JP4935056B2 - 印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム - Google Patents

印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラムに関する。
従来、印刷ヘッド検査装置としては、インクジェットプリンタの印刷ヘッドとこの印刷ヘッドに対向する位置に設けられたインク滴を受ける領域(インク受け領域)との間に所定の電位差を発生させることによりノズルから吐出されるインク滴を帯電させ、該帯電したインク滴をインク受け領域に飛翔させ、インク滴がインク受け領域に到達することにより該インク受け領域で発生する電圧変化(誘導電圧)を検出することによりノズルからインク滴が吐出されているか否かを検査するノズル検査を実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−123673号公報(図5)
しかしながら、この特許文献1に記載された印刷ヘッド検査装置では、例えば、インク受け領域と印刷ヘッドとにインク滴が付着してこれらが電気的に繋がると、この付着したインク滴を介して電流がリークしてしまい、印刷ヘッドとインク受け領域との間に所定の電位差が生じないことがあった。このような場合には、安定した精度でノズル検査を実行することができないことがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査を安定した精度で行うことができる印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の印刷ヘッド検査装置は、
複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行する制御手段と、
を備えたものである。
この印刷ヘッド検査装置では、印刷ヘッド内の印刷記録液と印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力を発生させ電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、電位差検出手段によって検出された電位差が許容範囲を下回っているときには、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との相対距離を大きくしたあとノズル検査を実行する。ここで、例えばノズル形成部材と印刷記録液受け領域とに印刷記録液や印刷記録液に由来する成分が接触して電流のリークなどが生じると、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差が予定する値にならないことがある。一般に、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間に生じた電位差が低くなると印刷ヘッドと印刷記録液受け領域との間に生じる電界が弱くなるため印刷記録液受け領域で発生する電気的変化が小さくなり、ノズル検査の精度が低くなる。このため、本発明では、予めノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の許容範囲を定めておき、電位差検出手段により検出された電位差が許容範囲内であればノズル検査を実行し、検出された電位差が許容範囲を下回ったときにはノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離を大きくするというノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが印刷記録液などを介して接触している状態を解消する操作を行うことにより、ノズル検査時のノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の低下を抑制する。この結果、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査を安定した精度で行うことができる。ここで、「所定の許容範囲」とは、例えば、電位差検出手段によって検出された電位差が通常よりも低下しても検査精度を確保可能な範囲としてもよい。
本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記制御手段は、前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ前記距離変更手段に前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域とが通常の検査距離になるようにした状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、一旦前記相対距離を通常の検査距離よりも大きくしたあと該通常の検査距離に戻すよう前記距離変更手段を制御し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になったときには、該通常の検査距離で前記ノズル検査を実行してもよい。こうすれば、一旦ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との相対距離を大きくするというノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが印刷記録液などを介して接触している状態を解消する操作を行ったあと、インクを吐出することにより生じる電気的変化が大きく得られるよう印刷ヘッドと印刷記録液受け領域とが通常の検査距離の状態でノズル検査を実行するため、ノズル検査の精度を確保しやすい。ここで、「通常の検査距離」とは、例えば、ノズル検査の精度を確保可能なノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離のうち最も近い距離としてもよい。
本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になるまで前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御してもよい。こうすれば、できるだけノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離が近い状態で電位差検出手段によって検出された電位差が許容範囲になるようにした上でノズル検査を行うため、ノズル検査の精度を確保しやすい。
本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が小さいほど前記相対距離が大きくなる傾向となるように前記相対距離を定め、該定めた相対距離になるよう前記距離変更手段を制御してもよい。こうすれば、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差に応じた相対距離にするため、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差を許容範囲内にしやすい。
本発明の印刷ヘッド検査装置は、前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、を備え、前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、前記制御手段は、前記ノズル検査で前記ノズルから前記印刷記録液が吐出されない結果が得られたときには、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが接触するよう前記距離変更手段を制御することにより前記キャッピング部材で前記ノズル形成部材に蓋をしたあと前記ノズル形成部材の各ノズルから前記印刷記録液を吸引するよう前記負圧発生手段を制御してもよい。こうすれば、印刷記録液受け領域がキャッピング部材の内部に設けられているため、ノズル検査で吐出したインクを処理しやすいし、ノズル検査後のノズルのクリーニングを迅速に行うことができる。このとき、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御してもよい。こうすれば、キャッピング部材内部の印刷記録液受け領域に存在しノズル形成部材と印刷記録液受け領域とに接触する印刷記録液を除去可能であるため、比較的容易にノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の低下を抑制することができる。このとき、前記ノズル形成部材と前記キャッピング部材とを接触させて前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御してもよいし、前記ノズル形成部材と前記キャッピング部材とを離間させて前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御してもよい。
あるいは、本発明の印刷ヘッド検査装置は、前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、を備え、前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御してもよい。こうすれば、キャッピング部材内部の印刷記録液受け領域に存在しノズル形成部材と印刷記録液受け領域とに接触する印刷記録液を除去可能であるため、比較的容易にノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の低下を抑制することができる。このとき、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御してもよい。こうすれば、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが印刷記録液などを介して接触している状態を一旦解消したあと印刷記録受け領域上の印刷記録液を除去するため、ノズル検査の精度をより確保しやすい。
