JP3464025B2 - 新規なアミノシラン化合物 - Google Patents

新規なアミノシラン化合物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なシラン化合物ま
たはその酸塩に関し、さらに詳しくはガラス表面に対す
る樹脂の接着剤を著しく向上させ、プリント配線板のよ
うな、機械的強度、電気特性、耐熱性が要求されるガラ
ス繊維強化樹脂積層板に用いられるガラス繊維基材の表
面処理剤として有効に用いられるシラン化合物またはそ
の酸塩に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板を製造する過程で、配
線工程時に溶融はんだに浸漬されたり、リフロ−はんだ
処理等の高温処理が施されるが、近年、積層板の薄板化
や多層板の高密度実装化が進み、積層板中のガラス繊維
基材界面に加えられる熱衝撃がますます厳しくなってき
ており、層間剥離(デラミネ−ションあるいはブリスタ
リング)が従来にまして発生しやすい状況にある。ガラ
ス繊維基材は、通常、樹脂との間の親和性、接着性を向
上させることを目的として、あらかじめシランカップリ
ング剤で表面処理することが行われているが、積層板に
生じる層間剥離をガラス基材の表面処理で極力抑制しう
る強い耐熱性を発現する処理が要求されている。この要
求に対して、これまで、式 CH2 =CH−C6 4 CH2 NH(CH2 2 NH
(CH2 3 Si(OCH3 3 で示されるシランまたはその塩酸塩で処理する方法(特
公昭57−41771号公報)、あるいは式 C6 5 CH2 NH(CH2 2 N(C6 5 )(CH
2 3 Si(OCH3 3 で示される改良されたシラン化合物の酸塩で処理する方
法(特開平4−178432号公報)などが提案され、
あるいは実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の処理剤は、分子
中に2級のアミノ基(以下−NH基と記す)を有し、樹
脂との接着性を向上させる点において有効であるが、−
NH基は反応性が速く、樹脂の硬化初期の段階で、界面
へ硬化歪が生じ悪影響をもたらし、また、硬化初期に界
面近傍の樹脂層が早く硬化してしまうため積層板の含浸
性を妨げるなどの不利益が生じる。これを防ぐために、
分子中の−NH基を3級化させて−NH基の数を減らす
ことも可能であるが、その場合は樹脂との接着性が弱め
られ、また、樹脂の硬化時間が長くなるなどの不利益が
生じる。そこで、分子中の−NH基の数を減らさずに、
また、樹脂の硬化初期での反応を極力緩和し得る構造を
有したシランカップリング剤の出現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような高度な要求に
答えるべく、本発明者は鋭意検討した結果、本発明に到
った。すなわち、−NH基に隣接する炭素原子に2個あ
るいは3個のフェニル基を導入すると、−NH基の数を
減らさなくても、その立体障害の効果によって樹脂との
初期の硬化反応が抑制されるので、硬化歪が減少し、耐
熱性が向上し、また、含浸性も良好であることを見いだ
し、さらに詳細に検討した結果、本発明を完成した。以
下に詳細に説明すると、本発明のシラン化合物は、一般
式(1) Qn −CH3-n −NH−R1 −NH−R2 −Si(CH3 m 3 3-m (1) または一般式(2) Qn −CH3-n −NH−R2 −Si(CH3 m 3 3-m (2) で示されるものである。
【0005】ここで、Qはフェニル基であるが、高度な
疎水性を発現し、また、立体障害の効果を発現する必要
があるので、その数nは2または3であることが必要で
あり、R1 は炭素数が6個以下の2価の脂肪族炭化水素
基であり、R2 は炭素数が10個以下の2価の脂肪族炭
化水素基、または芳香族環を含む炭化水素基であればよ
く、これらの基としては、例えば−CH2 −,−CH2
CH2 −,−(CH23 −,−(CH2 4 −,−
(CH2 5 −,−CH2 C(CH3 2 CH2−,−
(CH2 6 −,−(CH2 7 −,−(CH2
8 −,−C(CH3 2 (CH2 2 C(CH3
2 −,−C6 4 −,−CH2 6 4 CH2 −,−C
2 6 4 CH2 CH2 −などの基が例示される。こ
こで−C6 4 −はフェニレン基を示し、結合の位置は
いずれでもよい。R3 は炭素数が6個以下の加水分解可
能な基であり、例えば−OCH3 ,−OCH2 CH3
−OCH(CH3 2 ,−OCH2 CH2 CH3 ,−O
C(CH3 3 ,−OCH2 CH2 OCH3 ,−OCH
