JP5239491B2 - ノズルの吐出状態検査方法および吐出状態検査機構並びに液滴吐出装置 - Google Patents

ノズルの吐出状態検査方法および吐出状態検査機構並びに液滴吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、対向させた液滴吐出ヘッドとヘッドキャップとの間に電位差を形成し、液滴吐出ヘッドのノズルから帯電した液滴を吐出させ、液滴がヘッドキャップに着弾したときに発生させる電気的変化に基づいてノズルから液滴が正常に吐出しているか否かを判定するノズルの吐出状態検査方法、および吐出状態検査機構に関する。また、このような吐出状態検査機構を搭載している液滴吐出装置に関する。
インクジェットプリンタなどの液滴吐出装置において、インクジェットヘッドのインクノズルに目詰まりが発生していたり、インクノズル内に気泡が残留していたり、ノズル面に異物が付着していたりすると、インクノズルからインク滴が正常に吐出されなくなる。インク滴が正常に吐出されないと、特定の色インクによる印刷が行われずに所望の発色が得られなかったり、印刷の一部が欠けたりする印刷不良が発生する。このため、医療機関などで医薬品等に貼り付けられるラベルなどを印刷する場合にはインクノズルのインク吐出状態を検査し、インク吐出状態が正常であることが確認された後に印刷を行うことにより、印刷不良に起因する色間違いや誤読によって発生する医療ミスを未然に防止している。インクノズルのインク吐出状態を検査するためのインク吐出状態検査機構を備えたインクジェットプリンタは、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2003−118133号公報
インク吐出状態検査機構としては、対向させたインクジェットヘッドとヘッドキャップとの間に電位差を形成し、帯電したインク滴をインクジェットヘッドのインクノズルから吐出させ、このインク滴がヘッドキャップに着弾することにより一時的に発生する誘導電流を電圧変化として検出し、この電圧変化の最大振幅が閾値以上の場合にインクノズルからインク滴が正常に吐出されていると判定するものが提案されている。
このようなインク吐出状態検査機構では、インク吐出状態が正常ならば所定の誘導電流が発生するので、これを電圧変化として検出することにより所定の振幅から減衰していく波形を得ることができる。これに対して、インク滴が正常に吐出されていない場合には所定の誘導電流が発生しないので、所定の振幅を有する波形が得られない。従って、電圧変化の最大振幅が閾値以上の場合には、インクノズルのインク吐出状態は正常であると判定できる。
ここで、インク吐出状態が正常か否かを判定するための回路基板はインク滴が付着することがないようにヘッドキャップから離れた位置に配置する必要があるので、ヘッドキャップ内で発生した誘導電流はリード線を介して回路基板に入力されるようになっている。このため、インク吐出状態を検査しているときに操作者がインクジェットプリンタに触れるなどしてインク吐出状態検査機構に外部から一時的な衝撃が加わると、リード線が揺れ、このリード線の揺れにより発生した誘導電流が閾値を超える電圧変化として検出されてしまうことがある。すなわち、外部から一時的な衝撃が加わったときには、インクノズルからインク滴が正常に吐出されていないにも拘わらず、インクノズルのインク吐出状態は正常であると判定されてしまうという問題がある。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ノズルからインク滴のような液滴が正常に吐出されていないにも拘わらず、吐出状態は正常であると判定してしまうことがないノズルの吐出状態検査方法および吐出状態検査機構並びに液滴吐出装置を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施例のノズルの吐出状態検査方法は、対向させた液滴吐出ヘッドとヘッドキャップとの間に電位差を形成し、前記液滴吐出ヘッドのノズルから滴を吐出させ、前記電位差により帯電した前記液滴が前記ヘッドキャップに着弾することにより生させる信号を検出し、前記液滴が吐出させられてから所定期間内に検出した前記信号の振幅と、前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅とに基づき前記ノズルの吐出状態を判定することを特徴とする。
本発明において、前記所定期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値より小さい場合、または前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅が第2閾値以上の場合には、前記吐出状態は異常であると記判定することが、望ましい。
本発明において、前記所定期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合には、前記ノズルの吐出状態は正常であると判定し、前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅が第2閾値以上の場合には、吐出状態は正常であるとの前記判定を取り消すことが、望ましい。
本発明は、液滴が吐出させられた時点から所定期間内に検出した信号の最大振幅が第1閾値以上の場合にはノズルの吐出状態は正常であると判定し、所定期間経過後の信号の振幅が第2閾値以上の場合には、先にされた正常であるという判定を取り消している。すなわち、液滴の着弾によりヘッドキャップ内に発生する一時的な誘導電流に基づく信号を検出すると信号の波形は所定の振幅から減衰していく波形になるので、最大振幅が予め設定した第1閾値以上あればノズルの吐出状態は正常であると判定できる。一方、所定期間経過後においても信号の振幅が減衰しておらず予め設定した第2閾値以上となっている場合には、検出している信号に衝撃に起因して発生した誘導電流がノイズとして含まれている可能性が高い。また、吐出状態は正常であるとの判定は、所定期間内においてノイズが含まれている信号の最大振幅に基づいて行われた可能性が高いことになる。従って、このような場合に正常であるとの判定を取り消せば、ノズルから液滴が正常に吐出されていないにも拘わらず、ノズルの吐出状態は正常であると判定されることを回避できる。
