JP2006272634A - 液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、印刷装置、プログラムおよび液体吐出システム - Google Patents
液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、印刷装置、プログラムおよび液体吐出システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 インク等の液体を吐出するノズルの吐出検査を簡単に効率よく実施する。
【解決手段】 液体吐出検査装置は、液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、を備える。
【選択図】 図9
【解決手段】 液体吐出検査装置は、液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、を備える。
【選択図】 図9
Description
本発明は、液体吐出ノズルからの液体の吐出が正常に行われているか否か検査する液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、印刷装置、プログラムおよび液体吐出システムに関する。
紙や布、フィルムなどの各種媒体に対してインクを吐出して印刷を行う印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、媒体に対して相対的に移動可能なヘッドに、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)といった各色のノズル列を備え、各ノズル列の各ノズルからインクを吐出して媒体上にドットを形成して印刷を行う。
しかしながら、このようなインクジェットプリンタにあっては、インクの固着などによってノズルに目詰まりが発生して、インクが正常に吐出されないことがある。インクが正常にノズルから吐出されなくなると、媒体上にきちんとドットを形成することができず、画像をきれいに印刷することができないといった不具合が発生する場合があった。
そこで、従来より、正常にインクの吐出が行われているか否かを検査する方法が種々提案されている。その1つとして、ノズルから吐出されたインクが光学的に検出する検査方法が提案されている(特許文献1参照)。この検査方法は、LEDから照射されたビームがノズルから吐出されたインクによって遮られたか否かをフォトダイオードで検出して、ノズルからのインクの吐出の有無を調べる。
特開2000−233520号公報
しかしながら、このような検査方法にあっては、レーザー光線を照射するために大掛かりなレーザー照射装置が必要となり、このようなレーザー照射装置を設置するためのスペースをプリンタ内部において確保するのはきわめて難しいとともに、大幅なコストアップを招くという問題も発生した。このようなことから、あまり設置スペースを必要とせず、大幅なコストアップを招かない、もっと構成が簡単でコンパクトな吐出検査装置が切望されていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インク等の液体が吐出されるノズルについて液体の吐出が正常に行われているか否かを簡単にかつ効率よく調べることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体吐出検査装置である。
(A)液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体吐出検査装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(A)液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体吐出検査装置。
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体吐出検査装置。
この液体吐出検査装置にあっては、液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知して、その感知結果に基づき、液体の吐出が正常に行われているか否かを判定することで、吐出検査を簡単にかつ効率よく実施することができる。さらに、液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極の他に、液体吐出ノズルから吐出された液体に対して、第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極を備えることで、液体吐出ノズルから吐出された、帯電した液体が第1電極に引き寄せられて、飛行経路が曲がってしまうのを防止することができる。これにより、液体吐出ノズルからの液体の吐出が正常に行われているか否かより正確に判断することができる。
かかる液体吐出検査装置にあっては、前記第1電極と前記感知部とが同一の部材により構成されても良い。このように第1電極と感知部とが同一の部材により構成されれば、構成を簡略化することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記第2電極と前記感知部とが同一の部材により構成されても良い。このように第2電極と感知部とが同一の部材により構成されれば、構成を簡略化することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記感知部が、前記第1電極および前記第2電極とは別の部材により構成されても良い。このように感知部が第1電極および第2電極とは別の部材により構成されれば、液体吐出ノズルから吐出された、帯電した液体をスムーズに感知することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記第1電極と前記第2電極とが同一形状の部材により形成されていても良い。このように第1電極と第2電極とが同一形状の部材により形成されれば、第2電極によりノズルから吐出された液体に対して、第1電極から離れる方向の力をスムーズに作用させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記第1電極には、前記液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるために、電圧が印加されても良い。このように第1電極に電圧が印加されれば、液体吐出ノズルから吐出される液体を簡単に帯電させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記第2電極には、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して前記第1電極から離れる方向の力を作用させるために、電圧が印加されても良い。このように第2電極に電圧が印加されれば、液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した液体に対して第1電極から離れる方向の力を簡単に作用させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記感知部には、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって誘導電流が発生しても良い。このように感知部に誘導電流が発生すれば、液体吐出ノズルから吐出された、帯電した液体を感知部にて簡単に感知することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記感知部に発生した前記誘導電流を検出するための検出部を備えても良い。このような検出部を備えれば、感知部に発生する誘導電流を簡単に検出することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記判定部は、前記検出部により検出された前記誘導電流に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定しても良い。このように検出部により検出された誘導電流に基づき判定すれば、液体吐出ノズルから液体の吐出が正常に行われているか否かを簡単に判定することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記第1電極と前記第2電極とは、相互に間隔をあけて平行に配置されていても良い。このように第1電極と第2電極とが配置されていれば、液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した液体に対して、第1電極から離れる方向の力を第2電極によりスムーズに作用させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記液体吐出ノズルから吐出された前記液体が、前記第1電極と前記第2電極との間を通過しても良い。このように液体吐出ノズルから吐出された液体が第1電極と第2電極との間を通過すれば、液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した液体に対して、第1電極から離れる方向の力を第2電極によりスムーズに作用させることができる。
(A)液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備え、
(F)前記第1電極と前記感知部とが同一の部材により構成され、
(G)前記第1電極と前記第2電極とが同一形状の部材により形成され、
(H)前記第1電極には、前記液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるために、電圧が印加され、
(I)前記第2電極には、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して前記第1電極から離れる方向の力を作用させるために、電圧が印加され、
(J)前記感知部には、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって誘導電流が発生し、
(K)前記感知部に発生した前記誘導電流を検出するための検出部を備え、
(L)前記判定部は、前記検出部により検出された前記誘導電流に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定し、
(M)前記第1電極と前記第2電極とは、相互に間隔をあけて平行に配置され、
(N)前記液体吐出ノズルから吐出された前記液体が、前記第1電極と前記第2電極との間を通過することを特徴とする液体吐出検査装置。
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備え、
(F)前記第1電極と前記感知部とが同一の部材により構成され、
(G)前記第1電極と前記第2電極とが同一形状の部材により形成され、
(H)前記第1電極には、前記液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるために、電圧が印加され、
(I)前記第2電極には、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して前記第1電極から離れる方向の力を作用させるために、電圧が印加され、
(J)前記感知部には、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって誘導電流が発生し、
(K)前記感知部に発生した前記誘導電流を検出するための検出部を備え、
(L)前記判定部は、前記検出部により検出された前記誘導電流に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定し、
(M)前記第1電極と前記第2電極とは、相互に間隔をあけて平行に配置され、
(N)前記液体吐出ノズルから吐出された前記液体が、前記第1電極と前記第2電極との間を通過することを特徴とする液体吐出検査装置。
液体吐出ノズルから吐出される液体を第1電極により帯電させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を第2電極により作用させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知するステップと、
前記感知部による前記液体の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定するステップと、
を有することを特徴とする液体吐出検査方法。
前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を第2電極により作用させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知するステップと、
前記感知部による前記液体の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定するステップと、
を有することを特徴とする液体吐出検査方法。
(A)インクを吐出するノズルと、
(B)前記ノズルから吐出される前記インクを帯電させるための第1電極と、
(C)前記ノズルから吐出されかつ帯電した前記インクに対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(D)前記ノズルから吐出された、帯電した前記インクを感知する感知部と、
(E)前記感知部の感知結果に基づき、前記ノズルから前記インクの吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
(B)前記ノズルから吐出される前記インクを帯電させるための第1電極と、
(C)前記ノズルから吐出されかつ帯電した前記インクに対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(D)前記ノズルから吐出された、帯電した前記インクを感知する感知部と、
(E)前記感知部の感知結果に基づき、前記ノズルから前記インクの吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
液体吐出ノズルから吐出される液体を第1電極により帯電させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を第2電極により作用させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知するステップと、
前記感知部による前記液体の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定するステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を第2電極により作用させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知するステップと、
前記感知部による前記液体の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定するステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