2 CH2 OCH2 CH3 ,−OCH2 CH2 CH2 OC
3 ,−OCH2 CH2 CH2 CH3 などの低級アルコ
キシ基、またはシクロアルコキシ基、またはフェノキシ
基、ナフトキシなどのアリ−ルオキシ基、アセトキシ基
などであり、mは0または1もしくは2の整数である。
【0006】一般式(1)で示される該シラン化合物と
しては、 (C6 5 2 CHNH(CH2 2 NH(CH2 3
Si(OCH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 2 NH(CH2 3
i(OCH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 2 NH(CH2 3
Si(OCH2 CH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 2 NH(CH2 3
i(OCH2 CH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 2 NH(CH2 3
Si(CH3 )(OCH3 2 (C6 5 3 CNH(CH2 2 NH(CH2 3
i(CH3 )(OCH32 (C6 5 2 CHNH(CH2 2 NH(CH2 3
Si(CH3 )(OC25 2 (C6 5 3 CNH(CH2 2 NH(CH2 3
i(CH3 )(OC2 5 2 (C6 5 2 CHNH(CH2 4 NH(CH2 3
Si(OCH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 4 NH(CH2 3
i(OCH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 6 NH(CH2 3
Si(OCH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 6 NH(CH2 3
i(OCH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 2 NHCH2 6
4 CH2 CH2 Si(OCH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 2 NHCH2 6 4
CH2 CH2 Si(OCH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 4 NHCH2 6
4 CH2 CH2 Si(OCH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 4 NHCH2 6 4
CH2 CH2 Si(OCH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 6 NHCH2 6
4 CH2 CH2 Si(OCH3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 6 NHCH2 6 4
CH2 CH2 Si(OCH3 3 などが例示され、また、一般式(2)で示される該シラ
ン化合物としては、 (C6 5 2 CHNH(CH2 3 Si(OCH3
3 (C6 5 3 CNH(CH2 3 Si(OCH3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 3 Si(OCH2
3 3 (C6 5 3 CNH(CH2 3 Si(OCH2 CH
3 3 (C6 5 2 CHNH(CH2 3 Si(CH3
(OCH3 2 (C6 5 3 CNH(CH2 3 Si(CH3 )(O
CH3 2 (C6 5 2 CHNH(CH2 3 Si(CH3
(OCH2 CH3 2 (C6 5 3 CNH(CH2 3 Si(CH3 )(O
CH2 CH3 2 (C6 5 2 CHNHCH2 6 4 CH2 CH2
i(OCH3 3 (C6 5 3 CNHCH2 6 4 CH2 CH2 Si
(OCH3 3 などが例示され,ここで、C6 5 −はフェニル基、−
6 4 −はフェニレン基を示し、結合の位置はいずれ
でも良い。
【0007】本発明のシラン化合物またはその酸塩は、
いくつかの方法で合成することができるが、ここでその
1例を示すと、例えば一般式(1)で示されるシラン化
合物を合成するには、式 NH2 −R1 −NH−R2 −Si(CH3 m 3 3-m 〔式中のR1 、R2 、R3 、mは前記と同じ〕で表され
るアミノシラン化合物に、等モルの(C6 5 3
X、あるいは(C6 5 2 CHX (Xはハロゲン原
子)で示される化合物、例えば塩化トリチル、臭化トリ
