JPH1067787A - ブロックドイソシアネートシラン化合物からなるシランカップリング剤 - Google Patents
ブロックドイソシアネートシラン化合物からなるシランカップリング剤Info
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- JPH1067787A JPH1067787A JP8242541A JP24254196A JPH1067787A JP H1067787 A JPH1067787 A JP H1067787A JP 8242541 A JP8242541 A JP 8242541A JP 24254196 A JP24254196 A JP 24254196A JP H1067787 A JPH1067787 A JP H1067787A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水系でガラス基材に処理でき、ガラス基材と
合成樹脂とから機械的強度の大きい成形品を可能とする
シランカップリング剤の提供を課題とする。 【解決手段】 イソシアネートシランとモノまたはジエ
タノールアミンとを反応させブロックドイソシアネート
シランをシランカップリング剤とし、ガラス基材を処理
し、機械的強度の優れた成形品を得る。
合成樹脂とから機械的強度の大きい成形品を可能とする
シランカップリング剤の提供を課題とする。 【解決手段】 イソシアネートシランとモノまたはジエ
タノールアミンとを反応させブロックドイソシアネート
シランをシランカップリング剤とし、ガラス基材を処理
し、機械的強度の優れた成形品を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シランカップリン
グ剤に関する。更に詳しくは、ガラス基材に使用でき、
水系で安定に使用でき、かつ、マトリックス樹脂との接
着性が向上するシランカップリング剤に関する。
グ剤に関する。更に詳しくは、ガラス基材に使用でき、
水系で安定に使用でき、かつ、マトリックス樹脂との接
着性が向上するシランカップリング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基材に使用する表面処理剤として
は、従来、アミノシラン、エポキシシラン、カチオニッ
クシラン塩酸塩、クロロシラン等のシランカップリング
剤が用いられている。これらのシランカップリング剤
は、ガラス基材と合成樹脂とから成形品を作るときに、
一般に、水系で処理できるので、扱いやすいという特徴
を有する。しかし、これらのシランカップリング剤は、
接着性においては性能が不十分な場合があり、その結
果、曲げ等の機械的強度を必要とする成形品を製造する
ときに問題の生ずることがあった。
は、従来、アミノシラン、エポキシシラン、カチオニッ
クシラン塩酸塩、クロロシラン等のシランカップリング
剤が用いられている。これらのシランカップリング剤
は、ガラス基材と合成樹脂とから成形品を作るときに、
一般に、水系で処理できるので、扱いやすいという特徴
を有する。しかし、これらのシランカップリング剤は、
接着性においては性能が不十分な場合があり、その結
果、曲げ等の機械的強度を必要とする成形品を製造する
ときに問題の生ずることがあった。
【0003】一方、イソシアネートシランは、合成樹脂
中のアミノ基、水酸基、アミド基等と付加反応するの
で、表面処理剤として用いると、接着性に富むことが知
られている。しかし、イソシアネ−トシランは、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、アセトン等の有機溶媒では使
用できるが、水溶液またはアルコール溶液中では、すぐ
に、脱炭酸反応を起こし、アミノ化合物に変化するの
で、これらの溶液中では使用できないという問題があっ
た。従って、ガラス基材に使用でき、水系で安定に使用
でき、且つ、マトリックス樹脂との接着性が向上するシ
ランカップリング剤の開発が望まれていた。
中のアミノ基、水酸基、アミド基等と付加反応するの
で、表面処理剤として用いると、接着性に富むことが知
られている。しかし、イソシアネ−トシランは、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、アセトン等の有機溶媒では使
用できるが、水溶液またはアルコール溶液中では、すぐ
に、脱炭酸反応を起こし、アミノ化合物に変化するの
で、これらの溶液中では使用できないという問題があっ
た。従って、ガラス基材に使用でき、水系で安定に使用
でき、且つ、マトリックス樹脂との接着性が向上するシ
