JP2007118571A - 画像形成装置、画像形成方法及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷記録液以外のものを用いて間接的に求めるものに比べて精度よく印刷媒体の端部の位置を求めることができる。
【解決手段】本発明のインクジェットプリンタ20は、帯電したインク滴をインク受け領域52に吐出することにより発生する電圧変化を電圧検出回路54により検出してノズル23からインクが正常に吐出されるか否かのヘッド検査を実行可能である。また、このインクジェットプリンタ20は、縁無し印刷が指示されると、印刷ヘッド24内のインクを電圧印加回路53により帯電させ、インク受け領域52のうち記録紙Sのある領域と記録紙Sのない領域とにインクを吐出すると共に印刷ヘッド24を移動させ、電圧検出回路54により電圧が検出されなくなる位置に基づいて記録紙Sの端部を把握する。このように、インクそのものを直接用いて記録紙Sの先端部、側端部及び後端部を把握する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のインクジェットプリンタ20は、帯電したインク滴をインク受け領域52に吐出することにより発生する電圧変化を電圧検出回路54により検出してノズル23からインクが正常に吐出されるか否かのヘッド検査を実行可能である。また、このインクジェットプリンタ20は、縁無し印刷が指示されると、印刷ヘッド24内のインクを電圧印加回路53により帯電させ、インク受け領域52のうち記録紙Sのある領域と記録紙Sのない領域とにインクを吐出すると共に印刷ヘッド24を移動させ、電圧検出回路54により電圧が検出されなくなる位置に基づいて記録紙Sの端部を把握する。このように、インクそのものを直接用いて記録紙Sの先端部、側端部及び後端部を把握する。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びそのプログラムに関する。
従来、プリンタとしては、印刷ヘッドに光源と受光素子とを設け、この印刷ヘッドを記録紙の搬送方向に対して直交する主走査方向に移動させインクを吐出して記録紙に画像を印刷する際に、光源から光を照射し該照射した光が記録紙で反射した反射光を受光素子により検出することによって記録紙の端部の位置を把握し、この把握した端部の位置に基づいて記録紙以外の領域にインクを吐出しないようインクの吐出・停止制御を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−96874号公報(図2)
しかしながら、この特許文献1に記載されたプリンタでは、記録紙へのインク滴の着弾の有無をインク滴そのものを直接利用して判別するのではなく、記録紙へ照射した光の反射を利用して間接的に判別するため、必ずしも精度よく記録紙の端部の位置を把握することができなかった。このため、縁無し印刷を行う場合など、記録紙に余白が生じないように記録紙の端部からはみ出してインクを吐出させる領域を大きく設ける必要があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の端部の位置を求めるものに比べて精度よく印刷媒体の端部の位置を求めることができる画像形成装置、画像形成方法及びそのプログラムを提供することを目的の一つとする。また、印刷媒体の端部での印刷記録液の消費をより抑制することができる画像形成装置、画像形成方法及びそのプログラムを提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
本発明の画像形成装置は、
複数のノズルから印刷記録液を印刷媒体へ吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷媒体が通過し前記ノズルから吐出した印刷記録液が到達可能な印刷記録液受け領域と、
前記ノズルから印刷記録液を吐出させる印刷ヘッド駆動手段と、
前記印刷記録液受け領域又は前記印刷ヘッドの電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握する制御手段と、
を備えたものである。
複数のノズルから印刷記録液を印刷媒体へ吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷媒体が通過し前記ノズルから吐出した印刷記録液が到達可能な印刷記録液受け領域と、
前記ノズルから印刷記録液を吐出させる印刷ヘッド駆動手段と、
前記印刷記録液受け領域又は前記印刷ヘッドの電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握する制御手段と、
を備えたものである。
この画像形成装置では、印刷記録液受け領域と印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で印刷記録液受け領域のうち印刷媒体の端部を外れた領域と印刷媒体で覆われている領域とに印刷ヘッドがノズルから印刷記録液を吐出するよう印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を検出し、この検出した電気的変化に基づいて印刷媒体の端部の位置を把握する。このように、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の端部の位置を把握する。したがって、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の端部を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の端部の位置を求めることができる。ここで、「前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出する」とは、これらの領域のそれぞれへ同時に印刷記録液を吐出することのほか、これらの領域のそれぞれへ異なるタイミングで印刷記録液を吐出することを含む。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電気的変化検出手段が検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握するのに代えて又はこれに加えて、前記検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを吐出して直接得られた検出結果を利用して印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定するため、例えば、縁無し印刷を行う場合などに、印刷媒体の端部での印刷記録液の消費をより抑制することができる。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握するものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の先端部の位置を把握するため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の先端部を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の先端部の位置を求めることができる。ここで、「印刷媒体の先端部」とは、印刷媒体の搬送方向の先端部をいう。
本発明の画像形成装置において、前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列したノズル列を備え、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の先端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記ノズル列に含まれる前記ノズルから吐出された印刷記録液が到達可能な状態で固定されている前記印刷媒体へ、前記ノズル列のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域上のノズルから前記印刷媒体で覆われている領域上のノズルへ向かって順に前記ノズルを変えて前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握してもよい。こうすれば、印刷媒体を固定して印刷媒体の先端部を把握する操作を行うため、印刷媒体を移動させて印刷媒体の先端部を把握する操作を行うものと比べて比較的速やかに印刷媒体の先端位置を把握することができる。ここで、前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握するに際して、前記電気的変化が検出されなくなった位置を前記印刷媒体の先端の位置として把握してもよいし、前記電気的変化が検出されなくなった1つ前の位置を前記印刷媒体の先端の位置として把握してもよい。
本発明の画像形成装置は、前記印刷媒体を搬送方向に搬送可能な搬送手段、を備え、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記複数のノズルのうち特定ノズルから吐出された印刷記録液の前記印刷記録液受け領域へ到達する到達位置に向かって前記印刷媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に前記特定ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握してもよい。こうすれば、印刷媒体の先端部の位置が常に特定ノズルから吐出された印刷記録液の着弾する位置になるため、印刷する画像を印刷媒体の先端部に合わせて印刷を開始しやすい。ここで、前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握するに際して、前記電気的変化が検出されなくなった位置を前記印刷媒体の先端の位置として把握してもよいし、前記電気的変化が検出されなくなった1つ前の位置を前記印刷媒体の先端の位置として把握してもよい。このとき、前記制御手段は、前記複数のノズルのうち前記印刷媒体の搬送方向の最下流のノズルを前記特定ノズルとし該特定ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、印刷媒体の搬送方向の最下流の特定ノズルの印刷記録液の吐出位置が印刷媒体の先端部の位置になるため、一層印刷する画像を印刷媒体の先端部に合わせて印刷を開始しやすい。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記把握した前記印刷媒体の先端部の位置を利用して前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出して前記印刷媒体への縁無し印刷を行うよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、印刷記録液を吐出することにより精度よく把握した印刷媒体の先端部の位置を利用して縁無し印刷を実行可能であり、縁無し印刷において、印刷媒体に余白が生じないように印刷記録液を印刷媒体の先端部からはみ出して打つ領域を狭めることが可能であるため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の先端部を把握して印刷記録液の吐出を制御するものに比べて印刷記録液の消費を抑制することができる。