JP3812986B2 - イミダゾール基含有表面処理剤およびガラスクロス - Google Patents
イミダゾール基含有表面処理剤およびガラスクロス Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度な機械的強度、電気特性、耐熱性が要求されるプリント配線基板の基材として有効に利用されるガラスクロスの表面処理剤および該処理剤が表面に処理されているガラスクロス及びプリント配線基板として好適なガラスクロス補強樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板にはジシアンジアミドを硬化剤としたエポキシ樹脂積層板が広く用いられてきた。近年、プリント配線基板の薄板化や多層化による高密度化が進捗し、高度な耐熱性と電気絶縁信頼性(電食)の実現が必要になってきた。
このために、ジシアンジアミドのイオン性や吸湿性に起因する電気絶縁信頼性の劣化を改善し、また、ジシアンジアミドのみでは実現できない高耐熱性(高Tg)を実現する目的で、様々な硬化系による高耐熱樹脂系が試みられ、また、実用化されるようになってきている。
該樹脂系としては、フェノール硬化エポキシ樹脂、酸無水物硬化エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、サイアネート樹脂などが例示される。
【0003】
一方、補強材として用いられるガラスクロスは、通常、樹脂との間の親和性、接着性を向上させることを目的として、予めシランカップリング剤で表面処理することが行われている。
該処理ガラスクロスに樹脂を塗工しプリプレグを作成し、さらに加熱加圧工程を経て積層板が製造されるが、処理効果が充分でない場合は、積層板の吸湿耐熱性が劣化し、特に、高耐熱樹脂系では、引き剥がし強度が十分でないなどの不都合が生じる。
【0004】
従来から、該高耐熱樹脂の表面処理剤としてN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランや、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが表面処理剤として汎用されてきた。
さらに、吸湿耐熱性や引き剥がし強度を改良する目的で、例えばイミダゾールを官能基として有するシランカップリング剤(特開昭61−57590号公報、特開平9−3770号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高性能プリント配線基板に使用しうる高耐熱性を発現させ、かつ、高度な接着性を実現する表面処理剤およびガラスクロスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題について鋭意検討した結果、ガラスクロスの表面処理剤として、特徴的な構造を有するイミダゾールシランカップリング剤を用いることにより、これを用いて作成した積層板の吸湿耐熱性、および接着性も優れている事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は:
▲1▼ (A) 下記式〔I〕で示されるアミノ基含有イミダゾール化合物と(B) 式〔II〕で表されるシラン化合物との反応生成物であるシランカップリング剤を主剤として含むガラスクロス表面処理剤を提供する。また、
【0007】
【化2】
(式中、R1 は炭素数4以下の2価の脂肪族炭化水素基、R2 、R3 、R4 は水素基、またはメチル基、またはエチル基)、
Y−R5 −SiR6 3-x R7 x ・・・〔II〕
(式中、Yはハロゲン基、イソシアナート基、グリシジル基、グリシドキシ基からなる群から選ばれた基であり、R5 は炭素数9以下の2価の炭化水素基であり、R6 はメチル基またはエチル基であり、R7 は加水分解可能な基であり、xは0以上3以下の整数)。
▲2▼ ▲1▼記載の表面処理剤で処理されているプリント配線基板用ガラスクロスを提供する。また、
▲3▼ ▲1▼記載の表面処理剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤と併用されて処理されているプリント配線基板用ガラスクロスを提供する。また、
▲4▼ 熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とし、▲2▼又は▲3▼記載のガラスクロスを補強材とし積層成形して得られたことを特徴とする、ガラスクロス補強樹脂積層板を提供する。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するガラスクロス表面処理剤は、(A)下記式〔I〕で示されるアミノ基含有イミダゾール化合物と(B)式〔II〕で表されるシラン化合物との反応生成物であるシランカップリング剤を主剤として含むことを特徴とする。
【0009】
【化3】
(式中、R1 は炭素数4以下の2価の脂肪族炭化水素基、R2 、R3 、R4 は水素基、またはメチル基、またはエチル基)、
Y−R5 −SiR6 3-x R7 x ・・・〔II〕
(式中、Yはハロゲン基、イソシアナート基、グリシジル基、グリシドキシ基からなる群から選ばれた基であり、R5 は炭素数9以下の2価の炭化水素基であり、R6 はメチル基またはエチル基であり、R7 は加水分解可能な基であり、xは0以上3以下の整数)。
【0010】
(1) アミノ基含有イミダゾール化合物(A):
上記アミノ基含有イミダゾール化合物(A)を表す式〔I〕において、R1 は炭素数4以下の2価の脂肪族炭化水素基であり、例えば−CH2 −、