ランカップリング剤の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、水系で処理でき、且つ、接着性に優れたシ
ランカップリング剤を提供することである。特に、ガラ
ス基材と合成樹脂とから機械的強度の強い成形品を製造
できるシランカップリング剤を提供することである。
する課題は、水系で処理でき、且つ、接着性に優れたシ
ランカップリング剤を提供することである。特に、ガラ
ス基材と合成樹脂とから機械的強度の強い成形品を製造
できるシランカップリング剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題に対し、鋭意努力した。その結果、ある種のブロック
ドイソシアネートシランをシランカップリング剤として
使用すると上記課題を解決することを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて達成されたものである。本発
明は、一般式
題に対し、鋭意努力した。その結果、ある種のブロック
ドイソシアネートシランをシランカップリング剤として
使用すると上記課題を解決することを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて達成されたものである。本発
明は、一般式
【0006】
【化3】
【0007】(但し、lは1〜2の整数、mは0〜1の
整数でl+m=2であり、nは2〜4の整数で、RはC
H3 ,C2 H5 ,C3 H7 から選ばれるアルキル基を示
す)で表わされるシランカップリング剤である。
整数でl+m=2であり、nは2〜4の整数で、RはC
H3 ,C2 H5 ,C3 H7 から選ばれるアルキル基を示
す)で表わされるシランカップリング剤である。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明のシランカップリング剤
は;一般式
は;一般式
【0009】
【化4】
【0010】(但し、nは2〜4の整数、RはCH3 ,
C2 H5 ,C3 H7 から選ばれるアルキル基を示す)で
表わされるイソシアネートシランと、モノエタノールア
ミン又はジエタノールアミンとを加熱処理するだけで、
簡単に製造することができる。加熱処理は、通常、イソ
シアネートシランにエタノールアミンを少しずつ加え、
混合物を加熱還流下で反応させて行うことができる。反
応溶媒は、通常、無溶媒であることが好ましい。反応し
やすいことに加え、反応終了後、精製や単離等の特別な
後処理をすることなく放冷するだけで、そのまま、シラ
ンカップリング剤として使用できるからである。反応の
終了は、薄層クロマトグラフィーで確認することができ
る。また、このようにして製造したシランカップリング
剤を、IRで測定すると、波数2260cm-1付近のイ
ソシアネートに由来するピークが消失し、NH基に由来
するピークが観察される。よって、イソシアネートにモ
ノ又はジエタノールアミンが付加されていることが示さ
れる。そのため、IR測定は、反応チェックに有効であ
る。
C2 H5 ,C3 H7 から選ばれるアルキル基を示す)で
表わされるイソシアネートシランと、モノエタノールア
ミン又はジエタノールアミンとを加熱処理するだけで、
簡単に製造することができる。加熱処理は、通常、イソ
シアネートシランにエタノールアミンを少しずつ加え、
混合物を加熱還流下で反応させて行うことができる。反
応溶媒は、通常、無溶媒であることが好ましい。反応し
やすいことに加え、反応終了後、精製や単離等の特別な
後処理をすることなく放冷するだけで、そのまま、シラ
ンカップリング剤として使用できるからである。反応の
終了は、薄層クロマトグラフィーで確認することができ
る。また、このようにして製造したシランカップリング
剤を、IRで測定すると、波数2260cm-1付近のイ
ソシアネートに由来するピークが消失し、NH基に由来
するピークが観察される。よって、イソシアネートにモ
ノ又はジエタノールアミンが付加されていることが示さ
れる。そのため、IR測定は、反応チェックに有効であ
る。
【0011】本発明のシランカップリング剤を製造する
場合、原料の入手のしやすさ、反応のしやすさ、及びブ
ロック部解離の温度選択性から、イソシアネートシラン
としてO=C=N−(CH2 )3 −Si(OC2 H5 )
3 、エタノールアミンとしてジエタノールアミンを使用
することが好ましい。この場合、できたシランカップリ
ング剤のFT−IRを測定すると、イソシアネート基に
由来する2261cm-1のピークが消失し、代わりに、
