JP4848726B2 - インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム - Google Patents

インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4848726B2
JP4848726B2 JP2005288638A JP2005288638A JP4848726B2 JP 4848726 B2 JP4848726 B2 JP 4848726B2 JP 2005288638 A JP2005288638 A JP 2005288638A JP 2005288638 A JP2005288638 A JP 2005288638A JP 4848726 B2 JP4848726 B2 JP 4848726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
recording liquid
inspection
print
capping member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005288638A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007098642A (ja
Inventor
伸也 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005288638A priority Critical patent/JP4848726B2/ja
Publication of JP2007098642A publication Critical patent/JP2007098642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4848726B2 publication Critical patent/JP4848726B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラムに関する。
従来、インクジェット記録装置としては、例えば特許文献1のように、印字休止時に印刷ヘッドのノズル部に蓋をするキャッピング部材をグランドに接地すると共に印刷ヘッドに電圧を印加することにより、印刷ヘッドとキャッピング部材の内部に設けられた検査領域との間に電位差を発生させ、その状態で印刷ヘッド上で帯電されたインク滴を検査領域に向かって飛翔させたときの印刷ヘッドと検査領域との間の電界強度の変化をキャッピング部材側に設けた電界検知部が検知することにより、実際にインク滴が飛翔したか否かを検査するものが知られている。この種の検査は誘導電流を利用していると考えられるので、「誘導電流を利用したノズル検査」と称することとする。
特開昭59−178256号公報
しかしながら、特許文献1では、キャッピング部材と印刷ヘッドとを押圧接触させた状態で誘導電流を利用したノズル検査を行っているため、印刷ヘッドに電圧を印加したときに印刷ヘッドと検査領域との間に当初予定していた電位差が生じない事態が起こるおそれがある。すなわち、インクジェット記録装置を暫く使用すると、インクミスト等により印刷キャッピング部材の表面や縁にインク堆積物が付着することが多いが、この堆積物がキャッピング部材と印刷ヘッドとの間に介在していると、印刷ヘッドに電圧を印加したときに堆積物を介して電流がリークしてしまう。すると、印刷ヘッドに電圧を印加したときに印刷ヘッドと検査領域との間に当初予定していた電位差が生じなくなり、その分、電界検知部での電界強度の変化が小さくなり、ノズル検査の精度が低下してしまう。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、キャッピング部材に印刷記録液受け領域を設けてノズル検査を行う場合の検査精度を高く維持することができるインクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のインクジェット記録装置は、
複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドを利用して印刷媒体への印刷を行うインクジェット記録装置であって、
前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域を有するキャッピング部材と、
前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが接触するよう前記距離変更手段を制御することにより前記キャッピング部材で前記ノズル形成部材に蓋をするキャッピング実行手段と、
前記距離変更手段により前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とを離間させ且つ前記電位差発生手段により前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に前記所定の電位差を発生させている状態で、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し、前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出され得るか否かを検査するノズル検査実行手段と、
を備えたものである。
このインクジェット記録装置では、印刷休止時などには、キャッピング部材とノズル形成部材とを接触させてキャッピング部材でノズル形成部材に蓋をし、ノズルの乾燥を防止する。一方、ノズル検査時には、キャッピング部材とノズル形成部材とを離間させ且つ印刷ヘッド内の印刷記録液と印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させている状態で、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するようにし、印刷ヘッド内の印刷記録液又は印刷記録液受け領域の電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出され得るか否かを検査する。このノズル検査を行う際、キャッピング部材とノズル形成部材とは離間しているため、キャッピング部材に印刷記録液の堆積物が溜まったとしても、その堆積物を介してキャッピング部材とノズル形成部材とが短絡するおそれはない。このため、キャッピング部材内の印刷記録液受け領域と印刷ヘッド内の印刷記録液との間に所定の電位差を発生させるにあたり、電流がリークして所定の電位差が得られなくなるような事態が生じない。したがって、キャッピング部材に印刷記録液受け領域を設けてノズル検査を行う場合の検査精度を高く維持することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段、を備え、前記キャッピング実行手段は、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが接触するよう前記距離変更手段を制御することにより前記キャッピング部材で前記ノズル形成部材に蓋をしたあと前記ノズル形成部材の各ノズルから印刷記録液を吸引するよう前記負圧発生手段を制御してもよい。こうすれば、ノズル内に溜まった印刷記録液を効率よく除去することができる。
本発明のインクジェット記録装置において、前記ノズル検査実行手段は、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが離間するよう前記距離変更手段を制御するに際して、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離が通常時よりも小さくなるように制御してもよい。通常時のキャッピング部材とノズル形成部材との距離が大きい場合にそのままノズル検査を行うと電界強度が十分高くならず検査精度が低下するおそれがあるが、ここではノズル検査時にはキャッピング部材とノズル形成部材との距離を通常時よりも小さくするため、その分電界強度が高くなり検査精度を高く維持することができる。なお、「通常時」とは、例えば印刷ヘッドがキャッピング部材の上方を通過するときなどをいう。
本発明のインクジェット記録装置において、前記ノズル検査実行手段は、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが離間するよう前記距離変更手段を制御するに際して、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離が、ノズル検査を所定回数行ったあとに前記印刷記録液受け領域上に前記印刷記録液に由来する堆積物が堆積したとしても該堆積物と前記ノズル形成部材とが接触しない距離になるよう制御してもよい。かかる距離は、例えば実験等によりノズル検査を所定回数行ったときの堆積物の堆積量を把握し該堆積量に基づいて求めるようにしてもよい。
