JP5241279B2 - 無機フィラー - Google Patents
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Description
一方、現在の電子機器のモバイル化、デジタル化に伴い、プリント配線板の小型化、高密度化が進み、絶縁層間、及びビアホール(非貫通孔)間、スルーホール(貫通孔)間の絶縁信頼性低下の問題が顕在化してきている。特に、回路配線を構成する銅等の金属が、高湿度下でイオンマイグレーションを起こし、絶縁不良が発生する問題が指摘されている。イオンマイグレーションとは、金属がイオン化し電位差によって移動する現象であるが、無機フィラーとマトリックス樹脂の界面での吸湿や、マトリックス樹脂中の無機フィラーの分散不良がその原因の一つとして指摘されている。
無機フィラーの界面の改良、または分散性の改良に関しては、これまでにも様々な提案がなされている。例えば、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤と反応性有機物の処理による吸湿低減(特許文献1参照)、非イオン性の無機フィラー利用による信頼性改良(特許文献2参照)、アミノシランカップリング剤による分散性改良(特許文献3参照)、及び表面積の小さい無機フィラー利用による信頼性改良(特許文献4参照)等が提案されている。しかし、これらにおいても絶縁信頼性の改良は、未だ十分ではない。
すなわち、本発明は、
1.下記一般式[1]で示される化合物の塩酸塩1.00モルに対して0.70〜1.00モルの脱塩化水素剤を反応させ、該脱塩化水素剤との反応物を除去することで得られるシランカップリング剤組成物で表面処理された電子材料用途のプリプレグ用無機フィラー。
2.無機フィラーの材質が、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムからなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする上記1に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラー。
3.無機フィラーの平均粒子径が0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする上記1又は2に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラー。
4.下記一般式[2]で示されるアミノシランカップリング剤と下記一般式[3]で示される化合物を反応させて得られた下記一般式[1]で示される化合物の塩酸塩1.00モルに対して0.70〜1.00モルの脱塩化水素剤を反応させ、該脱塩化水素剤との反応物を除去することでシランカップリング剤組成物を得る工程、該組成物と溶媒の混合物に無機フィラーを入れて攪拌する工程、溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする上記1〜3のいずれか1項に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラーの製造方法。
5.上記1〜3のいずれか1項に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラーとマトリックス樹脂を含むことを特徴とするプリプレグ。
6.上記4に記載の製造方法により得られた無機フィラーとマトリックス樹脂とを有機溶剤で希釈したワニスにガラスクロスを含浸させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜30分加熱させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
(A)シランカップリング剤組成物、及び処理方法
本発明の無機フィラーは、下記の一般式[1]で示される化合物を含むシランカップリング剤組成物で表面処理されている必要がある。(尚、上記化合物を製造する過程で上記化合物の塩酸塩が残留する可能性があることから、「組成物」という用語を用いている。)
上記一般式[1]で示される化合物として、具体的には、メチルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ベンジルアミノエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
脱塩素化の具体的方法としては、脱塩化水素剤、例えばナトリウムメチラートと10〜60℃で10分〜10時間攪拌し、生成する沈殿物を濾過する方法が挙げられる。脱塩素化反応における配合比は、モル比率で、上述の塩酸塩の形の化合物1.00モルに対し、残留する塩酸成分を少なくする観点から脱塩化水素剤が0.70モル以上であることが好ましく、反応後に脱塩化水素剤を残留させないという観点から1.00モル以下であることが好ましい。より好ましい脱塩化水素剤の量は、0.90モル以上、かつ0.95モル以下である。
一般式[1]で示される化合物において、R2はアルコキシ基であり、R3はアルコキシ基、ヒドロキシル基、メチル基、またはエチル基のいずれかの基であることが好ましい。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましく、水溶媒中での溶解性の点からメトキシ基がより好ましい。
なお、本発明で使用されるシランカップリング剤組成物は、上記一般式[1]で示される化合物および該化合物の塩酸塩以外に、シランカップリング剤として公知の別の化合物を含むものであってもよい。
無機フィラーに対する上記シランカップリング剤組成物の付着量は、0.05重量%以上、5.0重量%以下が好ましく、0.1重量%以上、1.0重量%以下がより好ましい。表面処理の効果を最大にする点から、0.05重量%以上が好ましく、また無機フィラーの凝集を抑え分散性を良くする点で、5.0重量%以下が好ましい。
また、無機フィラー原料を処理剤溶液中で粉砕し、乾燥させることにより、表面処理と粉砕を同時に実施することも可能である。
