方向に延びている領域を引き延ばしている。領域144は、図34及び、図35又は図36のどちらか一方における電子放出装置のアクティブ部分を横切って完全に均一に分配されていないけれども、壁64の間の行方向において側面に沿って延びているような図34〜図36に示される方法で位置付けしている領域142は、装置のアクティブ部分を横切って相対的に均一な方法で分配されているための領域142のゲッタ物質を引き起こす。
図37は、フォーカスコーティング110がゲッタ領域142の表面を横切って延びているというよりは、むしろ制御電極106の一部分から一部分までゲッタ含有開口部144の中に延びている場合の図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置の変形例の側断面図を表す。すなわち、コーティング110は、開口部144を定義するベース集束構造体の側壁の一部分から一部分までに延びている。領域142は、図37の例におけるコーティング110と接触する。領域142が電気非絶縁物質から成る時、図37の例における領域142は、図34及び、図35又は図36の例においてもまた生じるコーティング110と電気的に結合されており、電極106から電気的に分離されている。図37の側断面図は、図35又は図36と類似した平面断面図を有する。
図38は、図34及び、図35又は図36のいずれか一方の電子放出装置の他の変形例の側断面図を示している。図39は、図37の電子放出装置の対応変形例の側断面図を表す。図38及び図39の変形例において、電子放出領域144の各々は、2つの側面に沿って分離された電子放出部分44A及び44Bとして構成されている。各電子放出部分44A又は44Bは、ベース集束構造体108(の厚み)を経て延びている対応フォーカス開口部118A又は118Bを経て露光されている。図38及び図39の断面図においては示されていないけれども、フォーカス開口部118A及び118Bの各一対は、発光装置中の発光領域56の内の対応単体の1つを横切って位置されている。
フォーカスコーティング110は、図36及び図37の電子放出装置中のフォーカス開口部118の中へ下に延びるコーティング110と同じ方法で、フォーカス開口部118A及び118Bの中の一部分から一部分まで延びている。従って、コーティング110は依然として制御電極106から電気的に分離されていない。前にも引用したシュロップ他の国際特許出願PCT/US99/14679号を参照すると、図38及び図39に示される方法における電子放出領域44の構造体を考慮している。
図34〜図37の発光装置中の各ゲッタ含有開口部144は、図38及び図39の変形例において並んで位置されたゲッタ含有開口部144の一対と交換されている。図38及び図39の例における各開口部144は、図34及び図37のそれぞれの例における絶縁領域140と、上に設けられているゲッタ領域142と同じように配置される1つの絶縁領域140と、1つの上に設けられているゲッタ領域142とを有する。従って、図34又は図37の例における各ゲッタ領域142は、図38又は図39の例における2つのゲッタ領域142と交換されている。同様に、図34又は図37の例における各絶縁領域140は、図38又は図39の例における2つの絶縁領域140と交換されている。
図38及び図39の例におけるゲッタ含有開口部144は、図34〜図37の例における開口部144よりも列方向において通常より小さい(より狭い)。さらに、図38及び図39の例におけるゲッタ領域142は、図34〜図37の例における領域142よりも列方向において通常小さい。
図34〜図37の例における1つのゲッタ領域142の場所における図38及び図39の例における2つのゲッタ領域の使用は、任意である。図38及び図39の例は、図34〜図37の例における各領域142のための1つのゲッタ領域142を有するために変更されても良い。同様に、図34〜図37の例は、各電流(current)領域142のために並んで位置された2つ又は2つ以上のゲッタ領域142を有するために変更されても良い。
図34の例において生じるものと類似して、フォーカスコーティング110は、図38の例におけるゲッタ領域142の表面を横切って延びている。図39の例は、コーティング110が領域142の表面を横切って延びているというよりは、むしろゲッタ含有開口部144の中の一部分から一部分まで延びるという点で、図37の例と同様に似ている。図34〜図37の例において生じるように、図38及び図39の例における電気非絶縁物質を伴って実施している領域142は、コーティング110と電気的に結合されており、また制御電極106から電気的に分離されている領域142を導く。図38又は図39の側断面図は、図35又は図36のそれと類似した平面断面を有する。