本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記距離変更手段は、前記ノズル形成部材に対して前記印刷記録液受け領域を接近離間させる手段であってもよい。一般に例えばキャッピング部材などはノズル形成部材に対して接近離間するように構成されているため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することにより新たに距離変更手段を設ける必要がない。あるいは、前記距離変更手段は、前記印刷記録液受け領域に対して前記ノズル形成部材を接近離間させる手段であってもよい。一般に厚さの異なる印刷媒体を印刷するため印刷ヘッドの高さを可変可能に構成することがあるため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することにより新たに距離変更手段を設ける必要がない。
本発明の印刷装置は、複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドと、上述したいずれかに記載の印刷ヘッド検査装置と、を備えたものである。本発明の印刷ヘッド検査装置は、上述したように印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査を安定した精度で行うことができるものであるから、これを備えた印刷装置も同様の効果が得られる。
本発明の印刷ヘッド検査方法は、
複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、前記印刷記録液受け領域と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段とを利用して検査する印刷ヘッド検査方法であって、
(a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生するステップと、
(b)前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行するステップと、
を含むものである。
この印刷ヘッド検査方法では、印刷ヘッド内の印刷記録液と印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力を発生させ電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、電位差検出手段によって検出された電位差が許容範囲を下回っているときには、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との相対距離を大きくしたあとノズル検査を実行する。ここで、例えばノズル形成部材と印刷記録液受け領域とに印刷記録液や印刷記録液に由来する成分が接触して電流のリークなどが生じると、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差が予定する値にならないことがある。一般に、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間に生じた電位差が低くなると印刷ヘッドと印刷記録液受け領域との間に生じる電界が弱くなるため印刷記録液受け領域で発生する電気的変化が小さくなり、ノズル検査の精度が低くなる。このため、本発明では、予めノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の許容範囲を定めておき、電位差検出手段により検出された電位差が許容範囲内であればノズル検査を実行し、検出された電位差が許容範囲を下回ったときにはノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離を大きくするというノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが印刷記録液などを介して接触している状態を解消する操作を行うことにより、ノズル検査時のノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の低下を抑制する。この結果、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査を安定した精度で行うことができる。なお、この印刷ヘッド検査方法において、上述した印刷ヘッド検査装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した印刷ヘッド検査装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した印刷ヘッド検査方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した印刷ヘッド検査方法の各ステップが実行されるため、該印刷ヘッド検査方法と同様の作用効果が得られる。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は本実施形態であるインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図、図2は印刷ヘッド24の電気的接続を表す説明図、図3は紙送り機構31の説明図、図4はキャッピング部材昇降機構90の説明図であり(a)が印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが対向していないときの図、(b)が印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが対向し且つ離間しているときの図、(c)が印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが当接しているときの図であり、図5は印刷ヘッド検査装置50の構成の概略を示す構成図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、プラテン44上を図中奥から手前へと搬送される記録紙Sにインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、駆動モータ33により駆動される紙送りローラ35を含む紙送り機構31と、プラテン44の右端近傍に形成されたキャッピング部材41を昇降させるキャッピング部材昇降機構90(図4参照)と、キャッピング部材41の内部に形成され印刷ヘッド24からインク滴が正常に吐出されるか否かを検査する印刷ヘッド検査装置50と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32によりガイド28に沿って左右に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24とを備えている。キャリッジ22は、メカフレーム80の右側に取り付けられたキャリッジモータ34aとメカフレーム80の左側に取り付けられた従動ローラ34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモータ34aによって駆動されるのに伴って移動する。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。インクカートリッジ26は、図示しないが、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)などの印刷用に用いるインクを各々収納する容器として構成されており、キャリッジ22に着脱可能に装着されている。また、プラテン44の印刷可能領域を外れた左端には、フラッシング領域49が形成されている。このフラッシング領域49は、ノズル23の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときに利用される。
印刷ヘッド24は、図2に示すように、複数のノズル23が穿設されたノズルプレート27がカバーヘッド29(図5参照)により固定されている。このノズルプレート27には、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを吐出する複数のノズル23を配列したノズル列43が設けられている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23と総称し、すべてのノズル列をノズル列43と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列43C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列43M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列43Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列43Kと称する。以下ノズル23Kを用いて説明する。この印刷ヘッド24では、180個のノズル23Kが記録紙Sの搬送方向に沿って配列してノズル列43Kを構成している。ノズル23Kには、インク滴を吐出するための駆動素子として圧電素子48が設けられており、この圧電素子48に電圧をかけることによりこの圧電素子48を変形させてインクを加圧しノズル23Kから吐出する。
