JP2009066804A - 吐出検査装置、印刷装置及び吐出検査方法 - Google Patents

吐出検査装置、印刷装置及び吐出検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出した流体による電気的な変化を検出するものにおいて、流体がノズルから吐出されたか否かのノズル検査の時間をより短縮することができる。
【解決手段】プリンタ20は、インクを吐出する複数のノズル23を備えた印刷ヘッド24と、複数のノズル23から吐出されたインクを受けるように印刷ヘッド24に対して複数設けられた検査領域52,62との間に所定の電位差を発生させた状態で、複数の検査領域52,62にノズル23からインクを吐出するよう印刷ヘッド24を駆動し、インクが吐出される検査領域52,62における各々の電気的変化の検出結果に基づいて各ノズル23からインクが吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行する。このように、印刷ヘッド24に対して複数の検査領域52,62及び電圧検出回路54,64を設けて並列的に複数のノズル23の検査を実行するのである。
【選択図】図1

Description

本発明は、吐出検査装置、印刷装置及び吐出検査方法に関する。
従来、吐出検査装置としては、インクジェットプリンタの印刷ヘッドとこの印刷ヘッドに対向する位置に設けられたインク滴を受ける領域(インク受け領域)との間に所定の電位差を発生させることによりノズルから吐出されるインク滴を帯電させ、該帯電したインク滴をインク受け領域に飛翔させ、インク滴がインク受け領域に到達することにより該インク受け領域で発生する電圧変化(誘導電圧)を検出することによりノズルからインク滴が吐出されているか否かを検査するノズル検査を実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−123673号公報(図5)
しかしながら、この特許文献1に記載された装置では、1つの印刷ヘッドに対して1つのインク受け領域を備えているものであるから、例えば印刷ヘッドに含まれるノズル数が多い場合には、ノズル数に応じてノズル検査時間が長くなってしまう問題があった。また、ノズル検査は、より正確に実行することが望ましい。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、吐出した流体による電気的な変化を検出するものにおいて、ノズル検査時間をより短縮することができる吐出検査装置、印刷装置及び吐出検査方法を提供することを目的の一つとする。また、吐出した流体による電気的な変化を検出するものにおいて、より確実にノズル検査を実行することができる吐出検査装置、印刷装置及び吐出検査方法を提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
本発明の吐出検査装置は、
流体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドの吐出状態を検査する吐出検査装置であって、
前記複数のノズルから吐出された流体を受けるように前記吐出ヘッドに対して複数設けられた流体受け領域と、
前記吐出ヘッドと前記流体受け領域との間に所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
前記複数の流体受け領域の各々に接続され該流体受け領域の電気的変化を検出する複数の電気的変化検出手段と、
前記電位差発生手段に前記吐出ヘッドと前記流体受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記複数の流体受け領域に前記ノズルから前記流体を吐出するよう前記吐出ヘッドを駆動させ、前記流体が吐出される流体受け領域における各々の電気的変化検出手段の検出結果に基づいて各ノズルから流体が吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行する制御手段と、
を備えたものである。
この吐出検査装置では、流体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドと、複数のノズルから吐出された流体を受けるように吐出ヘッドに対して複数設けられた流体受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で、複数の流体受け領域にノズルから流体を吐出するよう吐出ヘッドを駆動し、流体が吐出される流体受け領域における各々の電気的変化検出手段の検出結果に基づいて各ノズルから流体が吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行する。ここで、例えば、1つの吐出ヘッドに対して1つの流体受け領域を備えたものでは1つのノズルから吐出した流体の電気的変化を順に検出することになるが、本発明では、吐出ヘッドに対して複数の流体受け領域及び電気的変化検出手段を設けて並列的に複数のノズルの検査を実行するのである。したがって、吐出した流体による電気的な変化を検出するものにおいて、ノズル検査時間をより短縮することができる。ここで、「並列的にノズル検査を実行」とは、複数のノズルについて同時進行でノズル検査を実行することをいう。このとき、前記吐出ヘッドは、前記ノズルを所定の配列方向に複数配列したノズル列が形成されているものとしてもよい。
本発明の吐出検査装置において、前記複数の流体受け領域は、前記吐出ヘッドと対向するよう設けられた1以上の流体受け領域を含む第1流体受け領域と、前記第1流体受け領域の水平方向に設けられた1以上の流体受け領域を含む第2流体受け領域と、を含んで構成されており、前記第1流体受け領域と前記吐出ヘッドとが対向する位置と前記第2流体受け領域と前記吐出ヘッドとが対向する位置とに前記吐出ヘッド及び前記流体受け領域の少なくとも一方を移動させる移動手段、を備えたものとしてもよい。こうすれば、吐出ヘッドと複数の流体受け領域との距離を一定として電気的変化の検出値をより一定の値とすることが可能であるため、ノズル検査時間をより短縮すると共に、より確実にノズル検査を実行することができる。このとき、前記移動手段は、前記ノズルを所定の配列方向に複数配列したノズル列が形成されている吐出ヘッドを該配列方向に直交する方向に移動するものとしてもよい。
本発明の吐出検査装置において、前記吐出ヘッドは、前記ノズルを所定の配列方向に複数配列したノズル列が形成されており、前記複数の流体受け領域は、前記吐出ヘッドと対向するよう設けられた1以上の流体受け領域を含む第1流体受け領域と、前記第1流体受け領域と前記吐出ヘッドとの距離と異なる距離で前記ノズルの配列方向に設けられた1以上の流体受け領域を含む第2流体受け領域と、を含んで構成されているものとしてもよい。こうすれば、ノズル検査を実行中に吐出ヘッドを移動する必要がないから、ノズル検査中に吐出ヘッドを移動するものに比して、ノズル検査時間を一層短縮することができる。このとき、前記制御手段は、前記第1流体受け領域および前記第2流体受け領域とが重なり合う端部領域では、前記第1流体受け領域でのノズル検査と前記第2流体受け領域でのノズル検査とを並列的に実行しないものとしてもよい。第1及び第2流体受け領域が重なり合う端部領域では、吐出ヘッドから吐出された流体が第1及び第2流体受け領域のいずれかに着弾することがあり得るから、これらの領域に対するノズル検査を並列的に実行しないことにより端部領域ではより確実なノズル検査を実行しつつ、端部領域以外ではノズル検査を並列的に実行してノズル検査時間をより短縮することができる。
本発明の吐出検査装置において、前記複数の流体受け領域は、前記第1流体受け領域が複数の流体受け領域を含み、前記第2流体受け領域が前記第1流体受け領域よりも小さく形成された複数の流体受け領域を含んで構成され、該第2流体受け領域には、該第2流体受け領域よりも少ない数の前記電気的変化検出手段が共用して接続されており、前記制御手段は、前記共用して接続された流体受け領域では前記ノズル検査を単独的に実行するものとしてもよい。こうすれば、第2流体受け領域を第1流体受け領域よりも小さく形成することにより、第2流体受け領域でノズル検査を単独的に実行したときに要する時間をより短縮すると共に、電気的変化検出手段を共用することにより、構成の簡略化を図ることができる。