NH基に由来する3370cm-1にピークの生じること
が観察された。
場合、原料の入手のしやすさ、反応のしやすさ、及びブ
ロック部解離の温度選択性から、イソシアネートシラン
としてO=C=N−(CH2 )3 −Si(OC2 H5 )
3 、エタノールアミンとしてジエタノールアミンを使用
することが好ましい。この場合、できたシランカップリ
ング剤のFT−IRを測定すると、イソシアネート基に
由来する2261cm-1のピークが消失し、代わりに、
NH基に由来する3370cm-1にピークの生じること
が観察された。
【0012】本発明のシランカップリング剤と、酸性水
溶液とより表面処理剤液を製造し、得られる表面処理剤
液でガラス基材を処理すると、本発明の表面処理ガラス
基材を製造することができる。ガラス基材がガラス繊維
である場合、表面処理剤が水溶液であることが特に要求
されるので、本発明はガラス繊維を処理するときに特に
有効である。ガラス繊維は、特に限定する必要がなく、
E−ガラス繊維、S−ガラス繊維、D−ガラス繊維等を
使用することができる。
溶液とより表面処理剤液を製造し、得られる表面処理剤
液でガラス基材を処理すると、本発明の表面処理ガラス
基材を製造することができる。ガラス基材がガラス繊維
である場合、表面処理剤が水溶液であることが特に要求
されるので、本発明はガラス繊維を処理するときに特に
有効である。ガラス繊維は、特に限定する必要がなく、
E−ガラス繊維、S−ガラス繊維、D−ガラス繊維等を
使用することができる。
【0013】この場合、本発明のシランカップリング剤
は、酢酸水溶液、ギ酸水溶液、又は塩酸水溶液等により
pH3〜4で溶解して、表面処理剤液として使用するこ
とが好ましい。酸性溶液に溶解性がよく、表面処理剤に
よるガラス基材への処理が迅速に行えるからである。ま
た、この表面処理剤液は、極めて安定で、長時間、放置
しても安定なので扱いやすい。
は、酢酸水溶液、ギ酸水溶液、又は塩酸水溶液等により
pH3〜4で溶解して、表面処理剤液として使用するこ
とが好ましい。酸性溶液に溶解性がよく、表面処理剤に
よるガラス基材への処理が迅速に行えるからである。ま
た、この表面処理剤液は、極めて安定で、長時間、放置
しても安定なので扱いやすい。
【0014】本発明のシランカップリング剤でガラス基
材を処理して、表面処理ガラス基材を製造するときは、
ガラス基材を表面処理剤液に浸漬したのち、好ましく
は、90〜150℃、より好ましくは110〜130℃
で乾燥すると良い。ガラス基材がガラス繊維織物の場
合、浸漬した後、マングル等で絞るとピックアップ量を
調整することができる。乾燥の際に、乾燥温度が低すぎ
ると、乾燥不充分となり、乾燥温度が高すぎるとイソシ
アネートのブロック部分が分解し、合成樹脂との接着性
が悪くなる。
材を処理して、表面処理ガラス基材を製造するときは、
ガラス基材を表面処理剤液に浸漬したのち、好ましく
は、90〜150℃、より好ましくは110〜130℃
で乾燥すると良い。ガラス基材がガラス繊維織物の場
合、浸漬した後、マングル等で絞るとピックアップ量を
調整することができる。乾燥の際に、乾燥温度が低すぎ
ると、乾燥不充分となり、乾燥温度が高すぎるとイソシ
アネートのブロック部分が分解し、合成樹脂との接着性
が悪くなる。
【0015】本発明の表面処理ガラス基材に合成樹脂を
含浸させると、成形品を得ることができる。本明細書に
おいて、合成樹脂とは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を
例示することができる。従って、合成樹脂として、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、トリアジン系
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂などを使用
することができる。本発明のシランカップリング剤の成
形品製造への有効利用例として、ガラス繊維強化積層板
の製造がある。この場合、本発明のシランカップリング
剤でガラス繊維織物を処理し;得られる表面処理ガラス
繊維織物に合成樹脂を含浸させてガラス繊維強化積層板
を製造することにより、ガラス繊維強化積層板を製造す
ることができる。表面処理ガラス繊維織物に合成樹脂を
含浸させるときは、複数の表面処理ガラス繊維織物と合
成樹脂を互い違いに積層し、加熱下に加圧することによ
り実施することができる。加熱温度は、160〜300
℃であることが好ましい。加熱温度が低過ぎると、ブロ
ックドイソシアネートがイソシアネートに変化し難いた
め接着性が悪い。加熱温度が高すぎると熱可塑性樹脂が
