JP5169155B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

樹脂組成物の製造方法に関するものである。
近年、前記多層プリント配線板は、電気・電子機器の小型、薄型化に伴い、様々な特性が必要とされている。
例えば、半導体搭載用パッケージ等の用途に用いられる多層プリント配線板は、黒色を基調とするものが主流となっている。多層プリント配線板を黒色にする手法の一つに、多層プリント配線板の製造に用いる樹脂組成物に黒色の有機着色剤等を配合する手法が知られている。
しかしながら、これら有機着色剤は一般的に有機溶剤に対する溶解性が低いことから、多層プリント配線板の製造に用いる樹脂組成物が均一な色にできないという問題があった。
そのため、有機着色剤を含む樹脂組成物を用いてなるプリプレグ、又は絶縁樹脂シートは、外観に凝集物やムラが発生する問題があった。
また、近年の電気・電子機器の小型、薄型化に伴いプリプレグ、又は絶縁樹脂シートが薄くなることで、外観に凝集物やムラがより顕著に現れるようになった。
特開2001-163969号公報
本発明は、低粘度で均一な樹脂組成物の製造方法を提供するものであり、本発明の製造方法により得られた樹脂組成物を用いてなる、色ムラや凝集物の無いプリプレグ、又は絶縁樹脂シートを提供するものである。
このような目的は下記[1]〜[7]により達成される。
[1](A)無機充填剤を溶剤に分散させた分散液に(B)着色剤を溶解および/または分散させる工程(1)と、その後に、(C)ノボラック型エポキシ樹脂を溶解させる工程(2)を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
[2]前記工程(1)は、周速3m/秒以上で攪拌することにより分散させる工程である[1]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[3]前記(B)着色剤の含有量は、(A)無機充填剤100重量部に対し0.5〜6.5重量部である[1]または[2]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[4]前記(B)着色剤は、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である[1]ないし[3]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[5]前記(B)着色剤は、アントラキノン構造を有する化合物である[1]ないし[4]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[6]前記(A)無機充填剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上である[1]ないし[5]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[7]前記工程(1)において用いる溶剤の含有量は、無機充填剤量100重量部に対して25〜300重量部である[1]ないし[6]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の製造方法により得られた樹脂組成物は、低粘度で均一であり、本発明の製造方法により得られた樹脂組成物をガラス繊維基材、合成繊維基材、又は有機繊維基材等の基材に含浸させてなるプリプレグは、外観にムラや凝集物の無いものであるり、また当該樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を金属箔上、又はフィルム上に形成してなる絶縁樹脂シートも外観にムラや凝集物の無いものである。
従って、前記プリプレグ、及び/または絶縁樹脂シートを用いて製造される多層プリント配線板は、外観に色ムラや凝集物がなく信頼性に優れるものである。
以下、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、(A)無機充填剤を溶剤に分散させた分散液に(B)着色剤を溶解および/または分散させる工程(1)と、その後に、(C)ノボラック型エポキシ樹脂を溶解させる工程(2)を含むことを特徴とする。工程(1)、及び(2)を含むことにより、着色剤を、樹脂組成物に均一に分散させることができ、本発明の製造方法により得られた樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグや絶縁樹脂シートは、外観にムラや凝集物のないものである。また、着色剤が容易に分散するため、樹脂組成物の製造工程時間が短縮できる利点もある。
前記工程(1)は、特に限定されないが、例えば、三本ロール、ボールミル、超音波分散機、ディスパーザ攪拌機、真空脱泡混練装置などの各種攪拌装置などによって分散させることができる。これらの中でもディスパーザ攪拌機を用いることが好ましい。
前記工程(1)は、周速3m/秒以上の速度で撹拌を行うことが好ましい。上記未満の速度で行うと分散が不十分となる場合がある。
なお、周速は、((攪拌羽根幅×3.14(円周率))/(羽根が一周するのに要する時間)で求めることができる。
前記工程(2)は、特に限定されないが、例えば、三本ロール、ボールミル、超音波分散機、各種ミキサー等の機器によって行うことが出来る。その中でもディスパーザ攪拌機を用いることが好ましい。
前記樹脂組成物の製造方法に用いる溶剤は、特に限定されないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソールなどを挙げることができる。これらの中でも特にケトン系溶剤、アミド系溶剤が(B)着色剤をより均一に分散させることができる。また、熱硬化性樹脂との反応性が少ないという点で好ましい。また、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
前記溶剤の含有量は、(A)無機充填剤100重量部に対して25〜300重量部が好ましく、さらに40〜100重量部が好ましい。前記範囲よりも低いと、樹脂や無機充填剤の分散性が悪くなる場合があり、前記範囲よりも高いと絶縁樹脂シートやプリプレグを製造した際の外観ムラが発生する場合がある。
本発明で用いる(A)無機充填剤は、特に限定されないが、例えばタルク、焼成タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。無機充填材として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。これらの中でも水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、溶融シリカ、タルク、焼成タルク、アルミナが好ましく、特に溶融シリカが低熱膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、プリプレグ作製時において、基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを用いることが好ましい。
また前記(A)無機充填剤は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いることができる。さらに平均粒子径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類、または2種類以上を併用したりすることもできる。