コンピュータと、このコンピュータに接続可能な液体吐出装置とを具備した液体吐出システムであって、
前記液体吐出装置は、液体を吐出するノズルと、
前記ノズルから吐出される前記液体を帯電させるための第1電極と、
前記ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
前記ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
前記感知部の感知結果に基づき、前記ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする液体吐出システム。
前記液体吐出装置は、液体を吐出するノズルと、
前記ノズルから吐出される前記液体を帯電させるための第1電極と、
前記ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
前記ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
前記感知部の感知結果に基づき、前記ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする液体吐出システム。
===液体吐出装置(印刷装置)の概要===
本発明に係る液体吐出装置および印刷装置の実施の形態について、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示す。
本発明に係る液体吐出装置および印刷装置の実施の形態について、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示す。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には、給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレイ7が設けられている。給紙部4には、カット紙などの媒体を保持するための給紙トレイ8が設けられている。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には、給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレイ7が設けられている。給紙部4には、カット紙などの媒体を保持するための給紙トレイ8が設けられている。
このインクジェットプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、左右方向に沿って相対的に移動可能に設けられている。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とが設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41を左右方向(以下、キャリッジ移動方向ともいう)に沿って相対的に移動させるための駆動源である。タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41をキャリッジ移動方向(左右方向)に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41をキャリッジ移動方向(左右方向)に沿って案内する。
この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ41の移動方向と交差する方向(図中、前後方向。以下、搬送方向ともいう)に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる搬送モータ15とが設けられている。
一方、キャリッジ41には、各種インクを収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行うヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部49に着脱可能に装着されている。また、ヘッド21は、本実施形態では、媒体Sに対してインクを吐出して印刷を施す。このために、ヘッド21には、インクを吐出するための多数のノズルが設けられている。
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、ヘッド21のノズルの目詰まりを解消するためにノズルからインクを吸い出すポンプ装置31や、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するために、印刷を行わないとき(待機時など)にヘッド21のノズルを封止するキャッピング装置35などが設けられている。
次にこのインクジェットプリンタ1の搬送部について説明する。この搬送部には、図3に示すように、給紙ローラ13と、紙検知センサ53と、搬送ローラ17Aと、排紙ローラ17Bと、プラテン14と、フリーローラ18A、18Bとが設けられている。
印刷される媒体Sは、給紙トレイ8にセットされる。給紙トレイ8にセットされた媒体Sは、断面略D形状に成形された給紙ローラ13により、図中矢印A方向に沿って搬送されて、インクジェットプリンタ1の内部へと送られる。インクジェットプリンタ1の内部に送られてきた媒体Sは、紙検知センサ53と接触する。この紙検知センサ53は、給紙ローラ13と、搬送ローラ17Aとの間に設置されたもので、給紙ローラ13により給紙された媒体Sを検知する。
紙検知センサ53により検知された媒体Sは、搬送ローラ17Aによって、印刷が実施されるプラテン14へと順次搬送される。搬送ローラ17Aの対向位置には、フリーローラ18Aが設けられている。このフリーローラ18Aと搬送ローラ17Aとの間に、媒体Sを挟み込むことによって、媒体Sをスムーズに搬送する。
プラテン14へと送り込まれた媒体Sは、ヘッド21から吐出されたインクによって順次印刷される。プラテン14は、ヘッド21と対向して設けられ、印刷される媒体Sを下側から支持する。
印刷が施された媒体Sは、排紙ローラ17Bにより順次、プリンタ外部へと排出される。排紙ローラ17Bは、搬送モータ15と同期に駆動されていて、当該排紙ローラ17Bに対向して設けられたフリーローラ18Bとの間に媒体Sを挟み込んで、媒体Sをプリンタ外部へと排出する。
<システム構成>
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、コントローラ126と、メインメモリ127と、通信インターフェース129と、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132とを備えている。
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、コントローラ126と、メインメモリ127と、通信インターフェース129と、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132とを備えている。
通信インターフェース129は、当該インクジェットプリンタ1が、例えばパーソナルコンピュータ等の外部のコンピュータ140とデータのやりとりを行うたものである。通信インターフェース129は、外部のコンピュータ140と有線または無線等により通信可能に接続され、コンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信する。
バッファメモリ122には、通信インターフェース129により受信された印刷データ等の各種データが一時的に記憶される。また、イメージバッファ124には、バッファメモリに記憶された印刷データが順次記憶される。イメージバッファ124に記憶された印刷データは、順次、ヘッド駆動部132へと送られる。また、メインメモリ127は、ROMやRAM、EEPROMなどにより構成される。メインメモリ127には、当該インクジェットプリンタ1を制御するための各種プログラムや各種設定データなどが記憶される。
コントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムや各設定データなどを読み出して、当該制御用プログラムや各種設定データに従ってインクジェットプリンタ1全体の制御を行う。また、コントローラ126には、ロータリ式エンコーダ134やリニア式エンコーダ51、紙検知センサ53などの各種センサからの検出信号が入力される。
コントローラ126は、外部のコンピュータ140から送られてきた印刷データ等の各種データが通信インターフェース129により受信されてバッファメモリ122に格納されると、その格納されたデータの中から必要な情報をバッファメモリ122から読み出す。コントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御する。
キャリッジモータ制御部128は、コントローラ126からの命令に従って、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。搬送制御部130は、コントローラ126からの命令に従って、搬送ローラ17Aを回転駆動する搬送モータ15などの駆動を制御する。
ヘッド駆動部132は、コントローラ126からの命令に従って、イメージバッファ124に格納された印刷データに基づき、ヘッド21に設けられた各色のノズルを駆動制御する。
この他に、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、液体吐出検査装置60の構成として、検出部80と、A/D変換部88とを備えている。この液体吐出検査装置60は、ヘッド21に設けられた各ノズルにてインクが正常に吐出されるか否かを検査するための装置である。この液体吐出検査装置60については、後で詳しく説明する。
<ヘッド>
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列、即ちシアンノズル列211C、マゼンダノズル列211M、イエロノズル列211Y、およびブラックノズル列211Kが設けられている。
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列、即ちシアンノズル列211C、マゼンダノズル列211M、イエロノズル列211Y、およびブラックノズル列211Kが設けられている。
各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180は、所定の方向(ここでは、媒体Sの搬送方向)に沿って相互に間隔をあけて直線状に1列に配列されている。各ノズル♯1〜♯180の間隔(ノズル間隔)は、それぞれ「k・D」に設定されている。ここで、『D』とは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、媒体Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、『k』は、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが120dpi(1/120インチ)であって、搬送方向のドットピッチが360dpi(1/360)である場合、k=3である。各ノズル列211C、211M、211Y、211Kは、ヘッド21の移動方向(走査方向)に沿って相互に所定の間隔をあけて平行に配置されている。各ノズル♯1〜♯180には、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(図示外)が設けられている。
各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180は、所定の方向に沿って直線状に配列されている。なお、本実施形態では、ヘッド21が正常に設置されている場合、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180は、媒体Sの搬送方向に沿って配置されているようになっている。各ノズル列211C、211M、211Y、211Kは、ヘッド21の移動方向(走査方向)に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。各ノズル♯1〜♯180には、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(図示外)が設けられている。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色のノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
<駆動回路>
図6は、各ノズル♯1〜♯180の駆動回路220を示したものである。この駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原駆動信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
図6は、各ノズル♯1〜♯180の駆動回路220を示したものである。この駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原駆動信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド21のノズル♯1〜♯180をそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原駆動信号発生部221から原駆動信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、画素に対応する画素データであり、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスW1と第2パルスW2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原駆動信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原駆動信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて実駆動信号DRVとして、各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、マスク回路222からの実駆動信号DRVに基づき駆動してインクの吐出を行う。
<各信号波形>
図7は、原駆動信号発生部221の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、実駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原駆動信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ41の移動区間と同じ意味である。
図7は、原駆動信号発生部221の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、実駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原駆動信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ41の移動区間と同じ意味である。