このとき、前記制御手段は、前記印刷媒体への縁無し印刷を行うよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記把握した前記印刷媒体の先端部の位置より前記印刷媒体で覆われている領域側の前記ノズル及び前記印刷媒体の先端部直近の前記印刷媒体を外れた領域側の前記ノズルから前記印刷記録液を吐出させ、前記印刷媒体で覆われている領域側の前記ノズル及び前記印刷媒体の先端部直近の前記印刷媒体を外れた領域側の前記ノズル以外のノズルからは前記印刷記録液を吐出させないよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、印刷媒体の先端部から外れた領域側の該先端部直近のノズルからは印刷記録液が印刷媒体に吐出されるため、確実に印刷媒体に余白を生じないようにすると共にはみ出して吐出する印刷記録液の消費を抑制することができる。あるいは、前記制御手段は、前記印刷媒体への縁無し印刷を行うよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記把握した前記印刷媒体の先端部の位置より前記印刷媒体で覆われている領域側の前記ノズルから前記印刷記録液を吐出させ、前記把握した前記印刷媒体の先端部の位置より前記印刷媒体を外れた領域側の前記ノズルからは前記印刷記録液を吐出させないよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、印刷記録液を印刷媒体の先端部からはみ出して吐出しないため、一層印刷記録液の消費を抑制することができる。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御することにより前記印刷媒体の第1先端部の位置を把握し、該第1先端部の位置と異なる位置で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御することにより前記印刷媒体の第2先端部の位置を把握し、該把握した第1先端部及び第2先端部の位置に基づいて前記印刷媒体の傾きを把握してもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の傾きを把握するため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の傾きを求めるものに比べて精度よく印刷媒体の傾きを把握することができる。このとき、前記印刷ヘッド駆動手段は、前記搬送方向に直交する主走査方向に前記印刷ヘッドを移動させ、前記制御手段は、前記印刷媒体の第1先端部の位置と前記第2先端部の位置とを把握するに際して、前記第1先端部の位置を把握したあと前記第2先端部を把握する位置まで前記印刷ヘッドが前記主走査方向に移動するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、印刷ヘッドを主走査方向に移動することにより、比較的離れた第1先端部の位置と第2先端部の位置とを把握可能であるため、精度よく印刷媒体の傾きを把握することができる。あるいは、前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列した2以上のノズル列を備え、前記制御手段は、前記印刷媒体の第1先端部の位置と前記第2先端部の位置とを把握するに際して、前記印刷媒体の第1先端部の位置を把握するのに用いた前記ノズル列とは異なるノズル列を用いて前記第2先端部の位置を把握するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、異なるノズル列を用いることにより印刷ヘッドの移動を伴わなくても第1先端部の位置と第2先端部の位置とを把握可能であるため、比較的速やかに印刷媒体の傾きを把握することができる。
あるいは、本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の側端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって又は前記印刷媒体で覆われている領域から前記印刷媒体の側端部を外れた領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の側端部の位置を把握するものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の側端部の位置を把握するため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の側端部を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の側端部の位置を求めることができる。
本発明の画像形成装置において、前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列した2以上のノズル列を備え、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の側端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向の最前列の前記ノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させたときに前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置を前記印刷媒体の側端部の位置として把握し、該把握した前記印刷媒体の側端部の位置に基づいて他のノズル列に含まれるノズルからも前記印刷記録液を吐出させるよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、最前列のノズルから印刷記録液を吐出させて得られた印刷媒体の側端部の位置を利用して、次列以降のノズルの印刷記録液の消費を抑制することができる。ここで、「主走査方向の最前列のノズル列」とは、主走査方向に移動する印刷ヘッドからみたときの最前列のノズル列をいう。なお、把握した印刷媒体の側端部の位置に基づいて他のノズル列に含まれるノズルからも印刷記録液を吐出させるに際して、把握した印刷媒体の側端部の位置より他のノズル列に含まれるノズルからも印刷記録液を吐出させるものとしてもよい。
本発明の画像形成装置において、前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列した2以上のノズル列を備え、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体で覆われている領域から前記印刷媒体の側端部を外れた領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向の最前列の前記ノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させたときに前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されるようになった位置を前記印刷媒体の側端部の位置として把握し、該把握した前記印刷媒体の側端部の位置に基づいて前記最前列のノズル列及び他のノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させないよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、最前列のノズルから印刷記録液を吐出させて得られた印刷媒体の側端部の位置を利用して、次列以降のノズルの印刷記録液の消費を抑制することができる。なお、把握した印刷媒体の側端部の位置に基づいて最前列のノズル列及び他のノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させないようにするに際して、把握した印刷媒体の側端部の位置より最前列のノズル列及び他のノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させないようにしてもよい。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記最前列の前記ノズル列に含まれるノズルから前記印刷記録液を吐出することが制限されているときには、次列のノズル列から前記印刷記録液を吐出させたときに前記電気的変化検出手段によって検出された電気的変化に基づいて前記ノズルから前記印刷記録液を吐出・停止するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、最前列のノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出できないときであっても次列のノズルを用いて確実に印刷媒体の側端部の位置を求めることができる。ここで、「印刷記録液を吐出することが制限されているとき」は、例えば、印刷するデータに最前列のノズル列から吐出する印刷記録液の色が含まれていないときなどを含む。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前回把握した前記印刷媒体の側端部の位置を今回の該印刷媒体の側端部の位置として把握し、該把握した前記印刷媒体の側端部の位置に基づいて前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、前回求めた印刷媒体の側端部の位置を利用することにより今回の印刷媒体の側端部を把握するための処理を省略可能であるため、側端部を把握する処理の負担を低減することができる。
