JP4946012B2 - 画像形成装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム - Google Patents

画像形成装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラムに関する。
従来、画像形成装置としては、印刷ヘッドとこの印刷ヘッドに対向する位置に設けられたインク滴を受ける領域(インク受け領域)との間に所定の電位差を発生させることによりノズルから吐出されるインク滴を帯電させ、該帯電したインク滴をインク受け領域に飛翔させ、インク滴がインク受け領域に到達することにより該インク受け領域で発生する電圧変化(誘導電圧)を検出することによりノズルからインク滴が吐出されているか否かを検査するノズル検査を実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この特許文献1には、このノズル検査において、印刷ヘッドとインク受け領域との距離が短く、印刷ヘッドとインク受け領域との間の電位差が高い方がインク受け領域で得られる電圧変化が大きいことが開示されている。
特開昭59−123673号公報(図5)
しかしながら、この特許文献1に記載された印刷ヘッド検査装置では、インク受け領域で得られる電圧変化を大きくしノズル検査の精度を高めるべく印刷ヘッドとインク受け領域との距離を短くしようとすると、例えば、印刷ヘッドとインク受け領域とにインクが付着し、この付着したインクを介して電流がリークし、印刷ヘッドとインク受け領域との間に当初予定していた電位差が生じず、結局、検査精度を高めることができないことがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査において高い検査精度を得ることができる画像形成装置、印刷ヘッド検査方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の画像形成装置は、
印刷ヘッドに設けられ複数のノズルが形成され少なくとも表面が絶縁されたノズル形成部材と、
前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ、前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との距離が所定の近接距離となる状態で各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行する制御手段と、
を備えたものである。
この画像形成装置では、印刷ヘッド内の印刷記録液と印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ、少なくとも表面が絶縁されたノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離が所定の近接距離となる状態で各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力を発生し電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行する。一般に、このようなノズル検査において、十分な検査精度を確保するためには、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離を短くすることが有効であるが、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とを近づけると印刷記録液などによりノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが短絡することがある。本発明では、ノズル形成部材の表面を絶縁とすることにより、ノズル形成部材とインク受け領域との短絡を防止し、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とを所定の近接距離に配置可能である。したがって、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査において高い検査精度を得ることができる。ここで、「所定の近接距離」は、例えば、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが接触する距離としてもよいし、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが接触までしなくてもそれに近い距離としてもよい。
本発明の画像形成装置において、前記ノズル形成部材は、絶縁膜を形成することにより表面が絶縁されていてもよい。こうすれば、ノズル形成部材のうち絶縁膜以外の部分には絶縁性のない部材を使用することができる。この絶縁膜は、例えば、酸化ケイ素膜や酸化ジルコニウム膜、酸化タンタル膜、窒化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜などの絶縁性無機材料膜としてもよいし、ポリイミド膜、フッ素樹脂膜などの絶縁性有機材料膜としてもよい。あるいは、前記ノズル形成部材は、絶縁体で形成されることにより表面が絶縁されていてもよい。この絶縁体は、例えば、酸化ケイ素の板状体であってもよい。あるいは、前記ノズル形成部材は、更に前記印刷記録液をはじく性質を有する膜がその表面に形成されていてもよい。こうすれば、ノズル形成部材の表面で印刷記録液をはじくため、ノズル形成部材の表面に存在する印刷記録液を除去しやすい。ここで、「印刷記録液をはじく性質を有する膜」としては、印刷記録液が水溶性のものであれば撥水性の膜としてもよいし、印刷記録液が油性のものであれば撥油性の膜としてもよい。
本発明の画像形成装置において、前記ノズル形成部材は、絶縁性と前記印刷記録液をはじく性質とを有する膜を形成することにより表面が絶縁されていてもよい。こうすれば、ノズル形成部材のうち絶縁膜以外の部分には絶縁性のない部材を使用することができるし、ノズル形成部材の表面に存在する印刷記録液を除去しやすい。この絶縁膜は、例えば、フッ素を含む高分子基を有する金属アルコキシドが重合した膜としてもよいし、TEOS膜(テトラエチルオルソシリケート膜)などの酸化ケイ素膜としてもよい。
本発明の画像形成装置において、前記電位差発生手段は、前記印刷記録液受け領域をグランドに接地しノズル形成部材の絶縁されている部分を介することなく前記印刷ヘッド内の印刷記録液と接触している記録液接触部材に電圧を印加することにより前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させてもよい。こうすれば、例えば、絶縁膜を表面に形成した場合のノズル形成部材の絶縁膜を剥がしたり、絶縁体により形成した場合のノズル形成部材に貫通孔を開けたりすることがないため、ノズル形成部材の絶縁性を維持しやすい。
本発明の画像形成装置は、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、を備え、前記制御手段は、前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、前記ノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行してもよい。こうすれば、何らかの理由によりノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間で短絡が生じてしまってもノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離を大きくするというノズル形成部材と印刷記録液受け領域との短絡を解消する操作を行うため、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査を安定した精度で行うことができる。このとき、ノズル形成部材の表面が絶縁性と前記印刷記録液をはじく性質とを有しているときには、比較的容易に印刷記録液をノズル形成部材から除去することができる。ここで、「所定の許容範囲」とは、例えば、電位差検出手段によって検出された電位差が通常よりも低下しても検査精度を確保可能な範囲としてもよい。
距離変更手段を備えた態様の本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ前記距離変更手段に前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域とが前記近接距離になるようにした状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、一旦前記相対距離を前記近接距離よりも大きくしたあと該近接距離に戻すよう前記距離変更手段を制御し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になったときには、該近接距離で前記ノズル検査を実行してもよい。こうすれば、一旦ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との相対距離を大きくするというノズル形成部材と印刷記録液受け領域との短絡を解消する操作を行ったあと、インクを吐出することにより生じる電気的変化が大きく得られるよう近接距離でノズル検査を実行するため、ノズル検査の精度を確保しやすい。
距離変更手段を備えた態様の本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になるまで前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御してもよい。こうすれば、できるだけノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離が近い状態で電位差検出手段によって検出された電位差が許容範囲になるようにした上でノズル検査を行うため、ノズル検査の精度を確保しやすい。