本発明の吐出検査装置において、前記複数の流体受け領域は、前記第1流体受け領域が複数の流体受け領域を含み前記吐出ヘッドのノズルと対向するよう間隔を空けて該複数の流体受け領域が配置され、前記第2流体受け領域が複数の流体受け領域を含み前記所定間隔の領域に対応する前記吐出ヘッドのノズルと対向するよう間隔を空けて該複数の流体受け領域が配置されているものとしてもよい。こうすれば、第1及び第2流体受け領域の複数の流体受け領域同士が間隔を空けて配置され、互いに干渉するのを抑制可能であるため、より確実なノズル検査を実行することができる。
本発明の吐出検査装置において、前記複数の流体受け領域は、前記第1流体受け領域に対向する前記ノズルと前記第2流体受け領域に対向する前記ノズルとが一部重なるように前記第1流体受け領域と前記第2流体受け領域とが配置されているものとしてもよい。こうすれば、流体受け領域の取り付け位置精度を緩和することができる。
本発明の吐出検査装置において、前記吐出ヘッドは、前記ノズルを所定の配列方向に複数配列したノズル列が形成され、前記複数の流体受け領域は、前記ノズルの配列方向に沿って間隔を空けて配置されており、前記複数の流体受け領域と前記吐出ヘッドに含まれる所定のノズル群とが対向する位置と前記複数の流体受け領域と前記所定のノズル群以外のノズルとが対向する位置とに前記複数の流体受け領域及び前記吐出ヘッドの少なくとも一方を前記ノズルの配列方向に移動させる移動手段、を備えたものとしてもよい。こうすれば、複数の流体受け領域及び吐出ヘッドの少なくとも一方が移動することにより吐出ヘッドに設けられたノズルの全体から吐出された流体を受けることが可能であるため、ノズル検査時間をより短縮すると共に、流体受け領域の占有面積を比較的小さくすることができる。
本発明の吐出検査装置において、前記複数の流体受け領域は、互いに電気的に絶縁されているものとしてもよい。こうすれば、流体受け領域同士の電気的変化の影響を防止可能であるため、より確実にノズル検査を実行することができる。
本発明の印刷装置は、流体をターゲットに吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの吐出状態を検査する上述したいずれか1つに記載の吐出検査装置と、を備えたものである。印刷装置は、流体をターゲットに吐出して印刷を実行するから、ノズル検査を実行することが多いため、本発明を適用する意義が高い。
本発明の印刷装置において、前記吐出ヘッドは、使用可能なターゲットのうち最大サイズの幅以上の長さになるよう前記ノズルを配列したノズル列が形成されているラインヘッドであるものとしてもよい。こうすれば、1つの吐出ヘッドに多くのノズルが形成されたラインヘッドのノズル検査時間を短縮することができる。
本発明の吐出検査方法は、
流体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドと、前記複数のノズルから吐出された流体を受けるように前記吐出ヘッドに対して複数設けられた流体受け領域と、前記複数の流体受け領域の各々に接続され該流体受け領域の電気的変化を検出する複数の電気的変化検出手段と、を備えた吐出検査装置の前記流体の吐出状態を検査する検査方法であって、
前記吐出ヘッドと前記流体受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記複数の流体受け領域に前記ノズルから前記流体を吐出するよう前記吐出ヘッドを駆動させ、前記流体を吐出させる流体受け領域の各々の電気的変化の検出結果に基づいて各ノズルから流体が吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行するステップ、
を含むものである。
この吐出検査方法では、流体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドと、複数のノズルから吐出された流体を受けるように吐出ヘッドに対して複数設けられた流体受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で、複数の流体受け領域にノズルから流体を吐出するよう吐出ヘッドを駆動し、流体が吐出される流体受け領域における各々の電気的変化検出手段の検出結果に基づいて各ノズルから流体が吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行する。ここで、例えば、1つの吐出ヘッドに対して1つの流体受け領域を備えたものでは1つのノズルから吐出した流体の電気的変化を順に検出することになるが、本発明では、吐出ヘッドに対して複数の流体受け領域及び電気的変化検出手段を設けて並列的に複数のノズルの検査を実行するのである。したがって、吐出した流体による電気的な変化を検出するものにおいて、ノズル検査時間をより短縮することができる。なお、この吐出検査方法において、上述した吐出検査装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した吐出検査装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した吐出検査方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した吐出検査方法の各ステップが実行されるため、この吐出検査方法と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明を具現化した一実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態であるプリンタ20の構成の概略を示す構成図、図2は印刷ヘッド24及びノズル検査装置50の説明図、図3はノズル検査装置50の構成の概略を示す構成図である。本実施形態のプリンタ20は、図1に示すように、使用可能な記録紙Sのうち最大サイズの幅以上の長さに形成されたラインヘッドを備えたインクジェットプリンタとして構成されている。このプリンタ20は、流体としてのインクをターゲットとしての図中奥から手前へと搬送される記録紙Sに吐出するプリンタ機構21と、キャリッジ22を所定のキャリッジ移動方向へ移動可能なヘッド移動機構31と、駆動モータ33により駆動され記録紙Sを搬送方向に搬送する紙送りローラ35及び排紙ローラ38と、記録紙Sの搬送方向のプラテン36の下流に形成されたキャッピング装置37と、プラテン36とキャッピング装置37との間に設けられ印刷ヘッド24からインク滴が正常に吐出されるか否かを検査するノズル検査装置50と、プリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32によりガイド29a,29bに沿って本体の前後方向(キャリッジ移動方向)に移動可能に支持されたキャリッジ22と、キャリッジ22の下方に設けられ各色のインクに圧力をかけノズル23から流体としてのインク滴を噴射する印刷ヘッド24と、本体側に装着され各色のインクを収容しこの収容したインクを図示しないチューブを介して印刷ヘッド24へ供給するインクカートリッジ26とを備えている。キャリッジ22は、フレーム39の左奥側に取り付けられたキャリッジモータ34aとフレーム39の左手前側に取り付けられた従動ローラ34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモータ34aによって駆動されるのに伴って図中奥側と手前側とに移動する。ヘッド移動機構31は、ガイド29a,29b、キャリッジベルト32、キャリッジモータ34a、従動ローラ34bなどにより構成されている。インクカートリッジ26は、キャリッジ22に装着されシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容している。