あるいは、本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷記録液受け領域での電気的変化を検出し、該検出結果に基づいて印刷媒体の後端部での吐出禁止ノズルを精度よく設定可能であるため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の後端部での吐出禁止ノズルを設定するもののように、例えば、縁無し印刷において印刷媒体に余白が生じないように印刷媒体の後端部からはみ出して印刷記録液を吐出させる領域を大きく設ける必要がなく印刷媒体の後端部での印刷記録液の消費をより抑制することができる。ここで、「印刷媒体の後端部」とは、印刷媒体の搬送方向の最後尾の端部をいう。また、「印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定する」とは、積極的に吐出禁止ノズルを設定することのほか、印刷記録液を吐出するノズルを設定することにより該設定したノズル以外のノズルを吐出禁止ノズルとすることを含む。また、「前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に印刷記録液を吐出する」とは、これらの領域のそれぞれへ同時に印刷記録液を吐出することのほか、これらの領域のそれぞれへ異なるタイミングで印刷記録液を吐出することを含む。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電気的変化検出手段が検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の後端部の位置を把握するのに代えて又はこれに加えて、前記検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の後端の領域以外に印刷記録液を吐出する方式である通常印刷方式と前記印刷媒体の後端の領域に印刷記録液を吐出する方式である後端部印刷方式とを切り替えて前記印刷ヘッド駆動手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷記録液受け領域での電気的変化を検出し、該検出結果に基づいて印刷媒体の後端部での印刷記録液を吐出する方式を切り替え可能であるため、適切なタイミングで印刷記録液の吐出方式を切り替えることができる。ここで、「印刷媒体の後端の領域」とは、印刷媒体の後端部を含む所定の領域をいう。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出された電気的変化に基づいて前記吐出禁止ノズルを設定するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記吐出禁止ノズル以外のノズルから前記印刷記録液を吐出し前記印刷記録液受け領域で前記電気的変化を検出したときには、前記吐出禁止ノズル以外のノズルのうち少なくとも前記印刷媒体の搬送方向の最上流のノズルを前記吐出禁止ノズルに設定してもよい。
搬送方向の最上流のノズルを吐出禁止ノズルに設定する態様を採用した本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出された電気的変化に基づいて前記吐出禁止ノズルを設定するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段が前記電気的変化を検出するたびに、前記吐出禁止ノズル以外のノズルのうち少なくとも前記搬送方向に直交する主走査方向に配列した前記搬送方向の最上流のノズル群を前記吐出禁止ノズルに設定してもよい。こうすれば、吐出禁止ノズル以外のノズルから印刷記録液を吐出し印刷記録液受け領域で電気的変化が検出されるたびに吐出禁止ノズルが設定され、吐出禁止ノズルが設定される機会が多いため、一層印刷記録液の消費を抑制することができる。また、印刷記録液受け領域で電気的変化が検出されたときには、ノズル群として一度に複数の吐出禁止ノズルが設定されるため、一層印刷記録液の消費を抑制することができる。
搬送方向の最上流のノズルを吐出禁止ノズルに設定する態様を採用した本発明の画像形成装置は、前記印刷媒体を前記搬送方向に搬送させる搬送手段、を備え、前記制御手段は、前記印刷媒体を搬送するよう前記搬送手段を制御すると共に前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段が前記電気的変化を検出したときには、前記吐出禁止ノズル以外のノズルのうち少なくとも前記搬送方向に直交する主走査方向に配列した前記搬送方向の最上流のノズル群を前記吐出禁止ノズルに設定し、次回の前記印刷媒体の搬送及び印刷記録液の吐出時に該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、今回設定した吐出禁止ノズルの設定内容を次回の印刷媒体の搬送及び印刷記録液の吐出時に反映させて印刷記録液の消費を抑制することができる。また、印刷記録液受け領域で電気的変化が検出されたときには、ノズル群として一度に複数の吐出禁止ノズルが設定されるため、一層印刷記録液の消費を抑制することができる。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化の大きさに基づいて前記吐出禁止ノズルに設定するノズル数をも設定してもよい。印刷記録液受け領域で検出される電気的変化の大きさは印刷媒体の後端部を外れた領域に吐出される印刷記録液の量に依存することから、適切な印刷記録液の吐出制限を行うことができる。このとき、前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化の大きさに基づいて前記吐出禁止ノズルに設定するノズル数を設定するに際して、前記電気的変化検出手段によって検出される電気的変化が大きくなると多くなる傾向に前記吐出禁止ノズルの数を設定してもよい。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の後端部の位置を把握してもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の後端部を把握するため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の後端部の位置を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の後端部の位置を求めることができる。このとき、前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列したノズル列を備え、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記ノズル列に含まれる前記ノズルから吐出された印刷記録液が到達可能な状態で固定されている前記印刷媒体へ、前記ノズル列のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域上のノズルから前記印刷媒体で覆われている領域上のノズルへ向かって順に前記ノズルを変えて前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置を前記印刷媒体の後端部の位置として把握してもよい。こうすれば、印刷媒体を固定して印刷媒体の後端部の位置を把握する操作を行うため、印刷媒体を移動させて印刷媒体の後端部の位置を把握する操作を行うものと比べて正確に印刷媒体の後端部の位置を把握することができる。
なお、本発明の画像形成装置において、前記印刷ヘッド駆動手段は、前記印刷ヘッドを前記主走査方向に移動させ、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記主走査方向に移動すると共に前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出した電気的変化に基づいて前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出して前記印刷媒体への縁無し印刷を行うよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御してもよい。こうすれば、印刷記録液を吐出することにより精度よく把握した印刷媒体の端部の位置を利用して縁無し印刷を実行可能であり、縁無し印刷において、印刷媒体に余白が生じないように印刷記録液を印刷媒体の端部からはみ出して打つ領域を狭めることが可能であるため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の端部を把握して印刷記録液の吐出を制御するものに比べて印刷記録液の消費を抑制することができる。
本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷ヘッドの複数のノズルの各々について、前記印刷記録液が前記印刷記録液受け領域へ向かって吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの前記電気的変化検出手段の検出結果に基づいて前記ノズルから前記印刷記録液が正常に吐出するか否かの検査を行ってもよい。こうすれば、印刷ヘッドからの印刷記録液の吐出検査と印刷媒体の端部の検出とを同じ印刷記録液受け領域で実行可能であるため、印刷記録液の吐出検査用の領域を新たに設ける必要がない。
本発明の画像形成装置において、前記印刷ヘッドは、前記印刷記録液を各色ごとに収容しており、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液のうち視認しにくい色の印刷記録液を吐出させるよう印刷ヘッド駆動手段を制御するものとしてもよい。こうすれば、印刷媒体の端部などに吐出し付着した印刷記録液を目立たなくすることができる。ここで、「視認しにくい色」は、例えば、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタなどの色であってもよいし、水や光沢感を出すためのクリアインクなど無色透明であってもよい。
本発明の画像形成装置において、前記印刷記録液受け領域は、プラテン上の印刷可能領域の略全域に形成され、前記電気的変化検出手段は、前記プラテン上の印刷可能領域の略全域での電気的変化を検出してもよい。こうすれば、様々なサイズの印刷媒体の端部を把握することができる。
本発明の画像形成装置は、前記印刷ヘッドと前記印刷記録液受け領域との間に所定の電位差を発生させると共に前記ノズルから吐出する前の印刷記録液を帯電させる電位差発生手段、を備え、前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記制御手段が前記印刷ヘッド駆動手段を制御する際には、前記印刷ヘッドと前記印刷記録液受け領域との間に前記所定の電位差を前記電位差発生手段に発生させると共に前記ノズルから吐出する前の印刷記録液を帯電させてもよい。
本発明の画像形成方法は、
複数のノズルから印刷記録液を印刷媒体へ吐出する印刷ヘッドと、前記ノズルから印刷記録液を吐出させる印刷ヘッド駆動手段と、前記印刷媒体が通過し前記ノズルから吐出した印刷記録液が到達可能な印刷記録液受け領域とを備えた画像形成装置を利用して前記印刷媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
(a)前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの前記印刷記録液受け領域又は前記印刷ヘッドの電気的変化を検出するステップと、
(b)前記ステップ(a)で検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握するステップと、
を含むものである。
複数のノズルから印刷記録液を印刷媒体へ吐出する印刷ヘッドと、前記ノズルから印刷記録液を吐出させる印刷ヘッド駆動手段と、前記印刷媒体が通過し前記ノズルから吐出した印刷記録液が到達可能な印刷記録液受け領域とを備えた画像形成装置を利用して前記印刷媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
