JP2002194670A - ガラスクロス表面処理剤 - Google Patents

ガラスクロス表面処理剤

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JP2002194670A
JP2002194670A JP2000388870A JP2000388870A JP2002194670A JP 2002194670 A JP2002194670 A JP 2002194670A JP 2000388870 A JP2000388870 A JP 2000388870A JP 2000388870 A JP2000388870 A JP 2000388870A JP 2002194670 A JP2002194670 A JP 2002194670A
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Japan
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glass cloth
surfactant
treating agent
silane coupling
agent
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JP2000388870A
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English (en)
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Naoaki Minagawa
尚亮 皆川
Shuichi Fujitomi
秀一 藤富
Ayako Shiraki
綾子 白木
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Unitika Glass Fiber Co Ltd
Original Assignee
Unitika Glass Fiber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明は、ガラスクロスとマトリックス
樹脂との親和性および接着性を向上させ、ひいてはプリ
ント回路配線板の耐熱性を高めることができるガラスク
ロス表面処理剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 アルコキシ基を有する化学構造を保って
いるシランカップリング剤と界面活性剤とが含まれてい
ることを特徴とするガラスクロス表面処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器ま
たはコンピューターなどのプリント配線基板に用いられ
るガラスクロスの表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的にプリント回路配線板は、
主に無機補強材とマトリックス樹脂との複合体によって
構成されており、無機補強材としてはガラスクロスが最
も一般的に使用されている。また、マトリックス樹脂と
してはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂またはフッ素樹脂
等が使用されている。より具体的には、ガラスクロスに
マトリックス樹脂を含浸させて、いわゆるプリプレグを
作成し、これを1枚または複数枚重ね、更に金属箔を重
ねて積層成形しプリント回路配線板の基材としている。
上記プリント回路配線板の基材を製造するに際し、ガラ
スクロスとマトリックス樹脂との親和性および接着性を
向上させる目的で、予めシランカップリング剤でガラス
クロスを表面処理することが従来から行われている。
【0003】上記シランカップリング剤は、図1に示し
たように、一般にSiに有機官能基および2〜3個のア
ルコキシ基を持った構造を有しており、アルコキシ基が
加水分解を受け、ガラスクロス表面とオキサン結合を作
る一方、有機官能基がマトリックス樹脂と反応すること
により、ガラスクロスとマトリックス樹脂との橋かけを
行う。したがって、シランカップリング剤のアルコキシ
基は加水分解される必要がある。ゆえに、該シランカッ
プリング剤を含む従来のガラスクロス表面処理剤として
は、水と加水分解助剤の混合液にシランカップリング剤
を溶解したものが多く使用されている。このときの加水
分解助剤としては酢酸やギ酸などの有機酸などが用いら
れている。
【0004】しかし、このような従来のガラスクロス表
面処理剤(以下、「処理剤」と略す)においては、加水
分解されたシラン化合物同士が処理剤中で重合し、また
は処理剤をガラスクロスに含浸または塗布させたときに
余剰のシラン化合物同士が重合し、オリゴマー化すると
いう問題があった。オリゴマー化するとガラスクロスと
マトリックス樹脂との間の接着が不十分になり、その結