発明の画像形成装置は、前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、を備え、前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御してもよい。こうすれば、キャッピング部材内部の印刷記録液受け領域に存在しノズル形成部材と印刷記録液受け領域とに接触する印刷記録液を除去可能であるため、比較的容易にノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差の低下を抑制することができる。また、印刷記録液受け領域がキャッピング部材の内部に設けられているため、ノズル検査で吐出したインクを処理しやすいし、ノズル検査後のノズルのクリーニングを迅速に行うことができる。
距離変更手段を備えた態様の本発明の画像形成装置において、前記距離変更手段は、前記ノズル形成部材に対して前記印刷記録液受け領域を接近離間させる手段であってもよい。一般に例えばキャッピング部材などはノズル形成部材に対して接近離間するように構成されているため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することにより新たに距離変更手段を設ける必要がない。あるいは、前記距離変更手段は、前記印刷記録液受け領域に対して前記ノズル形成部材を接近離間させる手段であってもよい。一般に厚さの異なる印刷媒体を印刷するため印刷ヘッドの高さを可変可能に構成することがあるため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することにより新たに距離変更手段を設ける必要がない。
なお、距離変更手段を備えた態様の本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が小さいほど前記相対距離が大きくなる傾向となるように前記相対距離を定め、該定めた相対距離になるよう前記距離変更手段を制御してもよい。こうすれば、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差に応じた相対距離にするため、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との間の電位差を許容範囲内にしやすい。
本発明の印刷ヘッド検査方法は、
印刷ヘッドに設けられ複数のノズルが形成され少なくとも表面が絶縁されたノズル形成部材と、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、を利用してノズル検査を行う、コンピュータ・ソフトウェアによる印刷ヘッド検査方法であって、
(a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ、前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との距離が所定の近接距離となる状態とするステップと、
(b)前記ステップ(a)の状態で各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行するステップと、
を含むものである。
この印刷ヘッド検査方法では、印刷ヘッド内の印刷記録液と印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離が所定の近接距離となる状態で各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力を発生し電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行する。一般に、このようなノズル検査において、十分な検査精度を確保するためには、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域との距離を短くすることが有効であるが、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とを近づけると印刷記録液などによりノズル形成部材と印刷記録液受け領域とが短絡することがある。本発明では、ノズル形成部材の表面を絶縁とすることにより、ノズル形成部材とインク受け領域との短絡を防止し、ノズル形成部材と印刷記録液受け領域とを所定の近接距離に配置可能である。したがって、印刷記録液が正常に吐出するか否かのノズル検査において高い検査精度を得ることができる。なお、この印刷ヘッド検査方法において、上述した画像形成装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した画像形成装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した印刷ヘッド検査方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した印刷ヘッド検査方法の各ステップが実行されるため、該印刷ヘッド検査方法と同様の作用効果が得られる。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は本実施形態であるインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図、図2はキャリッジ22の左側面図(破断面図であり円内は部分拡大断面図)、図3は印刷ヘッド24の電気的接続を表す説明図、図4は紙送り機構31の説明図、図5はキャッピング部材昇降機構90の説明図であり図5(a)が印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが対向していないときの図、図5(b)が印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが対向し且つ離間しているときの図、図5(c)が印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが当接しているときの図であり、図6は印刷ヘッド検査装置50の構成の概略を示す構成図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、プラテン44上を図中奥から手前へと搬送される記録紙Sにノズルプレート27のノズル23からインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、駆動モータ33により駆動される紙送りローラ35を含む紙送り機構31と、プラテン44の右端近傍に形成されたキャッピング部材41を昇降させるキャッピング部材昇降機構90(図5参照)と、キャッピング部材41の内部に形成され印刷ヘッド24からインク滴が正常に吐出されるか否かを検査する印刷ヘッド検査装置50と、プラテン44の印刷可能領域を外れた図中左端に設けられたフラッシング領域49と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。なお、フラッシング領域49は、ノズル23の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときに利用される。
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32によりガイド28に沿って左右に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24とを備えている。キャリッジ22は、メカフレーム80の右側に取り付けられたキャリッジモータ34aとメカフレーム80の左側に取り付けられた従動ローラ34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモータ34aによって駆動されるのに伴って移動する。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。インクカートリッジ26は、図示しないが、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)などの印刷用に用いる印刷記録液としてのインクを各々収納する容器として構成されており、キャリッジ22に着脱可能に装着されている。このインクカートリッジ26は、図2に示すように各インクごとにインク供給口26aを有し、キャリッジ22に設けられたインク供給針22aがインク供給口26aに差し込まれることによりキャリッジ22の下面に形成された印刷ヘッド24へインクを供給可能となる。
印刷ヘッド24は、図2に示すように、複数のノズル23が穿設されたノズルプレート27と、このノズルプレート27を印刷ヘッド24に固定するフレーム状のカバーヘッド29(図6参照)と、ノズルプレート27に形成されたノズル23に連通するインク室64が形成されたキャビティプレート62と、インク室64の上壁をなす振動板66に貼り付けられた圧電素子48と、を備えている。このインク室64には、インクカートリッジ26のインク供給口26aからインクが供給される。また、カバーヘッド29及びキャビティプレート62は、導電性を有する部材(SUSなど)により形成されている。