本発明のインクジェット記録装置において、前記距離変更手段は、前記ノズル形成部材に対して前記キャッピング部材を接近離間させる手段であってもよい。一般にキャッピング部材はノズル形成部材に対して接近離間するように構成されているため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することにより新たに距離変更手段を設ける必要がなくなる。あるいは、前記距離変更手段は、前記キャッピング部材に対して前記ノズル形成部材を接近離間させる手段であってもよい。ノズル検査を行う場合には印刷記録液受け領域に堆積物が溜まることを考慮してノズル形成部材を印刷記録液受け領域に対して接近離間するように構成することがあるが、そのような場合には、その構成を本発明の距離変更手段として利用することができる。
本発明のインクジェット記録装置において、前記電位差発生手段は、前記印刷記録液受け領域をグランドに接地し前記印刷ヘッド内の印刷記録液に電圧を印加することにより前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させてもよい。印刷ヘッド内の印刷記録液をグランドに接地し印刷記録液受け領域に電圧を印加する場合には、印刷記録液受け領域に溜まった印刷記録液堆積物により電流がリークして印刷ヘッド内の印刷記録液と印刷記録液受け領域との間に所定の電位差が生じないおそれがあるのに対して、印刷記録液受け領域をグランドに接地し印刷ヘッド内の印刷記録液に電圧を印加する場合にはそのようなリークのおそれがないため好ましい。
本発明のインクジェット記録装置において、前記電気的変化検出手段は、前記印刷ヘッドを移動させるキャリッジ上に設けられ前記印刷ヘッドの印刷記録液と接触している記録液接触部材の電気的変化を検出してもよい。こうすれば、印刷ヘッド内の印刷記録液と電気的変化検出手段との距離が短くなるから、その分検出信号はノイズの影響を受けにくい。また、キャリッジが既に基板(例えばキャリッジの位置を把握する位置把握回路が形成された基板等)を有している場合には、その既存の基板に電気的変化検出手段を設けるようにしてもよい。この場合、ノズル検査における電気的変化の検出を基板の数を増やすことなく行うことができる。
本発明のインク検査方法は、
複数のノズルを形成するノズル形成部材が設けられた印刷ヘッドと、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域を有するキャッピング部材と、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離を変更可能な距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、を利用してノズル検査を行う、コンピュータ・ソフトウェアによるノズル検査方法であって、
(a)前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが接触するよう前記距離変更手段を制御することにより前記キャッピング部材で前記ノズル形成部材に蓋をするステップと、
(b)前記ステップ(a)の前又は後に行われるステップであって、前記距離変更手段により前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが離間し且つ前記電位差発生手段により前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に前記所定の電位差が発生している状態で、各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し、前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出され得るか否かを検査するステップと、
を含むものである。
このノズル検査方法では、ノズル検査を行う際、キャッピング部材とノズル形成部材とは離間しているため、キャッピング部材に印刷記録液の堆積物が溜まったとしても、その堆積物を介してキャッピング部材とノズル形成部材とが短絡するおそれはない。このため、キャッピング部材内の印刷記録液受け領域と印刷ヘッド内の印刷記録液との間に所定の電位差を発生させるにあたり、電流がリークして所定の電位差が得られなくなるような事態が生じない。したがって、キャッピング部材に印刷記録液受け領域を設けてノズル検査を行う場合の検査精度を高く維持することができる。なお、このノズル検査方法において、上述したインクジェット記録装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述したインクジェット記録装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述したノズル検査方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述したノズル検査方法の各ステップが実行されるため、該方法と同様の作用効果が得られる。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は本実施形態であるインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図、図2はキャリッジ22を背面下側から見たときの斜視図、図3はキャリッジ22の左側面図(破断面図であり円内は部分拡大断面図)、図4は印刷ヘッド24の電気的接続を表す説明図、図5は紙送り機構31の説明図、図6はキャッピング部材昇降機構90の説明図、図7はノズル検査装置50の構成の概略を示す構成図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、プラテン44上を奥から手前へと搬送される記録紙Sにインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、駆動モータ33により駆動される紙送りローラ35を含む紙送り機構31と、プラテン44の右端近傍に形成されたキャッピング部材40を昇降させるキャッピング部材昇降機構90(図6参照)と、プラテン44上の左端近傍に形成され印刷ヘッド24からインク滴が正常に吐出されるか否かを検査するノズル検査装置50と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32によりガイド28に沿って左右に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24とを備えている。
キャリッジ22は、メカフレーム80の右側に取り付けられたキャリッジモータ34aとメカフレーム80の左側に取り付けられた従動ローラ34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモータ34aによって駆動されるのに伴って移動する。このキャリッジ22の背面には、図2に示すように、フォトディテクタ62を搭載したエンコーダ用基板64が取り付けられている。このフォトディテクタ62は、エンコーダ用基板64上の配線を束ねたコネクタ部66に差し込まれたフラットケーブル82を介して、メカフレーム80の裏面に取り付けられたメイン基板84(図1参照)上のコントローラ70と信号のやり取りを行う。また、フォトディテクタ62は、キャリッジベルト32と平行となるようにメカフレーム80上に張設されたリニアスケール68の目盛りを光学的に読み取って得たポジション信号をコントローラ70へ出力する。そして、コントローラ70は、このポジション信号に基づいてキャリッジ22がキャリッジ移動方向(主走査方向)のどこに位置しているかを認識する。なお、フォトディテクタ62とリニアスケール68とがリニアエンコーダを構成する。
インクカートリッジ26は、図示しないが、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)などの印刷用に用いる印刷記録液としてのインクを各々収納する容器として構成されており、キャリッジ22に着脱可能に装着されている。このインクカートリッジ26は、図3に示すように各インクごとにインク供給口26aを有し、キャリッジ22に設けられたインク供給針22aがインク供給口26aに差し込まれることによりキャリッジ22の下面に形成された印刷ヘッド24へインクを供給可能となる。また、インクカートリッジ26の側面には、インク残量などの情報を記憶する集積回路基板26bが取り付けられ、この集積回路基板26bは図示しない接続端子を介してエンコーダ用基板64に電気的に接続され、エンコーダ用基板64を経由してメイン基板84上のコントローラ70との間で信号のやり取りを行う。