果、得られるプリント回路配線板の吸湿耐熱性等が十分
でなく、また剥離等を起こすなど特性上の問題が生じて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラスクロ
スとマトリックス樹脂との親和性および接着性を向上さ
せ、ひいてはプリント回路配線板の耐熱性を高めること
ができるガラスクロス表面処理剤を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、シランカップリング剤
を界面活性剤にて可溶化させることにより、上記問題を
一挙に解決できるという知見を得た。すなわち、シラン
カップリング剤を分散させるための水などの適当な溶媒
に界面活性剤を加えておくことにより、シラン化合物が
加水分解されることなくアルコキシ基を有した化学構造
を保ったまま界面活性剤がつくるミセル構造の内部に溶
解される。したがって、処理剤の中でシランカップリン
グ剤が重合しオリゴマー化するのを抑えることができ
る。また、上記界面活性剤を含有する処理剤において
は、シラン化合物を加水分解しなくても、アルコキシ基
を有した化学構造のままでカップリング効果(ガラスク
ロスとマトリックス樹脂との親和性を高め、両者を接着
させる効果)を発揮できるという思いがけない知見を得
た。これにより、処理剤をガラスクロスに含浸または塗
布させたときに余剰のシラン化合物同士が重合してオリ
ゴマー化することを抑えることができる。
【0007】さらに、上記処理剤を用いれば、従来の処
理剤を用いた場合よりも、ガラスクロスとマトリックス
樹脂との親和性および接着性を向上させることができる
ということも知見した。ガラスクロスの表面でシラン化
合物が単分子層を形成していることが、そのカップリン
グ効果をより発揮するために好ましいことが知られてお
り、上記界面活性剤を含有する処理剤でガラスクロスを
処理した場合、上述のように界面活性剤がシラン化合物
を内包したミセル構造をとるために、ガラスクロスの表
面にシラン化合物の単分子層を形成させることができる
ため、ガラスクロスとマトリックス樹脂との親和性およ
び接着性を向上させることができると考えられる。本発
明者らは、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(1)アルコキシ基
を有する化学構造を保っているシランカップリング剤と
界面活性剤とが含まれていることを特徴とするガラスク
ロス表面処理剤、(2)加水分解助剤を含まない溶媒
に、アルコキシ基を有する化学構造を保っているシラン
カップリング剤と界面活性剤とが含まれていることを特
徴とする前記(1)に記載のガラスクロス表面処理剤、
(3)アルコキシ基を有する化学構造を保っているシラ
ンカップリング剤が界面活性剤のミセル構造の内部に溶
解されている状態で含まれていることを特徴とする前記
(1)または(2)に記載のガラスクロス表面処理剤、
(4)シランカップリング剤が、N−ビニルベンジル−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
塩酸塩または/およびγ−アニリノプロピルトリメトキ
シシランであることを特徴とする前記(1)〜(3)に
記載のガラスクロス表面処理剤、(5)界面活性剤が、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルまたはポリ
オキシエチレンノニルエーテルであることを特徴とする
前記(1)〜(4)に記載のガラスクロス表面処理剤、
(6)前記(1)〜(5)に記載のガラスクロス表面処
理剤で表面処理されたガラスクロス、および、(7)前
記(6)に記載のガラスクロスにマトリックス樹脂が含
浸されていることを特徴とするプレプリグ、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるシランカップ
リング剤としては自体公知のものを用いてよい。下記
式;
【化1】 (式中、Xは置換基を表し、Rはアルキル基を表す。)
で表されるシラン化合物からなるシランカップリング剤
が好ましい。該構造式において、置換基Xはマトリック
ス樹脂と反応することができる官能基を有する。官能基
としては、具体的には例えばビニル基、アミノ基、エポ
キシ基、メタクリロキシ基またはメルカプト基などが挙
げられる。Rはアルキル基で、中でもメチル基またはエ
チル基が好ましい。
【0010】シランカップリング剤として具体的には、
例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベ
ンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(塩酸塩)、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシランなどが挙げられる。これらのシランカップリン