ノズルプレート27は、SUSなどの導電性を有するプレート板27aの表面全体に、撥水性、撥油性及び絶縁性を有する絶縁膜27bが形成されることによりその表面全体が絶縁されている。この絶縁膜27bは、フッ素を含む高分子基を有する金属アルコキシドが重合した膜である。このフッ素を含む高分子基としては、パーフルオロアルキル基やパーフルオロポリエーテル基などが挙げられる。また、金属アルコキシドとしては、例えば、シランカップリング剤(オプツールDSX(商標、ダイキン工業株式会社製)など)などが挙げられる。なお、プレート板27aと絶縁膜27bとの間に図示しない下地膜を設けることが好ましい。この下地膜は、シリコン材料のプラズマ重合膜や酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化鉄などのうち1以上から選択された膜としてもよい。絶縁膜27bは、下地膜の表面をプラズマによりエッチングしたプレート板27aを金属アルコキシドをシンナーなどの溶媒に分散した溶液に浸漬することによりノズルプレート27の表面に形成される。なお、このフッ素を含む高分子基を有する金属アルコキシドが重合した膜に関しては、特開2004−351923号公報に詳しく記載されている。このノズルプレート27には、図3に示すように、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを吐出する複数のノズル23を配列したノズル列43が設けられている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23と総称し、すべてのノズル列をノズル列43と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列43C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列43M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列43Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列43Kと称する。以下ノズル23Kを用いて説明する。この印刷ヘッド24では、180個のノズル23Kを記録紙Sの搬送方向に沿って配列してノズル列43Kを構成している。各ノズル23Kには、インク滴を吐出するための駆動素子として圧電素子48が設けられており、この圧電素子48に電圧をかけることによりこの圧電素子48を変形させてインクを加圧しノズル23Kから吐出する。図2の円内には、変形前の圧電素子48を実線で示し、変形後の圧電素子48を点線で示した。この図に示すように、変形後の圧電素子48はインク室64の上壁としての振動板66を押し下げることによりインクを加圧する。
この印刷ヘッド24は、図3に示すように、各ノズル23Kをそれぞれ駆動する複数の圧電素子48に対応して設けられた複数のマスク回路47を備えている。マスク回路47には、コントローラ70で生成された原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力される。なお、印刷信号PRTnの末尾のnはノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、本実施形態ではノズル列は180個のノズルからなるため、nは1から180のいずれかの整数値となる。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ22が一画素の間隔を横切る時間内)において、図3下部に示すように、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3との3つの駆動波形からなっている。この3つの駆動波形を繰り返し単位とする原信号ODRVを、本実施形態では1セグメントと称する。マスク回路47は、原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力されると、これらの信号に基づいて第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とのうち必要なパルスを駆動信号DRVn(nの意味するところは印刷信号PRTnのnと同じ)としてノズル23Kの圧電素子48に向けて出力する。具体的には、マスク回路47から圧電素子48に第1パルスP1のみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには小さいサイズのドット(小ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、インクジェットプリンタ20では、一画素区間において吐出するインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列43C,43M,43Yについても上記ノズル23Kやノズル列43Kと同様である。また、印刷ヘッド24は、ここでは圧電素子48を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
紙送り機構31は、図4に示すように、給紙トレイ38に載置された記録紙Sを挿入する記録紙挿入口39と、給紙トレイ38に載置された記録紙Sを印刷ヘッド24に供給する給紙ローラ36と、印刷ヘッド24へ記録紙Sやロール紙を搬送する紙送りローラ35と、印刷後の記録紙Sを排紙する排紙ローラ37とを備えている。給紙ローラ36、紙送りローラ35及び排紙ローラ37は、図示しないギヤ機構を介して駆動モータ33(図1参照)により駆動される。なお、給紙ローラ36の回転駆動力と図示しない分離パッドの摩擦抵抗とによって、複数の記録紙Sが一度に給紙されることを防いでいる。図1において、記録紙Sの搬送方向は奥側から手前に向かう方向であり、印刷ヘッド24と共に移動するキャリッジ22の移動方向は記録紙Sの搬送方向と直交する方向(主走査方向)である。
キャッピング部材昇降機構90は、図5に示すように、メカフレーム80内部の図中右側下端に固定されたキャップ部フレーム81と、キャッピング部材41が接続されキャリッジ22の下方且つキャップ部フレーム81の上方を移動可能に支持された接続部材91と、接続部材91を移動可能に支持するリンクアーム92と、キャップ部フレーム81と接続部材91とに接続され接続部材91を図中左下方向に常に付勢する引っ張りバネ96とを備えている。なお、図5では、理解の容易のため、接続部材91に関する部材に網掛けを施してある。また、キャップ部フレーム81は、接続部材91の図中手前と奥とにそれぞれ立設されているが、図5では手前側のみを示した。接続部材91は、その一端にはキャリッジ22の右端に形成された当接部84と当接可能に上方に延びる柱状体93が設けられ、他端の上部には当接部84と柱状体93とが当接したときにノズルプレート27と対向する位置にキャッピング部材41が設けられている。また、柱状体93の下端には、図中手前側に突出した棒状体91aが固定されている。接続部材91の中央下部には、リンクアーム92の一端が支持軸92bを介して揺動可能に接続されている。リンクアーム92の他端には、キャップ部フレーム81の略中央に固定された回動軸92aが挿入されている。したがって、リンクアーム92は、接続部材91を支えた状態で回動軸92aを中心として回動可能に構成されている。キャップ部フレーム81には、両側面に円弧溝81aが形成され、この円弧溝81aには棒状体91aが溝の形状に沿って移動可能なように嵌め込まれている。このキャッピング部材昇降機構90では、当接部84が柱状体93に当接した状態でキャリッジ22が図中右方向に移動すると、印刷ヘッド24のノズルプレート27の面とキャッピング部材41内の検査領域52の面とが水平となるよう対向した状態で右方向に移動しながらキャッピング部材41が印刷ヘッド24に向かって上昇し(図5(a),(b))、棒状体91aが円弧溝81aの図中右端に達するとキャッピング部材41がノズルプレート27に強く押し付けられた状態となる(図5(c))。また、キャッピング部材昇降機構90では、当接部84が柱状体93に当接した状態でキャリッジ22が左方向に移動すると、ノズルプレート27の面と検査領域52の面とが水平に対向した状態で左方向に移動しながらキャッピング部材41が印刷ヘッド24から離れるよう下降する。
印刷ヘッド検査装置50は、図6に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から飛翔したインク滴が着弾可能な検査領域52を有するキャッピング部材41と、検査領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させる電圧印加回路53と、印刷ヘッド24での電圧変化を検出する電圧検出回路54と、印刷ヘッド24と検査領域52との間に生じている電位差を検出する電圧計58とを備えている。
キャッピング部材41は、プラテン44の印刷可能領域から図1中右側に外れた位置に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体であり、開口縁にはシリコンゴムなどの絶縁体からなるシーリング部材41aが形成されている。このキャッピング部材41は、ノズル詰まりの有無を検査する際に使用されるほか、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときにも利用される。また、キャッピング部材41には、吸引ポンプ45と開閉バルブ46とが別々に接続され、開閉バルブ46が閉状態のときに吸引ポンプ45が作動するとキャッピング部材41の内部空間に負圧が発生する。キャッピング部材41がノズル23を封止しているときにこの負圧を発生させることにより、ノズル23内のインクが強制的に吸い出される。なお、吸引ポンプ45や開閉バルブ46には伸縮性のあるチューブが接続されている。
検査領域52は、インク滴が直接着弾する上側インク吸収体55と、この上側インク吸収体55に着弾したあと下方に透過してきたインク滴を吸収する下側インク吸収体56と、上側インク吸収体55と下側インク吸収体56との間に配置されたメッシュ状の電極部材57とにより構成されている。上側インク吸収体55は、電極部材57と同電位となるように導電性を有するスポンジによって形成され、その表面が検査領域52となっている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、ここではエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E,ブリジストン(株)製)が用いられている。この上側インク吸収体55は、キャリッジ22がガイド28の最右端に位置し、キャッピング部材41がシーリング部材41aを介して印刷ヘッド24に当接すると(ホームポジションともいう。図5(c)参照)、印刷ヘッド24のノズルプレート27と接触するよう配置されている。下側インク吸収体56は、上側インク吸収体55に比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されており、ここでは不織布(商品名:キノクロス,王子キノクロス(株)製)が用いられている。電極部材57は、ステンレス(例えばSUS)製の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側インク吸収体55に一旦吸収されたインクは格子状の電極部材57の隙間を通って下側インク吸収体56に吸収・保持される。この電極部材57は、メカフレーム80(図1参照)を介してグランドに接地されている。ここでは、電極部材57は、導電性を有する上側インク吸収体55と接触しているため、上側インク吸収体55の表面すなわち検査領域52も電極部材57と同様、グランドに接地されている。