本発明において、前記所定期間は、正常に吐出させられた液滴が着弾したとき検出される前記信号の振幅が減衰して0になるまでの経過時間であることが望ましい。このようにすれば、信号にノイズが含まれている場合にだけ、所定期間経過後の信号の振幅が検出される。
本発明において、前記所定期間の前半の第1期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合に前記ノズルの吐出状態は正常であると判定し、前記所定期間の後半の第2期間内に検出した前記信号の振幅は無視することを特徴とすることが望ましい。液滴の着弾による一時的な誘導電流に基づく信号を検出すると、その信号の波形は所定の振幅から減衰していく波形になる。また、着弾に起因する誘導電流によって得られる信号の振幅の最大値は最初に現れる。従って、所定期間の前半の第1期間内に検出した信号の最大振幅に基づけば、ノズルの吐出状態は正常であると判定することができる。また、所定期間の後半の第2期間内では信号の振幅は減衰しているはずなので、第2期間内に検出した信号の振幅を無視すれば、第2期間内に衝撃による誘導電流に起因した信号が検出されても、ノズルから液滴が正常に吐出されていると判定してしまうことを回避できる。
本発明において、所定期間経過後の信号の振幅はノイズが含まれていなければ殆ど0になっているはずである。従って、信号にノイズが含まれていることを確実に検出するためには、前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい値であることが望ましい。
次に、本発明の一実施例のノズルの吐出状態検査機構は、液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドに対向するように配置したヘッドキャップと、前記液滴吐出ヘッドと前記ヘッドキャップとの間に電圧を印加する電位差形成と、前記液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる吐出と、前記液滴が吐出させられてからの時間を計測するための計測と、前記液滴が前記ヘッドキャップに着弾することにより生させる信号を検出する信号検出と、前記液滴が吐出させられてから所定期間内に検出した前記信号のと、前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅とに基づき前記ノズルの吐出状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする。
本発明において、前記判定部は、前記所定期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値より小さい場合、または前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅が第2閾値以上の場合には、前記吐出状態は異常であると判定することが、望ましい。
本発明において、前記判定部は、前記定期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合には、前記ノズルの吐出状態は正常であると判定し、前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅が第2閾値以上の場合には、吐出状態は正常であるとの前記判定を取り消す判定取り消しとを有することが、望ましい。
本発明は、液滴が吐出させられた時点から所定期間内に検出した信号の最大振幅が第1閾値以上の場合にはノズルの吐出状態は正常であると判定する判定手段と、所定期間経過後の信号の振幅が第2閾値以上の場合には、先にされた正常であるという判定を取り消す判定取り消し手段を有している。すなわち、液滴の着弾によりヘッドキャップ内に発生する一時的な誘導電流に基づく信号として検出すると信号の波形は所定の振幅から減衰していく波形になるので、判定手段は、最大振幅が予め設定した第1閾値以上あればノズルの吐出状態は正常であると判定できる。一方、所定期間経過後においても信号の振幅が減衰しておらず予め設定した第2閾値以上となっている場合には、検出している信号に衝撃に起因して発生した誘導電流によるノイズが含まれている可能性が高い。また、判定手段による吐出状態は正常であるとの判定は、ノイズが含まれている信号の最大振幅に基づいて行われた可能性が高いことになる。従って、このような場合に、判定取り消し手段が正常であるとの判定を取り消せば、ノズルから液滴が正常に吐出されていないにも拘わらず、ノズルの吐出状態は正常であると判定されることを回避できる。
本発明において、前記所定期間は、正常に吐出させられた液滴が着弾したとき検出される前記信号の振幅が減衰して0になるまでの経過時間であることが望ましい。このようにすれば、信号にノイズが含まれている場合にだけ、所定期間経過後の信号の振幅が検出される。