−(CH2 )2 −、−(CH2 )3 −などを挙げることができる。
具体的に、アミノ基含有イミダゾール化合物(A)としては、3−(アミノプロピル)−イミダゾール、2−(アミノエチル)−イミダゾールなどが例示される。
【0011】
(2) シラン化合物(B):
上記シラン化合物(B)を表す式〔II〕において、Yはハロゲン基、イソシアナート基、グリシジル基、グリシドキシ基からなる群から選ばれた基である。 R5 は炭素数9以下の2価の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、例えば−CH2 −、−(CH2 )2 −、−(CH2 )3 −、−(CH2 )4 −、−(CH2 )5 −、−(CH2 )6 −、−CH2 C6 H4 CH2 CH2 −などを挙げることができる。ここで、−C6 H4 −はフェニレン基を表す。
R6 はメチル基またはエチル基であり、R7 は加水分解可能な基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、ブトキシ基などを挙げることができる。
【0012】
具体的に、シラン化合物(B) としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロメチルフェニルエチルトリメトキシシラン、
γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、
γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが例示される。
【0013】
(3)本発明のイミダゾール基含有表面処理剤の合成法:
(i) 本発明になる表面処理剤組成物は、特に制限はないが、いくつかの方法で合成可能である。
例示すると、▲1▼ 前記アミノ基含有イミダゾール化合物(A) と前記シラン化合物(B) を無溶媒で、常圧下、窒素などの不活性ガス下で、30℃以上140℃以下で1〜5時間直接反応させることにより合成することができる。或いは、
▲2▼ 両化合物(A) 、(B) とをメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、エトキシエタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒中で反応を行うことも可能である。
ただし、シラン化合物(B) がイソシアナート基を有する場合は、メタノールのような活性な水素を有する溶媒は用いられない。この場合は、反応は無溶媒あるいは非プロトン系溶媒で合成される。
【0014】
(ii) 合成後の処理:
合成された処理剤を、水中に溶解或いは分散させて用いる場合は、合成時から水溶性溶媒を用いてもよいし、トルエン等の水に溶解しない非溶媒を用いて合成した場合は、合成後に減圧下で除去し、他の溶媒、例えばメタノールに置換すればよい。
用いる溶媒が、例えばメタノールのように低沸点溶媒の場合は、常圧下では反応終了までに100時間以上を必要とするが、オートクレーヴ等により加圧下で合成すれば反応時間を短縮できる。
【0015】
(iii) アミノ基含有イミダゾール化合物(A) とシラン化合物(B) の比率:
本発明になる表面処理剤組成物の合成反応において、アミノ基含有イミダゾール化合物(A) とシラン化合物(B) を反応させる比率は、モル比で化合物(A) /化合物(B) が1/2以上2/1以下で反応を行うことが好ましい。さらに好ましくは、未反応のモノマー成分を少なくするために、4/5以上5/4以下の比である。
【0016】
(4) 表面活性剤の併用:
本発明になる表面処理剤は、単独でも用いられるが、ガラスクロスとマトリックス樹脂とに結合ないしは相溶して互いの接着性をさらに改善する目的で、用いられるマトリックス樹脂に対して有効に作用するシランカップリング剤を併用して用いることでさらに有効に作用する。
(i) シランカップリング剤の併用:
該シランカップリング剤としては、以下の化合物あるいは組成物が例示される。
【0017】
即ち、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
【0018】
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルジメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、
【0019】
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
【0020】
N−β−(N−メチルベンジルアミノエチル)−N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
N−β−(N−ベンズヒドリルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、
N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどである。
これらは単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0021】
(ii) アミノシランカップリング剤の併用:
さらに、プリント配線基板に多く用いられるガラス繊維強化エポキシ樹脂積層板、BT樹脂積層板、ポリイミド積層板等に好ましく用いられるガラスクロス処理用シランカップリング剤も同様に併用できる。