印刷ヘッド24は、図2に示すように、複数のノズル23が穿設されたノズルプレート28を備えている。ノズルプレート28は、導電性を有する部材(SUSなど)により形成されており、ガイド29a,29bを介してグランドに接続されている。このノズルプレート28には、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを吐出する複数のノズル23を配列したノズル列43が設けられている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23と総称し、すべてのノズル列をノズル列43と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列43C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列43M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列43Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列43Kと称する。以下ノズル23Kを用いて説明する。この印刷ヘッド24では、使用可能な記録紙Sのうち最大サイズの幅以上の長さになるようノズル23Kを記録紙Sの搬送方向に直交する方向(左右方向)に沿って配列してノズル列43Kを構成している。ノズル23Kは印刷ヘッド24の内部に設けられたインク室44Kに連通している。このインク室44Kは、インク室44Kの上壁をなす振動板46Kに貼り付けられた圧電素子48Kに電圧を印加すると圧電素子48Kが変形して室内容積を圧迫し(図2の円内の点線参照)、電圧の印加を解除すると圧電素子48Kが復元して室内容積が元に戻る。これにより、インクがノズル23Kから吐出される。ここでは、一画素分の区間内(記録紙Sが一画素の間隔を横切る時間内)において、3つの駆動波形(パルス)がコントローラ70から圧電素子48に出力されるよう設定されている。なお、この3つのパルスを本実施形態では1セグメントと称する。このため、圧電素子48Kに1パルスのみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには小さいサイズのドット(小ドット)が形成される。また、圧電素子48Kに2パルスが出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、圧電素子48Kに3パルスが出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、プリンタ20では、一画素区間において吐出するインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他のノズル列43Yのノズル23Y,ノズル列43Mのノズル23M,ノズル列43Cのノズル23Cについても、ノズル列43Kのノズル23Kと同様にして構成されている。なお、印刷ヘッド24は、ここでは圧電素子48を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
キャッピング装置37は、プラテン36から搬送方向の下流に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体であり、開口縁にはシリコンゴムなどの絶縁体からなるシーリング部材が設けられている。このキャッピング装置37は、ノズル23に詰まったインクを吸い出すクリーニング処理に利用されるほか、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときにも利用される。このキャッピング装置37には、図示しない吸引ポンプと開閉バルブとが別々に接続され、開閉バルブが閉状態のときに吸引ポンプが作動するとキャッピング装置37の内部空間に負圧が発生する。キャッピング装置37がノズル23を封止しているときにこの負圧を発生させることにより、ノズル23内のインクが強制的に吸い出される。
ノズル検査装置50は、図2及び図3に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から飛翔したインク滴を受けることが可能な検査領域52,62と、検査領域52,62を所定電位とすることにより印刷ヘッド24と検査領域52との間に所定の電位差を発生させる電圧印加回路53,63と、検査領域52,62での電圧変化を検出する電圧検出回路54,64とを備えている。なお、説明の便宜のため、すべての検査領域を検査領域52,62と総称し、すべての電圧印加回路を電圧印加回路53,63と総称し、すべての電圧検出回路を電圧検出回路54,64と総称し、電圧印加回路53A〜53Dを電圧印加回路53と総称し、電圧検出回路54A〜54Dを電圧検出回路54と総称し、電圧印加回路63A〜63Dを電圧印加回路63と総称し、電圧検出回路64A〜64Dを電圧検出回路64と総称し、検査領域52A〜52Dを第1検査領域52と総称し、検査領域62A〜62Dを第2検査領域62と総称するものとする。第1検査領域52は、プラテン36の搬送方向の下流側に設けられており、複数の検査領域52A〜52Dを含んで構成され、これらが記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。第2検査領域62は、第1検査領域52の所定間隔が空けられた領域の第1検査領域52より搬送方向の下流側に設けられており、複数の検査領域62A〜62Dを含んで構成され、これらが記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。第2検査領域62は、印刷ヘッド24に対向する第1検査領域52と同一面に、第1検査領域52と同様にそれぞれが所定間隔を空けて配置されている。また、この第1検査領域52及び第2検査領域62は、キャリッジ22が第1検査領域52の上方に配置されて第1検査領域52に対向するノズル23と、キャリッジ22が第2検査領域62の上方に配置されて第2検査領域62に対向するノズル23とが一部重なるように配置されている。また、検査領域52A〜52D,62A〜62Dは、外周部分が絶縁性の部材により構成されると共に、各々の領域が間隔を空けた状態で独立して形成されており、各々が絶縁されている。なお、検査領域52A〜52D,62A〜62Dは、その構成が同じであるから、説明の便宜のため、以下検査領域52Aを用いて説明する。
検査領域52Aは、図3に示すように、矩形状の領域として形成され、インク滴が直接着弾する上側インク吸収体55と、この上側インク吸収体55に着弾したあと下方に透過してきたインク滴を吸収する下側インク吸収体56と、上側インク吸収体55と下側インク吸収体56との間に配置されたメッシュ状の電極部材57とにより構成されている。上側インク吸収体55は、電極部材57と同電位となるように導電性を有するスポンジによって形成され、その表面が検査領域52となっている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、ここではエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E,ブリジストン(株)製)が用いられている。下側インク吸収体56は、上側インク吸収体55に比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されており、ここでは不織布(商品名:キノクロス,王子キノクロス(株)製)が用いられている。電極部材57は、ステンレス(例えばSUS)製の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側インク吸収体55に一旦吸収されたインクは格子状の電極部材57の隙間を通って下側インク吸収体56に吸収・保持される。ここでは、電極部材57は、導電性を有する上側インク吸収体55と接触しているため、上側インク吸収体55の表面すなわち検査領域52も電極部材57と同様の電位となっている。
電圧印加回路53Aは、検査領域52Aの電極部材57に接続されており、プリンタ20の内部で引き回される数ボルトの電気配線の電圧を図示しない昇圧回路を介して数十〜数百ボルトに昇圧し、この昇圧後の直流電圧Ve(例えば400V)を抵抗素子R1(例えば1MΩ)及びスイッチSWを介して検査領域52Aに印加する回路である。電圧検出回路54Aは、検査領域52Aの電極部材57に接続され、インクが着弾した際に生じる検査領域52Aでの電圧変化を検出するものであり、印刷ヘッド24の電圧信号を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号をA/D変換してコントローラ70へ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔・着弾による電圧変化が微弱なことから、同一のノズル23から吐出される複数のインク滴の飛翔・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してコントローラ70に出力するものである。なお、検査領域52B〜52D,62A〜62Dについても、図2に示すように、検査領域52Aと同様にそれぞれ電圧印加回路53B〜53D,63A〜63D、電圧検出回路54B〜54D,64A〜64Dが接続されており、各々の検査領域でインク滴の着弾により生じる電気的変化を検出可能に構成されている。