この印刷ヘッド24は、各ノズル23Kをそれぞれ駆動する複数の圧電素子48に対応して設けられた複数のマスク回路47を備えている。マスク回路47には、コントローラ70で生成された原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力される。なお、印刷信号PRTnの末尾のnはノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、本実施形態ではノズル列は180個のノズルからなるため、nは1から180のいずれかの整数値となる。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ22が一画素の間隔を横切る時間内)において、図2下部に示すように、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3との3つの駆動波形からなっている。この3つの駆動波形を繰り返し単位とする原信号ODRVを、本実施形態では1セグメントと称する。マスク回路47は、原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力されると、これらの信号に基づいて第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とのうち必要なパルスを駆動信号DRVn(nの意味するところは印刷信号PRTnのnと同じ)としてノズル23Kの圧電素子48に向けて出力する。具体的には、マスク回路47から圧電素子48に第1パルスP1のみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには小さいサイズのドット(小ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、インクジェットプリンタ20では、一画素区間において吐出するインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列43C,43M,43Yについても上記ノズル23Kやノズル列43Kと同様である。また、印刷ヘッド24は、ここでは圧電素子48を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
紙送り機構31は、図3に示すように、給紙トレイ38に載置された記録紙Sを挿入する記録紙挿入口39と、給紙トレイ38に載置された記録紙Sを印刷ヘッド24に供給する給紙ローラ36と、印刷ヘッド24へ記録紙Sやロール紙を搬送する紙送りローラ35と、印刷後の記録紙Sを排紙する排紙ローラ37とを備えている。給紙ローラ36、紙送りローラ35及び排紙ローラ37は、図示しないギヤ機構を介して駆動モータ33(図1参照)により駆動される。なお、給紙ローラ36の回転駆動力と図示しない分離パッドの摩擦抵抗とによって、複数の記録紙Sが一度に給紙されることを防いでいる。図1において、記録紙Sの搬送方向は奥側から手前に向かう方向であり、印刷ヘッド24と共に移動するキャリッジ22の移動方向は記録紙Sの搬送方向と直交する方向(主走査方向)である。
キャッピング部材昇降機構90は、図4に示すように、メカフレーム80内部の図中右側下端に固定されたキャップ部フレーム81と、キャッピング部材41が接続されキャリッジ22の下方且つキャップ部フレーム81の上方を移動可能に支持された接続部材91と、接続部材91を移動可能に支持するリンクアーム92と、キャップ部フレーム81と接続部材91とに接続され接続部材91を図中左下方向に常に付勢する引っ張りバネ96とを備えている。なお、図4では、理解の容易のため、接続部材91に網掛けを施してある。接続部材91は、その一端にはキャリッジ22の右端に形成された当接部84と当接可能に上方に延びる柱状体93が設けられ、他端の上部には当接部84と柱状体93とが当接したときにノズルプレート27と対向する位置にキャッピング部材41が設けられている。また、柱状体93の近傍には、棒状体91aが固定されている。接続部材91の中央下部には、リンクアーム92が支持軸92bを介して接続されている。リンクアーム92の他端には、キャップ部フレーム81の略中央に固定された回動軸92aが挿入されている。したがって、リンクアーム92は、接続部材91を支えた状態で回動軸92aを中心として回動可能に構成されている。キャップ部フレーム81には、両側面に円弧溝81aが形成され、この円弧溝81aには棒状体91aが溝の形状に沿って移動可能なように嵌め込まれている。このキャッピング部材昇降機構90では、当接部84が柱状体93に当接した状態でキャリッジ22が図中右方向に移動すると、印刷ヘッド24のノズルプレート27の面とキャッピング部材41内の検査領域52の面とが水平に対向した状態で右方向に移動しながらキャッピング部材41が印刷ヘッド24に向かって上昇する(図4(a)〜(c)参照)。また、キャッピング部材昇降機構90では、当接部84が柱状体93に当接した状態でキャリッジ22が左方向に移動すると、ノズルプレート27の面と検査領域52の面とが水平に対向した状態で左方向に移動しながらキャッピング部材41が印刷ヘッド24から離れるよう下降する。
印刷ヘッド検査装置50は、図5に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から飛翔したインク滴が着弾可能な検査領域52を有するキャッピング部材41と、検査領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させる電圧印加回路53と、印刷ヘッド24での電圧変化を検出する電圧検出回路54と、印刷ヘッド24と検査領域52との間に生じている電位差を検出する電圧計58とを備えている。
キャッピング部材41は、プラテン44の印刷可能領域から図1中右側に外れた位置に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体であり、開口縁にはシリコンゴムなどの絶縁体からなるシーリング部材42が形成されている。このキャッピング部材41は、ノズル詰まりの有無を検査する際に使用されるほか、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときにも利用される。また、キャッピング部材41には、吸引ポンプ45と開閉バルブ46とが別々に接続され、開閉バルブ46が閉状態のときに吸引ポンプ45が作動するとキャッピング部材41の内部空間に負圧が発生する。キャッピング部材41がノズル23を封止しているときにこの負圧を発生させることにより、ノズル23内のインクが強制的に吸い出される。なお、吸引ポンプ45や開閉バルブ46には伸縮性のあるチューブが接続されている。
検査領域52は、インク滴が直接着弾する上側インク吸収体55と、この上側インク吸収体55に着弾したあと下方に透過してきたインク滴を吸収する下側インク吸収体56と、上側インク吸収体55と下側インク吸収体56との間に配置されたメッシュ状の電極部材57とにより構成されている。上側インク吸収体55は、電極部材57と同電位となるように導電性を有するスポンジによって作製され、その表面が検査領域52となっている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、ここではエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E,ブリジストン(株)製)が用いられている。下側インク吸収体56は、上側インク吸収体55に比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されており、ここでは不織布(商品名:キノクロス,王子キノクロス(株)製)が用いられている。電極部材57は、ステンレス(例えばSUS)製の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側インク吸収体55に一旦吸収されたインクは格子状の電極部材57の隙間を通って下側インク吸収体56に吸収・保持される。この電極部材57は、メカフレーム80(図1参照)を介してグランドに接地されている。ここでは、電極部材57は、導電性を有する上側インク吸収体55と接触しているため、上側インク吸収体55の表面すなわち検査領域52も電極部材57と同様、グランドに接地されている。
電圧印加回路53は、インクジェットプリンタ20の内部で引き回される数ボルトの電気配線の電圧を図示しない昇圧回路を介して数十〜数百ボルトに昇圧し、この昇圧後の電圧をカバーヘッド29を介して印刷ヘッド24のノズルプレート27に印加する回路である。なお、ノズルプレート27に電圧が印加されることにより、印刷ヘッド24内部のインクに電圧が印加される。電圧検出回路54は、ノズルプレート27で電圧変化を検出するように接続され、ノズルプレート27の電圧信号を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号をA/D変換してコントローラ70へ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔・着弾による電圧変化が微弱なことから、同一のノズル23から吐出される複数のインク滴の飛翔・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してコントローラ70に出力するものである。なお、電圧印加回路53と電圧検出回路54とは、ノズルプレート27を固定する導電性を有するカバーヘッド29に接続されている。