図34〜図39の電子放出装置は、ゲッタ領域142が、制御電極106から電気的に分離されているという特性を有する状態を維持している間に種々の方法で変更されている。例えば電子放出領域44の上側の電極106の一部分が開口部144と側面に沿って一直線であるけれども、電極106の形状が開口部144から側面に沿って分離されたような方法で、ゲッタ含有開口部144の周りで側面に沿って囲む(skirt)ために時々変更されている。そのような場合において、絶縁領域140は削除されている。ゲッタ領域142はそれから誘電層102の上に直接位置されている。電子集束システム108/110は、システム108/110と同じように一般にパターン化され、そして電極106から電気絶縁された電気伝導層を伴って形成される電子集束システムと交換され得る。
図34〜図39の電子放出装置はまた、図19〜図22及び図26〜図28の電子放出装置のゲッタリング性能の1つ又は1つ以上を含むために変更されている。例えば図34〜図39の電子放出装置の変更において、ゲッタ領域112は、フォーカスコーティング110の少なくとも一部分の上に又は下に設けられており、又はゲッタ領域110/112を形成するためのコーティング110と結合されている。図34〜図39の電子放出装置の変更は、図26及び図27の電子放出装置のための前述した位置で突起部分46中に設けられるゲッタ露光開口部130中に位置されるゲッタ領域128と、ことによると中間の導電領域126とを含んでも良い。ゲッタ領域128及びことによると中間領域126のための前述した変更はまた、図34〜図39の電子放出装置のためのこれらの変更に加えられ得る。
通常多孔性であるゲッタ領域142は、発光装置中のゲッタ領域58のための前述した方法で一般に汚染物質ガスをソーブする。ゲッタ領域142は密閉を含んでいるFED組立て動作を実施する前に形成されている。ゲッタ領域142を形成する後であるがディスプレイ組立て動作に先立って、領域142は空気中に通常露光されている。従って、領域142はFED密封動作の間又は該密封動作の後に活性化されている。
発光装置中のゲッタ領域58を活性化するための前述したどの技術も、ここではゲッタ領域142を活性化するために一般に使用されている。電子放出装置がゲッタ領域142及びゲッタ領域112と、110/112と、128との内の1つ又は1つ以上を有する時、ゲッタ活性化が、例えばFED組立て動作の間に電子放出装置を加熱することによって実施されている時、装置中に存在する領域112と、110/112と、128のどれも領域142と同じ時間で活性化されている。
図40a〜図40d(以下、まとめて「図40」と言う。)は、本発明に基づく図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置を製造するための工程を示している。図40の工程のための開始点は、バックプレート40である。低部の非絶縁領域100と、誘電層102と、制御電極106とは、図23の工程のための一般に前述した方法で形成されている。構造体108がフォーカス開口部118に加えてゲッタ含有開口部144を伴って設けられているということを除いて、ベース集束構造体108は図23の場合のように形成されている。
図40の工程において、制御電極116(図40において図示せず)と、誘電開口部114(また図40において図示せず)と、電子放出素子104とは、図23又は図33の工程のために前述したように形成されている。電子放出素子104の構造体の間、電子放出物質、通常エミッタ円錐物質の過剰層は、構造体の上面の上に蓄積する素子104を形成する。構造体の表面上に位置付けされた適切なフォトレジストマスク(図示せず)を使用することによって、エッチング動作は電子放出領域44の上側の位置を除いて、過剰電子放出物質を除去するためのマスク中の開口部を経て実施されている。図40aは、図33の工程におけるアイテム138Aと類似したアイテム146が過剰電子放出物質の残り部分である場合の結果として起こる構造体を表す。
絶縁領域140は、図40bに示された制御電極106の上面に沿って開口部144中に形成されている。領域140は種々の方法で形成されている。通常の実施例において、マスクは、開口部144に対して垂直に配向された開口部を有するようなベース集束構造体108の上側に位置付けされている。マスクは構造体の表面上に直接に位置されるフォトレジストマスク又はハードマスクである。マスクはまた、シャドウマスクであっても良い。