本発明において、前記判定手段は、前記所定期間の前半の第1期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合に前記ノズルの吐出状態は正常であると判定し、前記所定期間の後半の第2期間内に検出した前記信号の振幅は無視することが望ましい。液滴の着弾による一時的な誘導電流に基づく信号として検出すると、その信号の波形は所定の振幅から減衰していく波形になる。また、着弾に起因する誘導電流によって得られる信号の振幅の最大値は最初に現れる。従って、判定手段は、所定期間の前半の第1期間内に検出した信号の最大振幅に基づけば、ノズルの吐出状態は正常であると判定することができる。また、所定期間の後半の第2期間内では信号の振幅は減衰しているはずなので、第2期間内に検出した信号の振幅を無視すれば、第2期間内に衝撃による誘導電流に起因した信号が検出されても、ノズルから液滴が正常に吐出されていると判定してしまうことを回避できる。
本発明において、所定期間経過後の信号の振幅はノイズが含まれていなければ殆ど0になっているはずである。従って、信号にノイズが含まれていることを確実に検出するためには、前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい値であることが望ましい。
次に、本発明は、上記のノズルの吐出状態検査機構を搭載している液滴吐出装置とすることができる。
本発明は、液滴が吐出させられた時点から所定期間内に検出した信号の最大振幅が第1閾値以上の場合にはノズルの吐出状態は正常であると判定し、所定期間経過後の信号の振幅が第2閾値以上の場合には、先にされた正常であるという判定を取り消している。すなわち、液滴の着弾によりヘッドキャップ内に発生する一時的な誘導電流に基づく信号として検出すると信号の波形は所定の振幅から減衰していく波形になるので、最大振幅が予め設定した第1閾値以上あればノズルの吐出状態は正常であると判定できる。一方、所定期間経過後においても信号の振幅が減衰しておらず予め設定した第2閾値以上となっている場合には、検出している信号に衝撃に起因して発生した誘導電流によるノイズが含まれている可能性が高い。また、吐出状態は正常であるとの判定は、ノイズが含まれている信号の最大振幅に基づいて行われた可能性が高いことになる。従って、このような場合に正常であるとの判定を取り消せば、ノズルから液滴が正常に吐出されていないにも拘わらず、ノズルの吐出状態は正常であると判定されることを回避できる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(インクジェットプリンタ)
図1は本発明を適用した液滴吐出装置であるインクジェットプリンタの斜視図である。図1(a)はロール紙カバーおよびインクカートリッジカバーを閉じた状態であり、図1(b)はそれらロール紙カバーおよびインクカートリッジカバーを開けた状態である。
本例のインクジェットプリンタ1はロール紙2から繰り出される長尺状の記録紙3に印刷を行うロール紙プリンタである。全体としてほぼ直方体形状をしたプリンタ本体4を有しており、プリンタ本体4の外装ケース4aの前面には所定幅の記録紙排出口5が形成されている。記録紙排出口5の下側には排紙ガイド6が前方に吐出しており、この排紙ガイド6の側方にはカバー開閉レバー7が配置されている。外装ケース4aにおける排紙ガイド6およびカバー開閉レバー7の下側には、ロール紙2出し入れ用の矩形の開口部4bが形成されており、この開口部4bは開閉蓋8によって封鎖されている。
カバー開閉レバー7を操作すると、ロックが解除されて開閉蓋8を開くことができる。開閉蓋8が開くと、図1(b)に示すように、プリンタ本体4の内部に形成されているロール紙収納部9が開放状態となる。同時に、印刷位置を規定しているプラテン10が開閉蓋8と共にプリンタ本体4の外側まで移動して、ロール紙収納部9から記録紙排出口5に到る記録紙3の搬送路が開放状態になる。従って、プリンタ本体4の前面側からロール紙2の交換作業などを簡単に行うことができる。
開閉蓋8の側方にはインクカートリッジカバー11が取り付けられている。インクカートリッジカバー11は、その上端縁部分11aを手前に引くことによって、下端部を中心として前方にほぼ水平になるまで開く。インクカートリッジカバー11が開かれると、図1(b)に示すように、インク液を封入したインクカートリッジ12を装着するためのインクカートリッジ装着部13が手前に引き出されるので、インクカートリッジ12の装着や取り外しを簡単に行うことができる。
図2はインクジェットプリンタ1の内部の機構を示す斜視図であり、プリンタ本体4から外装ケース4aおよび開閉蓋8を取り外した状態を示している。インクジェットプリンタ1の内部には、プリンタ本体フレーム15における幅方向の中央部分にロール紙収納部9が形成されており、このロール紙収納部9にはロール紙2がプリンタ幅方向に向いた横置き状態で収納される。ロール紙収納部9の右側の部位には、インクカートリッジ装着部13に装着されたインクカートリッジ12を収納するためのインクカートリッジ収納部16が形成されている。インクカートリッジ収納部16の上方には、インクジェットヘッド17の各インクノズルからインク滴が正常に吐出されているか否かを検査するインク吐出状態検査機構18が配置されている。なお、インク吐出状態検査機構18の詳細は後述する。ロール紙収納部9の右側の部位には、インクジェットプリンタ1の駆動制御を司る制御部のメイン基板20が収納されている。
ロール紙収納部9およびインク吐出状態検査機構18の上方には、プリンタ本体フレーム15の上端にヘッドユニットフレーム21が水平に取り付けられている。ヘッドユニットフレーム21には、インクジェットヘッド17、インクジェットヘッド17を搭載しているキャリッジ22、キャリッジ22のプリンタ幅方向への移動をガイドするキャリッジガイド軸23が配置されている。また、キャリッジ22をキャリッジガイド軸23に沿って往復移動させるためのキャリッジモータ24およびタイミングベルト25を備えたキャリッジ搬送機構が配置されている。図2に示す状態は、インクジェットヘッド17がキャリッジガイド軸23の右端の待機位置まで移動させられた状態である。待機位置はインク吐出状態検査機構18の直上である。
