JP2007050534A - 印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラム - Google Patents

印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷ヘッドから検査領域に向けて帯電させたインク滴を吐出して誘起される電荷を検出することにより印刷ヘッドの検査を行なう装置において吐出するインクの量を抑制してその検査領域を小型化する。
【解決手段】 印刷の実行に伴って印刷ヘッドの検査が指示されたとき、用紙データに応じて設定される印刷プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいときにはプラテンギャップを検査用プラテンギャップPGthrに調整し、要求される検査精度を確保するのに必要最小限の吐出数でインク滴を吐出し、積分回路54aを含む電圧検出回路54により検出された出力振動の振幅ΔVの大小によってノズルから正常にインクが吐出されたか否かを判定する。検査用プラテンギャップPGthrで必要最小限の吐出数でインク滴を吐出するから、検査に用いるインクの消費量を抑えることができ、検査領域52を小型化できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して該印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、該印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラムに関する。
従来、この種の印刷ヘッド検査装置としては、インクジェットプリンタに搭載され、印刷ヘッドのノズルから帯電させたインクを検出回路が接続されたインク受けに向けて噴射させることによりノズルからインクが正常に吐出されたか否か即ちノズルの目詰まりを検出するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。この装置では、帯電されたインクがインク受けに近づくと、インク受けにインクの電荷とは逆極性の電荷が誘起されることから、誘起された電荷を検出回路を用いて検出することにより、より簡易な構成で正確にノズルの目詰まりを検出することができる、としている。
特開昭59−120464号公報
ところで、帯電されたインクがインク受けに近づくことによって誘起される電荷は、印刷ヘッドのノズルからインク受けまでの距離によって変動することが知られている。このため、印刷用紙の種類などによって印刷ヘッドのノズルとプラテンとの距離(プラテンギャップ)を自動的に調節するタイプの印刷装置では、プラテンギャップの調節に伴ってノズルからインク受けまでの距離が変化するから、インク受けに誘起される電荷に変動が生じ、ノズルの目詰まりを誤検出する場合がある。プラテンギャップに拘わらずインク受けに誘起される電荷が十分な量となるよう吐出させるインクを多めに設定することも考えられるが、インクの消費量が多くなるし、吐出されたインクが溢れることのないようにインク受けのサイズを大きくする必要があるから印刷ヘッド検査装置ひいては印刷装置が大型化してしまう。
本発明の印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラムは、印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載される印刷ヘッド検査装置において印刷ヘッドの検査に用いる記録液体の消費量を抑制することを目的の一つとする。また、本発明の印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラムは、印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載される印刷ヘッド検査装置において装置の小型化を図ることを目的の一つとする。
本発明の印刷ヘッド検査装置およびこれを搭載する印刷装置並びに印刷ヘッド検査方法,これに用いるプログラムは、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の印刷ヘッド検査装置は、
紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して該印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、該印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出された記録液体を受ける記録液体受け手段と、
前記印刷ヘッドの吐出孔から帯電された状態で吐出された記録液体が前記記録液体受け手段に到達する際の電気的な変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記印刷ヘッドの吐出孔と前記記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときに該距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が前記記録液体受け手段に向けて吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録液体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定するヘッド検査を行なう印刷ヘッド検査制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の印刷ヘッド検査装置では、紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、印刷ヘッドの検査が指示されたとき、印刷ヘッドの吐出孔と記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときにその距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が記録液体受け手段に向けて吐出されるよう印刷ヘッドを制御すると共にこの記録液体の吐出によって電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定する。したがって、要求される検査精度を確保しながら少量の第1の所定吐出量をもって印刷ヘッドの検査を行なうから、検査に用いる記録液体の消費量を抑制することができる。この結果、記録液体を受ける記録液体受け手段の容量(サイズ)を小さくでき、装置の小型化を図ることができる。ここで、「記録液体」は、染料系インクや顔料系インクなどが含まれる。
こうした本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記印刷装置の印刷に用いられる前記印刷ヘッドの吐出孔と前記支持面との距離を検出または推定する距離検出推定手段を備え、前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記印刷装置の印刷を伴って前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記検出または推定された距離が所定距離以下のときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行ない、前記検出または推定された距離が前記所定距離よりも長いときには前記ヘッド検査を行なわない手段であるものとすることもできるし、前記印刷装置の印刷に用いられる前記印刷ヘッドの吐出孔と前記支持面との距離を検出または推定する距離検出推定手段を備え、前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記印刷装置の印刷を伴って前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記検出または推定された距離が所定距離以下のときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行ない、前記検出または推定された距離が前記所定距離よりも長いときには該距離が該所定距離となるよう前記印刷ヘッドの吐出孔と前記印刷媒体との距離を調節すると共に前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行なう手段であるものとすることもできるし、前記印刷装置の印刷に用いられる前記印刷ヘッドの吐出孔と前記支持面との距離を検出または推定する距離検出推定手段を備え、前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記印刷装置の印刷を伴って前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記検出または推定された距離が所定距離以下のときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行ない、前記検出または推定された距離が前記所定距離よりも長いときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量よりも多い第2の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、印刷ヘッドの吐出孔と支持面との距離が所定距離よりも長いときでも適切に対処することができる。