適切な電気絶縁物質はマスク開口部を経て、また絶縁領域140を形成するための開口部144の中に、例えばスパッタリングのようなCVD又はPVD技術によって析出されている。析出状況によって及び開口部144に対して垂直に配向されているマスク開口部の良い程度によって絶縁物質の内のいくつかは、ベース集束構造体108の表面及び側壁の上に蓄積する。構造体108は電気非絶縁物質から通常成るので、構造体108上の付加絶縁物質の蓄積は通常許容される。ゲッタ領域142が形成されている程度によって、マスクは絶縁領域140の後の構造体を除去されており、又は変わらぬ場所にある。もし、マスクがこの時点で除去されているのであれば、マスク上に蓄積された絶縁物質のどれもそれによってリフトオフされている。
あるいは、絶縁領域140は、加熱の存在において可能な適切な酸化剤又は窒化剤のための開口部144を経て露光される制御電極106の一部分を支配することによって形成されている。領域140は、酸化金属又は窒化金属から成る。過剰電子放出物質部分146は、領域44がダメージを与えられることを防止するような別の方法の間に、電子放出領域44を被覆する。過剰部分146の側面のためのフォーカス開口部118中に形成するどの酸化金属又は窒化金属も、一般に許容される。
ゲッタ領域142は、絶縁領域140の表面に沿って開口部144中に形成されている。図40cを参照。種々の技術がゲッタ領域142を形成するために使用可能である。典型的な実施例において、開口部144に対して垂直に配向された開口部を有しているマスクは、ベース集束構造体108の上側に位置付けされている。通常フォトレジストを伴って又はシャドウマスクとして実施されているマスクは、少なくとも電子放出装置のアクティブ部分中に絶縁領域140を形成することに使用されるマスクと同じであるか、又はほぼ同じである。望ましいゲッタ物質はマスク開口部を経て、また領域142を形成するための開口部144の中に析出されている。フォーカス開口部118と実質的に完全に垂直に配向されるマスクミスアライメント(mask misalignment)や、マスク開口部の他の失敗による電子放出領域44の外側のベース集束構造体108の表面上のいくつかのゲッタ物質の蓄積は、フォーカスコーティング110がゲッタ領域142と後に接触するので、一般に許容できる。
ゲッタ物質は、CVD又はPVDのような技術によってマスク開口部を経て析出されている。適切なPVD技術は、蒸着と、スパッタリングと、溶射と、開口部144の中へゲッタ物質を入れること、それからドクター・ブレード又は似たような装置を伴うどの過剰ゲッタ物質をも除去することとを含んでいる。特にゲッタ含有開口部144が、図36の例において生じるようなチャネルである時、物理的に曲げられた析出、例えば角を形成する蒸着はゲッタ領域142を形成するために適切である。物理的に曲げられた析出が使用される時、ゲッタ物質の粒子が開口部144の長さ方向に延びている垂直平面に沿う傾斜角αで析出表面に影響を与えるので、ゲッタ物質は2つの対向する方位角の方向付けから通常角を成して析出されている。マスクは、マスク上に蓄積されたどのゲッタ物質をもリフトオフするために、その後に除去される。
図40bの構造体、又は図40bの構造体と似た構造体は、製造工程においてより早い段階で絶縁領域140を形成することによって、代案的に形成されている。例えば領域140は、絶縁層130が図33の工程において形成されているという段階で形成されている。そのような場合において、領域140はゲッタ領域144を越えて、またフォーカス開口部118の中に均等で、ことによると部分的に側面に沿って延びても良い。
絶縁領域140が形成されている程度に拘わらず、物理的に曲げられた析出技術、通常角を形成する蒸着はベース集束構造体108及びゲッタ領域142上にフォーカスコーティング110を形成するために使用されている。傾斜角αの値を適切に選択することによって、コーティング110は、各フォーカス開口部118の中に一部分から一部分までにのみ延びている。過剰電子放出物質の部分146は、通常コーティング110を形成する前に除去されている。過剰部分146はまた、コーティング110を形成した後に、除去される。図40dに示される結果として起こる構造体は、図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置である。