チルあるいは塩化ジフェニルメタン、臭化ジフェニルメ
タンなどを直接あるいは適当な溶媒中で反応させて、シ
ラン化合物の酸塩を合成し、これを中和することにより
得ることができる。アミンの酸化等によるシランの劣化
を防ぐために、反応は不活性ガス雰囲気、例えば窒素あ
るいはアルゴン下で行うことが好ましい。また、反応
は、室温でも大気圧下で進行するが、好ましくは常圧で
40℃〜150℃の温度で1時間〜10時間行うことに
より目的物を得ることができる。反応時に溶媒を用いる
場合、その種類には特に制限はないが、好ましくは各原
料を溶解し得る有機溶媒、例えばアルコ−ルやトルエ
ン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)などが挙
げられる。反応を促進するために触媒を用いることもで
きる。このようにして得られたシラン化合物は通常ハロ
ゲン酸塩であり、このままの形で無機基材の処理に用い
てもよく、塩基、例えばピリジンやトリエチルアミンな
どの3級アミン、1,8−ジアザシクロ〔5.4.0〕
ウンデセン−7(DBU),ナトリウムアルコラ−トな
どを用いてハロゲンを取り除いてから用いても良いし、
さらにその後で有機酸や無機酸で中和してから用いても
良い。
【0008】本発明の無機基材処理剤で処理しうる無機
基材としては、特に制限はされないが、例えばガラス繊
維強化樹脂積層板の強化材として使用されているEガラ
ス、Sガラス、Dガラス等のガラス繊維基材を挙げるこ
とができる。この場合、ガラス繊維は、ガラス長繊維で
あってもガラス短繊維であってもよく、更には、ガラス
長繊維束、あるいはガラス繊維織布、ガラス繊維不織布
等のシ−ト状加工物であってもよい。本発明の無機基材
処理剤による上記ガラス繊維の処理は、本発明のシラン
化合物またはその酸塩を含有する水溶液、またはアルコ
−ル類、エ−テル類、ジメチルホルムアミド等の有機溶
媒の溶液、あるいは水とこれら有機溶媒との混合溶媒の
溶液(処理剤)を、ガラス繊維基材に付着させた後、乾
燥させることにより行う。この場合、該処理剤のシラン
化合物またはその酸塩の濃度は、0.01〜5重量%で
あることが好ましい。またこの場合、酢酸、塩酸、蟻
酸、安息香酸、プロピオン酸、琥珀酸、蓚酸、クエン
酸、トルエンスルホン酸などで酸性にすることも可能
で、また、アンモニアなどの触媒を用いて塩基性にして
も良い。必要に応じて顔料、染料、浸透剤、帯電防止剤
を併用しても良いし、処理剤の安定性を増すために界面
活性剤を併用しても良い。また、他の表面処理剤、例え
ばシランカップリング剤やチタネ−トカップリング剤な
どを一部併用して用いることもできる。
【0009】該処理剤をガラス繊維基材に付着させるに
は、浸漬法、スプレ−法等を適用することができる。ガ
ラス繊維基材の浸漬法による処理は、例えば、基材を室
温あるいはこれに近い温度で処理液に浸漬した後、スク
イズロ−ルにより絞液し、続いて100〜200℃で数
秒間乾燥することにより行えばよい。
【0010】
【実施例】以下に非限定の実施例と参考例により、本発
明を更に詳細に説明する。なお、各物性値は以下のよう
に求めた。 (1)プリプレグへの樹脂の含浸性 実施例1で記載した樹脂ワニスを含浸し、キュア−させ
てBステ−ジ状態としたプリプレグを目視および光学顕
微鏡で観察して、樹脂の含浸性を評価した。 ◎:極めて良好、○:良好、△:普通、×:悪い (2)積層板への樹脂の含浸性 実施例1で記載した方法で作成した両面銅張積層板から
銅をエッチングによって除去し、目視で観察して、樹脂
の含浸性を評価した。 ◎:極めて良好、○:良好、△:普通、×:悪い (3)積層板の吸水率 実施例1で記載した方法で作成した両面銅張積層板から
銅をエッチングによって除去し、JIS−C−6481
に従って試験片を切りだし、沸水中で吸湿処理を行った
後にその吸水率を測定した。なお、表2中のD−n/1
00は100℃の沸騰水中でサンプルをn時間煮沸し吸
湿させたことを示している。(D条件吸湿) (4)吸湿はんだ耐熱性 上記の吸水率を測定後、試験片を260℃のはんだ浴に
20秒間浸漬し、ふくれの有無を調べた。なお、表2中
のD−n/100は100℃の沸騰水中でサンプルをn
時間煮沸し吸湿させたことを示している。(D条件吸
湿) (5)積層板の電気特性 JIS−C−6481に準じて測定した。 (6)IR 島津製作所FTIR−4100を用い、KBr板上に化
合物を塗布した後、溶媒を揮発させて測定した。 (7)H−NMR JEOL PMX60SIを用い、重クロロホルムおよ
び重メタノ−ルを溶媒として測定した。
【0011】(実施例1)冷却管、攪拌機、滴下漏斗、