これらの場合、前記記録液体受け手段に吐出された記録液体の堆積量を検出または推定する堆積量検出推定手段を備え、前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記検出または推定された堆積量に基づいて前記所定距離を変更する手段であるものとすることもできる。印刷ヘッドの検査に伴って記録液体受け手段に吐出された記録液体が堆積されると、印刷ヘッドと記録液体受け手段との距離が実質的に縮まるから、所定距離を変更することにより印刷ヘッドの検査をより適切に行なうことができる。特に、記録液体として顔料系インクを用いた場合、吐出された記録液体が記録液体受け手段に堆積されやすくなるから、本発明の効果が顕著となる。この場合、前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記検出または推定された堆積量が多いほど長くなる傾向に前記所定距離を変更する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記電気的変化検出手段の検出結果を積分する積分手段を備え、前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記所定吐出量として所定吐出数をもって記録液体が連続的に吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録媒体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出されて前記積分手段により積分された積分結果に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明の印刷ヘッド検査装置において、前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出される記録液体が帯電されるよう該印刷ヘッドと前記記録液体受け手段との間に電圧を付与する電圧付与手段を備えるものとすることもできる。
本発明の印刷装置は、上述した各態様のいずれかの本発明の印刷装置、すなわち、基本的には、紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して該印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、該印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出された記録液体を受ける記録液体受け手段と、前記印刷ヘッドの吐出孔から帯電された状態で吐出された記録液体が前記記録液体受け手段に到達する際の電気的な変化を検出する電気的変化検出手段と、前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記印刷ヘッドの吐出孔と前記記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときに該距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が前記記録液体受け手段に向けて吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録液体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定するヘッド検査を行なう印刷ヘッド検査制御手段と、を備える印刷ヘッド検査装置を搭載する
ことを要旨とする。
この本発明の印刷装置では、上述した各態様のいずれかの本発明の印刷ヘッド検査装置を搭載するから、本発明の印刷ヘッド検査装置が奏する効果と同様の効果、即ち、印刷ヘッドの検査に用いる記録液体の消費量を抑制することができる効果や印刷装置の小型化を図ることができる効果などを奏することができる。
本発明の印刷ヘッド検査方法は、
紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して該印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出された記録液体を受ける記録液体受け手段と、前記印刷ヘッドの吐出孔から帯電された状態で吐出された記録液体が前記記録液体受け手段に到達する際の電気的な変化を検出する電気的変化検出手段とを備え、前記印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置に用いられる印刷ヘッド検査方法であって、
前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記印刷ヘッドの吐出孔と前記記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときに該距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が前記記録液体受け手段に向けて吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録液体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定することを特徴とする
ことを要旨とする。
この本発明の印刷ヘッド検査方法によれば、紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、印刷ヘッドの検査が指示されたとき、印刷ヘッドの吐出孔と記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときにその距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が記録液体受け手段に向けて吐出されるよう印刷ヘッドを制御すると共にこの記録液体の吐出によって電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定する。したがって、要求される検査精度を確保しながら印刷ヘッドの検査に用いる記録液体の消費量を抑制することができる。この結果、記録液体を受ける記録液体受け手段の容量(サイズ)を小さくでき、装置の小型化を図ることができる。
本発明では、上述した印刷ヘッド検査方法の態様の他に、印刷ヘッド検査方法を一以上のコンピュータに実行させるためのプログラムの態様とすることもできる。ここで、プログラムは、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(例えば、ハードディスク,ROM,FD,CD,DVDなど)に記録されたものを用いるものとしてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介して他のコンピュータから配信されたものを用いるものとしてもよいし、他の如何なる形態で受け取ったものを用いるものとしてもよい。こうしたプログラムを、一つのコンピュータあるいは二つ以上のコンピュータを用いて本発明の印刷ヘッド検査方法を実行することにより本発明の印刷ヘッド検査方法と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての印刷ヘッド検査装置50を搭載したインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、印刷ヘッド24の駆動回路を示す説明図であり、図3は、紙送り機構31の構成の概略を示す構成図であり、図4は、プラテンギャップ調整機構60の構成の概略を示す構成図であり、図5は、印刷ヘッド検査装置50の構成の概略を示す構成図である。