前記(A)無機充填剤の平均粒子径は、特に限定されないが、0.005〜10μmが好ましく、特に0.01〜2μmが好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値未満であるとワニスの粘度が高くなるため、プリプレグ作製時の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値を超えると、ワニス中で無機充填剤の沈降等の現象が起こる場合がある。
更に平均粒子径5.0μm以下の球状シリカが好ましく、特に平均粒子径0.01〜2μmの球状溶融シリカが好ましい。これにより、無機充填材の充填性を向上させることができる。尚、平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA製、LA−500)により測定することができる。
前記(A)無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の20〜80重量%が好ましく、特に30〜75重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張、低吸水率とすることができる。
次に前記樹脂組成物の製造方法に用いる(B)着色剤について説明する。
(B)着色剤は、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、スプリットブラック等のカーボン系顔料、アゾ系の金属錯塩黒色染料、または有機黒色染料等を挙げることができる。着色剤として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
これらの中でも、絶縁信頼性試験等の信頼性試験、イオン性不純物などの点において、有機黒色染料が好ましく、特に260℃での昇華あるいは分解による重量減少が10%以下であるものが耐熱性の点において好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性に優れるものとなる。具体例として、Kayaset Black A−N(日本化薬社製)、Kayaset Black G(日本化薬社製)等が挙げられる。尚、260℃での重量減少は、TGA(熱重量測定装置)を用い、試料を10℃/分で昇温させたときの、260℃における重量減少を測定することにより確認できる。
前記(B)着色剤の含有量は、特に限定されないが、無機充填剤100重量部に対し0.5〜6.5重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.7〜5.0重量部含有することである。前記重量部未満であると、得られる多層プリント配線板の外観にムラが発生する場合があり、前記重量部より多いと硬化性が低下する場合がある。
前記(C)ノボラック型エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型ノボラックエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用したりすることもできる。これらの中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂等のようなメチレン結合を有するノボラック型エポキシが、耐熱性、難燃性、吸水性の点で優れ、その中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性が向上する。
前記ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に一つ以上のビフェニルアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいう。例えばキシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は、例えば、式(I)で示すことができる。
Figure 0005169155
前記式(1)で示されるビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂の平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1〜10が好ましく、特に2〜5が好ましい。平均繰り返し単位nが前記下限値未満であるとビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は結晶化しやすくなり、汎用溶媒に対する溶解性が比較的低下するため、取扱いが困難となる場合がある。また、平均繰り返し単位nが前記上限値を超えると樹脂の流動性が低下し、成形不良等の原因となる場合がある。
前記(C)ノボラック型エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記第1樹脂組成物全体の1〜65重量%が好ましく、特に5〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると得られる製品の耐湿性が低下したりする場合があり、前記上限値を超えると耐熱性が低下する場合がある。
前記(C)ノボラック型エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量5.0×10〜2.0×10が好ましく、特に8.0×10〜1.5×10が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であるとプリプレグにタック性が生じる場合が有り、前記上限値を超えるとプリプレグ作製時、基材への含浸性が低下し、均一な製品が得られない場合がある。
尚、前記(C)ノボラック型エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記樹脂組成物は、さらに(C)ノボラック型エポキシ樹脂以外に熱硬化性樹脂(実質的にハロゲンを含まない)を分散させることが好ましい。前記熱硬化性樹脂は、例えばユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類、または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
また、これらの中でも、特にシアネート樹脂(シアネート樹脂のプレポリマーを含む)が好ましい。これにより、プリプレグの熱膨張係数を小さくすることができる。さらに、プリプレグの電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等にも優れる。
前記シアネート樹脂は、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、クレゾールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエンアラルキルノボラック型シアネート樹脂等のノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂、クレゾールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエンアラルキルノボラック型シアネート樹脂等のノボラック型シアネート樹脂が好ましく、特にノボラック型シアネート樹脂が好ましい。