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶しデータを書き込み消去可能なフラッシュROM74と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM76と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)78と、図示しない入出力ポートとを備えている。なお、フラッシュROM74には、後述するメインルーチンやノズル検査ルーチン、クリーニング処理ルーチン、印刷処理ルーチンの各処理プログラムが記憶されている。また、RAM76には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域にユーザPC80からI/F78を介して送られてきた印刷データが記憶される。このコントローラ70には、ノズル検査装置50の電圧検出回路54から出力された電圧信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC80から出力された印刷ジョブなどがI/F78を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24(圧電素子48を含む)への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号、ノズル検査装置50(電圧印加回路53やスイッチSWを含む)への制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPC80への印刷ステータス情報などがI/F78を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のプリンタ20の動作について説明する。まず、メインルーチンの動作について図4に基づいて説明する。図4は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートの一例である。このルーチンは、プリンタ20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとに(例えば数msecごとに)CPU72により繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS100)。ユーザPC80から受信した印刷ジョブは、RAM76に形成された印刷バッファ領域に格納されて印刷待ち状態の印刷ジョブとなるため、印刷ジョブを受信したときに印刷中の場合だけでなく直ちに印刷可能な場合であっても一旦印刷待ち状態の印刷ジョブとなる。そして、ステップS100で印刷待ち状態の印刷ジョブが存在しないときには、そのままこのメインルーチンを終了する。
一方、ステップS100で、印刷待ち状態の印刷ジョブが存在したときには、各ノズル23からインクが正常に吐出されるか否かを検査するノズル検査ルーチンを実行する(ステップS110)。図5は、このノズル検査ルーチンのフローチャートの一例であり、図6は、キャリッジ22の移動の説明図であり、図7は、ノズル検査時の印刷ヘッド24の説明図であり、図7(a)が印刷位置の平面図、図7(b)が第1検査領域52上での平面図、図7(c)が第1検査領域52上に印刷ヘッド24が配置された正面図であり、図8は、ノズル検査時の印刷ヘッド24の説明図であり、図8(a)が第2検査領域62上での平面図、図8(b)が第2検査領域62上での正面図、図8(c)がキャッピング装置37上に印刷ヘッド24が配置された図である。ノズル検査ルーチンの開始時には、印刷ヘッド24は、プラテン36上に配置されている(図7(a))。このノズル検査ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、電圧印加回路53のスイッチSWをオンし直流電圧Veを第1検査領域52に印加し(ステップS200)、図6に示すように、印刷ヘッド24と第1検査領域52とが対向する位置へキャリッジ22を移動するようキャリッジモータ34aを駆動する(ステップS210)。すると、印刷ヘッド24が第1検査領域52に対向し(図7(b))、印刷ヘッド24と第1検査領域52との間に所定の電位差が生じる。
次に、CPU72は、第1検査領域52に含まれる検査領域52A〜52Dに対向するノズル23からそれぞれの領域に対して検査対象のノズルを設定する(ステップS220)。ここでは、第2検査領域62と一部重なり合うマージン領域のノズル23を除くものが第1検査領域52の検査対象ノズル群23X(図7(b)参照)に設定されており、この中から、例えばノズル列43K,43C,43M,43Yの順で且つノズル番号の若い順に検査対象ノズルを設定するものとした。続いて、CPU72は、設定した複数の領域の検査対象ノズルの圧電素子48(図2参照)を駆動してその検査対象ノズルから帯電したインク滴を吐出させる(ステップS230)。ここで、ノズル検査について説明する。ノズルプレート28を接地してグランド電位とし、ノズルプレート28と検査領域52,62との間に電位差を生じさせた状態でインク滴をノズル23から吐出させる実験を実際に行ったところ、検査領域52,62での出力信号波形がサインカーブとして表れた。このような出力信号波形が得られる原理は明らかではないが、帯電したインク滴が検査領域52,62に接近するのに伴って静電誘導により誘導電流が流れたことに起因すると考えられる。また、電圧検出回路54,64から出力された出力信号波形の振幅は、印刷ヘッド24から上側インク吸収体55(検査領域52,62)までの距離が近いほど大きくなる傾向を示したほか、飛翔するインク滴が大きいほど大きくなる傾向を示した。このため、ノズル23が詰まってインク滴が飛翔しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号波形の振幅が通常時に比べて小さくなるか略ゼロになるから、出力信号波形の振幅が所定の閾値を下回るか否かに基づいてノズル23の詰まりの有無を判定することができる。本実施形態では、インク滴が所定の大きさであっても1ショット分のインク滴による出力信号波形の振幅が微弱なことから、駆動波形を表す1セグメントの3パルスのすべてを出力する操作を8回行うことにより24ショット分のインク滴を吐出するようにした。これにより、出力信号は24ショット分のインク滴による積分値となるため、電圧検出回路54からは十分大きな出力信号波形が得られた。なお、インク吐出数は、検査精度を確保可能な吐出数となるよう任意に設定することができる。
さて、検査対象ノズルからインク滴を吐出すると、CPU72は、電圧検出回路54A〜54Dで検出された信号波形の振幅である電気的変化、即ち出力電圧Vopのうちいずれかが閾値Vthrを下回っているか否かを各々判定する(ステップS240)。この閾値Vthrは、24ショット分のインクが正常に吐出されたときの出力信号波形の出力電圧Vop(ピーク値)がこの閾値Vthr以上となるように、また24ショット分のインクが正常に吐出されなかったときにはノイズ等によってもこの閾値Vthr未満となるように、経験的に定められた値である。ステップS240でいずれかの出力電圧Vopが閾値Vthr未満だったときには、そのノズル23に詰まりなどの異常が生じているとみなし、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM76の所定領域に記憶する(ステップS250)。このように、検査領域52A〜52Dに対して、ステップS230〜S250の処理を並列的、即ち同時進行で行うのである。