温度計をとりつけた300mlのフラスコに、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン22.2g(0.1モル)とトルエン22.2gを
仕込み、窒素気流下に60℃に加熱した後、あらかじめ
トルエン27.9gに塩化トリチル27.9g(0.1
モル)を溶解した溶液をゆっくりと還流させながら滴下
した。滴下終了後、さらに還流下で6時間反応させ、室
温まで冷却した後、電位差滴定法で塩素イオン量を測定
したところ、溶液中の塩素イオン濃度は3.5%(理論
値3.5%)であった。この生成物のH−NMRおよび
IRスペクトル分析を行った(図1、2)。これは式 (C6 5 3 CNH(CH2 2 NH(CH2 3
i(OCH3 3 ・HCl で示されるシラン化合物の塩酸塩であることを示してい
る。処理液へ溶解させるためにエバポレ−タで減圧下、
トルエンを除去し、等量のメタノ−ルと置換した。(以
下シランと略記する)
【0012】(実施例2)冷却管、攪拌機、滴下漏斗、
温度計をとりつけた200mlのフラスコに、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン22.2g(0.1モル)を仕込み、窒素気流下に
60℃に加熱した後、塩化ジフェニルメタン20.3g
(0.1モル)をゆっくりと攪拌しながら滴下した。滴
下終了後、昇温し120℃で3時間反応させ、室温まで
冷却したところ、黄褐色の高粘度液体が得られた。電位
差滴定法で塩素イオン量を測定したところ、8.3%
(理論値8.4%)であった。この生成物に19.3m
gの28%ナトリウムメチラ−トを添加して、塩化ナト
リウムの沈殿を除去した後、H−NMRおよびIRスペ
クトル分析(CD3 OD中)を行った(図3、4)。こ
れは式 (C6 5 2 CHNH(CH2 2 NH(CH2 3
Si(OCH3 3 で示されるシラン化合物であることを示している。(シ
ラン)
【0013】(実施例3)実施例2におけるN−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランのかわりにN−β−(アミノヘキシル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトシシランを用いた他は実施例2と同
様に合成反応を行った。(シラン) (実施例4)実施例2におけるN−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランのかわり
にN−β−(アミノエチル)−アミノメチルフェニルエ
チルトリメトキシシランを用いた他は実施例2と同様に
合成反応を行った。(シラン) (実施例5)冷却管、攪拌機、滴下漏斗、温度計をとり
つけた200mlのフラスコに、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン17.9g(0.1モル)を仕込み、
窒素気流下に60℃に加熱した後、塩化ジフェニルメタ
ン(試薬特級)20.3g(0.1モル)をゆっくりと
攪拌しながら滴下した。滴下終了後、昇温し120℃で
6時間反応させ、室温まで冷却したところ、黄白色の固
体が得られた。電位差滴定法で塩素イオン量を測定した
ところ、9.3%(理論値9.3%)であった。この生
成物に19.3mgの28%ナトリウムメチラ−トメタ
ノ−ル溶液(分析用試薬)を添加して、塩化ナトリウム
の沈殿を除去した後、H−NMR(CD3 OD中)およ
びIRスペクトル分析を行った(図5、6)。これは式 (C6 5 2 CHNH(CH2 3 Si(OCH3
3 で示されるシラン化合物であることを示している。(以
下シランと略記する)以上、合成した5種類の化合物
について、原料のモノマ−と生成物を表1にまとめてあ
る。
【0014】(参考例1)実施例1〜5で得られたシラ
ン化合物またはその酸塩の0.5重量%水溶液をそれぞ
れ調整し、これらに酢酸を加えてpHを4に調整した。
(処理剤) 上記処理剤に厚さ0.19mmのガラスクロス〔旭シュ
エ−ベル(株)製スタイル7628〕を浸漬し、ついで
ガラスクロスに対し約30重量%の処理剤保持率になる
ように絞液した後、120℃の熱風によって乾燥した。
また、臭素化ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂DER5
14〔ダウケミカル日本(株)製〕85重量部(固
形)、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂N690
〔大日本インキ化学工業(株)製〕15重量部(固
形)、N,N’−ジメチルホルムアミド10重量部、メ
トキシエタノ−ル10重量部、ジシアンジアミド2.4