あるいは、ベース集束構造体108が(フォーカス開口部118を有するが)、ゲッタ領域142のための開口部144を欠く前駆体と交換されているということを除いて、図40dの構造体は、図40aの構造体とほぼ同一の構造体を最初に形成することによって製造される。開口部144のための望ましい位置で開口部を有しているマスクは、構造体108のための前駆体の上側に位置付けされている。マスクは構造体の表面上に直接形成される、例えば窒化ケイ素のフォトレジストマスク又はハードマスクである。マスクはまたシャドウマスクであっても良い。
ベース集束構造体108のための前駆体は、開口部144を形成するためのマスク開口部を経てエッチングされており、それによって前駆体を構造体108に変換している。同じ場所のマスクの場合、適切な電気絶縁物質は、絶縁領域140を形成するためのマスク開口部を経て析出されている。望ましいゲッタ物質は、ゲッタ領域142を形成するためのマスク開口部を経て析出されている。マスクは、上に設けられているゲッタ物質と、上に設けられている絶縁物質とを含んでいる上に設けられている物質をリフトオフするために、その後に除去される。フォーカスコーティング110は構造体108と、ゲッタ領域142と、除去されている過剰電子放出物質の部分146との上に形成されている。結果として起こっている構造体は、再度図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置である。
図37の電子放出装置は、図40aの構造体を形成することによって、図40bに示されているような絶縁領域140を形成するための開口部144の中へ電気絶縁物質を導入することによって製造されても良い。もし、どのマスクも開口部144の底部で領域140を形成することにおいて使用されるのであれば、マスクは除去されている。あるいは、図40bの構造体は製造工程におけるより早い段階で、例えば再度絶縁層130が図33の工程において形成されている段階で、絶縁領域140を形成することによって活性化されても良い。図40bの構造体が活性化されている程度に関係なく、コーティング110がゲッタ領域142のためのフォーカス開口部118及び開口部144の中の一部分から一部分まで延びているので、フォーカスコーティング110は、通常角を形成する蒸着のような物理的に曲げられた析出によってベース集束構造体108上に、その後に形成される。
望ましいゲッタ物質が、ゲッタ領域142を形成するための開口部144の中へ導入されている。フォトレジストマスクやシャドウマスクのようなマスクは、ゲッタ物質が構造体の上の他の場所で蓄積することを主として防止するために使用されている。マスクはその後に除去されている。過剰電子放出物質の部分146は、図37の電子放出装置を形成するために除去されている。ゲッタ領域144の外側のフォーカスコーティング110の表面上のゲッタ物質のどの蓄積も、通常許容される。
各フォーカス開口部118が、フォーカス開口部118A及び118Bと交換され、また各ゲッタ開口部144が2つのゲッタ開口部144と交換されているということを除いて、図38の電子放出装置は、図34及び、図35又は図36のどちらか一方の電子放出装置を製造するために使用される工程の、いずれに基づいて製造されても良い。同じ交換を条件として、図39の電子放出装置は、図37の電子放出装置を製造するための前述した工程に基づいて製造されている。
ゲッタ領域と、制御電極106の下に設けられている物質との間に位置される電気絶縁物質を有しているというよりは、むしろ本発明に基づいて構成される電子放出装置中のゲッタ領域は、他のどの制御電極106とも接触しないゲッタ領域を具備する下に設けられる制御電極106の物質と直接接触する。本変形例におけるゲッタ領域は、下に設けられる電極106によって制御される電子放出領域44の1つ又は1つ以上の部分的に又は完全に、上に設けられていても設けられていなくても良い。典型的な実施例において、ゲッタ領域は、フォーカス開口部118の1つ又は1つ以上を経て露光されている。
前記変形例におけるゲッタ領域は、他のどの制御電極106をも伴って電気的な相互作用をする限り、側面に沿って延びないゲッタ領域を具備する下に設けられている制御電極106を越えて、側面に沿って延びても良い。そのような多数のゲッタ領域は、電子放出装置、各電極106のための少なくとも1つのゲッタ領域中に普通は存在している。各ゲッタ領域の電気非絶縁物質は、そのように1つの電極106と電気的に結合されているが、各他の電極106から主として電気的に分離されている。また、電子放出装置は各ゲッタ領域の電気非絶縁物質が電子集束システムの電気非絶縁物質、例えばフォーカスコーティング110から主として電気的に分離されるように構成されている。
[さらなる変形例及び範囲]