劣化してしまうため、製造したガラス繊維強化積層板の
機械的強度に影響を及ぼす。
含浸させると、成形品を得ることができる。本明細書に
おいて、合成樹脂とは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を
例示することができる。従って、合成樹脂として、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、トリアジン系
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂などを使用
することができる。本発明のシランカップリング剤の成
形品製造への有効利用例として、ガラス繊維強化積層板
の製造がある。この場合、本発明のシランカップリング
剤でガラス繊維織物を処理し;得られる表面処理ガラス
繊維織物に合成樹脂を含浸させてガラス繊維強化積層板
を製造することにより、ガラス繊維強化積層板を製造す
ることができる。表面処理ガラス繊維織物に合成樹脂を
含浸させるときは、複数の表面処理ガラス繊維織物と合
成樹脂を互い違いに積層し、加熱下に加圧することによ
り実施することができる。加熱温度は、160〜300
℃であることが好ましい。加熱温度が低過ぎると、ブロ
ックドイソシアネートがイソシアネートに変化し難いた
め接着性が悪い。加熱温度が高すぎると熱可塑性樹脂が
劣化してしまうため、製造したガラス繊維強化積層板の
機械的強度に影響を及ぼす。
【0016】本発明のシランカップリング剤は、ガラス
基材と合成樹脂から成形品を製造するとき使用できる。
この場合、水系で処理でき、しかも、酸性溶液中で安定
に保存でき、マトリックス樹脂との接着性に優れている
特徴を発揮する。この理由は、次のように推定できる。 i)本発明のシランカップリング剤分子中のSi(O
R)3 が酸性溶液中でSi(0H)3 に加水分解され、
水に溶けやすくなり、更に、ガラス繊維の表面と結合し
やすくなる。 ii)一方、本発明のブロックドイソシアネートの部分
は、酸性溶液中でも極めて安定に存在できる。そのた
め、ガラス基材を、表面処理剤の酸性水溶液に浸漬した
後、加熱乾燥(例えば、90〜150℃で加熱)して
も、ブロックドイソシアネート部分は安定に存在でき
る。 iii)表面処理ガラス基材のブロックドイソシアネー
ト部分は、成形時において強い加熱(例えば、160〜
300℃)により、元のイソシアネート基に再生され、
合成樹脂と結合しやすくなる。従って、本発明の表面処
理剤は、優れた接着性を有するものと考えられる。
基材と合成樹脂から成形品を製造するとき使用できる。
この場合、水系で処理でき、しかも、酸性溶液中で安定
に保存でき、マトリックス樹脂との接着性に優れている
特徴を発揮する。この理由は、次のように推定できる。 i)本発明のシランカップリング剤分子中のSi(O
R)3 が酸性溶液中でSi(0H)3 に加水分解され、
水に溶けやすくなり、更に、ガラス繊維の表面と結合し
やすくなる。 ii)一方、本発明のブロックドイソシアネートの部分
は、酸性溶液中でも極めて安定に存在できる。そのた
め、ガラス基材を、表面処理剤の酸性水溶液に浸漬した
後、加熱乾燥(例えば、90〜150℃で加熱)して
も、ブロックドイソシアネート部分は安定に存在でき
る。 iii)表面処理ガラス基材のブロックドイソシアネー
ト部分は、成形時において強い加熱(例えば、160〜
300℃)により、元のイソシアネート基に再生され、
合成樹脂と結合しやすくなる。従って、本発明の表面処
理剤は、優れた接着性を有するものと考えられる。
【0017】
<実施例1>冷却器、攪拌器、滴下ロ−ト、温度計を取
り付けた300mlのセパラブルフラスコにイソシアネ
ートシラン Y−9030[日本ユニカー(株)製]を
123.5g(0.5mol)を仕込み、ジエタノール
アミン52.5g(0.5mol)をゆっくりと滴下し
60〜80℃で6時間加熱還流下で反応させた。この反
応生成物をFT−IRと薄層クロマトグラフィーにより
測定したところジエタノールアミンの付加を確認でき
た。図1に反応生成物のFT−IRによる赤外吸収スペ
クトルを示すが、2260cm-1近辺のイソシアネート
基によるピークが消失し、新たに3370cm-1近辺に
NH基によるピークが見られた。また、反応生成物につ
いて、担体シリカゲルの薄層クロマトグラフィー(展開
溶媒はベンゼン、発色はよう素)で、ジエタノールアミ
ンの消失を確認した。以上のことから、この反応生成物
がブロックドイソシアネートシランカップリング剤であ
ることが判明した。