電圧印加回路53は、カバーヘッド29に接続され、インクジェットプリンタ20の内部で引き回される数ボルトの電気配線の電圧を図示しない昇圧回路を介して数十〜数百ボルトに昇圧し、この昇圧後の電圧を、ノズルプレート27を介さずにカバーヘッド29を介してキャビティプレート62に印加する回路である。この電圧印加回路53は、カバーヘッド29を介してキャビティプレート62に電圧を印加することにより、印刷ヘッド24内部のインクに電圧を印加する。電圧検出回路54は、カバーヘッド29に接続され、インクを吐出する際に生じる印刷ヘッド24(ノズルプレート27)での電圧変化を検出するものであり、印刷ヘッド24の電圧信号を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号をA/D変換してコントローラ70へ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔・着弾による電圧変化が微弱なことから、同一のノズル23から吐出される複数のインク滴の飛翔・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してコントローラ70に出力するものである。電圧計58は、印刷ヘッド24と検査領域52との間に生じている電位差を検出し実測電圧Vsuとしてコントローラ70へ出力するものである。
コントローラ70は、図1に示すように、メカフレーム80の裏面に取り付けられた図示しないメイン基板上に設けられ、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)79と、図示しない入出力ポートとを備えている。なお、ROM73には、後述するメインルーチンやヘッド検査ルーチン、クリーニング処理ルーチン、印刷処理ルーチンの各処理プログラムが記憶されている。また、RAM74には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域にユーザPC60からI/F79を介して送られてきた印刷データが記憶される。このコントローラ70には、印刷ヘッド検査装置50の電圧検出回路54から出力された電圧信号やリニア式エンコーダ25からのキャリッジ22のポジション信号、電圧計58からの電圧信号(図6参照)などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC60から出力された印刷ジョブなどがI/F79を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24(マスク回路47や圧電素子48を含む)への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号、吸引ポンプ45への動作制御信号(図6参照)、開閉バルブ46への開閉信号、電圧印加回路53への制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPC60への印刷ステータス情報などがI/F79を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。ここでは、まず、メインルーチンの動作について図7に基づいて説明する。図7は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートである。このルーチンは、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとに(例えば数msecごとに)CPU72により繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS100)。ユーザPC60から受信した印刷ジョブは、RAM74に形成された印刷バッファ領域に格納されて印刷待ち状態の印刷ジョブとなるため、印刷ジョブを受信したときに印刷中の場合だけでなく直ちに印刷可能な場合であっても一旦印刷待ち状態の印刷ジョブとなる。そして、ステップS100で印刷待ち状態の印刷ジョブが存在しないときには、そのままこのメインルーチンを終了する。
一方、ステップS100で、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在したときには、各ノズル23からインクが正常に吐出されるか否かを検査するヘッド検査ルーチンを実行する(ステップS110)。図8は、このヘッド検査ルーチンのフローチャートである。ヘッド検査ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、電圧印加回路53のスイッチSWを入れて印刷ヘッド24と検査領域52との間に所定の電位差を発生させ(ステップS200)、キャリッジモータ34aを駆動して印刷ヘッド24が通常検査位置になるようにキャリッジ22を移動する(ステップS210)。通常検査位置は、キャリッジ22がガイド28の図1中最右端に位置するホームポジション(図5(c)参照)に設定されている。キャリッジ22がホームポジションに位置すると、ノズルプレート27と検査領域52とが接触するが、ノズルプレート27の表面が絶縁されているためノズルプレート27を介してキャビティプレート62と検査領域52とが通常短絡することはない。続いて、CPU72は、電圧計58により計測されたキャビティプレート62と検査領域52との間の実測電圧Vsuを入力し(ステップS220)、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているか否かを判定する(ステップS230)。検査許容範囲は、ノズル検査を実行する実測電圧Vsuとノズル検査の結果に基づく検査精度との関係を実験により求め、この関係に基づいて電流のリークが生じて実測電圧Vsuが低下したとしても十分な検査精度が確保可能である範囲に定められている。検査精度とは、実際のノズル23の状態とは逆の検査結果となるノズル23の誤検査率をいう。ここで、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回る場合としては、例えばノズル23から吐出したインクが上側インク吸収体55上に多く残ってしまったときなど、ノズル23内部にまでインクが入り込み、キャビティプレート62と検査領域52とが短絡して電流のリークが発生し、インク室64内のインクと検査領域52との間の電圧が低下することが考えられる。本実施形態では、ノズルプレート27と検査領域52とを接触させた状態で電圧を印加することから、異常時の対処に万全を期すため、この電流のリークなどによる電圧の低下を判定するのである。なお、ここでは、電圧印加回路53に十分大きな抵抗R1を接続しているため、検査領域52などで電流がリークしたとしてもその電流は微弱なものであり、安全性は確保されている。
ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、CPU72は、検査領域52などで大きな電流のリークが発生しているものとみなし、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを離間させ吸引ポンプ45を駆動してキャッピング部材41内部に溜まったインクを吸引させる空吸引処理を実行済みか否かを判定し(ステップS240)、空吸引処理を実行済みでないときには、印刷ヘッド24をキャッピング部材41から離間させると共に空吸引処理を行う(ステップS250)。ここでは、キャリッジモータ34aを駆動してキャリッジ22を図5(c)において左側に移動することにより、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを離間させる。このとき、ノズルプレート27と検査領域52とがインクを介して接触しない程度に十分な距離になるようにキャリッジ22を移動させる。また、空吸引処理は、キャッピング部材41の内部にあるインクが十分吸引される時間を経験的に求め、この時間だけ行うよう設定されている。続いて、CPU72は、ステップS210で印刷ヘッド24が通常検査位置になるようキャリッジ22を移動する。ノズルプレート27と検査領域52との距離が短い方がこれらの間の電界強度が高まり電圧検出回路54で得られる電圧変化が大きくなりノズル検査の精度が高まることから、本実施形態では、できる限り印刷ヘッド24とキャッピング部材41とが近い状態でノズル検査を実行するように、一旦離間させた印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを再度当接するようキャリッジ22を移動するのである。そして、CPU72は、ステップS220で実測電圧Vsuを入力したあと、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているか否かを再度判定する。