グ剤は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を組
み合わせて用いてもよい。中でも、N−ビニルベンジル
−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン(塩酸塩)もしくはγ−アニリノプロピルトリメトキ
シシラン、またはこれらの混合物が好ましい。
【0011】本発明の処理剤においては、特に水に対す
る溶解性の低い、例えば、分子構造中にスチレンやベン
ゼン核を有するN−ビニルベンジル−アミノエチル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)または
γ−アニリノプロピルトリメトキシシランのようなシラ
ンカップリング剤を用いる場合に、界面活性剤による可
溶化効果が顕著に発揮されるので、本発明において好適
に用いることができる。処理剤中のシランカップリング
剤の濃度は約0.1〜30.0g/L程度、好ましくは
約1.0〜10.0g/L程度が好適である。
【0012】本発明において用いられる界面活性剤は自
体公知のものを用いてよい。陰イオン界面活性剤、陽イ
オン界面活性剤または非イオン界面活性剤のいずれでも
よいが、作業性または特性面などから非イオン界面活性
剤が好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンオクチ
ルエーテルもしくはポリオキシエチレンセカンドアルキ
ルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルもしくはポリ
オキシエチレンフェニルエーテルなどのポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル;アルキルカルボニルオ
キシポリオキシエチレン;脂肪族多価アルコールエステ
ル;脂肪族多価アルコールポリオキシエチレン;または
脂肪族ショ糖エステルなどを挙げることができる。なか
でも、HLB値が10以上ものが好ましく、さらにHL
B値の範囲が13〜15のものがより好ましい。特に、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルまたはポリ
オキシエチレンノニルエーテルが好ましい。処理剤中の
界面活性剤の濃度は、固形分で約0.1〜50.0g/
L程度、好ましくは約0.5〜10.0g/L程度が好
適である。
【0013】本発明にかかる処理剤には、界面活性剤の
溶媒に対する溶解性をあげるために溶解助剤を併用して
もよい。溶解助剤としては自体公知のものを用いてよい
が、例えばポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリ
オキシエチレンオクチルフェニルエーテル、アルキルカ
ルボニルオキシポリオキシエチレン、脂肪族多価アルコ
ールエステル、脂肪族多価アルコールポリオキシエチレ
ンまたは脂肪族ショ糖エステルなどのHLB値が12〜
16の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。処理液中
の溶解助剤の濃度は、約0.1〜10g/L程度が好ま
しい。
【0014】本発明の処理剤における溶媒は特に限定さ
れないが、具体的には水、または水と有機酸との混合溶
媒、例えば約0.5〜5.0重量%程度の酢酸水溶液も
しくは酢酸を含む含水アルコール溶液等を挙げることが
できる。ただし、本発明においては、シラン化合物のア
ルコキシ基を加水分解する必要がないので、加水分解助
剤としての役割を果たす酢酸などの有機酸は溶媒に含有
されていなくてもよい。したがって、本発明においては
水を溶媒として用いるのが好ましい。また、本発明の処
理剤には、所望により例えば帯電防止剤または潤滑剤な
ど自体公知の添加剤を添加しても良い。
【0015】上記適当な溶媒、好ましくは加水分解助剤
を含まない溶媒に、シランカップリング剤および界面活
性剤、所望により添加剤を添加し、本発明にかかる処理
剤を製造する。その添加順序は特に問わず、また、シラ
ンカップリング剤と界面活性剤とを先に混合し、該混合
液を溶媒に添加してもよい。しかし、界面活性剤を先に
溶媒に添加し、該溶液中にシランカップリング剤を入れ
混合することが好ましい。添加後、攪拌など自体公知処
理を行ってもよい。いずれにしても、本発明において
は、処理剤の中でシラン化合物の少なくとも一部が加水
分解されることなく、すなわちアルコキシ基を有した化
学構造のままで界面活性剤がつくるミセル構造の内部に
溶解されていることが特徴である。したがって、処理剤
が該特徴を有すれば、その製造方法は問わず自体公知の
手段を適宜組み合わせて用いてよい。
【0016】上記本発明にかかる処理剤を用いてガラス
クロスを処理する。該処理は自体公知の方法を用いてよ
く、具体的には該処理剤にガラスクロスを浸漬するか、
もしくは該処理剤を噴霧状にしてガラスクロスに塗布し