印刷ヘッド24は、図3に示すように、複数のノズル23が穿設されたノズルプレート27と、このノズルプレート27に形成されたノズル23に連通するインク室29が形成されたキャビティプレート25と、インク室29の上壁をなす振動板85に貼り付けられた圧電素子48と、この圧電素子48を駆動するマスク回路47(図4参照)等が設けられたヘッド駆動用基板30とを備えている。なお、インク室29には、インクカートリッジ26のインク供給口26aからインクが供給される。
ノズルプレート27には、図4に示すように、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを吐出する複数のノズル23を配列したノズル列43が設けられている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23と総称し、すべてのノズル列をノズル列43と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列43C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列43M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列43Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列43Kと称する。以下ノズル23Kを用いて説明する。この印刷ヘッド24では、180個のノズル23Kを記録紙Sの搬送方向に沿って配列してノズル列43Kを構成している。各ノズル23Kには、インク滴を吐出するための駆動素子として圧電素子48が設けられており、この圧電素子48に電圧をかけることによりこの圧電素子48を変形させてインクを加圧しノズル23Kから吐出する。図3の円内には、変形前の圧電素子48を実線で示し、変形後の圧電素子48を点線で示した。この図に示すように、変形後の圧電素子48はインク室29の上壁を押し下げることによりインクを加圧する。
ヘッド駆動用基板30は、図示しないコネクタ部を介して図1に示すフラットケーブル82に接続されており、フラットケーブル82を介してメイン基板84上のコントローラ70と信号のやり取りを行う。ヘッド駆動用基板30に形成されたマスク回路47は、各ノズル23Kをそれぞれ駆動する圧電素子48に対応して設けられている。このマスク回路47には、コントローラ70で生成された原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力される。なお、印刷信号PRTnの末尾のnはノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、本実施形態ではノズル列は180個のノズルからなるため、nは1から180のいずれかの整数値となる。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ22が一画素の間隔を横切る時間内)において、図4の下部に示すように、微振動パルスPvと第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3との4つの駆動波形からなっている。この4つの駆動波形を繰り返し単位とする原信号ODRVを、本実施形態では1セグメントと称する。マスク回路47は、原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力されると、これらの信号に基づいて微振動パルスPvと第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とのうち必要なパルスを駆動信号DRVn(nの意味するところは印刷信号PRTnのnと同じ)としてノズル23Kの圧電素子48に向けて出力する。具体的には、マスク回路47から圧電素子48に微振動パルスPvのみが出力されると、ノズル23K内でインクが振動するのみでインク滴は吐出されない。この微振動パルスPvは、通常、インクを吐出する対象でないノズル23Kに対応する圧電素子48に付与される。インクを吐出する対象でないノズル23Kをそのまま放置すると、ノズル23Kのインクが固まりノズル23Kが詰まりやすくなることから、これを防ぐためにノズル23K内でインクを振動させるのである。また、マスク回路47から圧電素子48に第1パルスP1のみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには小さいサイズのドット(小ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、インクジェットプリンタ20では、一画素区間において吐出されるインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列43C,43M,43Yについても上記ノズル23Kやノズル列43Kと同様である。また、印刷ヘッド24は、ここでは圧電素子48を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
紙送り機構31は、図5に示すように、給紙トレイ38に載置された記録紙Sを挿入する記録紙挿入口39と、給紙トレイ38に載置された記録紙Sを印刷ヘッド24に供給する給紙ローラ36と、印刷ヘッド24へ記録紙Sやロール紙を搬送する紙送りローラ35と、印刷後の記録紙Sを排紙する排紙ローラ37とを備えている。給紙ローラ36、紙送りローラ35及び排紙ローラ37は、図示しないギヤ機構を介して駆動モータ33(図1参照)により駆動される。なお、給紙ローラ36の回転駆動力と図示しない分離パッドの摩擦抵抗とによって、複数の記録紙Sが一度に給紙されることを防いでいる。図1において、記録紙Sの搬送方向は奥側から手前に向かう方向であり、印刷ヘッド24と共に移動するキャリッジ22の移動方向は記録紙Sの搬送方向と直交する方向(主走査方向)である。
キャッピング部材昇降機構90は、図6に示すように、メカフレーム80に固定され上下方向に延びるリニアガイド91と、このリニアガイド91に摺動可能にはめ込まれたスライダ92と、リニアガイド91の内部にてスライダ92を上下方向に貫通し自身が軸回転することによってスライダ92を回転させることなく上下方向に移動させるボールネジ94と、このボールネジ94を軸回転させるモータ96とを備えている。そして、スライダ92には、キャッピング部材40が台座98を介して固定されている。このため、モータ96を駆動してボールネジ94を所定方向に軸回転させると、スライダ92が上昇するのに伴ってキャッピング部材40も上昇する。一方、モータ96を駆動してボールネジ94を所定方向とは逆方向に軸回転させると、スライダ92が下降するのに伴ってキャッピング部材40も下降する。
ノズル検査装置50は、図7に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から飛翔したインク滴が着弾可能な検査領域52を有するキャッピング部材40と、検査領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させる電圧印加回路53と、検査領域52の電圧を検出する電圧検出回路54とを備えている。
キャッピング部材40は、プラテン44の印刷可能領域から右側に外れた位置に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体であり、開口縁がシリコンゴムなどの絶縁体によって形成されている。このキャッピング部材40は、ノズル詰まりの有無を検査する際に使用されるほか、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときにも利用される。また、キャッピング部材40には、吸引ポンプ41が開閉バルブ42を介して接続され、開閉バルブ42が開状態のときに吸引ポンプ41が作動するとキャッピング部材40の内部空間に負圧が発生する。キャッピング部材40がノズル23を封止しているときにこの負圧を発生させることにより、ノズル23内のインクが強制的に吸い出される。なお、吸引ポンプ41と開閉バルブ42とは伸縮性のあるチューブによって接続されている。
