JP2006199894A - 接着シート及び半導体装置 - Google Patents

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義之 竹部
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Abstract

【課題】 半導体チップを例えばリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材に接着・固定する際に用いることができ、リフロー時に高温に晒されてもクラック等の発生や半導体チップとの剥離が生じ難い接着シートおよび該接着シートを用いて構成された半導体装置を提供する。
【解決手段】 エポキシ系樹脂と、エポキシ系樹脂硬化剤と、可撓性成分とを含むエポキシ系樹脂組成物が硬化されたエポキシ系樹脂硬化物を用いて構成されており、エポキシ系樹脂100重量部に対して、可撓性成分が5〜20重量部の範囲で含まれており、可撓性成分が、エポキシ系樹脂組成物の硬化時に前記エポキシ系樹脂と反応して、架橋構造中に取り込まれる可撓性成分である、接着シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着シートおよび半導体装置に関し、より詳細には、半導体チップを例えばリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材に接着・固定する際に用いられる接着シート、および該接着シートを用いて構成されている半導体装置に関する。
ICやLSIなどの半導体チップが組み込まれた半導体装置は、例えば以下のようにして得られる。
先ず、半導体ウェーハを用意し、粘着シート(ダイシングシート)に貼付する。次に、粘着シートに貼付された半導体ウェーハをダイシングして、半導体チップとした後、個々の半導体チップをピックアップする。
上記ピックアップ工程では、半導体チップがダイアタッチ用フィルムとしての接着シートが貼付された状態で取り出される場合と、半導体チップのみが粘着シートから剥離されて取り出される場合とがある。半導体チップのみが取り出された場合には、後の工程でペースト状接着剤や別の接着シートを用いて、半導体チップが基板等に貼付される。
ピックアップされた半導体チップは、後工程のダイボンディング工程に移行される。ダイボンディング工程では、半導体チップが、ペースト状接着剤や接着シート等を介して、リードフレームや基板等の支持部材に接着・固定されて、半導体装置が得られる。
近年、電子機器の高性能化、高機能化及び小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる半導体装置においても、小型化及び軽量化が強く求められている。従って、厚さが100μmよりも薄い、例えば厚さ50μm程度の極めて薄い半導体チップが求められている。
個々の半導体装置をマザーボードへハンダ付けをおこなう実装工程においては半田リフロー時には、210〜250℃の高温に晒されるため、半導体チップや接着シートには耐熱性(耐リフロー性)に優れていることが求められている。さらに、半田の鉛フリー化への要求から、従来よりも高い温度、例えば260℃において耐リフロー性に優れていることが求められている。
下記特許文献1には、250℃における剪断貯蔵弾性率が1×105〜5×106 dy
n /cm2とされている半導体装置用接着シートが開示されている。特許文献1に記載の接着シートは、剪断貯蔵弾性率が上記特定の範囲とされているため、半導体装置の組立工程や実装工程における加熱に対して十分な耐熱性を有する。よって、例えば半田リフロー時に、半導体チップが接着シートから剥離し難く、半導体チップの反りが生じ難いとされている。
特開平11−199841号公報
上記特許文献1では、厚さが30〜200μmの範囲である接着シートを用いて半導体装置が構成されており、半田リフロー時に250℃の温度に半導体装置が晒された場合でも、半導体チップと接着シートとの剥離が生じ難いことが示されている。
上述したように、近年厚さ50μm程度の極めて薄い半導体チップが求められており、これに伴って、接着シートの厚さを例えば20μm程度にする要求が高まっている。
上記特許文献1に記載の接着シ―トでは、その厚みが比較的厚い場合には問題はなかったが、その厚みを20μm程度とした場合には、半田リフロー時に210〜250℃の高温に半導体装置が晒されると、半導体チップと接着シートとの熱膨張率の違いによって、その挙動差を吸収しきれず半導体チップと接着シートとが剥離することがあった。また、半導体チップと接着シートとが剥離した結果、半導体チップに反りが生じ導通不能となることがあった。
さらに、上記特許文献1に記載の接着シートは、半田の鉛フリー化に対応した、より一層高い温度における耐リフロー性が十分ではなく、260℃の高温に半導体装置が晒されると、半導体チップと接着シートとの剥離がより一層生じがちであった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、半導体チップを例えばリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材に接着・固定するために用いることができ、リフロー時に高温に晒されてもクラック等の発生や半導体チップとの剥離が生じ難い接着シートおよび該接着シートを用いて構成された半導体装置を提供することにある。
本発明に係る接着シートは、エポキシ系樹脂と、エポキシ系樹脂硬化剤と、可撓性成分とを含むエポキシ系樹脂組成物が硬化されたエポキシ系樹脂硬化物を用いて構成されており、エポキシ系樹脂100重量部に対して、可撓性成分が5〜20重量部の範囲で含まれており、可撓性成分が、エポキシ系樹脂組成物の硬化時にエポキシ系樹脂と反応して、架橋構造中に取り込まれる可撓性成分であることを特徴とする。