重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル0.2重
量部を配合してエポキシワニスを調合した。
【0015】該ワニスを前記処理剤で処理したガラスク
ロスに含浸し、乾燥して、樹脂分42重量%のプリプレ
グを作成した。つぎに、該プリプレグを4枚重ね、その
両表層に厚さ18μmの銅箔を重ねて、175℃で60
分間,35kg/cm2 の条件で加熱加圧して一体に成
形し、厚さ0.8mmの銅張り積層板を得た。さらに、
エッチング液で銅箔を全面エッチングによって除去した
後、水洗し、風乾して物性試験用積層板とした。上記プ
リプレグ積層板について、樹脂の含浸性、はんだ耐熱
性、吸水率、電気特性を測定した。その結果を表2に示
す。
【0016】(参考例2〜5)参考例1におけるシラン
の替わりに、実施例2〜5で得られたシラン〜を
用いた以外は、参考例1と同様に評価を行った。その結
果を表2に示す。 (比較例1〜4)実施例1におけるシランの替わり
に、以下の比較薬剤〜を用いた以外は、実施例1と
同様に評価を行った。その結果を表2に示す。 3−アミノプロピルトリエトキシシラン 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明のシラン化合物またはその酸塩は
無機基材およびエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、サイア
ネ−トエステルなどのマトリックス樹脂とからなる複合
材料に広く用いられるが、もっとも好ましい適応例とし
ては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂プリント配線基板の
補強材として用いられるガラス繊維基材の表面処理用カ
ップリング剤としての適用が挙げられ、実施例で述べた
とおりすばらしい改良効果を発現し得る。本発明のシラ
ン化合物またはその酸塩は、特徴的な構造として、一分
子中に2級のアミノ基を有し、かつ、その一部または全
部のアミノ基に隣接する炭素原子に2個あるいは3個の
フェニル基が配位している。この複数のフェニル基の立
体障害の影響で、アミノ基と樹脂の反応が硬化の初期の
段階で抑えられ、成形時に生じる界面での硬化歪を極力
抑えることが可能であり、かつ、保存安定性を著しく改
善した樹脂含浸ガラス繊維基材の作成を可能にする。
【0020】一方、本発明のシラン化合物またはその酸
塩は、樹脂との反応性を有する2級のアミノ基を有する
ので、積層板作成時の樹脂の硬化の最終段階での高温下
では、反応が進行することで架橋密度を十分に上げるこ
とが可能であることから、本発明によるシラン化合物を
ガラス繊維基材に処理した場合、積層板の耐熱性を大幅
に改善することが可能である。また、複数のフェニル基
の立体障害によってシラン化合物間での凝集性が低下す
ることから、ガラス繊維基材に処理した場合、シランの
凝集性が低下し、かつ、樹脂との親和性を向上させるの
で、樹脂の含浸性が改良される。また、複数のフェニル
基の効果により界面が極端に疎水化されるので、積層板
の吸水率が低下し、吸湿後の積層板の耐熱性、電気絶縁
性を改善しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のH−NMR測定図。溶媒はCDC1
3
【図2】実施例のIR測定図(KBr)。
【図3】実施例のH−NMR測定図。溶媒はCD3
D。
【図4】実施例のIR測定図(KBr)。
【図5】実施例のH−NMR測定図。溶媒はCD3
D。
【図6】実施例のIR測定図(KBr)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) Qn −CH3-n −NH−R1 −NH−R2 −Si(CH3 m 3 3-m (1) または一般式(2) Qn −CH3-n −NH−R2 −Si(CH3 m 3 3-m (2) 式中のQはフェニル基であり、R1 は炭素数が6個以下
    の2価の脂肪族炭化水素基であり、R2 は炭素数が10
    個以下の2価の脂肪族炭化水素基、または芳香族環を含
    む炭化水素基であり、R3 は加水分解可能な基であり、
    mは0または1もしくは2の整数であり、nは2または
    3の整数、で表されるシラン化合物またはその酸塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシラン化合物またはその
    酸塩を含有してなる無機基材処理剤。
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