例えば、アミノ基を有する、いわゆるアミノシランカップリング剤が挙げられ、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β−(N−ベンズヒドリルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示され、好適に用いられる。
これらのシランカップリング剤のなかで、カチオニック型のものは酸塩であり、そのまま用いてももちろん有効であるが、プリント配線基板の絶縁信頼性を増すために、電解質成分である酸を除いて用いてもよい。
【0022】
(iii) チタネートカップリング剤の併用:
さらに、マトリックス樹脂との親和性、含浸性を改良する目的で、チタネートカップリング剤を併用することも有効である。
本発明において好適に用いられるチタネートカップリング剤として、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネートなどが例示される。
【0023】
(4)ガラスクロス:
(i) ガラスクロスの材質としては、特に制限はされないが、例えばガラス繊維強化樹脂積層板の補強材として使用されているEガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス、高誘電率ガラスとして知られるHガラス、クオーツ等のガラス糸から構成されるガラスクロスを挙げることができる。
本発明におけるガラスクロスとは、ガラス繊維の長繊維フィラメントを数百本束にした経糸、緯糸により構成される織物である。
また、織物の種類としては、特に制限されないが、平織、繻子織、ななこ織、綾織等を挙げることができる。
【0024】
(ii) 本発明によるガラスクロスは、通常プリント回路基板に使用するガラス繊維織物をヒートクリーニングした後、樹脂積層板との接着性を高めるために、本発明の表面処理剤単独またはそれをを含むカップリング剤で表面処理した一般的に処理クロスと呼ばれるが、収束剤、糊剤が付着した一般的に生機と呼ばれる状態、及び収束剤、糊剤をヒートクリーニングした一般的にヒートクリーニングクロスと呼ばれる状態のものをも総称する。
【0025】
(5)表面処理剤等の処理溶液:
(i) 本発明の表面処理剤によるガラスクロスの処理は、水溶液、またはアルコール類、エーテル類、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒の溶液、あるいは水とこれら有機溶媒との混合溶媒の溶液を、室温に近い温度で、常圧下、ガラスクロスに付着させた後、乾燥させることにより行うことができる。
本発明の表面処理剤の成分量の濃度は、有効成分量換算で0.01〜2重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
また、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤を併用する場合、これらはともに0.05〜2重量%であることが好ましい。
【0026】
(ii) また、このとき、酸を用いて処理液を酸性にすることも可能である。
使用できる酸としては、例えば無機酸、例えば塩酸、硝酸、燐酸、硫酸および/または脂肪酸、例えば蟻酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、イタコン酸、琥珀酸、アジピン酸、フマル酸、アクリル酸、シュウ酸、クエン酸など、及び/または芳香族有機酸、例えばフタル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などが例示される。
このときアンモニアなどの塩基を用いて処理液を塩基性にしても良い。
(iii) 必要に応じて顔料、染料、浸透剤、帯電防止剤を併用しても良いし、処理液の安 定性を増すために界面活性剤を併用しても良い。
【0027】
(iv) ガラスクロスの処理:
1)上記表面処理剤(該カップリング剤)を含む溶液をガラスクロスに付着させるには、浸漬法、スプレー法等を適用することができる。
ガラスクロスの浸漬法による処理は、例えば、基材を室温あるいはこれに近い温度で処理液に浸漬した後、スクイズロールにより絞液し、続いて100〜200℃で数秒間乾燥することにより行えばよい。
2)本発明になる処理剤および併用するカップリング剤は個々に処理しても良いし同一の処理液で処理しても良い。個々に処理するときは、予め本発明の処理剤を処理し、乾燥後、併用するカップリング剤で処理しても良いし、逆に、併用するカップリング剤で処理した後、本発明になる処理剤で処理しても良い。
【0028】
3)該処理ガラスクロスは、処理、乾燥後に柱状流あるいは高周波振動法による水流などで開繊加工することも可能である。
近年プリント配線板用ガラスクロスには、高耐熱、高含浸を実現するために、開繊加工が広く行われるようになった。
4)本発明の処理剤は、主成分としてイミダゾール基含有シランカップリング剤を含むので、併用するカップリング剤とともにガラスクロスに固着され、開繊加工後も当初の基本性能は保持されるので、開繊加工処理と併用することで処理ガラスクロスの性能をさらに一段と向上させることが出来る。
【0029】
(6) 樹脂積層板
本発明によるガラスクロスは、樹脂マトリックスを使用して該ガラスクロスを常法に従って積層成形して、プリント回路基板等に有用な樹脂積層板を製造する。
特に、プリント回路基板の製造には、ガラスクロス補強材に樹脂マトリックスを含浸させて半硬化したプリプレグを用い、常法に従ってその複数枚を積層成形する。また、他の方法、例えば注型法や低圧加熱法等によっても良い。
