JP5712488B2 - 絶縁性樹脂フィルム及びそれを用いた積層板、配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に用いられる絶縁性樹脂フィルム及びそれを用いた積層板、配線板に関する。
通常の積層板は、エポキシ樹脂を主剤とした樹脂組成物とガラス織布とを硬化・一体成形したものが一般的である。また、絶縁層を逐次積み上げて銅めっきによって回路を形成していくビルドアップ方式の配線板製造プロセスに用いられるビルドアップ材も、エポキシ樹脂を主剤とした樹脂組成物が用いられている。エポキシ樹脂は絶縁性や耐熱性、コストなどのバランスが優れるが、燃焼し易いという欠点を有する。このため、積層板の難燃化は必須であり、従来ブロム系難燃剤が用いられていた(特許文献1、2参照)。しかし、環境意識の高まりから燃焼時に環境に好ましくない物質を発生する可能性がある材料は電子部品も含めて規制する動きが活発になっている。このため、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の水酸化物(特許文献3参照)、リン酸エステル等のリン化合物(特許文献4参照)、メラミン等の窒素化合物が難燃剤(特許文献5参照)として使用されている。しかしながら、水酸化物は多量に配合しないと難燃機能が発現しない、リン化合物は腐食性を有する、窒素化合物は難燃効果が低いなどの問題も知られている。また、ケイ酸塩、炭酸塩、金属酸化物等も難燃効果を発現することが知られている(特許文献6参照)。
特公昭61−1456号公報 特許第3290296号公報 特開2002−212394号公報 特許第3611435号公報 特公昭61−58306号公報 特許第3465417号公報
水酸化アルミニウム等の水酸化物は難燃効果を発現するが、十分な難燃性を発現するには多量の配合を必要とする。しかし、多量の配合による界面増加に伴う絶縁性の低下や多量の水酸化物の分解に伴う耐熱性の低下など多くの課題がある。このため、水酸化物の配合量を低減できる手法が求められていた。
本発明の目的は、上記課題を解決し、難燃性の高い絶縁性樹脂フィルム及びそれを用いた積層板、配線板を提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、多環式構造を有し樹脂単独でフィルム形成能を有する樹脂とケイ酸カルシウムを併用することが、他のカルシウム化合物に比較して特に高い難燃性を発現することがわかった。ここで言うフィルム形成能とは、溶剤乾燥後、均一な厚みを有した樹脂塗膜が得られることを言う。
本発明は、以下に関する。
(1) 樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を基材表面に備える絶縁性樹脂フィルムにおいて、前記樹脂組成物が、多環式構造を有する樹脂及びケイ酸カルシウムを含有することを特徴とする絶縁性樹脂フィルム。
(2) 樹脂組成物が、更に水酸化アルミニウムを含有することを特徴とする前記の絶縁性樹脂フィルム。
(3) 多環式構造を有する樹脂が、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、ジヒドロアントラセン構造のいずれかを有することを特徴とする前記の絶縁性樹脂フィルム。
(4) 多環式構造を有する樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする前記の絶縁性樹脂フィルム。
(5) エポキシ樹脂が、結晶性エポキシ樹脂を1つ以上含むことを特徴とする前記の絶縁性樹脂フィルム。
(6) エポキシ樹脂が、下記の一般式(1)のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、一般式(2)のアントラセン型エポキシ樹脂、一般式(3)のジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂のいずれか1つ以上含むことを特徴とする前記の絶縁性樹脂フィルム。
Figure 0005712488
(但し、一般式(1)中、R1〜R4は同一、又は互いに異なるCm2m+1基を、mは0又は1以上の整数を表す。nは1以上の整数を表す。)
Figure 0005712488
(但し、一般式(2)中、R1〜R4は同一、又は互いに異なるCm2m+1基を、mは0又は1以上の整数を表す。)
Figure 0005712488
(但し、一般式(3)中、R1は同一、又は互いに異なるCm'2m'+1基を表し、m’は0又は1以上の整数で、nは0〜4の整数を表す。R2は同一、又は互いに異なるCm'2m'+1基を表し、m’は0又は1以上の整数で、mは0〜4の整数を示す。)
(7) 基材が、PET(ポリエチレンテレフタレート)または金属箔であることを特徴とする前記の絶縁性樹脂フィルム。
(8) 基板の片側、あるいは両側に前記の絶縁性樹脂フィルムを配して積層成形してなる積層板。
(9) 前記の積層板に回路加工して成る配線板。
本発明によれば、多環式構造を有し樹脂単独でフィルム形成能を有する樹脂にケイ酸カルシウムを配合することで、難燃性の高い樹脂組成物及び絶縁性樹脂フィルムを得ることができる。