ステップS250のあと又はステップS240で出力電圧Vopが閾値Vthr以上のとき(つまり今回の検査対象ノズルが正常だったとき)、CPU72は現在の検査領域(第1検査領域52)で検査するすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS260)、現在の検査領域での未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS270)、その後再びステップS230以降の処理を行う。このとき、図7(c)に示すように、検査領域52A〜52Dに各々インク滴が吐出され、電圧検出回路54A〜54D(図2参照)で電気的変化を出力する。一方、ステップS260で現在の検査領域で検査するすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS280)、未検査のノズル23が存在するときには、その未検査のノズルを検査すべく、第1検査領域52のスイッチSWをオフすると共に、第2検査領域62のスイッチSWをオンし、直流電圧Veを第2検査領域62に印加し(ステップS290)、印刷ヘッド24と第2検査領域62とが対向する位置へキャリッジ22を移動するようキャリッジモータ34aを駆動する(ステップS300)。すると、印刷ヘッド24が第2検査領域62に対向し(図8(a))、印刷ヘッド24と第2検査領域62との間に所定の電位差が生じる。
続いて、CPU72は、第2検査領域62に含まれる検査領域62A〜62Dに対向するノズル23からそれぞれの領域に対し、未検査のノズル23である検査対象ノズル群24Yのうち検査対象ノズルを例えば上述したステップS220と同様のルールに基づいて設定し(ステップS310)、第2検査領域62においても、上述したステップS230〜S280の処理を実行する。即ち、検査領域62A〜62Dの各々に対して、インク滴を吐出し(図8(b))、電圧検出回路64A〜64Dで検出した出力電圧Vopが閾値Vthr未満であるか否かを判定する処理を並列的、即ち同時進行で実行し、出力電圧Vopが閾値Vthr未満であるノズル23をノズル詰まりが生じているものとしてそれを特定する情報をRAM76の所定領域に記憶する処理をすべての残りのノズルについて実行するのである。そして、ステップS280で印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、CPU72は、第2検査領域62のスイッチSWをオフし(ステップS320)、このルーチンを終了する。このルーチンを実行することにより、RAM76の所定領域には、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうちノズル詰まりが発生しているノズル23がある場合にはそのノズル23を特定する情報が記憶され、ノズル詰まりが発生しているノズル23がない場合には何も記憶されない。
さて、図4のメインルーチンに戻り、上述したノズル検査ルーチン(ステップS110)を実行したあと、CPU72は、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうちノズル詰まりが発生しているノズル23があるか否かをRAM76の所定領域の記憶内容に基づいて判定し(ステップS120)、ノズル詰まりが発生しているノズル23があるときには、詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行うが、その前にノズル詰まり解消のために行ったクリーニングの回数が予め定められた上限回数(例えば3回)に至ったか否かを判定する(ステップS130)。そして、クリーニングの回数が上限回数未満のときには、印刷ヘッド24のクリーニング処理を実行する(ステップS140)。具体的には、キャリッジモータ34aを駆動して印刷ヘッド24がキャッピング装置37に対向する位置へ移動すると共に、キャッピング装置37と印刷ヘッド24とを当接させ、開閉バルブを閉じ、吸引ポンプを駆動してキャッピング装置37の内部を負圧にし詰まったインクをノズル23から吸引排出させる(図8(c))。このクリーニング処理を実行することにより、ノズル23内に溜まったインク(例えば長期間放置したことにより粘性が高くなったインクなど)を除去することができる。
ステップS140でクリーニング処理を実行した後、ノズル23のノズル詰まりが解消されたか否かを調べるため再びステップS110のノズル検査ルーチンに戻る。なお、このステップS110では、ノズル詰まりが発生していたノズル23のみを再検査してもよいが、何らかの原因でクリーニング時に正常だったノズル23に詰まりが発生することも考えられることから、ここでは印刷ヘッド24のすべてのノズル23について再検査を行う。一方、ステップS130でクリーニングを行った回数が上限回数に達していたときには、クリーニングを行ったとしてもノズル詰まりが発生したノズル23は正常化しないとみなし、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS150)、このメインルーチンを終了する。一方、ステップS120でノズル詰まりが発生しているノズル23がなかったときには、印刷処理ルーチンを実行し(ステップS160)、その後メインルーチンを終了する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の印刷ヘッド24が本発明の吐出ヘッドに相当し、検査領域52,62が流体受け領域に相当し、電圧印加回路53,63が本発明の電位差発生手段に相当し、電圧検出回路54,64が本発明の電気的変化検出手段に相当し、コントローラ70が本発明の制御手段に相当し、キャリッジベルト32,キャリッジモータ34a及び従動ローラ34bが本発明の移動手段に相当し、第1検査領域52が本発明の第1流体受け領域に相当し、第2検査領域62が本発明の第2流体受け領域に相当し、インクが流体に相当し、記録紙Sが本発明のターゲットに相当する。なお、本実施形態では、プリンタ20の動作を説明することにより本発明の吐出検査方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のプリンタ20によれば、インクを吐出する複数のノズル23を備えた印刷ヘッド24と、複数のノズル23から吐出されたインクを受けるように印刷ヘッド24に対して複数設けられた検査領域52,62との間に所定の電位差を発生させた状態で、複数の検査領域52,62にノズル23からインクを吐出するよう印刷ヘッド24を駆動し、インクが吐出される検査領域52,62における各々の電気的変化の検出結果に基づいて各ノズル23からインクが吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行する。ここで、例えば、1つの印刷ヘッド24に対して1つの検査領域を備えたものでは、1つのノズル23から吐出したインクの電気的変化しか検出できないが、本発明では、印刷ヘッド24に対して複数の検査領域52,62及び電圧検出回路54,64を設けて並列的に複数のノズル23の検査を実行するのである。したがって、吐出したインクによる電気的な変化を検出するものにおいて、ノズル検査時間をより短縮することができる。また、第1検査領域52の水平方向に第2検査領域62を設け、第1検査領域52と印刷ヘッド24とが対向する位置と第2検査領域62と印刷ヘッド24とが対向する位置とに印刷ヘッド24をノズル列43に直交する方向に移動させるヘッド移動機構31を備えているため、印刷ヘッド24と複数の検査領域52,62との距離を一定として電気的変化の検出値をより一定の値とすることが可能であり、ノズル検査時間をより短縮すると共に、より確実にノズル検査を実行することができる。更に、印刷ヘッド24のノズル23と対向するよう間隔を空けて第1検査領域52が配置され、第2検査領域62が第1検査領域52の間隔の領域に対応する印刷ヘッド24のノズル23と対向するよう間隔を空けて配置されているため、例えば互いの領域がインクにより導通したり隣の領域にインク滴が着弾してしまうなど、互いに干渉するのを抑制可能であるため、より確実なノズル検査を実行することができる。更にまた、第1検査領域52に対向するノズル23と第2検査領域62に対向するノズル23とが一部重なるように第1検査領域52と第2検査領域62とが配置されているため、検査領域52,62の取り付け位置精度を緩和することができる。そして、検査領域52,62は、互いに電気的に絶縁されているため、検査領域52,62同士の電気的変化の影響を防止可能であり、より確実にノズル検査を実行することができる。そしてまた、プリンタ20、インクを記録紙Sに吐出して印刷を実行するから、ノズル検査を実行することが多いため、本発明を適用する意義が高い。そして更に、プリンタ20はラインヘッドを備えるため、1つの印刷ヘッド24に多くのノズル23が形成されたラインヘッドのノズル検査時間を短縮することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、検査領域52A〜52D,62A〜62Dのそれぞれに電圧印加回路53,63や電圧検出回路54,64を設けるものとしたが、同時に検査を行うことがない検査領域52Aと検査領域62Aや、検査領域52Bと検査領域62Bなどで電圧印加回路や電圧検出回路を共有するものとしてもよい。こうすれば、構成を簡略化することができる。なお、第1検査領域52や第2検査領域62は各々4つの検査領域を備えるものとしたが、各々1つ以上であれば検査領域をいくつ設けても構わない。