図5〜図9と、図16と、図17の発光装置と、これらの発光装置の前述した変形例とを含んでいる発光装置の各々において、下に設けられている表面のためのゲッタ領域58の接着は、ゲッタ物質と比較して相対的に低部溶融地点を有している物質を伴うゲッタ物質を混合することによって(必要に応じて)改良されても良い。あるいは、低部溶融地点物質の接着層(図示せず)は、領域58の下に設けられても良い。領域58、又は領域58のための前駆体が形成されている時、ゲッタ及び低部溶融地点物質を有している部分的に製造された発光フェースプレート構造体は、低部溶融地点物質が溶融する十分に高い温度まで加熱している。部分的に製造されたフェースプレート構造体は、その後に冷却される。冷却の間、低部溶融地点物質は下に設けられている表面のための領域58のゲッタ物質や、領域58のための前駆体をしっかりと接着している。
前述した技術のどちらか一方は、図19〜図22と、図26〜図28と、図30〜図32と、図34〜図39の電子放出装置と、これらの装置の前述した変形例を含んでいる電子放出装置中に下に設けられている表面のためのゲッタ領域112、110/112、128、132、142のいずれの接着をも改良するために(必要に応じて)使用されている。すなわち、低部溶融地点物質は、ゲッタ物質及び低部溶融地点物質を有している部分的に組立てられた電子放出バックプレート構造体が、低部溶融地点物質を溶融するために十分に高い温度まで加熱された後、領域112、110/112、128、132、142のいずれのゲッタ物質、又は領域112、110/112、128、132、142のいずれのための前駆体を伴って混合されているか、又は下に設けられている接着層として設けられている。その後の冷却の間、低部溶融地点物質は、下に設けられている表面のためにしっかりと接着されている各ゲッタ領域112、110/112、128、132、142のゲッタ物質、又は各領域112、110/112、128、132、142のための前駆体を引き起こす。特にゲッタ物質が金属である時、低部溶融地点物質のための対象はインジウム、スズ、ビスマス、バリウム、これらの金属の内の1つ又は1つ以上の合金を含んでいるような金属である。
ゲッタ物質を伴う低部溶融地点物質を混合する技術を実施するために、低部溶融地点物質は各ゲッタ領域58、112、110/112、128、132、142、又は各領域58、112、110/112、128、132、142のための前駆体が形成されている表面上に通常同時に析出されている。この目的のために、低部溶融地点物質は、析出に先立つゲッタ物質を伴う低部溶融地点を混合することによって、ゲッタ物質と同じ電源から与えられている。低部溶融地点物質は、いくつかの場合には、ゲッタ物質及び低部溶融地点物質の同時の析出の間にゲッタ物質よりも分離する電源から与えられている。分離する電源がゲッタ物質及び低部溶融地点物質を析出するために使用されている時、低部溶融地点物質はゲッタ物質を析出するために使用されるような同じ技術、例えば蒸着、スパッタリング、溶射、電気泳動析出/誘電泳動析出、電気化学析出等によって通常析出されている。分離する電源又は、1つ又は1つ以上の共通の電源が使用されていると否とに拘わらず、ゲッタ物質及び低部溶融地点物質は析出の間に互いに混合されている。
低部溶融地点物質がゲッタ領域58、112、110/112、128、132、142のいずれも、又は領域58、112、110/112、128、132、142のいずれのための前駆体の下に設けられている表面上の分離する接着層として与えられている時、低部溶融地点接着層は、ゲッタ物質を析出するために使用されるものと同じ技術、又は似たような技術によって析出されている。例えばゲッタ物質が物理的に曲げられた析出によって析出されている図11と、図18と、図23と、図25の工程において、低部溶融地点接着層は物理的に曲げられた析出によって通常析出されている。ゲッタ物質及び低部溶融地点物質の両方の粒子は、傾斜角αで析出表面に影響を及ぼす。
もし、低部溶融地点接着層がない場合において、ゲッタ物質が電気泳動析出/誘電泳動析出又は電気化学析出のような技術に基づく電気伝導表面上に析出されており、それが下に設けられている表面の電気伝導性質をうまく利用するのであれば、低部溶融地点接着層は、表面の導電性質をうまく利用する技術に基づく導電表面上に析出される。それにも拘わらず、低部溶融地点接着層は、ゲッタ物質を析出するために使用されるというよりも実質的に異なる技術によって形成されている。
ゲッタ物質の核生成を高める物質の薄い層が、現在の発光装置及び電子放出装置中のゲッタ物質を析出することに先立って析出されている。ゲッタ核生成物質は通常電気非絶縁であり、通常電気伝導である。ゲッタ核生成物質の析出は、前述した1つ又は1つ以上の接着領域の使用に関連して行われても良い。