ここで、ステップS210〜S250の処理について図9を用いて具体的に説明する。図9は、キャッピング部材41の空吸引処理の説明図であり、図9(a)が空吸引処理前の図、図9(b)が空吸引処理中の図、図9(c)が空吸引処理後の図である。図9(a)に示すように、ステップS210でキャリッジ22を通常検査位置としてのホームポジションに移動すると、ノズルプレート27と検査領域52とが接触した状態になる。ここで、通常はキャビティプレート62と検査領域52との短絡は起こらないが、上側インク吸収体55上に多量のインクが残っており、ノズル23内部にインクが入り込んで検査領域52とキャビティプレート62とにインクが接触して繋がると電流のリークが発生する。そこで、キャビティプレート62と検査領域52との間の電圧を電圧計58で検出し、検出した実測電圧Vsuが電流のリークが起きていたとしても検査精度を確保可能な検査許容範囲内にあるときには、後述のノズル検査処理(ステップS270以降)を実行する。一方、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、図9(b)に示すように、ステップS250で印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを離間させると共に吸引ポンプ45を駆動して上側インク吸収体55上に存在するインクを吸引除去する。その後、キャリッジ22をホームポジションに移動することによりノズルプレート27と検査領域52とを接触させる。このとき、上側インク吸収体55上に存在するインクが減少するため、ノズルプレート27と検査領域52とのインクによる短絡が抑制される。
ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っていると判定され、ステップS240で空吸引処理を実行済みであると判定されたときには、空吸引処理の実行によっても電流のリークが抑制できなかったものとみなし、CPU72は、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から所定距離だけ離間させる(ステップS260)。ここでは、キャッピング部材41の下降距離に対応するリニア式エンコーダ25の値を予めROM73に記憶しておき、このリニア式エンコーダ25の値に基づいてキャリッジモータ34aを駆動制御してキャリッジ22を移動することにより、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から所定距離だけ離間させる。所定距離は、例えばキャリッジ22の最小移動距離に対応する距離などとしてもよい。そして、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲内にあると判定されるまで所定距離ずつキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させるステップS220〜240,S260の処理を繰り返す。なお、印刷ヘッド24とキャッピング部材41との距離が検査精度を確保可能な所定の検査可能距離を超えても実測電圧Vsuが検査許容範囲内に入らないときには、印刷ヘッド24からキャッピング部材41を離す操作では実測電圧Vsuの低下が抑制できないものとみなし、その旨のエラーメッセージを図示しない操作パネルに表示してこのルーチンを終了するように設定されている。
ここで、ステップS220〜240,S260の処理について図10を用いて説明する。図10は、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させる説明図であり、図10(a)がノズルプレート27と検査領域52とが接触している図、図10(b)がノズルプレート27と検査領域52とがインクにより接触している図、図10(c)がノズルプレート27と検査領域52とが完全に離間した図である。図10(a)に示すように、例えば、長期の使用により絶縁膜27bの一部が剥がれるなどしてノズルプレート27の絶縁破壊などが生じることがあるが、このような場合には、ノズルプレート27と検査領域52とを再度接触させたときに絶縁破壊部分より電流のリークが生じることがある。このときには、図10(b)に示すように、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを所定距離だけ離間させる。しかし、このように離間しても実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、印刷ヘッド24とキャッピング部材41とを更に所定距離だけ離間させる。そして、図10(c)に示すように、キャビティプレート62と検査領域52とがインクなどを介して接触しなくなると、電流のリークが解消されてキャビティプレート62と検査領域52との間の電圧が確保される。
一方、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っていないとき、つまり、実測電圧Vsuが検査許容範囲内にあると判定されたときには、CPU72は、ステップS270〜S340のノズル検査処理を実行する。ここで、ノズル検査について説明する。検査領域52をグランドに接地しキャビティプレート62に電圧を印加した状態でインク滴をノズル23から吐出させる実験を実際に行ったところ、印刷ヘッド24での出力信号波形がサインカーブとして表れた。このような出力信号波形が得られる原理は明らかではないが、帯電したインク滴が検査領域52に接近するのに伴って静電誘導により誘導電流が流れたことに起因すると考えられる。また、印刷ヘッド24からの出力信号波形の振幅は、印刷ヘッド24から上側インク吸収体55(検査領域52)までの距離に依存したほか、飛翔するインク滴の有無やその大きさにも依存した。このため、ノズル23が詰まってインク滴が飛翔しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号波形の振幅が通常時に比べて小さくなるか略ゼロになるから、出力信号波形の振幅に基づいてノズル23の詰まりの有無を判定することができる。本実施形態では、インク滴が所定の大きさであっても1ショット分のインク滴による出力信号波形の振幅が微弱なことから、駆動波形を表す1セグメントの第1〜第3パルスP1,P2,P3のすべてを出力する操作を8回行うことにより24ショット分のインク滴を吐出するようにした。これにより、出力信号は24ショット分のインク滴による積分値となるため、電圧検出回路54からは十分大きな出力信号波形が得られた。なお、インク吐出数は、検査精度を確保可能な吐出数となるよう任意に設定することができる。
さて、ノズル検査処理が開始されると、CPU72は、検査対象つまりインクを吐出する対象であるノズル列43のうちの1つのノズル23のマスク回路47及び圧電素子48(図3参照)を介してそのノズル23から帯電したインク滴を吐出させる(ステップS270)。続いて、CPU72は、電圧検出回路54で検出された信号波形の振幅すなわち出力電圧Vopを入力し(ステップS280)、入力した出力電圧Vopが閾値Vthr以上か否かを判定する(ステップS290)。この閾値Vthrは、24ショット分のインクが正常に吐出されたときの出力信号波形の出力電圧Vop(ピーク値)が超えるように、また24ショット分のインクが正常に吐出されなかったときにはノイズ等によって超えてしまうことのないように、経験的に定められた値である。ステップS290で出力電圧Vopが閾値Vthr未満だったときには、今回のノズル23に詰まりなどの異常が生じているとみなし、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM74の所定領域に記憶する(ステップS300)。
ステップS300のあと又はステップS290で出力電圧Vopが閾値Vthr以上のとき(つまり今回のノズル23が正常だったとき)、CPU72は現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS310)、現在検査中のノズル列43に未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS320)、その後再びステップS270以降の処理を行う。一方、ステップS310で現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったか否かを判定し(ステップS330)、未検査のノズル列43が存在するときには、検査対象となるノズル列43を未検査のノズル列43に更新し(ステップS340)、その後再びステップS270以降の処理を行う。一方、ステップS340で印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったときには、電圧印加回路53のスイッチSWをオフにし(ステップS350)、このヘッド検査ルーチンを終了する。このルーチンを実行することにより、RAM74の所定領域には、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23がある場合にはそのノズル23を特定する情報が記憶され、異常が発生しているノズル23がない場合には何も記憶されない。
さて、図7のメインルーチンに戻り、上述したヘッド検査ルーチン(ステップS110)を実行したあと、CPU72は、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23があるか否かをRAM74の所定領域の記憶内容に基づいて判定し(ステップS120)、異常が発生しているノズル23があるときには、詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行うが、その前に異常解消のために行ったクリーニングの回数が予め定められた上限回数(例えば3回)に至ったか否かを判定する(ステップS130)。そして、クリーニングの回数が上限回数未満のときには、印刷ヘッド24のクリーニング処理を実行する(ステップS140)。具体的には、キャリッジモータ34aを駆動してキャリッジ22をホームポジションに移動させてキャッピング部材41がノズルプレート27を覆うようにした後、開閉バルブ46を閉じ、吸引ポンプ45を駆動してキャッピング部材41内部を負圧にし詰まったインクをノズル23から吸引排出させる。このクリーニング処理を実行することにより、ノズル23内に溜まったインク(例えば長期間放置したことにより粘性が高くなったインクなど)を除去することができる。