コントローラ70は、図1に示すように、メカフレーム80の裏面に取り付けられた図示しないメイン基板上に設けられ、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)79と、図示しない入出力ポートとを備えている。なお、ROM73には、後述するメインルーチンやヘッド検査ルーチン、クリーニング処理ルーチン、印刷処理ルーチンの各処理プログラムが記憶されている。また、RAM74には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域にユーザPC60からI/F79を介して送られてきた印刷データが記憶される。このコントローラ70には、印刷ヘッド検査装置50の電圧検出回路54から出力された電圧信号やリニア式エンコーダ25からのキャリッジ22のポジション信号、電圧計58からの電圧信号(図5参照)などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC60から出力された印刷ジョブなどがI/F79を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24(マスク回路47や圧電素子48を含む)への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号、吸引ポンプ45への動作制御信号、開閉バルブ46への開閉信号、電圧印加回路53への制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPC60への印刷ステータス情報などがI/F79を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。ここでは、まず、メインルーチンの動作について図6に基づいて説明する。図6は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートである。このルーチンは、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとに(例えば数msecごとに)CPU72により繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS100)。ユーザPC60から受信した印刷ジョブは、RAM74に形成された印刷バッファ領域に格納されて印刷待ち状態の印刷ジョブとなるため、印刷ジョブを受信したときに印刷中の場合だけでなく直ちに印刷可能な場合であっても一旦印刷待ち状態の印刷ジョブとなる。そして、ステップS100で印刷待ち状態の印刷ジョブが存在しないときには、そのままこのメインルーチンを終了する。
一方、ステップS100で、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在したときには、各ノズル23からインクが正常に吐出されるか否かを検査するヘッド検査ルーチンを実行する(ステップS110)。図7は、このヘッド検査ルーチンのフローチャートである。ヘッド検査ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、電圧印加回路53のスイッチSWを入れて印刷ヘッド24と検査領域52との間に所定の電位差を発生させ(ステップS200)、キャリッジモータ34aを駆動して印刷ヘッド24が通常検査位置になるようにキャリッジ22を移動する(ステップS210)。通常検査位置は、キャリッジ22がガイド28の最右端に位置し、キャッピング部材41が印刷ヘッド24に当接する位置(ホームポジションともいう。図4(c)参照)に設定されている。キャリッジ22がホームポジションに位置すると、ノズルプレート27と検査領域52とが最も近い距離となる。続いて、CPU72は、電圧計58により計測されたノズルプレート27と検査領域52との間の実測電圧Vsuを入力し(ステップS220)、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているか否かを判定する(ステップS230)。検査許容範囲は、ノズル検査を実行する実測電圧Vsuとノズル検査の結果に基づく検査精度(例えば実際のノズル23の状態とは逆の検査結果となるノズル23の誤検査率など)との関係を実験により求め、この関係に基づいて電流のリークが生じて実測電圧Vsuが低下したとしても十分な検査精度が確保可能である範囲に定められている。ここで、ノズル23から吐出したインクが例えばシーリング部材42やキャッピング部材41の表面などに付着して残ると、ノズルプレート27と検査領域52とが短絡して電流のリークが発生し、ノズルプレート27と検査領域52との間の電圧が低下することがある。この電流のリークなどによる電圧の低下をここでは判定するのである。なお、本実施形態では、電圧印加回路53に十分大きな抵抗R1を接続しているため、検査領域52などで電流がリークしたとしてもその電流は微弱なものであり、安全性は確保されている。
ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、CPU72は、検査領域52などで大きな電流のリークが発生しているものとみなし、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを当接せずに吸引ポンプ45を駆動してキャッピング部材41内部に溜まったインクを吸引させる空吸引処理を実行済みか否かを判定し(ステップS240)、空吸引処理を実行済みでないときには、印刷ヘッド24をキャッピング部材41から離間させると共に空吸引処理を行う(ステップS250)。ここでは、キャリッジモータ34aを駆動してキャリッジ22を図4(c)において左側に移動することにより、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを離間させる。このとき、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とがインクに接触しない程度に十分な距離になるようにキャリッジ22を移動させる。また、空吸引処理は、キャッピング部材41の内部にあるインクが十分吸引される時間だけ行うよう設定されている。続いて、CPU72は、ステップS210で印刷ヘッド24が通常検査位置になるようキャリッジ22を移動する。印刷ヘッド24とキャッピング部材41との距離が短い方が電圧検出回路54で得られる信号の強度が大きくなりノズル検査の精度が高まることから、本実施形態では、できる限り印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが近い状態でノズル検査を実行するように、一旦離間させた印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを再度当接するようキャリッジ22を移動するのである。そして、CPU72は、ステップS220で実測電圧Vsuを入力したあと、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているか否かを再度判定する。
ここで、ステップS210〜S250の処理について図8を用いて具体的に説明する。図8は、キャッピング部材41の空吸引処理の説明図であり、(a)が空吸引処理前の図、(b)が空吸引処理中の図、(c)が空吸引処理後の図である。図8(a)に示すように、ステップS210でキャリッジ22をホームポジションに移動すると、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とがシーリング部材42を介して接触した状態になる。ここで、通常は絶縁体であるシーリング部材42を介しているためノズルプレート27と検査領域52との短絡は起こらないが、キャッピング部材41にインクが残っており、ノズルプレート27と検査領域52とにインクが接触して繋がると電流のリークが発生する。そこで、ノズルプレート27と検査領域52との間の電圧を電圧計58で検出し、検出した実測電圧Vsuが電流のリークが起きていたとしても検査精度を確保可能な検査許容範囲内にあるときには、後述のノズル検査処理(ステップS270以降)を実行する。一方、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、図8(b)に示すように、ステップS250で印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを離間させると共に吸引ポンプ45を駆動してキャッピング部材41内部に存在するインクを吸引除去する。その後、キャリッジ22をホームポジションに移動することにより印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを接触させる。このとき、キャッピング部材41内部に存在するインクが減少するため、ノズルプレート27と検査領域52とのインクによる短絡が抑制される。
ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っていると判定され、ステップS240で空吸引処理を実行済みであると判定されたときには、空吸引処理の実行によっても電流のリークが抑制できなかったものとみなし、CPU72は、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から所定距離だけ離間させる(ステップS260)。ここでは、キャッピング部材41の下降距離に対応するリニア式エンコーダ25の値を予めROM73に記憶しておき、このリニア式エンコーダ25の値に基づいてキャリッジモータ34aを駆動制御してキャリッジ22を移動することにより、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から所定距離だけ離間させる。所定距離は、例えばキャリッジ22の最小移動距離に対応する距離などとしてもよい。そして、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲内にあると判定されるまでステップS220〜240,S260の処理を繰り返す。つまり、実測電圧Vsuが検査許容範囲内にあると判定されるまで所定距離ずつキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させるのである。なお、印刷ヘッド24とキャッピング部材41との距離が検査精度を確保可能な所定の検査可能距離を超えても実測電圧Vsuが検査許容範囲内に入らないときには、印刷ヘッド24からキャッピング部材41を離す操作では実測電圧Vsuの低下が抑制できないものとみなし、その旨のエラーメッセージを図示しない操作パネルに表示してこのルーチンを終了するように設定されている。