熱処理(例えば、約100〜150℃程度で、約0.1
〜10分間程度)することによって行われる。このと
き、ガラスクロスに対するシランカップリング剤の付着
量は約0.030〜0.300重量%程度、界面活性剤
の付着量は約0.015〜0.300重量%程度が好ま
しい。また、ガラスクロスに対するシランカップリング
剤と界面活性剤の付着量の和は約0.045〜0.60
0重量%程度が好ましい。この付着量とは強熱減量によ
り測定した有機成分の重量減分である。
【0017】無機補強材である上記ガラスクロスは自体
公知のものを用いてよい。具体的には、ガラスクロスの
製織に使用される経糸及び緯糸としてフィラメント径が
好ましくは約5〜10μm程度のモノフィラメントを約
100〜800本程度集束したガラス糸を用いるのが好
ましい。織り組織としては平織り、朱子織、ななこ織、
綾織等で製織されたものが挙げられるが、平織りが好ま
しい。ガラスの種類としては、プリント配線板用基材と
して使用されるEガラス(無アルカリ)のみならず、D
ガラス(低誘電)、Tガラス(高強度)、Cガラス(アルカ
リ石灰)およびHガラス(高誘電)等も使用できる。よ
り具体的には、JIS R 3414に記載されたEP
03C、EP06、EP08A、EP11C、EP10
AまたはEP18B等が挙げられる。
【0018】上記のようにして得られる本発明に係るガ
ラスクロスにマトリックス樹脂を含浸させて、1ply
板や積層板を製造することができる。マトリックス樹脂
は自体公知のものを用いてよい。具体的には、例えば、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹
脂もしくはBT樹脂などの熱硬化性樹脂、またはPPO
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂もしくはフッ素樹脂など
の熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、マトリックス
樹脂には硬化剤など自体公知の添加物を含有させてもよ
い。また、例えば、本発明に係るガラスクロスに上記マ
トリックス樹脂を含浸させてプレプリグを作製し、該プ
リプレグを所定複数枚積層し、上下に銅箔を置くか又は
内層コア板の上に積層して加熱加圧成形することにより
プリント回路配線板の基材である積層板を得ることがで
きる。
【0019】本発明にかかる1ply板および積層板
は、ガラスクロスとマトリックス樹脂との接着性が優れ
ている。そのため、従来の処理剤により表面処理したガ
ラスクロスを用いた積層板に比べ、耐熱性に優れてい
る。
【0020】
【実施例】〔実施例1〕界面活性剤としてポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル(商品名;ペネロールN
−100 松本油脂製薬株式会社製)を用い、その濃度
が固形分で1g/Lとなるように水に溶解した。該水溶
液に、シランカップリング剤としてのN−ビニルベンジ
ル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン塩酸塩(SZ−6032 東レダウコーニング・シ
リコーン株式会社製)を、該濃度が9g/Lとなるよう
に溶解し、本発明にかかる処理剤を製造した。
【0021】ガラス繊維としてECE225 1/0
1Z(ユニチカグラスファイバー株式会社製)を使用し
て、密度が経糸60本/25mm、緯糸58本/25m
mとなるようにエアージェットルームで製織し、ガラス
クロスを製造した。また、このクロスを温度400℃で
27時間ヒートクリーニングに付した。上記処理剤の中
に該ヒートクリーニング処理したガラスクロスを浸漬
し、余剰分を絞って乾燥させ、表面処理されたガラスク
ロスを作成した。このとき、ガラスクロスに対する上記
ガラスクロス表面処理剤の付着率は0.070重量%で
あった。
【0022】〔1ply板作製方法〕該表面処理された
ガラスクロスに、マトリックス樹脂1を含浸させ、プレ
スフリーにて170℃の温度の下で90分かけて硬化さ
せ、1ply板を作製した。このときのマトリックス樹
脂1としては、ビスフェノールA樹脂としてのエピコー
ト5045B80(ジャパンエポキシレジン社製)10
0重量部に、多官能樹脂としてエピコート154(ジャ
パンエポキシレジン社製)を28重量部、硬化剤として
ジシアンジアミド(DICY7 ジャパンエポキシレジ
ン社製)を3.2重量部、硬化促進剤としてベンジルジ
メチルアミンを0.2重量部添加し、固形分が60%と
なるようにメチルエチルケトン、メチルセロソルブまた
はジメチルホルムアミドの有機溶剤で調整したものを用
いた。
【0023】〔4層板作製方法〕上記本発明に係る処理
剤で表面処理したガラスクロスに、樹脂付着率が50重
量%となるようにマトリックス樹脂2を含浸させプレプ
リグ1を作製した。このときのマトリックス樹脂2とし