上述した実施形態では、第1検査領域52と第2検査領域62とを水平方向に配列したノズル検査装置50としたが、図9及び図10に示すように、第1検査領域152と第2検査領域162とを上下に配列したノズル検査装置150としてもよい。図9は、ノズル検査装置150の説明図であり図9(a)が平面図、図9(b)が正面図であり、図10は、ノズル検査装置150によるノズル検査の説明図であり、図10(a)が検査領域の端部以外での図、図10(b)が検査領域の一端部での図、図10(c)が検査領域の他端部での説明図である。このノズル検査装置150は、プラテン36の搬送方向の下流側に複数の検査領域152A〜152Dを含んで構成された第1検査領域152が記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。また、第1検査領域52の所定間隔が空けられた領域の下方(インクの吐出方向)に、複数の検査領域162A〜162Dを含んで構成された第2検査領域162が記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。また、この第1検査領域152及び第2検査領域162は、キャリッジ22が第1検査領域152の上方に配置されて第1検査領域152に対向するノズル23と、キャリッジ22が第2検査領域162の上方に配置されて第2検査領域162に対向するノズル23とが一部重なるように配置されている。また、検査領域152A〜152D,162A〜162Dは、外周部分が絶縁性の部材により構成されると共に、各々の領域が間隔を空けた状態で独立して形成されており、各々が絶縁されている。なお、検査領域152A〜152D,162A〜162Dは、その構成が同じである。次に、ノズル検査装置150のノズル検査について説明する。このノズル検査装置150では、印刷ヘッド24の直下に第1検査領域52,62が形成されており、各ノズル列43の全体が検査領域に対向しているから、すべての検査領域に対して検査対象ノズルを設定することができる(図9(b))。そして、このように設定した検査対象ノズルからインク滴を吐出して各領域の電気的変化を検出し、ノズル検査を実行する。印刷ヘッド24と第1検査領域152との距離よりも印刷ヘッド24と第2検査領域162との距離が長いことから、電圧検出回路154での出力電圧Vopよりも電圧検出回路164での出力電圧Vopが小さくなるため、ここでは、第1検査領域152よりも第2検査領域162の方が小さな閾値Vthrに設定されている。なお、各出力電圧Vopが同じ値になるようにドット数や吐出量を適宜変更し同一の閾値Vthrを用いるものとしてもよい。また、互いに重なり合っている第1検査領域152の端部と第2検査領域162の端部でインク滴を吐出するときには、インク滴が飛翔曲がりなどして、着弾を予定した検査領域と異なる検査領域に着弾することがある。このため、ここでは、各検査領域の端部では、重複したインク滴の着弾を防止するため、第1検査領域152におけるノズル検査と第2検査領域162におけるノズル検査とを並列的に実行しないものとした。即ち、図10(a)に示すように、各検査領域の端部領域以外では、各検査領域に対して検査対象ノズルを設定してインクを吐出する。また、図10(b)に示すように、第1検査領域152の一端側(図10における右端側)では、第2検査領域162に対してインク滴を吐出する検査対象ノズルを設定しない。即ち、第1検査領域152の右端側でノズル検査を実行する場合は、例えば第1検査領域152に対してのみ検査対象ノズルを設定し、第1検査領域152と第2検査領域162とのいずれかで出力電圧Vopが検出され、検出された出力電圧Vopが各々の領域に設定された閾値Vthr以上であればインクが吐出されたものと判定するのである。また、同様に、図10(c)に示すように、第1検査領域152の他端側(図10における左端側)では、例えば第2検査領域162に対してのみ検査対象ノズルを設定し、第1検査領域152と第2検査領域162とのいずれかで出力電圧Vopが検出され、検出された出力電圧Vopが各々の領域に設定された閾値Vthr以上であればインクが吐出されたものと判定するのである。このように構成したノズル検査装置150では、ノズル検査を実行中に印刷ヘッド24を移動する必要がないし、更に第1検査領域152と第2検査領域162とのノズル検査を並列的に実行可能であるから、ノズル検査中に印刷ヘッド24を移動するものに比して、ノズル検査時間をより一層短縮することができる。また、端部領域ではノズル検査を並列的に実行しないことによってより確実なノズル検査を実行しつつ、端部領域以外ではノズル検査を並列的に実行してノズル検査時間をより短縮することができる。
あるいは、図11に示すように、印刷ヘッド24のノズル列43の方向に移動可能に支持された複数の検査領域252A〜252Dを備えたノズル検査装置250としてもよい。図11は、ノズル検査装置250の説明図であり、図11(a)が平面図、図11(b)が初期状態の説明図、図11(c)が検査領域252の移動後の説明図である。このノズル検査装置250は、プラテン36の搬送方向の下流側に複数の検査領域252A〜252Dを含んで構成された検査領域252が記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。また、検査領域252の下方には、フレーム39(図1参照)の左側に取り付けられた検査領域モータ58aとフレーム39の右側に取り付けられた従動ローラ58bとに架設された検査領域ベルト59が設けられており、この検査領域ベルト59の上に検査領域252が配設されている。このため、検査領域252は、検査領域ベルト59が検査領域モータ58aによって駆動されるのに伴って図11の左右方向に移動する。そして、検査領域252が初期位置のときにこの各検査領域に対向するノズル群に対して検査対象ノズルを設定し、これらのノズル群から検査領域へインクを吐出する(図11(b))。その後、このノズル群とは異なるノズル群と対向する位置へ、検査領域モータ58aを駆動して検査領域252を移動し、検査対象ノズルを設定してノズル検査を実行する(図11(c))。こうすれば、複数の検査領域を用いて並列的にノズル検査を実行するから、ノズル検査時間をより短縮することができるし、複数の検査領域252A〜252Dが移動することにより印刷ヘッド24に設けられたノズル23全体から吐出されるインク滴を受けることが可能になるから、検査領域252の占有面積を比較的小さくすることができる。なお、ここでは、検査領域252をノズル列43の方向へ移動するものとしたが、これに代えて又はこれに加えて印刷ヘッド24をノズル列43の方向へ移動するものとしてもよい。
上述した実施形態では、第1検査領域52と第2検査領域62とでは同じ検査領域を含むものとしたが、図12及び図13に示すように、第1検査領域352と第2検査領域362とが異なる大きさの検査領域からなるものとしてもよい。図12は、ノズル検査装置350の説明図であり、図13は、ノズル検査装置250によるノズル検査の説明図であり、図13(a)が第1検査領域352での平面図、図13(b)が第1検査領域352での正面、図13(c)が第2検査領域362での平面図、図13(d)が第2検査領域362での正面図である。このノズル検査装置350は、プラテン36の搬送方向の下流側に複数の検査領域352A〜352Dを含んで構成された第1検査領域352が記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。この、検査領域352A〜352Dは、印刷ヘッド24に設けられたノズル23の大部分(例えば8割以上など)に対向するような大きさに形成されている。また、第1検査領域52の所定間隔が空けられた領域の搬送方向の下流に、検査領域352A〜352Dよりも幅の小さな複数の検査領域362A〜362Cを含んで構成された第2検査領域362が記録紙Sの幅方向に所定間隔を空けて配置されている。