本発明は、多環式構造を有し樹脂単独でフィルム形成能を有する樹脂中にケイ酸カルシウムを均一分散することで難燃性を大きく向上させた樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を基材表面に備える絶縁性樹脂フィルムに関する。すなわち、本発明の絶縁性樹脂フィルムは、樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を基材表面に備える絶縁性樹脂フィルムにおいて、前記樹脂組成物が、多環式構造を有する樹脂及びケイ酸カルシウムを含有することを特徴としている。
本発明で用いる多環式構造を有する樹脂は、多環式構造を有し樹脂単独でフィルム形成能を有していれば特に限定するものではないが、多層配線板用途では絶縁性や吸湿性の面で優れているエポキシ樹脂が好適に用いられる。また、用いるエポキシ樹脂は、結晶性エポキシ樹脂を1つ以上含むことが好ましい。さらに、用いるエポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を持ち、多環式構造を有していればどのようなものでもよく、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂などがあり、特にナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂などの縮合多環式構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。これらの樹脂の分子量はどのようなものでもよく、何種類かを併用することもできる。また、用いるエポキシ樹脂の一部を反応させてプレポリマー化したエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、用いるエポキシ樹脂は、下記の一般式(1)のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、一般式(2)のアントラセン型エポキシ樹脂、一般式(3)のジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂のいずれか1つ以上を含むことが好ましい。
Figure 0005712488
(但し、一般式(1)中、R1〜R4は同一、又は互いに異なるCm2m+1基を、mは0又は1以上の整数を表す。nは1以上の整数を表す。)
なお、前記一般式(1)中のCm2m+1基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル,iso−プロピル、ブチルなどのアルキル基などが挙げられる。通常、nは1〜10の整数である。なお、Cm2m+1基としては、水素、あるいは、m=1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。
Figure 0005712488
(但し、一般式(2)中、R1〜R4は同一、又は互いに異なるCm2m+1基を、mは0又は1以上の整数を表す。)
なお、前記一般式(2)中のCm2m+1基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル,iso−プロピル、ブチルなどのアルキル基などが挙げられる。なお、Cm2m+1基としては、水素、あるいは、m=1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。
Figure 0005712488
(但し、一般式(3)中、R1は同一、又は互いに異なるCm'2m'+1基を表し、m’は0又は1以上の整数で、nは0〜4の整数を表す。R2は同一、又は互いに異なるCm'2m'+1基を表し、m’は0又は1以上の整数で、mは0〜4の整数を示す。)
なお、前記一般式(3)中のCm'2m'+1基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル,iso−プロピル、ブチルなどのアルキル基などが挙げられる。なお、Cm'2m'+1基としては、水素、あるいは、m’=1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。
また、市販品として、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂としては、NC−3000−H(日本化薬株式会社、商品名)などが、ジヒドロアントラセン構造を有するエポキシ樹脂としては、YX−8800(ジャパンエポキシレジン製、商品名)などが、ナフタレン構造を有するエポキシ樹脂としては、ESN−175(東都化成株式会社製、商品名)などが挙げられる。
本発明で用いるケイ酸カルシウムはどのような形状でもよいが、樹脂の流動性に対する影響を低減するために、球状であることが好ましい。また、無孔質であることが溶剤を使う上で好ましい。平均粒径はどのような粒径を用いても良いが、樹脂中への分散性を高めるために難燃効果を得るために50μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましく、10μm以下が特に好ましい。また、粘度の点から、平均粒径は0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がさらに好ましく、1μm以上が特に好ましい。平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤に粒子を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー〔FPAR−1000;大塚電子(株)製〕を用いて、粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定される。