検査領域52は、インク滴が直接着弾する上側インク吸収体55と、この上側インク吸収体55に着弾したあと下方に透過してきたインク滴を吸収する下側インク吸収体56と、上側インク吸収体55と下側インク吸収体56との間に配置されたメッシュ状の電極部材57とにより構成されている。上側インク吸収体55は、電極部材57と同電位となるように導電性を有するスポンジによって作製され、その表面が検査領域52となっている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、ここではエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E,ブリジストン(株)製)が用いられている。下側インク吸収体56は、上側インク吸収体55に比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されており、ここでは不織布(商品名:キノクロス,王子キノクロス(株)製)が用いられている。電極部材57は、ステンレス(例えばSUS)製の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側インク吸収体55に一旦吸収されたインクは格子状の電極部材57の隙間を通って下側インク吸収体56に吸収・保持される。この電極部材57は、メカフレーム80(図1参照)を介してグランドに接地されている。ここでは、電極部材57は、導電性を有する上側インク吸収体55と接触しているため、上側インク吸収体55の表面すなわち検査領域52も電極部材57と同様、グランド電位となる。
電圧印加回路53は、インクジェットプリンタ20の内部で引き回される数ボルトの電気配線の電圧を図示しない昇圧回路を介して数十〜数百ボルトに昇圧し、この昇圧後の電圧を印刷ヘッド24のノズルプレート27に印加する回路である。電圧検出回路54は、図2及び図3に示すように、キャリッジ22に取り付けられたエンコーダ用基板64上にフォトディテクタ62と並設されている。この電圧検出回路54は、ノズルプレート27の電圧を検出するように接続され、ノズルプレート27の電圧信号を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号をA/D変換してコントローラ70へ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔・着弾による電圧変化が微弱なことから、複数のインク滴の飛翔・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してコントローラ70に出力するものである。
コントローラ70は、図1に示すように、メカフレーム80の裏面に取り付けられたメイン基板84上に設けられ、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)79と、図示しない入出力ポートとを備えている。なお、ROM73には、後述するメインルーチンやノズル検査ルーチン、クリーニング処理ルーチン、印刷処理ルーチンの各処理プログラムが記憶されている。また、RAM74には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域にユーザPC110からI/F79を介して送られてきた印刷データが記憶される。このコントローラ70には、ノズル検査装置50の電圧検出回路54から出力された電圧信号や、フォトディテクタ62からのキャリッジ22のポジション信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC110から出力された印刷ジョブなどがI/F79を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24(マスク回路47や圧電素子48を含む)への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号、キャッピング部材昇降機構90のモータ96への制御信号、開閉バルブ42への開閉信号、吸引ポンプ41への動作制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPC110への印刷ステータス情報などがI/F79を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。ここでは、まず、メインルーチンの動作について図8に基づいて説明する。図8は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートである。このルーチンは、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとに(例えば数msecごとに)CPU72により実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS100)。ユーザPC110から受信した印刷ジョブは、RAM74に形成された印刷バッファ領域に格納されて印刷待ち状態の印刷ジョブとなるため、印刷ジョブを受信したときに印刷中の場合だけでなく直ちに印刷可能な場合であっても一旦印刷待ち状態の印刷ジョブとなる。そして、ステップS100で印刷待ち状態の印刷ジョブが存在しないときには、そのままこのメインルーチンを終了する。
一方、ステップS100で、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在したときには、ノズル検査ルーチンを実行する(ステップS110)。図9は、このノズル検査ルーチンのフローチャートである。ノズル検査ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、電圧印加回路53のスイッチSWを入れて検査領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させると共に、開閉バルブ42を閉じ、今回の検査位置つまりノズル23からインクを吐出する検査領域52の位置を取得する(ステップS300)。ここでは、インクの吐出により検査領域52の表面にインクに含まれる固形物が堆積することがあるため、ノズル検査ルーチンを実行するごとに検査位置を変更するように設定されている。図10は、ノズル検査処理における検査位置の説明図である。図10では複数の検査位置p1,p2,p3,p4が設定され、1回のノズル検査ルーチンにおいては、検査位置の違いによる誘導電圧の検出値のばらつきが生じないように、各ノズル列43で同じ検査位置にインクを吐出するよう設定されている。例えば、今回のノズル検査を検査位置p1で行う場合には、最初にノズル列43Yを検査位置p1に対向するように位置決めしてそのノズル列43Yに含まれる各ノズル23Yからインク滴を吐出し、次にノズル列43Mを検査位置p1に対向するように位置決めしてそのノズル列43Mに含まれる各ノズル23Mからインク滴を吐出し、その後ノズル列43C,43Kについても同様にして検査位置p1にて各ノズル23C,23Kからインク滴を吐出する。また、ある検査位置だけにインクの固形分が堆積し過ぎないように、次回の検査位置は今回の検査位置とは別の位置にインクを吐出するようになっている。例えば、今回のノズル検査を検査位置p1で行った場合には次回のノズル検査は検査位置p2で行う、という具合である。さて、図9に戻り、ステップS300で今回の検査位置を取得したあと、CPU72はキャリッジモータ34aを駆動して印刷ヘッド24のノズル列43のうち検査対象となるノズル列43が今回の検査位置に対向するようにキャリッジ22を移動する(ステップS310)。続いて、検査領域52とノズルプレート27とのギャップが予め定めた所定距離となるようにキャッピング部材昇降機構90のモータ96を駆動する(ステップS315)。この所定距離は、ノズル検査を所定回数行ったあとに検査領域52上やキャッピング部材40の開口縁上にインク堆積物が堆積したとしてもそれらのインク堆積物とノズルプレート27とが接触しない距離となるように、予め実験等により設定されている。したがって、この状態では、検査領域52とノズルプレート27とは離間しており、キャッピング部材40の開口縁とノズルプレート27とは離間している。その後、インクを吐出する対象でないノズル23に対応する圧電素子48には、マスク回路47から第1〜第3パルスP1〜P3はもちろん微振動パルスPvも入力されないようにし、検査対象つまりインクを吐出する対象であるノズル列43のうちの1つのノズル23のマスク回路47及び圧電素子48(図4参照)を介してそのノズル23から帯電したインク滴を吐出させる(ステップS320)。
ところで、通常の印刷時には、インクを吐出させないノズル23については、そのノズル23に対応するマスク回路47から圧電素子48に微振動パルスPvのみが入力されるようにしてノズル23内でインクを振動させることにより、ノズル23の吐出口付近でインクが乾燥して固まるのを阻止する。しかし、ノズル検査時に同様の処理を実行すると、電圧検出回路54がノズルプレート27の電圧を検出する構成を採用しているため、検出電圧がノイズに埋もれてしまうおそれがある。すなわち、ノズル検査時にはインクを吐出させるノズル23は1つであるため検出電圧は微弱であるのに対して、インクを吐出させないノズル23は残り全部であるため微振動パルスPvによるノイズの影響が大きくなる。したがって、インクを吐出させないノズル23に対応する圧電素子48には微振動パルスPvも含めてパルスを入力しないようにするのである。