ステップS140でクリーニング処理を実行した後、ノズル23の異常が解消されたか否かを調べるため再びステップS110のヘッド検査ルーチンに戻る。なお、このステップS110では、異常が発生していたノズル23のみを再検査してもよいが、何らかの原因でクリーニング時に正常だったノズル23に詰まりが発生することも考えられることから、印刷ヘッド24のすべてのノズル23について再検査を行う。一方、ステップS130でクリーニングを行った回数が上限回数に達していたときには、クリーニングを行ったとしても異常が発生したノズル23は正常化しないとみなし、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS150)、このメインルーチンを終了する。一方、ステップS120で異常が発生しているノズル23がなかったときには、印刷処理ルーチンを実行し(ステップS160)、その後メインルーチンを終了する。ここで、印刷処理ルーチンについて具体的に説明する。このルーチンが開始されると、CPU72は、記録紙Sを給紙ローラ36(図4参照)の駆動により給紙し、キャリッジ22をインク吐出位置に移動させ、印刷データに基づいて圧電素子48を駆動してインクを記録紙Sに吐出させると共にキャリッジ22を主走査方向(図1中の記録紙Sの右側から左側の方向)へ移動させる。次に、現在のパスが終了したか否かを判定する。ここで、「パス」とは、印刷ヘッド24が図1の記録紙Sの一端から他端まで1回移動する動作のことをいう。現在のパスが終了したときには、印刷すべき次パスのデータがあるか否かを判定し、次パスのデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量だけ搬送し、印刷データに基づいて圧電素子48を駆動してインクを記録紙Sに吐出させる。一方、次パスのデータがないときには、CPU72は、排紙ローラ37を回転駆動し記録紙Sを排紙トレイに排出し、印刷すべき次のページがあるか否かを判定し、印刷すべき次のページがあるときには新たな記録紙Sを給紙して上述の処理を実行し、印刷すべき次のページがないときにはこの印刷処理ルーチンを終了する。このように、検査精度を確保した状態でノズル検査を確実に実行したあと、すべてのノズル23からインクを吐出可能な状態で印刷処理を実行することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のノズルプレート27が本発明のノズル形成部材に相当し、検査領域52が印刷記録液受け領域に相当し、キャッピング部材昇降機構90が距離変更手段に相当し、マスク回路47及び圧電素子48が駆動手段に相当し、電圧印加回路53が電位差発生手段に相当し、電圧計58が電位差検出手段に相当し、電圧検出回路54が電気的変化検出手段に相当し、吸引ポンプ45及び開閉バルブ46が負圧発生手段に相当し、キャビティプレート62が記録液接触部材に相当し、CPU72が制御手段に相当する。なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ20の動作を説明することにより本発明の印刷ヘッド検査方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のインクジェットプリンタ20によれば、印刷ヘッド24内のインクと検査領域52との間に所定の電位差を発生させ、ノズルプレート27と検査領域52とが接触する状態で各ノズル23ごとに順次インクを吐出させ電圧検出回路54によって検出される出力電圧Vopに基づいてノズル検査を実行する。一般に、このようなノズル検査において、十分な検査精度を確保するためには、ノズルプレート27と検査領域52との距離を短くすることが有効であるが、ノズルプレート27と検査領域52とを近づけるとインクなどによりノズルプレート27と検査領域52とが短絡することがある。本発明では、ノズルプレート27に絶縁膜27bを形成しその表面を絶縁とすることにより、ノズルプレート27と検査領域52との短絡を防止し、ノズルプレート27と検査領域52とを接触した距離に配置可能である。したがって、ノズル検査において高い検査精度を得ることができる。また、ノズルプレート27と検査領域52とを十分近接した状態でノズル検査を実行可能であるため、電圧印加回路53によりキャビティプレート62に印加する電圧を十分低減することができる。このため、消費電力をより低減したり、電流のリークが生じた際の安全性をより高めたりすることができる。
また、検査領域52の電極部材57をグランドに接地すると共にノズルプレート27の絶縁膜27bを介することなくキャビティプレート62に電圧を印加することにより印刷ヘッド24内のインクと検査領域52との間に電位差を発生させるため、印刷ヘッド24内のインクと検査領域52との間に電位差を発生させるに際してノズルプレート27の絶縁膜27bを剥がしたり、ノズルプレート27に貫通孔を開けたりすることなく、ノズルプレート27の絶縁性を維持しやすい。また、印刷ヘッド24内のインクをグランドに接地し検査領域52に電圧を印加する場合には、検査領域52に溜まったインクなどによりプラテン44などを介して電流がリークしてキャビティプレート62と検査領域52との間に予定する電位差が生じないおそれがあるのに対して、検査領域52をグランドに接地し印刷ヘッド24内のインクに電圧を印加する場合にはそのようなリークのおそれがないため好ましい。
更に、何らかの理由によりノズルプレート27と検査領域52との間で短絡が生じてしまってもノズルプレート27と検査領域52との距離を大きくするというノズルプレート27と検査領域52との短絡を解消する操作を行うため、インクが正常に吐出するか否かのノズル検査を安定した精度で行うことができる。
更にまた、一旦ノズルプレート27と検査領域52との相対距離を大きくする操作を行ったあと、出力電圧Vopが大きく得られるよう印刷ヘッド24と検査領域52との距離が近い通常検査位置(ホームポジション)でノズル検査を実行するため、ノズル検査の精度を確保しやすい。また、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまで相対距離が大きくなるようキャッピング部材昇降機構90を動作させ、できるだけノズルプレート27と検査領域52との距離が近い状態で実測電圧Vsuが検査許容範囲になるようにした上でノズル検査を行うため、ノズル検査の精度を確保しやすい。
そして、検査領域52は、キャッピング部材41の内部に設けられているため、ノズル検査で吐出したインクを処理しやすいし、ノズル検査後のノズル23のクリーニングを迅速に行うことができる。また、実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、キャッピング部材41に負圧を発生させるよう吸引ポンプ45及び開閉バルブ46を制御し、上側インク吸収体55上に存在しキャビティプレート62と検査領域52とに接触するインクを除去可能であるため、比較的容易に実測電圧Vsuの低下を抑制することができる。更に、一般にキャッピング部材41はノズルプレート27に対して接近離間するように構成されているため、キャッピング部材昇降機構90を本発明の距離変更手段として利用することにより新たにそのような機構を設ける必要がない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、SUS製のプレート板27aの表面に絶縁膜27bを形成することによりノズルプレート27の表面を絶縁するとしたが、例えば酸化ケイ素などの絶縁体でプレート板27aを形成することによりノズルプレート27の表面を絶縁してもよい。また、例えば酸化ケイ素などの絶縁体としてのプレート板27aの表面に強化膜として上述の絶縁膜27bを形成したノズルプレート27としてもよい。また、これらに加えて、ノズルプレート27の表面に撥水膜を形成するものとしてもよい。撥水膜としては、ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水性樹脂の膜などが挙げられる。
例えば、上述した実施形態では、SUS製のプレート板27aの表面に撥水性、撥油性を有する絶縁膜27bを形成することによりノズルプレート27の表面を絶縁するとしたが、プレート板27aの表面にTEOS膜(テトラエチルオルソシリケート膜)などの撥水性と絶縁性とを有する膜を形成するものとしてもよい。こうしても、ノズルプレート27の表面を撥水・絶縁することができる。あるいは、この絶縁膜27bは、他の酸化ケイ素膜や酸化ジルコニウム膜、酸化タンタル膜、窒化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜などの絶縁無機材料膜としてもよいし、ポリイミド膜、フッ素樹脂膜などの絶縁有機材料膜としてもよい。また、絶縁無機材料膜をプレート板27a上に形成する方法は、プラズマCVDやスパッタ法、スピンコート法、ゾルゲル法、熱酸化法等が利用できる。ここで、プレート板27aの表面に絶縁性のみを有する膜を形成したときには、更にその表面に撥水膜を形成してもよい。なお、インクが油性である場合には、撥水膜を撥油性の膜(例えばフッ素を含む撥油性樹脂など)としてもよい。なお、複数の種類の膜をプレート板27aに形成する際には、膜同士の密着性又は剥離性を考慮して最適な組み合わせを適宜選択することが好ましい。
上述した実施形態では、ノズルプレート27と検査領域52とを接触させた状態でノズル検査を実行するものとしたが、ノズルプレート27と検査領域52とが接触までしなくてもそれに近い距離、例えば、できる限り検査領域52がノズルプレート27に近くなる距離などでノズル検査を実行するものとしてもよい。こうすれば、インクによるキャビティプレート62と検査領域52との短絡をより抑制することができる。