樹脂マトリックスとしては、通常熱硬化性樹脂が使用でき、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フェノール硬化エポキシ樹脂、サイアネートエステル、ポリエステル樹脂、BT樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
特に、好ましい適応例としては、高耐熱樹脂プリント配線基板への適用が挙げられる。
【0030】
【作用】
本発明によるイミダゾール基含有表面処理剤は、該表面処理剤中のイミダゾール基をガラスクロス表面に固着することで、イミダゾール基の有する触媒能が有効に作用し、ガラス/樹脂界面で、シランカップリング剤の官能基とマトリックス樹脂の反応が促進され、強固な界面の形成を可能にする。
従って、積層板の吸湿耐熱性を向上させるとともに、引き剥がし強度をも大幅に改良しうる。
さらに、開繊加工後でも基本性能が保持されるので、物理開繊効果と相いまって顕著な改良効果を発現しうる。
特に、好ましい適応例としては、高耐熱樹脂プリント配線基板への適用が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下に非限定の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(合成例1)
窒素ガスフロー、冷却管、滴下漏斗を有する300mL三口フラスコに、3−(アミノプロピル)−イミダゾール(BASF社製)50.0g(0.4モル)を仕込み、100℃に昇温後、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)社製S620)79.5g(0.4モル)を30分かけて滴下した後、120℃に昇温し、無溶媒で、常圧下、窒素ガスフロー下で、3時間攪拌しながら反応させた。黄色の高粘度透明液が得られた。室温に冷却後、129.5gのメタノールを加えて、50重量%の溶液とした。
【0032】
硝酸銀により遊離塩素を定量した結果、γ−クロロプロピルトリメトキシシランの97%付加が確認された。IRとH−NMRにより付加反応が確認された(図1〜3参照)。
該反応生成物中には、反応スキームと解析結果から、主成分として、下記式〔II〕及び〔III〕で表される化合物が含まれる。
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】
【0035】
(合成例2)
合成例1で、γ−クロロプロピルトリメトキシシランの代わりに、β−(p−(クロロメチル)フェニル)エチルトリメトキシシラン(チッソ(株)社製CBS−M)109.8g(0.4モル)を用い、同様に操作した。硝酸銀により遊離塩素を定量した結果、β−(p−(クロロメチル)フェニル)エチルトリメトキシシランの98%付加が確認された。159.8gのメタノールを加えて50重量%の溶液とした。
【0036】
(合成例3)
窒素ガスフロー、冷却管、滴下漏斗を有する300mL三口フラスコに、3−(アミノプロピル)−イミダゾール(BASF社製)50.0g(0.4モル)を仕込み、50℃に昇温後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製SH6040)94.4g(0.4モル)を30分かけて滴下した後、80℃に昇温し、無溶媒で、常圧下、窒素ガスフロー下で、5時間攪拌しながら反応させた。室温に冷却後、144.4gのメタノールを加えて、50重量%の溶液とした。
【0037】
(合成例4)
窒素ガスフロー、冷却管、滴下漏斗を有する300mL三口フラスコに、3−(アミノプロピル)−イミダゾール(BASF社製)50.0g(0.4モル)を仕込み、室温23℃でγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製A1310)82.0g(0.4モル)を30分かけて滴下した後、50℃に昇温し、無溶媒で、常圧下、窒素ガスフロー下で、5時間攪拌しながら反応させた。室温に冷却後、132.0gのメタノールを加えて、50重量%の溶液とした。
【0038】
IRとH−NMRにより付加反応が確認された(図1、4〜8参照)。
【0039】
(実施例1)
処理液として、合成例1で作成した処理剤(50%メタノール溶液)0.4重量%、およびN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SZ6032)の0.5重量%水溶液を作成し、酢酸を加えてpHを4に調整した。
上記処理液に厚さ0.10mmのガラスクロス(旭シュエーベル(株)製スタイル216)を浸漬し、絞液した後、120℃の熱風によって乾燥した。
【0040】
次に、エポキシ樹脂ワニスとして、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂E157(油化シェルエポキシ(株)社製)35重量部(固形)、ハイブロム型エポキシ樹脂E5050(同上)28重量部(固形)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂E828(同上)6重量部(固形)、DPP型フェノール樹脂YLH129(同上)31重量部(固形)、2エチル4メチルイミダゾール0.1重量部及びメトキシエタノールを配合して樹脂含量67重量%のフェノール硬化エポキシ樹脂ワニスを調合した。
該樹脂ワニスを前記処理剤で処理したガラスクロスに含浸し、乾燥して、樹脂分50重量%のプリプレグを作成した。
【0041】
次に、該プリプレグを4枚重ね、その両表層に厚さ18μmの銅箔を重ねて、真空プレスを用いて10torrに減圧下120℃で30分、次いで常圧下175℃で60分間、35kg/cm2 の条件で加熱加圧して一体に成形し、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