また、検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加した状態でインク滴をノズル23から吐出させる実験を実際に行ったところ、ノズルプレート27の出力信号波形がサインカーブとして表れた。このような出力信号波形が得られる原理は明らかではないが、帯電したインク滴が検査領域52に接近するのに伴って静電誘導により誘導電流が流れたことに起因すると考えられる。また、ノズルプレート27からの出力信号波形の振幅は、印刷ヘッド24から上側インク吸収体55(検査領域52)までの距離に依存したほか、飛翔するインク滴の有無やその大きさにも依存した。このため、ノズル23が詰まってインク滴が飛翔しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号波形の振幅が通常時に比べて小さくなるか略ゼロになるから、出力信号波形の振幅に基づいてノズル23の詰まりの有無を判定することができる。本実施形態では、インク滴が所定の大きさであっても1ショット分のインク滴による出力信号波形の振幅が微弱なことから、駆動波形を表す1セグメントの第1〜第3パルスP1,P2,P3のすべてを出力する操作を8回行うことにより24ショット分のインク滴を吐出するようにした。これにより、出力信号は24ショット分のインク滴による積分値となるため、電圧検出回路54からは十分大きな出力信号波形が得られた。
図9に戻り、このように検査対象となるノズル列43のうちの1つのノズル23から帯電したインク滴を吐出させたあと、CPU72は電圧検出回路54で検出された信号波形の振幅すなわち出力レベルが閾値Vthr以上か否かを判定する(ステップS330)。この閾値Vthrは、24ショット分のインクが正常に吐出されたときの出力信号波形の出力レベル(ピーク値)が超えるように、また24ショット分のインクが正常に吐出されなかったときにはノイズ等によって超えてしまうことのないように、経験的に定められた値である。そして、ステップS330で出力レベルが閾値Vthr未満だったときには、今回のノズル23に詰まりなどの異常が生じているとみなし、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM74の所定領域に記憶する(ステップS340)。このステップS340のあと又はステップS330で出力レベルが閾値Vthr以上のとき(つまり今回のノズル23が正常だったとき)、CPU72は現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS350)、現在検査中のノズル列43に未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS360)、その後再びステップS320以降の処理を行う。一方、ステップS350で現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったか否かを判定し(ステップS370)、未検査のノズル列43が存在するときには、検査対象となるノズル列43を未検査のノズル列43に更新し(ステップS380)、その後再びステップS310以降の処理を行う。一方、ステップS370で印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったときには、電圧印加回路53のスイッチSWをオフにし(ステップS390)、このノズル検査ルーチンを終了する。このルーチンを実行することにより、RAM74の所定領域には、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23がある場合にはそのノズル23を特定する情報が記憶され、異常が発生しているノズル23がない場合には何も記憶されない。
さて、図8のメインルーチンに戻り、上述したノズル検査ルーチン(ステップS110)を実行したあと、CPU72は、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23があるか否かをRAM74の所定領域の記憶内容に基づいて判定し(ステップS120)、異常が発生しているノズル23があるときには、詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行うが、その前に異常解消のために行ったクリーニングの回数が予め定められた上限回数(例えば3回)に至ったか否かを判定する(ステップS130)。そして、クリーニングの回数が上限回数未満のときには、印刷ヘッド24のクリーニング処理を実行する(ステップS140)。図11は、クリーニング処理ルーチンのフローチャートである。このクリーニング処理ルーチンが開始されると、CPU72は、キャリッジ22がキャッピング部材40の上方に位置するようにキャリッジモータ34aを駆動してキャリッジ22を移動させ(ステップS500)、その後図12に示すようにキャッピング部材40の開口縁がノズルプレート27に接触するまでキャッピング部材昇降機構90のモータ96を駆動する(ステップS510)。続いて、開閉バルブ42を開くことによりキャッピング部材40の内部空間と吸引ポンプ41とを連通し(ステップS520)、吸引ポンプ41の稼働を開始する(ステップS530)。これにより、キャッピング部材40の内部空間が負圧となりノズル23内のインクが吸引される。その後、所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS540)、所定時間が経過していないときにはそのまま待機する。なお、所定時間は、ノズル23内のインクを十分吸引することのできる時間として実験等により予め設定されROM73に記憶されている値である。一方、ステップS540で所定時間が経過したときには吸引ポンプ41の稼働を終了し(ステップS550)、開閉バルブ42を閉じると共にキャッピング部材昇降機構90のモータ96を駆動してキャッピング部材40を通常位置に戻し(ステップS560)、このクリーニング処理ルーチンを終了する。このクリーニング処理を実行することにより、ノズル23内に溜まったインク(例えば長期間放置したことにより粘性が高くなったインクなど)を除去することができる。
さて、図8のメインルーチンに戻り、クリーニング処理を実行した後、ノズル23の異常が解消されたか否かを調べるため再びステップS110のノズル検査ルーチンに戻る。なお、このステップS110では、異常が発生していたノズル23のみを再検査してもよいが、何らかの原因でクリーニング時に正常だったノズル23に詰まりが発生することも考えられることから、印刷ヘッド24のすべてのノズル23について再検査を行う。一方、ステップS130でクリーニングを行った回数が上限回数に達していたときには、クリーニングを行ったとしても異常が発生したノズル23は正常化しないとみなし、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS150)、このメインルーチンを終了する。一方、ステップS120で異常が発生しているノズル23がなかったときには、印刷処理ルーチンを実行し(ステップS160)、その後メインルーチンを終了する。
図13は、この印刷処理ルーチンのフローチャートである。印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、給紙処理を実行する(ステップS400)。給紙処理は、駆動モータ33の駆動により給紙ローラ36(図5参照)を回転駆動させ給紙トレイ38に載置された記録紙Sを紙送りローラ35まで搬送する処理である。次に、CPU72は、キャリッジモータ34aの駆動によりキャリッジ22をホームポジションなどから図1において左方向に移動させながら印刷ヘッド24からインクを吐出させ印刷データに基づいて往路印刷を実行する(ステップS410)。続いて、CPU72は、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがあるか否かを判定し(ステップS420)、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべきデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップS430)、キャリッジモータ34aの駆動によりキャリッジ22を図1において右方向に移動させながら印刷ヘッド24からインクを吐出させ印刷データに基づいて復路印刷を実行する(ステップS440)。続いて、CPU72は、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがあるか否かを判定し(ステップS450)、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべきデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップ460)、ステップS410以降の処理を実行する。一方、ステップS420又はステップS450で現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがないときには、CPU72は、記録紙Sを排紙する排紙処理を実行する(ステップS470)。排紙処理は、排紙ローラ37を回転駆動し、記録紙Sを排紙トレイに排出する処理である。そしてステップS470のあと、次頁の印刷データがあるか否かを判定し(ステップS480)、次頁の印刷データがあるときには再びステップS400に戻り、次頁の印刷データがないときにはこの印刷処理ルーチンを終了する。