実施例のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、記録紙Sを支持するプラテン44上に対向配置された印刷ヘッド24やキャリッジ22などにより構成されるプリンタ機構21と、駆動モータ33により駆動される紙送りローラ35などにより構成されプラテン44上に記録紙Sを搬送可能な紙送り機構31と、印刷ヘッド24のノズル23とプラテン44上面との距離(以下、プラテンギャップと呼ぶ)を調整するプラテンギャップ調整機構60(図4参照)と、プラテン44の図中右側の領域に形成され印刷ヘッド24を封止するキャップ装置40と、プラテン44の図中左側の領域に形成され印刷ヘッド24のノズル23の目詰まりを検査する印刷ヘッド検査装置50と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備える。本発明の中核は印刷ヘッド24を検査する印刷ヘッド検査装置50にあるが、その他の関連する構成についても以下に順次説明する。
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32とキャリッジモータ34とによりガイド28に沿って左右に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、各インクカートリッジ26から供給された各インクを加圧することによりインク滴を吐出するノズル23を有する印刷ヘッド24とを備える。キャリッジ22の近傍には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。インクカートリッジ26は、図示しないが、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)などのインクを各々収納する容器として構成されており、キャリッジ22に着脱可能に装着されている。また、プラテン44の図中左側には、フラッシング領域42が形成されている。このフラッシング領域42は、ノズル23の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときに利用される。
印刷ヘッド24には、図2に示すように、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを吐出する複数のノズル23を配列したノズル列43が設けられている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23と総称し、すべてのノズル列をノズル列43と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列43C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列43M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列43Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列43Kと称する。以下、インクの吐出動作をノズル23Kを用いて説明する。この印刷ヘッド24では、180個のノズル23Kを記録紙Sの搬送方向に沿って配列してノズル列43Kを構成している。ノズル23Kには、インク滴を吐出するための駆動素子として圧電素子48が設けられており、この圧電素子48に電圧をかけることによりこの圧電素子48を変形させてインクを加圧しノズル23Kから吐出する。
この印刷ヘッド24には、各ノズル23Kをそれぞれ駆動する複数の圧電素子48に対応して設けられた複数のマスク回路47が設けられている。マスク回路47には、コントローラ70で生成された原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力される。なお、印刷信号PRTnの末尾のnはノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、実施例ではノズル列は180個のノズルからなるため、nは1から180のいずれかの整数値となる。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ22が一画素の間隔を横切る時間内)において、図2下部に示すように、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3との3つの駆動波形からなっている。この3つの駆動波形を繰り返し単位とする原信号ODRVを、実施例では1セグメントと称する。マスク回路47は、原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力されると、これらの信号に基づいて第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とのうち必要なパルスを駆動信号DRVn(nの意味するところは印刷信号PRTnのnと同じ)をノズル23Kの圧電素子48に向けて出力する。具体的には、マスク回路47から圧電素子48に第1パルスP1のみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには小さいドット(小ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには、中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには、大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、インクジェットプリンタ20では、一画素区間において吐出するインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列43C,43M,43Yについても上記ノズル23Kやノズル列43Kと同様である。また、印刷ヘッド24は、ここでは圧電素子48を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
紙送り機構31は、図3に示すように、給紙トレイ14に載置された記録紙Sを挿入する記録紙挿入口18と、給紙トレイ14に載置された記録紙Sを印刷ヘッド24に供給する給紙ローラ36と、印刷ヘッド24(プラテン44上)へ記録紙Sやロール紙を搬送する紙送りローラ35と、印刷後の記録紙Sを排紙する排紙ローラ37とを備えている。給紙ローラ36、紙送りローラ35及び排紙ローラ37は、図示しないギヤ機構を介して駆動モータ33(図1参照)により駆動される。なお、給紙ローラ36の回転駆動力と図示しない分離パッドの摩擦抵抗とによって、複数の記録紙Sが一度に給紙されることを防いでいる。
プラテンギャップ調整機構60は、図4に示すように、キャリッジ22のガイド28の両端に各々取り付けられたカム62(図4では片側だけ表示)と、カム62の下方に各々配置されカム62の外周面を支持する筒状の支持ピン64(図4では片側だけ表示)と、モータ66と、モータ66の回転を減速してガイド28に伝達する減速ギヤ68とを備える。ガイド28は、その移動が上下方向にのみ許容されるようインクジェットプリンタ20のフレームに形成された貫通孔61(図1参照)に貫通されており、モータ66の駆動によりガイド28に回転を伴ってカム62が回転すると、その回転位置に応じてガム62の回転軸と支持ピン62との距離が変化することにより貫通孔61に沿ってガイド28が上下方向に移動して、印刷ヘッド24(ノズル23)とプラテン44との距離すなわちプラテンギャップが調整される。