インクジェットヘッド17はインクノズルが形成されているノズル面17aが下向きになるようにしてキャリッジ22に搭載されている。ロール紙収納部9の上方において、ノズル面17aと一定のギャップを開けて対向する位置には、プリンタ幅方向に水平に延びるプラテン10が配置されている。
プラテン10の前端側の部位には前側紙送りローラ26が配置されている。プラテン10の後側の部位には、後側紙送りローラ27がプリンタ幅方向に水平に架け渡されている。前側紙送りローラ26および後側紙送りローラ27には、上方から不図示の紙押さえローラが所定の押圧力で押し付けられている。また、前側紙送りローラ26および後側紙送りローラ27には、プリンタ本体フレーム15に搭載されている不図示の紙送りモータの駆動力が伝達されている。紙送りモータを駆動すれば、印刷位置を通過するように引き出された記録紙3は、ロール紙収納部9から記録紙排出口5に向う搬送方向に搬送される。
(インク吐出状態検査機構)
図3はインク吐出状態検査機構18を取り出して示す部分斜視図である。図4はインク吐出状態検査機構の機能ブロック図である。
インク吐出状態検査機構18は、プリンタ本体4の前後方向に細長く延びているハウジング30と、このハウジング30の前側部分に上下方向に移動可能な状態で搭載されているヘッドキャップ31と、ヘッドキャップ31から離れた位置に配置されている回路基板32(図4参照)とを有している。ハウジング30がプリンタ本体フレーム15に取り付けられると、ヘッドキャップ31は待機位置にあるインクジェットヘッド17のノズル面17aと正対する。
ヘッドキャップ31は、インクジェットヘッド17のノズル面17aのノズル形成領域を覆うことが可能な上端開口31aを備えた箱型をしており、ゴムなどの弾力性のある素材で形成されている。インクジェットヘッド17が待機位置にあるときにヘッドキャップ31を上昇させると、上端開口31aの開口縁部分31bがノズル面17aに密着してノズル形成領域を覆うことができる。
ヘッドキャップ31の凹部内には、図4に示すように、インクノズル17bから吐出されたインク滴17cを吸収するインク吸収材33と、ステンレス鋼からなる導電板34が配置されている。導電板34はその上面が上端開口31aよりも僅かに下方に後退するようにインク吸収材33に載せられている。また、導電板34の下面部分には回路基板32に繋がるリード線35が接続されている。
回路基板32には、ヘッドキャップ31とインクジェットヘッド17とを狭い間隔で対向させ、これらの間に電位差を形成する電位差形成手段36と、インクノズル17bからインク滴17cを吐出させるインク吐出手段37と、インク滴17cが吐出させられた時点からの時間を計測するための計測手段38が構成されている。また、リード線35を介して取り出される誘導電流を電圧変化(信号)として検出する電圧変化検出手段39(信号検出手段)と、インク滴17cが吐出させられた時点から所定期間内に検出された電圧変化に基づいてインクノズル17bのインク吐出状態は正常であるか否かを判定する判定手段40と、所定期間経過後に検出された電圧変化に基づいて電圧変化にノイズが含まれているか否かを判定し、電圧変化にノイズが含まれている場合には判定手段40の正常であるとの判定を取り消す判定取り消し手段41が構成されている。また、インク吐出状態の判定および電圧変化にノイズが含まれているか否かの判定をインクノズル17b毎に記憶保持するレジスタ42を備えている。計測手段38、電圧変化検出手段39、判定手段40、判定取り消し手段41は、CPUやメモリから構成される。電圧変化検出手段39は、さらにA/D変換器も含む。なお、インク吐出状態検査機構18を構成している各手段の一部をインクジェットプリンタ1の駆動制御を司る制御部とともにメイン基板20の側に構成しておいてもよい。
電位差形成手段36は、ヘッドキャップ31を上昇させて、待機位置にあるインクジェットヘッド17のノズル面17aとインク吸収材33の上面33aとの間に狭い隙間を形成する。また、インクジェットヘッド17とヘッドキャップ31との間に電位差を形成するために、導電板34に電圧を印加する。本例では、インクジェットヘッド17は接地されているので、ヘッドキャップ31の側に高電圧が印加される。
インク吐出手段37は、インク滴を吐出させる吐出指令に基づいて検査対象のインクノズル17bからインク滴17cを吐出させる。吐出させられたインク滴17cは、狭い隙間で対向しているインクジェットヘッド17とヘッドキャップ31との電位差によって、マイナスに帯電した状態で飛翔する。
計測手段38は、インク吐出手段37がインク滴17cを1ショットずつ吐出させるタイミングと同じタイミングのパルスを生成させている。
電圧変化検出手段39は、帯電したインク滴17cがヘッドキャップ31に着弾することによりヘッドキャップ31内に一時的に発生させる誘導電流を、リード線35を介して取り出して、電圧変化として検出する。微小な誘導電流を増幅して電圧変化として検出する回路は周知の回路を用いることができる。
図5(a)はインクノズル17bからインク滴17cが正常に吐出された場合に電圧変化検出手段39によって検出される電圧変化の基本波形Aと基準パルスである。基本波形Aを基準パルスの時系列に沿って説明すると、最初の4パルスはインク吐出手段37に吐出指令が入力される期間である。1パルス毎に吐出指令が入力され、吐出指令により1ショットのインク滴17cが吐出させられる。従って、検査対象のインクノズル17bからは4ショット分のインク滴17cが吐出される。24パルスまでの期間には、4ショット分のインク滴17cが着弾することによってヘッドキャップ31内に一時的に発生した誘導電流による電圧変化が基本波形Aとして現れている。基本波形Aは、最初に所定の最大振幅Lが現れ、しかる後に、その振幅が減衰し、24パルスがカウントされた時点で殆ど0になる。