上述した実施形態では、図8のヘッド検査ルーチンのステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させて空吸引処理を1回実行したあと、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまでステップS260でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させるとしたが、ステップS250の空吸引処理を省略してもよい。こうしても、ステップS260でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させる処理を行うため、ノズルプレート27と検査領域52との短絡を解消することができる。あるいは、ステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させたのち空吸引処理を実行し、その後キャッピング部材41と印刷ヘッド24とを接触させて実測電圧Vsuを検出する処理を実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまで複数回繰り返すようにしてもよい。こうしても、空吸引処理により実測電圧Vsuの低下を抑制することができる。このとき、ステップS260のキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させる処理を省略してもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンのステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から十分離間させて空吸引処理を実行するとしたが、キャッピング部材41の内部がノズル23からインクが吸引されない程度の負圧になるようキャッピング部材41を印刷ヘッド24から少しだけ離間させて吸引処理を実行してもよい。こうすれば、キャッピング部材41内部の負圧が大きくなるため、キャッピング部材41内部に存在するインクを除去しやすい。あるいは、印刷ヘッド24をシーリング部材41aを介してキャッピング部材41に接触させた状態で吸引処理を実行するとしてもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンのステップS250でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させて空吸引処理を実行したあと、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまでステップS260でキャッピング部材41を印刷ヘッド24から徐々に離間させるとしたが、電圧計58によって検出される実測電圧Vsuに基づいてキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間する距離を定め、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときには、該定めた距離だけキャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間させてもよい。このとき、電圧計58によって検出された実測電圧Vsuが小さくなると相対距離が大きくなる傾向に相対距離を定めてもよい。こうすれば、ノズルプレート27と検査領域52との間の電位差に応じた相対距離にするため、ノズルプレート27と検査領域52との間の電位差を検査許容範囲内にしやすい。あるいは、ステップS230で実測電圧Vsuが検査許容範囲を下回っているときに、キャッピング部材41と印刷ヘッド24とを実測電圧Vsuに基づいて定めた距離だけ離間し、その後、ステップS240〜260を省略してそのままノズル検査処理を実行してもよい。このとき、キャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間する距離は、通常時よりも低下した実測電圧Vsuとこの実測電圧Vsuのときに検査許容範囲に入る距離との関係を経験的に求め、この関係を利用して定めてもよい。
上述した実施形態では、ノズルプレート27に対して検査領域52を接近離間させるキャッピング部材昇降機構90について説明したが、検査領域52に対して印刷ヘッド24を接近離間させる印刷ヘッド24昇降機構を採用してもよい。一般に厚さの異なる印刷媒体を印刷するため印刷ヘッド24の高さを可変可能に構成することがあるため、本発明の距離変更手段としてその構成を利用することができる。なお、ノズルプレート27に対して検査領域52を接近離間させるキャッピング部材昇降機構90と、検査領域52に対して印刷ヘッド24を接近離間させる印刷ヘッド24昇降機構との両方を備えるものとしてもよい。
上述した実施形態では、キャリッジ22の左右方向への移動に伴ってキャッピング部材41が左右方向に移動しながら印刷ヘッド24へ接近離間するキャッピング部材昇降機構90について説明したが、キャッピング部材41を上下に移動可能な機構であれば、特にこれに限定されない。例えば、ホームポジションにキャッピング部材41が配置され、ボールネジによってリニアガイドを上下にスライドするスライダによりキャッピング部材41を上下方向にのみ昇降させるキャッピング部材昇降機構を採用してもよい。こうしても、ノズルプレート27に対して検査領域52を接近離間させることができる。
上述した実施形態では、検査領域52がキャッピング部材41の内部に配置された印刷ヘッド検査装置50について説明したが、図11に示すように、検査領域52がキャッピング部材41の内部以外(例えばフラッシング領域49の近傍など)の場所に配置された印刷ヘッド検査装置150としてもよい。図11は、別の印刷ヘッド24検査装置150の説明図であり、図11(a)がキャビティプレート62と検査領域52とが短絡した図、図11(b)がキャビティプレート62と検査領域52との短絡が解消した図である。なお、上述したインクジェットプリンタ20と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。検査領域52を昇降させる検査領域昇降機構98としては、上述の実施形態と同様のものを採用してもよいし、検査領域52を上下方向にのみ昇降させる機構などを採用してもよい。上述したのと同様に、上側インク吸収体55上にインクが多量に存在するとノズル23の内部に侵入し、図11(a)に示すように、検査領域52とキャビティプレート62とがインクにより短絡し、キャビティプレート62と検査領域52との間の電圧が低下してしまう。このとき、図11(b)に示すように、実測電圧Vsuが検査許容範囲内になるまで検査領域52を印刷ヘッド24から離間させたあとノズル検査を実行してもよい。こうしても、キャビティプレート62と検査領域52との間の電圧の低下を抑制するため、ノズル検査を安定した精度で行うことができる。
なお、上述した実施形態では、実測電圧Vsuの低下の原因は、上側インク吸収体55上に存在するインクによる電流リークとして説明したが、これに限られず、キャビティプレート62と検査領域52とが短絡して生じるものであれば他の原因であってもよい。
また、このように検査領域52をキャッピング部材41の内部以外に設けた場合には、キャッピング部材昇降機構90を省略してもよい。このとき、キャリッジモータ34aにより検査領域52に対向する位置にキャリッジ22を移動させるとノズルプレート27と検査領域52とが所定の近接距離となるように構成する。こうすれば、構成を簡素化することができる。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンは、メインルーチンのステップS100で印刷待ちの印刷データがあるときにステップS110で実行するとしたが、ヘッド検査ルーチンは、例えば、キャリッジ22の移動回数が所定回数に達するごと(例えば100パスごとなど)に実行するとしてもよいし、所定のインターバルごと(例えば1日ごとや1週間ごとなど)に実行するとしてもよいし、図示しない操作パネルの操作によりユーザからの実行指示を受けて実行するものとしてもよい。また、ヘッド検査ルーチンは、インクジェットプリンタ20の出荷前検査のときに実行するとしてもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査処理中の吸引ポンプ45の駆動については説明していないが、ヘッド検査処理中に一定時間ごとに又は所定のノズル数からインクを吐出するごとに吸引ポンプ45を駆動して上側インク吸収体55上に吐出されたインクを排出させてもよい。こうすれば、ノズル検査処理中のキャビティプレート62と検査領域52との短絡を防止することができる。また、クリーニング処理時にキャッピング部材41でノズルプレート27に蓋をして吸引ポンプ45で吸引するようにしたが、クリーニング処理以外でも印刷休止中などにキャッピング部材41でノズルプレート27に蓋をしてもよい。その場合には、吸引ポンプ45の吸引を行わず、蓋をして乾燥を防止するだけでもよい。
上述した実施形態では、電圧検出回路54によりノズルプレート27の出力信号波形を検出するように構成したが、この電圧検出回路54に代えて又は加えて、同様の電圧検出回路を電極部材57とグランドとの間に接続して検査領域52の出力信号波形を検出するように構成してもよい。この場合、ノズル検査時に検査領域52とノズルプレート27との間に所定の電位差を発生させるにあたり、検査領域52をグランドに接地しノズルプレート27に電圧を印加してもよいし、ノズルプレート27をグランドに接地し検査領域52に電圧を印加してもよい。
上述した実施形態では、インクジェットプリンタとして主走査方向に印刷ヘッド24を移動させながら印刷を行う方式を採用したが、印刷ヘッド24を印刷媒体の幅方向の印刷領域一杯に長く形成しこれを装置本体に固定配置して印刷媒体のみを搬送しながら印刷を行ういわゆるラインプリンタ(例えば特開2002−200779号公報参照)を採用してもよい。この場合、例えば搬送される記録紙を支持するプラテンを検査領域として兼用し、該プラテン全体をキャッピング部材の内側に設けるようにしてもよい。