印刷ヘッド検査装置50は、本発明の中核をなすものであり、図5に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から飛翔されたインク滴が着弾可能な検査領域52が設けられた検査ボックス51と、検査領域52と印刷ヘッド24との間に電圧を印加する電圧印加回路53と、検査領域52の電圧を検出する電圧検出回路54とを備えている。検査ボックス51は、プラテン44の印刷可能領域から左側に外れた位置に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体である。この検査ボックス51の中には、インク滴が直接着弾する上側インク吸収体55と、この上側インク吸収体55に着弾したあと下方に透過してきたインク滴を吸収する下側インク吸収体56と、上側インク吸収体55と下側インク吸収体56との間に配置されたメッシュ状の電極部材57とが配置されている。上側インク吸収体55は、電極部材57と同電位となるように導電性を有するスポンジによって作製されている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、ここではエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E,ブリジストン(株)製)が用いられている。検査領域52は、上側インク吸収体55の表面に相当する。下側インク吸収体56は、上側インク吸収体55に比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されており、ここでは不織布(商品名:キノクロス、王子キノクロス(株)製)が用いられている。電極部材57は、ステンレス(例えばSUS)製の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側インク吸収体55に一旦吸収されたインクは格子状の電極部材57の隙間を通って下側インク吸収体56に吸収・保持される。電圧印加回路53は、電極部材57が正極、印刷ヘッド24が負極となるように直流電源(例えば400V)と抵抗素子(例えば1MΩ)とを介して両者を電気的に接続している。ここで、電極部材57は、導電性を有する上側インク吸収体55と接触しているため、上側インク吸収体55の表面すなわち検査領域52も電極部材57と同電位となる。電圧検出回路54は、検査領域52の電圧と同視される電極部材57の電圧を検出するように接続され、電極部材57の電圧信号を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号をA/D変換してコントローラへ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔・着弾による電圧変化が小さいことから、複数のインク滴の飛翔・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換してコントローラ70に出力するものである。
キャップ装置40は、図1に示すように、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときに利用されるものである。このキャップ装置40は、印刷ヘッド24がキャリッジ22と共に右端(ホームポジションという)まで移動したときに該印刷ヘッド24のノズル形成面を覆うように作動される。また、キャップ装置40には、図示しない吸引ポンプが接続されている。そして、例えば印刷ヘッド検査装置50でノズルのインク詰まりが検出されたときなど、必要に応じて、キャップ装置40で封止された印刷ヘッド24のノズル形成面に吸引ポンプの負圧を作用させてノズル23から詰まったインクを吸引排出させる。なお、吸引排出された廃インクやフラッシングで使用された廃インクは、図示しない廃液タンクに溜められる。
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)79と、図示しない入出力ポートとを備えている。RAM74には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファにユーザPC10からインタフェース(I/F)79を介して送られてきた印刷データが記憶される。このコントローラ70には、印刷ヘッド検査装置50の電圧検出回路54から出力された電圧信号や、リニア式エンコーダ25からのポジション信号などが入力ポートを介して入力されている。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24への駆動信号や、駆動モータ33,キャリッジモータ34,モータ66への駆動信号,キャップ装置40への信号などが出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された実施例のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。図6は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ROM73に記憶され、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたあと所定時間毎にCPU72により実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷待ち状態の印刷データが存在するか否かを判定する(ステップS100)。ここでは、ユーザPC10から受信した印刷データは、RAM74に形成された印刷バッファ領域に格納されて印刷待ち状態の印刷データとなるため、印刷データを受信したときに印刷中の場合だけでなく直ちに印刷可能な場合であっても印刷待ち状態の印刷データとなる。印刷待ち状態の印刷データが存在しないと判定されたときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、印刷待ち状態の印刷データが存在すると判定されたときにはこの印刷データに含まれユーザPC10上で印刷を指示する際にユーザによって選択された用紙種類としての用紙データを取得し(ステップS105)、取得した用紙データに基づいて印刷用プラテンギャップPGを設定する(ステップS110)。ここで、印刷用プラテンギャップPGの設定は、実施例では、用紙データと印刷用プラテンギャップPGとの関係を予め求めてテーブルとしてROM73に記憶しておき、用紙データが与えられるとテーブルから対応する印刷用プラテンギャップPGを導出することにより設定するものとした。このテーブルの一例を図7に示す。なお、印刷用プラテンギャップPGの設定は、実施例では、ユーザによって選択されユーザPC10から受信した用紙データに基づいて行なうものとしたが、これに限られず、例えば受発光素子からなる光学センサを用いて普通紙やマット紙,写真紙などの反射率の違いを検出することにより用紙種類を推定すると共に推定した用紙種類に基づいて設定するものとしてもよい。そして、検査用プラテンギャップPGthrを設定し(ステップS115)、印刷用プラテンギャップPGと検査用プラテンギャップPGthrとを比較する(ステップS120)。ここで、検査用プラテンギャップPGthrは、印刷ヘッド24を検査する際に許容される上限のプラテンギャップを示し、後述する検査用プラテンギャップ設定処理により設定される。検査用プラテンギャップPGthrは、デフォルト値としては値PG0(例えば1.5mmなど)に定められている。印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthr以下と判定されたときには、フラグFに値0を設定すると共に(ステップS125)、プラテンギャップが印刷用プラテンギャップPGに調整されるようモータ66を駆動制御し(ステップS130)、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいと判定されたときには、フラグFに値1を設定すると共に(ステップS135)、プラテンギャップが検査用プラテンギャップPGthrに調整されるようモータ66を駆動制御する(ステップS140)。ここで、フラグFは、プラテンギャップが印刷用プラテンギャップPGと検査用プラテンギャップPGthrのいずれに調整されているかを示すフラグである。こうしてプラテンギャップを調整すると、図8に例示する印刷ヘッド検査ルーチンを実行する(ステップS145)。以下、メインルーチンの説明を中断し、図8の印刷ヘッド検査ルーチンについて説明する。