図14は、印刷ヘッド24とキャッピング部材40との位置関係を表す説明図であり、(a)はクリーニング処理時、(b)はノズル検査時、(c)は通常時を表す。この図14は、印刷やノズル検査を何度か実行した後の様子を表し、検査領域52やキャッピング部材40の開口縁にインク堆積物が堆積しており、検査領域52上のインク堆積物とキャッピング部材40の開口縁のインク堆積物とは繋がっているものとする。クリーニング処理時には、図14(a)に示すように、キャッピング部材昇降機構90によりキャッピング部材40の開口縁はノズルプレート27に接触されるため、吸引ポンプ41によってキャッピング部材40の内部空間が負圧になり、ノズル23内のインクが吸引される。ノズル検査時には、図14(b)に示すように、キャッピング部材昇降機構90によりキャッピング部材40の開口縁はノズルプレート27から離間しているため、ノズルプレート27に電圧を印加したときにインク堆積物を介して電流がリークすることはなく、ノズルプレート27と検査領域52との間に所定の電位差が発生する。このときの離間距離は、キャッピング部材40の開口縁にインク堆積物が溜まるのを考慮して設定されているため、ある程度インク堆積物が溜まったとしても差し支えない。通常時には、図14(c)に示すように、キャッピング部材40の開口縁はプラテン44と略面一になっているため、キャリッジ22の移動に支障が生じることはない。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のキャッピング部材40が本発明のキャッピング部材に相当し、キャッピング部材昇降機構90が距離変更手段に相当し、マスク回路47及び圧電素子48が駆動手段に相当し、電圧検出回路54が電気的変化検出手段に相当し、CPU72がキャッピング実行手段及びノズル検査実行手段に相当する。また、吸引ポンプ41が負圧発生手段に相当し、電圧印加回路53が電位差発生手段に相当する。なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ20の動作を説明することにより本発明のノズル検査方法の一例も明らかにしている。
以上詳述したインクジェットプリンタ20によれば、ノズル検査を行う際、キャッピング部材40とノズルプレート27とは離間しているため、キャッピング部材40にインク堆積物が溜まったとしても、そのインク堆積物を介してキャッピング部材40とノズルプレート27とが短絡するおそれはない。このため、キャッピング部材40内の検査領域52とノズルプレート27との間に所定の電位差を発生させるにあたり、電流がリークして所定の電位差が得られなくなるような事態が生じない。したがって、キャッピング部材40に検査領域52を設けて誘導電流を利用したノズル検査を行う場合の検査精度を高く維持することができる。また、キャッピング部材40の内部に検査領域52を設けたため、印刷ヘッド24がホームポジション位置のままでの検査も可能となる。
また、通常時のキャッピング部材40とノズルプレート27との距離が大きい場合にそのままノズル検査を行うと電界強度が十分高くならず検査精度が低下するおそれがあるが、ここではノズル検査時にはキャッピング部材40とノズルプレート27との距離を通常時よりも小さくするため、その分電界強度が高くなり検査精度を高く維持することができる。
更に、検査領域52側にはインクが堆積しやすいため、検査領域52側の電気的変化を検出する場合にはインク堆積物による検出信号のリークが起こりやすいのに対して、上述した実施形態では、インクが堆積しにくい印刷ヘッド24側の電気的変化を電圧検出回路54により検出しているため、インク堆積物による検出信号のリークが起こりにくい。
更にまた、ノズル検査時に検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加しているため、インク堆積物を介して電流がリークするおそれがなく、ノズルプレート27と検査領域52との間に所定の電位差が生じなくなるおそれがない。これに対して、ノズル検査時にノズルプレート27をグランドに接地し検査領域52に電圧を印加する場合には、検査領域52に溜まったインク堆積物により電流がリークしてノズルプレート27と検査領域52との間に所定の電位差が生じないおそれがある。
そして、ノズル検査時のノズルプレート27の出力信号をキャリッジ22上のエンコーダ用基板64に設けられた電圧検出回路54によって検出するため、ノズルプレート27と電圧検出回路54との距離が短くなるから、その分ノイズの影響を受けにくい。また、新たに基板を準備しなくても既存の基板であるエンコーダ用基板64に電圧検出回路54を簡便に設けることができる。したがって、誘導電流を利用したノズル検査において、誘導電圧の検出を部品点数を増やすことなくノイズの影響を受けにくい位置で行うことができる。
そしてまた、ノズル検査時にはノズル23内でインクを微振動させるのを禁止しているため、ノズルプレート27の検出電圧に微振動パルスPvのノイズが影響することはないことから検査精度が低下しない。
そして更に、電圧検出回路54は積分回路54a、反転増幅回路54b、A/D変換回路54cを含むため、電圧検出回路54からやや離れたコントローラ70に検出信号を送る際にノイズが乗ったとしても、増幅前の信号を同じ場所に送る際にノイズが乗る場合に比べて、ノイズの影響が小さくて済む。
そして更にまた、インクジェットプリンタ20のキャリッジ22以外において引き回された低電圧レベルの電気配線の電圧をキャリッジ22上に設けた昇圧回路で昇圧してノズルプレート27に印加しているため、キャリッジ22以外で電気配線の電圧レベルを低く維持することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、ノズルプレート27の電圧を検出する電圧検出回路54をキャリッジ22上のエンコーダ用基板64に形成したが、この電圧検出回路54を印刷ヘッド24上のヘッド駆動用基板30(図3参照)に形成したりインクカートリッジ26上の集積回路基板26bに形成したりしてもよい。これらの場合も上述した実施形態と同様の効果が得られる。なお、印刷ヘッド24もインクカートリッジ26もキャリッジ22上に搭載されているため、これらの基板26b,30はキャリッジ22上の基板とみることもできる。
上述した実施形態では、ノズルプレート27を利用して印刷ヘッド24内のインクの電気的変化を検出したり印刷ヘッド24内のインクに電圧を印加したりしたが、印刷ヘッド24内のインクに接触している導電性部材であればノズルプレート27以外の部材であっても利用可能である。例えばキャビティプレート25が導電性材料で形成されている場合にはそのキャビティプレート25を利用してもよいし、ノズルプレート27やキャビティプレート25が絶縁性材料で形成されている場合には印刷ヘッド24内のインクに接触するよう形成された電極部材(導電性材料)を利用してもよい。
上述した実施形態では、電圧検出回路54を印刷ヘッド24上の基板又はキャリッジ22上の基板に設ける構成としたが、これら以外にもインクジェットプリンタ20内の随意の位置に設けてもよい。この場合、印刷ヘッド24のノズルプレート27から取り出した信号線をフラットケーブル82に付随させてインクジェットプリンタ20内の随意の位置に設けた電圧検出回路と接続するようにすればよい。
上述した実施形態では、クリーニング処理時にキャッピング部材40でノズルプレート27に蓋をして吸引ポンプ41で吸引するようにしたが、クリーニング処理以外でも印刷休止中などにキャッピング部材40でノズルプレート27に蓋をしてもよい。その場合には、吸引ポンプ41の吸引を行わず、蓋をして乾燥を防止するだけでもよい。
上述した実施形態では、キャッピング部材昇降機構90として、ボールネジ94によってリニアガイド91を上下にスライドするスライダ92を採用したが、キャッピング部材40を上下に移動可能な機構であれば、特にこれに限定されるものではない。