(a)前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの前記印刷記録液受け領域又は前記印刷ヘッドの電気的変化を検出するステップと、
(b)前記ステップ(a)で検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握するステップと、
を含むものである。
この画像形成方法では、印刷記録液受け領域と印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で印刷記録液受け領域のうち印刷媒体の端部を外れた領域と印刷媒体で覆われている領域とに印刷ヘッドがノズルから印刷記録液を吐出するよう印刷ヘッド駆動手段を制御したときの印刷記録液受け領域又は印刷ヘッドの電気的変化を検出し、この検出した電気的変化に基づいて印刷媒体の端部の位置を把握する。このように、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の端部の位置を把握する。したがって、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の端部を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の端部の位置を求めることができる。
本発明の画像形成方法は、
(c)前記ステップ(b)に代えて又はこれに加えて、前記検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御するステップ、を含むものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを吐出して直接得られた検出結果を利用して印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定するため、例えば、縁無し印刷を行う場合などに、印刷媒体の端部での印刷記録液の消費をより抑制することができる。
(c)前記ステップ(b)に代えて又はこれに加えて、前記検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御するステップ、を含むものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを吐出して直接得られた検出結果を利用して印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定するため、例えば、縁無し印刷を行う場合などに、印刷媒体の端部での印刷記録液の消費をより抑制することができる。
本発明の画像形成方法において、前記ステップ(a)は、前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出したときの電気的変化を検出するステップであり、前記ステップ(b)は、前記ステップ(a)で検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握するステップであるものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の先端部の位置を把握するため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の先端部を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の先端部の位置を求めることができる。
あるいは、本発明の画像形成方法において、前記ステップ(a)は、前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の側端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって又は前記印刷媒体で覆われている領域から前記印刷媒体の側端部を外れた領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出したときの電気的変化を検出するステップであり、前記ステップ(b)は、前記ステップ(a)で検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の側端部の位置を把握するステップであるものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷媒体の側端部の位置を把握するため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の側端部を把握するものに比べて精度よく印刷媒体の側端部の位置を求めることができる。
あるいは、本発明の画像形成方法において、前記ステップ(a)は、前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出したときの電気的変化を検出するステップであり、前記ステップ(b)は、前記ステップ(a)で検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を前記印刷媒体へ吐出するステップであるものとしてもよい。こうすれば、ノズルから吐出された印刷記録液そのものを直接用いて印刷記録液受け領域での電気的変化を検出し、該検出結果に基づいて印刷媒体の後端部での吐出禁止ノズルを精度よく設定可能であるため、印刷記録液以外のものを用いて間接的に印刷媒体の後端部での吐出禁止ノズルを設定するもののように、例えば、縁無し印刷において印刷媒体に余白が生じないように印刷媒体の後端部からはみ出して印刷記録液を吐出させる領域を大きく設ける必要がなく印刷媒体の後端部での印刷記録液の消費をより抑制することができる。
なお、この画像形成方法において、上述した画像形成装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した画像形成装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述したいずれかの画像形成方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した画像形成方法の各ステップが実行されるため、該画像形成方法と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である記録紙エッジ検出装置50を含むインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、印刷ヘッド24の説明図であり、図3は、紙送り機構31の説明図であり、図4は、記録紙エッジ検出装置50の構成の概略を示す構成図であり、図5は、プラテン44の上面図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、印刷ヘッド24やキャリッジ22などにより構成されるプリンタ機構21と、駆動モータ33により駆動される紙送りローラ35を含む紙送り機構31と、プラテン44上の印刷可能領域の略全域に形成されインク滴の着弾の有無により記録紙Sの後端部を検出する記録紙エッジ検出装置50と、プラテン44の右端近傍に形成されたキャップ装置40と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。なお、本発明の中核をなす構成は記録紙エッジ検出装置50と印刷ヘッド24であるが、その他の構成についても順次説明する。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、図5に示すように、記録紙Sの印刷面を上面としたときに、印刷ヘッド24のホームポジションであるキャップ装置40側の側端部を記録紙Sの右端部と称し、他方側の側端部を記録紙Sの左端部と称し、搬送方向の先頭側を記録紙Sの先端部と称し、搬送方向の最後尾側を記録紙Sの後端部と称することとする。
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32とキャリッジモータ34とによりガイド28に沿って主走査方向である左右方向に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、各インクカートリッジ26から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24と、この印刷ヘッド24で加圧されたインク滴を記録紙Sに吐出するノズル23と、印刷中の記録紙Sを支持する支持部材としてのプラテン44とを備えている。キャリッジ22の近傍には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。インクカートリッジ26は、図示しないが、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)などの印刷用に用いる印刷記録液としてのインクを各々収納する容器として構成されており、キャリッジ22に着脱可能に装着されている。
ここで、プリンタ機構21の多くの構成要素(キャリッジ22など)については周知であるためその詳細な説明を省略し、以下に本発明と関連性の高い印刷ヘッド24について説明する。印刷ヘッド24には、図2に示すように、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のインクを吐出する複数のノズル23を配列したノズル列43が設けられている。なお、ここでは、すべてのノズルをノズル23と総称し、すべてのノズル列をノズル列43と総称し、シアンのノズル及びノズル列をノズル23C及びノズル列43C、マゼンタのノズル及びノズル列をノズル23M及びノズル列43M、イエローのノズル及びノズル列をノズル23Y及びノズル列43Y、ブラックのノズル及びノズル列をノズル23K及びノズル列43Kと称する。以下ノズル23Kを用いて説明する。この印刷ヘッド24では、180個のノズル23Kを記録紙Sの搬送方向に沿って配列してノズル列43Kを構成している。ノズル23Kには、インク滴を吐出するための駆動素子として圧電素子48が設けられており、この圧電素子48に電圧をかけることによりこの圧電素子48を変形させてインクを加圧しノズル23Kから吐出する。