これにより、架橋密度増加し、当該樹脂組成物を用いて製造した多層プリント配線板の耐熱性、難燃性が向上する。これは、ノボラック型シアネート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形成するからである。さらに、ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。さらに、プリプレグを厚さ0.5mm以下にした場合であっても、プリプレグを硬化させて作製した積層板に優れた剛性を付与することができる。特に加熱時における剛性に優れるため、半導体素子実装時の信頼性にも優れる。
前記ノボラック型シアネート樹脂は、例えば、式(2)で示されるものを使用することができる。
Figure 0005169155
前記式(2)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1〜10が好ましく、特に2〜7が好ましい。平均繰り返し単位nが前記下限値未満であるとノボラック型シアネート樹脂は耐熱性が低下し、加熱時に低分子量成分が脱離、揮発する場合がある。また、平均繰り返し単位nが前記上限値を超えると溶融粘度が高くなりすぎ、プリプレグの成形性が低下する場合がある。
前記シアネート樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量5.0×10〜4.5×10が好ましく、特に6.0×10〜3.0×10が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であるとプリプレグを作製した場合にタック性が生じ、プリプレグ同士が接触したとき互いに付着したり、樹脂の転写が生じたりする場合がある。また、重量平均分子量が前記上限値を超えると反応が速くなりすぎ、多層プリント配線板の製造に用いた場合に、成形不良が生じたり、層間ピール強度が低下したりする場合がある。
前記シアネート樹脂等の重量平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
また、前記シアネート樹脂は、特に限定されないが、1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
前記シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の5〜42重量%が好ましく、特に10〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると熱膨張率が高くなってしまう場合があり、前記上限値を超えると耐湿性が低下する場合がある。
前記樹脂組成物は、さらに必要に応じて硬化剤を用いることが好ましい。硬化剤は、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂などの(C)ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する化合物、イミダゾールなどのエポキシ基同士の反応、またはエポキシ基と反応する化合物の反応を促進する硬化促進剤を用いることができる。
前記フェノール樹脂は、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でも特に、アリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましい。これにより、さらに吸湿半田耐熱性が向上する。
前記硬化促進剤は、特に限定されないが、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−ベンジルー2−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチルー2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2,3−ジヒドロー1H−ピロロ(1,2−a)ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
前記樹脂組成物は、さらにカップリング剤を含有することが好ましい。前記カップリング剤は、(C)ノボラック型エポキシ樹脂等の樹脂と無機充填剤との界面の濡れ性を向上させることができ、樹脂組成物より製造される多層プリント配線板の耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性が向上させることができる。
前記カップリング剤は、特に限定されないが、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
前記カップリング剤の添加量は、特に限定されないが、無機充填材100重量部に対して0.05〜3重量部が好ましく、特に0.1〜2重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると無機充填材を十分に被覆できないため耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると反応に影響を与え、曲げ強度等が低下する場合がある。
前記樹脂組成物は、さらに多層プリント板製造工程において導体回路層との密着性が向上するような成分を添加しても良い。例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及び導体層を構成する金属との密着性を向上させるカップリング剤等が挙げられ、これらの中でも特に密着性に優れ、硬化反応速度に与える影響が少ないという点でフェノキシ樹脂が好ましい。前記フェノキシ樹脂は、例えばビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種類有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
また、樹脂組成物は、さらに必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
(実施例)
以下、本発明の樹脂組成物の製造方法を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
本発明の実施例で用いた(B)着色剤は以下の通りである。
B1:ペリノンおよびアントラキノン系染料
(商品名Kayaset Black A−N(日本化薬社製))
260℃における重量減少率 1.5%
B2: メチンおよびアントラキノン系染料
(商品名Kayaset Black G(日本化薬社製))
260℃における重量減少率 1.5%
B3:有機着色剤
(商品名Sudan Black 141(中央合成化学社製))
260℃における重量減少率 4.4%
用いた前記(B)着色剤の260℃における重量減少率は、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)により、試料を30℃から500℃まで10℃/分の条件で昇温させ、試料の重量変化を追跡し、((30℃の試料重量)−(300℃の試料重量))/(30℃の試料重量)×100で求まる値とした。