上述した実施形態では、ノズルプレート27に対してキャッピング部材40を接近離間させるキャッピング部材昇降機構90を備えるように構成したが、これに代えて又はこれに加えて、キャッピング部材40に対してノズルプレート27を接近離間させる印刷ヘッド昇降機構を備えていてもよい。なお、印刷ヘッド昇降機構は、例えばキャッピング部材昇降機構90と同様、図6の構成としてもよい。
上述した実施形態では、ノズル検査時のキャッピング部材40の位置を通常時のキャッピング部材40の位置よりもノズルプレート27に近い位置としたが、通常時のキャッピング部材40の位置と同じ位置としてもよい。
上述した実施形態では、ノズル検査時のキャッピング部材40の位置を固定としたが、ノズル検査の実行回数が増加するに連れてキャッピング部材40の開口縁や検査領域52に堆積するインク堆積物の高さが徐々に高くなることを考慮して、その分ノズル検査時のキャッピング部材40の位置を徐々に低くするようにしてもよい。
上述した実施形態では、ノズル検査時に検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加したが、ノズル検査時にノズルプレート27をグランドに接地し検査領域52に電圧を印加してもよい。但し、検査領域52はインク堆積物などにより印加した電圧がリークするおそれがあるため、ノズルプレート27に電圧を印加する方が好ましい。
上述した実施形態では、電圧検出回路54によりノズルプレート27の出力信号波形を検出するように構成したが、この電圧検出回路54に代えて又は加えて、同様の電圧検出回路を電極部材57とグランドとの間に接続して検査領域52の出力信号波形を検出するように構成してもよい。この場合も、ノズル検査時に検査領域52とノズルプレート27との間に所定の電位差を発生させるにあたり、検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加してもよいし、ノズルプレート27をグランドに接地し検査領域52に電圧を印加してもよい。
上述した実施形態では、インクジェットプリンタとして主走査方向に印刷ヘッド24を移動させながら印刷を行う方式を採用したが、印刷ヘッドを印刷媒体の幅方向の印刷領域一杯に長く形成しこれを装置本体に固定配置して印刷媒体のみを搬送しながら印刷を行ういわゆるラインプリンタ(例えば特開2002−200779号公報参照)を採用してもよい。この場合、例えば搬送される記録紙を支持するプラテンを検査領域として兼用し、該プラテン全体をキャッピング部材の内側に設けるようにしてもよい。
上述した実施形態では、検査ボックス51内に上側インク吸収体55及び下側インク吸収体56を設けたが、これらのうち一方又は両方を省略してもよい。例えば、検査ボックス51内に電極部材57のみを配置し、この電極部材57に直接インクを吐出させる構成としてもよい。また、ノズルプレート27内のインクと電極部材57との間に所定の電位差が生じるため、上側インク吸収体55は必ずしも導電性を有している必要はなく、例えば上側インク吸収体55が絶縁性材料で形成されていてもよい。
本実施形態のインクジェットプリンタの構成の概略を示す構成図。 キャリッジを背面下側から見たときの斜視図。 キャリッジの左側面図(破断面図であり円内は部分拡大断面図)。 印刷ヘッドの電気的接続を表す説明図。 紙送り機構の説明図。 キャッピング部材昇降機構の概略を示す構成図。 ノズル検査装置の構成の概略を示す構成図。 メインルーチンのフローチャート。 ノズル検査ルーチンのフローチャート。 ノズル検査処理における検査位置の説明図。 クリーニング処理ルーチンのフローチャート。 クリーニング処理時の印刷ヘッドとキャッピング部材を表す説明図。 印刷処理ルーチンのフローチャート。 印刷ヘッドとキャッピング部材との位置関係を表す説明図。
符号の説明
20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、22a インク供給針、23,23Y,23M,23C,23K ノズル、24 印刷ヘッド、25 キャビティプレート、26 インクカートリッジ、26a インク供給口、26b 集積回路基板、27 ノズルプレート、28 ガイド、29 インク室、30 ヘッド駆動用基板、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、36 給紙ローラ、37 排紙ローラ、38 給紙トレイ、39 記録紙挿入口、40 キャッピング部材、41 吸引ポンプ、42 開閉バルブ、43,43Y,43M,43C,43K ノズル列、44 プラテン、47 マスク回路、48 圧電素子、50 ノズル検査装置、51 検査ボックス、52 検査領域、53 電圧印加回路、54 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c A/D変換回路、55 上側インク吸収体、56 下側インク吸収体、57 電極部材、62 フォトディテクタ、64 エンコーダ用基板、66 コネクタ部、68 リニアスケール、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、79 インタフェース(I/F)、80 メカフレーム、82 フラットケーブル、84 メイン基板、85 振動板、90 キャッピング部材昇降機構、91 リニアガイド、92 スライダ、94 ボールネジ、96 モータ、98 台座、110 ユーザPC。

Claims (5)

  1. 複数のノズルを有するノズル形成部材を備えた印刷ヘッドと、
    前記ノズルから吐出された印刷記録液を受ける印刷記録液受け領域を有するキャッピング部材と、
    前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離を変更する距離変更手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を付与する駆動手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と
    記距離変更手段により前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とを離間させ且つ前記電位差発生手段により前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に前記所定の電位差を発生させている状態で、前記駆動手段を駆動させ、前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出され得るか否かを検査するノズル検査実行手段と、
    を備え
    前記ノズル検査実行手段は、前記検査の実行回数が増加するに連れて、前記検査時の前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離が大きくなるよう、前記距離変更手段を制御する、
    インクジェット記録装置。
  2. 前記ノズル検査実行手段は、前記検査時には、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離が、前記印刷ヘッドが前記キャッピング部材の上方を通過する時よりも小さくなるように前記距離変更手段を制御する、
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記電位差発生手段は、前記印刷記録液受け領域をグランドに接地し前記印刷ヘッド内の印刷記録液に電圧を印加することにより前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に前記所定の電位差を発生させる、
    請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 複数のノズルを有するノズル形成部材を備えた印刷ヘッドと、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受ける印刷記録液受け領域を有するキャッピング部材と、前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離を変更する距離変更手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を付与する駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、を利用してノズル検査を行う、コンピュータ・ソフトウェアによるノズル検査方法であって