第2検査領域362は、印刷ヘッド24に対向する第1検査領域352と同一面に配置されている。また、この第1検査領域352及び第2検査領域362は、キャリッジ22が第1検査領域352の上方に配置されて第1検査領域352に対向するノズル23と、キャリッジ22が第2検査領域362の上方に配置されて第2検査領域362に対向するノズル23とが一部重なるように配置されている。また、検査領域352A〜352D,362A〜362Cは、外周部分が絶縁性の部材により構成されると共に、各々の領域が間隔を空けた状態で独立して形成されており、各々が絶縁されている。また、この第1検査領域152及び第2検査領域162は、キャリッジ22が第1検査領域152の上方に配置されて第1検査領域152に対向するノズル23と、キャリッジ22が第2検査領域162の上方に配置されて第2検査領域162に対向するノズル23とが一部重なるように配置されている。また、検査領域152A〜152D,162A〜162Dは、外周部分が絶縁性の部材により構成されると共に、各々の領域が間隔を空けた状態で独立して形成されており、各々が絶縁されている。なお、検査領域352A〜352Dはその構成が同じであり、検査領域362A〜362Cはその構成が同じである。また、図12に示すように、検査領域352A〜352Dには、各々電圧印加回路353A〜353D及び電圧検出回路354A〜354Bが接続されている一方、検査領域362A〜362Cには、共用した電圧印加回路363と電圧検出回路364とが電気的に接続されている。次に、ノズル検査装置350のノズル検査について説明する。このノズル検査装置350では、上述したノズル検査装置50と同様に並列的に第1検査領域352での検査を行ったあと(図13(a),(b))、印刷ヘッド24を第2検査領域362上に移動し、ノズル検査を実行する。この第2検査領域362の検査では、電圧検出回路64を共用しているから、検査領域362A〜362Cでは、ノズル検査を単独的に実行する、即ち各領域ごとに別々に実行する(図13(c),(d))。こうすれば、第2検査領域362を第1検査領域352よりも小さく形成することにより、第2検査領域362でノズル検査を単独的に実行したときに要する時間をより短縮すると共に、電圧印加回路363や電圧検出回路364を共用することにより、構成の簡略化を図ることができる。なお、第2検査領域362へ1つに共用した電圧検出回路364を接続するものとしたが、第2検査領域362に含まれる検査領域のうちいずれか1つ以上の電圧検出回路364を共用するものとしてもよい。即ち、ここでは、第2検査領域362へ2つに共用した電圧検出回路364を接続するものとしてもよい。なお、電圧印加回路63も同様である。
上述した実施形態では、検査領域52A〜52D,62A〜62Dを所定間隔を空けて配置するものとしたが、所定間隔を空けずに配列するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、検査領域52A〜52D,62A〜62Dのそれぞれを電気的に留ものとしたが、これを省略してもよい。
上述した実施形態では、ノズル検査装置50を紙送りローラ35と排紙ローラ38との間に設けるものとしたが、紙送りローラ35の外側や排紙ローラ38の外側に設けるものとしてもよい。また、上述した実施形態では、ヘッド移動機構31は、キャリッジ22を搬送方向と同じ方向に移動するものとしたが、キャリッジ22を搬送方向と直交する方向(例えばノズル列43の配列方向)に移動するものとしても構わない。また、上述した実施形態では、印刷ヘッド24をノズル検査装置50に対して移動するものとしたが、これに代えて又はこれに加えてノズル検査装置50を印刷ヘッド24に対して移動するものとしてもよい。
上述した実施形態では、各色のノズル23を含む検査対象ノズル群23Xと検査対象ノズル群24Yとを各々の検査領域に対応付けてノズル検査を実行するものとしたが、特定のノズル列43を検査領域に対応付けて、ノズル検査を実行するものとしてもよい。例えばノズル列43Kと検査領域52Aとを対応付け、ノズル列43Yと検査領域52Bとを対応付けるなどしてもよい。こうしても、複数の検査領域で並列的にノズル検査を実行可能であるため、ノズル検査時間をより短縮することができる。
上述した実施形態では、ステップS220で第1検査領域52と第2検査領域62とが重なり合うマージン領域のノズル23を除くものを第1検査領域52の検査対象ノズル群23Xとし、ステップS310でマージン領域のノズル23を含めて第2検査領域62の検査対象ノズル群24Yとするものとしたが、マージン領域のノズル23については、第1検査領域52側と第2検査領域62側とにノズル列方向に半分に分けそれぞれの検査領域でノズル検査を実行するものとしてもよい。あるいは、マージン領域のノズル23については、第1検査領域52及び第2検査領域62の両方でノズル検査を行い、2つの検査領域での検査結果の論理和をとるものとしてもよい。こうすれば、端部領域でのノズル検査をより確実に行うことができる。
上述した実施形態では、使用可能な記録紙Sのうち最大サイズの幅以上の長さになるよう搬送方向に直交する方向にノズル列43を配列したラインヘッドを備えたものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、搬送方向に配列した各色のノズル列を設け、搬送方向に直交する方向(記録紙の幅方向)に往復動させる印刷ヘッドを備えたものとし、この印刷ヘッドに対して複数の検査領域を用いてノズル検査を実行するものとしてもよい。こうしても、1つの印刷ヘッドに対して複数の検査領域を用いて並列的にノズル検査を実行可能であるから、ノズル検査時間をより短縮することができる。
上述した実施形態では、ノズル検査ルーチンは、メインルーチンのステップS100で印刷待ちの印刷データがあるときにステップS110で実行するとしたが、ノズル検査ルーチンは、例えば、キャリッジ22の移動回数が所定回数に達するごと(例えば100パスごとなど)に実行するとしてもよいし、所定のインターバルごと(例えば1日ごとや1週間ごとなど)に実行するとしてもよいし、図示しない操作パネルの操作によりユーザからの実行指示を受けて実行するものとしてもよい。また、ノズル検査ルーチンは、プリンタ20の出荷前検査のときに実行するとしてもよい。
上述した実施形態では、検査領域52,62に上側インク吸収体55及び下側インク吸収体56を設けたが、これらのうち一方又は両方を省略してもよい。例えば、電極部材57のみを配置し、この電極部材57に直接インクを吐出させる構成としてもよい。また、印刷ヘッド24と電極部材57との間に所定の電位差が生じるため、上側インク吸収体55は必ずしも導電性を有している必要はなく、例えば上側インク吸収体55が絶縁性材料で形成されていてもよい。
上述した実施形態では、本発明の吐出検査装置をプリンタ20に具体化した例を示したが、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを噴射する流体噴射装置に具体化してもよいし、流体として噴射可能な固体を噴射する流体噴射装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ及びカラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を噴射する吐出ヘッド、同材料を分散した液状体を噴射する吐出ヘッド、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する吐出ヘッドとしてもよい。また、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する吐出ヘッド、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する吐出ヘッド、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する吐出ヘッド、ジェルを噴射する吐出ヘッド、トナーなどの粉体を噴射する吐出ヘッドとしてもよい。
上述した実施形態では、プリンタ20は、プリンタ機構21を備えた印刷装置として構成するものとしたが、スキャナを備えたマルチファンクションプリンタとしてもよいし、FAX装置などとしてもよい。また、プリンタ20の態様で説明したが、ノズル検査装置50としてもよいし、吐出検査方法の態様としてもよいし、この方法のプログラムの態様としてもよい。