図5〜9と、図16と、図17の発光装置と、前述したこれら発光装置の変形例を含んでいる発光装置中のゲッタ領域の構造体が、物理的に曲げられた析出技術に基づいて析出するゲッタ物質を必要とする場合、ゲッタ物質は主として単一原子のみから成っても良い。図19〜図22と、図26〜図28と、図30〜図32と、図34〜図39の電子放出装置中の、及びこれらの電子放出装置の前述した変形例を含んでいる電子放出装置中のゲッタ領域112、110/112、128、132、142のどの構造体の時にも適用する同様なものは、物理的に曲げられた析出技術に基づいて析出しているゲッタ物質を必要とする。
ゲッタ領域58、112、110/112、128、132、142のどの単一素子の実施も、(a)ゲッタ物質が図10及び図15の工程における前駆体ゲッタ層58P及び58P´を伴って生じるような下に設けられている表面上にブランケット、すなわち非選択的な方法で蓄積する場合の位置と、(b)ゲッタ物質が図11〜図13と、図18と、図23と、図25の工程において生じるような下に設けられている表面上に選択的に蓄積する場合の位置の両方に加える。物理的に曲げられた析出に基づく単一素子のゲッタ物質を析出するための対象は、主として単一原子のみのような領域58、112、110/112、128、132、142のいずれも形成する一般の原因のための上記に示したようなアルミニウム、チタニウム、バナジウム、鉄、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデナム、バリウム、タンタラム、タングステン、トリウムのような金属である。
領域58、112、110/112、128、132、142のいずれをも形成するための単一素子のゲッタ物質の角を形成する蒸着は、縦列のゲッタ構造体をもたらす。これは、ゲッタ面積が汚染物質ガスをソーブするためのゲッタの性能を増加させることによって増加されているので、有利である。
図5〜図9と、図16と、図17の発光装置と、前述した変形例とを含んでいるどの発光装置中のゲッタ領域58の構造体は、ディスプレイ組立て動作を経て上に向かう領域58上にその後、すなわち真空を放出することなく維持されている高真空中で時々行われている。同様に、図19〜図22と、図26〜図28と、図30〜図32と、図34〜図39の電子放出装置と、前述した変形例を含んでいるどの電子放出装置中のゲッタ領域112、110/112、128、132、142のどの構造体も、組立て動作を経て上に向かう各領域112、110/112、128、132、142上にその後維持されている高真空で時々行われている。そのような場合において、領域58、112、110/112、128、132、142の各々は、ディスプレイ組立て動作に先立って活性化されている。各領域58、112、110/112、128、132、142はまた、もちろん高真空がディスプレイ組立ての時間を経る構造体の時間から各領域58、112、110/112、128、132、142を維持されている位置における組立て動作の間、又は組立て動作の後に活性化されている。
「横の」と、「垂直な」と、「水平の」と、「前述の」と、「下記の」のような方向付けの言葉は、読者が互いに適応した発明の種々の部分の程度をより容易に理解できることよって、引用フレームを立証するための本発明を記述することに使用されている。実際の実施において、フラット・パネルCRTディスプレイの構成要素は、ここで使用される方向付けされた言葉によって暗示されるものとは異なる方向付けで位置されても良い。方向付けされた言葉が記述を容易にするための便利さのために使用されているので、本発明は、方向付けがここで使用される方向付けされた言葉によって完全に被覆されたものとは異なる場合の実施例を含む。
「横列」及び「縦列」という言葉は互いに関連して任意であり、また逆でも良い。また、想像線が行方向と今呼ばれているものにおいて通常生じているという事実に注目すると、制御電極106及び低部の非絶縁領域100のエミッタ電極は、エミッタ電極が列方向と呼ばれているものにおいて延びている間に、電極106が行方向と呼ばれているものにおいて延びているので、フル・ターン(360°)の4分の1回転されている。
発明が特有の実施形態への言及を伴って記述されている間、この記述はもっぱら説明図の目的であり、また上記の請求項に記載された発明の範囲の限界として解釈されていない。電界放出は、表面導電放射と一般に呼ばれる現象を含む。種々の変更及び用途は事実に反さず、また付加請求項に記載のこの発明の精神から離れることなく当業者によってそのように作られても良い。