ここで、ステップS220〜240,S260の処理について図9を用いて説明する。図9は、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させる説明図であり、(a)がキャッピング部材41と印刷ヘッド24とが接触している図、(b)がキャッピング部材41と印刷ヘッド24とがインクにより接触している図、(c)がキャッピング部材41と印刷ヘッド24とが完全に離間した図である。図9(a)に示すように、ステップS250の空吸引処理で吸引できないインクがシーリング部材42の壁面などにまだ残っていると、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とをシーリング部材42を介して再度接触させたときにこのインクにより電流のリークが生じることがある。このような場合は、図9(b)に示すように、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを所定距離だけ離間させる。しかし、このように離間しても実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを更に所定距離だけ離間させる。そして、図9(c)に示すように、ノズルプレート27と検査領域52とがインクにより接触しなくなると、電流のリークが解消されてノズルプレート27と検査領域52との間の電圧が確保される。
一方、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っていないとき、つまり、実測電圧Vsuが検査許容範囲内にあると判定されたときには、CPU72は、ステップS270〜S340のノズル検査処理を実行する。ここで、ノズル検査について説明する。検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加した状態でインク滴をノズル23から吐出させる実験を実際に行ったところ、ノズルプレート27の出力信号波形がサインカーブとして表れた。このような出力信号波形が得られる原理は明らかではないが、帯電したインク滴が検査領域52に接近するのに伴って静電誘導により誘導電流が流れたことに起因すると考えられる。また、ノズルプレート27からの出力信号波形の振幅は、印刷ヘッド24から上側インク吸収体55(検査領域52)までの距離に依存したほか、飛翔するインク滴の有無やその大きさにも依存した。このため、ノズル23が詰まってインク滴が飛翔しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号波形の振幅が通常時に比べて小さくなるか略ゼロになるから、出力信号波形の振幅に基づいてノズル23の詰まりの有無を判定することができる。本実施形態では、インク滴が所定の大きさであっても1ショット分のインク滴による出力信号波形の振幅が微弱なことから、駆動波形を表す1セグメントの第1〜第3パルスP1,P2,P3のすべてを出力する操作を8回行うことにより24ショット分のインク滴を吐出するようにした。これにより、出力信号は24ショット分のインク滴による積分値となるため、電圧検出回路54からは十分大きな出力信号波形が得られた。
さて、ノズル検査処理が開始されると、CPU72は、検査対象つまりインクを吐出する対象であるノズル列43のうちの1つのノズル23のマスク回路47及び圧電素子48(図2参照)を介してそのノズル23から帯電したインク滴を吐出させる(ステップS270)。続いて、CPU72は、電圧検出回路54で検出された信号波形の振幅すなわち出力電圧Vopを入力し(ステップS280)、入力した出力電圧Vopが閾値Vthr以上か否かを判定する(ステップS290)。この閾値Vthrは、24ショット分のインクが正常に吐出されたときの出力信号波形の出力電圧Vop(ピーク値)が超えるように、また24ショット分のインクが正常に吐出されなかったときにはノイズ等によって超えてしまうことのないように、経験的に定められた値である。ステップS290で出力電圧Vopが閾値Vthr未満だったときには、今回のノズル23に詰まりなどの異常が生じているとみなし、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM74の所定領域に記憶する(ステップS300)。
ステップS300のあと又はステップS290で出力電圧Vopが閾値Vthr以上のとき(つまり今回のノズル23が正常だったとき)、CPU72は現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS310)、現在検査中のノズル列43に未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS320)、その後再びステップS270以降の処理を行う。一方、ステップS310で現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったか否かを判定し(ステップS330)、未検査のノズル列43が存在するときには、検査対象となるノズル列43を未検査のノズル列43に更新し(ステップS340)、その後再びステップS270以降の処理を行う。一方、ステップS340で印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったときには、電圧印加回路53のスイッチSWをオフにし(ステップS350)、このヘッド検査ルーチンを終了する。このルーチンを実行することにより、RAM74の所定領域には、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23がある場合にはそのノズル23を特定する情報が記憶され、異常が発生しているノズル23がない場合には何も記憶されない。
さて、図6のメインルーチンに戻り、上述したヘッド検査ルーチン(ステップS110)を実行したあと、CPU72は、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23があるか否かをRAM74の所定領域の記憶内容に基づいて判定し(ステップS120)、異常が発生しているノズル23があるときには、詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行うが、その前に異常解消のために行ったクリーニングの回数が予め定められた上限回数(例えば3回)に至ったか否かを判定する(ステップS130)。そして、クリーニングの回数が上限回数未満のときには、印刷ヘッド24のクリーニング処理を実行する(ステップS140)。
図10は、クリーニング処理ルーチンのフローチャートである。このクリーニング処理ルーチンが開始されると、CPU72は、キャリッジ22がホームポジションに位置するようにキャリッジモータ34aを駆動することにより、図8(c)に示すようにキャッピング部材41をシーリング部材42を介してノズルプレート27に密着させる(ステップS400)。続いて、開閉バルブ46を閉じ(ステップS410)、吸引ポンプ45の駆動を開始する(ステップS420)。これにより、キャッピング部材41の内部空間が負圧となりノズル23内のインクが吸引される。その後、所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS430)、所定時間が経過していないときにはそのまま待機する。なお、所定時間は、ノズル23内のインクを十分吸引することのできる時間として実験等により予め設定されROM73に記憶されている値である。一方、ステップS430で所定時間が経過したときには吸引ポンプ45の駆動を終了し(ステップS440)、開閉バルブ46を開いて(ステップS450)、このクリーニング処理ルーチンを終了する。このクリーニング処理を実行することにより、ノズル23内に溜まったインク(例えば長期間放置したことにより粘性が高くなったインクなど)を除去することができる。
さて、図6のメインルーチンに戻り、クリーニング処理を実行した後、ノズル23の異常が解消されたか否かを調べるため再びステップS110のヘッド検査ルーチンに戻る。なお、このステップS110では、異常が発生していたノズル23のみを再検査してもよいが、何らかの原因でクリーニング時に正常だったノズル23に詰まりが発生することも考えられることから、印刷ヘッド24のすべてのノズル23について再検査を行う。一方、ステップS130でクリーニングを行った回数が上限回数に達していたときには、クリーニングを行ったとしても異常が発生したノズル23は正常化しないとみなし、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS150)、このメインルーチンを終了する。一方、ステップS120で異常が発生しているノズル23がなかったときには、印刷処理ルーチンを実行し(ステップS160)、その後メインルーチンを終了する。