ては、ビスフェノールA樹脂としてのエピコート504
6B80(ジャパンエポキシレジン社製)100重量部
に、多官能樹脂としてエピコート180S75B70
(ジャパンエポキシレジン社製)を28重量部、硬化剤
としてジシアンジアミド(DICY7 ジャパンエポキ
シレジン社製)を3.0重量部、硬化促進剤として2E
4Mイミダゾール(EMI24 ジャパンエポキシレジ
ン社製)を0.1重量部添加し、固形分が60%となる
ようにメチルエチルケトン、メチルセロソルブまたはジ
メチルホルムアミドの有機溶剤で調整したものを用い
た。該プリプレグ1の上下に35μm銅箔を重ねて、1
70℃の温度下で300N/cmの圧力を150分間
かけてプレスし、0.1mmの両面銅張積層板を作製し
た。ついで、表層銅箔を全面黒化処理して内層コア材と
した。次に、上記マトリックス樹脂2の樹脂付着率が5
3重量%であること以外は、上記と全く同様にしてプリ
プレグ2を作製した。該プリプレグ2を上記内層コア材
の上下に各1枚配置し、表層には18μm銅箔を配置し
内層コア材を作製したときと同じプレス条件にて4層板
を得た。
【0024】〔比較例1〕イオン交換水に酢酸をその濃
度が1.62g/Lとなるように添加した水溶液中に、
N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン塩酸塩を実施例1と同量添加し
て、アルコキシ基が加水分解されている処理剤を用いた
以外は、実施例1と全く同様に行い、1ply板および
4層板を得た。
【0025】〔試験1〕1ply板のはんだ耐熱性試験
を以下のように行った。実施例1および比較例1で作製
した1ply板をそれぞれ4cm角に5枚切り出し、P
CT4時間および6時間という2つの条件で吸湿を行っ
た。なお、PCTは、121℃の飽和プレッシャークッ
カー中で試験片を一定時間暴露し吸湿させたことを示し
ている。その試験片を260℃のはんだ浴槽に30秒間
浸漬し、ふくれの有無を調べた。評価はA〜Eの5段階
法で行った。すなわち、5枚のサンプルそれぞれについ
て、ふくれの有無およびふくれの度合いによりA〜Eの
5段階に分け、下記表に示したようにその段階に応じて
点数をつけた。5つのサンプルの合計点数で、各実施例
および比較例のはんだ耐熱性を評価した。
【表1】
【0026】〔試験2〕4層板のはんだ耐熱性試験を以
下のように行った。実施例1および比較例1で作製した
4層板の表面銅箔をエッチングにより除去し、それぞれ
5cm角に15枚ダイヤモンドカッターで切り出し、D
−1/100、D−3/100およびPCT1.5時間
という3つの条件で吸湿を行った。なお、D−1/10
0またはD−3/100は、JIS C 6481に従
った。その試験片を260℃のはんだ浴槽に30秒間浸
漬し、ふくれの有無を調べた。評価は、試験片15枚中
の剥離(ミーズリング、ブリスター)の発生した枚数で
示した。
【0027】試験1および2の結果を下記の表に示す。
【表2】
【0028】〔実施例2〕界面活性剤としてポリオキシ
エチレンノニルエーテル(商品名;アクチノールR−1
00 松本油脂製薬株式会社製)を用い、その濃度が固
形分で2g/Lの濃度になるように水に溶解し、該水溶
液にシランカップリング剤としてのγ−アニリノプロピ
ルトリメトキシシラン(SZ−6083 東レダウコー
ニング・シリコーン株式会社製)を、該濃度が2.46
g/Lとなるように溶解して得た処理剤を用いた以外
は、実施例1と全く同様に行い、1ply板および4層
板を得た。
【0029】〔比較例2〕イオン交換水にギ酸をその濃
度が2.18g/Lとなるように添加した水溶液中に、
γ−アニリノプロピルトリメトキシシランを実施例2と
同量添加して、アルコキシ基が加水分解されている処理
剤を用いた以外は、実施例2と全く同様に行い、1pl
y板および4層板を得た。
【0030】実施例2および比較例2で得られた1pl
y板に対し試験1を、4層板に対し上記試験2を行っ
た。その結果を下記表に示す。
【表3】
【0031】〔実施例3〕界面活性剤ペネロールN−1
00が固形分で2g/Lの濃度になるように水に溶解
し、該水溶液にシランカップリング剤としてN−ビニル
ベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン塩酸塩を9g/L、γ−アニリノプロピルト
リメトキシシランを1.4g/Lとなるように溶解して
得た処理剤を用いた以外は、実施例1と全く同様に行
い、1ply板および4層板を得た。
【0032】〔比較例3〕イオン交換水に酢酸をその濃
度が5.62g/Lとなるように添加した水溶液中に、
N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン塩酸塩およびγ−アニリノプロピ
ルトリメトキシシランを実施例3と同量添加して、アル
コキシ基が加水分解されている処理剤を用いた以外は、
実施例3と全く同様に行い、1ply板および4層板を