り付けた300mlのセパラブルフラスコにイソシアネ
ートシラン Y−9030[日本ユニカー(株)製]を
123.5g(0.5mol)を仕込み、ジエタノール
アミン52.5g(0.5mol)をゆっくりと滴下し
60〜80℃で6時間加熱還流下で反応させた。この反
応生成物をFT−IRと薄層クロマトグラフィーにより
測定したところジエタノールアミンの付加を確認でき
た。図1に反応生成物のFT−IRによる赤外吸収スペ
クトルを示すが、2260cm-1近辺のイソシアネート
基によるピークが消失し、新たに3370cm-1近辺に
NH基によるピークが見られた。また、反応生成物につ
いて、担体シリカゲルの薄層クロマトグラフィー(展開
溶媒はベンゼン、発色はよう素)で、ジエタノールアミ
ンの消失を確認した。以上のことから、この反応生成物
がブロックドイソシアネートシランカップリング剤であ
ることが判明した。
【0018】<実施例2>実施例1のシランカップリン
グ剤を0.5重量%の酢酸水溶液に1g/リットルとな
るように溶解し表面処理剤液を調合した。このシランカ
ップリング剤の溶解性は、極めて良好であった。ガラス
繊維織物WEA−18W[日東紡績(株)製]をこの表
面処理剤液に浸漬し、ピックアップ量が28%となるよ
うにマングルで絞り、110℃で5分間乾燥し、表面処
理ガラス繊維織物を得た。
グ剤を0.5重量%の酢酸水溶液に1g/リットルとな
るように溶解し表面処理剤液を調合した。このシランカ
ップリング剤の溶解性は、極めて良好であった。ガラス
繊維織物WEA−18W[日東紡績(株)製]をこの表
面処理剤液に浸漬し、ピックアップ量が28%となるよ
うにマングルで絞り、110℃で5分間乾燥し、表面処
理ガラス繊維織物を得た。
【0019】<実施例3>厚さ100μmのナイロン6
6フィルム11枚と、実施例2の表面処理ガラス繊維織
物10枚とを、交互に積層し、260℃、圧力2Mpa
で10分間保持し、厚さ2.0mmのガラス繊維強化積
層板を得た。得られた積層板を5×2.5cmに切り出
し3点曲げ試験を行った。結果を表1に示す。
6フィルム11枚と、実施例2の表面処理ガラス繊維織
物10枚とを、交互に積層し、260℃、圧力2Mpa
で10分間保持し、厚さ2.0mmのガラス繊維強化積
層板を得た。得られた積層板を5×2.5cmに切り出
し3点曲げ試験を行った。結果を表1に示す。
【0020】<実施例4>実施例3におけるナイロン6
6フィルムをポリプロピレンフィルムに置き換えたほか
は実施例3と同様に行った。結果を表2に示す。
6フィルムをポリプロピレンフィルムに置き換えたほか
は実施例3と同様に行った。結果を表2に示す。
【0021】<比較例1>シランカップリグ剤をイソシ
アネートシラン Y−9030(日本ユニカ商品名)に
した以外は実施例2、実施例3、実施例4と同様に行
い、ガラス繊維強化積層板を得た。イソシアネートシラ
ンの水溶液はエマルジョンの白濁状態であった。
アネートシラン Y−9030(日本ユニカ商品名)に
した以外は実施例2、実施例3、実施例4と同様に行
い、ガラス繊維強化積層板を得た。イソシアネートシラ
ンの水溶液はエマルジョンの白濁状態であった。
【0022】<比較例2>比較例1において、溶媒をア
セトンにした以外は実施例2、実施例3、実施例4と同
様に行い、ガラス繊維強化積層板を得た。
セトンにした以外は実施例2、実施例3、実施例4と同
様に行い、ガラス繊維強化積層板を得た。
【0023】<参考例1>実施例1におけるシランカッ
プリング剤のかわりにアミノシラン A−1100[日
本ユニカー(株)製]を0.5重量%の酢酸水溶液に4
g/リットルとなるように溶解し表面処理剤液を調合し
た。この処理剤液にガラス繊維織物WEA−18Wを浸
漬し実施例2、3、4と同様にして表面処理ガラス繊維
織物及びガラス繊維強化積層板を得た。比較例1,2及
び参考例1のガラス繊維強化積層板を5×2.5cmに
切り出して3点曲げ試験を行ない、曲げ強度を測定し
た。結果を表1及び表2に示す。
プリング剤のかわりにアミノシラン A−1100[日
本ユニカー(株)製]を0.5重量%の酢酸水溶液に4
g/リットルとなるように溶解し表面処理剤液を調合し
た。この処理剤液にガラス繊維織物WEA−18Wを浸
漬し実施例2、3、4と同様にして表面処理ガラス繊維
織物及びガラス繊維強化積層板を得た。比較例1,2及
び参考例1のガラス繊維強化積層板を5×2.5cmに
切り出して3点曲げ試験を行ない、曲げ強度を測定し
た。結果を表1及び表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例3及び実施例4のガラス繊維強化積
層板は、曲げ強さ、吸水率、樹脂の含浸性とも極めて良
好であった。
層板は、曲げ強さ、吸水率、樹脂の含浸性とも極めて良
好であった。
【0027】
【発明の効果】本発明のシランカップリング剤の効果
は、次のようになる。 i) 本発明のシランカップリング剤は、試薬を加熱
するだけで簡単に製造できる。しかも、加熱終了後、精
製、単離等の後処理をせず、そのまま使用可能である。 ii) 水系で処理できるので、ガラス基材を処理する
際に安全である。 iii)酸性溶液中でも長時間保存できるので、取り扱
いやすい。また、酸性溶媒で溶解し、ガラス基材と処理
できる。 iv) 表面処理剤として、ガラス基材を処理するとき
は、イソシアネートのブロック部分の解離がほとんどな
いが、合成樹脂を含浸させるときは、そのブロック部分
の解離が起こる。 v) 即ち、イソシアネートブロック部の解離選択性
が良いので、接着性に優れている。そのため、ガラス基
材に合成樹脂を含浸させ成形品を製造すると、機械的強
度の強い成形品を製造できる。 vi) 本発明のシランカップリング剤は汎用のシラン
カップリング剤として知られるアミノシランと比較して
も同等かそれ以上の特性を有することが判った。
は、次のようになる。 i) 本発明のシランカップリング剤は、試薬を加熱
するだけで簡単に製造できる。しかも、加熱終了後、精
製、単離等の後処理をせず、そのまま使用可能である。 ii) 水系で処理できるので、ガラス基材を処理する
際に安全である。 iii)酸性溶液中でも長時間保存できるので、取り扱
いやすい。また、酸性溶媒で溶解し、ガラス基材と処理
できる。 iv) 表面処理剤として、ガラス基材を処理するとき
は、イソシアネートのブロック部分の解離がほとんどな
いが、合成樹脂を含浸させるときは、そのブロック部分
の解離が起こる。 v) 即ち、イソシアネートブロック部の解離選択性
が良いので、接着性に優れている。そのため、ガラス基
材に合成樹脂を含浸させ成形品を製造すると、機械的強
度の強い成形品を製造できる。 vi) 本発明のシランカップリング剤は汎用のシラン
カップリング剤として知られるアミノシランと比較して
も同等かそれ以上の特性を有することが判った。
【図1】実施例1のシランカップリング剤のIRスペク
トルを示す。縦軸に透過率(%)、横軸に波数(c
m-1)を表わす。
トルを示す。縦軸に透過率(%)、横軸に波数(c
m-1)を表わす。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (但し、lは1〜2の整数、mは0〜1の整数でl+m
=2であり、nは2〜4の整数で、RはCH3 ,C2 H
5 ,C3 H7 から選ばれるアルキル基を示す)で表わさ
れるシランカップリング剤。 - 【請求項2】 一般式 【化2】 (但し、nは2〜4の整数、RはCH3 ,C2 H5 ,C
3 H7 から選ばれるアルキル基を示す)で表わされるイ
ソシアネートシランと、モノエタノールアミン又はジエ
タノールアミンとを加熱処理してなるシランカップリン
グ剤。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のシランカップリ
ング剤と、酸性水溶液より表面処理剤液を製造し、得ら
れる表面処理剤液でガラス基材を処理してなる表面処理
ガラス基材。 - 【請求項4】 請求項3記載の表面処理ガラス基材に合
成樹脂を含浸してなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8242541A JPH1067787A (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | ブロックドイソシアネートシラン化合物からなるシランカップリング剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8242541A JPH1067787A (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | ブロックドイソシアネートシラン化合物からなるシランカップリング剤 |
Publications (1)
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-
1996
- 1996-08-27 JP JP8242541A patent/JPH1067787A/ja active Pending
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