図11は、この印刷処理ルーチンのフローチャートである。印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、給紙処理を実行する(ステップS500)。給紙処理は、駆動モータ33の駆動により給紙ローラ36(図3参照)を回転駆動させ給紙トレイ38に載置された記録紙Sを紙送りローラ35まで搬送する処理である。次に、CPU72は、キャリッジモータ34aの駆動によりキャリッジ22をホームポジションなどから図1において左方向に移動させながら印刷ヘッド24からインクを吐出させ印刷データに基づいて往路印刷を実行する(ステップS510)。続いて、CPU72は、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがあるか否かを判定し(ステップS520)、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべきデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップS530)、キャリッジモータ34aの駆動によりキャリッジ22を図1において右方向に移動させながら印刷ヘッド24からインクを吐出させ印刷データに基づいて復路印刷を実行する(ステップS540)。続いて、CPU72は、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがあるか否かを判定し(ステップS550)、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべきデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップ560)、ステップS510以降の処理を実行する。一方、ステップS520又はステップS550で現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがないときには、CPU72は、記録紙Sを排紙する排紙処理を実行する(ステップS570)。排紙処理は、排紙ローラ37を回転駆動し、記録紙Sを排紙トレイに排出する処理である。そしてステップS570のあと、次頁の印刷データがあるか否かを判定し(ステップS580)、次頁の印刷データがあるときには再びステップS500に戻り、次頁の印刷データがないときにはこの印刷処理ルーチンを終了する。このように、検査精度を確保した状態でノズル検査を確実に実行し、すべてのノズル23からインクを吐出可能な状態で印刷処理を実行することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のノズルプレート27が本発明のノズル形成部材に相当し、検査領域52が印刷記録液受け領域に相当し、キャッピング部材昇降機構90が距離変更手段に相当し、マスク回路47及び圧電素子48が駆動手段に相当し、電圧印加回路53が電位差発生手段に相当し、電圧計58が電位差検出手段に相当し、電圧検出回路54が電気的変化検出手段に相当し、吸引ポンプ45及び開閉バルブ46が負圧発生手段に相当し、CPU72が制御手段に相当する。なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ20の動作を説明することにより本発明の印刷ヘッド検査方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のインクジェットプリンタ20によれば、ノズルプレート27と検査領域52との間に所定の電位差を発生させた状態で電圧計58によって検出された実測電圧Vsuが検査許容範囲内にあるときには、各ノズル23ごとに順次インクに圧力を発生させ電圧検出回路54によって検出される出力電圧Vopに基づいてノズル検査を実行し、電圧計58によって検出された実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、ノズルプレート27と検査領域52との相対距離を大きくし、その後、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるとノズル検査を実行する。ここで、例えばノズルプレート27と検査領域52とにインクが接触して電流のリークなどが生じると、ノズルプレート27と検査領域52との間の電圧が予定する値にならないことがある。一般に、ノズルプレート27と検査領域52との間に生じた電位差が低くなるとノズルプレート27と検査領域52との間に生じる電界が弱くなるため検査領域52で発生する出力電圧Vopが小さくなり、ノズル検査の精度が低くなる。このため、本発明では、予めノズルプレート27と検査領域52との間の電圧の検査許容範囲を定めておき、電圧計58により検出された実測電圧Vsuが通常の値よりも低下していたとしても検査許容範囲内であればノズル検査を実行し、検出された実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回ったときにはノズルプレート27と検査領域52との距離を大きくするというノズルプレート27と検査領域52とがインクを介して接触している状態を解消する操作を行うことにより、ノズルプレート27と検査領域52との間の電圧の低下を抑制する。この結果、ノズル検査を安定した精度で行うことができる。また、ノズルプレート27と検査領域52との間の実測電圧Vsuが通常の電圧より低下していても検査許容範囲内であれば検査精度を確保可能であるため、確実にノズル検査を実行することができる。
また、一旦ノズルプレート27と検査領域52との相対距離を大きくする操作を行ったあと、出力電圧Vopが大きく得られるよう印刷ヘッド24と検査領域52との距離が近い通常検査位置(ホームポジション)でノズル検査を実行するため、ノズル検査の精度を確保しやすい。更に、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまで相対距離が大きくなるようキャッピング部材昇降機構90を動作させるため、できるだけノズルプレート27と検査領域52との距離が近い状態で実測電圧Vsuが検査許容範囲になるようにした上でノズル検査を行い、ノズル検査の精度を確保しやすい。
更に、検査領域52は、キャッピング部材41の内部に設けられているため、ノズル検査で吐出したインクを処理しやすいし、ノズル検査後のノズル23のクリーニングを迅速に行うことができる。また、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、キャッピング部材41の内部に負圧を発生させるよう吸引ポンプ45及び開閉バルブ46を制御するため、キャッピング部材41内部の検査領域52に存在しノズルプレート27と検査領域52とに接触するインクを除去可能であり、比較的容易に実測電圧Vsuの低下を抑制することができる。更に、一般にキャッピング部材41はノズルプレート27に対して接近離間するように構成されているため、キャッピング部材昇降機構90を本発明の距離変更手段として利用することにより新たにそのような機構を設ける必要がない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、図7のヘッド検査ルーチンのステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させて空吸引処理を1回実行したあと、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまでステップS260でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させるとしたが、ステップS250の空吸引処理を省略してもよい。こうしても、ステップS260でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させる処理を行うため、ノズルプレート27と検査領域52との短絡を解消することができる。あるいは、ステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させたのち空吸引処理を実行し、その後キャッピング部材41と印刷ヘッド24とを接触させて実測電圧Vsuを検出する処理を実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまで複数回繰り返すようにしてもよい。こうしても、空吸引処理により実測電圧Vsuの低下を抑制することができる。このとき、ステップS260のキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させる処理を省略してもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンのステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から十分離間させて空吸引処理を実行するとしたが、キャッピング部材41の内部がノズル23からインクが吸引されない程度の負圧になるようキャッピング部材41を印刷ヘッド24から少しだけ離間させて吸引処理を実行してもよい。こうすれば、キャッピング部材41内部の負圧が大きくなるため、キャッピング部材41内部に存在するインクを除去しやすい。あるいは、印刷ヘッド24をシーリング部材42を介してキャッピング部材41に接触させた状態で吸引処理を実行するとしてもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンのステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させて空吸引処理を実行したあと、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまでステップS260でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させるとしたが、電圧計58によって検出される実測電圧Vsuに基づいてキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させる距離を定め、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、該定めた距離だけキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させてもよい。このとき、電圧計58によって検出された実測電圧Vsuが小さくなると相対距離が大きくなる傾向に相対距離を定めてもよい。こうすれば、ノズルプレート27と検査領域52との間の電位差に応じた相対距離にするため、ノズルプレート27と検査領域52との間の電位差を検査許容範囲内にしやすい。あるいは、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときに、キャッピング部材41と印刷ヘッド24とを実測電圧Vsuに基づいて定めた距離だけ離間し、その後、ステップS240〜260を省略してそのままノズル検査処理を実行してもよい。このとき、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させる距離は、通常時よりも低下した実測電圧Vsuとこの実測電圧Vsuのときに検査許容範囲に入る距離との関係を経験的に求め、この関係を利用して定めてもよい。