この印刷ヘッド24は、各ノズル23Kをそれぞれ駆動する複数の圧電素子48に対応して設けられた複数のマスク回路47を備えている。マスク回路47には、コントローラ70で生成された原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力される。なお、印刷信号PRTnの末尾のnはノズル列に含まれるノズルを特定するための番号であり、本実施形態ではノズル列は180個のノズルからなるため、nは1から180のいずれかの整数値となる。この原信号ODRVは、一画素分の区間内(キャリッジ22が一画素の間隔を横切る時間内)において、図2下部に示すように、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3との3つの駆動波形からなっている。この3つの駆動波形を繰り返し単位とする原信号ODRVを、本実施形態では1セグメントと称する。マスク回路47は、原信号ODRVや印刷信号PRTnが入力されると、これらの信号に基づいて第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とのうち必要なパルスを駆動信号DRVn(nの意味するところは印刷信号PRTnのnと同じ)としてノズル23Kの圧電素子48に向けて出力する。具体的には、マスク回路47から圧電素子48に第1パルスP1のみが出力されると、ノズル23Kから1ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには小さいサイズのドット(小ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから2ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、第1パルスP1と第2パルスP2と第3パルスP3とが圧電素子48に出力されると、ノズル23Kから3ショットのインク滴が吐出され、記録紙Sには大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。このように、インクジェットプリンタ20では、一画素区間において吐出するインク量を調整することにより3種類のサイズのドットを形成することが可能である。なお、他の色のノズル23C,23M,23Yやノズル列43C,43M,43Yについても上記ノズル23Kやノズル列43Kと同様である。また、印刷ヘッド24は、ここでは圧電素子48を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
紙送り機構31は、図3に示すように、給紙トレイ14に載置された記録紙Sを挿入する記録紙挿入口18と、給紙トレイ14に載置された記録紙Sを印刷ヘッド24に供給する給紙ローラ36と、印刷ヘッド24へ記録紙Sを搬送する紙送りローラ35と、印刷後の記録紙Sを排紙する排紙ローラ37とを備えている。給紙ローラ36、紙送りローラ35及び排紙ローラ37は、図示しないギヤ機構を介して駆動モータ33(図1参照)により駆動される。紙送りローラ35及び給紙ローラ36は、駆動モータ33により逆転可能に構成され、記録紙Sが傾いて給紙されたときなどにこの記録紙Sを給紙トレイ14に送り戻し可能になっている。なお、給紙ローラ36の回転駆動力と図示しない分離パッドの摩擦抵抗とによって、複数の記録紙Sが一度に給紙されることを防いでいる。
記録紙エッジ検出装置50は、図4に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から飛翔したインク滴が着弾可能な検出ボックス51と、検出ボックス51内に設けられ印刷ヘッド24から所定の距離を隔てて設けられたインク受け領域52と、このインク受け領域52と印刷ヘッド24との間に電圧を印加する電圧印加回路53と、インク受け領域52の電圧を検出する電圧検出回路54とを備えている。検出ボックス51は、ハガキサイズの記録紙からA4サイズの記録紙まで印刷可能なようにプラテン44の左端から右端まで形成された印刷可能領域の略全域にわたって設けられ、上部が開口した筐体である。インク受け領域52は、縁無し印刷の実行時に記録紙の領域外に吐出されたインク滴を吸収するための領域であると共に、印刷ヘッド24からインク滴が吐出されることにより生じる静電誘導により惹起される誘導電圧を検出する領域である。このインク受け領域52には、図5に示すように、縁無し印刷時に各サイズの記録紙の側端部からはみ出たインクを吸収する第1〜第4側端部用インク吸収領域52a〜52dと、縁無し印刷時に記録紙の先端部や後端部からはみ出たインクを吸収する先後端部用インク吸収領域52eと、このインク受け領域52を通過する記録紙を裏側から支持する複数の支持柱44aとが形成されている。本実施形態では、記録紙としてハガキサイズ、B5サイズ、A4サイズの3種類に対応しているものとする。そして、第1側端部用インク吸収領域52aは、各サイズの記録紙の右端部をキャップ装置40の近傍に設けられた基準ガイドに沿って配置したときにその右端部がその上方を通過するように形成されている。また、第2〜第4側端部用インク吸収領域52b〜52dは、それぞれハガキサイズ、B5サイズ、A4サイズの記録紙の左端部がその上方を通過するように形成されている。これら第1〜第4側端部用インク吸収領域52a〜52dの搬送方向の長さは、ノズル列43よりも長くなるよう設計されている。また、先後端部用インク吸収領域52eは、記録紙のうち最も大きなA4サイズの横幅を超える大きさに設計され、支持柱44aは、側端部でのインクの到達を妨げないようにインク受け領域52のうち第1〜第4側端部用インク吸収領域52a〜52d以外の領域に設けられている。
このインク受け領域52は、図4に示すように、検出ボックス51の中に設けられ、インク滴が直接着弾する上側インク吸収体55と、この上側インク吸収体55に着弾したあと下方に透過してきたインク滴を吸収する下側インク吸収体56と、上側インク吸収体55と下側インク吸収体56との間に配置されたメッシュ状の電極部材57とにより構成されている。上側インク吸収体55は、電極部材57と同電位となるように導電性を有するスポンジによって形成され、その表面がインク受け領域52となっている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、ここではエステル系ウレタンスポンジ(商品名:エバーライトSK−E,ブリジストン(株)製)が用いられている。なお、上側インク吸収体55は、導電性を有しない材料で形成し液体に濡れることにより導電性を持つようにしてもよい。下側インク吸収体56は、上側インク吸収体55に比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されており、ここでは不織布(商品名:キノクロス,王子キノクロス(株)製)が用いられている。電極部材57は、ステンレス(例えばSUS)製の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側インク吸収体55に一旦吸収されたインクは格子状の電極部材57の隙間を通って下側インク吸収体56に吸収・保持される。
電圧印加回路53は、電極部材57が正極、印刷ヘッド24が負極となるように直流電源(例えば400V)と抵抗素子(例えば1MΩ)とを介して両者を電気的に接続している。ここで、電極部材57は、導電性を有する上側インク吸収体55と接触しているため、上側インク吸収体55の表面すなわちインク受け領域52の全体も電極部材57と同電位となる。この電圧印加回路53は、回路の開閉を行うスイッチSWを有しており、このスイッチSWは後述する印刷処理ルーチン及びヘッド検査ルーチンの実行時にオンにされるが、その他の場合にはオフにされる。電圧検出回路54は、インク受け領域52の電圧と同視される電極部材57の電圧を検出するように接続され、電極部材57の電圧信号を積分して出力する積分回路54aと、この積分回路54aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路54bと、この反転増幅回路54bから出力された信号をA/D変換してコントローラへ出力するA/D変換回路54cとを備えている。積分回路54aは、1つのインク滴の飛翔・着弾による電圧変化が小さいことから、同一のノズル23から吐出された複数のインク滴の飛翔・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路54bは、電圧変化の正負を反転させると共に回路構成によって決まる所定の増幅率で積分回路から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路54cは、反転増幅回路54bから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換してコントローラ70に出力するものである。
キャップ装置40は、図1に示すように、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときに利用されるものである。このキャップ装置40は、印刷ヘッド24がキャリッジ22と共に右端(ホームポジションという)まで移動したときに該印刷ヘッド24のノズル形成面を覆うように作動される。また、キャップ装置40には、図示しない吸引ポンプが接続されている。そして、例えば記録紙エッジ検出装置50でノズルのインク詰まりが検出されたときなど、必要に応じて、キャップ装置40で封止された印刷ヘッド24のノズル形成面に吸引ポンプの負圧を作用させ、詰まったインクをノズル23から吸引排出させる。なお、吸引排出された廃インクは、図示しない廃液タンクに溜められる。
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)79と、図示しない入出力ポートとを備えている。なお、ROM73には、後述するメインルーチンやヘッド検査ルーチン、印刷処理ルーチンの各処理プログラムが記憶されている。また、RAM74には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファにユーザPC10からI/F79を介して送られてきた印刷データが記憶される。このコントローラ70には、記録紙エッジ検出装置50の電圧検出回路54から出力された電圧信号や、リニア式エンコーダ25からのポジション信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC10から出力された印刷ジョブなどがI/F79を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24(マスク回路47や圧電素子48を含む)への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34への駆動信号、キャップ装置40への動作制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPCへの印刷ステータス情報などがI/F79を介して出力される。
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。ここでは、まず、メインルーチンの動作について説明する。図6は、コントローラ70のCPU72により実行されるメインルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ROM73に記憶され、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたあと所定のタイミングごとに(例えば数msecごとに)CPU72により実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷待ち状態の印刷データが存在するか否かを判定する(ステップS100)。ここでは、ユーザPC10から受信した印刷データは、RAM74に形成された印刷バッファ領域に格納されて印刷待ち状態の印刷データとなるため、印刷データを受信したときに印刷中の場合だけでなく直ちに印刷可能な場合であっても印刷待ち状態の印刷データとなる。そして、ステップS100で印刷待ち状態の印刷データが存在しないときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS100で、印刷待ち状態の印刷データが存在したときには、ヘッド検査ルーチンを実行する(ステップS110)。