さらに、塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液で銅箔を全面エッチアウトした後、水洗し、風乾した後、5cm角の試験片に裁断し、121℃の飽和プレッシャークッロー中で試験片をn時間暴露し吸湿させた後、試験片を260℃のはんだ浴に20秒間浸漬し、ふくれの有無を調べた。
・上記ふくれの有無を視野で見た状態の検査において、○:良好、△は小さいふくれ発生、×は大きなふくれ発生を示す。
【0042】
同様に、該プリプレグを6枚重ね、0.6mmの積層板を作成し、長手方向が経糸方向になるように巾1/2インチ、長さ15cmの試験片に裁断後、表層の第1層と第2層間を90度方向に5mm/分の速さで、島津製作所オートグラフAG5000Dを用いて引剥強度を測定した。
【0043】
(実施例2)
実施例1で、合成例1の代わりに合成例2で示したシランを用いたほかは、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
実施例1で、合成例1の代わりに合成例3で示したシランを用いたほかは、実施例1と同様に行った。
(実施例4)
実施例1で、合成例1の代わりに合成例4で示したシランを用いたほかは、実施例1と同様に行った。
【0044】
(比較例1)
実施例1で、合成例1を用いなかったほかは実施例1と同様に行った。
【表1】
【0045】
なお、表1中のPCT−nは、121℃の飽和プレッシャークッカー中で試験片をn時間暴露し吸湿させたことを示している。
図1〜5で表される化合物のH−NMRのグラフについて以下の事実が分かった。
図1では、1.3ppm付近にあるアミノ基の活性プロトンの共鳴線が消失している。
図4では、3.4ppm付近にあるイソシアナート基に隣接するメチレン基の活性プロトン(トリプレット)の高磁場側へのシフトから、反応が十分に行われていることが分かる。
【0046】
図6では、1600cm−1付近にあるアミノ基の吸収線が消失していることを示している。
図7では、2280cm−1付近にあるイソシアナート基の吸収線が消失していることを示している。
図8では、1660cm−1付近にウレイド基に帰属される吸収線が生じていて、このことから反応が十分に行われていることがわかる。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る表面処理剤は、ガラス繊維強化樹脂プリント配線基板の表面処理剤として有効に用いられ、また、その処理ガラスクロスは、ジシアンジアミド硬化エポキシ樹脂、フェノール硬化エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、サイアネートエステル、BT樹脂などのマトリックス樹脂とからなる複合材料に広く適用される効果がある。
また、本発明に係る表面処理剤によると、積層板の吸湿耐熱性を向上させるとともに、引き剥がし強度をも大幅に改良しうる。
さらに、開繊加工後でも基本性能が保持されるので、物理開繊効果と相いまって顕著な改良効果を発現しうる。
特に、好ましい適応例としては、高耐熱樹脂プリント配線基板への適用が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1〜4で用いた原料である3−(アミノプロピル)−イミダゾールのH−NMRを示すグラフである。
【図2】合成例1で用いた原料であるγ−クロロプロピルトリメトキシシランのH−NMRを示すグラフである。
【図3】合成例1で合成された反応組成物のH−NMRを示すグラフである。
【図4】合成例4で用いた3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランのH−NMRを示すグラフである。
【図5】合成例4で合成された反応生成物のH−NMRを示すグラフである。
【図6】合成例1〜4で用いた原料である3−(アミノプロピル)−イミダゾールのFT−IRを示すグラフである。
【図7】合成例4で用いた3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランのFT−IRを示すグラフである。
【図8】合成例4で合成された反応生成物のFT−IRを示すグラフである。
Claims (4)
- (A) 下記式〔I〕で示されるアミノ基含有イミダゾール化合物と(B) 式〔II〕で表されるシラン化合物との反応生成物であるシランカップリング剤を主剤として含むことを特徴とするガラスクロス表面処理剤。
Y−R5 −SiR6 3-x R7 x ・・・〔II〕
(式中、Yはハロゲン基、イソシアナート基、グリシジル基、グリシドキシ基からなる群から選ばれた基であり、R5 は炭素数9以下の2価の炭化水素基であり、R6 はメチル基またはエチル基であり、R7 は加水分解可能な基であり、xは0以上3以下の整数)。 - 請求項1の表面処理剤で処理されていることを特徴とするプリント配線基板用ガラスクロス。
- 請求項1の表面処理剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤と併用されて処理されていることを特徴とするプリント配線基板用ガラスクロス。
- 熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とし、請求項2又は3記載のガラスクロスを補強材とし積層成形して得られたことを特徴とする、ガラスクロス補強樹脂積層板。
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