エポキシ系樹脂には、エポキシ基を有しかつエポキシ当量が100〜1000である高分子ポリマーを適宜配合し、硬化前の造膜性を高めることができる。高分子ポリマーとしては、エポキシ基を有するアクリル酸およびメタクリル酸エステルモノマー、もしくはアクリル酸またはメタクリル酸誘導体の共重合体ポリマーなどを挙げることができる。エポキシ基を有する高分子ポリマーを含有すると、その硬化物は優れた可撓性を発現する。上記高分子ポリマーの分子量は1万以上が好ましく、さらに好ましくは10万以上である。
逆に、分子量が1万未満であると硬化性樹脂組成物の造膜性が不充分となって、硬化性樹脂組成物の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。なお、高分子ポリマーにおけるエポキシ当量が100未満であると、硬化性樹脂組成物の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがあり、エポキシ当量が1000を超えると架橋密度が低下するため、硬化性樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が不充分となることがある。
本発明に係る接着シートのある特定の局面では、可撓性成分は、ブタジエン骨格とアクリロニトリル骨格とを有する化合物である。
本発明に係る接着シートの他の特定の局面では、可撓性成分は、可撓性エポキシ樹脂である。
本発明に係る接着シートのさらに他の特定の局面では、可撓性成分は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2006199894
上記式(1)中、xは3〜50、yは1〜5、zは1〜45の正数を表す。
本発明に係る接着シートのさらに他の特定の局面では、可撓性成分は、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2006199894
上記式(2)中、xは3〜50、yは1〜5、zは1〜45の正数を表す。
本発明に係る半導体装置は、本発明に従って構成された接着シートを用いて構成されている。
本発明に係る接着シートは、エポキシ系樹脂と、エポキシ系樹脂硬化剤と、可撓性成分とを含むエポキシ系樹脂組成物が硬化されたエポキシ系樹脂硬化物を用いて構成されており、エポキシ系樹脂100重量部に対して、可撓性成分が5〜20重量部の範囲で含まれており、可撓性成分として、エポキシ系樹脂組成物の硬化時にエポキシ系樹脂と反応して、架橋構造中に取り込まれる可撓性成分を用いているため、耐熱性・柔軟性に優れている。よって、本発明に係る接着シートは、リフロー時に260℃の高温に晒されても、熱膨張率の違いにより発生する応力や、接着シート中から急激に発生する揮発ガスによる剥離応力を緩和吸収することによりクラックなどが生じ難い。
すなわち、本発明では、エポキシ系樹脂と架橋し得る可撓性効果のある特定の可撓性成分を用いているため、架橋構造に取り込まれた可撓性成分により架橋点間分子量が大きく柔軟化されたエポキシ系樹脂硬化物とすることができる。本発明に係る接着シートは、架橋構造に可撓性成分が取り込まれたエポキシ系樹脂硬化物を用いて構成されているため、可塑剤や可塑性樹脂のように単に架橋基点を希薄化させて可撓性を付与させるものとは異なり、硬化物の架橋構造体自体の可撓性が高められており、発生する応力を吸収分散させ
ることができるため、耐熱性にも優れている。
可撓性成分がブタジエン骨格とアクリロニトリル骨格とを有する化合物である場合には、エポキシ樹脂との溶解性も良好な液状であるため、シート成形などの加工が容易である。また硬化の際には可撓性成分が均一に相分離し、結果として極性的にエポキシ樹脂と親和性のある可撓性成分が、エポキシマトリックスの中に均一に分散するため、接合シートの可撓性をより発現できる。よって、接着シートが高温に晒されても応力分散性が向上しているため、クラックなどがより一層生じ難くなる。
可撓性成分が可撓性エポキシ樹脂であると、耐熱性・柔軟性に優れている。よって、本発明に係る接着シートは、リフロー時に260℃の高温に晒されても、熱膨張率の違いにより発生する応力や、接着シート中から急激に発生する揮発ガスによる剥離応力を緩和吸収することによりクラックなどが生じ難い。
可撓性成分が上記式(1)で表される化合物である場合には、硬化時にエポキシ系樹脂層と可撓性成分との均一分散性がより一層高くなり、接着シートの全体で均一に可撓性が向上することにより耐熱性がより一層向上する。
可撓性成分が上記式(2)で表される化合物である場合には、硬化時にエポキシ系樹脂層と可撓性成分との均一分散性がより一層高くなり、接着シートの全体で均一に可撓性が向上することにより耐熱性がより一層向上する。
本発明に係る半導体装置は、本発明に従って構成された接着シートを用いて構成されているため、半田リフロー時に260℃の高温に晒された場合でも、クラック等が発生し難く、さらに半導体チップと接着シートとの剥離が生じ難い。よって、半導体チップに反りが生じ難いため、半導体装置は信頼性に優れている。
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより本発明を明らかにする。
図1は、本発明に係る半導体装置の一実施形態を模式的に示す正面断面図である。図1に示されている半導体装置1では、平板状の形状を有する基板2の上面2aに、基板2よりも小さな平板状の形状を有する接着シート3が接合されている。接着シート3の上面3aに、接着シート3とほぼ同じ大きさの平板状の形状を有する半導体チップ4が接合されている。
上記基板2は、特に限定されないが、例えばFR−4のガラスエポキシ基板により構成されている。
上記半導体チップ4は、特に限定されないが、例えばSiO2パシべーションを有する
シリコンチップにより構成されている。
上記接着シート3は、エポキシ系樹脂組成物を用いて以下のようにして構成される。
本発明では、エポキシ系樹脂組成物は、エポキシ系樹脂と、エポキシ系樹脂硬化剤と、可撓性成分とを含む。
(エポキシ系樹脂)
エポキシ系樹脂とは、少なくとも1個のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物をいう。
上記エポキシ系樹脂中のエポキシ基の数としては、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで、1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ系樹脂中のエポキシ基の総数をエポキシ系樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。
エポキシ系樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、以下に示したエポキシ系樹脂(1)〜エポキシ系樹脂(10)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、エポキシ系樹脂として、これらのエポキシ系樹脂の誘導体又は水添物が用いられてもよい。
芳香族エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(1)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。ノボラック型エポキシ系樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、この他には、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族化合物からなるエポキシ系樹脂等も挙げられる。
脂環族エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(2)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等が挙げられる。このようなエポキシ系樹脂(2)のうち市販されているものとしては、例えば、ダイセル化学工業社製の商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃)等が挙げられる。
脂肪族エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(3)としては、例えば、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(4)としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(5)としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N´−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等が挙げられる。
グリシジルアクリル型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(6)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
ポリエステル型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(7)としては、例えば、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ系樹脂(8)としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体またはその部分水添物の重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化した化合物等が挙げられる。
上記エポキシ系樹脂(9)としては、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内にもつブロック共重合体において、共役ジエン化合物が有する不飽和炭素の二重結合部分をエポキシ化した化合物等が挙げられる。このような化合物としては、例えば、エポキシ化SBS等が挙げられる。
上記エポキシ系樹脂(10)としては、例えば、上記エポキシ系樹脂(1)〜(9)の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変性エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
(エポキシ系樹脂硬化剤)
エポキシ系樹脂硬化剤は、上記エポキシ系樹脂を硬化させる。
エポキシ系樹脂硬化剤は、好ましくはエポキシ系樹脂のエポキシ当量100に対して、70〜100当量の範囲で配合される。すなわち、理論的に必要な当量の70〜100%の割合で配合される。エポキシ系樹脂硬化剤が70当量より少ないと、エポキシ系樹脂が十分硬化しないことがある。エポキシ系樹脂硬化剤が100当量より多いと、エポキシ系樹脂を硬化するのに過剰となることがあり、過剰の硬化剤によりエポキシ系樹脂硬化物の強度物性、接着力信頼性が低下することがある。
上記硬化剤としては特に限定されず、従来公知のエポキシ系樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンジアミド及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、硬化剤とともに、アセチルアセトン鉄等の樹脂硬化触媒として、これらの硬化剤の誘導体が用いられてもよい。
上記アミン化合物としては、例えば、鎖状脂肪族アミン化合物、環状脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
鎖状脂肪族アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等が挙げられる。
環状脂肪族アミン化合物としては、例えば、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビ
ス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
芳香族アミン化合物としては、m−キシレンジアミン、α−(m/p−アミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
上記アミン化合物から合成される化合物としては、例えば、ポリアミノアミド化合物、ポリアミノイミド化合物、ケチミン化合物等が挙げられる。
上記ポリアミノアミド化合物としては、例えば、上記のアミン化合物とカルボン酸とから合成される化合物等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
上記ポリアミノイミド化合物としては、例えば、上記のアミン化合物とマレイミド化合物とから合成される化合物等が挙げられる。マレイミド化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられる。
上記ケチミン化合物としては、例えば、上記のアミン化合物とケトン化合物とから合成される化合物等が挙げられる。
この他に、上記アミン化合物から合成される化合物としては、例えば、上記のアミン化合物と、エポキシ化合物、尿素化合物、チオ尿素化合物、アルデヒド化合物、フェノール化合物、アクリル系化合物等の化合物とから合成される化合物が挙げられる。
上記3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記メラミン化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
上記酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−
無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
上記熱潜在性カチオン重合触媒としては特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ゼンジルスルホニウム塩等のイオン性熱潜在性カチオン重合触媒;N−ベンジルフタルイミド、芳香族スルホン酸エステル等の非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒が挙げられる。
上記光潜在性カチオン重合触媒としては特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、並びに鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等のイオン性光潜在性カチオン重合開始剤;ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等の非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤が挙げられる。
上記硬化剤がフェノール基を有する場合には、耐熱性、低吸水性や、寸法安定性を向上させることができる。
上記フェノール基を有するフェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール等が挙げられる。これらの誘導体も用いることができ、フェノール化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤が下記式(3)または(4)で示される疎水性フェノール化合物である場合には、耐熱性、低吸水性、及び熱履歴を与えた場合の寸法安定性をより一層向上させることができる。
Figure 2006199894
上記式(3)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭化水素基を表し、nは2〜4の整数である。
Figure 2006199894
上記式(4)中、nは0〜5の整数である。
(可撓性成分)
本発明では、可撓性成分はエポキシ系樹脂組成物の硬化時に上記エポキシ系樹脂と反応して、架橋構造中に取り込まれる可撓性成分である。本発明では、エポキシ系樹脂と高密度に架橋し得る特定の可撓性成分を用いており、高架橋構造を有するエポキシ系樹脂硬化物とすることができる。
上記可撓性成分は、上記エポキシ系樹脂100重量部に対して、5〜20重量部の範囲で配合される。可撓性成分が5重量部より少ないと、接着シートの可撓性の向上効果が十分に得られない。可撓性成分が20重量部より多いと、接着シートの可撓性が高くなりすぎて、耐熱性が低くなる。可撓性成分は、上記エポキシ系樹脂100重量部に対して、より好ましくは10〜15重量部の範囲で配合される。可撓性成分が10〜15重量部の範囲で配合されると、接着シートの可撓性がより一層向上する。
上記可撓性成分の重量平均分子量は、好ましくは1000〜10000の範囲である。重量平均分子量が、1000より小さいと、可撓性成分としての効果が十分ではないため接着シートの可撓性が得られない。重量平均分子量が、10000よりも大きいと、架橋点間距離が長くなりすぎるため接着シートの架橋密度が著しく低下し耐熱性が低下する。可撓性成分の重量平均分子量は、より好ましくは、1000〜5000の範囲である。重量平均分子量が、5000よりも大きいと、接着シートの耐熱性が低下することがある。
可撓性成分としては、ブタジエン骨格とアクリロニトリル骨格とを有する化合物がより好ましく用いられる。極性の低いブタジエン骨格と極性の高いアクリロニトリル骨格とを有する化合物を用いた場合には、硬化後にエポキシ系樹脂と適度な親和性を有する可撓性成分が均一に分散した形態をとるため、接着シートとしての応力分散性・吸収性が高くなる。よって、接着シートが高温に晒されても、線膨張率差や揮発ガスなどにより発生した応力の分散・吸収性が高くなり、クラックなどがより一層生じ難くなる。
本発明では、可撓性エポキシ樹脂が好適に用いられる。
可撓性エポキシ樹脂としては、エポキシ系樹脂硬化剤により硬化させた後においても、可撓性を発現し得るものを好適に用いることができる。
可撓性エポキシ樹脂としては、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニルもしくは(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体、共役ジエン化合物を主体とする(共)重合体またはその部分水添物の(共)重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂、ウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変性エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂、ダイマー酸またはその誘導体の分子内にエポキシ基を導入したダイマー酸変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
上記可撓性エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基及びブタジエン骨格およびアクリロニトロル骨格を有する化合物を挙げることができる。ブタジエン骨格およびアクリロニトロル骨格を有する可撓性エポキシ樹脂を用いると、硬化時にエポキシ系樹脂と可撓性
成分との適度な親和性と均一分散性がより一層高くなる。
ブタジエン骨格およびアクリロニトロル骨格を有する可撓性エポキシ樹脂としては、CTBN変性エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
その他、上記可撓性エポキシ樹脂としては、ダイマー酸またはその誘導体の分子内にエポキシ基を導入したダイマー酸変性エポキシ樹脂が用いられる。
本発明においては、さらに好ましくは、下記式(5)で示される可撓性エポキシ樹脂が用いられる。
Figure 2006199894
式(5)中、Rは、−CH2−CH=CH−CH2−または−CH2−CH(CH=CH2)−であり、
Aは、−φ−C(CH32−φ−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−(C=0)−
(φはベンゼン環)であり、
Bは、−(C=O)−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−φ−C(CH32−φ−
(φはベンゼン環)であり、mは0または1、nは正の正数である。
可撓性成分としては、エポキシ系樹脂硬化物の架橋構造中に取り込まれることが可能な官能基を有するエラストマー成分も用いることができる。
上記エラストマー成分としては、ブタジエン骨格を有し末端にカルボキシル基を有するポリブタジエン液状ゴム、ブタジエン骨格とアクリロニトリル骨格とを有し末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合液状ゴム(CTBN)、末端にアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合液状ゴム(ATBN)、メタクリル酸骨格とブタジエン骨格とアクリロニトリル骨格とを有する液状NBR、ポリテトラメチレングリコール骨格とトルエンジイソシアネート骨格とを有し末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリプロピレングリコール骨格を有し末端にエポキシ基を有するポリグリシジルエーテル、重合脂肪酸の骨格を有し末端にエポキシ基を有するポリグリシジルエーテル、ポリサルファイドオリゴマー骨格を有し末端にチオール基を有するポリチオール、末端に水酸基を有するポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオールなどが挙げられる。
本発明では、可撓性成分として、上述した式(1)で表される化合物がさらに好ましく用いられる。上述した式(1)で表される化合物を用いた場合には、可撓性成分が均一の相分離し、結果として極性的にエポキシ系樹脂と親和性のある可撓性成分が、エポキシマトリックスの中に均一に分散するため、接着シートの可撓性をより一層効果的に発現できる。よって、接着シートが高温に晒されても、より一層変形し難くなり、クラックなどがより一層生じ難くなる。
本発明では、可撓性成分として、上述した式(2)で表される化合物も好ましく用いられる。上述した式(2)で表される化合物を用いた場合には、可撓性成分が均一の相分離し、結果として極性的にエポキシ系樹脂と親和性のある可撓性成分が、エポキシマトリックスの中に均一に分散するため、接着シートの可撓性をより一層効果的に発現できる。よって、接着シートが高温に晒されても、より一層変形し難くなり、クラックなどがより一
層生じ難くなる。
可撓性成分としては、可撓性エポキシ樹脂およびエラストマー成分が挙げられる。
(他の成分)
エポキシ系樹脂組成物には、必要に応じて、その性能を阻害しない範囲において、添加剤として、密着性向上剤、充填剤、応力緩和剤、PH調整剤、硬化促進剤、イオン捕捉剤、補強剤、粘度調整剤、揺変剤、安定剤、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、脱水剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、防カビ剤等が添加されてもよい。これらの添加剤は、それぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記密着性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、ウレイドシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤、ケチミンシランカップリング剤等が挙げられる。これらのシランカップリング剤のうち、アミノシランカップリング剤が好適に用いられる。アミノシランカップリング剤を用いると、硬化速度を早めることができるとともに、エポキシ系樹脂との親和性を向上させることができる。
上記充填剤としては、例えば、無機充填剤及び有機充填剤などが挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、ガラス繊維、アルミナ微粒子等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、アクリルゴム粒子等が挙げられる。
上記無機充填剤または有機充填剤の平均粒径は3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。無機充填剤の平均粒径が3μmを越えると、レーザー等による穿孔加工を施す際、得られる貫通孔の表面の平滑性が失われることがある。
上記無機充填剤または有機充填剤としては、ヒュームドシリカが好適に用いられ、表面が疎水化された表面疎水化ヒュームドシリカがより好適に用いられる。ヒュームドシリカは増粘剤の1種でもあり、ヒュームドシリカを用いることによって、粘度調整に起因するボイドの発生を抑制することができる。
本発明のエポキシ系樹脂組成物全量100重量部に対するヒュームドシリカの添加量としては、20重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましい。ヒュームドシリカの添加量が20重量部を超えると、接着シートが脆弱になることがある。
上記応力緩和剤としては、例えば、アクリルゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、ブタジエン−アクリロニトリルゴム粒子等が挙げられる。アクリルゴム粒子は、コアシェル型であることがより好ましい。
なお、上記応力緩和剤・有機充填剤として用いることができる上記アクリルゴム粒子等の応力緩和剤・有機充填剤は、本発明に用いられる可撓性成分と異なり、硬化時にエポキシ系樹脂と架橋反応せずにエポキシ樹脂マトリックス中に分散された状態として残り、架
橋構造中に十分に取り込まれないエラストマー成分である。すなわち、アクリルゴム粒子等は、硬化後にエポキシ樹脂硬化物中に分散された状態となる。
上記PH調整剤としては、例えば、シリカ等の酸性型PH調整剤や炭酸カルシウム等のアルカリ型PH調整剤等が挙げられる。PH調整剤を使用することによって、塩素イオンの発生を抑えて、塩素イオンによる金属配線の腐食を防ぐことができる。
上記イオン捕捉剤としては、例えば、アルミノケイ酸塩、含水酸化チタン、含水酸化ビスマス、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ハイドロタルサイト、モリブドリン酸アンモニウム、ヘキサシアノ亜鉛、有機系イオン交換樹脂等が挙げられる。イオン捕捉剤を添加することによって、接着性エポキシ樹脂シートの不純物イオン濃度を低下させることができる。イオン捕捉剤のうち市販されているものとしては、例えば、東亞合成社製のIXEシリーズ等が挙げられる。
本発明のエポキシ系樹脂組成物全量100重量部に対するイオン捕捉剤の添加量は、10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましい。イオン捕捉剤の添加量が10重量部を超えると、接着シートの硬化速度が極端に低下することがある。
(接着シート)
本発明の接着シートは、上述したエポキシ系樹脂組成物を用いて構成されている。接着シートは以下のようにして製造される。
本発明の接着シートの製造方法としては、エポキシ系樹脂、エポキシ系樹脂硬化剤、可撓性成分及び必要に応じて添加される例えば造膜性を有する樹脂などの添加剤等の各所定量とを溶剤に添加した後、乾燥して溶剤を除去する方法が挙げられる。
本発明の接着シートの厚さは、特に限定されないが、20〜50μmの範囲であることが好ましい。接着シートの厚さが20μmよりも薄いと、基板表面の凹凸配線パターンへの埋め込み性が悪化し接着強度が十分に得られないことがある。接着シートの厚さが50μmよりも厚いと寸法的な問題として半導体装置の厚みが増し、小型・薄型化を損なうことがある。
本発明の接着シートでは、厚みが20〜30μmの範囲の非常に薄い場合でも、半導体チップと半導体チップの間、基板と半導体チップの間とスタック全層に対応した接合シートとして半導体装置に用いられて、ハンダリフロー時に260℃の高温に晒されても、クラック等が発生し難い。
本発明の接着シートの用途としては、特に限定されないが、半導体チップをリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材に接着・固定に好適に用いられる。より詳細には、例えば、液晶ディスプレー、コンピュータ、携帯通信機器等の電子機器製品において、半導体素子基板等の固定や絶縁部分等に好適に用いられる。
また、本発明の接着シートは、酢酸エチル等の溶剤に溶解した状態で絶縁部分等に塗布することによってコーティング剤としても用いることができる。さらに、本発明の接着シートに対して導電性微粒子を埋設し、これを導電接続シートとして半導体素子基板等の対向する電極の接続等としても用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ジシクロペンタジエン型固形エポキシ樹脂70重量部(大日本インキ化学社製、商品名:EXA−7200HH)、ナフタレン型液状エポキシ樹脂20重量部(大日本インキ化学社製、商品名:HP−4032D)、エポキシ基含有アクリル樹脂10重量部(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−2050M、平均分子量:約20万、エポキシ当量:340)、可撓性成分としてCTBN(末端カルボキシル基ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)10重量部(宇部興産社製、商品名:HYCAR CTポリマー1300×8、平均分子量:約3500)、架橋環式二環性酸無水物40重量部(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YH−309)、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール5重量部(四国化成社製、商品名:2MAOK−PW)、エポキシシランカップリング剤2重量部(信越化学社製、商品名:KBM403)、表面疎水化ヒュームドシリカ4重量部(トクヤマ社製、商品名:レオロシールMT−10)、および水酸基含有コアシェル型アクリルゴム粒子5重量部(ガンツ化成社製、商品名:スタフィロイドAC−4030)を酢酸エチルに溶解させ、ホモディスパー型攪拌機を用いて固形分が50重量%の硬化性樹脂組成物の酢酸エチル溶液を調製した。
次に、上記で得られた硬化性樹脂組成物の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施された厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの離型処理面上に、乾燥後の厚みが40μmとなるようにバーコーターを用いて塗工した後、110℃で3分間乾燥して、エポキシ樹脂接着シートを作製した。
(実施例2)
実施例1と同じ配合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例3)
実施例1と同じ配合で、厚さ20μmである接着シートを得た。
(実施例4)
可撓性成分としてCTBNに変えて、ポリプロピレングリコール10重量部(ユニオンカーバイド社製、LHT−34、平均分子量:約5000)を用いたこと以外は、実施例1と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例5)
実施例4と同じ配合で、厚さ20μmである接着シートを得た。
(実施例6)
可撓性成分としてCTBNに変えて、ポリカプロラクトンポリオール10重量部(ユニオンカーバイド社製、PCL−300、平均分子量:約10000)を用いたこと以外は、実施例1と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例7)
可撓性成分の配合量を5重量部としたこと以外は実施例1と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例8)
可撓性成分の配合量を20重量部としたこと以外は実施例1と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例9)
ジシクロペンタジエン型固形エポキシ樹脂70重量部(大日本インキ化学社製、商品名:EXA−7200HH)、ナフタレン型液状エポキシ樹脂20重量部(大日本インキ化学社製、商品名:HP−4032D)、エポキシ基含有アクリル樹脂10重量部(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−2050M、平均分子量:約20万、エポキシ当量:340)、可撓性成分である可撓性エポキシ樹脂としてCTBN変性エポキシ樹脂5重量部(旭電化社工業製、商品名:EPR−4023、平均分子量:約4000)、架橋環式二環性酸無水物40重量部(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YH−309)、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール5重量部(四国化成社製、商品名:2MAOK−PW)、エポキシシランカップリング剤2重量部(信越化学社製、商品名:KBM403)、表面疎水化ヒュームドシリカ4重量部(トクヤマ社製、商品名:レオロシールMT−10)、および水酸基含有コアシェル型アクリルゴム粒子5重量部(ガンツ化成社製、商品名:スタフィロイドAC−4030)を酢酸エチルに溶解させ、ホモディスパー型攪拌機を用いて固形分が50重量%の硬化性樹脂組成物の酢酸エチル溶液を調製した。
しかる後、実施例1と同様の方法により、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例10)