ここで、ヘッド検査ルーチンについて説明する。このルーチンは、図7に示すように、印刷ヘッド24に配置されたすべてのノズル23の詰まりの有無を検査する処理であり、ROM73に記憶されている。このルーチンが開始されると、CPU72は、電圧印加回路53のスイッチSWをオンすると共に、今回の検査位置、つまりノズル23からインクを吐出するインク受け領域52の位置を取得する(ステップS200)。ここでは、検査位置はインク受け領域52のうち第1〜第4側端部用インク吸収領域52a〜52dに設定されており、検査でのインクの吐出によりインク受け領域52の表面にインクに含まれる固形物が堆積することがあるため、検査ごとに検査位置を変更するように設定されている。図8は、ヘッド検査処理における検査位置の説明図である。図8では複数の検査位置p1,p2,p3,p4が設定され、1回の検査においては、検査位置の違いによる誘導電圧の検出値のばらつきが生じないように、各ノズル列43で同じ検査位置にインクを吐出するよう設定されている。また、ある検査位置だけにインクの固形分が堆積し過ぎないように、次回の検査位置は今回の検査位置とは別の位置にインクを吐出するようになっている。
続いて、CPU72は、キャリッジモータ34を駆動して、印刷ヘッド24のノズル列43のうち検査対象となるノズル列43が今回の検査位置に対向するようにキャリッジ22を移動し(ステップS210)、検査対象となるノズル列43のうち1つのノズル23のマスク回路47及び圧電素子48(図2参照)を介してそのノズル23から帯電したインク滴を吐出させる(ステップS220)。
ここで、帯電したインク滴が印刷ヘッド24のノズル23から飛翔してインク受け領域52の上側インク吸収体55に至る場合の電極部材57における電圧の推移について図9に基づいて説明する。図9はインクを吐出する際に電圧変化が生じる原理の説明図であり、(a)がノズル23からインク滴が飛翔する前の説明図、(b)がノズル23からインク滴が飛翔しているときの説明図、(c)がインク滴がインク受け領域52に着弾したときの説明図である。このインク受け領域52での電圧の変化の原因は、以下の説明内容によるものと推察される。図9(a)に示すように、印刷ヘッド24でノズル23から飛翔する前のインク滴は電圧印加回路53によって負に帯電している。また、印刷ヘッド24とインク受け領域52とは距離を隔てて配置されると共に両者間に所定の電位差が発生していることから、両者間には所定の電界強度が生じている。このため、図9(b)に示すように、この負に帯電したインク滴がノズル23から飛翔して上側インク吸収体55へ近づくにつれ、静電誘導によって上側インク吸収体55の表面には正電荷が増加する。この結果、印刷ヘッド24と電極部材57との間の電圧は、静電誘導によって生じる誘導電圧により当初の電圧値よりも高くなる。その後、図9(c)に示すように、負に帯電したインク滴が上側インク吸収体55に達すると、インク滴の負電荷により上側インク吸収体55の正電荷が中和される。この結果、印刷ヘッド24と電極部材57との間の電圧は当初の電圧値を下回る。その後、印刷ヘッド24と電極部材57との間の電圧は印加されている電圧値に戻る。このときの出力信号の振幅は、印刷ヘッド24から上側インク吸収体55(インク受け領域52)までの距離に依存するほか、飛翔するインク滴の有無や数、その大きさにも依存する。このため、ノズル23が詰まってインク滴が飛翔しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号の振幅が通常時に比べて小さくなる。したがって、出力信号の振幅に基づいてノズル23の詰まりの有無を判定することができる。本実施形態では、インク滴が所定の大きさであっても1ショット分のインク滴による出力信号の振幅が極めて小さいことから、インク吐出数は、駆動波形を表す1セグメントの第1〜第3パルスP1,P2,P3のすべてを出力する操作を8回行うことにより24ショット分のインク滴を1つのノズルから吐出する。これにより、出力信号は24ショット分のインク滴による積分値となるため、電圧検出回路54からは十分大きな出力波形が得られる。なお、電圧検出回路54から出力される信号は、反転増幅回路54bを経由することから振幅の向きが逆転する(図9参照)。
さて、ステップS220で検査対象となるノズル列43のうちの1つのノズル23のマスク回路47や圧電素子48を介してそのノズル23から帯電したインク滴を吐出させたあと、電圧検出回路54から出力された電圧の極大値が閾値Vthr以上か否かを判定する(ステップS230)。この閾値Vthrは、24ショット分のインクが正常に吐出されたときに出力信号の振幅が超えることができるように経験的に定められた値である。ステップS230で出力信号の振幅が閾値Vthr未満だったときには、今回のノズル23に詰まりなどの異常が生じているとみなし、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM74の所定領域に記憶する(ステップS240)。
このステップS240のあと又はステップS230で出力信号の振幅が閾値Vthr以上のとき(つまり今回のノズル23が正常だったとき)、現在検査中のノズル列43に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS250)、現在検査中のノズル列に未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS260)、その後再びステップS220〜S260の処理を行う。一方、ステップS250で現在検査中のノズル列に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったか否かを判定し(ステップS270)、未検査のノズル列43が存在するときには、検査対象となるノズル列43を未検査のノズル列43に更新し(ステップS280)、その後再びステップS210〜S280の処理を行う。一方、ステップS270で印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列43について検査を行ったときには、電圧印加回路53のスイッチSWをオフし(ステップS290)、本ルーチンを終了する。この本ルーチンを実行することにより、RAM74の所定領域には、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23がある場合にはそのノズル23を特定する情報が記憶され、異常が発生しているノズル23がない場合には何も記憶されない。
さて、図6のメインルーチンに戻り、ステップS110でヘッド検査ルーチンを実行したあと、CPU72は、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23があるか否かを、ヘッド検査ルーチンでRAM74の所定領域に記憶された内容に基づいて判定し(ステップS120)、異常が発生しているノズル23があるときには、詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行うが、その前にクリーニングを行った回数が所定回数(例えば3回)未満か否かを判定する(ステップS130)。そして、クリーニングを行った回数が所定回数未満のときには、印刷ヘッド24のクリーニングを実行する(ステップS140)。具体的には、キャリッジモータ34を駆動して印刷ヘッド24がキャップ装置40と対向するホームポジションに来るまでキャリッジ22を移動させ、キャップ装置40を作動してキャップ装置40が印刷ヘッド24のノズル形成面を覆うようにしたのち、ノズル形成面に図示しない吸引ポンプの負圧を作用させてノズル23から詰まったインクを吸引排出させる。このクリーニングを実行したあと、ノズル23の異常が解消されたか否かを調べるため再びステップS110に戻る。なお、このステップS110では、異常が発生していたノズル23のみを再検査してもよいが、何らかの原因でクリーニング時に正常だったノズル23に詰まりが発生することも考えられることから、印刷ヘッド24のすべてのノズル23について再検査を行う。一方、ステップS130でクリーニングを行った回数が所定回数以上だったときには、クリーニングを行ったとしても異常が発生したノズル23は正常化しないとみなし、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS150)、このメインルーチンを終了する。一方、ステップS120で異常が発生しているノズル23がなかったときには、印刷処理ルーチンを実行し(ステップS160)、このメインルーチンを終了する。
この印刷処理ルーチンは、本発明の中核をなす制御である、縁無し印刷における記録紙Sの先端部、測端部及び後端部でのインクの吐出制御を含む処理である。本実施形態では、説明の便宜のため、記録紙Sの先端部、測端部及び後端部でのインクの吐出制御をそれぞれ分けて説明するものとする。ここでは、まず記録紙Sの先端部でのインクの吐出制御について第1実施形態として説明する。
[第1実施形態]
図10は、記録紙Sの先端部を検出する印刷処理ルーチンのフローチャートである。ここでは、ユーザによってハガキサイズの記録紙Sの縁無し印刷が選択された場合について主に説明する。この印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、給紙処理を実行する(ステップS300)。給紙処理は、駆動モータ33により給紙ローラ36(図3参照)を回転駆動させ給紙トレイ14に載置された記録紙Sを搬送しプラテン44の先後端部用インク吸収領域52e上で停止させる処理である。ここでは、記録紙Sが先後端部用インク吸収領域52e上に位置するよう給紙ローラ36の送り量を経験的に求め、この求めた送り量となるように給紙ローラ36を駆動する。なお、先後端部用インク吸収領域52e上に記録紙Sが配置されると、先後端部用インク吸収領域52eのうち記録紙Sの先端部を外れた領域と記録紙Sで覆われている領域とにノズル列43に含まれるノズル23から吐出されたインク滴が到達可能な状態となる。
図10は、記録紙Sの先端部を検出する印刷処理ルーチンのフローチャートである。ここでは、ユーザによってハガキサイズの記録紙Sの縁無し印刷が選択された場合について主に説明する。この印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、給紙処理を実行する(ステップS300)。給紙処理は、駆動モータ33により給紙ローラ36(図3参照)を回転駆動させ給紙トレイ14に載置された記録紙Sを搬送しプラテン44の先後端部用インク吸収領域52e上で停止させる処理である。ここでは、記録紙Sが先後端部用インク吸収領域52e上に位置するよう給紙ローラ36の送り量を経験的に求め、この求めた送り量となるように給紙ローラ36を駆動する。なお、先後端部用インク吸収領域52e上に記録紙Sが配置されると、先後端部用インク吸収領域52eのうち記録紙Sの先端部を外れた領域と記録紙Sで覆われている領域とにノズル列43に含まれるノズル23から吐出されたインク滴が到達可能な状態となる。