印刷ヘッド検査ルーチンは、印刷ヘッド24に配置されたすべてのノズル23の目詰まりの有無を検査する処理であり、ROM73に記憶されている。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、キャリッジモータ34を駆動して印刷ヘッド24のノズル列43のうち検査対象となるノズル列43が検査位置に対向するようにキャリッジ22を移動し(ステップS200)、検査対象となるノズル列43のうち1つのノズル23のマスク回路47及び圧電素子48(図2参照)を介してそのノズル23から帯電したインク滴を1セグメント(3ショット分)の吐出数Snで吐出させる(ステップS210)。ここで、帯電したインク滴が印刷ヘッド24のノズル23から飛翔して検査領域52の上側インク吸収体55に至る際の電極部材57における電圧の推移について説明する。図9は、静電誘導によって誘導電圧が生じる原理を説明する説明図である。図9(a)に示すように、印刷ヘッド24でノズル23から飛翔する前のインク滴は電圧印加回路53によって負に帯電している。このため、図9(b)に示すように、この負に帯電したインク滴がノズル23から飛翔して上側インク吸収体55へ近づくにつれ、静電誘導によって上側インク吸収体55の表面には正電荷が増加する。この結果、印刷ヘッド24と電極部材57との間の電圧は、静電誘導によって生じる誘導電圧により当初の電圧値よりも高くなる。その後、図9(c)に示すように、負に帯電したインク滴が上側インク吸収体55に達すると、インク滴の負電荷により上側インク吸収体55の正電荷が中和される。この結果、印刷ヘッド24と電極部材57との間の電圧は当初の電圧値を下回る。その後、印刷ヘッド24と電極部材57との間の電圧は印加されている電圧値に戻る。このときの出力信号の振幅は、印刷ヘッド24と電極部材57との間に付与される電圧の大きさや印刷ヘッド24(ノズル23)から上側インク吸収体55(検査領域52)までの距離に依存するほか、飛翔するインク滴の有無やその大きさにも依存する。このため、ノズル23が詰まってインク滴が飛翔しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号の振幅が通常時に比べて小さくなるから、出力信号の振幅に基づいてノズル23の詰まりの有無を判定することができる。ただし、1ショット分のインク滴による出力信号の振幅は極めて小さいことから、駆動波形を表す1セグメントの第1〜第3パルスP1,P2,P3のすべてを出力して3ショット分のインク滴を吐出することにより、出力信号を3ショット分のインク滴による積分値として取り出している。なお、電圧検出回路54から出力される信号は、反転増幅回路54bを経由することから振幅の向きが逆転する(図9参照)。
図10に、センサギャップSGとセンサギャップSGで要求される検査精度を確保するために必要な最小ショット数との関係を示し、図11にセンサギャップSGとプラテンギャップPGとの関係を示す。なお、図11中「α」はプラテン44と上側インク吸収体55の上面との距離を示す。センサギャップSGは、図11に示すように印刷ヘッド24のノズル23から上側インク吸収体55の上面までの距離すなわちプラテンギャップPGに所定値αを加えたものである。図10に示すように、センサギャップSGが値(PG0+α)以下のとき即ち印刷用プラテンギャップPGが値PG0以下のときに要求される検査精度を確保するためには1セグメント(3ショット)の吐出数Snでよいことが解る。したがって、検査用プラテンギャップPGthrとして値PG0を定めたときには印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthr以下のときにはプラテンギャップを印刷用プラテンギャップPGに調整し、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいときにはプラテンギャップを検査用プラテンギャップPGthrに調整することにより1セグメント(3ショット)の吐出数Snで印刷ヘッド検査ルーチンを実行することができる。この結果、少ない吐出数Snで印刷ヘッド検査ルーチンを実行できるから、検査ボックス51の容量を予め小さくしておくことができ、印刷ヘッド検査装置50の小型化を図ることができる。メインルーチンのステップS115〜S140でプラテンギャップを検査用プラテンギャップPGthr以下に調整して印刷ヘッド検査ルーチンを実行するのはこうした理由による。検査用プラテンギャップPGthrは、図10に示すように、できる限り小さくなるように定めた方が少ない吐出数Snで印刷ヘッド検査ルーチンを実行することができるが、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きくなる頻度が高くなり、プラテンギャップを印刷用プラテンギャップPGよりも小さい検査用プラテンギャップPGthrに調整する必要からその調整量が多くなって印刷ヘッド検査ルーチンの実行に時間を要すると共にその後の印刷処理ルーチンの実行に伴って印刷用プラテンギャップPGに再調整する必要から印刷処理ルーチンの実行にも時間を要する。したがって、印刷頻度が高い用紙種類(例えば普通用紙)の印刷に伴って印刷ヘッドの検査を行なうときには印刷用プラテンギャップPGのまま印刷ヘッド検査ルーチンを実行できるように検査用プラテンギャップPGthrを定めることが望ましい。
こうして1セグメント(3ショット)の吐出数Snでノズル23から帯電したインク滴を吐出させると、電圧検出回路54からの出力信号の振幅(検査電圧)ΔVが閾値ΔVthr以上か否かを判定する(ステップS220)。ここで、閾値ΔVthrは、実施例では、図8の印刷ヘッド検査ルーチンと同一の条件でインク滴が正常に吐出されたときに電圧検出回路54により検出される出力信号の振幅とインク滴が正常に吐出されなかったときに電圧検出回路54により検出される出力信号の振幅とを識別するための閾値として予め定められている。出力信号の振幅ΔVが閾値ΔVthr未満と判定されたときには、今回のノズル23に詰まりなどの異常が生じていると判断し、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM74の所定領域に記憶する(ステップS230)。
ステップS230のあと又はステップS220で出力信号の振幅ΔVが閾値ΔVthr以上と判定されたとき(つまり今回のノズル23が正常だったとき)には、現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS240)、現在検査中のノズル列に未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS250)、その後再びステップS210に戻ってステップS210〜S240の処理を実行する。一方、現在検査中のノズル列に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったか否かを判定し(ステップS260)、未検査のノズル列43が存在するときには、検査対象となるノズル列43を未検査のノズル列43に更新し(ステップS270)、その後再びステップS200に戻ってステップS200〜S260の処理を実行する。一方、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったときには、検査が完了したと判断して本ルーチンを終了する。これにより、RAM74の所定領域には、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23がある場合にはそのノズル23を特定する情報が記憶され、異常が発生しているノズル23がない場合には何も記憶されない。
図6のメインルーチンに戻って、こうして印刷ヘッド検査ルーチンが実行されると(ステップS145)、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常の発生しているノズル23があるか否かをRAM74の所定領域の記憶内容に基づいて判定し(ステップS150)、異常が発生しているノズル23があると判定されたときには、目詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行なうが、その前にクリーニングを行なった回数(クリーニング回数CL)が所定回数(例えば3回)CLref未満か否かを判定する(ステップS155)。そして、クリーニング回数CLが所定回数CLref未満のときには、クリーニング回数CLを値1だけインクリメントすると共に(ステップS160)、印刷ヘッド24のクリーニングを実行する(ステップS165)。具体的には、キャリッジモータ34を駆動して印刷ヘッド24がキャップ装置40と対向するホームポジションに来るまでキャリッジ22を移動させ、キャップ装置40を作動してキャップ装置40が印刷ヘッド24のノズル形成面を覆うようにした後、ノズル形成面に図示しない吸引ポンプの負圧を作用させてノズル23から詰まったインクを吸引排出させる。このクリーニングを実行した後、ノズル23の異常が解消されたか否かを調べるため再びステップS145に戻って印刷ヘッド検査ルーチンを実行する。なお、このときの印刷ヘッド検査ルーチンでは、異常が発生していたノズル23のみを再検査してもよいが、何らかの原因でクリーニング時に正常だったノズル23に詰まりが発生することも考えられることから、印刷ヘッド24のすべてのノズル23について再検査を行なう。一方、ステップS155でクリーニング回数CLが所定回数CLref以上と判定されたときには、クリーニングを行ったとしても異常が発生したノズル23は正常化しないと判断し、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS170)、このメインルーチンを終了する。
ステップS150で異常が発生しているノズル23がない即ち全ノズル23が正常と判定されたときには、フラグFの値を調べ(ステップS175)、フラグFが値0と判定されたときにはプラテンギャップがステップS110で設定された印刷用プラテンギャップPGに調整されているからそのまま次の処理に進み、フラグFが値1と判定されたときにはプラテンギャップが検査用プラテンギャップPGthrに調整されているから印刷処理に移行するために印刷用プラテンギャップPGに再調整して次の処理に進む(ステップS180)。そして、クリーニング回数CLを値0にリセットすると共に(ステップS185)、図12に例示する印刷処理ルーチンを実行する(ステップS190)。この印刷処理ルーチンは、図12に示すように、印刷データを印刷する処理であり、ROM73に記憶されている。ここでは、「双方向印刷」を例に説明する。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、給紙処理を実行する(ステップS300)。給紙処理は、駆動モータ33の駆動により給紙ローラ36(図5参照)を回転駆動させ給紙トレイ14に載置された記録紙Sを紙送りローラ35まで搬送する処理である。次に、CPU72は、プラテンギャップPGを維持したままキャリッジモータ34の駆動によりキャリッジ22をホームポジションなどから図1において左方向に移動させながら印刷ヘッド24からインクを吐出させ印刷データに基づいて往路印刷を実行する(ステップS310)。続いて、CPU72は、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがあるか否かを判定し(ステップS320)、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべきデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップS330)、キャリッジモータ34の駆動によりキャリッジ22を図1において右方向に移動させながら印刷ヘッド24からインクを吐出させ印刷データに基づいて復路印刷を実行する(ステップS340)。続いて、CPU72は、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがあるか否かを判定し(ステップS350)、現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべきデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップS360)、ステップS310〜S350の処理を実行する。一方、ステップS320又はステップS350で現在印刷中の記録紙Sへ印刷すべき印刷データがないときには、CPU72は、記録紙Sを排紙する排紙処理を実行する(ステップS370)。排紙処理は、排紙ローラ37を回転駆動し、記録紙Sを排紙トレイに排出する処理である。ステップS370のあと、CPU72は、印刷すべき次のページがあるか否かを判定し(ステップS380)、印刷すべき次のページがあるときには、ステップS300〜S370の処理を実行し、印刷すべき次のページがないときには、この印刷処理ルーチンを終了する。また、図6のメインルーチンも、この印刷処理ルーチンが終了したあと終了する。
次に、メインルーチンのステップS115で実行される検査用プラテンギャップ設定処理について説明する。図13は、検査用プラテンギャップ設定処理の一例を示すフローチャートである。この検査用プラテンギャップ設定処理では、CPU72は、まず、メインルーチンのステップS110で設定されたプラテンギャップPGに図11に示す所定値αを加えてセンサギャップSGを計算する(ステップS116)。続いて、前回の印刷ヘッド検査ルーチンの実行によって電圧検出回路54により検出された出力信号の振幅ΔVのうち正常なものの平均値(前回ΔVave)に基づいてセンサギャップSG*を推定する(ステップS117)。前述したように、電圧検出回路54により検出される出力信号の振幅は印刷ヘッド24のノズル23から上側インク吸収体55(検査領域52)までの距離すなわちセンサギャップSGや印刷ヘッド24と電極部材57との間に付与される電圧の大きさ,インク滴の吐出の有無や大きさに依存するから、印刷ヘッド24と電極部材57との間に付与される電圧とインク滴の大きさおよび吐出数とを一定として印刷ヘッド24のノズル23から正常にインク滴が吐出された場合を考えると、出力信号の振幅からセンサギャップSG*を推定することができる。実施例では、センサギャップSG*は、センサギャップSG*と前回ΔVaveとの関係を予め求めてマップとしてROM73に記憶しておき、前回ΔVaveが与えられると記憶しているマップから対応するセンサギャップSG*を導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図14に示す。センサギャップSG*を推定すると、推定したセンサギャップSG*をステップS116で計算したセンサギャップSGから減じてインク堆積量Aを推定する(ステップS118)。図15に、計算したセンサギャップSGと推定したセンサギャップSG*とインク堆積量Aとの関係を示す。図示するように、センサギャップSGは印刷ヘッド24のノズル23から上側インク吸収体55の上面(検査領域52)までの距離を示すが、この上側インク吸収体55の上にインクが堆積すると、インクの導電性により堆積した部分が検査領域52として機能し、印刷ヘッド24のノズル23から検査領域52までの距離を実質的に短くする。印刷ヘッド24のノズル23と検査領域52との距離が短くなると、電圧検出回路54により検出される出力信号の振幅が大きくなるから、この出力信号の振幅(前回ΔVave)に基づいて図14により推定されるセンサギャップSG*は短くなる。即ち、インク堆積量Aが多くなるに従ってセンサギャップSG*が短くなる。したがって、センサギャップSGとセンサギャップSG*との偏差を調べることによりインク堆積量Aを推定することができる。こうしてインク堆積量Aを推定すると、推定したインク堆積量Aに基づいて検査用プラテンギャップPGthrを設定して(ステップS119)、本ルーチンを終了する。ここで、検査用プラテンギャップPGthrは、実施例では、インク堆積量Aと検査用プラテンギャップPGthrとの関係を予め求めてマップとしてROM73に記憶しておき、インク堆積量Aが与えられると記憶しているマップから対応する検査用プラテンギャップPGthrを導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図16に示す。検査用プラテンギャップPGthrは、図示するように、インク堆積量Aがゼロすなわち上側インク吸収体55にインク滴が全く堆積していないときに前述したデフォルト値PG0をとり、インク堆積量Aが多くなるに従って大きくなるよう設定される。これは、インク堆積量Aが多くなるほど印刷ヘッド24のノズル23から検査領域52までの距離を実質的に短くするから、デフォルト値PG0よりも大きな値の検査用プラテンギャップPGthrでも1セグメント(3ショット)で十分なレベルの出力信号の振幅を得ることができ、要求される検査精度を確保することができるからである。これにより、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthr以下となる頻度が高くなるため、印刷用プラテンギャップPGのままで印刷ヘッド検査ルーチンと印刷処理ルーチンとが実行される頻度が高くなり処理の迅速化を図ることができる。
以上説明した実施例のインクジェットプリンタ20によれば、印刷の実行に伴って用紙データに基づいて設定される印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthr以下のときにはプラテンギャップを印刷用プラテンギャップPGに調整し、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいときにはプラテンギャップを検査用プラテンギャップPGthrに調整して印刷ヘッド24のノズル23から最小セグメント(3ショット)のインク滴を検査領域52に向けて吐出し、これによって電圧検出回路54により検出された出力信号の振幅ΔVに基づいて印刷ヘッド24のノズル23の目詰まりを検査するから、要求される検査精度を確保しながら印刷ヘッド24の検査に用いるインクの消費量を抑制することができる。この結果、検査ボックス51の容量(サイズ)を予め小さくしておくことができ、印刷ヘッド検査装置50ひいてはインクジェットプリンタ20の小型化を図ることができる。しかも、前回の印刷ヘッド24のノズル23の検査結果(前回ΔVave)に基づいて上側インク吸収体55の上に堆積しているインクの量(インク堆積量A)を推定し、推定したインク堆積量Aが多いほど大きくなる傾向に検査用プラテンギャップPGthrを設定するから、印刷用プラテンギャップPGが比較的大きいときでも検査用プラテンギャップPGthrに調整することなしに印刷ヘッド検査ルーチンを実行でき、その後の印刷処理ルーチンを迅速に実行することができる。
ここで、実施例では、検査領域52が形成された検査ボックス51が記録液体受け手段に相当し、電圧印加回路53が電圧付与手段に相当し、電圧検出回路54が電気的変化検出手段に相当し、ステップS145の印刷ヘッド検査ルーチンを実行するCPU72がヘッド検査制御手段に相当する。
実施例のインクジェットプリンタ20では、3ショットを1セグメントとしてセグメント単位で吐出数Snを設定して印刷ヘッド24のノズル23から検査領域52にインク滴を吐出することにより印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとしたが、2ショットを1セグメントとしたり4ショット以上を1セグメントとしてセグメント単位で吐出数を設定して印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとしてもよいし、ショット単位で吐出数を設定して印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとしてもよい。これらの場合も、例えば、検査用プラテンギャップPGthrに基づいて図10の関係を用いて設定可能な吐出数のうちの最小の吐出数またはそれよりも若干多い吐出数を設定するものとすればよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、検査用プラテンギャップPGthrとして印刷ヘッド検査ルーチンを実行する際に許容されるプラテンギャップの上限を定めるものとしたが、印刷用プラテンギャップPGの設定可能範囲によっては印刷ヘッド24(ノズル23)や検査領域52の製造のバラツキなどによってノズル23を上側インク吸収体55に近づけ過ぎたときに接触や電圧印加回路53による絶縁破壊などの不具合が生じるおそれがあるから、検査用プラテンギャップPGthrとしてプラテンギャップの下限も定めるものとしてもよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、前回の印刷ヘッド検査ルーチンの実行によって電圧検出回路54により検出された出力信号の振幅(前回ΔVave)に基づいて上側インク吸収体55に堆積したインクの量(インク堆積量A)を求めるものとしたが、これに限られず、上側インク吸収体55にインク滴を吐出した回数を累積した値に基づいてインク堆積量Aを求めるものとしてもよいし、印刷ヘッド検査ルーチンの実行回数を累積した値に基づいてインク堆積量Aを求めるものとしてもよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、インク堆積量Aに基づいて検査用プラテンギャップPGthrを変更するものとしたが、インク堆積量Aを考慮せずに検査用プラテンギャップPGthrをデフォルト値PG0のまま変更しないものとしてもよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいときにはプラテンギャップを検査用プラテンギャップPGthrに調整すると共に印刷ヘッド検査ルーチンの実行後にプラテンギャップを印刷用プラテンギャップPGに再調整して印刷処理ルーチンを実行するものとしたが、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいときにはプラテンギャップを印刷用プラテンギャップPGに調整すると共に印刷ヘッド検査ルーチンを実行せずに印刷処理ルーチンを実行するものとしてもよいし、印刷用プラテンギャップPGが検査用プラテンギャップPGthrよりも大きいときにはプラテンギャップを印刷用プラテンギャップPGに調整すると共に吐出数Snを多くして印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとしてもよい。後者の場合、例えば、図10に示すセンサギャップSGと吐出数Snとの関係を用いてプラテンギャップPG(=SG−α)に基づいて吐出数Snを設定して印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとすればよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、複数ショット数のインク滴を検査領域52に吐出することにより印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとしたが、インク滴自体の大きさを変更できるタイプのプリンタでは複数ショット数を吐出する代わりにインク滴を大きくして検査領域52に吐出することにより印刷ヘッド検査ルーチンを実行するものとしてもよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、印刷ヘッド24を移動させることによりプラテンギャップを調整するものとしたが、印刷ヘッド24とプラテン44との距離を調整できればよいから、プラテン44を移動させることによりプラテンギャップを調整するものとしてもよいし、印刷ヘッド24とプラテン44の両方を移動させることによりプラテンギャップを調整するものとしてもよい。
実施例のインクジェットプリンタ20では、印刷ヘッド検査ルーチンの実行タイミングをメインルーチンで印刷待ちのデータが存在するタイミングとするものとしたが、印刷ヘッド検査ルーチンの実行タイミングをキャリッジ22の移動回数が所定回数に達するごと(例えば100パスごとなど)に実行するとしてもよいし、前回に印刷ヘッド検査ルーチンが実行されてから所定のインターバル(例えば1日ごとや1週間ごとなど)が経過した後で且つ印刷の指示がなされたときに実行するとしてもよいし、こうした印刷の実行を伴うタイミングに限られず、印刷の実行を伴わないタイミングで実行するものとしてもよい。
実施例では、印刷ヘッド24を検査する印刷ヘッド検査装置をインクジェット方式を採用したフルカラーのインクジェットプリンタ20に搭載するものとしたが、スキャナを搭載したマルチファンクションプリンタに適用するものとしてもよいし、FAX機やコピー機などの複合印刷装置に適用するものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
インクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図。 印刷ヘッド24の駆動回路を示す説明図。 紙送り機構31の構成の概略を示す構成図。 プラテンギャップ調整機構60の構成の概略を示す構成図。 印刷ヘッド検査装置50の構成の概略を示す構成図。 メインルーチンの一例を示すフローチャート。 用紙データと印刷用プラテンギャップPGとの関係を示すテーブル。 印刷ヘッド検査ルーチンの一例を示すフローチャート。 静電誘導によって誘導電圧が生じる原理を説明する説明図 センサギャップSGと吐出数Snとの関係を示す説明図。 プラテンギャップPGとセンサギャップSGとの関係を示す説明図。 印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャート。 検査用プラテンギャップ設定処理の一例を示すフローチャート。 前回ΔVaveとセンサギャップSG*との関係を示すマップ。 検査用プラテンギャップPGthrとインク堆積量Aとの関係を示すマップ。 センサギャップSG,SG*とインク堆積量Aとの関係を示す説明図。
符号の説明