本発明の無機フィラーの材質は特に限定されるものではないが、電子材料用途に使用するという観点から、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス、窒化ホウ素、窒化アルミニウムのいずれかであることが好ましい。シリカとしては、溶融シリカ、結晶シリカのいずれも選択できる。その他として、カオリン、タルク、マイカ、クレー、水酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウムなども使用可能である。
無機フィラーの平均粒子径は、ワニス配合の際の粘度増加を抑える点で、0.1μm以上であることが好ましく、また狭ピッチの回路を形成したときに、回路形成に悪影響を与える原因となるフィラー粒子を配線部分から遠ざけ、絶縁信頼性を向上させるという点で10μm以下であることが好ましく、1〜8μmがより好ましい。さらに、プリプレグに応用する場合、無機フィラーの平均粒子径は使用されるガラスクロスのフィラメント径以下であることがより好ましい。ここで平均粒子径とは、累積分布の50%に相当する粒子径をいう。また、異なる粒子径、粒度分布のフィラーを組み合わせることもできる。
無機フィラーの形状は球状、破砕粉状、針状、短繊維状などいずれの形状でもよい。
ワニスにおける表面処理された無機フィラーの充填量は、マトリックス樹脂と表面処理された無機フィラーの合計重量に対し5重量%以上80重量%以下であることが好ましい。表面処理された無機フィラーの充填量は、本発明の表面処理された無機フィラーを充填する効果を発揮するために、5重量%以上であることが好ましく、また積層板を綺麗に積層させる点で90重量%以下であることが好ましく、30〜85重量%がより好ましい。
本発明のプリプレグにおいては、ガラス糸を製織してなるガラスクロスを基材として使用し、該基材に表面処理された無機フィラーとマトリックス樹脂を含むワニスを含浸したプリプレグとすることが好ましい。
ガラス糸としては、平均フィラメント径が2.5〜9.0μm、特に4.0〜9.0μmのガラスフィラメントからなる糸が好ましい。ガラスクロスの織り密度は10〜200本/25mmであり、好ましくは15〜100本/25mmであり、さらに好ましくは40〜80本/25mmである。ガラスクロスの質量は5〜400g/m2 、好ましくは10〜300g/m2 である。
ガラスクロスの織り構造については平織り構造が好ましいが、ななこ織り、朱子織り、綾織り、等の織り構造を有するガラスクロスでもよい。
ガラスクロス表面は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などの表面処理剤で表面処理されていることが好ましい。表面処理剤はマトリックス樹脂との反応性を考慮して、適宜選択する必要がある。例えばマトリックス樹脂がエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、エポキシアクリレートや不飽和ポリエステルを硬化させる樹脂である場合には、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、ベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、等のシラン化合物が好ましい。
なお、後述の実施例で示すように、本発明の無機フィラーにおいては脱塩素化されたシランカップリング剤組成物により無機フィラーを表面処理する必要があるが、上記ガラスクロスにおいては必ずしも脱塩素化されたシランカップリング剤組成物にて表面処理する必要はない。無機フィラーは樹脂ワニスと一定時間攪拌する工程を経るため塩素イオンが溶出しやすいのに対し、ガラスクロスはワニスに含浸後、即乾燥半硬化されプリプレグとなるため樹脂ワニスと接触する時間が短いことが理由として考えられる。
本発明で使用されるマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用しても良い。
熱硬化性樹脂としては、a)エポキシ基を有する化合物と、エポキシ基と反応するアミノ基、フェノール基、酸無水物基、ヒドラジド基、イソシアネート基、シアネート基、若しくは水酸基等を有する化合物を、無触媒、または、イミダゾール化合物、3級アミン化合物、尿素化合物、若しくは燐化合物等の反応触媒能を持つ触媒を添加して、反応させて硬化させるエポキシ樹脂、b)アリル基、メタクリル基、またはアクリル基を有する化合物を、熱分解型触媒、または光分解型触媒を反応開始剤として使用して、硬化させるラジカル重合型硬化樹脂、c)シアネート基を有する化合物とマレイミド基を有する化合物を反応させて硬化させるマレイミドトリアジン樹脂、d)マレイミド化合物とアミン化合物を反応させて硬化させる熱硬化性ポリイミド樹脂、e)ベンゾオキサジン環を有する化合物を加熱重合により架橋硬化させるベンゾオキサジン樹脂等が例示される。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、不溶性ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等が例示される。
本発明のプリプレグを製造するには定法に従えばよい。例えば、表面処理された無機フィラーとマトリックス樹脂とを有機溶剤で希釈したワニスにガラスクロスを含浸させた後、通常100〜200℃の乾燥機中で、1〜30分加熱させる方法などにより、マトリックス樹脂を半硬化(Bステージ化)させるとともに有機溶剤を揮発させて、プリプレグを得ることができる。含浸させた後に、スリットなどで余分なワニスを除去し、厚みを適宜調節してもよい。
上記ワニスにおける有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)が好ましく、適宜混合して使用しても良い。該ワニスにおける、表面処理された無機フィラーとマトリックス樹脂の合計量は、50重量%以上、90重量%以下が好ましい。
プリプレグにおけるガラスクロスに対するマトリックス樹脂と表面処理された無機フィラーの合計付着量は、板成型を容易にできる点で20重量%以上であることが好ましく、またプリプレグの作製を容易にし、ガラスクロスの補強効果を最大にする点で90重量%以下であることが好ましい。
<シランカップリング剤組成物の製造>
ベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(信越化学製KBM6123)1molを20℃で攪拌しながら、ナトリウムメチラート0.9molのメタノール溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、さらに20℃で4時間攪拌し、塩化ナトリウムを沈殿させ上澄み液のベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを主成分とするシランカップリング剤組成物(以下「シランカップリング剤組成物A」という。)を得た。
N−(ビニルベンジル)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(東レダウコーニング製SZ6032)で処理したスタイル1037ガラスクロス(旭化成エレクトロニクス株式会社製、ガラス種:Eガラス、単糸径:4μm、糸を構成する単糸本数:100本、織り方:平織り、織り密度:タテ70本/インチ、ヨコ73本/インチ、糸の撚り数:1回/インチ、重量24.0g/m2、体積量:9.4cm3/m2)を使用した(以下「ガラスクロスA」という。)。
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製エピコート5050T60)32重量部、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製エピコート157S70B75)32重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製エピコート1001B80)6重量部、ビスフェノールAノボラック(ジャパンエポキシレジン製エピキュアYLH129B65)10重量部、2エチル4メチルイミダゾール0.1重量部を混合してマトリックス樹脂ワニス(以下「マトリックス樹脂ワニスA」)という。)を得た。なお、上記商品には予め樹脂の他に溶媒が一定量はいっており、上記組成においては固形分が67%のワニスになる。
プリプレグ8枚を重ね、さらに上下に厚さ12μmの銅箔を重ね、195℃、40kg/cm2で120分間加熱加圧して積層板を得た。
<積層板のガラス転移温度(Tg)評価方法>
積層板の加熱時の粘弾性挙動を粘弾性測定器(TA Instruments製ARES−RDA)で測定し、測定結果グラフの極大値からガラス転移温度を評価した。
積層板を、温度20℃湿度60%RHの雰囲気下にまず24時間置いて重量を測定し、さらに温度121℃湿度100%RHの雰囲気下に168時間曝した後、表面の水分を除去して重量を測定し、その間の重量変化から吸水率を評価した。
<積層板の絶縁信頼性評価方法>
積層板の両面の銅箔上に、0.2mm間隔のスルーホールを配する配線パターンを作成し、温度120℃湿度85%RHの雰囲気下で隣接するスルーホール間に10Vの電圧をかけ、抵抗値の変化を測定した。試験開始後500時間以内に抵抗が1MΩ未満になった場合を絶縁不良とし、絶縁不良とならなかったサンプルの割合を評価した(サンプル数は10個とした。)。
水溶媒3リットルに、シランカップリング剤組成物Aを固形分で5g溶かし、そこにシリカからなる無機フィラー(龍森製EXR−4、平均粒子径3.7μm)を1000g入れ30分攪拌し、スプレードライヤー法によって180℃で加熱乾燥し、平均粒子径3.7μmの表面処理された無機フィラー(以下「表面処理フィラー」ともいう。)を得た。シランカップリング剤組成物Aの付着量は無機フィラーに対して0.5重量%であった。この表面処理フィラーとマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と表面処理フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の表面処理フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したマトリックス樹脂ワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
水溶媒3リットルに、シランカップリング剤組成物Aを固形分で5g溶かし、そこに水酸化アルミニウムからなる無機フィラー(住友化学製C−302A、平均粒子径2.1μm)を1000g入れ30分攪拌し、スプレードライヤー法によって180℃で加熱乾燥し、平均粒子径2.1μmの表面処理フィラーを得た。シランカップリング剤組成物Aの付着量は0.5重量%であった。この表面処理フィラーとマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と表面処理フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の表面処理フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したマトリックス樹脂ワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
水溶媒3リットルに、シランカップリング剤組成物Aを固形分で5g溶かし、そこに1037ガラスクロスをボールミルで粉砕して得たEガラスフィラーを1000g入れ30分攪拌し、スプレードライヤー法によって180℃で加熱乾燥し、平均粒子径2.2μmの表面処理フィラーを得た。シランカップリング剤組成物の付着量は0.5重量%であった。この表面処理フィラーとマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と表面処理フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の表面処理フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したマトリックス樹脂ワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
シリカからなる無機フィラー(龍森製EXR−4、平均粒子径3.7μm)とマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と無機フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の無機フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
水酸化アルミニウムからなる無機フィラー(住友化学製C−302A、平均粒子径2.1μm)とマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と無機フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の無機フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
水溶媒3リットルに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(東レダウコーニング製Z6011)を固形分で5g溶かし、そこにシリカからなる無機フィラー(龍森製EXR−4、平均粒子径3.7μm)を1000g入れ30分攪拌し、スプレードライヤー法によって180℃で加熱乾燥し、平均粒子径3.7μmの表面処理フィラーを得た。シランカップリング剤の付着量は0.5重量%であった。この表面処理フィラーとマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と表面処理フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の表面処理フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
水溶媒3リットルに、ベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(信越化学製KBM6123)を固形分で5g溶かし、そこにシリカからなる無機フィラー(龍森製EXR−4、平均粒子径3.7μm)を1000g入れ30分攪拌し、スプレードライヤー法によって180℃で加熱乾燥し、平均粒子径3.7μmの表面処理フィラーを得た。シランカップリング剤の付着量は0.5重量%であった。この表面処理フィラーとマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と表面処理フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の表面処理フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
水溶媒3リットルに、N−(ビニルベンジル)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(東レダウコーニング製SZ6032)を固形分で5g溶かし、そこにシリカからなる無機フィラー(龍森製EXR−4、平均粒子径3.7μm)を1000g入れ30分攪拌し、スプレードライヤー法によって180℃で加熱乾燥し、平均粒子径3.7μmの表面処理フィラーを得た。シランカップリング剤の付着量は0.5重量%であった。この表面処理フィラーとマトリックス樹脂ワニスAとをエチレングリコールモノメチルエーテルに分散させて、マトリックス樹脂と表面処理フィラーの合計固形分が70重量%、固形分中の表面処理フィラーの濃度が40vol%となるよう調整したワニスに、ガラスクロスAを含浸させ、160℃で1分間乾燥後プリプレグを得た。
実施例1、2、3と比較例1、2、3、4、5で示したプリプレグを用いて作成した積層板のガラス転移温度を表1に、吸水率評価結果を表2に、絶縁信頼性評価結果を表3にまとめた。
実施例1、2、3は比較例1、2、3、4、5に比べ、吸水量が小さく、絶縁信頼性に非常に優れていることが分かった。また、比較例4、5で塩酸塩を使用した場合、積層板のガラス転移温度が十分上がらないことが分かった。
Claims (6)
- 下記一般式[1]で示される化合物の塩酸塩1.00モルに対して0.70〜1.00モルの脱塩化水素剤を反応させ、該脱塩化水素剤との反応物を除去することで得られるシランカップリング剤組成物で表面処理された電子材料用途のプリプレグ用無機フィラー。
- 無機フィラーの材質が、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムからなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラー。
- 無機フィラーの平均粒子径が0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラー。
- 下記一般式[2]で示されるアミノシランカップリング剤と下記一般式[3]で示される化合物を反応させて得られた下記一般式[1]で示される化合物の塩酸塩1.00モルに対して0.70〜1.00モルの脱塩化水素剤を反応させ、該脱塩化水素剤との反応物を除去することでシランカップリング剤組成物を得る工程、該組成物と溶媒の混合物に無機フィラーを入れて攪拌する工程、溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラーの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子材料用途のプリプレグ用無機フィラーとマトリックス樹脂を含むことを特徴とするプリプレグ。
- 請求項4に記載の製造方法により得られた無機フィラーとマトリックス樹脂とを有機溶剤で希釈したワニスにガラスクロスを含浸させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜30分加熱させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
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