次に、CPU72は、印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かを判定する(ステップS310)。印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かの判定は、印刷データに含まれている印刷条件の情報に基づいて判定するものとした。なお、給紙時に給紙ローラ36のすべりなどにより記録紙Sの位置には若干のずれが生じることがあるため、ユーザPC10は、ユーザにより縁無し印刷が選択されると、記録紙Sにフチが生じないように印刷が指示された画像データを記録紙Sのサイズよりも大きな画像データに拡大加工し、この画像データと縁無し印刷用のデータである情報とを含む印刷データをインクジェットプリンタ20に送信するものとした。
さて、ステップS310で印刷データが縁無し印刷用のデータではないときには、CPU72は、通常印刷処理を実行する(ステップS500)。ここで、通常印刷処理について説明する。通常印刷処理では、CPU72は、給紙された記録紙Sにインクの吐出位置(初期状態ではホームポジション側の位置)にキャリッジ22を移動させ、印刷データに基づいて圧電素子48を駆動してインクを記録紙Sに吐出させると共にキャリッジ22を主走査方向(記録紙Sの右端部から左端部の方向)へ移動させる。次に、現在のパスが終了したか否かを判定する。ここで、「パス」とは、印刷ヘッド24が図1でのプラテン44上にある記録紙Sの一端(例えばホームポジション側の端部)から他端まで1回移動する動作のことをいう。この現在のパスが終了したときには、印刷すべき次パスのデータがあるか否かを判定し、次パスのデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し、印刷データに基づいて圧電素子48を駆動してインクを記録紙Sに吐出させる上述の処理を実行する。一方、次パスのデータがないときには、CPU72は、排紙ローラ37を回転駆動し記録紙Sを排紙トレイに排出する排紙処理を実行する。そして、ステップS500の通常印刷処理のあと、CPU72は、印刷すべき次のページがあるか否かを判定し(ステップS510)、印刷すべき次のページがあるときには、ステップS300で新たな記録紙Sを給紙し、ステップS310で印刷データが縁無し印刷用のデータでないと判定し、ステップS500で記録紙Sにインクを吐出する上述の通常印刷処理を実行し、ステップS510で印刷すべき次のページがないときには、この印刷処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS310で印刷データが縁無し印刷用のデータであるときには、CPU72は、電圧印加回路53のスイッチSWをオンすることにより印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に電圧印加回路53により所定の電位差を発生させ(ステップS320)、記録紙Sの第1先端部の位置を検出する第1キャリッジ位置にキャリッジモータ34によりキャリッジ22を移動させると共に、インクを吐出させるノズルの番号nを1にセットする(ステップS330)。ここで、第1キャリッジ位置は、記録紙Sを基準ガイドに沿って配置したときの記録紙Sの右端部近傍(第1側端部用インク吸収領域52a内)に設定されている(後述図12参照)。なお、CPU72は、リニア式エンコーダ25の値に基づいてキャリッジ22を第1キャリッジ位置に移動させる。また、インク滴を吐出するノズル23は、ここでは、視認しにくい色インクであるイエローのノズル23Yに設定されており、最初にインクを吐出するノズル23Yは、記録紙Sの搬送方向の最下流のノズル23Y(n=1のノズル)に設定されている。さて、第1キャリッジ位置にキャリッジ22を移動したあと、CPU72は、n番目のノズル23Yからインクを吐出させる(ステップS340)。ここで、インク滴の吐出数は、24ショット(8セグメント)に設定されている。なお、インク吐出数は、正確にインク滴のインク受け領域52への着弾が検出可能な吐出数であればよく、24ショットより少なくてもよい。
続いて、CPU72は、インク受け領域52の先後端部用インク吸収領域52eにインク滴が到達することにより生じる静電誘導の電圧出力があるか否かを判定する(ステップS350)。静電誘導の電圧出力があるか否かの判定は、電圧検出回路54から出力された電圧の極大値が所定の閾値以上か否かに基づいて行う。ここでは、所定の閾値としてヘッド検査ルーチンと同じ閾値Vthrを用いるものとした。ステップS350で静電誘導の電圧出力があると判定されたときには、インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの先端部の上方にないものとみなし、CPU72は、ノズル番号nに1を加える(ステップS360)。ここでは、ノズル23Yを変更するに際して、前回のノズル23Yよりも記録紙Sの搬送方向に対し1つ上流のノズル23Yに今回のノズルを変更するようになっている。続いて、CPU72は、n番目のノズル23Yからインク滴を吐出させ(ステップS340)、ステップS350で静電誘導の電圧出力がなくなるまでステップS340〜S360の処理を繰り返す。一方、ステップS350で静電誘導の電圧出力がないと判定されたときには、今回インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの先端部の上方にあり、記録紙Sによりインク滴がインク受け領域52へ到達するのが遮られたものとみなし、今回インク滴を吐出したノズル23Yの番号nを記録紙Sの第1先端部の位置としてRAM74に記憶する(ステップS370)。
ここで、ステップS340〜S370の処理について、図11を用いて説明する。図11は、記録紙Sの先端部の位置を把握する説明図である。この図11は、上段の図がキャップ装置40側から印刷ヘッド24の側面方向を見た説明図であり、中段の図が上方から印刷ヘッド24を見た説明図であり、下段の図がインク受け領域52での出力電圧の検出図である。(a)〜(d)では、上段、中段及び下段の図が互いに対応している。図11(a)に示すように、まず、ノズル列43Yのうちn=1のノズル23Yからインク滴を吐出させる。このとき、吐出されたインク滴がインク受け領域52に着弾することにより生じる静電誘導の誘導電圧が電圧検出回路54により検出されることから(図11(a)の下段)、CPU72は、n=1のノズル23Yが記録紙Sの先端部より外れた位置にあると把握する。次に、図11(b)に示すようにn=2のノズル23Yに変更してインク滴を吐出させる。ここでも同様に誘導電圧が検出されることから(図11(b)の下段)、n=2のノズル23Yが記録紙Sの先端部より外れた位置にあると把握する。このように、インク滴を吐出するノズルを変更して電圧検出回路54で誘導電圧を検出していく。そして、図11(c)でn=4のノズル23Yからのインク滴の吐出による誘導電圧が検出されたあと、図11(d)でn=5のノズル23Yからのインク滴の吐出による誘導電圧が検出されなくなると(図11(d)の下段)、CPU72は、n=4のノズル23Yとn=5のノズル23Yとの間に記録紙Sの先端部の位置があると把握する。ここで、記録紙Sの搬送方向に配列した複数のノズル23同士には所定の間隔(いわゆるノズルピッチ)がある。このため、記録紙Sの先端部の位置は、誘導電圧が検出されなかったノズル23Y(ここではn=5)の位置にノズルピッチの長さを含めた位置として把握される(後述図12の拡大図参照)。こうすれば、ノズルピッチの存在による記録紙Sの先端部での余白の発生を防止することができる。そして、ここでは、便宜的に今回のノズル23Yの番号(n=5)を記録紙Sの第1先端部の位置としてRAM74に記憶するのである。なお、ここでは、誘導電圧が検出されなくなったノズル23Yの位置を記録紙Sの先端部の位置としたが、記録紙Sの先端の位置と印刷ヘッド24の位置とが相対的に把握できればよく、誘導電圧が検出されなくなった1つ前の位置を記録紙Sの先端の位置として把握してもよい。
さて、ステップS370のあと、CPU72は、記録紙Sの第2先端部の位置を検出する第2キャリッジ位置にキャリッジモータ34によりキャリッジ22を移動させ、インクを吐出させるノズルの番号nを1にセットする(ステップS380)。ここで、第2キャリッジ位置は、実際に給紙された記録紙Sのサイズにかかわらずハガキサイズの記録紙Sを基準ガイドに沿って配置したときの記録紙Sの左端部近傍の位置(第2側端部用インク吸収領域52b近傍)に設定されている(後述図12参照)。なお、CPU72は、リニア式エンコーダ25の値に基づいてキャリッジ22を第2キャリッジ位置に移動させる。第2キャリッジ位置にキャリッジ22を移動したあと、CPU72は、上述の記録紙Sの第1先端部の位置の把握と同様の処理を実行する。即ち、n番目のノズル23Yからインクを吐出させ(ステップS390)、先後端部用インク吸収領域52eにインク滴が到達することにより生じる静電誘導の電圧出力があるか否かを判定し(ステップS400)、静電誘導の電圧出力があるときには、インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの先端部上にないものとみなし、ノズル番号nに1を加える(ステップS410)。ここでは、最初にインクを吐出するノズル23Yは、記録紙Sの搬送方向の最下流のノズル23Y(n=1のノズル)に設定されている。また、インクを吐出するノズル23Yを変更するに際して、前回のノズル23Yよりも記録紙Sの搬送方向の1つ上流のノズル23Yに今回のノズルを変更するようになっている。続いて、CPU72は、n番目のノズル23Yからインク滴を吐出させ(ステップS390)、静電誘導の電圧出力があるか否かを判定し(ステップS400)、ステップS400で静電誘導の電圧出力がないと判定されるまでステップS390〜S410の処理を繰り返す。一方、ステップS400で静電誘導の電圧出力がないと判定されたときには、今回インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの先端部の上方にあり、記録紙Sによりインク滴がインク受け領域52へ到達するのが遮られたものとみなし、今回インク滴を吐出したノズル23Yの番号nを記録紙Sの第2先端部の位置としてRAM74に記憶する(ステップS420)。そして、CPU72は、ステップS370でRAM74に記憶した記録紙Sの第1先端部の位置とこの記録紙Sの第2先端部の位置とに基づいて記録紙Sの傾きを把握する(ステップS430)。