上述した実施形態では、ノズルプレート27に対して検査領域52を接近離間させるキャッピング部材昇降機構90について説明したが、検査領域52に対して印刷ヘッド24を接近離間させる印刷ヘッド昇降機構を採用してもよい。一般に厚さの異なる印刷媒体を印刷するため印刷ヘッド24の高さを可変可能に構成することがあるため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することができる。なお、ノズルプレート27に対して検査領域52を接近離間させるキャッピング部材昇降機構90と、検査領域52に対して印刷ヘッド24を接近離間させる印刷ヘッド昇降機構との両方を備えるものとしてもよい。
上述した実施形態では、キャリッジ22の左右方向への移動に伴ってキャッピング部材41が左右方向に移動しながら印刷ヘッド24へ接近離間するキャッピング部材昇降機構90について説明したが、キャッピング部材41を上下に移動可能な機構であれば、特にこれに限定されない。例えば、ホームポジションにキャッピング部材41が配置され、ボールネジによってリニアガイドを上下にスライドするスライダによりキャッピング部材41を上下方向にのみ昇降させるキャッピング部材昇降機構を採用してもよい。こうしても、ノズルプレート27に対して検査領域52を接近離間させることができる。
上述した実施形態では、検査領域52がキャッピング部材41の内部に配置された印刷ヘッド検査装置50について説明したが、図12に示すように、検査領域52がキャッピング部材41の内部以外(例えばフラッシング領域49の近傍など)の場所に配置された印刷ヘッド検査装置50としてもよい。図12は、別の印刷ヘッド検査装置150の説明図であり、(a)がノズルプレート27と検査領域52とが短絡した図、(b)がノズルプレート27と検査領域52との短絡が解消した図である。なお、上述したインクジェットプリンタ20と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。検査領域52を昇降させる検査領域昇降機構98としては、上述の実施形態と同様のものを採用してもよいし、検査領域52を上下方向にのみ昇降させる機構などを採用してもよい。印刷やノズル検査を何度か実行すると検査領域52にはインクに含まれる成分の堆積物が堆積する。このインク堆積物の量が多くなると、図12(a)に示すように、検査領域52上のインク堆積物とノズルプレート27とが接触してしまい、電流のリークが生じてノズルプレート27と検査領域52との間の電圧が低下してしまう。このとき、図12(b)に示すように、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまで検査領域52を印刷ヘッド24から離間させたあとノズル検査を実行してもよい。こうしても、ノズルプレート27と検査領域52との間の電圧の低下を抑制するため、ノズル検査を安定した精度で行うことができる。なお、上述した実施例では、実測電圧Vsuの低下の原因は、キャッピング部材41内部に存在するインクによる電流リークをその原因として説明したが、これに限られず、検査領域52に堆積したインク堆積物など、ノズルプレート27と検査領域52とが短絡して生じるものであれば他の原因による電流リークであってもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンは、メインルーチンのステップS100で印刷待ちの印刷データがあるときにステップS110で実行するとしたが、ヘッド検査ルーチンは、例えば、キャリッジ22の移動回数が所定回数に達するごと(例えば100パスごとなど)に実行するとしてもよいし、所定のインターバルごと(例えば1日ごとや1週間ごとなど)に実行するとしてもよいし、図示しない操作パネルの操作によりユーザからの実行指示を受けて実行するものとしてもよい。また、ヘッド検査ルーチンは、インクジェットプリンタ20の出荷前検査のときに実行するとしてもよい。
上述した実施形態では、クリーニング処理時にキャッピング部材41でノズルプレート27に蓋をして吸引ポンプ45で吸引するようにしたが、クリーニング処理以外でも印刷休止中などにキャッピング部材41でノズルプレート27に蓋をしてもよい。その場合には、吸引ポンプ45の吸引を行わず、蓋をして乾燥を防止するだけでもよい。
上述した実施形態では、電圧検出回路54によりノズルプレート27の出力信号波形を検出するように構成したが、この電圧検出回路54に代えて又は加えて、同様の電圧検出回路を電極部材57とグランドとの間に接続して検査領域52の出力信号波形を検出するように構成してもよい。この場合、ノズル検査時に検査領域52とノズルプレート27との間に所定の電位差を発生させるにあたり、検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加してもよいし、ノズルプレート27をグランドに接地し検査領域52に電圧を印加してもよい。
上述した実施形態では、インクジェットプリンタとして主走査方向に印刷ヘッド24を移動させながら印刷を行う方式を採用したが、印刷ヘッドを印刷媒体の幅方向の印刷領域一杯に長く形成しこれを装置本体に固定配置して印刷媒体のみを搬送しながら印刷を行ういわゆるラインプリンタ(例えば特開2002−200779号公報参照)を採用してもよい。この場合、例えば搬送される記録紙を支持するプラテンを検査領域として兼用し、該プラテン全体をキャッピング部材の内側に設けるようにしてもよい。
上述した実施形態では、キャッピング部材41の内部に上側インク吸収体55及び下側インク吸収体56を設けたが、これらのうち一方又は両方を省略してもよい。例えば、キャッピング部材41の内部に電極部材57のみを配置し、この電極部材57に直接インクを吐出させる構成としてもよい。また、ノズルプレート27内のインクと電極部材57との間に所定の電位差が生じるため、上側インク吸収体55は必ずしも導電性を有している必要はなく、例えば上側インク吸収体55が絶縁性材料で形成されていてもよい。
上述した実施形態では、インクジェット方式を採用したフルカラーのインクジェットプリンタ20としたが、スキャナを搭載したマルチファンクションプリンタとしてもよいし、FAX機やコピー機などの複合印刷装置としてもよい。
インクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図である。 印刷ヘッド24の説明図である。 紙送り機構31の説明図である。 キャッピング部材昇降機構90の説明図である。 印刷ヘッド検査装置50の構成の概略を示す構成図である。 メインルーチンのフローチャートである。 ヘッド検査ルーチンのフローチャートである。 キャッピング部材41の空吸引処理の説明図である。 キャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間する説明図である。 クリーニング処理ルーチンのフローチャートである。 印刷処理ルーチンのフローチャートである。 別の印刷ヘッド検査装置150の説明図である。
符号の説明
20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23,23Y,23M,23C,23K ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、27 ノズルプレート、28 ガイド、29 カバーヘッド、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、36 給紙ローラ、37 排紙ローラ、38 給紙トレイ、39 記録紙挿入口、41 キャッピング部材、42 シーリング部材、43,43Y,43M,43C,43K ノズル列、44 プラテン、45 吸引ポンプ、46 開閉バルブ、47 マスク回路、48 圧電素子、49 フラッシング領域、50,150 印刷ヘッド検査装置、52 検査領域、53 電圧印加回路、54 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c A/D変換回路、55 上側インク吸収体、56 下側インク吸収体、57 電極部材、58 電圧計、60 ユーザPC、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、79 インタフェース(I/F)、80 メカフレーム、81 キャップ部フレーム、81a 円弧溝、84 当接部、90 キャッピング部材昇降機構、91 接続部材、91a 棒状体、92 リンクアーム、92a 回動軸、92b 支持軸、93 柱状体、96 引っ張りバネ、98 検査領域昇降機構。

Claims (14)

  1. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
    前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
    対向した状態の前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行する制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になるまで前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御する、印刷ヘッド検査装置。