10 ユーザPC、14 給紙トレイ、18 記録紙挿入口、20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23 ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、28 ガイド、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34 キャリッジモータ、35 紙送りローラ、36 給紙ローラ、37 排紙ローラ、40 キャップ装置、42 フラッシング領域、43 ノズル列、44 プラテン、47 マスク回路、48 圧電素子、50 印刷ヘッド検査装置、51 検査ボックス、52 検査領域、52a 第1領域、52b 第2領域、53 電圧印加回路、54 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c 変換回路、55 上側インク吸収体、56 下側インク吸収体、57 電極部材、60 プラテンギャップ調整機構、61 貫通孔、62 カム、64 支持ピン、66 モータ、68 減速ギヤ、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、79 インタフェース(I/F)。

Claims (12)

  1. 紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して該印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、該印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置であって、
    前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出された記録液体を受ける記録液体受け手段と、
    前記印刷ヘッドの吐出孔から帯電された状態で吐出された記録液体が前記記録液体受け手段に到達する際の電気的な変化を検出する電気的変化検出手段と、
    前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記印刷ヘッドの吐出孔と前記記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときに該距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が前記記録液体受け手段に向けて吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録液体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定するヘッド検査を行なう印刷ヘッド検査制御手段と、
    を備える印刷ヘッド検査装置。
  2. 請求項1記載の印刷ヘッド検査装置であって、
    前記印刷装置の印刷に用いられる前記印刷ヘッドの吐出孔と前記支持面との距離を検出または推定する距離検出推定手段を備え、
    前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記印刷装置の印刷を伴って前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記検出または推定された距離が所定距離以下のときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行ない、前記検出または推定された距離が前記所定距離よりも長いときには前記ヘッド検査を行なわない手段である
    印刷ヘッド検査装置。
  3. 請求項1記載の印刷ヘッド検査装置であって、
    前記印刷装置の印刷に用いられる前記印刷ヘッドの吐出孔と前記支持面との距離を検出または推定する距離検出推定手段を備え、
    前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記印刷装置の印刷を伴って前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記検出または推定された距離が所定距離以下のときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行ない、前記検出または推定された距離が前記所定距離よりも長いときには該距離が該所定距離となるよう前記印刷ヘッドの吐出孔と前記印刷媒体との距離を調節すると共に前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行なう手段である
    印刷ヘッド検査装置。
  4. 請求項1記載の印刷ヘッド検査装置であって、
    前記印刷装置の印刷に用いられる前記印刷ヘッドの吐出孔と前記支持面との距離を検出または推定する距離検出推定手段を備え、
    前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記印刷装置の印刷を伴って前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記検出または推定された距離が所定距離以下のときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行ない、前記検出または推定された距離が前記所定距離よりも長いときには該距離を維持したまま前記第1の所定吐出量よりも多い第2の所定吐出量をもって前記ヘッド検査を行なう手段である
    印刷ヘッド検査装置。
  5. 請求項2ないし4いずれか記載の印刷ヘッド検査装置であって、
    前記記録液体受け手段に吐出された記録液体の堆積量を検出または推定する堆積量検出推定手段を備え、
    前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記検出または推定された堆積量に基づいて前記所定距離を変更する手段である
    印刷ヘッド検査装置。
  6. 前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記検出または推定された堆積量が多いほど長くなる傾向に前記所定距離を変更する手段である請求項5記載の印刷ヘッド検査装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の印刷ヘッド検査装置であって、
    前記電気的変化検出手段の検出結果を積分する積分手段を備え、
    前記印刷ヘッド検査制御手段は、前記所定吐出量として所定吐出数をもって記録液体が連続的に吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録媒体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出されて前記積分手段により積分された積分結果に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定する手段である
    印刷ヘッド検査装置。
  8. 前記記録液体は、染料系インクまたは顔料系インクである請求項1ないし7いずれか記載の印刷ヘッド検査装置。
  9. 前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出される記録液体が帯電されるよう該印刷ヘッドと前記記録液体受け手段との間に電圧を付与する電圧付与手段を備える請求項1ないし8いずれか記載の印刷ヘッド検査装置。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載の印刷ヘッド検査装置が搭載された印刷装置。
  11. 紙などの印刷媒体を支持する支持面との距離を調節して該印刷媒体に記録液体を吐出する吐出孔が形成された印刷ヘッドを備える印刷装置に搭載され、前記印刷ヘッドの吐出孔から吐出された記録液体を受ける記録液体受け手段と、前記印刷ヘッドの吐出孔から帯電された状態で吐出された記録液体が前記記録液体受け手段に到達する際の電気的な変化を検出する電気的変化検出手段とを備え、前記印刷ヘッドを検査する印刷ヘッド検査装置に用いられる印刷ヘッド検査方法であって、
    前記印刷ヘッドの検査が指示されたとき、前記印刷ヘッドの吐出孔と前記記録液体受け手段との距離が所定の短距離領域に含まれるときに該距離で要求される検査精度を確保できる範囲内の吐出量のうち少量の第1の所定吐出量をもって帯電された記録液体が前記記録液体受け手段に向けて吐出されるよう前記印刷ヘッドを制御すると共に該記録液体の吐出によって前記電気的変化検出手段により検出される電気的な変化に基づいて前記印刷ヘッドの吐出孔の異常の有無を判定することを特徴とする
    印刷ヘッド検査方法。
  12. 請求項11記載の印刷ヘッド検査方法を一以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
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