これに対して、インク滴17cの吐出量が規定よりも少ない場合に検出される電圧変化の波形は、例えば、図5(b)の実線で示す波形Bとなる。すなわち、インク滴17cがヘッドキャップ31に着弾しても所定の誘導電流は発生しないので、波形Bの最大振幅Mは基本波形Aの最大振幅Lよりも小さくなる。また、その振幅が減衰して0になるまでの経過時間も短くなる。なお、インク滴17cが吐出されなかった場合には、所定の誘導電流が発生しないので、電圧変化の振幅は検出されず、最大振幅Lは0になる。
判定手段40はインク滴17cが吐出させられてから所定期間内に検出された電圧変化の最大振幅Lと第1閾値Qとを比較して、最大振幅Lが第1閾値Q以上の場合にインクノズル17bのインク吐出状態は正常であると判定する。最大振幅Lが第1閾値Qよりも小さい場合にはインク吐出状態は不良であると判定する。そして、これらの判定をレジスタ42に記憶保持する。
第1閾値Qは、図5(a)に示すように、基本波形Aに基づいて、最大振幅Lよりも小さい適切な値に予め設定されている。また、所定期間は基本波形Aの振幅が減衰して0になるまでの経過時間である24パルス分とすることができる。
ここで、基本波形Aの最大振幅Lは電圧変化の最初に表れているので、本例では、所定期間を前半の12パルス分からなる第1期間Sと後半の12パルス分から第2期間Tとに分け、判定手段40は、第1期間S内に検出した電圧変化の最大振幅Lが第1閾値Q以上の場合にインクノズル17bのインク吐出状態は正常であると判定し、第2期間T内に検出した電圧変化の振幅を無視(マスク)するようにしている。すなわち、検出される電圧変化の振幅は所定期間の後半の第2期間T内では減衰しているはずなので、この第2期間T内に最大振幅Lが現れることはない。また、第2期間T内に第1閾値Q以上の最大振幅Lが現れたとすればその振幅にはノイズが含まれていることになる。従って、第2期間T内に検出する振幅を無視することにより、ノイズによる誤判定を回避している。
判定取り消し手段41は、電圧変化にノイズが含まれているか否かを判定し、その判定をレジスタ42に記憶保持するノイズ判定手段43と、レジスタ42に記憶保持された判定手段40の判定およびノイズ判定手段43の判定に基づいて、検査対象のインクノズル17bを設定してインク吐出手段に吐出指令を入力する検査対象設定手段44を備えている。
ノイズ判定手段43は、所定期間経過後の12パルス分の第3期間U内に検出されている電圧変化の振幅と第2閾値Rとを比較して、第3期間U内に第2閾値R以上の振幅が検出された場合には電圧変化にノイズが含まれていると判定する。第3期間U内に検出された電圧変化の振幅が第2閾値Rよりも小さい場合には電圧変化にノイズが含まれていないと判定する。また、これらの判定をレジスタ42に記憶保持する。
第2閾値Rは、図5(a)に示すように、基本波形Aに基づいて予め適切な値に設定されている。すなわち、電圧変化検出手段39によって検出される基本波形Aの振幅は所定期間経過後には0になっているので、第2閾値Rは第1閾値Qよりも小さな値であり、かつ、0に近い値に設定されている。
検査対象設定手段44は、レジスタ42にインク吐出状態は正常であるとの判定と電圧変化にノイズが含まれているとの判定が記憶保持されている場合には、検査対象のインクノズル17bを変更することなく、インク吐出手段37に吐出指令を入力する。これにより、検査対象のインクノズル17bに対する再検査が開始されるので、判定手段40による先の判定は取り消される。
一方、レジスタ42にインク吐出状態は不良であるとの判定と電圧変化にノイズが含まれているとの判定が記憶保持されている場合には、検査対象設定手段44は検査対象のインクノズル17bを変更してインク吐出手段37に吐出指令を入力する。これにより、インク吐出状態検査は次のインクノズル17bに移るので、当該インクノズル17bに対するインク吐出状態は不良であるとの判定はレジスタ42で維持される。
さらに、レジスタ42に電圧変化にノイズが含まれていないとの判定が記憶保持されている場合には、検査対象設定手段44は検査対象のインクノズル17bを変更してインク吐出手段37に吐出指令を入力する。これにより、インク吐出状態検査は次のインクノズルに移るので、判定手段40がレジスタ42に記憶保持させた判定に拘わらず、その判定はレジスタ42で維持される。
なお、全てのインクノズル17bに対する検査が終了し、検査対象となる未検査のインクノズル17bがない場合には、検査対象設定手段44はインク吐出状態検査を終了させる。
ここで、レジスタ42にインク吐出状態は正常であるとの判定と電圧変化にノイズが含まれているとの判定が記憶保持されている場合は、インク吐出状態を検査しているときに操作者がインクジェットプリンタに触れるなどしてインク吐出状態検査機構に外部から一時的な衝撃が加わったときに発生する。すなわち、衝撃が加わると、導電板34と回路基板32とを電気的に接続しているリード線35が揺れてしまい、このリード線35の揺れによる誘導電流が比較的大きく長時間発生する。電圧変化検出手段39はこの誘導電流をインク滴17cの着弾による誘導電流と同様に電圧変化として検出するので、電圧変化にはノイズが含まれる。ノイズは電圧変化の振幅を増大させるので、判定手段40にインク吐出状態は正常であるとの判定をさせる。