上述した実施形態では、キャッピング部材41の内部に上側インク吸収体55及び下側インク吸収体56を設けたが、これらのうち一方又は両方を省略してもよい。例えば、キャッピング部材41の内部に電極部材57のみを配置し、この電極部材57に直接インクを吐出させる構成としてもよい。また、ノズルプレート27内のインクと電極部材57との間に所定の電位差が生じるため、上側インク吸収体55は必ずしも導電性を有している必要はなく、例えば上側インク吸収体55が絶縁性材料で形成されていてもよい。
上述した実施形態では、インクジェット方式を採用したフルカラーのインクジェットプリンタ20としたが、スキャナを搭載したマルチファンクションプリンタとしてもよいし、FAX機やコピー機などの複合印刷装置としてもよい。
インクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図である。 キャリッジの左側面図(破断面図であり円内は部分拡大断面図)である。 印刷ヘッド24の説明図である。 紙送り機構31の説明図である。 キャッピング部材昇降機構90の説明図である。 印刷ヘッド検査装置50の構成の概略を示す構成図である。 メインルーチンのフローチャートである。 ヘッド検査ルーチンのフローチャートである。 キャッピング部材41の空吸引処理の説明図である。 キャッピング部材41を印刷ヘッド24から離間する説明図である。 別の印刷ヘッド検査装置150の説明図である。
符号の説明
20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、22a インク供給針、23,23Y,23M,23C,23K ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、26a インク供給口、27 ノズルプレート、27a プレート板、27b 絶縁膜、28 ガイド、29 カバーヘッド、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、36 給紙ローラ、37 排紙ローラ、38 給紙トレイ、39 記録紙挿入口、41 キャッピング部材、41a シーリング部材、43,43Y,43M,43C,43K ノズル列、44 プラテン、45 吸引ポンプ、46 開閉バルブ、47 マスク回路、48 圧電素子、49 フラッシング領域、50,150 印刷ヘッド検査装置、52 検査領域、53 電圧印加回路、54 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c A/D変換回路、55 上側インク吸収体、56 下側インク吸収体、57 電極部材、58 電圧計、60 ユーザPC、62 キャビティプレート、64 インク室、66 振動板、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、79 インタフェース(I/F)、80 メカフレーム、81 キャップ部フレーム、81a 円弧溝、84 当接部、90 キャッピング部材昇降機構、91 接続部材、91a 棒状体、92 リンクアーム、92a 回動軸、92b 支持軸、93 柱状体、96 引っ張りバネ、98 検査領域昇降機構。

Claims (14)

  1. 印刷ヘッドに設けられ複数のノズルが形成され少なくとも表面が絶縁されたノズル形成部材と、
    前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ、前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域とが接触する所定の近接距離となる状態で各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行する制御手段と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記ノズル形成部材は、絶縁膜を形成することにより表面が絶縁されている、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ノズル形成部材は、絶縁体で形成されることにより表面が絶縁されている、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記ノズル形成部材は、更に前記印刷記録液をはじく性質を有する膜がその表面に形成されている、
    請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記ノズル形成部材は、絶縁性と前記印刷記録液をはじく性質とを有する膜を形成することにより表面が絶縁されている、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記電位差発生手段は、前記印刷記録液受け領域をグランドに接地しノズル形成部材の絶縁されている部分を介することなく前記印刷ヘッド内の印刷記録液と接触している記録液接触部材に電圧を印加することにより前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させる、
    請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間の電位差を検出する電位差検出手段と、
    対向した状態の前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域との相対距離を変更可能な距離変更手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が所定の許容範囲内にあるときには、前記ノズル検査を実行し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御したあと前記ノズル検査を実行する、
    画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ前記距離変更手段に前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域とが前記近接距離になるようにした状態で前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、一旦前記相対距離を前記近接距離よりも大きくしたあと該近接距離に戻すよう前記距離変更手段を制御し、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になったときには、該近接距離で前記ノズル検査を実行する、
    請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲内になるまで前記相対距離が大きくなるよう前記距離変更手段を制御する、
    請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記ノズル形成部材が接触することにより前記ノズルに蓋をするキャッピング部材と、
    前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させる負圧発生手段と、
    を備え、
    前記印刷記録液受け領域は、前記キャッピング部材の内部に設けられ、
    前記制御手段は、前記電位差検出手段によって検出された電位差が前記許容範囲を下回っているときには、前記キャッピング部材の内部に負圧を発生させるよう前記負圧発生手段を制御する、
    画像形成装置。
  11. 前記距離変更手段は、前記ノズル形成部材に対して前記印刷記録液受け領域を接近離間させる手段である、
    請求項7〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記距離変更手段は、前記印刷記録液受け領域に対して前記ノズル形成部材を接近離間させる手段である、
    請求項7〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 印刷ヘッドに設けられ複数のノズルが形成され少なくとも表面が絶縁されたノズル形成部材と、前記ノズルから吐出された印刷記録液を受けることが可能な印刷記録液受け領域と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液に圧力を発生させる駆動手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間で所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、前記印刷ヘッド内の印刷記録液又は前記印刷記録液受け領域の電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、を利用してノズル検査を行う、コンピュータ・ソフトウェアによる印刷ヘッド検査方法であって、
    (a)前記電位差発生手段に前記印刷ヘッド内の印刷記録液と前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させ、前記ノズル形成部材と前記印刷記録液受け領域とが接触する所定の近接距離となる状態とするステップと、
    (b)前記ステップ(a)の状態で各ノズルごとに順次印刷記録液に圧力が発生するよう前記駆動手段を制御し前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化に基づいて各ノズルから印刷記録液が吐出されるか否かを検査するノズル検査を実行するステップと、
    を含む印刷ヘッド検査方法。
  14. 請求項13に記載の印刷ヘッド検査方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
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