    記距離変更手段により前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材とが離間し且つ前記電位差発生手段により前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に前記所定の電位差が発生している状態で、前記駆動手段を駆動し、前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出され得るか否かを検査するステッ
    を含み、
    前記ステップでは、前記検査の実行回数が増加するに連れて、前記検査時の前記キャッピング部材と前記ノズル形成部材との相対距離が大きくなるよう、前記距離変更手段を制御する、
    ノズル検査方法。
  5. 請求項に記載のノズル検査方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2005288638A 2005-09-30 2005-09-30 インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム Expired - Fee Related JP4848726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005288638A JP4848726B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005288638A JP4848726B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007098642A JP2007098642A (ja) 2007-04-19
JP4848726B2 true JP4848726B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=38026071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005288638A Expired - Fee Related JP4848726B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4848726B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009190262A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Seiko Epson Corp 流体噴射装置のメンテナンス方法
JP2009190281A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Seiko Epson Corp 液体吐出検査方法、液体吐出検査装置、および印刷装置
JP5125584B2 (ja) * 2008-02-19 2013-01-23 セイコーエプソン株式会社 液体吐出検査方法、液体吐出装置及び記録装置
JP5056465B2 (ja) * 2008-02-20 2012-10-24 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置および印刷装置
JP2011084043A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Seiko Epson Corp 吐出検査装置及び印刷装置
JP7435135B2 (ja) 2020-03-26 2024-02-21 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP7484341B2 (ja) 2020-03-31 2024-05-16 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
CN114312060A (zh) * 2021-12-31 2022-04-12 深圳市泰力格打印技术有限公司 一种打印瑕疵的处理系统

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60260339A (ja) * 1984-06-08 1985-12-23 Hitachi Ltd インク滴噴射装置
JP2002127458A (ja) * 2000-10-19 2002-05-08 Canon Inc インク吐出有無検出方法及びその記録装置
JP2003182115A (ja) * 2001-12-14 2003-07-03 Canon Finetech Inc 記録装置
JP2003266670A (ja) * 2002-03-18 2003-09-24 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP4261896B2 (ja) * 2002-12-17 2009-04-30 キヤノン株式会社 記録装置
JP4543681B2 (ja) * 2004-01-15 2010-09-15 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007098642A (ja) 2007-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4929699B2 (ja) 印刷記録液吐出装置、印刷装置、印刷記録液吐出装置の制御方法及びそのプログラム
JP4935056B2 (ja) 印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム
JP4848726B2 (ja) インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム
JP4793004B2 (ja) インクジェット記録装置、ノズル検査方法及びそのプログラム
JP5017931B2 (ja) 画像形成装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム
JP2009066806A (ja) 液体吐出装置及びその制御方法
JP6172305B2 (ja) 液体吐出装置及びノズル検査方法
US7980653B2 (en) Ejection inspecting device, printing device, and ejection inspecting method
JP5228279B2 (ja) インクジェットプリンタ、ノズル検査方法及びそのプログラム
JP4735120B2 (ja) 印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラム
JP4946012B2 (ja) 画像形成装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム
JP4844110B2 (ja) 印刷記録液吐出装置、印刷装置、印刷記録液吐出装置の制御方法及びそのプログラム
JP5011672B2 (ja) 印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法
JP4736768B2 (ja) 印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム
JP2010149488A (ja) 流体吐出装置及びその制御方法
JP2010149467A (ja) 吐出検査装置、流体吐出装置及びシールドケーブルの加工方法
JP2010201854A (ja) 吐出検査装置、流体吐出装置及び吐出検査方法
JP2010194795A (ja) 流体吐出装置
JP4752418B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2007098571A (ja) 印刷ヘッド検査装置、印刷装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム
JP4998628B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2007160828A (ja) インクジェット記録装置、その制御方法及びそのプログラム
JP2010201853A (ja) 吐出検査装置、流体吐出装置及び吐出検査方法
JP2010179543A (ja) ノズル検査装置、その方法及び流体吐出装置
JP2010179577A (ja) 吐出検査装置、流体吐出装置及び吐出検査装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4848726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees