JP4969428B2 - 表面処理ガラスクロス - Google Patents

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Description

本発明は電子・電気分野で使用されるプリント配線板に用いられるガラスクロスに関するものである。
現在、電子機器のモバイル化、デジタル化に伴う小型化により、使用されるプリント配線板において、回路配線の細線化、小径化、高密度化が著しく進行している。このプリント配線板の絶縁材料としては、ガラスクロスをエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(以下、「マトリックス樹脂」という。)に含浸させて得られるプリプレグを積層して加熱加圧硬化させた積層板が広く使用されているが、高密度化に伴い絶縁信頼性低下の問題が顕在化してきている。特に、回路配線を構成する銅等の金属が、高湿度下でイオンマイグレーションを起こし、絶縁不良が発生することがあるという問題が指摘されている。イオンマイグレーションとは、金属がイオン化し電位差によって移動する現象である。この現象は、一般にガラスクロスとマトリックス樹脂との界面(以下、単に「界面」ともいう。)や、ガラス糸束内のボイドを伝わって発生することが指摘されている。
これまでにも、絶縁信頼性を改良するための提案は種々なされている。例えば、特殊なシランカップリング剤を用いること(特許文献1参照)、ガラスクロス表面にイオン交換体を導入すること(特許文献2参照)、ガラスクロスに加湿処理を施すこと(特許文献3参照)、及びシランカップリング剤を均一に処理すること(特許文献4参照)等が提案されている。しかし、これらにおいても絶縁信頼性の改良は、未だ十分ではない。
特開平09−003770号公報 特開平09−132652号公報 特開2001−294675号公報 特開2005−281889号公報
本発明は、ガラスクロスとマトリックス樹脂の界面での吸水が少なく、かつマトリックス樹脂の含浸性に優れた、イオンマイグレーションが発生しにくいガラスクロス、すなわち絶縁信頼性に優れた積層板を作成することができるガラスクロスを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のブロックイソシアネートシランカップリング剤とアミノシランカップリング剤とを、共にガラス表面に処理することにより、ガラスとマトリックス樹脂との反応性を高め、かつ良好なマトリックス樹脂の含浸性を有する、絶縁信頼性に優れた表面処理ガラスクロスが得られることを見出した。さらに、3級アミノ基を有する特定のブロックイソシアネートシランカップリング剤をあわせてガラス表面に処理することで、より絶縁信頼性に優れたガラスクロスが得られることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、以下のガラスクロスである。
1.下記一般式(1)で示される第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤、及び下記一般式(2)で示されるアミノシランカップリング剤で表面処理されたガラスクロス。
(式中、Rはそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立に塩素、アルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
(式中、Rは少なくともアミノ基を1つ以上有する有機官能基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
2.さらに下記一般式(3)で示される第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤で表面処理された上記1記載のガラスクロス。
(式中、Rのうち少なくとも1つは3級アミノ基を有する有機官能基であり、その他はそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
3.第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤の和に対するアミノシランカップリング剤のモル比が、1:10〜1:1の範囲であるシランカップリング剤処理液で表面処理された上記1又は2に記載のガラスクロス。
4.ガラスクロスが平均フィラメント径が2.5〜5.0μmのガラスフィラメントからなるガラス糸で製織されたものである1〜3のいずれかに記載のガラスクロス。
本発明の表面処理ガラスクロスを用いることにより、ガラスクロスとマトリックス樹脂との界面での吸水を抑え、絶縁信頼性に優れた積層板を作成することができる。
本発明について、以下具体的に説明する。
(A)ガラスクロス表面処理剤
本発明の表面処理ガラスクロスにおいては、下記一般式(1)で示される第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と、下記一般式(2)で示されるアミノシランカップリング剤とを、ガラスクロスに表面処理する。
(式中、Rはそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立に塩素、アルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
(式中、Rは少なくともアミノ基を1つ以上有する有機官能基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
上記第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤は、例えば下記一般式(4)で示されるイソシアネートシランカップリング剤と、下記一般式(5)で示されるブロック剤との反応により得ることができる。
(式中、R10はアルコキシ基であり、R11はそれぞれ独立に塩素、アルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、R12はそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
一般に、プリント配線板に用いられるガラスクロス表面処理剤(以下「処理剤」ともいう。)には、マトリックス樹脂、特にエポキシ樹脂と高い反応性を示すアミノシランカップリング剤が広く使用されている。しかしながら、アミノシランカップリング剤のみを処理剤として用いると、ガラス/マトリックス樹脂界面でアミノ基が過剰になり、未反応のアミノ基が界面に残る可能性が高い。未反応のアミノ基の残存を防ぐためには、アミノ基と異なる、また共存し得る反応基を導入し、マトリックス樹脂との有効な反応の種類を増やす必要がある。この考察に基づいて、本発明者はアミノシランカップリング剤と混合する最適な反応性シランカップリング剤について、実験により詳細に検討した結果、イソシアネートシランカップリング剤を混合した場合、最も基板の吸水率を低減でき、基板の絶縁信頼性を改良できることを見出した。
具体的に使用できる第一のイソシアネートシランカップリング剤としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及び3−イソシアネートプロピルジメチルクロロシラン等の化合物単体、又はこれらの混合物が挙げられる。
また、具体的に使用できるブロック剤としては、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、エチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、及びトリメチルベンジルアルコール等の化合物単体、またはこれらの混合物が挙げられる。イソシアネート基は、容易に水と反応してアミノ基に変わるため、安定に存在させるには何らかのブロック剤を用いなければならない。一般にイソシアネート基のブロック剤としては活性水素を有する有機化合物、例えば、オキシム化合物、アルコール化合物、フェノール化合物などが使用されている。本発明者は、最適なブロック剤について実験により詳細に検討した結果、前述の一般式(5)で示される化合物類が最もマトリックス樹脂の含浸性に優れることを見出した。主な理由としては、1.ブロック剤の解離反応温度が高く、ブロックイソシアネートシランカップリング剤が安定に存在できること、2.ブロック剤が低極性で、ブロックイソシアネートシランカップリング剤同士が結合しにくく、ガラスフィラメントの集束が生じにくいこと、の2点が考えられる。
一方、前記一般式(2)で示されるアミノシランカップリング剤としては、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びその塩酸塩、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等の単体化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。これらの内、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びその塩酸塩がより好ましい。
さらに、前記一般式(1)で示される第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と、前記一般式(2)で示されるアミノシランカップリング剤の2種類のシランカップリング剤に加え、下記一般式(3)で示される第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤をあわせて処理することが好ましい。これにより基板の吸水率を低減でき、基板の絶縁信頼性をさらに改良できる。
(式中、Rのうち少なくとも1つは3級アミノ基を有する有機官能基であり、その他はそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
上記第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤は、例えば下記一般式(4)で示されるイソシアネートシランカップリング剤と、3級アミノ基を1つ以上有するフェノール化合物との反応により得ることができる。
(式中、R10はアルコキシ基であり、R11はそれぞれ独立に塩素、アルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
具体的に使用できる3級アミノ基を1つ以上有するフェノール化合物としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30)、及びジメチルアミノフェノール等が挙げられる。第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤の追加により、基板の絶縁信頼性をさらに改良できる主な理由としては、1.反応触媒効果を有する3級アミノ基を導入することにより、ガラス/マトリックス樹脂の反応を促進できること、2.フェノール類を用いることにより耐熱性を改良できること、などが考えられる。
上述のシランカップリング剤において、第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤(b)の配合量は、第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤(a)に対し、モル比[(a):(b)]で1:0.01〜1:1であることが好ましい。モル比[(a):(b)]が1:0.01以上であれば3級アミノ基を配合する効果が現れ、基板の吸水率を低減でき、1:1以下であれば優れた含浸性が得られる。
また、第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤の和(A)に対する、前記一般式(2)で示されるアミノシランカップリング剤(B)とのモル比[(A):(B)]は、1:10〜1:1であることが好ましい。モル比が1:以上であればブロックイソシアネートシランカップリング剤の反応の効果が現れ吸水率を低減でき、1:10以下であれば優れた含浸性が得られる。
ガラスクロスへのシランカップリング剤の付着量は0.05%wt以上、0.30%wt以下が好ましく、0.08wt%以上、0.20%以下がより好ましい。ここで言う付着量とは、110℃で60分間乾燥させた表面処理後のガラスクロスを630℃で20分加熱して表面処理剤を焼却し、加熱前後のガラスクロス重量を電子天秤により測定して、重量比から算出した。
(B)ガラスクロス
本発明の表面処理ガラスクロスは、複数のガラスフィラメントからなるガラス糸を製織してなるガラスクロスを好適に使用することができる。
ガラスクロスを構成する経糸及び緯糸の打ち込み密度は、10〜100本/25mmの範囲のものが好ましく、30〜80本/25mmがより好ましい。また、重量(目付け)は15〜200g/m2 の範囲のものが好ましく、15〜90g/m2 のものがより好ましい。
ガラス糸を構成するガラスフィラメント径は平均で3.5〜5.0μmのものが好ましい。平均フィラメント径が5.0μm以下の場合、基板における体積当りの樹脂/ガラス界面の面積が増加するため、本発明の表面処理の効果が大きくなる。
織り構造については平織り構造が好ましいが、ななこ織り、朱子織り、綾織り等の織り構造を有するガラスクロスでもよい。
積層板に使用されるガラスクロスには、通常Eガラス(無アルカリガラス)と呼ばれるガラスが使用されるが、本発明の表面処理ガラスクロスにおいては、Cガラス、Dガラス、Sガラス、高誘電率ガラス等を使用してもよい。電気特性に優れ、かつ安価であるという点から、Eガラスが最も好適に使用される。
(C)ガラスクロスの表面処理方法
上述したシランカップリング剤は溶媒と混合した処理液としてガラスクロスに表面処理することが好ましい。処理液の溶媒としては、水、又は有機溶媒の何れも使用できるが、安全性、地球環境保護の観点から、水を主溶媒とすることが好ましい。水を主溶媒とした処理液を得る方法としては、シランカップリング剤を直接水に投入する方法、シランカップリング剤を水溶性有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液とした後に該有機溶媒溶液を水に投入する方法、の何れかの方法が好ましい。また、シランカップリング剤の処理液中での水分散性、安定性を向上させるために、酢酸などのpH調整剤、及び界面活性剤を併用することも可能である。
処理液をガラスクロスに塗布する方法としては、(ア)処理液をバスに溜め、ガラスクロスを浸漬、通過させる方法(以下、「浸漬法」という。)、(イ)ロールコーター、ダイコーター、またはグラビアコーター等で処理液をガラスクロスに直接塗布する方法、等が可能である。上記(ア)の浸漬法にて塗布する場合は、ガラスクロスの処理液への浸漬時間を0.5秒以上、1分以下に選定するのが望ましい。
また、ガラスクロスに処理液を塗布した後、溶媒を加熱乾燥させる方法としては、熱風、電磁波等公知の方法が可能である。加熱乾燥温度は、シランカップリング剤とガラスとの反応が十分に行われるように、90℃以上が好ましく、100℃以上であればより好ましい。また、シランカップリング剤が有する有機官能基の劣化を防ぐために、200℃以下が好ましく、150℃以下であればより好ましい。
表面処理ガラスクロスの過剰なシランカップリング剤を除去する方法としては、洗浄液、又は蒸気(以下、一括して「洗浄液」という。)で洗浄する方法が好ましい。該洗浄液としては水、あるいは水蒸気が好ましい。具体的な洗浄の方法としては、高圧柱状流、高圧ウォータージェット、高圧蒸気等、公知の方法が適用可能であり、開繊加工を兼ねて実施することが好ましい。
次に実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明する
<ブロックイソシアネートシランカップリング剤の合成方法>
攪拌翼を取り付けたフラスコに、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)を1モル入れ、攪拌しながら滴下ロートに入れたブロック剤1モルを2時間かけて滴下し、そのまま12時間攪拌を続けて反応を終了させ目的物を得た。攪拌時の温度は、3級アミノ基を有する2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30)を配合した場合には20℃に、3級アミノ基を有する化合物を配合しなかった場合には60℃に設定した。生成物はFT−IRによりイソシアネート基由来のピークの消失、及びウレタン基由来のピークの生成を確認した。
<ガラスクロス>
スタイル1037ガラスクロス(旭化成エレクトロニクス株式会社製、ガラス種:Eガラス、平均フィラメント径:約4μm、糸を構成するフィラメント本数:100本、織り方:平織り、織り密度:経糸70本/インチ、緯糸73本/インチ、糸の撚り数:1回/インチ、重量24.0g/m2 )を加熱脱糊処理したガラスクロス(以下「ガラスクロスA」という。)を使用した。
<プリプレグの作成方法>
表面処理ガラスクロスに、エポキシ樹脂ワニス(低臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂42質量部(大日本インキ化学工業株式会社製;EPICLON 1121N−80M)、o−クレゾール型ノボラックエポキシ樹脂8質量部(大日本インキ化学工業株式会社製;EPICLON N−680−75M)、ジメチルホルムアミド49質量部、ジシアンジアミド1質量部、及び2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1質量部の混合物)を含浸させ、160℃で2分間乾燥後厚み40μmのプリプレグを得た。
<積層板の作成方法>
プリプレグ4枚を重ね、さらに上下に厚さ12μmの銅箔を重ね、175℃、40kg/cm2 で60分間加熱加圧して積層板を得た。
<樹脂含浸性評価方法>
プリプレグを光学顕微鏡により観察し(倍率100倍)、100mm内に存在するボイド数を評価した。
<積層板吸水率評価方法>
積層板を120℃で1時間乾燥して板重量を測定し、次に温度121℃湿度100%RHの雰囲気下に168時間曝して板重量を測定し、加湿試験前後の板重量の重量変化から板吸水率を評価した。
<絶縁信頼性評価方法>
積層板の両面の銅箔上に、0.2mm間隔のスルーホールを配する配線パターンを作成し、温度120℃湿度85%RHの雰囲気下で10Vの電圧をかけ、抵抗値の変化を測定した。試験開始後500時間以内に抵抗が1MΩ未満になった場合を絶縁不良とし、絶縁不良とならなかったサンプルの割合を評価した(サンプル数は10個とした。)。
(実施例1)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルとベンジルアルコール0.8モルと2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.2モルを反応させた第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤との組成物、(c)酢酸、及び(d)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗、乾燥することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。表面処理前のガラスクロスの重量を100wt%とした時の表面処理剤の付着量は0.15wt%であった。
(実施例2)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランの塩酸塩(信越化学株式会社製;KBM6123)、(c)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルとベンジルアルコール0.8モルと2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.2モルを反応させた第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤との組成物、(d)酢酸、及び(e)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として2g、3g、2g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.13wt%であった。
(実施例3)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルとベンジルアルコール1モルを反応させた第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤、(c)酢酸、及び(d)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.14wt%であった。
(比較例1)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)酢酸、及び(c)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.11wt%であった。
(比較例2)
(a)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルとベンジルアルコール1モルを反応させた第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤、(b)酢酸、及び(c)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.10wt%であった。
(比較例3)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルと2−ブタノンオキシム1モルを反応させたブロックイソシアネートシランカップリング剤、(c)酢酸、及び(d)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.17wt%であった。
(比較例4)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルとクレゾール1モルを反応させたブロックイソシアネートシランカップリング剤、(c)酢酸、及び(d)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.16wt%であった。
(比較例5)
(a)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)、(b)イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製;KBE9007)1モルと2−ジメチルアミノエタノール1モルを反応させたブロックイソシアネートシランカップリング剤、(c)酢酸、及び(d)界面活性剤を、それぞれ溶剤成分を除いた不揮発成分(有効成分)として4g、2g、2g、0.1gずつ水1リットルに分散させた処理液に、ガラスクロスAを2秒間浸漬し、150℃で1分間加熱乾燥し、最後に水洗することにより、表面処理ガラスクロスを作成した。このとき付着量は0.18wt%であった。
実施例1、2、3と比較例1、2、3、4、5で示した表面処理ガラスクロスを用いて作成したプリプレグの樹脂含浸性評価としてのボイド数、積層板の吸水率、及び絶縁信頼性評価結果を表1にまとめた。
実施例1、2、3の表面処理ガラスクロスは、吸水率が比較例1、2に比べ非常に小さく、また比較例3、4、5に比べボイド数が少なく、比較例1、2、3、4、5に比べ絶縁信頼性に非常に優れていることが分かった。
本発明の表面処理ガラスクロスは、電子・電気分野で使用されるプリント配線板に用いられる基材として好適に利用できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤、及び下記一般式(2)で示されるアミノシランカップリング剤で表面処理されたガラスクロス。
    (式中、Rはそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立に塩素、アルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
    (式中、Rは少なくともアミノ基を1つ以上有する有機官能基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
  2. さらに下記一般式(3)で示される第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤で表面処理された請求項1記載のガラスクロス。
    (式中、Rのうち少なくとも1つは3級アミノ基を有する有機官能基であり、その他はそれぞれ独立に水素、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であり、Rはアルコキシ基であり、Rはそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基である。)
  3. 第一のブロックイソシアネートシランカップリング剤と第二のブロックイソシアネートシランカップリング剤の和に対するアミノシランカップリング剤のモル比が、1:10〜1:1の範囲であるシランカップリング剤処理液で表面処理された請求項1又は2に記載のガラスクロス。
  4. ガラスクロスが平均フィラメント径が3.5〜5.0μmのガラスフィラメントからなるガラス糸で製織されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスクロス。
JP2007319266A 2007-12-11 2007-12-11 表面処理ガラスクロス Active JP4969428B2 (ja)

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