樹脂組成物において、多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムの配合比率は、多環式構造を有する樹脂100質量部に対し、ケイ酸カルシウムが4から50質量部が好ましく、6から40質量部の範囲がより好ましく、7から30質量部が特に好ましい。多環式構造を有する樹脂100質量部に対して4質量部未満では難燃効果が乏しく、50質量部を超えた場合では多環式樹脂の取扱い性が低下するおそれがある。ケイ酸カルシウムを均一に分散させるため、らいかい機、ホモジナイザー、ビーズミル、ナノマイザー等の分散装置、粉砕装置を用いることが有効である。
樹脂組成物において、多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムを溶解、混合するため、溶剤を加えることが好ましい。溶剤は、多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムを溶解、分散できればどのようなものでもよいが、特にアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が溶解性に優れ、好ましい。これらの溶剤の配合量は、多環式構造を有する樹脂を溶解し、ケイ酸カルシウムと分散ができればどのような量でもよいが、多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムの総量100質量部に対して、30〜300質量部の範囲が好ましく、50〜200質量部の範囲がさらに好ましい。また、上記の溶剤は、組み合わせて用いても構わない。
樹脂組成物において、さらに無機充填剤を配合しても構わないし、添加剤を添加してもかまわない。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム等を使用することができ、特に水酸化アルミニウムが好ましい。無機充填剤の配合量としては、多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムの総量100質量部に対して、300質量部以下とすることが、好ましく、200質量部以下にすることが樹脂組成物(多層配線板用材料)が均一でかつ良好な取扱性を得るためにより好ましい。また、0.5質量部以上とすることが好ましく、1質量部以上とすることがより好ましい。無機充填剤を均一に分散させるため、らいかい機、ホモジナイザー、ビーズミル、ナノマイザー等を用いることが有効である。
添加剤としては、各種シランカップリング剤、硬化促進剤、消泡剤等を使用できる。この配合量としては多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムの総量100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下にすることが樹脂組成物の特性を維持する上でより好ましい。また、0.1質量部以上とすることが好ましく、1質量部以上とすることがより好ましい。
本発明の絶縁性樹脂フィルムは、通常、上述の樹脂組成物を基材表面に塗布乾燥させて得られる。例えば、樹脂組成物のワニスを、基材表面に、バーコータの一種であるコンマ型コータなどを使用し、塗布後、通常、40〜200℃、1〜60分程度で乾燥し、厚み10〜100μmの絶縁樹脂層を有する絶縁性樹脂フィルムを得ることができる。基材は、樹脂組成物を塗布、乾燥できるものであればよく、銅やアルミニウム等の金属箔、ポリエステルやポリイミド等の樹脂製のフィルム、あるいはこれらの樹脂製のフィルムの表面に離型剤を塗布したものなどを用いることができるが、PET(ポリエチレンテレフタレート)、銅箔、アルミ箔等が好ましい。樹脂製のフィルムや金属箔の厚みは、通常3〜200μmである。また、金属箔としては、単層箔だけでは無く、二層以上の複合箔でもよい。また、基材に銅箔を用いた場合は、銅箔をそのまま回路導体として使用することができる利点があり、また基材に離型剤処理が施されていると基材から絶縁性樹脂フィルムを引き剥がす際や基材(支持基材)付絶縁性樹脂フィルムを基板に積層した後、基材(支持基材)だけを剥離する際の作業性を向上させる上で好ましい。
また、本発明の積層板は、基板の片側、あるいは両側に前記の絶縁性樹脂フィルムを配して積層成形して得られる。積層成形条件は特に限定されず、また、積層成形の際、金属箔上に塗布した絶縁性樹脂フィルムを配し、金属張積層板としても良い。あるいは、積層成形の際、基材を剥離した絶縁性樹脂フィルム上に、金属箔を配し、金属張積層板としても良い。基板としては、樹脂板、内層回路板、銅張積層板などが挙げられる。積層板製造時の加熱温度は130〜250℃、より好ましくは160〜200℃で、圧力は0.5〜10MPa、より好ましくは1〜4MPaであり、絶縁性樹脂フィルムの特性や、プレス機の能力、目的の積層板の厚み等により適宜決定する。