可撓性エポキシ樹脂の配合量を10重量部としたこと以外は実施例9と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(実施例11)
可撓性エポキシ樹脂の配合量を20重量部としたこと以外は実施例9と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(比較例1)
ジシクロペンタジエン型固形エポキシ樹脂70重量部(大日本インキ化学社製、商品名:EXA−7200HH)、ナフタレン型液状エポキシ樹脂20重量部(大日本インキ化学社製、商品名:HP−4032D)、エポキシ基含有アクリル樹脂10重量部(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−2050M、平均分子量:約20万、エポキシ当量:340)、架橋環式二環性酸無水物40重量部(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YH−309)、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール5重量部(四国化成社製、商品名:2MAOK−PW)、アミノシランカップリング剤2重量部(信越化学社製、商品名:KBM603)、表面疎水化ヒュームドシリカ4重量部(トクヤマ社製、商品名:レオロシールMT−10)、および水酸基含有コアシェル型アクリルゴム粒子5重量部(ガンツ化成社製、商品名:スタフィロイドAC−4030)を酢酸エチルに溶解させ、ホモディスパー型攪拌機を用いて固形分が50重量%の硬化性樹脂組成物の酢酸エチル溶液を調製した。
しかる後、実施例1と同様の方法により厚さ30μmである接着シートを得た。
(比較例2)
可撓性成分の配合量を30重量部としたこと以外は実施例1と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(比較例3)
可撓性エポキシ樹脂の配合量を30重量部としたこと以外は実施例9と同じ配合割合で、厚さ30μmである接着シートを得た。
(半導体装置の製造)
厚さ75μmの半導体チップ(SiO2パシべーションを有するシリコンチップ)の裏
面に実施例1〜11および比較例1〜3の接着シートを40℃の熱ラミネートにより貼付した。しかる後、半導体チップの下面に接着シートが貼付された状態で、個々の半導体チップの大きさに切り出した。
得られた半導体チップを、100℃に加熱されたガラスエポキシ基板(FR−4)に接着シート側から10Nの圧力で2秒貼付したのち、170℃のオーブンに60分放置し硬化させて半導体装置を得た。
(半導体装置の評価)
・耐リフロー性の評価
実施例1〜11および比較例1〜3の接着シートを用いて構成された半導体装置を、85℃85%の恒温高湿オーブンに48時間放置したのち、230℃以上が20秒以上でかつ最高温度が260℃となるIRリフロー炉に投入した。投入後、半導体装置のリフロークラックの発生の有無を超音波探傷装置(SAT)により観察した。半導体装置10個中、リフロークラックが発生した個数を下記表1,2に示す。
・耐湿熱性(PCT)の評価
実施例1〜11および比較例1〜3の接着シートを用いて構成された半導体装置のプレッシャークッカー試験(PCT)を、120℃85%RHの条件で100時間おこなった。取り出し後、クラックの有無を超音波探傷装置により観察した。
・耐冷熱サイクル性(TCT)の評価
実施例1〜11および比較例1〜3の接着シートを用いて構成された半導体装置のサーマルサイクル試験(TCT)を、−45℃10分と125℃10分との交互繰り返しにより1000サイクルおこなった。取り出し後、クラックの有無を超音波探傷装置により観察した。
Figure 2006199894
Figure 2006199894
本発明の一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す正面断面図。
符号の説明
1…半導体装置
2…基板
2a…上面
3…接着シート
3a…上面
4…半導体チップ

Claims (6)

  1. エポキシ系樹脂と、エポキシ系樹脂硬化剤と、可撓性成分とを含むエポキシ系樹脂組成物が硬化されたエポキシ系樹脂硬化物を用いて構成されており、
    前記エポキシ系樹脂100重量部に対して、前記可撓性成分が5〜20重量部の範囲で
    含まれており、前記可撓性成分が、前記エポキシ系樹脂組成物の硬化時に前記エポキシ系樹脂と反応して、架橋構造中に取り込まれる可撓性成分であることを特徴とする、接着シート。
  2. 前記可撓性成分が、ブタジエン骨格とアクリロニトリル骨格とを有する化合物である、請求項1に記載の接着シート。
  3. 前記可撓性成分が、可撓性エポキシ樹脂である、請求項1または2に記載の接着シート。
  4. 前記可撓性成分が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着シート。
    Figure 2006199894
    上記式(1)中、xは3〜50の正数、yは1〜5、zは1〜45の正数を表す。
  5. 前記可撓性成分が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1または2に記載の接着シート。
    Figure 2006199894
    上記式(2)中、xは3〜50の正数、yは1〜5、zは1〜45の正数を表す。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着シートを用いて構成されている、半導体装置。
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