JP2008087201A - 吐出検査装置、吐出検査方法、および検査プログラム - Google Patents

吐出検査装置、吐出検査方法、および検査プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】インク滴による電極間の電圧の変化具合に着目することによって、より短時間で複数のノズルの吐出検査ができる吐出検査装置、吐出検査方法、および検査プログラムを提供する。
【解決手段】記録ヘッド30に所定の電圧を印加する電圧印加部51aと、吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択部51bと、順次選択される検査対象ノズルに、記録液が吐出すべき吐出圧力を所定期間発生させる吐出圧力発生部51dと、所定期間記録液が吐出したときに生ずる記録ヘッド30に印加された電圧の変化値が、超える値となる閾値を設定する閾値設定部51cと、記録ヘッド30の電圧と所定の電圧との電位差を取得する電位差取得部51eと、を備え、吐出圧力発生部51dは、電位差取得部51eが取得した電位差が、閾値となったときは、その時点で吐出圧力の発生を終了する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧の変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査装置、吐出検査方法、および検査プログラムに関する。
記録ヘッドに設けられたノズルから記録液を吐出して、記録媒体に画像などを記録するインクジェット記録装置では、ノズルから記録液が吐出されないと画像などの記録対象物が正しく記録されないことになる。従って、ノズルから確実に記録液が吐出されるか否かを検査する技術が従来より提案され、例えば、記録液としての帯電したインク滴が吐出したとき生ずる電極間の電解強度の変化を検出する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、このような帯電したインク滴を利用する検査技術では、通常インク滴は容積が小さいため1滴では電界強度の変化を検出することが困難なことから、1ノズルについて複数のインク滴を吐出することで、検出可能な電解強度の変化、つまり電圧の変化を得ることも提案されている(特許文献2参照)。
特開昭59−178256号公報 特開平11−170569号公報
従来から、例えば写真を印刷するプリンタなど、高解像の画像を印刷できる記録装置では、数百個から数千個というような非常に多くのノズル数を有した記録ヘッドが搭載されている。従って、このような記録装置について、帯電したインク滴を利用する従来の技術を用いてノズルからの記録液の吐出検査を行うと、検査するノズルの数が多く、また1ノズルあたり複数のインク滴を吐出することもあって、全ノズルについて検査を行うと検査時間が長くなってしまうという課題がある。
また、特許文献1および2では、複数のノズルについてのインク滴の吐出検査を行う場合、それぞれのノズル間におけるインク滴の吐出タイミング、つまり1つのノズルからインク滴を吐出した後、次のノズルからインク滴を吐出するまでの待ち時間について何ら開示が無い。このため、全ノズルについて検査を行う場合、この待ち時間の長さに依存して検査時間が長くなってしまうという課題がある。
また、検出する電極間の電解強度(電圧)の変化について、特許文献1および特許文献2では、インク滴の吐出によって電圧がどのように変化するかについての技術開示がなされていない。従って、電極間電圧の変化を用いて、いつ、どのように吐出の有無判定を行うかが明確ではないことから、インク滴の吐出時間が吐出判定に必要以上費やされ、吐出検査時間が長くなっているということも考えられる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、インク滴による電極間の電圧の変化具合に着目することによって、より短時間で複数のノズルの吐出検査が行える吐出検査装置、吐出検査方法、および検査プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の吐出検査装置は、電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧の変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査装置であって、前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加部と、前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択部と、前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生部と、前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された所定の電圧の変化値が、超える値となる閾値を設定する閾値設定部と、前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得部と、を備え、前記吐出圧力発生部は、前記電位差取得部が取得した前記電位差が、前記閾値となったときは、その時点で前記吐出圧力の発生を終了し、前記ノズル選択部は、前記吐出圧力発生部が吐出圧力の発生を終了したのち一定期間後に、次の検査対象ノズルを選択することを特徴とする。
この構成によれば、記録液が実際に吐出されて記録ヘッドの電圧が変化したとき、変化後の電圧が越える電圧差を閾値として設定する。従って、取得された記録ヘッドの電圧変化が閾値になったとき、記録液がノズルから実際に吐出したと検査されることになるので、この時点で吐出圧力の発生を終了し、記録液の吐出を中止しても、記録液の吐出の有無についての検査は行えることになる。この結果、吐出圧力の発生期間を、所定期間よりも短くすることができるので、順次選択される検査対象ノズルについて、このように吐出圧力の発生期間が所定期間よりも短くできるノズル数分、吐出検査時間を短縮することが可能となる。
あるいは、上記課題を解決する本発明の第2の吐出検査装置は、電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査装置であって、前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加部と、前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択部と、前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生部と、前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された所定の電圧の変化値が超える値となる第1の閾値と、当該第1の閾値に対して、少なくとも前記記録ヘッドに発生する電圧バラツキに相当する電位差分小さい値を有する第2の閾値とを設定する閾値設定部と、前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得部と、を備え、前記ノズル選択部は、前記吐出圧力発生部による前記吐出圧力の発生終了後、前記電位差取得部が取得した電圧差が、前記第2の閾値以内となったとき、次の検査対象ノズルを選択し、前記吐出圧力発生部は、前記選択された次の検査対象ノズルについて、前記吐出圧力の発生を開始することを特徴とする。
この構成によれば、選択された検査対象ノズルについて記録液の吐出によって変化した記録ヘッドの電圧が、吐出圧力発生の終了後、所定の電圧に対する電圧差が第2の閾値になった時点で、次の検査対象ノズルを選択して吐出検査を行う。このとき、記録液が吐出された場合に記録ヘッドに確実に発生する電圧、つまり所定の電圧に対して第1の閾値分の電位差を有する電圧と、吐出圧力発生開始時の記録ヘッドの電圧、つまり所定の電圧に対して第2の閾値分の電位差を有する電圧との間には、後述する電界ノイズ等に起因して発生する記録ヘッドの電圧バラツキに相当する電位差が少なくとも設定されている。従って、記録ヘッドの電圧が、所定の電圧に対して第2の閾値以内の電圧差であれば、次に選択された検査対象ノズルから実際に記録液が吐出されない限り、記録ヘッドの電圧は第1の閾値以上の電位差に達しないことになる。そこで、記録ヘッドの電圧と所定の電圧との電位差が、第2の閾値以内になったとき、次の検査対象ノズルについて、吐出検査を行うべく吐出圧力を発生させる。こうすれば、記録ヘッドの電圧が、記録ヘッドの電圧変化を利用して吐出検査を行うことができる電圧になった時点で、次の検査対象ノズルについての吐出検査を行うことになるので、吐出圧力発生終了後から次の検査対象ノズルについての吐出圧力発生開始までの時間を不必要に長くすることがなく、吐出検査時間を短縮することが可能となる。
さらに、本発明の第2の吐出検査装置において、前記吐出圧力発生部は、前記電位差取得部が取得した前記電位差が、前記第1の閾値となったときは、その時点で、前記吐出圧力の発生を終了することとしてもよい。
こうすれば、第1の閾値は、記録液が実際に吐出されて記録ヘッドの電圧が変化したとき、この電圧変化分が越える電位差であることから、取得された記録ヘッドの電位差が第1の閾値になれば、記録液がノズルから実際に吐出したと検査できることになるので、この時点で吐出圧力の発生を終了し、記録液の吐出を中止しても、記録液の吐出の有無の検査を行えることになる。この結果、吐出圧力の発生期間を、所定期間よりも短くすることができるので、順次選択される検査対象ノズルについて、このように吐出圧力の発生期間が所定期間よりも短くできるノズル数分、さらに吐出検査時間を短縮することが可能となる。
ここで、前記電位差取得部は、前記所定の電圧が印加された後、前記吐出圧力発生開始までの間において、前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得し、前記閾値設定部は、前記取得された電位差を、前記電圧バラツキに相当する電位差として用いて、前記第2の閾値を設定することとしてもよい。
記録装置において、装置外部からの電界ノイズや装置内部で発生する電界ノイズに起因して、記録ヘッドに相当の電圧が発生する場合がある。そして、このように発生する電圧が、吐出検査において記録ヘッドに発生すべき電圧変化に対してのノイズ電圧として重畳してしまう。このため、前述した記録ヘッドの電圧に電圧バラツキが発生する。そこで、吐出検査を開始するまでに、この電圧バラツキを示す電位差を取得し、取得した電位差を電圧バラツキに相当する電位差として、第2の閾値を設定する。こうすれば、吐出検査を行う際に、記録装置に実際に生じる記録ヘッドの電圧バラツキに基づいて第2の閾値を設定することができるので、記録ヘッドの電圧変化を利用する吐出検査をより正しく行えるとともに、記録装置ごとに適切に吐出検査時間を短縮することが可能となる。
本発明の第1の吐出検査装置を方法の発明として捉えることもできる。すなわち、本発明の第1の吐出検査方法は、電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧の変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査方法であって、
前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加工程と、前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択工程と、前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生工程と、前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された電圧の変化値が、超える値となる閾値を設定する閾値設定工程と、前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得工程と、を備え、前記吐出圧力発生工程は、前記電位差取得工程が取得した前記電位差が、前記閾値となったときは、その時点で前記吐出圧力の発生を終了し、前記ノズル選択工程は、前記吐出圧力発生工程が吐出圧力の発生を終了したのち一定期間後に、次の検査対象ノズルを選択することを特徴とする。
また、本発明の第2の吐出検査装置も方法の発明として捉えることもできる。すなわち本発明の第2の吐出検査方法は、電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査方法であって、前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加工程と、前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択工程と、前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生工程と、前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された電圧の変化値が、超える値となる第1の閾値を設定する第1の閾値設定工程と、前記第1の閾値に対して、少なくとも前記記録ヘッドに発生する電圧バラツキに相当する電位差分小さい値を有する第2の閾値を設定する第2の閾値設定工程と、前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得工程と、を備え、前記ノズル選択工程は、前記吐出圧力発生工程による前記吐出圧力の発生終了後、前記電位差取得工程が取得した電圧差が、前記第2の閾値以内となったとき、次の検査対象ノズルを選択し、前記吐出圧力発生工程は、前記選択された次の検査対象ノズルについて、前記吐出圧力の発生を開始することを特徴とする。
さらに、第2の吐出検査方法において、前記吐出圧力発生工程は、前記電位差取得工程が取得した前記電位差が、前記第1の閾値となったときは、その時点で、前記吐出圧力の発生を終了することとしてもよい。
本発明の第1および第2の吐出検査方法によれば、上述した本発明の第1および第2の吐出検査装置と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本発明を、上述した吐出検査方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムとしてもよい。
このプログラムが所定のオペレーションシステム上で実行されることによって、上述した吐出検査方法が実行され、同じく上述した本発明の吐出検査装置と同様の作用効果を得ることができる。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよいし、インターネットなどの伝送媒体を介してコンピュータに授受されるものでもよい。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は本発明の吐出検査装置が組み込まれた記録装置としてのインクジェットプリンタ10の概略構造を示したものである。このインクジェットプリンタ10は、記録液としてのY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色インクが収納されたインクカートリッジ11〜14を装着したキャリッジ20が図面左右方向に移動し、一方記録媒体としての印刷媒体25が図面上下方向に移動するとき、キャリッジ20の図面下側に設けられた記録ヘッド30からインク滴を吐出して、印刷媒体25に所定の画像等を印刷するものである。
キャリッジ20は、キャリッジベルト41に固定され、キャリッジベルト41がキャリッジモータ40によって駆動されるのに伴って、フレーム17に固定されたガイド21に沿って移動する。また印刷媒体は、プラテン28によって裏面から支持されつつ、フレーム17に固定された駆動モータ26により駆動される図示しない紙送りローラーなどによって、図面上下方向に移動する。このとき、記録ヘッドに設けられた各色インクを吐出するための複数のノズルから、印刷画像に相応した所定のインクの滴が吐出されることによって画像が正しく印刷できる。従って、インク滴が吐出されないと正しく画像を印刷することができないことになる。
このため、インクジェットプリンタ10では、電源投入時や、印刷ジョブの開始前、印刷ジョブの途中、印刷ジョブの終了時などといった所定の時期で、検査を行うべき検査タイミングが到来した場合に、記録ヘッドに設けられた複数のノズルからインク滴が吐出するか否かを検査する吐出検査が行われる。吐出検査では、インクジェットプリンタ10に設けられた検査ボックス70の位置にキャリッジ20を移動し、所定の吐出検査処理を行い各ノズルからのインク滴の吐出の有無を検査する。そして、検査の結果、不吐出のノズルが有った場合は、インクジェットプリンタ10に設けられたクリーニングボックス18の位置にキャリッジを移動し、所定のクリーニング処置を行ってノズルをクリーニングする。
上述した一連の動作についての主な制御は、フレーム17に取り付けられたメイン基板50に設けられた主制御回路50aと、キャリッジ20に取り付けられたサブ基板60に設けられた副制御回路60aとによって行われる。これらの基板は、フレキシブル基板45によって接続され、それぞれの基板間でデータがやり取りされることによって主制御回路と副制御回路とが連携動作し、所定のインク滴の吐出検査を実施する。
主制御回路50aには、インクジェットプリンタ10の諸動作を制御するためのCPU51と、これらの動作に関するプログラムを記録したROM52と、動作に際して必要なデータを一時的に記憶したり読み出したりするためのRAM53と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ54と、副制御回路60aとの間でのデータのやり取りや、ユーザーのパーソナルコンピュータ(PC)90など外部機器との情報のやり取りを行うためのインターフェイス(I/F)55とが備えられている。
ノズルからの吐出検査のための処理ルーチンプログラムは、ROM52に記憶されている。また、上述した吐出検査の検査タイミングは、ROM52に記憶された処理ルーチンプログラムに格納されている。また、印刷対象となる印刷データを含む印刷ジョブはRAM53に格納される。なお、ノズルからの吐出検査のための処理ルーチンプログラムは、I/F55を介して外部より入力され、RAM53にダウンロードされるものとしてもよい。
一方、副制御回路60aには、吐出検査に関する所定の動作を実行するためのロジック回路などが構成されたASIC61が備えられている。従って、CPU51がROM52に記録された処理ルーチンプログラムを読み出し、ASIC61との間で種々の信号データを授受することによって、CPU51とASIC61は所定の動作を実行して、吐出検査を実施するのである。
次に、図2を用いてインクジェットプリンタ10に組み込まれた吐出検査装置の仕組みについて具体的に説明する。図2は、帯電したインク滴を用い、記録ヘッド30に設けられた複数のノズルそれぞれからインクを吐出させるべくインクに圧力を加え、インク滴の吐出の有無を判定するための吐出検査装置の構成を示す模式図である。キャリッジ20が検査ボックス70に対して所定の位置に移動すると、例えばインクカートリッジ11から図示しない供給経路によって記録ヘッド30に供給されたインクが、インク滴39として記録ヘッド30から吐出される。
吐出されたインク滴39は、検査ボックス70に設けられた電極部材71に着弾する。電極部材71はメッシュ状のSUS板などの金属材料で形成され、インク滴39の着弾受け領域となっている。着弾したインク滴39は、その後この電極部材71を透過し、スポンジ状の樹脂等で形成されたインク吸収体72に吸収される。このように、電極部材71にはインクが堆積しないように構成されている。また電極部材71は、フレーム17と結線部材66によって電気的に接続されている。
ASIC61は、吐出検査に際して、フレーム17に回路の一端が接続(接地)されている電圧発生回路62を動作させ、フレーム17に対する所定の電圧を生成した後、所定の抵抗値を有する抵抗64を通し、結線部材65を用いて記録ヘッド30に所定の電圧Veを印加する。もとより、記録ヘッド30において電圧Veが印加される部分は、インクと電気的に導通状態にある部分(例えばノズルプレート34(図2円内参照))である。
本実施形態では、記録ヘッド30に印加する電圧は、フレーム17に対してプラス電位としている。従って、フレーム17と電気的に接続された検査ボックス内の電極部材71との間において、記録ヘッド30側から電極部材71側への印加方向となる電圧が発生する。この結果、記録ヘッド30はプラス帯電し、電極部材71はマイナス帯電する状態となる。
記録ヘッド30からインク滴39が吐出すると、インク滴39は記録ヘッド30から帯電したプラス電荷が奪われ、奪われたプラス電荷を補充すべく抵抗64にプラス電荷が流れる。そのため、抵抗64にこのようにプラス電荷が流れることによって電圧降下が発生し、記録ヘッド30の電圧が変化(減少)する。このときの記録ヘッド30の電圧をASIC61が検出し、ASIC61内に形成された所定のロジック回路によって、検査に際して印加された所定の電圧Veと、検出した記録ヘッドの電圧との電位差を取得し、取得した電圧差を閾値と比較することによって吐出の有無を判定する。もとより、本実施形態の場合は、電圧が減少する方向の電位差が取得され、その電位差が閾値以上であれば吐出有りと、閾値以内であれば吐出無しと、それぞれ判定するのである。もとより、インク滴の吐出の有無の判定結果は、ノズル毎にRAM53に記録されることになる。なお、判定の際に用いる閾値については後述する。
記録ヘッド30に設けられている複数のノズルのそれぞれには、ノズル別にインクを吐出するために圧力を発生させる圧力発生機構(図2の下側円内参照)が形成されている。すなわち、圧電素子32に電圧をかけると、圧電素子32が変形して部材33を矢印方向(図面下側)へ押し下げ、例えばインクカートリッジ11から供給されたインク38を加圧するように構成されている。この結果、ノズルプレート34に設けられたノズル35から、インクがインク滴39として吐出されるのである。従って、検査対象のノズルに対応した圧電素子に電圧をかけることで、そのノズルについてインク滴の吐出の有無を検査することができる。
圧電素子を変形させる電圧はドライバー基板31から圧電素子の駆動信号として出力される。ドライバー基板31は、記録ヘッド30の近傍でキャリッジ20内に設けられ、サブ基板60と図示しない結線部材によって結線され、ASIC61からの出力信号を受けて動作する。
次に、ノズルに対応した圧電素子がどのように変形(駆動とも呼ぶ)されるのかについて説明する。図3は、圧電素子の駆動方法を説明するための説明図である。本実施形態では、記録ヘッド30には、Y、M、C、K、各色に対応したノズル列35Y、35M、35C、35Kが設けられ、それぞれのノズル列にはn=1〜180まで180個のノズルが形成されている。このように、本実施形態では記録ヘッド30には合計720個の検査対象ノズルが形成されている。そして、検査対象のノズルからインク滴を吐出させるために、YMCKのノズル列ごとに、検査対象ノズルに対応する圧電素子に対して、圧電素子を駆動するヘッド駆動信号DRVn(n=1〜180)を出力する。
ヘッド駆動信号DRVnは、以下のように生成される。メイン基板50では、一画素分に相当する画像を印刷するための区間(キャリッジ20が一画素の間隔を横切る時間でセグメントとも呼ぶ)に、PvとP1、P2、P3の合計4つのパルス信号を有する単位信号(図3の吹き出し部分)が繰り返し存在する原信号ODRVと、印刷信号PRTnが生成される。
原信号ODRVは、ノズル内でインクが固まらないように圧電素子を微振動させてインクを振動させるためのパルス信号Pvと、それぞれノズルからインク一滴分のインク滴を吐出させるパルス信号P1、P2、P3とを有している。パルス信号P1のみでは小さいサイズのドットが、パルス信号P1とP2とでは中サイズのドットが、またパルス信号P1とP2とP3とでは大きいサイズのドットが、それぞれ印刷媒体に形成される。
印刷信号PRTn(n=1〜180)は、YMCK各ノズル列について、180個のノズルのうち、インク滴を吐出させるべきノズルを特定するとともに、原信号ODRVにおけるパルス信号を選択する信号である。従って、印刷信号PRTnは印刷実行時には、印刷データ(ドット有無やその階調値)に基づいて、インクを吐出すべきノズルや出力すべきパルス信号を選択する信号となるが、吐出検査時には検査のためにインクを吐出すべきノズルを特定するとともに、出力すべきパルス信号を選択する信号となる。
これらの信号は、前述したようにASIC61を介してドライバー基板に設けられたマスク回路に出力される。マスク回路は、原信号のうち、印刷信号PRTnによって選択されたパルス信号が、同じく印刷信号PRTnによって特定されたノズルに対応する圧電素子に出力されるように回路構成されている。つまり、マスク回路によって、選択された検査対象ノズルに対応した圧電素子に、Pv、P1、P2、P3のパルス信号のうち印刷信号PRTnによって選択されたパルス信号が出力されるように構成され、マスク回路からヘッド駆動信号DRVnとして出力される。こうしてヘッド駆動信号DRVnは生成されるのである。
吐出検査では、このように生成されたヘッド駆動信号DRVnが検査対象ノズルに対応する圧電素子に出力され、その後、次の検査対象ノズルが選択されるごとにヘッド駆動信号が対応する圧電素子に出力されるという手順が順次繰り返される。そして、この手順がYMCKすべてのノズル列に適用されることによって、すべてのノズルについて対応する圧電素子が順次駆動され、吐出検査が行われるのである。
このような仕組みを有するインクジェットプリンタ10に組み込まれた吐出検査装置は、基本的にCPU51がROM52、RAM53、およびASIC61と連携動作することで、本発明の吐出検査装置として機能する。つまり、図2に示したように、CPU51は、電圧印加部51a、ノズル選択部51b、閾値設定部51c、吐出圧力発生部51d、電位差取得部51eとして機能することによって、上述した構成を有する吐出検査装置を動作させ、各ノズルについてインク滴の吐出の有無を検査する。各部は主として以下の処理を司る。
電圧印加部51aは、電圧発生回路62を動作させて記録ヘッド30に所定の電圧Veを印加する。ノズル選択部51bは、検査対象ノズルを選択するとともに圧電素子を駆動するパルス信号を選択する印刷信号PRTnをマスク回路に出力する。閾値設定部51cは、吐出の有無を判定するための閾値や、次の検査対象ノズルについて圧電素子の駆動開始を判定するための閾値を設定する。吐出圧力発生部51dは、印刷信号PRTnを出力するセグメント数を制御し、吐出圧力の発生開始や発生終了を制御する。電位差取得部51eは、記録ヘッドの電圧を検出し、所定の電圧との電位差を取得する。
次に、上述した各部が機能して行う吐出検査において、本発明の主旨となる吐出検査時間を短縮するための方法についての理解を容易にするため、最初に、本実施形態における吐出検査の基本的な動作の概要について、図4を用いて説明する。図4は、吐出検査の対象ノズルが1個ずつ選択され、選択された各ノズルに対してインク滴の吐出有無を検出する場合を示したタイミングチャートである。
吐出検査が開始されると、印刷信号PRT1によって、原信号ODRVのうちパルス信号P1、P2、P3を吐出検査開始(時間T=0)から2セグメントの期間(時間T=t1まで)出力するヘッド駆動信号DRV1を生成する。これによって、ノズルn=1に対応する圧電素子が2セグメントの期間駆動される。その後、総てのパルス信号が出力されない状態が2セグメント間(時間T=t1〜t2)続いたのち、次に印刷信号PRT2によって、同じく原信号のうちパルス信号P1、P2、P3を2セグメントの期間(時間T=t2〜t3)出力するヘッド駆動信号DRV2を生成する。これによって、ノズルn=2に対応する圧電素子が2セグメントの期間駆動される。その後、総てのパルス信号が出力されない状態が2セグメント間(時間T=t3〜t4)続く。
基本的にこのような駆動がノズルn=3以降順次繰り返される。こうして検査対象ノズルに対して圧電素子が駆動されるセグメント(これを「オンセグメント」とも呼ぶ)が2セグメント、圧電素子が駆動されないセグメント(これを「オフセグメント」とも呼ぶ)が2セグメント存在する状態を繰り返して吐出検査が行われるのである。ここで、注目する1つの検査対象ノズルに対して、圧電素子が駆動される2セグメントと、これに続く圧電素子が駆動されない2セグメントとの合計4セグメントの期間を、検査対象ノズルの吐出検査期間と呼ぶことにする。
ところで、各パルス信号が欠けることなくヘッド駆動信号を出力させるためには、図から明らかなように、原信号ODRVと印刷信号PRT1、PRT2とが同期していることが必要である。このため、本実施形態では、ラッチ(LAT)信号を基準として原信号ODRVと印刷信号PRTnとの同期が取られているものとする。LAT信号は、プリンタにおける諸動作の基準となる信号の一つとして通常用いられるもので、1セグメントの周期で出力される所定のパルス幅をもったパルス信号である。もとよりLAT信号以外の信号(例えばクロック信号)を用いても差し支えない。
こうして、ノズルn=1に対応する圧電素子が検査開始(T=0)から時間t1まで2セグメント間ヘッド駆動信号DRV1によって駆動され、ノズルからインク滴が吐出すると、図2において説明したように記録ヘッド30はプラス帯電しているので、帯電したインク滴39は記録ヘッド30からプラス電荷を奪い去る。すると、奪われたプラス電荷を補うべく、電圧発生回路62から抵抗64を通してプラス電荷が補充される。この結果、抵抗64に電流が流れることから、記録ヘッド30の電圧はインク滴の吐出回数に合わせて減少する。
減少する電圧の大きさは、奪われるプラス電荷量に依存するため、吐出するインク滴の大きさ(インク量)におおよそ依存する。ところで、吐出検査において吐出の有無判定の精度を向上するためには電圧変化は大きいことが望ましい。従って、本実施形態では、吐出検査時における駆動信号は、P1、P2、P3総てのパルス信号が1セグメント間に存在する信号になるように印刷信号PRTnを出力するのである。
その後、ノズルn=1は時間t1からt2までの2セグメント間、ノズルn=1に対応する圧電素子は駆動されないためインク滴は吐出されず、その結果記録ヘッド30の電圧は徐々に上昇増加し、その後、電極間電圧は、基本的にオンセグメント数と同じオフセグメント数以内に、吐出検査の開始時に印加した電圧Veまで回復する。本実施形態では、図4に示したようにオンセグメント数と同じセグメント数後に電圧Veまで回復するものとして説明する。
次に、印刷信号PRT2によって時間t2から時間t3まで、ノズルn=2に対応する圧電素子が、2セグメント間ヘッド駆動信号DRV2によって駆動され、インク滴が吐出する場合、記録ヘッド30の電圧Veはインク滴の吐出回数に合わせて再び漸次電圧降下し、ノズルn=1と同様に減少する。その後、時間t3からt4までの2セグメント間、ノズルn=2に対応する圧電素子は駆動されないためインク滴は吐出されず、その結果記録ヘッド30の電圧は徐々に上昇増加し、その後電圧値Veまで回復する。このような記録ヘッド30の電圧変化が、インク滴の吐出が有るごとに繰り返し発生する。もとより、インク滴が吐出されない場合は記録ヘッド30の電圧変化が生じないため、記録ヘッドに印加された所定の電圧Veは変化しないことになる。
そこで、吐出検査の開始にあたって印加された所定の電圧Veと、圧電素子の駆動終了時における記録ヘッドの電圧との電位差を取得し、電位差が閾値以上あればノズルからはインク滴の吐出が有り、電位差が閾値以内であればノズルからはインク滴の吐出が無いと判定することができる。閾値は、このように、ノズルからインク滴の吐出があれば、記録ヘッドの電圧が変化して生ずる電位差がこれを超えるように設定された値である。
ところで、実際に吐出するインク1滴のインク量は、ノズル形状のバラツキやパルス信号の大きさのバラツキなどに起因して減少する場合がある。このため、インク滴の吐出に伴って発生する記録ヘッドの電圧変化は、前述したように吐出するインク量におおよそ依存することから、図4下側の破線に示したように、インク量が減少した場合、生ずる記録ヘッドの電圧変化は、時間t1(t3)において電位差△VT分少ない状態になる。また、記録ヘッドの電圧には、インクジェットプリンタ10の外部からの電界ノイズや、プリンタ10の内部からの電界ノイズなどに起因して、相当の範囲の電圧変化を有する電圧バラツキ(後述する)が生じることがある。従って、閾値は、実際にはこの電位差分△VT分と電圧バラツキを考慮して設定される。
なお、記録ヘッドの電圧変化は、逆にインク量が増加する場合も考えられるが、この場合は生ずる記録ヘッドの電圧変化は、所定の電圧と電位差が大きくなる方向への変化となることから、閾値の設定に関して考慮する必要がないので、本実施形態では説明を省略することとした。
以上が、吐出検査についての基本的な動作である。なお、図4では、説明を簡略化するため、各ノズルの吐出検査期間を4セグメントとしたが、オンセグメント数は2セグメントに限定されるものでなく、またオフセグメント数も2セグメントに限定されるものでもないことは勿論である。実際の吐出検査に当たっては、インク1滴が奪う電荷量や1セグメントあたりの吐出回数などといったインク滴の吐出条件によって、測定端子間の電圧変化具合が異なることから、記録ヘッドの電圧変化が顕著に現れるセグメント数や、記録ヘッドの電圧回復が確実に行われるセグメント数を予め調べ、そのセグメント数に合わせてこれらのオンとオフのセグメント数が決定されるものである。ちなみに、以降説明する本実施形態における吐出検査装置の実施例では、決定されたオンとオフのセグメント数は、それぞれ8セグメントであるものとしている。この場合、検査対象ノズルの吐出検査期間は16セグメントになる。
それでは、本実施形態の吐出検査装置が行う吐出検査について、第1実施例ではオンセグメント数を減らして吐出検査時間を短縮する検査方法(図5、図6)、第2実施例ではオフセグメント数を減らして吐出検査時間を短縮する検査方法(図7〜9)、第3実施例ではオンとオフ両方のセグメント数を減らして吐出検査を短縮する検査方法(図10)をぞれぞれ説明する。
(第1実施例)
まず、第1実施例の概要を図5のタイミングチャートを用いて説明する。図5は、前述したように、原信号ODRVと印刷信号PRT1とによって生成されるヘッド駆動信号DRV1によって、8セグメント間圧電素子が駆動され(これを「吐出オン」とも呼ぶ)、その後8セグメント間圧電素子が駆動されない(これを「吐出オフ」とも呼ぶ)とき、インク滴がノズルから実際に吐出したときの記録ヘッドの電圧変化の様子を示したものである。横軸は時間軸Tを示している。なお、吐出するインク滴は、インク量の減少がない標準のインク量である場合としている。
さて、前述したように、記録ヘッドには電界ノイズに起因してプラス方向への電圧バラツキDBPとマイナス方向への電圧バラツキDBMが発生するため、この電圧バラツキが記録ヘッドの電圧変化BCに重畳すると、図面上(+方向)に破線で示した電圧変化BUと、図面下(−方向)に破線で示した電圧変化BSを呈することになる。従って、閾値TH1は、図5に示したように、電圧変化BCの場合の最大電位差△Vbから、電圧バラツキDBP分と、前述したインク量が少ない場合に生ずる電位差△VT分とを差し引いた値に設定される。つまり、電界ノイズに起因して電圧バラツキが発生し、加えて、吐出するインク滴のインク量が少ないために記録ヘッドの電圧変化が最も少なくなる場合において、記録ヘッドに発生する電圧と電圧Veとの電位差が、確実に閾値を越えるようにするのである。
さて、このように閾値TH1が設定されると、インク滴が標準のインク量で吐出する場合の記録ヘッドの電圧変化BCでは、図示するように、電圧バラツキDBPとDBM分を含めた電圧変化において、閾値TH1を越えるのは、8セグメントよりも少ないオンセグメント数になる。
例えば、電圧変化BSの場合では、時間taにおいて電位差が閾値TH1となる。従って、印刷信号PRT1は時間taを過ぎて最も少ない4セグメント分をオンセグメントとして出力すれば、吐出判定ができる状態であり、その後の4セグメント分のオンセグメントは、吐出検査としては不要である。そこで、4セグメント吐出オンののち8セグメント吐出オフとなる印刷信号PRT1を出力し、続いて次のノズルn=2に対して吐出オンの印刷信号PRT2を出力するようにすれば、ノズルn=1に対する吐出検査期間を4セグメント分短縮することができる(図5、印刷信号A参照)。なお、このように4セグメントで吐出圧力の発生を終了したときは、その後の記録ヘッドの電圧は電圧Veに戻るべく増加し、図中2点鎖線で示したように電圧が変化することになる。
また、電圧変化BUの場合では、時間tbにおいて電位差が閾値TH1となる。従って、印刷信号PRT1は時間tbを過ぎて最も少ない6セグメント分をオンセグメントとして出力すれば、吐出判定ができる状態であり、その後の2セグメント分のオンセグメントは、吐出検査としては不要である。そこで、6セグメント吐出オンののち8セグメント吐出オフとなる印刷信号PRT1を出力し、続いて次のノズルn=2に対して吐出オンの印刷信号PRT2を出力するようにすれば、ノズルn=1に対する吐出検査期間を2セグメント分短縮することができる(図5、印刷信号B参照)。
第1実施例では、このような吐出検査方法を総てのノズル(本実施形態では720個)に対して実施すれば、短縮されたオンセグメント分に相当する時間、検査時間を短縮することが可能となる。それでは、第1実施例の吐出検査方法についての処理を、図6のフローチャートに従って具体的に説明する。
この処理が開始されると、まず記録ヘッド30と電極部材71との間に電圧を印加する(ステップS101)。本実施例では、ASIC61は、電圧発生回路62を駆動し、記録ヘッド30側から電極部材71側への印加方向を有する所定の電圧Veを印加する。この結果、記録ヘッド30側はプラス電荷が帯電し、帯電したインク滴が吐出されると、図4にて説明したように記録ヘッドの電圧は減少することになる。
次に、ステップS102にて、吐出有無の判定に用いるための閾値の設定の処理を行う。本実施例では、8セグメントのオンセグメント数において記録ヘッドの電圧に生ずる電位差△Vb、電界ノイズによって発生する電圧バラツキDBPとDBM、吐出するインク滴のインク量減少分に対応する電位差分△VTが、予めROM52にそれぞれデータ値として格納されているものとする。従って、CPU51は、ROM52に格納された△VbとDBPと△VTのデータ値を読み出し、△Vbの値からDBPと△VTの値を減算して求めた値を閾値TH1として設定する。
これらのデータ値「△Vb」と「DBP」と「△VT」は、通常、記録ヘッドの特性検査やインクジェットプリンタの製品検査などといった予め定められた検査工程において測定される。従って、本実施例では、このように測定された値が、ROM52にデータ値として記憶されているものとする。
次に、検査対象のノズル番号となる「n」を1とし(ステップS103)、1番目のノズルを選択する(ステップS104)。つまり、最初にノズルn=1が選択される。なお、本実施例では、選択されるノズルはYMCKの各ノズル列順に行われ、まずYのノズル列35Yのノズルn=1が選択されるものとする。その後、図5のフローチャートに示した検査処理が他のM、C、Kのノズル列に対して順次行われる。
次に、1セグメント吐出圧力発生の処理を行い(ステップS105)、記録ヘッドの電圧と、記録ヘッドに印加した電圧Veとの電位差を取得する(ステップS106)。CPU51は、1セグメント後においてASIC61が検出した記録ヘッドの電圧と電圧Veとの電位差を求めることによって、電位差を取得する。また、1セグメント吐出圧力を発生するたびに、セグメント数「1」をRAM53に設けた所定の記録エリアに加算して記録する。
次に、CPU51は、求めた電位差と、設定した閾値TH1とを比較することによって、電位差が閾値以内か否かを判定処理する(ステップS107)。そして、判定の結果、閾値TH1以内で無かった場合(ステップS107:NO)、ノズルからインク滴が吐出して電位差が閾値を越えたことになるので、次のステップS110にて、n番目のノズルは吐出有りと判定処理する。その後、ステップS111に進む。
一方、判定の結果、閾値TH1以内であった場合(ステップS107:YES)、ノズルからインク滴が吐出していないか、インク滴の吐出数が少なく記録ヘッドの電圧変化が小さいことになるので、次のステップS108にて、吐出圧力の発生回数が所定のセグメント数か否かを判定処理する。本実施例では、オンセグメント数は8セグメントとしていることから、CPU51は、RAM53に記録したセグメント数が、「8」に達しているか否かを判定する。
判定の結果、所定のセグメント数に達していない場合は(ステップS108:NO)、ステップS105に戻り、1セグメント吐出圧力発生以降の処理を再び繰り返す。つまり、記録ヘッドの電圧変化による電位差が、閾値TH1を越えるまで、もしくは吐出圧力発生のセグメント数が所定のオンセグメント数である8セグメントになるまで、吐出圧力の発生を繰り返すのである。そして、電位差が閾値TH1を越えないまま所定のセグメント数に達した場合は(ステップS108:YES)、インク滴は吐出されていないことになるので、ステップS109にて、n番目のノズルは吐出無しと判定処理し、その後、ステップS111に進む。
ステップS111では、吐出圧力発生を終了する処理を行う。CPU51は、いずれのパルス信号も選択されないように印刷信号PRTnを制御し、ノズル駆動信号DRVnにパルス信号が出力されないようにすることで、吐出圧力発生を終了させる。そして、その後一定期間、このようにパルス信号がいずれも出力されないオフセグメント処理を行う(ステップS112)。本実施例では、CPU51は、前述したように8セグメント間、印刷信号を制御して、いずれのパルス信号もノズル駆動信号DRVnに出力されないようにするのである。
そして、一定期間つまり8セグメントの経過後、「n+1」をあらたに「n」として(ステップS113)、ステップS114進む。ステップS114では「n」が180より大きいか否かを判定処理し、180以下であれば未検査ノズルがあるためステップS104に戻り、次の検査対象ノズルについて前述した処理を繰り返す。そして総てのノズルについて検査が終了すると(ステップS114:YES)、第1実施例での吐出検査処理は終了する。
以上説明したように、第1実施例によれば、実際にインク滴が吐出した場合は、電位差が閾値を越えた時点で吐出圧力の発生を終了するので、オンセグメント数が所定のセグメント数よりも減少する。従って、ノズルからのインク滴の吐出の有無の判定を行いながら、吐出検査時間を短縮することが可能となる。
(第2実施例)
次に、第2実施例の概要を図7のタイミングチャートを用いて説明する。図7は、第1実施例と同様、印刷信号PRT1によって、8セグメント間吐出オンされ、その後8セグメント間吐出オフしたとき、インク滴がノズルから実際に吐出したときの記録ヘッドの電圧変化の様子を示したものである。横軸は時間軸Tを示している。また、第1実施例と同じく、吐出するインク滴は、インク量の減少がない標準のインク量の場合としている。
第1実施例と同様に、記録ヘッドには電界ノイズに起因して発生する電圧バラツキDBPとDBMが、記録ヘッドの電圧変化BCに重畳し、8セグメント間の吐出圧力発生が終了したのちの8セグメントのオフセグメント間においても、図面上(+方向)に破線で示した電圧変化BUと、図面下(−方向)に破線で示した電圧変化BSを呈することになる。従って、ノズルn=1について吐出圧力の発生終了後、記録ヘッドの電圧と電圧Veとの電位差が、第1実施例にて説明したように設定された閾値TH1よりもさらに電圧バラツキ「DBP+DBM」の電位差分小さい値になれば、次の吐出検査対象ノズルn=2について吐出圧力を発生させたとき、インク滴が吐出することによってのみ、閾値TH1を超える電位差を有する電圧変化が生ずることになる。
そこで、閾値TH1よりも電圧バラツキ「DBP+DBM」の電位差分小さい閾値TH2を設定し、記録ヘッドの電圧が、電圧Veに対して閾値TH2よりも少ない電位差になったとき、次のノズルについての吐出圧力の発生を開始するようにする。こうすれば、ノズルからの吐出有無についての検査を行えることになる。このように閾値TH2を設定すると、インク滴が標準のインク量で吐出する場合の記録ヘッドの電圧変化BCでは、図示するように、電圧バラツキ分を含めた電圧変化において、閾値TH2以下になるときのオフセグメント数は、8セグメントよりも少ないセグメント数になる。
例えば、電圧変化BUの場合では、時間tcにおいて電位差が閾値TH2となる。従って、印刷信号PRT1は時間tcを超えて最も少ない4セグメント分をオフセグメントとして出力すれば、次のノズルに対する吐出判定ができる状態であり、その後の4セグメントは、吐出検査のためのオフセグメントしては不要である。そこで、8セグメント吐出オンののち4セグメント吐出オフとなる印刷信号PRT1を出力し、続いて次のノズルn=2に対して吐出オンの印刷信号PRT2を出力するようにすれば、ノズルn=1に対する吐出検査期間を4セグメント分短縮することができる(図7、印刷信号C参照)。
また、電圧変化BSの場合では、時間tdにおいて電位差が閾値TH2となる。従って、印刷信号PRT1は時間tdを超えて最も少ない4セグメント分をオフセグメントとして出力すれば、次のノズルに対する吐出判定ができる状態であり、その後の2セグメントは、吐出検査のためのオフセグメントしては不要である。そこで、8セグメント吐出オンののち6セグメント吐出オフとなる印刷信号PRT1を出力し、続いて次のノズルn=2に対して吐出オンの印刷信号PRT2を出力するようにすれば、ノズルn=1に対する吐出検査期間を2セグメント分短縮することができる(図7、印刷信号D参照)。
ところで、図7では、インク滴が実際にノズルから吐出した場合を用いて第2実施例の概要を説明したが、ノズルからインク滴が吐出しない場合は、さらに吐出検査時間を短縮できるものであり、その概要を図8を用いて説明する。
図8は、印刷信号PRT1によって、8セグメント間吐出オンされて、その後8セグメント間吐出オフしたとき、インク滴がノズルから吐出しなかったときの記録ヘッドの電圧変化の様子を示したものである。
ノズルからインク滴が吐出しない場合は、インク滴の吐出による記録ヘッドの電圧変化は生じないので、図8斜線部に示したように、記録ヘッドの電圧変化は、電圧バラツキ分の電位差以内の範囲で推移する。従って、マイナス側の電圧バラツキDBMが、設定される閾値TH2の電位差よりも小さな電位差を有する場合は、吐出オンによる吐出圧力発生終了時点で、記録ヘッドの電圧は閾値TH2以内となっているので、次のノズルについての吐出圧力の発生を直ちに開始することができる。この結果、8セグメント吐出オンの印刷信号PRT1を出力し、続いて次のノズルn=2に対して吐出オンの印刷信号PRT2を出力するようにすればよいので、ノズルn=1の吐出オフのセグメント数はゼロとなり、ノズルn=1に対する吐出検査期間は8セグメント分短縮されたことになる(図8、印刷信号E参照)。
第2実施例では、このような吐出検査方法を総てのノズル(本実施形態では720個)に対して実施すれば、図7および図8にて説明したように短縮されたオフセグメント分に相当する時間、検査時間を短縮することが可能となる。それでは、第2実施例の吐出検査方法についての処理を、図9のフローチャートに従って具体的に説明する。
この処理が開始されると、まず記録ヘッド30と電極部材71との間に電圧を印加する(ステップS201)。第1実施例同様、ASIC61は、電圧発生回路62を駆動し、記録ヘッド30側から電極部材71側への印加方向を有する所定の電圧Veを印加する。この結果、記録ヘッド30側はプラス電荷が帯電し、帯電したインク滴が吐出されると、図4にて説明したように記録ヘッドの電圧は減少することになる。
次に、ステップS202にて、吐出有無の判定に用いる閾値TH1と、次の検査対象ノズルについての吐出圧力発生の開始タイミングの判定に用いる閾値TH2とを設定するために、閾値設定の処理を行う。本実施例では第1実施例と同様、8セグメントのオンセグメント数において記録ヘッドの電圧に生ずる電位差△Vb、電界ノイズによって発生する電圧バラツキDBPとDBM、吐出するインク滴のインク量に対する電位差分△VTが、予めROM52にデータ値としてそれぞれ格納されているものとする。従って、CPU51は、ROM52に格納された電位差△Vb、電圧バラツキDBPとDBM、電位差分△VTのデータ値をそれぞれ読み出し、△Vbの値からDBPと△VTの値を減算して求めた値を閾値TH1として設定する。そして、設定した閾値TH1からDBMとDBPの値を減算して求めた値を閾値TH2として設定する。
次に、検査対象のノズル番号となる「n」を1とし(ステップS203)、1番目のノズルを選択する(ステップS204)。つまり、最初にノズルn=1が選択される。なお、第1実施例同様、選択されるノズルはYMCKの各ノズル列順に行われ、まずYのノズル列35Yのノズルn=1が選択される。その後、図9のフローチャートに示した検査処理が他のM、C、Kのノズル列に対して順次行われる。
次に、所定のセグメント数吐出圧力発生の処理を行い(ステップS205)、記録ヘッドの電圧と、記録ヘッドに印加した電圧Veとの電位差を取得する(ステップS206)。CPU51は、8セグメント吐出オンした後に、ASIC61が検出した記録ヘッドの電圧と電圧Veとの電位差を求めることによって、電位差を取得する。
次に、CPU51は、求めた電位差と、設定した閾値TH1とを比較することによって、電位差が閾値TH1以内か否かを判定処理する(ステップS210)。そして、判定の結果、閾値TH1以内で無かった場合(ステップS210:NO)、ノズルからインク滴が吐出して電位差が閾値を越えたことになるので、次のステップS211にて、n番目のノズルは吐出有りと判定処理する。その後、ステップS213に進む。
一方、判定の結果、閾値TH1以内であった場合(ステップS210:YES)、次のステップS212にて、n番目のノズルは吐出無しと判定処理し、その後、ステップS213に進む。
ステップS213では、記録ヘッドの電圧と、記録ヘッドに印加した電圧Veとの電位差を取得する。そして、次のステップS215にて、取得した電位差が閾値TH2以内か否かを判定処理する。
判定の結果、閾値TH2以内に達していない場合は(ステップS215:NO)、ステップS216にて、1セグメント吐出オフの処理を行ったのち、再びステップS213とステップS215の処理を繰り返す。つまり、記録ヘッドの電圧変化による電位差が、閾値TH2以内になるまで、1セグメントづつ吐出オフを繰り返すのである。そして、電位差が閾値TH2以内に達した場合は(ステップS215:YES)、次の検査対象ノズルについて吐出検査を行うべく、ステップS217に進む。
なお、ステップS215において、前述したように、ノズルからインク滴が吐出していない場合は、記録ヘッドの電圧変化は既に閾値TH2以内の電位差になっているので、直ちにステップS217に進むことになる。
ステップS217では、「n+1」をあらたに「n」として、ステップS220に進む。ステップS220では「n」が180より大きいか否かを判定処理し、180以下であれば(ステップS220:NO)未検査ノズルがあるためステップS204に戻り、次の検査対象ノズルについて前述した処理を繰り返す。そして総てのノズルについて検査が終了すると(ステップS220:YES)、第2実施例での吐出検査処理は終了する。
以上説明したように、第2実施例によれば、記録ヘッドの電圧が、次の検査対象ノズルについて吐出検査が行える電圧になった時点で吐出圧力の発生を開始するので、オフセグメント数が所定のセグメント数よりも減少する。従って、ノズルからのインク滴の吐出の有無の判定ができるとともに、吐出検査時間を短縮することが可能となる。
(第3実施例)
次に、第3実施例を、図10のフローチャートに従って説明する。第3実施例は、前述したように、オンとオフ両方のセグメント数を減らして吐出検査を短縮する検査方法であり、第1実施例によるオンセグメント数の削減と、第2実施例によるオフセグメント数の削減とを同時に行おうとするものである。従って、第3実施例の概要説明は省略する。
この処理が開始されると、まず記録ヘッド30と電極部材71との間に電圧を印加する(ステップS301)。第1、第2実施例同様、ASIC61は、電圧発生回路62を駆動し、記録ヘッド30側から電極部材71側への印加方向を有する所定の電圧Veを印加する。この結果、記録ヘッド30側はプラス電荷が帯電し、帯電したインク滴が吐出されると、図4にて説明したように記録ヘッドの電圧は減少することになる。もとより、インク滴が吐出されなくなると、記録ヘッドの電圧は増加に転ずることになる。
次に、ステップS302にて、電界ノイズによって発生する記録ヘッドの電圧バラツキを取得する処理を行う。本実施例では、吐出検査前においてASIC61が記録ヘッドの電圧変化を所定のセグメント期間検出し、検出した電圧変化に存在している電圧Veとの電位差について、プラス側とマイナス側について、それぞれの最大幅を電圧バラツキDBPとDBMとして取得する。取得した電圧バラツキDBPとDBMは、RAM53の所定のエリアに記録される。こうすれば、吐出検査を行う際に、インクジェットプリンタ10において実際に発生している記録ヘッドの電圧変化を用いることができるので、次のステップS303にて設定される閾値は、実際の吐出検査条件に合わせて設定されることになることから、オンセグメント数およびオフセグメント数はより精度良く削減できることになる。もとより、第2実施例と同様に、電界ノイズによって発生する電圧バラツキDBPとDBMは、予めROM52に格納されているものとしてもよい。
次に、ステップS303にて、吐出有無の判定に用いる閾値TH1と、次の検査対象ノズルについての吐出圧力発生の開始タイミングの判定に用いる閾値TH2とを設定するために、閾値設定の処理を行う。本実施例では、電界ノイズによって発生する電圧バラツキDBPとDBMはRAM53に記録され、インク滴が吐出したときの記録ヘッドの電圧に発生する最大電位差△Vbと、吐出するインク滴のインク量減少に対する電位差分△VTは予めROM52に格納されているものとする。従って、CPU51は、RAM53に記録された電圧バラツキDBPとDBM、ROM52に格納された電位差△Vbと電位差分△VTをそれぞれ読み出し、第2実施例と同様の演算を行って閾値TH1と閾値TH2とを設定する。
次に、検査対象のノズル番号となる「n」を1とし(ステップS305)、1番目のノズルを選択する(ステップS306)。つまり、最初にノズルn=1が選択される。なお、第1、第2実施例同様、選択されるノズルはYMCKの各ノズル列順に行われ、まずYのノズル列35Yのノズルn=1が選択される。その後、図10のフローチャートに示した検査処理が他のM、C、Kのノズル列に対して順次行われる。
次に、1セグメント吐出圧力発生の処理を行い(ステップS307)、記録ヘッドの電圧と、記録ヘッドに印加した電圧Veとの電位差を取得する(ステップS308)。CPU51は、1セグメント後においてASIC61が検出した記録ヘッドの電圧と電圧Veとの電位差を求めることによって、電位差を取得する。また、1セグメント吐出圧力を発生するたびに、セグメント数「1」をRAM53に設けた所定の記録エリアに加算して記録する。
次に、CPU51は、求めた電位差と、演算して設定した閾値TH1とを比較することによって、電位差が閾値以内か否かを判定処理する(ステップS310)。そして、判定の結果、閾値TH1以内で無かった場合(ステップS310:NO)、ノズルからインク滴が吐出して電位差が閾値を越えたことになるので、次のステップS311にて、n番目のノズルは吐出有りと判定処理する。その後、ステップS312に進む。
ステップS312では、吐出圧力発生を終了する処理を行う。CPU51は、いずれのパルス信号も選択されないように印刷信号PRTnを制御し、ノズル駆動信号DRVnにパルス信号が出力されないようにすることで、吐出圧力発生を終了させる。その後ステップS317に進む。
一方、判定の結果、閾値TH1以内であった場合(ステップS310:YES)、ノズルからインク滴が吐出していないか、インク滴の吐出数が少なく電圧変化が小さいことになるので、次のステップS315にて、吐出圧力の発生回数が所定のセグメント数か否かを判定処理する。本実施例では、オンセグメント数は8セグメントとしていることから、CPU51は、RAM53に記録したセグメント数が、「8」に達しているか否かを判定する。
判定の結果、所定のセグメント数に達していない場合は(ステップS315:NO)、ステップS307に戻り、1セグメント吐出圧力発生以降の処理を再び繰り返す。つまり、記録ヘッドの電圧変化による電位差が、閾値TH1を超えるまで、または所定のオンセグメント数である8セグメント分に達するまで吐出圧力の発生を繰り返すのである。そして、電位差が閾値TH1を超えないまま所定のセグメント数に達した場合は(ステップS315:YES)、インク滴は吐出されていないことになるので、ステップS316にて、n番目のノズルは吐出無しと判定処理し、その後、ステップS317に進む。
ステップS317では、記録ヘッドの電圧と、記録ヘッドに印加した電圧Veとの電位差を取得する。そして、次のステップS320にて、取得した電位差が閾値TH2以内か否かを判定処理する。
判定の結果、閾値TH2以内でない場合は(ステップS320:NO)、ステップS321にて、1セグメント吐出オフの処理を行ったのち、再びステップS317とステップS320の処理を繰り返す。つまり、記録ヘッドの電圧変化による電位差が、閾値TH2以内になるまで、1セグメントづつ吐出オフを繰り返すのである。そして、電位差が閾値TH2以内になった場合は(ステップS320:YES)、次の検査対象ノズルについて吐出検査を行うべく、ステップS322に進む。
なお、ステップS320において、前述したように、ノズルからインク滴が吐出していない場合は、記録ヘッドの電圧変化は既に閾値TH2以内の電位差になっているので、直ちにステップS322に進むことになる。
ステップS322では、「n+1」をあらたに「n」として、ステップS325に進む。ステップS325では「n」が180より大きいか否かを判定処理し、180以下であれば(ステップS325:NO)未検査ノズルがあるためステップS306に戻り、次の検査対象ノズルについて前述した処理を繰り返す。そして総てのノズルについて検査が終了すると(ステップS325:YES)、第3実施例での吐出検査処理は終了する。
以上説明したように、第3実施例によれば、実際にインク滴が吐出した場合は、記録ヘッドの電圧変化が呈する電位差が、閾値TH1を越えた時点で吐出圧力の発生を終了するので、オンセグメント数が所定のセグメント数よりも減少する。加えて、記録ヘッドの電圧が、次の検査対象ノズルについて吐出検査が行える電圧になった時点で吐出圧力の発生を開始するので、オフセグメント数が所定のセグメント数よりも減少する。従って、ノズルからのインク滴の吐出の有無の判定ができるとともに、オンセグメントとオフセグメントの両方のセグメント数を所定のセグメント数に対して削減できることから、吐出検査時間を短縮することが可能となる。
上述したように、本発明の吐出検査装置を組み込んだ一実施形態としてのインクジェットプリンタ10において、第1実施例、第2実施例、および第3実施例に示した吐出検査処理によれば、各ノズルについての吐出検査期間が短縮できるので、より短時間で複数のノズルの吐出検査が可能となる。
以上、本発明について、一実施形態における3つの実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態および実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な変形形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、上記実施例では、ASIC61が、記録ヘッドの電圧を検出し、吐出検査にあたって印加する所定の電圧Veとの差分を求めて電位差を取得し、取得した電位差を閾値と比較してインク滴の吐出の有無を判定した。本変形例では、記録ヘッド30における電圧の変化分がASIC61に入力されるようにし、この電圧の変化分を1セグメント間隔で検出することによって記録ヘッドの電圧を検出することとしてもよい。
具体的には、図2において、図示しないコンデンサーなどの容量結合素子を、ASIC61への入力の直後もしくは直前に介在させて直流成分をカットし、この直流分がカットされた電圧がASIC61に入力するように構成する。こうすれば、測定の対象となる電圧値が、ASIC61の作動電圧より高い場合(例えば数十ボルト〜百ボルト)、ASIC61の耐電圧値を高くする必要が生ずるが、このように電圧の変化分のみがASIC61に入力されるようにすることで、ASIC61の耐電圧値を抑制できる。もとより、1セグメント毎に検出した電圧変化分を累積加算(積分)すれば、記録ヘッドの電圧に生じた電位差が求まることになる。従って、記録ヘッドに所定の電圧Veが印加されたタイミングで電圧変化分の検出を開始して累積加算した場合は、このように累積加算した電圧の値そのものが記録ヘッドの電位差となるので、そのまま前述した閾値との比較処理に用いることができる。
また、上記実施例では、吐出圧力発生をセグメント単位のセグメント数としたが、これに限らず、例えば、パルス信号の出力数としてもよい。こうすれば、吐出オンと吐出オフの各時間を細かく設定することができるので、オンセグメントとオフセグメントをパルス単位で削減することが可能となることから、より細かく吐出検査時間を短縮することが可能となる。
また、上記実施例では、インク滴が吐出したときの記録ヘッドの電圧に発生する最大電位差△Vbは、予めROM52に格納されていることとしたが、吐出検査に先立って電位差差△Vbを実測することとしてもよい。こうすれば、インクジェットプリンタにおいて実際に生ずる記録ヘッドの電圧変化を用いて吐出検査を行えるので、より適切に吐出検査を行えるとともに、吐出検査時間を短縮することが可能となる。
具体的には、例えば、確実にインク滴が吐出するノズルが特定されている場合はそのノズルを使用し、ノズルが特定されていない場合は、吐出する確率が高い複数のノズルを使用して、所定のオンセグメント数分吐出圧力を発生させる。そして、記録ヘッドの電圧について発生した電位差を複数回測定し、測定した複数回分の電位差の平均値を△Vbとして採用する。こうすれば、電界ノイズに起因して発生している電圧バラツキが相殺される確率が高くなるので、おおよそ実際の値に等しい電位差△Vbが得られることが期待できる。
また、上記実施例では、閾値TH1またはTH2を、ROM52に予め格納された電圧バラツキのデータ(DBP、DBM)と電位差のデータ(△Vb、△VT)とを用いて所定の演算を行って設定することとしたが、これらのデータをユーザーが設定することとしてもよい。さらに、閾値のデータそのものをユーザーが設定することとしてもよい。こうすれば、吐出検査に必要なこれらのデータ値をインクジェットプリンタ毎に設定することができるので、インクジェットプリンタ毎に吐出検査時間をより最適に短縮できることが期待できる。
データ値の設定は、具体的には図1において、ユーザーがPC90を用いて所望するデータ値をI/F55を介してRAM53もしくはフラッシュメモリ54にダウンロードすることによって行えばよい。
また、上記実施例では、閾値TH1あるいは閾値TH2の設定に際して、ROM52に予め格納されたデータ値や測定したデータ値をそのまま用いて演算したが、演算の際にこれらのデータ値にそれぞれ所定の値(例えば一定割合の値)をマージンとして加えたデータ値を用いることとしてもよい。
例えば第3実施例では電圧バラツキを所定のセグメント期間測定したように、閾値TH1あるいはTH2の設定に際して用いるデータ値は、予め定められた測定時間分のデータ値となっている。従って、それぞれのデータ値にマージンを付加することによって、それぞれのデータ値について発生し得る最大値を設定できることが期待できる。この結果、閾値TH1あるいは閾値TH2をより適切に演算できる確率が高まる。
また、上記実施形態では、記録ヘッド30と電極部材71との間に吐出検査用の電圧を印加する際、記録ヘッド30側がプラス電位になるように印加したが、電極部材71側がプラス電位になるように印加することとしてもよい。こうすれば、記録ヘッド30付近に高い電圧を生成する回路を形成することが困難な構成を有するインクジェットプリンタのような場合など、記録ヘッド30側に高い電圧を印加できない場合でも、吐出検査用の電圧を印加することができる。なお、この場合、インク滴が吐出したとき、記録ヘッドの電圧は増加(プラス)方向に変化する。つまり、上記実施形態ではノズルからインク滴が吐出されると電圧がマイナスの方向に変化したが、この場合は、プラスの方向に変化することになる。従って、上述した各実施例においては、プラス側について閾値設定処理を行うことになるが、閾値設定の際に用いる電圧バラツキを「DBP」に替えて「DBM」を用いる以外は、基本的にマイナス側についての閾値設定処理と同じである。
また、上記実施形態では、記録ヘッド30側の電圧を検出するものとしたが、電極部材71側の電圧を検出することとしてもよい。記録ヘッド30から奪われた電荷は、インク滴の着弾とともに電極部材71に移動することから、電極部材71側においても、記録ヘッド30と同様に電圧変化が生ずる。従って、電極部材71側の電圧を検出しても、記録ヘッド30からインク滴の吐出の有無を検査することができる。もとより、電極部材71に生ずる電圧変化の方向は、記録ヘッド30から奪われた電荷が付着するため、記録ヘッド30とは逆の方向の電圧変化が生じることは言うまでもない。
このように、電極部材71側の電圧を検出するようにすれば、電圧を検出するための回路を、ASIC61や基板60に構成する必要が無い。従ってキャリッジ20を軽くしたり小さくしたりすることができるのでキャリッジ20の走査に伴う負荷(例えばキャリッジモータ40の駆動力)を軽減することができる。なお、この場合も、上述したように、記録ヘッド30と電極部材71との間に吐出検査用の電圧を印加する際、電極部材71側がプラス電位になるように印加することとしてもよい。こうすれば、電圧発生回路62をキャリッジ20に設ける必要が無いので、さらにキャリッジを軽くできるので、キャリッジ20の走査に伴う負荷を軽減することができる。
また、上記実施形態では、インクジェットプリンタ10に、インク滴39の着弾受け領域であって吐出検査のための専用の領域となる検査ボックス70にインク滴を吐出して吐出検査を行うこととしたが、これ以外を着弾受け領域としてもよい。例えば、図1において、インクジェットプリンタ10に設けられたクリーニングボックス18を吐出検査のための領域としてもよい。この場合、クリーニングボックス18内に、電極部材71に相当する電極を設けておけばよい。また、印刷媒体25を図面裏面から支持するプラテン28を吐出検査のための領域としてもよい。プラテン28には、説明は省略するが、インクミストを吸収するための電極が溝部を形成して設けられている場合があり、この電極を用いれば吐出検査を行うことができる。また、フチなし印刷の場合、この溝部がインク滴の着弾領域にもなることからも吐出検査のための領域として好適である。あるいは、図示しないが、ノズル先端におけるインクのメニスカス増粘を抑制するためのフラッシングを行う際のフラッシング領域に電極を設けることで、フラッシング領域を吐出検査のための領域としてもよい。
こうすれば、インクジェットプリンタ10内に吐出検査のための専用の領域を設ける必要が無いので、吐出検査のための領域を設けるためにインクジェットプリンタを大きくすることを回避することができる。また、インクジェットプリンタに既に備えられている部材を吐出検査のための部材と兼用することができるので、インクジェットプリンタのコストアップを抑制することができる。
また、上記実施形態では、圧電素子を駆動して、ノズルからインク滴を吐出させることとしたが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけてインクを加熱し、発生した気泡によりインクを加圧してインク滴を吐出させるものとしてもよい。こうすれば、圧電素子を用いないインクジェットプリンタにも、本発明の吐出検査装置を適用することができる。
また、上記実施形態では、一例として、印刷媒体にインク滴を吐出するインクジェットプリンタについて、これに組み込まれた吐出検査装置を説明したが、本発明はこれに限るものではないことは勿論である。例えば、ガラス基板や樹脂基板に記録液を吐出して配線パターンの形成を行うインクジェット記録装置など、インクジェット方式を用いて記録液を吐出することによって、画像や図形、文字などを記録媒体に記録する装置でも、同様に本発明の吐出検査装置を適用することができるものである。
本発明の一実施形態となるインクジェットプリンタの概略構造図。 本発明の一実施形態としての吐出検査装置の構成を説明するための模式図。 記録ヘッド内のインクに圧力を発生させる駆動方法を説明する説明図。 本発明の吐出検査における主な信号のタイミングチャート。 第1の実施例についての概要を説明するためのタイミングチャート。 第1の実施例について、吐出検査処理内容を説明するフローチャート。 第2の実施例についての概要を説明するためのタイミングチャート。 第2の実施例についての概要を説明するためのタイミングチャート。 第2の実施例について、吐出検査処理内容を説明するフローチャート。 第3の実施例について、吐出検査処理内容を説明するフローチャート。
符号の説明
10…インクジェットプリンタ、11〜14…インクカートリッジ、17…フレーム、18…クリーニングボックス、20…キャリッジ、21…ガイド、25…印刷媒体、26…駆動モータ、28…プラテン、30…記録ヘッド、31…ドライバー基板、32…圧電素子、33…部材、34…ノズルプレート、35Y,35M,35C,35K…ノズル列、38…インク、39…インク滴、40…キャリッジモータ、41…キャリッジベルト、45…フレキシブル基板、50…メイン基板、50a…主制御回路、51…CPU、51a…電圧印加部、51b…ノズル選択部、51c…閾値設定部、51d…吐出圧力発生部、51e…電位差取得部、52…ROM、53…RAM、54…フラッシュメモリ、55…I/F、60…サブ基板、60a…副制御回路、61…ASIC、62…電圧発生回路、64…抵抗、65…結線部材、66…結線部材、70…検査ボックス、71…電極部材、72…インク吸収体。

Claims (8)

  1. 電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧の変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査装置であって、
    前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加部と、
    前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択部と、
    前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生部と、
    前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された所定の電圧の変化値が、超える値となる閾値を設定する閾値設定部と、
    前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得部と、
    を備え、
    前記吐出圧力発生部は、前記電位差取得部が取得した前記電位差が、前記閾値となったときは、その時点で前記吐出圧力の発生を終了し、
    前記ノズル選択部は、前記吐出圧力発生部が吐出圧力の発生を終了したのち一定期間後に、次の検査対象ノズルを選択することを特徴とする吐出検査装置。
  2. 電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査装置であって、
    前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加部と、
    前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択部と、
    前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生部と、
    前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された所定の電圧の変化値が超える値となる第1の閾値と、当該第1の閾値に対して、少なくとも前記記録ヘッドに発生する電圧バラツキに相当する電位差分小さい値を有する第2の閾値とを設定する閾値設定部と、
    前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得部と、
    を備え、
    前記ノズル選択部は、前記吐出圧力発生部による前記吐出圧力の発生終了後、前記電位差取得部が取得した電圧差が、前記第2の閾値以内となったとき、次の検査対象ノズルを選択し、
    前記吐出圧力発生部は、前記選択された次の検査対象ノズルについて、前記吐出圧力の発生を開始することを特徴とする吐出検査装置。
  3. 請求項2に記載の吐出検査装置であって、
    前記吐出圧力発生部は、前記電位差取得部が取得した前記電位差が、前記第1の閾値となったときは、その時点で、前記吐出圧力の発生を終了することを特徴とする吐出検査装置。
  4. 請求項2または3に記載の吐出検査装置であって、
    前記電位差取得部は、前記所定の電圧が印加された後、前記吐出圧力発生開始までの間において、前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得し、
    前記閾値設定部は、前記取得された電位差を、前記電圧バラツキに相当する電位差として用いて、前記第2の閾値を設定することを特徴とする吐出検査装置。
  5. 電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧の変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査方法であって、
    前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
    前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択工程と、
    前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生工程と、
    前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された所定の電圧の変化値が、超える値となる閾値を設定する閾値設定工程と、
    前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得工程と、
    を備え、
    前記吐出圧力発生工程は、前記電位差取得工程が取得した前記電位差が、前記閾値となったときは、その時点で前記吐出圧力の発生を終了し、
    前記ノズル選択工程は、前記吐出圧力発生工程が吐出圧力の発生を終了したのち一定期間後に、次の検査対象ノズルを選択することを特徴とする吐出検査方法。
  6. 電圧が印加された記録ヘッドに設けられた複数のノズルから記録液が吐出されたときに生ずる前記記録ヘッドの電圧変化を利用して、前記複数のノズルからの前記記録液の吐出の有無を検査する吐出検査を行う吐出検査方法であって、
    前記記録ヘッドに所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
    前記複数のノズルから前記吐出検査の検査対象ノズルを順次選択するノズル選択工程と、
    前記順次選択される検査対象ノズルに、当該検査対象ノズルから前記記録液が吐出すべき吐出圧力を前記記録液に所定期間発生させる吐出圧力発生工程と、
    前記所定期間記録液が吐出したときに生ずる前記記録ヘッドに印加された所定の電圧の変化値が超える値となる第1の閾値と、当該第1の閾値に対して、少なくとも前記記録ヘッドに発生する電圧バラツキに相当する電位差分小さい値を有する第2の閾値とを設定する閾値設定工程と、
    前記記録ヘッドの電圧と前記所定の電圧との電位差を取得する電位差取得工程と、
    を備え、
    前記ノズル選択工程は、前記吐出圧力発生工程による前記吐出圧力の発生終了後、前記電位差取得工程が取得した電圧差が、前記第2の閾値以内となったとき、次の検査対象ノズルを選択し、
    前記吐出圧力発生工程は、前記選択された次の検査対象ノズルについて、前記吐出圧力の発生を開始することを特徴とする吐出検査方法。
  7. 請求項6に記載の吐出検査方法であって、
    前記吐出圧力発生工程は、前記電位差取得工程が取得した前記電位差が、前記第1の閾値となったときは、その時点で、前記吐出圧力の発生を終了することを特徴とする吐出検査方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれか一項に記載の吐出検査方法の各工程を、コンピュータに実行させるための検査プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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