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『10』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズル♯1〜♯180から小さいインク滴が吐出され、媒体Sには小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『01』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズル♯1〜♯180から中サイズのインク滴が吐出され、媒体Sには、中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『11』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズル♯1〜♯180から大きいサイズのインク滴が吐出され、媒体Sには、大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における実駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいてヘッド21は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間内にて吐出するインク量を調整することが可能である。また、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『00』に対応しているときには、ノズル♯1〜♯180からインク滴が吐出されず、媒体Sには、ドットが形成されないことになる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路220が、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kごと、即ち、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとに各々個別に設けられ、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜180ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
===印刷動作===
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図8は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127からプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御することにより実行される。
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図8は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127からプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御することにより実行される。
コントローラ126は、コンピュータ140から印刷データを受信すると、その印刷データに基づき印刷を実行すべく、まず、給紙処理を行う(S102)。給紙処理は、印刷しようとする媒体Sをインクジェットプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。コントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷しようとする媒体Sを搬送ローラ17Aまで送る。コントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた媒体Sを印刷開始位置(プラテン14の上方付近)に位置決めする。
次に、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を通じてキャリッジモータ42を駆動して、キャリッジ41を媒体Sに対して相対的に移動させて媒体Sに対して印刷を施す印刷処理を実行する。ここでは、まず、キャリッジ41をガイドレール46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッド21からインクを吐出する往路印刷を実行する(S104)。コントローラ126は、キャリッジモータ42を駆動してキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出する。ヘッド21から吐出されたインクは、媒体Sに到達してドットとして形成される。
このようにして印刷を行った後、次に、コントローラ126は、媒体Sを所定量だけ搬送する搬送処理を実行する(S106)。ここでは、コントローラ126は、搬送制御部130を通じて搬送モータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させて、媒体Sをヘッド21に対して相対的に搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。
このようにして搬送処理を行った後、コントローラ126は、排紙すべきか否か排紙判断を実行する(S108)。ここで、コントローラ126は、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。一方、コントローラ126は、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、復路印刷を実行する(S110)。この復路印刷は、キャリッジ41をガイドレール46に沿って先ほどの往路印刷とは反対の方向に移動させて印刷を行う。ここでも、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を通じてキャリッジモータ42を先ほどとは逆に回転駆動させてキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出して、印刷を施す。
復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。
排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にコンピュータ140からの印刷データに基づき、次に印刷すべき媒体Sがないかどうかチェックする。ここで、次に印刷すべき媒体Sがある場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、次に印刷すべき媒体Sがない場合には、印刷処理を終了する。
===液体吐出検査装置===
本発明に係る液体吐出検査装置の実施形態について説明する。ここでは、本発明に係る液体吐出検査装置が、前述したインクジェットプリンタ1(液体吐出装置、印刷装置)に搭載された場合を例にして説明する。
本発明に係る液体吐出検査装置の実施形態について説明する。ここでは、本発明に係る液体吐出検査装置が、前述したインクジェットプリンタ1(液体吐出装置、印刷装置)に搭載された場合を例にして説明する。
<検査装置の概要>
図9及び図10は、本実施形態のインクジェットプリンタ1に搭載された液体吐出検査装置60とその検査方法について概略的に説明したものである。図9は、液体吐出検査装置60の構成を説明した説明図である。図10は、液体吐出検査装置60の検査原理を説明するための説明図である。
図9及び図10は、本実施形態のインクジェットプリンタ1に搭載された液体吐出検査装置60とその検査方法について概略的に説明したものである。図9は、液体吐出検査装置60の構成を説明した説明図である。図10は、液体吐出検査装置60の検査原理を説明するための説明図である。
この液体吐出検査装置60は、図9および図10に示すように、ヘッド21と対向可能な位置に配設された感知部70と、この感知部70に接続された検出部80と、感知部70と同様にヘッド21と対向可能な位置に配設された第2電極74とを備えている。感知部70は、金属等の導電性を有する線材により形成され、緊張状態にて張られた形で、ヘッド21に対して平行に配置される。そして、キャリッジ41が移動したときに、感知部70は、ヘッド21との間に間隔Dをあけて、ヘッド21と非接触状態にて対向し得るように配設されている。ヘッド21と感知部70との間の間隔Dは、例えば、1mmなどに設定される。
また、感知部70には、保護抵抗R1を介して、電源(図示外)が接続されている。感知部70には、この電源から例えば、+100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
一方、検出部80は、感知部70に発生する電流を検出するようになっている。本実施形態では、この検出部80が、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、感知部70に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、A/D変換部88(図4参照)によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、デジタルデータなどとして、適宜な形態でコントローラ126に向けて送信される。
他方、第2電極74は、感知部70と同様に、金属等の導電性を有する線材により形成され、緊張状態にて張られた状態にてヘッド21に対して平行に配置される。また、第2電極74は、感知部70に対して所定の間隔をあけて相互に平行に配置されている。そして、キャリッジ41が移動したときには、第2電極74は、感知部70とともに、ヘッド21との間に間隔Dをあけて、ヘッド21と非接触状態にて対向し得るように配設されている。
この第2電極74についても、感知部70と同様に、保護抵抗R1を介して電源(図示外)が接続されている。これにより、第2電極74には、この電源から例えば、+100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
実際に、吐出検査を行う場合には、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ個別に感知部70又はその近傍に向けてインクを吐出する動作を実行する。図10は、ヘッド21のあるノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される様子を説明したものである。ここでは、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれインク滴Ipが、1回分だけ、即ち1滴分だけ吐出される。
このとき、感知部70および第2電極74には、電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されている。このため、ヘッド21と感知部70および第2電極74との間には、非常に強い電界が形成される。このような状態の中において、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが吐出されると、その吐出されたインク滴Ipは、帯電される。なお、ここで、感知部70は、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させるための第1電極としての役割を果たしている。
ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipは、感知部70と第2電極74との間を通過する。ここで、感知部70には、例えば+100V等の高電圧が印加されているため、帯電したインク滴Ipが感知部70の近傍を通過したときに、帯電したインク滴Ipには、感知部70に引き寄せられる力が作用することになる。この他に、本実施形態では、同じく高電圧が印加された第2電極74が設置されている。このため、インク滴Ipには、感知部70に引き寄せられる力の他に、第2電極74に引き寄せられる力も作用することになる。
感知部70に引き寄せられる力は、感知部70とインク滴Ipの吐出経路Fとの間の間隔M2に応じた大きさとなる。また、第2電極74に引き寄せられる力は、第2電極74とインク滴Ipの吐出経路Fとの間の間隔M1に応じた大きさとなる。
感知部70および第2電極74に印加される電圧が等しく、かつ間隔M1と間隔M2とが等しければ、インク滴Ipには、感知部70および第2電極74から同じ大きさの力が作用することになる。これによって、ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipは、感知部70に引き寄せられることなく、感知部70と第2電極74との間の中心を落下させることができる。これにより、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向が正常であるにもかかわらず、感知部70に引き寄せられて曲がってしまうのを防止することができる。
帯電したインク滴Ipが感知部70の近傍を通過すると、感知部70には、誘導電流が発生する。帯電したインク滴Ipが感知部70に接近する際に、感知部70に所定の方向に沿って誘導電流が発生する。なお、この誘導電流は、帯電したインク滴Ipの接近により静電誘導の影響を受けて発生したものと考えられる。
このとき、感知部70には、当該感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2に応じた大きさの誘導電流が発生する。すなわち、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に近ければ、感知部70に発生する誘導電流の大きさは大きくなる。また、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れると、感知部70に発生する誘導電流の大きさは小さくなる。
このようにして感知部70に、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2に応じた誘導電流が発生した場合には、検出部80に入力される電流に変動が生じ、この電流変動が電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力される。そして、オペアンプAmpに入力された信号は増幅されて、検出信号として、コントローラ126等に向けて出力される。これにより、感知部70に誘導電流が発生したときには、これが検出部80により検出されて、その検出信号がA/D変換部88(図4参照)を通じてアナログ信号からデジタルデータなどとして変換されて、コントローラ126に向けて出力される。
一方、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが吐出されなかった場合には、帯電したインク滴Ipが感知部70の近傍を通過しないため、感知部70には、十分な誘導電流が発生しない。このため、検出部80では、十分な検出信号が出力されない。