本実施形態であるプリンタ20の構成の概略を示す構成図。 印刷ヘッド24及びノズル検査装置50の説明図。 ノズル検査装置50の構成の概略を示す構成図。 CPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートの一例。 ノズル検査ルーチンのフローチャートの一例。 キャリッジ22の移動の説明図。 ノズル検査時の印刷ヘッド24の説明図。 ノズル検査時の印刷ヘッド24の説明図。 ノズル検査装置150の説明図。 ノズル検査装置150によるノズル検査の説明図。 ノズル検査装置250の説明図。 ノズル検査装置350の説明図。 ノズル検査装置350によるノズル検査の説明図。
符号の説明
20 プリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23,23C,23M,23Y,23K ノズル、23X,24Y 検査対象ノズル群、24 印刷ヘッド、26 インクカートリッジ、28 ノズルプレート、29a,29b ガイド、31 ヘッド移動機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、36 プラテン、37 キャッピング装置、38 排紙ローラ、39 フレーム、43 ノズル列、43C,43M,43Y,43K ノズル列、44,44K インク室、46,46K 振動板、48,48K 圧電素子、50,150,250,350 ノズル検査装置、52,152,352 第1検査領域、52A〜52D,152A〜152D,252,252A〜252D,352A〜352D,62A〜62D,162A〜162D,362A〜362C 検査領域、53,53A〜53D,353A〜353D,63,63A〜63D,363 電圧印加回路、54,54A〜54D,354A〜354D,64,64A〜64D,364 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c A/D変換回路、55 上側インク吸収体、56 下側インク吸収体、57 電極部材、58a 検査領域モータ、58b 従動ローラ、59 検査領域ベルト、62,162,362 第2検査領域、70 コントローラ、72 CPU、74 フラッシュROM、76 RAM、78 インタフェース(I/F)、80 ユーザPC、S 記録紙。

Claims (12)

  1. 流体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドの吐出状態を検査する吐出検査装置であって、
    前記複数のノズルから吐出された流体を受けるように前記吐出ヘッドに対して複数設けられた流体受け領域と、
    前記吐出ヘッドと前記流体受け領域との間に所定の電位差を発生させる電位差発生手段と、
    前記複数の流体受け領域の各々に接続され該流体受け領域の電気的変化を検出する複数の電気的変化検出手段と、
    前記電位差発生手段に前記吐出ヘッドと前記流体受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記複数の流体受け領域に前記ノズルから前記流体を吐出するよう前記吐出ヘッドを駆動させ、前記流体が吐出される流体受け領域における各々の電気的変化検出手段の検出結果に基づいて各ノズルから流体が吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行する制御手段と、
    を備えた吐出検査装置。
  2. 請求項1に記載の吐出検査装置であって、
    前記複数の流体受け領域は、前記吐出ヘッドと対向するよう設けられた1以上の流体受け領域を含む第1流体受け領域と、前記第1流体受け領域の水平方向に設けられた1以上の流体受け領域を含む第2流体受け領域と、を含んで構成されており、
    前記第1流体受け領域と前記吐出ヘッドとが対向する位置と前記第2流体受け領域と前記吐出ヘッドとが対向する位置とに前記吐出ヘッド及び前記流体受け領域の少なくとも一方を移動させる移動手段、を備えた吐出検査装置。
  3. 前記吐出ヘッドは、前記ノズルを所定の配列方向に複数配列したノズル列が形成されており、
    前記複数の流体受け領域は、前記吐出ヘッドと対向するよう設けられた1以上の流体受け領域を含む第1流体受け領域と、前記第1流体受け領域と前記吐出ヘッドとの距離と異なる距離で前記ノズルの配列方向に設けられた1以上の流体受け領域を含む第2流体受け領域と、を含んで構成されている、請求項1に記載の吐出検査装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1流体受け領域および前記第2流体受け領域とが重なり合う端部領域では、前記第1流体受け領域でのノズル検査と前記第2流体受け領域でのノズル検査とを並列的に実行しない、請求項3に記載の吐出検査装置。
  5. 前記複数の流体受け領域は、前記第1流体受け領域が複数の流体受け領域を含み、前記第2流体受け領域が前記第1流体受け領域よりも小さく形成された複数の流体受け領域を含んで構成され、
    該第2流体受け領域には、該第2流体受け領域よりも少ない数の前記電気的変化検出手段が共用して接続されており、
    前記制御手段は、前記共用して接続された流体受け領域では前記ノズル検査を単独的に実行する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の吐出検査装置。
  6. 前記複数の流体受け領域は、前記第1流体受け領域が複数の流体受け領域を含み前記吐出ヘッドのノズルと対向するよう間隔を空けて該複数の流体受け領域が配置され、前記第2流体受け領域が複数の流体受け領域を含み前記所定間隔の領域に対応する前記吐出ヘッドのノズルと対向するよう間隔を空けて該複数の流体受け領域が配置されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の吐出検査装置。
  7. 前記複数の流体受け領域は、前記第1流体受け領域に対向する前記ノズルと前記第2流体受け領域に対向する前記ノズルとが一部重なるように前記第1流体受け領域と前記第2流体受け領域とが配置されている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の吐出検査装置。
  8. 請求項1に記載の吐出検査装置であって、
    前記吐出ヘッドは、前記ノズルを所定の配列方向に複数配列したノズル列が形成され、
    前記複数の流体受け領域は、前記ノズルの配列方向に沿って間隔を空けて配置されており、
    前記複数の流体受け領域と前記吐出ヘッドに含まれる所定のノズル群とが対向する位置と前記複数の流体受け領域と前記所定のノズル群以外のノズルとが対向する位置とに前記複数の流体受け領域及び前記吐出ヘッドの少なくとも一方を前記ノズルの配列方向に移動させる移動手段、を備えた吐出検査装置。
  9. 前記複数の流体受け領域は、互いに電気的に絶縁されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吐出検査装置。
  10. 流体をターゲットに吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドの吐出状態を検査する請求項1〜9のいずれか1項に記載の吐出検査装置と、
    を備えた印刷装置。
  11. 前記吐出ヘッドは、使用可能なターゲットのうち最大サイズの幅以上の長さになるよう前記ノズルを配列したノズル列が形成されているラインヘッドである、
    請求項10に記載の印刷装置。
  12. 流体を吐出する複数のノズルを備えた吐出ヘッドと、前記複数のノズルから吐出された流体を受けるように前記吐出ヘッドに対して複数設けられた流体受け領域と、前記複数の流体受け領域の各々に接続され該流体受け領域の電気的変化を検出する複数の電気的変化検出手段と、を備えた吐出検査装置の前記流体の吐出状態を検査する検査方法であって、
    前記吐出ヘッドと前記流体受け領域との間に所定の電位差を発生させた状態で前記複数の流体受け領域に前記ノズルから前記流体を吐出するよう前記吐出ヘッドを駆動させ、前記流体を吐出させる流体受け領域の各々の電気的変化の検出結果に基づいて各ノズルから流体が吐出されたか否かのノズル検査を並列的に実行するステップ、
    を含む吐出検査方法。
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