(実施例1)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部と、メチルエチルケトン49.8重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機を用いて、周速4m/秒で60分攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例2)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)59.7重量部、メチルエチルケトン59.7重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速4m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)11.2重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)19.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)8.6重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例3)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部と、メチルエチルケトン49.8重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB2:メチンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black G)0.6重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速4m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)11.2重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)19.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)8.6重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例4)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)59.7重量部と、メチルエチルケトン59.7重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.3重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速4m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)11.2重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)19.8重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)8.7重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例5)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)59.7重量部とメチルエチルケトン59.7重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)1.2重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速4m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)11.0重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)19.4重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)8.4重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加して高速攪拌装置を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例6)
工程(1)
(A)無機充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工社製、H−42M、平均粒径1.1μm)49.8重量部と、メチルエチルケトン49.8重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速4m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例7)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部と、メチルエチルケトン49.8重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速3m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(実施例8)
工程(1)
(A)無機充填剤として、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部と、メチルエチルケトン49.8重量部とを混ぜ、真空脱法混練撹拌装置により分散させた。次に(B)着色剤としてB3:有機染料(中央合成化学社製、Sudan Black 141)0.6重量部を混合し、ディスパーザ攪拌機で周速4m/秒で60分間攪拌した。
工程(2)
前記(A)無機充填剤と(B)着色剤とが分散した分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部を添加してディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
(比較例1)
(工程1)
(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、(A)無機充填剤として球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部、カップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部、球状溶融シリカと同重量のメチルエチルケトンを一度に混合し、ディスパーザ攪拌機を用いて120分間攪拌した。
(工程2)
前記溶解分散液に、(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、ディスパーザ攪拌機を用いて60分間攪拌し、樹脂組成物を得た。
(比較例2)
(工程1)
(B)着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系有機染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)1.2重量部と、メチルエチルケトン(MEK)49.8重量部を混ぜ、高速攪拌装置を用いて周速4m/秒で60分間攪拌した。
(工程2)
前記工程1で得られた分散液に(C)ノボラック型エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)28.0重量部、その他の熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)49.2重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)21.6重量部を添加して高速攪拌装置を用いて120分間攪拌して、樹脂組成物を製造した。