コントローラ126は、検出部80から出力された検出信号の信号レベルから、感知部70に生じた誘導電流の大きさを取得して、その誘導電流の大きさに基づき、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipの吐出があったか否かを判定する。また、コントローラ126は、感知部70に生じた誘導電流の大きさに基づき、インク滴Ipの飛行経路Fと感知部70との間の距離M2が所定の距離内にあるか否かを判定する。これにより、コントローラ126は、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向が正常か否か判定する。
つまり、コントローラ126は、感知部70に生じた誘導電流の大きさが所定の範囲内であれば、インク滴Ipの飛行経路Fと感知部70との間の距離M2が所定の距離内にあると判断して、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向が正常であると判定する。また、コントローラ126は、感知部70に生じた誘導電流の大きさが所定の範囲から外れれば、インク滴Ipの飛行経路Fと感知部70との間の距離M2が所定の距離外にあると判断して、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定する。なお、本実施形態では、コントローラ126は、インクが正常に吐出されたか否かを判定する「判定部」に相当する。
このようにしてコントローラ126は、インク滴Ipの吐出があったか否かを判定したり、またインク滴Ipの吐出方向が正常か否かを判定するなどして、ノズル♯1〜♯180についてインク滴Ipの吐出が正常に行われているか否か判定する。この他に、コントローラ126は、感知部70における誘導電流の発生タイミング等を取得して、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出速度が正常か否か判定したりしても良い。
なお、吐出検査時にノズル♯1〜♯180から吐出するインク滴Ipのサイズとしては、なるべく大きい方が好ましい。すなわち、本実施形態のインクジェットプリンタ1においては、一番大きいサイズのドット、例えば、媒体Sに大ドット(画素データ「11」)を形成するために吐出されるインク滴Ipとほぼ等しいサイズに設定されるのが好ましい。これは、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipのサイズが大きければ大きいほど、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipが帯電する電荷の量が大きくなるからである。このようにインク滴Ipの電荷量が大きくなれば、感知部70において誘導電流をより発生し易くすることができる。これにより、検出部80において感知部70の誘導電流をより検知し易くすることができる。
もちろん、吐出検査時に吐出されるインク滴Ipのサイズは、必ずしも一番大きいサイズのドット(大ドット等)を形成する場合のサイズに設定する必要はなく、吐出検査時だけ特別にサイズの大きいインク滴Ipを吐出するようにしても良く、また、サイズの小さいインク滴Ipを吐出するようにしても良い。
また、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipについては、必ずしも感知部70の近傍に向けて吐出される必要はなく、感知部70と接触するように吐出されても良い。この場合においても、インク滴Ipが感知部70に接近することによって、感知部70に誘導電流が発生するから、インク滴Ipの吐出の有無を調べることができる。
また、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipの数としては、必ずしも1滴とは限らない。すなわち、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが複数回にわたり連続して吐出されても構わない。このようにインク滴Ipが複数回にわたり連続して吐出されれば、感知部70の近傍を通過するインク滴Ipの数が増え、これにより、感知部70において誘導電流をより発生し易くすることができる。したがって、検出部80において誘導電流の検出をよりし易くすることができる。
===実際の検出波形===
図11は、吐出検査時にインクを吐出するために、各ノズル♯1〜♯180に対応して設けられたピエゾ素子に向けて出力される駆動信号と、検出部80からの検出信号の各波形をそれぞれ示したものである。同図中の上の波形は駆動信号の波形を示したものであり、同図中の下の波形は、検出部80の検出信号の波形を示したものである。あるノズルについて吐出検査を行うときに、検査対象となるノズルに設けられたピエゾ素子には、同図に示すように、インク滴を1回、即ち1滴吐出するための駆動パルスWaが駆動信号として入力される。
図11は、吐出検査時にインクを吐出するために、各ノズル♯1〜♯180に対応して設けられたピエゾ素子に向けて出力される駆動信号と、検出部80からの検出信号の各波形をそれぞれ示したものである。同図中の上の波形は駆動信号の波形を示したものであり、同図中の下の波形は、検出部80の検出信号の波形を示したものである。あるノズルについて吐出検査を行うときに、検査対象となるノズルに設けられたピエゾ素子には、同図に示すように、インク滴を1回、即ち1滴吐出するための駆動パルスWaが駆動信号として入力される。
一方、このような駆動信号により、検査対象となるノズルからインクが正常に吐出された場合には、検査対象となるノズルから吐出されたインク滴Ipによって感知部70に誘導電流が発生し、この誘導電流が検出部80により検出されると、検出部80からは、同図に示すような上下に振れた波形のパルスWbが検出信号として出力される。検査対象となるノズルからインク滴Ipが吐出されてから、誘導電流が発生するまでに相応の時間がかかるとともに、発生した誘導電流が検出部80により検出されて出力されるまでに若干の時間差があることから、検出部80から出力される検出信号のパルスは、駆動信号の駆動パルスに比べて立上りが遅れることになる。
他方、ノズル♯1〜♯180からインクが正常に吐出されなかった場合には、感知部70に誘導電流が発生しない。このことから、検出部80の検出信号には、同図に示すような波形のパルスWbがはっきりと現れない。
なお、吐出検査は、複数のノズル、例えば、1列分のノズル列、即ちノズル♯1〜♯180の180個のノズルについてまとめて連続的に実施することができる。このとき、駆動信号は、同図に示すように、検査対象となるインク滴Ipを1回分(1滴分)吐出するための駆動パルスを所定の周期Tで繰り返し出力する形となる。また、検出部80の検出信号は、この駆動信号に対応して、各ノズル♯1〜♯180から正常にインクが吐出されれば、同図に示すように、所定の周期TでパルスWbが形成される形となる。ここで、所定の周期Tは、検査対象となるノズル♯1〜♯180に対して駆動パルスWaを出力してから、検出部80の検出信号にパルスWbが現れるまでの時間を基準にして適宜に設定すると良い。検出部80からの検出信号を各周期Tごとに個別にチェックすることによって、各ノズル♯1〜♯180について個別に検査を実施することができる。
===吐出の有無の判定===
図12は、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出の有無をコントローラ126により判定する方法の一例を説明したものである。ここでは、コントローラ126は、感知部70に発生した誘導電流の大きさ、即ち、検出部80から出力された検出信号の信号レベルと、所定の基準値V0とを比較し、検出部80から出力された検出信号の信号レベルが所定の基準値V0に達したか否かをチェックする。検出部80から出力された検出信号の信号レベルと、所定の基準値V0との比較は、コントローラ126により逐次行われる。
図12は、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出の有無をコントローラ126により判定する方法の一例を説明したものである。ここでは、コントローラ126は、感知部70に発生した誘導電流の大きさ、即ち、検出部80から出力された検出信号の信号レベルと、所定の基準値V0とを比較し、検出部80から出力された検出信号の信号レベルが所定の基準値V0に達したか否かをチェックする。検出部80から出力された検出信号の信号レベルと、所定の基準値V0との比較は、コントローラ126により逐次行われる。
ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが吐出されて、感知部70に誘導電流が発生した場合には、同図に示すように検出部80からの検知信号にパルスWbが発生し、検出信号の信号レベルが上昇して所定の基準値V0に到達する。このように検出信号の信号レベルが、所定の基準値V0に到達した場合には、コントローラ126は、感知部70に十分な大きさの誘導電流が発生したと判断して、そのノズルについてインクの吐出有りと判定する。
一方、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが吐出されない場合には、感知部70には、誘導電流が発生しないから、検出部80からの検知信号には、パルスWbが発生しない。これにより、検出部80からの検知信号の信号レベルは上昇せず、所定の基準値V0に達しない。このことから、コントローラ126は、感知部70に十分な大きさの誘導電流が発生していないと判断して、そのノズルについてインク滴Ipの吐出無しと判定する。
このようにしてコントローラ126は、検出部80から出力された検出信号に基づき、各ノズル♯1〜♯180からインク滴が吐出されたか否かを検査する。
ここで、所定の基準値V0は、吐出検査にあたって誤差が生じないような適当な値に設定される。なお、この所定の基準値V0に関する情報は、メインメモリ127等のメモリをはじめとする適宜な記憶部にデータとして記憶されている。コントローラ126は、検出信号の大きさと、所定の基準値V0とを比較するにあたって、メインメモリ127等の適宜な記憶部から、所定の基準値V0に関する情報を取得する。
===吐出方向の判定===
次にノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向が正常か否かを検査する方法の一例について説明する。ここで、インク滴Ipの吐出方向が正常か否かの判定についても、コントローラ126により行う。コントローラ126は、検出部80から出力された検出信号に基づき判定を行う。
次にノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向が正常か否かを検査する方法の一例について説明する。ここで、インク滴Ipの吐出方向が正常か否かの判定についても、コントローラ126により行う。コントローラ126は、検出部80から出力された検出信号に基づき判定を行う。
図13は、その検査方法の一例を説明したものである。この検査では、検出部80から得られた検出信号の波形Wbからそのピーク値Vmaxを取得する。そして、取得したピーク値Vmaxが所定の許容範囲内にあるかどうかチェックする。つまり、取得したピーク値Vmaxは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2に応じて変動するから、ピーク値Vmaxを取得すれば、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2を知ることができ、これにより、ノズルから吐出されたインク滴Ipの吐出方向に異常がないかチェックをすることができる。
ここで、所定の許容範囲は、許容最小値V1と、許容最大値V2との間に設定されている。許容最小値V1は、ピーク値Vmaxの下限値であり、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2の上限を規定するものである。また、許容最大値V2は、ピーク値Vmaxの上限値であり、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2の下限を規定するものである。これら許容最小値V1および許容最大値V2は、インク滴Ipが本来に飛行すべき標準経路と感知部70との間の基準距離に対して所定の許容幅を持たせて設定される。これにより、インク滴Ipの飛行経路Fが標準経路から大きく外れて、感知部70に近すぎる場合には、検出部80からの検出信号のピーク値Vmaxが許容最大値V2を上回るから、インク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定することができる。また、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れ過ぎている場合には、検出部80からの検出信号のピーク値Vmaxが許容最小値V1を下回るから、インク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定することができる。
図14は、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M2と、検出部80からの検出信号の波形との関係を示したものである。図14Aは、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に非常に近い場合を示しており、図14Bは、インク滴Ipの飛行経路Fが許容範囲内にある場合を示しており、図14Cは、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れ過ぎている場合を示している。
インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に非常に近い場合には、図14Aに示すように、検出部80からの検出信号の信号波形のピーク値Vmaxは、所定の許容範囲の上限値、即ち許容最大値V2を上回り、そのノズルについてインク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定される。
また、インク滴Ipの飛行経路Fが許容範囲内にあるときには、図14Bに示すように、検出部80からの検出信号の信号波形のピーク値Vmaxは、所定の許容範囲内、即ち許容最小値V1と許容最大値V2との間にあり、そのノズルについてインク滴Ipの吐出方向が正常であると判定される。
一方、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れすぎている場合には、図14Cに示すように、検出部80からの検出信号の信号波形のピーク値Vmaxは、所定の許容範囲の下限値、即ち許容最小値V1を下回り、そのノズルについてインク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定される。
なお、所定の許容範囲を規定するための許容最小値V1および許容最大値V2は、「基準値」に相当する。また、所定の許容範囲を規定するための許容最小値V1および許容最大値V2に関する情報については、メインメモリ127等のメモリをはじめとする適宜な記憶部にデータとして記憶されている。コントローラ126は、ピーク値Vmaxと、許容最小値V1または許容最大値V2とを比較するにあたって、メインメモリ127等の適宜な記憶部から、許容最小値V1および許容最大値V2に関する情報を取得する。
また、ここでは、検出部80からの検出信号のピーク値Vmaxに基づき、インク滴Ipの吐出方向が正常か否かを判定していたが、インク滴Ipの吐出方向を判定する方法としては、このように検出部80から検出信号の信号レベルのピーク値Vmaxに基づいて行う場合に限らず、感知部70に発生する誘導電流の大きさを基準に判定を行うのであれば、検出部80からの検出信号のうちのどの部分を基準に判定しても構わない。
===本実施形態の感知部===
図15Aおよび図15Bは、感知部70および第2電極74の具体的な構成例を説明したものである。図15Aは、感知部70及び第2電極74の構成例を説明する平面図であり、図15Bは、感知部70および第2電極74の構成例を説明する縦断面図である。
図15Aおよび図15Bは、感知部70および第2電極74の具体的な構成例を説明したものである。図15Aは、感知部70及び第2電極74の構成例を説明する平面図であり、図15Bは、感知部70および第2電極74の構成例を説明する縦断面図である。
感知部70および第2電極74は、図15Aに示すように、長方形状に成形された基板72上に設けられている。この基板72は、ここでは、プリント配線基板により構成される。感知部70および第2電極74は、この基板72の先端部(下端部)に形成された開口部75に、基板72の長さ方向、即ちここでは縦方向に沿って、相互に間隔をあけて平行に掛け渡されて設置されている。感知部70および第2電極74の両端部は、それぞれ開口部75の内縁部に固定部材76により固定されている。感知部70および第2電極74は、基板72の開口部75上に緊張状態にて張られた状態で取り付けられている。ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは、図15Bに示すように、感知部70と第2電極74との間を通過して、基板72の開口部75を通じて下方に落下するようになっている。
本実施形態では、基板72には、検出部80を構成する保護抵抗R1やコンデンサC、入力抵抗R2、帰還抵抗R3、オペアンプAmpなどを構成する回路素子81、82、83、84が一体的に実装されている。これによって、これら感知部70や回路素子81、82、83、84を有する基板72は、ヘッド21のノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180の吐出検査を行うための吐出検査ユニット77となっている。
なお、基板72には、前述した回路素子81、82、83、84の他に、感知部70や第2電極74に高電圧を印加するための昇圧回路等の電源回路を構成する回路素子が実装されても良い。
===吐出検査ユニットの設置位置===
図16は、本実施形態の吐出検査ユニット77の設置位置を詳しく説明したものである。本実施形態の吐出検査ユニット77は、同図に示すように、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアという)に設置される。この非印刷エリアAnには、ノズル♯1〜♯180のクリーニング装置として、ノズルの目詰まりを解消するためにノズル♯1〜♯180からインクを吸い出すポンプ装置31が設けられている。また、この非印刷エリアAnには、印刷が行われないときにヘッド21のノズル♯1〜♯180を覆ってキャップするキャッピング装置35が設けられている。これらポンプ装置31とキャッピング装置35とにより、クリーニングユニット30が構成されている。この他に、クリーニングユニット30には、ノズル♯1〜♯180の開口部から余計に付着したインクを拭き取るワイピング装置など、各種装置が設けられることもある。本実施形態の吐出検査ユニット77は、このようなポンプ装置31やキャッピング装置35に隣接して設けられる。
図16は、本実施形態の吐出検査ユニット77の設置位置を詳しく説明したものである。本実施形態の吐出検査ユニット77は、同図に示すように、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアという)に設置される。この非印刷エリアAnには、ノズル♯1〜♯180のクリーニング装置として、ノズルの目詰まりを解消するためにノズル♯1〜♯180からインクを吸い出すポンプ装置31が設けられている。また、この非印刷エリアAnには、印刷が行われないときにヘッド21のノズル♯1〜♯180を覆ってキャップするキャッピング装置35が設けられている。これらポンプ装置31とキャッピング装置35とにより、クリーニングユニット30が構成されている。この他に、クリーニングユニット30には、ノズル♯1〜♯180の開口部から余計に付着したインクを拭き取るワイピング装置など、各種装置が設けられることもある。本実施形態の吐出検査ユニット77は、このようなポンプ装置31やキャッピング装置35に隣接して設けられる。
本実施形態では、吐出検査ユニット77は、非印刷エリアAnの中でも印刷エリアApに近い位置、即ち、同図に示すように、印刷エリアApと、クリーニングユニット30との間に設けられる。これによって、キャリッジ41が印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動してくる際には、必ず感知部70の上方を通過するようになっている。このことから、キャリッジ41が非印刷エリアAnに移動する非印刷時に、いつでもインクの吐出検査を行えるようにすることができる。
===吐出検査ユニットとノズル列との位置関係===
図17は、吐出検査が行われるときの吐出検査ユニット77とノズル列211C、211M、211Y、211Kとの位置関係を説明したものである。吐出検査ユニット77の基板72に設けられた開口部75の縦寸法Lは、同図に示すように、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの長さ寸法に対応して、その長さ寸法よりも若干長くなるように設定されている。また、感知部70と第2電極74との間の間隔Hは、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの1列分の幅に対応するように設定されている。
図17は、吐出検査が行われるときの吐出検査ユニット77とノズル列211C、211M、211Y、211Kとの位置関係を説明したものである。吐出検査ユニット77の基板72に設けられた開口部75の縦寸法Lは、同図に示すように、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの長さ寸法に対応して、その長さ寸法よりも若干長くなるように設定されている。また、感知部70と第2電極74との間の間隔Hは、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの1列分の幅に対応するように設定されている。
吐出検査を行う場合には、同図に示すように、ヘッド21に設けられた複数のノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちの1列のノズル列(ここでは、ノズル列211M)が、感知部70と第2電極74との間に位置するように、位置合わせが行われる。その位置合わせが終了した後、そのノズル列211Mの各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ感知部70と第2電極74の間の隙間に向けてインクが吐出されて吐出検査が行われる。
1つのノズル列211Mについて吐出検査が終了した後、未だ吐出検査が行われていない他のノズル列211C、211Y、211Kについて吐出検査を行うべく、キャリッジ41が移動する。そして、再度、感知部70と第2電極74との間に位置するように、次に吐出検査を行うノズル列(ここでは、例えば、ノズル列211Yなど)の位置合わせが行われる。そして、そのノズル列211Yについて吐出検査が実行される。このようにして、ヘッド21に設けられた複数のノズル列211C、211M、211Y、211Kに対して順次1列ずつ吐出検査が行われる。
===インク回収部===
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、吐出検査に使用されたインクを回収するためのインク回収部90を備えている。図18は、このインク回収部90を説明したものである。インク回収部90は、同図に示すように、例えば、感知部70および第2電極74が設けられた基板72の下方に設置され、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180から吐出されて感知部70と第2電極74との間を通過して基板72の開口部75を通じて落下してきたインク滴Ipを収容して回収する。このように吐出検査に使用されたインクをインク回収部90により回収することによって、インクジェットプリンタ1の内部が、インクによって汚損されるのを防止することができる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、吐出検査に使用されたインクを回収するためのインク回収部90を備えている。図18は、このインク回収部90を説明したものである。インク回収部90は、同図に示すように、例えば、感知部70および第2電極74が設けられた基板72の下方に設置され、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180から吐出されて感知部70と第2電極74との間を通過して基板72の開口部75を通じて落下してきたインク滴Ipを収容して回収する。このように吐出検査に使用されたインクをインク回収部90により回収することによって、インクジェットプリンタ1の内部が、インクによって汚損されるのを防止することができる。
なお、本実施形態では、インク回収部90が同図に示すように凹形の収容部として形成されていたが、吐出検査に使用されたインクを回収するのであれば、例えば、プラテン14等に断面凹形等に形成された溝部などとして設けられていても良い。
===検査タイミング===
吐出検査が行われるタイミングとしては、次のようなものがある。
吐出検査が行われるタイミングとしては、次のようなものがある。
(1)印刷処理中
印刷処理中に適当なタイミングで吐出検査を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ41が待機位置へと移動してノズル♯1〜♯180の吐出検査を実行する。これにより、印刷処理中に途中でノズルの目詰まり等が発生して、印刷画像に不具合が生じるのを回避することができる。
印刷処理中に適当なタイミングで吐出検査を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ41が待機位置へと移動してノズル♯1〜♯180の吐出検査を実行する。これにより、印刷処理中に途中でノズルの目詰まり等が発生して、印刷画像に不具合が生じるのを回避することができる。
(2)電源投入時
電源投入時に吐出検査を実行する。これは、これから印刷を行うために、インクジェットプリンタ1(印刷装置)の電源投入時に、吐出検査を実行するものであり、インクジェットプリンタ1のイニシャライズ処理時に処理の1つとしてノズル♯1〜♯180の吐出検査を実行する。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等なく印刷処理をスムーズに実行することができる。
電源投入時に吐出検査を実行する。これは、これから印刷を行うために、インクジェットプリンタ1(印刷装置)の電源投入時に、吐出検査を実行するものであり、インクジェットプリンタ1のイニシャライズ処理時に処理の1つとしてノズル♯1〜♯180の吐出検査を実行する。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等なく印刷処理をスムーズに実行することができる。
(3)給紙時
媒体Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作時、即ち給紙時に吐出検査を実行する。これは、これから1つの媒体Sに印刷処理を施そうとするときに、インクが正常に吐出されるかどうかをチェックするもので、媒体Sを給紙する都度、吐出検査を実行しても良く、また、適宜な間隔で所定の数ごとに吐出検査を実行しても良い。
媒体Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作時、即ち給紙時に吐出検査を実行する。これは、これから1つの媒体Sに印刷処理を施そうとするときに、インクが正常に吐出されるかどうかをチェックするもので、媒体Sを給紙する都度、吐出検査を実行しても良く、また、適宜な間隔で所定の数ごとに吐出検査を実行しても良い。
(4)印刷データの取得時
インクジェットプリンタ1が、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ140から印刷データを受け取ったときに、吐出検査を実行する。すなわち、ホストコンピュータ140から印刷データを受け取り、これから印刷を実行しようとするときに、インクが正常に吐出されるか否かをチェックするものである。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等なく、印刷処理をスムーズに実行することができる。
インクジェットプリンタ1が、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ140から印刷データを受け取ったときに、吐出検査を実行する。すなわち、ホストコンピュータ140から印刷データを受け取り、これから印刷を実行しようとするときに、インクが正常に吐出されるか否かをチェックするものである。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等なく、印刷処理をスムーズに実行することができる。
なお、本発明における吐出検査が実行されるのは、必ずしも前述した(1)〜(4)のタイミングである必要はなく、これら(1)〜(4)以外のタイミングで吐出検査が実行されても良い。
===まとめ===
以上このような液体吐出検査装置にあっては、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から帯電したインクを吐出する動作を行い、感知部70に誘導電流が発生するか否かを調べることで、ノズル♯1〜♯180についてインクの吐出が正常に行われているか否か簡単に判定することができる。このため、装置構成が非常にコンパクトであり、あまり大きな設置スペースを必要とせず、大幅なコストアップも招かずに済む。
以上このような液体吐出検査装置にあっては、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から帯電したインクを吐出する動作を行い、感知部70に誘導電流が発生するか否かを調べることで、ノズル♯1〜♯180についてインクの吐出が正常に行われているか否か簡単に判定することができる。このため、装置構成が非常にコンパクトであり、あまり大きな設置スペースを必要とせず、大幅なコストアップも招かずに済む。