また本発明の配線板は上述の積層板に一般的な回路加工を施して得られる。一般的な回路加工として、エッチング法、アディテッブ法、セミアディテッブ法などで、回路形成が可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフラスコに、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂(YX−8800、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)100g、エポキシ樹脂の硬化剤としてベンゾグアナミン(関東化学株式会社製)7.4gとクレゾールノボラック樹脂(KA−1165、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)25.4g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(関東化学株式会社製)127gを投入し、140℃で5時間反応させた。その後、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(NC−3000−H、日本化薬株式会社商品名)65.8g、クレゾールノボラック樹脂(KA−1165、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)59.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(関東化学株式会社製)125gを加え、100℃で30分間加熱溶解した。その後、シリカ(SO−G1、株式会社アドマテックス製商品名)170.4g、水酸化アルミニウム(HP−350、昭和電工株式会社製商品名)208.3g、乳鉢で粉砕したケイ酸カルシウム(関東化学株式会社製、平均粒径10μm)18.9g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(関東化学株式会社製)100g、硬化促進剤2PZ−CN(四国化成工業株式会社商品名):0.5gを投入し、1時間撹拌して目的の樹脂組成物ワニスを得た。
作製した樹脂組成物ワニスを絶縁樹脂層厚みが0.05mmになるように厚み18μm商品名F2−WS銅はく(Rz:2.0μm、Ra:0.3μm)の上に塗布し、160℃で5分間加熱して半硬化(Bステージ状態)の絶縁性樹脂フィルムを得た。銅箔を除去した板厚0.21mmtのMCL−E−679FG(日立化成工業株式会社製商品名)の両側に作製した絶縁性樹脂フィルムを配置し、185℃、90分、1.0MPaのプレス条件で絶縁性樹脂フィルム付積層板を作製した。この絶縁性樹脂フィルム付積層板を過硫酸アンモニウム150g/lの水溶液に40℃−20分間浸漬して銅はくをエッチング除去した。その後、13mm×130mmにサンプルを切り出し、UL−94垂直法に準拠して難燃性(平均燃焼時間(n=5))を評価した。
実施例2
シリカ(SO−G1、株式会社アドマテックス製商品名)を151.5g、乳鉢で粉砕したケイ酸カルシウム(関東化学株式会社製、平均粒径10μm)を37.9gに変えた以外は全て実施例1と同様にして行った。
実施例3
シリカ(SO−G1、株式会社アドマテックス製商品名)を113.6g、乳鉢で粉砕したケイ酸カルシウム(関東化学株式会社製、平均粒径10μm)を75.8gに変えた以外は全て実施例1と同様にして行った。
比較例1
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフラスコに、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂(YX−8800、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)100g、エポキシ樹脂の硬化剤としてベンゾグアナミン(関東化学株式会社製)7.4gとクレゾールノボラック樹脂(KA−1165、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)25.4g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(関東化学株式会社製)127gを投入し、140℃で5時間反応させた。その後、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(NC−3000‐H、日本化薬株式会社商品名)65.8g、クレゾールノボラック樹脂(KA−1165、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)59.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(関東化学株式会社製)1
25gを加え、100℃で30分間加熱溶解した。その後、シリカ(SO−G1、株式会社アドマテックス製商品名)151.5g、水酸化アルミニウム(HP−350、昭和電工株式会社製商品名)255.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(関東化学株式会社製)100g、硬化促進剤2PZ−CN(四国化成工業株式会社商品名):0.5gを投入し、1時間撹拌して樹脂組成物ワニスを得た。