  2. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
    前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
    対向した状態の前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、
    前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、
    前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行する制御手段とを備え
    前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、
    前記制御手段は、前記ノズル検査で前記ノズルから前記印刷記録液が吐出されない結果が得られたときには、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが接触するよう前記距離変更手段を制御することにより前記キャッピング部材で前記ノズル形成部材に蓋をしたあと前記ノズル形成部材の各ノズルから前記印刷記録液を吸引するよう前記負圧発生手段を制御する、印刷ヘッド検査装置。
  3. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
    前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
    対向した状態の前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、
    前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、
    前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行する制御手段とを備え
    前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、
    前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御する、印刷ヘッド検査装置。
  4. 前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御する、
    請求項に記載の印刷ヘッド検査装置。
  5. 前記制御手段は、前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ前記距離変更手段に前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域とが所定の検査距離になるようにした状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、一旦前記相対距離を前記所定の検査距離よりも大きくしたあと該所定の検査距離に戻すよう前記距離変更手段を制御し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になったときには、該所定の検査距離で前記ノズル検査を実行する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷ヘッド検査装置。
  6. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
    前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
    対向した状態の前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行する制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が小さいほど前記相対距離が大きくなる傾向となるように前記相対距離を定め、該定めた相対距離になるよう前記距離変更手段を制御する、印刷ヘッド検査装置。
  7. 前記距離変更手段は、前記ノズル形成部材に対して前記印刷記録液受け領域を接近離間させる手段である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の印刷ヘッド検査装置。
  8. 前記距離変更手段は、前記印刷記録液受け領域に対して前記ノズル形成部材を接近離間させる手段である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の印刷ヘッド検査装置。
  9. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドと、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の印刷ヘッド検査装置と、
    を備えた印刷装置。
  10. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、対向した状態の前記印刷記録液受け領域と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段とを利用して検査する印刷ヘッド検査方法であって、
    (a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生するステップと、
    (b)前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行するステップと、をみ、
    前記ステップ(b)では、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になるまで前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御する、印刷ヘッド検査方法。
  11. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、対向した状態の前記印刷記録液受け領域と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、を利用して検査する印刷ヘッド検査方法であって、
    前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、
    (a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生するステップと、
    (b)前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行するステップと、をみ、
    前記ステップ(b)では、前記ノズル検査で前記ノズルから前記印刷記録液が吐出されない結果が得られたときには、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが接触するよう前記距離変更手段を制御することにより前記キャッピング部材で前記ノズル形成部材に蓋をしたあと前記ノズル形成部材の各ノズルから前記印刷記録液を吸引するよう前記負圧発生手段を制御する、印刷ヘッド検査方法。
  12. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、対向した状態の前記印刷記録液受け領域と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、を利用して検査する印刷ヘッド検査方法であって、
    前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、
    (a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生するステップと、
    (b)前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行するステップと、をみ、
    前記ステップ(b)では、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御する、印刷ヘッド検査方法。
  13. 複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、対向した状態の前記印刷記録液受け領域と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段とを利用して検査する印刷ヘッド検査方法であって、
    (a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生するステップと、
    (b)前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内にあるときには、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行し、前記ステップ(a)のあと前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行するステップと、をみ、
    前記ステップ(b)では、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が小さいほど前記相対距離が大きくなる傾向となるように前記相対距離を定め、該定めた相対距離になるよう前記距離変更手段を制御する、印刷ヘッド検査方法。
  14. 請求項10〜13のいずれか1項に記載の印刷ヘッド検査方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
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