また、本実施形態では、感知部70と同様に高電圧が印加された第2電極74を備えたことで、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipに対して、感知部70から離れる方向の力を付与することができる。これによって、ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipが感知部70に引き寄せられて吐出方向が曲がってしまうことを防止することができる。このことから、ノズルからインク滴が正常に吐出されているにもかからず、正常に吐出されていると判定されないのを防ぐことができる。
===検査装置の他の構成例<その1>===
図19は、液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この液体吐出検査装置100は、同図に示すように、ヘッド21と対向可能な位置に設置された第1電極102および第2電極74と、同じくヘッド21と対向可能な位置に設置された感知部70とを備えている。つまり、ここでは、第1電極102が感知部70とは別の部材により構成されている。
図19は、液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この液体吐出検査装置100は、同図に示すように、ヘッド21と対向可能な位置に設置された第1電極102および第2電極74と、同じくヘッド21と対向可能な位置に設置された感知部70とを備えている。つまり、ここでは、第1電極102が感知部70とは別の部材により構成されている。
第1電極102および第2電極74は、金属等の導電性を有する線材により形成され、緊張状態にて張られた形にて、相互に所定間隔をあけて平行に配置されている。また、感知部70についても同様に、金属等の導電性を有する線材により形成され、緊張状態にて張られた形にて設置されている。
第1電極102および第2電極74には、それぞれ保護抵抗R1を介して、電源(図示外)が接続されている。これにより、第1電極102および第2電極74には、電源からそれぞれ例えば、+100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
一方、感知部70には、当該感知部70に発生した電流を検出する検出部80が接続されている。本実施形態の検出部80は、前述した場合と同様に、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、感知部70に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、A/D変換部88(図4参照)によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、デジタルデータなどとして、適宜な形態でコントローラ126に向けて送信される。
実際に、吐出検査を行う場合には、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ個別に感知部70の近傍に向けてインク滴Ipを1滴ずつ吐出する動作を実行する。このとき、第1電極102および第2電極74には、それぞれ電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されているため、ヘッド21と第1電極102および第2電極74との間に非常に強い電界が形成され、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipは、帯電される。
ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipは、感知部70の近傍を通過すべく、第1電極102と第2電極74との間を通過する。第1電極102には、例えば+100V等の高電圧が印加されているため、帯電したインク滴Ipには、第1電極102に引き寄せられる力が作用することになる。一方、第2電極74にも、例えば+100V等の高電圧が印加されているため、帯電したインク滴Ipには、第2電極74に引き寄せられる力も作用することになる。
ここで、第1電極102および第2電極74の印加電圧が等しく、かつ間隔M1と間隔M2とが等しければ、第1電極102および第2電極74から同じ大きさの力がインク滴Ipに作用することになる。これによって、第1電極102と第2電極74との間を通過するインク滴Ipは、第1電極102に引き寄せられることなく、第1電極102と第2電極74との間の中心を落下させることができる。
第1電極102と第2電極74との間を通過したインク滴Ipは、感知部70の近傍を通過する。このとき、感知部70には、当該感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離M3に応じた大きさの誘導電流が発生する。このようにして発生した誘導電流は、検出部80により検出されて、その検出信号がA/D変換部88(図4参照)を通じてアナログ信号からデジタルデータなどとして変換されて、コントローラ126に向けて出力される。
コントローラ126は、検出部80により検出された誘導電流の大きさに基づき、インク滴Ipの吐出があったか否かを判定したり、またインク滴Ipの吐出方向が正常か否かを判定するなどして、ノズル♯1〜♯180についてインク滴Ipの吐出が正常に行われているか否か判定する。
===検査装置の他の構成例<その2>===
図20は、液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この液体吐出検査装置110は、同図に示すように、感知部70と第2電極74とがそれぞれ線材により形成されているのではなく、所定の肉厚を有する帯状の板状部材により形成されている。なお、感知部70は、ここでは、第1電極として役割を果たしている。これら感知部70および第2電極74は、その側面部がヘッド21に設けられてたノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの飛行経路Fと平行になるように配置されている。つまり、感知部70および第2電極74には、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向に沿って配置された面が設けられている。感知部70および第2電極74の幅寸法は、例えば、2〜3mmほどに設定される。
図20は、液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この液体吐出検査装置110は、同図に示すように、感知部70と第2電極74とがそれぞれ線材により形成されているのではなく、所定の肉厚を有する帯状の板状部材により形成されている。なお、感知部70は、ここでは、第1電極として役割を果たしている。これら感知部70および第2電極74は、その側面部がヘッド21に設けられてたノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの飛行経路Fと平行になるように配置されている。つまり、感知部70および第2電極74には、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向に沿って配置された面が設けられている。感知部70および第2電極74の幅寸法は、例えば、2〜3mmほどに設定される。
このように感知部70および第2電極74を板状部材により形成したのは次の理由からである。つまり、感知部70が、同図に示すように、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの飛行経路Fと平行になるような面を有していることによって、感知部70に誘導電流を発生し易くすることができるからである。これにより、ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインクを感知部70にて良好に感知することができ、このことから、ノズル♯1〜♯180からインクの吐出が正常に行われているか否かをより的確に判定することができる。一方、第2電極74は、感知部70の形状に対応して板状部材により形成されたものである。第2電極74が感知部70と同一の形状の部材により形成されることで、感知部70と第2電極74との間を通過するインク滴Ipに対して感知部70および第2電極74から均等に力を作用することができる。
これによって、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが、感知部70に引き寄せられて吐出方向が曲がってしまうのを十分に防止することができる。
これによって、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが、感知部70に引き寄せられて吐出方向が曲がってしまうのを十分に防止することができる。
なお、感知部70とは別の部材により第1電極が設けられた場合には、第2電極74を必ずしもこのような形状に形成する必要はない。つまり、第1電極と同じ形状の部材により第2電極を形成すれば良い。
===検査装置の他の構成例<その3>===
図21および図22は、液体吐出検査装置の他の実施形態を説明したものである。この液体吐出検査装置では、図21に示すように、感知部70および第2電極74が、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kと平行に配置されているのではなく、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kに対して斜めに傾いて配置されている。つまり、感知部70および第2電極74は、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの長さ方向と交差する方向に沿って配置されている。
図21および図22は、液体吐出検査装置の他の実施形態を説明したものである。この液体吐出検査装置では、図21に示すように、感知部70および第2電極74が、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kと平行に配置されているのではなく、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kに対して斜めに傾いて配置されている。つまり、感知部70および第2電極74は、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの長さ方向と交差する方向に沿って配置されている。
このように感知部70および第2電極74が配置された場合の吐出検査方法について説明する。吐出検査を行う場合には、図21に示すように、キャリッジ41を感知部70および第2電極74に向かって移動させる。そして、キャリッジ41が感知部70および第2電極74に到達して、ヘッド21のノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちのいずれか1つのノズル列が、感知部70および第2電極74の上方に到達したときに、そのノズル列のノズル♯1〜♯180の中から感知部70と第2電極74との間に位置するノズルから感知部70および第2電極74に向けてインク滴Ipを吐出する。
図22Aは、ブラックノズル列211Kが感知部70および第2電極74に接近して感知部70および第2電極74の上方付近に移動した場合について説明したものである。ブラックノズル列211Kのノズル♯1〜♯180のうち、感知部70および第2電極74との間に位置するノズル♯180から、まず、インク滴Ipが吐出される。さらにキャリッジ41が移動すると、次にノズル♯179が感知部70および第2電極74との間に位置する。このとき、ノズル♯179から感知部70と第2電極74との間に向けてインク滴Ipを吐出する。このようにしてキャリッジ41を移動させながら、ブラックノズル列211Kの各ノズル♯1〜♯180から順次、感知部70と第2電極74との間に向けてインク滴Ipを吐出する。最終的には、図22Bに示すように、ブラックノズル列211Kのノズル♯1が感知部70と第2電極74との間に位置し、このノズル♯1から感知部70と第2電極74との間に向けてインク滴Ipを吐出する。他のノズル列211C,211M、211Yについても同様にして吐出検査を行う。
このように感知部70と第2電極74とが各ノズル列211C、211M、211Y、211Kに対して斜めに、ノズル列211C、211M、211Y、211Kの長さ方向と交差する方向に沿って配置されていることで、キャリッジ41を移動させながら、各ノズル列211C、211M、211K、211Yの各ノズル♯1〜♯180について吐出検査を行うことができる。
感知部70および第2電極74がノズル列211C、211M、211Y、211Kに対して斜めに傾いて設置されているため、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kのノズル♯1〜♯180の配列方向に沿って発生するインク滴Ipの吐出方向のズレをも検査することができる。これにより、キャリッジ41の移動方向と交差する方向、つまり、媒体Sの搬送方向などへのインク滴Ipの吐出方向のズレを検出することができる。このように媒体Sの搬送方向へのインク滴Ipの吐出方向のズレを検出することができれば、印刷画像の画質低下の大きな要因となる、キャリッジ41の移動方向に沿って発生する「白スジ」の発生を防止することができる。
なお、キャリッジ41を移動させながら、各ノズル♯1〜♯180から順次インク滴Ipを吐出する場合、必ずしもキャリッジ41を所定の速度、即ち定速で移動させる必要はなく、各ノズル♯1〜♯180から検査のためにインク滴Ipを吐出する都度、移動と停止を繰り返しても良い。
===その他の実施形態===
<撥水処理>
感知部70、第1電極102または第2電極74については、その表面に撥水処理が施されていても良い。このように感知部70、第1電極102または第2電極74の表面に撥水処理が施されていれば、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが、感知部70、第1電極102または第2電極74に接触した場合でも、感知部70、第1電極102または第2電極74の表面からインクを簡単に除去することができる。撥水処理を施す方法としては、感知部70または電極部112の表面に撥水処理層などをコーティング等により設ける方法をはじめ、その他、周知の方法を含む。
<撥水処理>
感知部70、第1電極102または第2電極74については、その表面に撥水処理が施されていても良い。このように感知部70、第1電極102または第2電極74の表面に撥水処理が施されていれば、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが、感知部70、第1電極102または第2電極74に接触した場合でも、感知部70、第1電極102または第2電極74の表面からインクを簡単に除去することができる。撥水処理を施す方法としては、感知部70または電極部112の表面に撥水処理層などをコーティング等により設ける方法をはじめ、その他、周知の方法を含む。
<ヘッドのアース構造>
前述したヘッド21については、電気的にアース(接地)されていても良い。図23は、ヘッド21のアース構造の一例を説明するためのものであり、ヘッド21の内部構造の一例を示している。ここで示されているヘッド21は、同図に示すように、複数の圧電振動子152からなる圧電振動子群154や、固定板156、フレキシブルケーブル158などをユニット化した振動子ユニット150と、この振動子ユニット150を収納可能なケース160と、ケース160の先端面に接合される流路ユニット170とを備えている。
前述したヘッド21については、電気的にアース(接地)されていても良い。図23は、ヘッド21のアース構造の一例を説明するためのものであり、ヘッド21の内部構造の一例を示している。ここで示されているヘッド21は、同図に示すように、複数の圧電振動子152からなる圧電振動子群154や、固定板156、フレキシブルケーブル158などをユニット化した振動子ユニット150と、この振動子ユニット150を収納可能なケース160と、ケース160の先端面に接合される流路ユニット170とを備えている。
圧電振動子152は、前述したピエゾ素子であり、圧電振動子152は、圧電体151と、内部電極153とが交互に積層されて構成され、縦方向に沿って細長い櫛歯状をしている。圧電振動子152は、外部からの駆動信号によって、長手方向、即ち縦方向に沿って伸縮する。圧電振動子152の先端部(下端部)は、島部172を介して流路ユニット170に接合されている。
流路ユニット170は、弾性板174と、流路形成基板176と、ノズルプレート178とからなる。ノズルプレート178は、例えばステンレス鋼製等の薄いプレートであり、所定のピッチで形成された多数のノズル開口180(ノズル♯1〜♯180に対応)を有している。このノズル開口によりノズル♯1〜♯180が形成されている。流路形成基板176には、圧力室182がノズル開口180ごとにそれぞれ形成されている。
圧電振動子152が伸長または収縮すると、弾性板174が上側または下側に弯曲変形して圧力室182が収縮または膨張する。これによって、インク供給室184からインク供給路186を通って圧力室182へとインクが供給される。さらに圧力室182に蓄積されたインクは、ノズル開口180からインク滴としてインクが吐出される。
このようなインク吐出機構を備えたヘッド21をアースする場合には、前述した流路ユニット170のノズルプレート178にアース線190を接続して、このアース線190を適当な金属部材、例えばガイドレール46が金属製であれば、ガイドレール46などに接続する。このようにアース線190を介してノズルプレート178をアースすれば、簡単にヘッド21をアースすることができる。
===液体吐出システム等の構成===
次に、本発明に係る液体吐出システムの一実施形態として、液体吐出装置としてインクジェットプリンタ1を備えた場合を例に説明する。図24は、液体吐出システムの一実施形態の外観構成を示したものである。この液体吐出システム300は、コンピュータ140と、表示装置304と、入力装置306とを備えている。コンピュータ140は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成される。
次に、本発明に係る液体吐出システムの一実施形態として、液体吐出装置としてインクジェットプリンタ1を備えた場合を例に説明する。図24は、液体吐出システムの一実施形態の外観構成を示したものである。この液体吐出システム300は、コンピュータ140と、表示装置304と、入力装置306とを備えている。コンピュータ140は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成される。
コンピュータ140は、FDドライブ装置314やCD−ROMドライブ装置316などの読み取り装置312を備える。この他に、コンピュータ140は、例えば、MO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVDドライブ装置などを備えても良い。また、表示装置304は、CRTディスプレイやプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等など、各種表示装置により構成される。入力装置306は、キーボード308やマウス310などにより構成される。
図25は、本実施形態の液体吐出システムのシステム構成の一例を示したブロック構成図である。コンピュータ140は、FDドライブ装置314やCD−ROMドライブ装置316などの読み取り装置312の他に、CPU318と、メモリ320と、ハードディスクドライブ322とを備えている。
CPU318は、コンピュータ140の全体の制御を行う。また、メモリ320には、各種データが記憶される。ハードディスクドライブ322には、本実施形態のインクジェットプリンタ1等の液体吐出装置を制御するためのプログラムとして、プリンタドライバなどがインストールされている。CPU318は、ハードディスクドライブ322に記憶されたプリンタドライバなどのプログラムを読み込んで、プログラムに従って動作する。また、CPU318には、コンピュータ140の外部に設置された表示装置304や入力装置306、インクジェットプリンタ1などが接続される。
なお、このようにして実現された液体吐出システム300は、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、プリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
以上、一実施形態に基づき、プリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体について>
前述した実施の形態では、「液体」としてインクが使用された場合を例にして説明したが、インクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体がインクの代わりに用いられても良い。
前述した実施の形態では、「液体」としてインクが使用された場合を例にして説明したが、インクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体がインクの代わりに用いられても良い。
<液体吐出ノズルについて>
前述した実施の形態では、「液体吐出ノズル」として、インクを吐出するノズル♯1〜♯180を例にして説明したが、「液体吐出ノズル」にあっては、このようなインクを吐出するノズルに限らない。すなわち、前述したように、「液体」として、インク以外のもの、即ち、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体を吐出するノズルであっても構わない。
前述した実施の形態では、「液体吐出ノズル」として、インクを吐出するノズル♯1〜♯180を例にして説明したが、「液体吐出ノズル」にあっては、このようなインクを吐出するノズルに限らない。すなわち、前述したように、「液体」として、インク以外のもの、即ち、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体を吐出するノズルであっても構わない。
また、前述した実施の形態では、「液体吐出ノズル」として、インクを吐出するノズル♯1〜♯180が、媒体Sの搬送方向に沿って相互に間隔をあけて直線状に1列に配列された場合を例にして説明したが、「液体吐出ノズル」にあっては必ずしもこのように配列される必要はない。すなわち、「液体吐出ノズル」は、このような形態とは別の形態にて配列されてもよく、ノズルの配列形態については特に問わない。
<第1電極について>
前述した実施の形態では、第1電極が線材または帯状の板状部材により形成されていたが、ここでいう「第1電極」にあっては、必ずしもこれら線材または帯状の板状部材により形成される必要はない。つまり、「第1電極」にあっては、液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるのであれば、どのような形状や大きさ、形態にて設置されていても良い。
前述した実施の形態では、第1電極が線材または帯状の板状部材により形成されていたが、ここでいう「第1電極」にあっては、必ずしもこれら線材または帯状の板状部材により形成される必要はない。つまり、「第1電極」にあっては、液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるのであれば、どのような形状や大きさ、形態にて設置されていても良い。
<第2電極について>
前述した実施の形態では、第2電極がが線材または帯状の板状部材により形成されていたが、ここでいう「第2電極」にあっては、必ずしもこれら線材または帯状の板状部材により形成される必要はない。つまり、「第2電極」にあっては、液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した液体(インク)に対して、第1電極から離れる方向の力を作用させるのであれば、どのような形状や大きさ、形態にて設置されていても良い。
前述した実施の形態では、第2電極がが線材または帯状の板状部材により形成されていたが、ここでいう「第2電極」にあっては、必ずしもこれら線材または帯状の板状部材により形成される必要はない。つまり、「第2電極」にあっては、液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した液体(インク)に対して、第1電極から離れる方向の力を作用させるのであれば、どのような形状や大きさ、形態にて設置されていても良い。
<感知部について>
前述した実施の形態では、感知部70が、第1電極102と別の部材により形成された場合と、第1電極と同一の部材により形成された場合との2つの場合について説明したが、感知部70にあっては、この他に、第2電極74と同一の部材により形成されていても構わない。つまり、感知部70に例えば100V等の高電圧が印加されて、ノズル♯1〜♯180から吐出されかつ帯電した液体に対して、第1電極から離れる方向の力を作用させても良い。
前述した実施の形態では、感知部70が、第1電極102と別の部材により形成された場合と、第1電極と同一の部材により形成された場合との2つの場合について説明したが、感知部70にあっては、この他に、第2電極74と同一の部材により形成されていても構わない。つまり、感知部70に例えば100V等の高電圧が印加されて、ノズル♯1〜♯180から吐出されかつ帯電した液体に対して、第1電極から離れる方向の力を作用させても良い。
また、前述した実施の形態では、感知部が線材または帯状の板状部材により形成されていたが、「感知部」にあっては、必ずしもこれら線材または帯状の板状部材により形成される必要はない。つまり、「感知部」にあっては、液体吐出ノズルから吐出された、帯電した液体を感知するのであれば、どのような形状や大きさ、形態にて設置されていても良い。
また、「感知部」にあっては、前述した実施の形態のように、必ずしも、ノズルから吐出された、帯電した液体(インク滴)によって誘導電流が発生する必要はなく、ノズルから吐出された、帯電した液体を感知するのであれば、どのようなタイプの感知部であっても構わない。
<検出部について>
前述した実施の形態では、「検出部」として、感知部70に発生する誘導電流を検出する検出部80が説明されていたが、「検出部」にあっては、このような検出部80に限らず、液体吐出ノズル(ここでは、ノズル♯1〜♯180)から吐出された、帯電した液体(インク)によって、感知部70に発生した誘導電流を検出することができれば、どのようなタイプの検出部であっても構わない。
前述した実施の形態では、「検出部」として、感知部70に発生する誘導電流を検出する検出部80が説明されていたが、「検出部」にあっては、このような検出部80に限らず、液体吐出ノズル(ここでは、ノズル♯1〜♯180)から吐出された、帯電した液体(インク)によって、感知部70に発生した誘導電流を検出することができれば、どのようなタイプの検出部であっても構わない。
<判定部について>
前述した実施の形態では、ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出が正常に行われているか否かの判定が、インクジェットプリンタ1(印刷装置)の全体を制御するコントローラ126により行われていたが、ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出が正常に行われているか否かの判定は、このようなコントローラ126により必ずしも行われる必要はない。すなわち、インク(液体)の吐出が正常に行われているか否かを判定する「判定部」にあっては、このようなコントローラ126に限らず、コントローラ126とは別の構成であってもよく、また、インク(液体)の吐出が正常に行われているか否かを判定するための専用の構成を備えていても良い。
前述した実施の形態では、ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出が正常に行われているか否かの判定が、インクジェットプリンタ1(印刷装置)の全体を制御するコントローラ126により行われていたが、ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出が正常に行われているか否かの判定は、このようなコントローラ126により必ずしも行われる必要はない。すなわち、インク(液体)の吐出が正常に行われているか否かを判定する「判定部」にあっては、このようなコントローラ126に限らず、コントローラ126とは別の構成であってもよく、また、インク(液体)の吐出が正常に行われているか否かを判定するための専用の構成を備えていても良い。
<液体吐出検査装置について>
前述した実施の形態では、液体吐出検査装置として、インクジェットプリンタを例にした液体吐出装置に搭載された液体吐出検査装置について説明したが、液体吐出検査装置にあっては、このような装置に限らない。液体吐出装置からは分離して、液体の吐出検査のみを独立して実行可能な装置であっても良く、また、前述した液体吐出装置以外の他の装置に搭載される液体吐出検査装置であっても良い。
前述した実施の形態では、液体吐出検査装置として、インクジェットプリンタを例にした液体吐出装置に搭載された液体吐出検査装置について説明したが、液体吐出検査装置にあっては、このような装置に限らない。液体吐出装置からは分離して、液体の吐出検査のみを独立して実行可能な装置であっても良く、また、前述した液体吐出装置以外の他の装置に搭載される液体吐出検査装置であっても良い。
<液体吐出装置について>
前述した実施の形態では、液体吐出検査装置として、インクジェットプリンタ1を例にして説明したが、このようなインクジェットプリンタ1に限らず、液体を吐出する装置であれば、どのような装置であっても構わない。
前述した実施の形態では、液体吐出検査装置として、インクジェットプリンタ1を例にして説明したが、このようなインクジェットプリンタ1に限らず、液体を吐出する装置であれば、どのような装置であっても構わない。
<インクについて>
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクなど、その他各種インクであっても良い。