作製した樹脂組成物ワニスを絶縁樹脂層厚みが0.05mmになるように厚み18μm商品名F2−WS銅はく(Rz:2.0μm、Ra:0.3μm)の上に塗布し、160℃で5分間加熱して半硬化(Bステージ状態)の絶縁性樹脂フィルムを得た。銅箔を除去した板厚0.21mmtのMCL−E−679FG(日立化成工業株式会社製商品名)の両側に作製した絶縁性樹脂フィルムを配置し、185℃、90分、1.0MPaのプレス条件で絶縁性樹脂フィルム付積層板を作製した。この絶縁性樹脂フィルム付積層板を過硫酸アンモニウム150g/lの水溶液に40℃−20分間浸漬して銅はくをエッチング除去した。その後、13mm×130mmにサンプルを切り出し、UL−94垂直法に準拠して難燃性を評価した。
比較例2
水酸化アルミニウム(HP−350、昭和電工株式会社製商品名)を208.3gに変え、更にホウ酸カルシウム(UBパウダー、キンセイニマテック株式会社製商品名)43.1gを添加した以外は全て比較例1と同様にして行った。
比較例3
水酸化アルミニウム(HP−350、昭和電工株式会社製商品名)を208.3gに変え、更に乳鉢で粉砕した炭酸カルシウム(関東化学株式会社製)51.1gを添加した以外は全て比較例1と同様にして行った。
実施例で作製したサンプルの燃焼性試験結果を表1に示した。一方、比較例で作製したサンプルの燃焼性試験結果を表2に示した。
Figure 0005712488
Figure 0005712488
(表2中の空欄は、配合無しを表す。)
表1の実施例1〜3の比較から、ケイ酸カルシウム配合量が増えるに従って、平均燃焼時間が短くなっていくことがわかる。また、表1の実施例2の平均燃焼時間が6.3s(秒)であるのに対し、表2の比較例1〜3の平均燃焼時間が9.4〜10.6s(秒)であり実施例2に比較して大幅に長かった(悪かった)。したがって、多環式化合物(多環式構造を有する樹脂)の難燃性向上にはケイ酸カルシウムの配合が特に有効であることがわかる。
本発明によれば、多環式構造を有し樹脂単独でフィルム形成能を有する樹脂にケイ酸カルシウムを配合することで、樹脂組成物からなる難燃性の高い絶縁性樹脂フィルムを得ることができる。

Claims (9)

  1. 樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を基材表面に備える絶縁性樹脂フィルムにおいて、前記樹脂組成物が、多環式構造を有する樹脂ケイ酸カルシウム及びケイ酸カルシウム以外の無機充填剤を含有し、
    ケイ酸カルシウムの配合量が、多環式構造を有する樹脂100質量部に対して、4〜50質量部であり、無機充填剤の配合量が、多環式構造を有する樹脂とケイ酸カルシウムの総量100質量部に対して、0.5〜300質量部であり、
    樹脂組成物を硬化した後の絶縁樹脂層が、UL−94垂直法に準拠して測定した際に、平均燃焼時間が10秒以下となる難燃性を有するものである、ことを特徴とする絶縁性樹脂フィルム。
  2. 無機充填剤が、水酸化アルミニウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の絶縁性樹脂フィルム。
  3. 多環式構造を有する樹脂が、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、ジヒドロアントラセン構造のいずれかを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁性樹脂フィルム。
  4. 多環式構造を有する樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の絶縁性樹脂フィルム。
  5. エポキシ樹脂が、結晶性エポキシ樹脂を1つ以上含むことを特徴とする請求項4に記載の絶縁性樹脂フィルム。
  6. エポキシ樹脂が、下記の一般式(1)のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、一般式(2)のアントラセン型エポキシ樹脂、一般式(3)のジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂のいずれか1つ以上含むことを特徴とする請求項4または5に記載の絶縁性樹脂フィルム。
    Figure 0005712488
    (但し、一般式(1)中、R1〜R4は同一、又は互いに異なるCm2m+1基を、mは0又は1以上の整数を表す。nは1以上の整数を表す。)
    Figure 0005712488
    (但し、一般式(2)中、R1〜R4は同一、又は互いに異なるCm2m+1基を、mは0又は1以上の整数を表す。)
    Figure 0005712488
    (但し、一般式(3)中、R1は同一、又は互いに異なるCm'2m'+1基を表し、m’は0又は1以上の整数で、nは0〜4の整数を表す。R2は同一、又は互いに異なるCm'2m'+1基を表し、m’は0又は1以上の整数で、mは0〜4の整数を示す。)
  7. 基材が、PET(ポリエチレンテレフタレート)または金属箔であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の絶縁性樹脂フィルム。
  8. 基板の片側、あるいは両側に請求項1〜7いずれかに記載の絶縁性樹脂フィルムを配して積層成形してなる積層板。
  9. 請求項8に記載の積層板に回路加工して成る配線板。
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