例えば、インク滴17cの吐出量が規定よりも少ないときには、電圧変化検出手段39は図5(b)の波形Bを検出するので、判定手段40は、インク吐出状態は不良であると判定するはずである。これに対して、インク吐出状態を検査しているとき衝撃が加わると、リード線35の揺れによる誘導電流とインク滴17cの着弾による誘導電流とが合成されるので、電圧変化検出手段39が検出する電圧変化は図5(b)の一点鎖線で示す波形Cになる。波形Cの電圧変化の最大振幅Nは第1期間S内に第1閾値Qを超えているので、判定手段40は、インク吐出状態は正常であると判定して、これをレジスタ42に記憶保持する。
一方、リード線35の揺れによる誘導電流とインク滴17cの着弾による誘導電流とが合成された場合の電圧変化の波形Cは、振幅が基本波形Aよりも大きく、かつ、その振幅が減衰して0になるまでの時間が基本波形Aよりも長いので、第3期間U内に第2閾値R以上の振幅が検出さる。従って、ノイズ判定手段43は電圧変化にノイズが含まれていると判定し、これをレジスタ42に記憶保持する。
また、例えば、インク滴17cがインクノズル17bから全く吐出されていない場合には、インク滴17cの着弾による誘導電流は発生せず、電圧変化の振幅は検出されない。従って、判定手段40は、インク吐出状態は不良であると判定するはずである。これに対して、外部から一時的な衝撃が加わるとリード線35の揺れによる誘導電流により電圧変化が検出され、その最大振幅が第1期間S内に第1閾値Qを超えることがある。この結果、判定手段40は、インク吐出状態は不良であるにも拘わらず、インク吐出状態は正常であると判定してこれをレジスタ42に記憶保持する。
このような場合でも、衝撃による電圧変化の振幅は、それが減衰して0になるまでの時間が基本波形Aよりも長いので、第3期間U内に第2閾値R以上の振幅が検出さる。従って、ノイズ判定手段43は電圧変化にノイズが含まれていると判定し、これをレジスタ42に記憶保持する。
いずれの場合でも、判定手段40によるインク吐出状態は正常であるとの判定は誤っている。そこで、検査対象設定手段44は検査対象のインクノズル17bを変更せずに、インク吐出手段37に吐出指令を入力する。これにより、再検査が開始されるので、判定手段40のインク吐出状態は正常であると判定の判定は取り消される。この結果、インクノズル17bからインク滴が正常に吐出されていないにも拘わらず、インクノズル17bのインク吐出状態は正常であると判定されることが回避される。
なお、インク吐出状態検査機構18には、インク吐出状態が不良に陥っているインクノズル17bを正常な吐出状態に回復させるためのノズル回復機構が一体的に構成されている。図3に示すように、ヘッドキャップ31を搭載しているハウジング30には、インクノズル17b内に残留しているインクを吸引するためのインク吸引部45が搭載されており、ヘッドキャップ31の凹部内には、インク吸引部45から延びる吸引チューブ46が接続されている。従って、インク吐出状態が不良に陥っているインクノズル17bが検出された場合には、ヘッドキャップ31を上昇させてノズル面17aに密着させた後にインク吸引部45を動作させることにより、インクノズル17bに残留しているインクや気泡を吸引すれば、インクノズル17bの目詰まりを解消してインク吐出状態を正常な状態に回復させることができる。また、ヘッドキャップ31の側方にはワイパ47が搭載されており、ワイパ47の先端がノズル面17aの高さよりもわずかに上になるように上昇させた後に、このワイパ47を通過するようにインクジェットヘッド17を移動させれば、ノズル面17aに付着した異物をワイパ47によって掻きとることができる。
(インク吐出状態検査動作)
次に、図6を参照して、インク吐出状態検査動作を説明する。図6はインクジェットプリンタ1によるインク吐出状態検査動作のフローチャートである。
インクジェットプリンタ1にインク吐出状態検査を行わせるための制御指令が入力されると、或いは、所定のスイッチ操作が行われると、電位差形成手段36は待機位置にあるインクジェットヘッド17に向かってヘッドキャップ31を上昇させて狭い間隔で対向させる。また、ヘッドキャップ31に高電圧を印加して、インクジェットヘッド17とヘッドキャップ31との間に電位差を形成する(ステップST1)。所定の電位差が形成されるとインク吐出手段37には吐出指令が入力されるので、インク吐出手段37は所定の検査対象のインクノズル17bからインク滴17cを吐出させる(ステップST2)。
帯電したインク滴17cがヘッドキャップ31に着弾すると、ヘッドキャップ31内には着弾によって一時的な誘導電流が発生する。この誘導電流はリード線35を介して回路基板32に入力され、電圧変化検出手段39によって電圧変化として検出される。そこで、判定手段40はインク滴17cが吐出された時点から第1期間S内に検出された電圧変化の最大振幅Lと第1閾値Qとを比較する(ステップST3)。
ステップST3において、最大振幅Lが第1閾値Q以上の場合には、判定手段40はインク吐出状態は正常であると判定する(ステップST4)。ステップST3において、最大振幅Lが第1閾値Qよりも小さい場合には、判定手段40は、インク吐出状態は不良であると判定する(ステップST5)。また、判定手段40は、これらの判定をレジスタ42に記憶保持させる(ステップST6)。
インク滴17cが吐出されてから所定期間が経過すると、ノイズ判定手段43は後の第3期間U内に検出される電圧変化の振幅と第2閾値Rとを比較する(ステップST7)。
ステップST7において、電圧変化の振幅が第2閾値R以上の場合には、ノイズ判定手段43は、電圧変化にノイズが含まれていると判定する(ステップST8)。ステップST7において、電圧変化の振幅が第2閾値Rよりも小さい場合には、ノイズ判定手段43は、電圧変化にノイズが含まれていないと判定する(ステップST9)。また、ノイズ判定手段43は、これらの判定をレジスタ42に記憶保持させる(ステップST10)。