前記実施例1ないし8、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物、積層板、及び絶縁樹脂シートについて、以下の評価を行った。評価内容を項目と共に示す。実施例1ないし8、比較例1、及び2より得られた結果を表1に示す。
Figure 0005169155
評価方法は、以下の通りである。
1.濾過残渣
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物を400メッシュで濾過し、無機充填剤、着色剤、その他樹脂成分の残渣の有無を目視にて確認実施した。
2.粒度分布測定
粒度分布計(島津製作所社製、SALD−7000−WJA1)を用いて、作製した実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物の粒度分布測定を行った。尚、測定は屈折率1.60−0.10iの条件下にて行い、体積換算にて平均粒径、90%粒子径、及び分布の標準偏差を求めた。
3.プリプレグの外観検査
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物樹脂を用い、ガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグを得た。得られた各々のプリプレグについて、無機充填剤や有機化合物の凝集による外観ムラの有無を目視にて確認した。
4.絶縁樹脂シートの外観検査
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物樹脂を用い、厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて樹脂層を形成し、160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、絶縁樹脂シートを製造した。乾燥後の樹脂層の厚さは、60μmとなるように塗工した。作製した各々の絶縁樹脂シートにおいて、無機充填剤や有機化合物の凝集による外観ムラの有無を目視にて確認した。
5.積層板外観検査
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物を用い得られた銅張り積層板をエッチングし、色差計を用いてL値の測定を行った。L値は小さいほど着色されていることを示す。
6.積層板の耐熱性
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物を用い得られた積層板の銅箔をエッチングし、適当な大きさに裁断し試料を作製し、熱時の重量減少により求めた。
表1中、積層板の耐熱性の値は、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)により、試料を、室温から450℃まで10℃/分の条件で昇温させ、試料の重量変化を追跡し、((100℃の試料重量)−(300℃の試料重量))/(100℃の試料重量)×100で求まる値とした。
7.半田耐熱性
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物を用い得られた積層板から50mm角にサンプルを切り出し、3/4エッチングし、D−2/100処理後、260℃の半田中に30秒浸漬させ、膨れの有無を観察した。
8.積層板の熱膨張率
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物を用い得られた積層板をエッチングし、熱膨張係数をTMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて、10℃/分で昇温して測定した。MD方向について測定を行った。
9.積層板の弾性率
前記実施例1ないし8の樹脂組成物、比較例1、及び比較例2の樹脂組成物を用い積層板をエッチングし、弾性率をDMA(TAインスツルメント社製 DMA983)の共鳴周波数ズリモードを用いて、昇温速度5℃/分の条件で測定した。
実施例1〜8は、本発明の製造方法により得たれら樹脂組成物、及び、当該樹脂組成物を用いて製造されたプリプレグ、絶縁樹脂シートである。得られたプリプレグ、絶縁樹脂シートは、凝集のない良好な外観を有し、粒度分布においても、平均粒径が小さく、粒度分布のσ値も小さいことから、凝集物がないことが分かる。
一方、比較例1は、着色剤をその他成分を添加し、攪拌した後に添加した例であるが、得られたプリプレグや絶縁樹脂シートの樹脂面において、無機充填剤や着色剤の凝集による外観ムラが発生した。また、粒度分布についても、実施例1と比較して平均粒径が大きく、粒度分布のσ値も大きいことから凝集物が発生していることが分かる。比較例2は、無機充填材を含有しない例であり、外観にムラはないが、無機充填材を含まないことから、積層板の熱膨張率が大きく、また弾性率も低下する結果となった。従って、比較例2で得られた積層板を用い多層プリント配線板を製造した際には、信頼性が低下すると考えられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、溶剤溶解性の低い着色剤を用いた場合であっても均一になるため、当該樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグや絶縁樹脂シートの外観は、ムラや凝集物の無いものである。従って、外観ムラが目立ち易くなる薄型の多層プリント配線板を製造する際に用いられる樹脂組成物の製造に有効である。

Claims (6)

  1. (A)無機充填剤を溶剤に分散させた分散液に(B)着色剤を溶解および/または分散させる工程(1)と、その後に、(C)ノボラック型エポキシ樹脂を溶解させる工程(2)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
    前記(B)着色剤の含有量は、(A)無機充填剤100重量部に対し0.5〜6.5重量部であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記工程(1)は、周速3m/秒以上で攪拌することにより分散させる工程である請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記(B)着色剤は、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記(B)着色剤は、アントラキノン構造を有する化合物である請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記(A)無機充填剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上である請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記工程(1)において用いる溶剤の含有量は、無機充填剤量100重量部に対して25〜300重量部である請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
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