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクなど、その他各種インクであっても良い。
インクの色については、前述したイエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の他に、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)をはじめ、例えば、レッドやバイオレット、ブルー、グリーンなど、その他の色のインクを使用しても良い。
<印刷装置について>
前述した実施の形態では、印刷装置としては、前述したようなインクジェットプリンタ1の場合を例にして説明したが、このような印刷装置に限らず、他の方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタであっても良い。
前述した実施の形態では、印刷装置としては、前述したようなインクジェットプリンタ1の場合を例にして説明したが、このような印刷装置に限らず、他の方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタであっても良い。
<媒体について>
媒体Sについては、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、印刷対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
媒体Sについては、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、印刷対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
1 インクジェットプリンタ、2 操作パネル、3 排紙部、4 給紙部、
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレイ、8 給紙トレイ、
13 給紙ローラ、14 プラテン、15 搬送モータ、17A 搬送ローラ、
17B 排紙ローラ、18A フリーローラ、18B フリーローラ、21 ヘッド、
31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、
46 ガイドレール、48 インクカートリッジ、49 カートリッジ装着部、
51 リニア式エンコーダ、53 紙検知センサ、60 液体吐出検査装置、
70 感知部、72 基板、74 第2電極、75 開口部、76 固定部材、
77 吐出検査ユニット、80 検出部、81 回路素子、82 回路素子、
83 回路素子、84 回路素子、88 A/D変換部、90 インク回収部、
100 液体吐出検査装置、102 第1電極、110 液体吐出検査装置、
122 バッファメモリ、124 イメージバッファ、126 コントローラ、
127 メインメモリ、128 キャリッジモータ制御部、
129 通信インターフェース、130 搬送制御部、132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、140 コンピュータ、151 圧電体、
152 圧電振動子、153 内部電極、154 圧電振動子群、156 固定板、
158 フレキシブルケーブル、160 ケース、170 流路ユニット、
172 島部、174 弾性板、176 流路形成基板、178 ノズルプレート、
180 ノズル開口、182 圧力室、184 インク供給室、
186 インク供給路、190 アース線、211Y イエロノズル列、
211M マゼンダノズル列、211C シアンノズル列、
211K ブラックノズル列、220 駆動回路、221 原駆動信号発生部、
222 マスク回路、300 液体吐出システム、304 表示装置、
306 入力装置、308 キーボード、310 マウス、312 読み取り装置、
314 FDドライブ装置、316 CD−ROMドライブ装置、318 CPU、
320 メモリ、322 ハードディスクドライブ、Ap 印刷エリア、
An 非印刷エリア、S 媒体、Ip インク滴、R1 保護抵抗、R2 入力抵抗、
R3 帰還抵抗、C コンデンサ、Amp オペアンプ
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレイ、8 給紙トレイ、
13 給紙ローラ、14 プラテン、15 搬送モータ、17A 搬送ローラ、
17B 排紙ローラ、18A フリーローラ、18B フリーローラ、21 ヘッド、
31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、
46 ガイドレール、48 インクカートリッジ、49 カートリッジ装着部、
51 リニア式エンコーダ、53 紙検知センサ、60 液体吐出検査装置、
70 感知部、72 基板、74 第2電極、75 開口部、76 固定部材、
77 吐出検査ユニット、80 検出部、81 回路素子、82 回路素子、
83 回路素子、84 回路素子、88 A/D変換部、90 インク回収部、
100 液体吐出検査装置、102 第1電極、110 液体吐出検査装置、
122 バッファメモリ、124 イメージバッファ、126 コントローラ、
127 メインメモリ、128 キャリッジモータ制御部、
129 通信インターフェース、130 搬送制御部、132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、140 コンピュータ、151 圧電体、
152 圧電振動子、153 内部電極、154 圧電振動子群、156 固定板、
158 フレキシブルケーブル、160 ケース、170 流路ユニット、
172 島部、174 弾性板、176 流路形成基板、178 ノズルプレート、
180 ノズル開口、182 圧力室、184 インク供給室、
186 インク供給路、190 アース線、211Y イエロノズル列、
211M マゼンダノズル列、211C シアンノズル列、
211K ブラックノズル列、220 駆動回路、221 原駆動信号発生部、
222 マスク回路、300 液体吐出システム、304 表示装置、
306 入力装置、308 キーボード、310 マウス、312 読み取り装置、
314 FDドライブ装置、316 CD−ROMドライブ装置、318 CPU、
320 メモリ、322 ハードディスクドライブ、Ap 印刷エリア、
An 非印刷エリア、S 媒体、Ip インク滴、R1 保護抵抗、R2 入力抵抗、
R3 帰還抵抗、C コンデンサ、Amp オペアンプ
Claims (17)
- (A)液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備えたことを特徴とする液体吐出検査装置。 - 前記第1電極と前記感知部とが同一の部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出検査装置。
- 前記第2電極と前記感知部とが同一の部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出検査装置。
- 前記感知部が、前記第1電極および前記第2電極とは別の部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出検査装置。
- 前記第1電極と前記第2電極とが同一形状の部材により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
- 前記第1電極には、前記液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるために、電圧が印加されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
- 前記第2電極には、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して前記第1電極から離れる方向の力を作用させるために、電圧が印加されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
- 前記感知部には、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって誘導電流が発生することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
- 前記感知部に発生した前記誘導電流を検出するための検出部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出検査装置。
- 前記判定部は、前記検出部により検出された前記誘導電流に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出検査装置。
- 前記第1電極と前記第2電極とは、相互に間隔をあけて平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
- 前記液体吐出ノズルから吐出された前記液体が、前記第1電極と前記第2電極との間を通過することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
- (A)液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるための第1電極と、
(B)前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(C)前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
(D)前記感知部の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
(E)を備え、
(F)前記第1電極と前記感知部とが同一の部材により構成され、
(G)前記第1電極と前記第2電極とが同一形状の部材により形成され、
(H)前記第1電極には、前記液体吐出ノズルから吐出される液体を帯電させるために、電圧が印加され、
(I)前記第2電極には、前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して前記第1電極から離れる方向の力を作用させるために、電圧が印加され、
(J)前記感知部には、前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって誘導電流が発生し、
(K)前記感知部に発生した前記誘導電流を検出するための検出部を備え、
(L)前記判定部は、前記検出部により検出された前記誘導電流に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定し、
(M)前記第1電極と前記第2電極とは、相互に間隔をあけて平行に配置され、
(N)前記液体吐出ノズルから吐出された前記液体が、前記第1電極と前記第2電極との間を通過することを特徴とする液体吐出検査装置。 - 液体吐出ノズルから吐出される液体を第1電極により帯電させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を第2電極により作用させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知するステップと、
前記感知部による前記液体の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定するステップと、
を有することを特徴とする液体吐出検査方法。 - (A)インクを吐出するノズルと、
(B)前記ノズルから吐出される前記インクを帯電させるための第1電極と、
(C)前記ノズルから吐出されかつ帯電した前記インクに対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
(D)前記ノズルから吐出された、帯電した前記インクを感知する感知部と、
(E)前記感知部の感知結果に基づき、前記ノズルから前記インクの吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 液体吐出ノズルから吐出される液体を第1電極により帯電させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を第2電極により作用させるステップと、
前記液体吐出ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知部により感知するステップと、
前記感知部による前記液体の感知結果に基づき、前記液体吐出ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定するステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。 - コンピュータと、このコンピュータに接続可能な液体吐出装置とを具備した液体吐出システムであって、
前記液体吐出装置は、液体を吐出するノズルと、
前記ノズルから吐出される前記液体を帯電させるための第1電極と、
前記ノズルから吐出されかつ帯電した前記液体に対して、前記第1電極から離れる方向の力を作用させるための第2電極と、
前記ノズルから吐出された、帯電した前記液体を感知する感知部と、
前記感知部の感知結果に基づき、前記ノズルから前記液体の吐出が正常に行われているか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする液体吐出システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005092310A JP2006272634A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、印刷装置、プログラムおよび液体吐出システム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2005092310A JP2006272634A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、印刷装置、プログラムおよび液体吐出システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009255599A (ja) * | 2009-08-13 | 2009-11-05 | Seiko Epson Corp | 流体噴射装置、及び流体噴射装置の制御方法 |
JP2012187856A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Brother Industries Ltd | 液滴吐出装置及び液滴吐出検査装置 |
US8596764B2 (en) | 2010-03-16 | 2013-12-03 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005092310A patent/JP2006272634A/ja active Pending
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