ノイズ判定手段43の判定がレジスタ42に記憶保持されると、検査対象設定手段44はレジスタ42に記憶保持されている判定手段40の判定とノイズ判定手段43の判定を確認し、インク吐出状態は正常であるとの判定と電圧変化にノイズが含まれているとの判定が記憶保持されているか否かを判断する(ステップST11)。
ステップST11において、レジスタ42にインク吐出状態は正常であるとの判定と電圧変化にノイズが含まれているとの判定が記憶保持されている場合には、検査対象設定手段44は検査対象のインクノズル17bを変更することなく、インク吐出手段37に吐出指令を入力する。この結果、当該インクノズル17bに対するインク吐出状態の検査動作(ステップST2〜ST11)が行われるので、インク吐出状態は正常であるとの先の判定は取り消されて、再び新たな判定が行われる。
ステップST11において、インク吐出状態は不良であるとの判定と電圧変化にノイズが含まれているとの判定が記憶保持されている場合、または、電圧変化にノイズが含まれていないとの判定が記憶保持されている場合には、未検査のインクノズル17bがあるか否かが判断される(ステップST12)。
ステップST12において、未検査のインクノズル17bがある場合には、検査対象設定手段44は、検査対象のインクノズル17bを変更してインク吐出手段37に吐出指令を入力する(ステップST13)。この結果、レジスタ42に記憶保持されている判定手段40の判定は維持され、次の検査対象のインクノズルに対するインク吐出状態の検査動作(ステップST2〜ST11)が行われる。
ステップST12で未検査のインクノズル17bがない場合には、インク吐出状態検査動作は終了する。
なお、インク吐出状態検査動作が終了した後には、レジスタ42に記憶保持されている判断手段40の判定に基づいて、ノズル回復機構を動作させる。すなわち、インク吐出状態は不良であると判定されているインクノズル17bがある場合には、インクや気泡を吸引してインク吐出状態を正常な状態に回復させる。或いは、ワイパ47で異物を掻きとってインク吐出状態を正常な状態に回復させる。
(本形態による効果)
本例によれば、インク滴17cが吐出させられてから第1期間S内に検出した電圧変化の最大振幅Lが第1閾値Q以上の場合にはインク吐出状態は正常であると判定し、所定期間経過後の第3期間U内に検出した電圧変化の振幅が第2閾値R以上の場合には、先にされたインク吐出状態は正常であるという判定を取り消している。すなわち、インク滴17cの着弾によりヘッドキャップ31内に発生する一時的な誘導電流を電圧変化として検出すると、この電圧変化の波形は所定の振幅から減衰していく波形になるので、最大振幅Lが予め設定した第1閾値Q以上あれば、判定手段40は、インク吐出状態は正常であると判定できる。一方、所定期間経過後の第3期間U内においても電圧変化の振幅が減衰しておらず予め設定した第2閾値R以上となっている場合には、検出している電圧変化に衝撃に起因して発生した誘導電流による電圧変化がノイズとして含まれている可能性が高い。また、判定手段40によるインク吐出状態は正常であるとの判定は、ノイズが含まれている電圧変化の最大振幅に基づいて行われた可能性が高いことになる。このような場合に、判定取り消し手段41がインク吐出状態は正常であるとの判定を取り消すので、インクノズル17bからインク滴17cが正常に吐出されていないにも拘わらず、衝撃によるノイズによって正常に吐出されていると判定することを回避できる。
また、本例では、所定期間は、前記インク滴17cが正常に吐出させられて着弾したとき検出される前記電圧変化の振幅が減衰して0になるまでの経過時間としてある。このようにすれば、電圧変化にノイズが含まれている場合にだけ、所定期間経過後の電圧変化の振幅が検出されるので、ノイズが含まれている電圧変化に基づいて行われたインク吐出状態は正常であるとの判定を、確実に取り消すことができる。
また、本例では、所定期間の前半の第1期間S内に検出した電圧変化の最大振幅Lが第1閾値Q以上の場合にインクノズル17bのインク吐出状態は正常であると判定し、所定期間の後半の第2期間T内に検出した電圧変化の振幅は無視している。すなわち、インク滴17cの着弾による一時的な誘導電流を電圧変化として検出すると電圧変化の波形は所定の振幅から減衰していく基本波形Aになり、着弾に起因する誘導電流によって得られる電圧変化の振幅の最大値は基本波形Aの最初に現れている。従って、第1期間S内に検出した電圧変化の最大振幅Lに基づけば、インクノズル17bのインク吐出状態は正常であると判定することができる。また、検出される電圧変化の振幅は第2期間T内では減衰しているはずなので、この第2期間T内に最大振幅Lが現れることはない。さらに、第2期間T内に第1閾値Q以上の最大振幅Lが表れたとすれば、その振幅には、例えば、衝撃によるノイズが含まれているので、第2期間T内に検出する振幅を無視することにより、ノイズによる誤判定を回避できる。
また、本例では、第2閾値Rを第1閾値Qよりも小さい値としてある。所定期間経過後の第3期間Uの電圧変化の振幅はノイズが含まれていなければ殆ど0になっているはずなので、第2閾値Rを小さな値としておけば、電圧変化にノイズが含まれていることを確実に判定することができる。
(その他の実施の形態)
ステップST4において最大振幅Lが第1閾値Qよりも小さく、ステップST5で判定手段40がインク吐出状態は不良であると判定した場合には、ステップST6で判定をレジスタ42に記憶保持させた後のステップST7からステップST11までを省略してステップST12に移行することができる。すなわち、インク吐出状態は不良であるとの判定は取り消されることがないので、所定期間経過後の第3期間U内の振幅を検出することなく、検査対象を次のインクノズル17bに変更することができる。