得た。
【0033】実施例3および比較例3で得られた1pl
y板に対し試験1を、4層板に対し上記試験2を行っ
た。その結果を下記表に示す。
【表4】
【0034】したがって、本発明に係るガラスクロス表
面処理剤を用いることにより耐熱性が向上することがわ
かった。
【0035】
【発明の効果】現下の高度情報社会、IT時代にあっ
て、各種コンピューター、計測機器等の電気・電子機
器、衛星放送や移動通信などの通信機器におけるデジタ
ル化、信号の高速処理化の傾向が益々高まっている。し
たがって、これらに用いられるプリント配線板も高性能
化、小型軽量化、高密度化への対応が不可避である。そ
れゆえ、近年プリント配線板においては高密度実装が行
われており、配線数の増大と50〜75μm程度の細さ
の細線化をもたらしている。当然ICチップについても
小型化・高密度化が進行しているため、ICチップから
の発熱量も増加傾向にある。ここで、プリント配線板が
耐熱性に劣れば、ICチップを半田付けしている部分、
さらにはホールのメッキ部分にクラックが生じる可能性
を高め、電気絶縁信頼性を損ねることになる。したがっ
て、プリント配線板は耐熱性を有することが非常に重要
となる。本発明に係る処理剤を用いれば、ガラスクロス
とマトリックス樹脂の接着性が高まるため、プリント配
線基板の耐熱性が高まり、ひいては電気絶縁信頼性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のガラスクロス表面処理剤の作用機序を
示す。置換基Xはマトリックス樹脂と反応することがで
きる官能基を有する置換基を表し、Rはアルキル基を表
す。すなわち、まず、酢酸などの加水分解助剤の助けを
借りてアルコキシ基が加水分解される〔式(a)〕。つ
いで、該シランカップリング剤がガラスクロス表面とオ
キサン結合を形成する〔式(b)〕。ついで、該シラン
カップリング剤の官能基がマトリックス樹脂と反応する
ことによりガラスクロスと樹脂との橋かけを行う〔式
(c)〕。式(d)に、マトリックス樹脂としてエポキ
シ樹脂を用い、シランカップリング剤の官能基がアミノ
基である場合の式(c)の反応を例示として示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 101:00 D06M 101:00 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AA08 AB09 AB28 AC06 AD07 AD23 AD28 AD38 AD42 AD45 AF21 AH02 AH21 AK14 AL13 4L033 AA09 AB05 AC11 AC15 BA96 CA48 5E346 AA12 CC04 CC09 CC10 CC13 CC14 CC60 EE09 HH18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシ基を有する化学構造を保って
    いるシランカップリング剤と界面活性剤とが含まれてい
    ることを特徴とするガラスクロス表面処理剤。
  2. 【請求項2】 加水分解助剤を含まない溶媒に、アルコ
    キシ基を有する化学構造を保っているシランカップリン
    グ剤と界面活性剤とが含まれていることを特徴とする請
    求項1に記載のガラスクロス表面処理剤。
  3. 【請求項3】 アルコキシ基を有する化学構造を保って
    いるシランカップリング剤が界面活性剤のミセル構造の
    内部に溶解されている状態で含まれていることを特徴と
    する請求項1または2に記載のガラスクロス表面処理
    剤。
  4. 【請求項4】 シランカップリング剤が、N−ビニルベ
    ンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキ
    シシラン塩酸塩または/およびγ−アニリノプロピルト
    リメトキシシランであることを特徴とする請求項1〜3
    に記載のガラスクロス表面処理剤。
  5. 【請求項5】 界面活性剤が、ポリオキシエチレンノニ
    ルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレンノニルエ
    ーテルであることを特徴とする請求項1〜4に記載のガ
    ラスクロス表面処理剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のガラスクロス表面
    処理剤で表面処理されたガラスクロス。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のガラスクロスにマトリ
    ックス樹脂が含浸されていることを特徴とするプレプリ
    グ。
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