本発明を適用したインクジェットプリンタの斜視図である。 インクジェットプリンタ内部の機構を示す斜視図である。 インク吐出状態検出機構の斜視図である。 インク吐出状態検出機構の機能ブロック図である。 電圧変化検出手段により検出される電圧変化の波形である。 インク吐出状態検出動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1・インクジェットプリンタ、2・ロール紙、3・記録紙、4・プリンタ本体、5・記録紙排出口、6・排出ガイド、7・カバー開閉レバー、8・開閉蓋、9・ロール紙収納部、10・プラテン、11・インクカートリッジカバー、12・インクカートリッジ、13・インクカートリッジ装着部、15・プリンタ本体フレーム、16・インクカートリッジ収納部、17・インクジェットヘッド、17a・ノズル面、18・インク吐出状態検査機構、20・メイン基板、21・ヘッドユニットフレーム、22・キャリッジ、23・キャリッジガイド軸、24・キャリッジモータ、25・タイミングベルト、26・前側紙送りローラ、27・後側紙送りローラ、28・紙送りモータ、30・ハウジング、31・ヘッドキャップ、31a・上端開口、31b・開口縁部分、32・回路基板、33・インク吸収材、34・導電板、35・リード線、36・電位差形成手段、37・インク吐出手段、38・計測手段、39・電圧変化検出手段、40・判定手段、41・判定取り消し手段、42・レジスタ、43・ノイズ判定手段、44・検査対象設定手段、45・インク吸引部、46・吸引チューブ、47・ワイパ、A・基本波形、B・C・波形、L・M・N・最大振幅、Q・第1閾値、R・第2閾値、S・第1期間、T・第2期間、U・第3期間

Claims (9)

  1. 対向させた液滴吐出ヘッドとヘッドキャップとの間に電位差を形成し、
    前記液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させ、
    前記電位差により帯電した前記液滴が前記ヘッドキャップに着弾することにより発生させる信号を検出し、
    前記液滴が吐出させられてから所定期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合には、前記ノズルの吐出状態が正常であると判定し、
    前記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅が第2閾値以上の場合には、吐出状態は正常であるとの前記判定を取り消すことを特徴とするノズルの吐出状態検査方法。
  2. 請求項1に記載のノズルの吐出状態検査方法において、
    前記所定期間は、吐出状態が正常である前記ノズルから吐出させられた液滴が前記ヘッドキャップに着弾することにより発生される前記信号の振幅が減衰して0になるまでの経過時間であることを特徴とするノズルの吐出状態検査方法。
  3. 請求項に記載のノズルの吐出状態検査方法において、
    前記所定期間の前半の第1期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合に前記ノズルの吐出状態は正常であると判定し、
    前記所定期間の後半の第2期間内に検出した前記信号の振幅は無視することを特徴とするノズルの吐出状態検査方法。
  4. 請求項ないし請求項のうちいずれかの項に記載のノズルの吐出状態検査方法において、
    前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい値であることを特徴とするノズルの吐出状態検査方法。
  5. 液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドに対向するように配置したヘッドキャップと、
    前記液滴吐出ヘッドと前記ヘッドキャップとの間に電圧を印加する電位差形成手段と、
    前記液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる吐出手段と、
    前記液滴が吐出させられてからの時間を計測するための計測手段と、
    前記液滴が前記ヘッドキャップに着弾することにより発生させる信号を検出する信号検出手段と、
    前記液滴が吐出させられてから所定期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以
    上の場合には、前記ノズルの吐出状態が正常である判定する判定手段と、
    記所定期間経過後に検出した前記信号の振幅が第2閾値以上の場合には、吐出状態は正常であるとの前記判定を取り消す判定取り消し手段と、を有することを特徴とするノズルの吐出状態検査機構。
  6. 請求項に記載のノズルの吐出状態検査機構において、
    前記所定期間は、吐出状態が正常である前記ノズルから吐出させられた液滴が前記ヘッドキャップに着弾したとき検出される前記信号の振幅が減衰して0になるまでの経過時間であることを特徴とするノズルの吐出状態検査機構。
  7. 請求項に記載のノズルの吐出状態検査機構において、
    前記判定手段は、前記所定期間の前半の第1期間内に検出した前記信号の最大振幅が第1閾値以上の場合に前記ノズルの吐出状態は正常であると判定し、前記所定期間の後半の第2期間内に検出した前記信号の振幅は無視することを特徴とするノズルの吐出状態検査機構。
  8. 請求項ないし請求項のうちいずれかの項に記載のノズルの吐出状態検査機構において、
    前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい値であることを特徴とするノズルの吐出状態検査機構。
  9. 請求項ないし請求項のうちいずれかの項に記載のノズルの吐出状態検査機構を搭載している液滴吐出装置。
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