ここで、ステップS330〜S430での処理について図12及び図13を用いて説明する。図12は、記録紙Sが傾かずに給紙されたときの説明図、図13が記録紙Sが傾いて給紙されたときの説明図である。上述したように、第1キャリッジ位置である記録紙Sの右端部近傍でノズル23Yを変更すると共にノズル23Yからインクを吐出させて第1先端部の位置を把握し、この把握した第1先端部の位置をRAM74に記憶したあと(点線参照)、キャリッジ22を第2キャリッジ位置に移動し記録紙Sの左端部近傍でノズル23Yを変更すると共にノズル23Yからインクを吐出させて第2先端部の位置を把握し、この把握した第2先端部の位置をRAM74に記憶するのである。次に、記録紙Sの傾きの把握について説明する。図12に示すように、第1先端部の位置に対応するノズル23Yの番号(n=5)と第2先端部の位置に対応するノズル23Yの番号(n=5)とが同じときには、記録紙Sが傾かずに給紙されていることがわかる。また、図13に示すように、第1先端部の位置に対応するノズル23Yの番号(n=3)と第2先端部の位置に対応するノズル23Yの番号(n=5)とが異なるときには、記録紙Sが傾いて給紙されていることがわかる。
続いて、CPU72は、給紙された記録紙Sが傾いているか否かを判定し(ステップS440)、図13に示すように記録紙Sが傾いて給紙されていると判定されたときには、傾斜対処処理を実行する(ステップS450)。ここでは、ステップS450の傾斜対処処理は、紙送りローラ35及び給紙ローラ36を逆回転してプラテン44上に傾いて給紙された記録紙Sを給紙トレイ14に一旦戻す処理を行うよう設定されている。そして、ステップS450で記録紙Sを給紙トレイ14に戻したあと、CPU72は、再度記録紙Sを給紙して記録紙Sの傾きを把握する、上述したステップS300〜S440の処理を実行する。このように、傾いて給紙された記録紙Sが搬送方向に真っ直ぐに給紙されるよう傾斜対策処理を行う。
一方、ステップS440で記録紙Sが傾いて給紙されていないと判定されたときには、CPU72は、インクの吐出位置にキャリッジ22を移動させ、記録紙Sの先端部を用いて、印刷データに基づいて圧電素子48やキャリッジモータ34などを制御し現在のパスのインク吐出制御を行う(ステップS460)。ここで、記録紙Sの先端部を利用してインク吐出制御を行うに際して、インク受け領域52のうち記録紙Sの先端部の位置より記録紙Sで覆われている領域側のノズル23及び記録紙Sの先端部直近の記録紙Sを外れた領域側のノズル23からインクを吐出させ、それ以外のノズル23からはインクを吐出させないよう制御する。なお、インクの吐出位置は、初期状態では記録紙Sを基準ガイドに沿って配置したときの記録紙Sの右端部近傍の位置であり、印刷処理の進行と共に図1において左方向に移動した位置になるよう設定されている。ここで、図12を用いてこの処理について説明する。インクジェットプリンタ20では、印刷ヘッド24の各ノズル列43の最下流のノズル23(n=1のノズル)と拡大処理した印刷用の画像データの先端部とが合うように設定されている。また、画像データの先端部より印刷ヘッド24が1パスする際にノズル列43からインクを吐出可能な領域を先端領域とする。つまり、先端領域は、ノズル23から吐出したインクが記録紙Sの先端部からはみ出す可能性がある領域として定められている。ここでは、n=5のノズル23が記録紙Sの第1及び第2先端部の位置となっている。まず、キャリッジ22をホームポジション側(図12において左側)に移動したあと、各ノズル列43のノズル23のうちn=5以降のノズル23については記録紙Sが存在する領域にあり、n=4のノズル23については記録紙Sの先端部直近にあることから、印刷データに基づいて、n=4以降のノズル23からインクを吐出するよう圧電素子48などを制御し、n=1〜3のノズル23については記録紙Sの先端部の位置から外れていることから、インクを吐出しないよう圧電素子48などを制御する。つまり、拡大処理された印刷用画像のうち、記録紙Sの存在する領域及び余白の発生を防止するための領域にはインクを吐出し、記録紙Sの先端部から外れた領域にはインクの吐出を制限して画像データを記録紙Sに印刷するのである。
さて、ステップS460のあと、CPU72は、先端領域の印刷が終了したか否かを、印刷ヘッド24のすべてのノズル23のインクの吐出制限がなくなったか否かに基づいて判定し(ステップS470)、先端領域の印刷が終了していないと判定されたときには、記録紙Sを搬送する搬送処理を行い(ステップS480)、ステップS460の処理を行う。ここで、記録紙Sを搬送すると先端部の上方に位置するノズル23が変わるため、2回目以降のステップS460の処理では、記録紙Sの先端部の移動に合わせて先端部の位置として記憶されたノズル番号も変更するよう設定されている。例えば、初期の先端位置がノズル23(n=5)の場合に、1回の搬送でノズル3個分だけ記録紙Sが移動するときには、搬送後の先端位置はノズル23(n=2)となるように設定されている。一方、ステップS470で先端領域の印刷が終了したと判定されたときには、電圧印加回路53のスイッチSWをオフし(ステップS490)、上述した通常印刷処理を行う(ステップS500)。そして、ステップS500の通常印刷処理のあと、CPU72は、ステップS510で印刷すべき次のページがあるか否かを判定し、印刷すべき次のページがあるときには、上述したステップS300〜S500の処理を実行し、ステップS510で印刷すべき次のページがないときには、この印刷処理ルーチンを終了する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のインク受け領域52が本発明の印刷記録液受け領域に相当し、マスク回路47、圧電素子48、キャリッジベルト32及びキャリッジモータ34が印刷ヘッド駆動手段に相当し、電圧印加回路53が電位差発生手段に相当し、電圧検出回路54が電気的変化検出手段に相当し、紙送り機構31が搬送手段に相当し、CPU72が制御手段に相当する。また、本実施形態のインクが本発明の印刷記録液に相当し、記録紙Sが印刷媒体に相当する。なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ20の動作を説明することにより本発明の画像形成方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本第1実施形態のインクジェットプリンタ20によれば、インク受け領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させ吐出前のインクを帯電させた状態でインク受け領域52のうち記録紙Sの先端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域にわたって印刷ヘッド24がノズルからインクを吐出したときの電気的変化を検出し、この検出した電気的変化に基づいて記録紙Sの先端部の位置を把握する。このように、ノズル23から吐出されたインクそのものを直接用いて記録紙Sの先端部の位置を把握する。したがって、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの先端部を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの先端部の位置を求めることができる。また、記録紙Sからはみ出してインクを吐出する領域を低減可能であることから、縁無し印刷の実行において記録紙Sのサイズよりも大きな印刷データに加工する際にその印刷データを大きくする度合いを低減可能であるため、印刷指示した画像に近い印刷後の画像を得ることができる。
また、記録紙Sを固定して記録紙Sの先端部を把握する操作を行うため、記録紙Sを移動させて記録紙Sの先端部を把握する操作を行うものと比べて比較的速やかに記録紙Sの先端位置を把握することができる。
更に、縁無し印刷において、記録紙Sに余白が生じないようにインクを記録紙Sの先端部からはみ出して打つ領域を狭めることが可能であり、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの先端部を把握してインクの吐出を制御するものに比べてインクの消費を抑制することができるし、記録紙Sからはみ出して吐出することにより発生するインクミストによるインクジェットプリンタ20内部の汚れを低減することができる。また、インク受け領域52のうち記録紙Sの先端部の位置より記録紙Sで覆われている領域側のノズル23及び記録紙Sの先端部直近の記録紙Sを外れた領域側のノズル23からインクを吐出させ、それ以外のノズル23からはインクを吐出させないよう制御するため、確実に記録紙Sに余白を生じないようにすると共にはみ出して吐出するインクの消費を抑制することができる。
更にまた、第1キャリッジ位置で記録紙Sの第1先端部の位置を把握したあと、キャリッジ22を主走査方向に移動させ、この第1先端部の位置と異なる第2キャリッジ位置で記録紙Sの第2先端部の位置を把握し、該把握した第1先端部及び第2先端部の位置に基づいて記録紙Sが傾いているか否かを判定するため、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの傾きを求めるものに比べて精度よく記録紙Sが傾いているか否かを求めることができる。また、印刷ヘッド24を主走査方向に移動することにより、記録紙Sの横幅と同等程度まで離れた第1先端部の位置と第2先端部の位置とを把握可能であるため、精度よく記録紙Sの傾きを把握することができる。また、プラテン44上に給紙された記録紙Sを給紙トレイ14に送り戻す傾斜対処処理を実行したのちこの送り戻した記録紙Sを再給紙させるため、再給紙された記録紙Sの姿勢を安定させることができる。
そして、記録紙Sの先端部の位置を把握するに際して、各色のインクのうち視認しにくいイエローのインクを吐出させるため、記録紙Sの先端部の位置を把握する際に記録紙Sへ付着したインクを目立たなくすることができる。また、インク受け領域52がプラテン44上の印刷可能領域の略全域に形成され、電圧検出回路54がプラテン44上の印刷可能領域の略全域の電気的変化を検出するため、広い範囲で記録紙Sの先端部の位置を把握することができる。更に、印刷ヘッド24の複数のノズル23の各々について、インクをインク受け領域52へ向かって吐出させたときの電圧検出回路54の検出結果に基づいてノズル23からインクが正常に吐出するか否かのヘッド検査を行うため、印刷ヘッド24からのインクの吐出検査と記録紙Sの先端部の検出とを同じインク受け領域52で実行可能であり、インクの吐出検査用の領域を新たに設ける必要がない。
そしてまた、電圧印加回路53は、インク受け領域52のうち記録紙Sの先端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域にわたって印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出する際には、印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に所定の電位差を発生させると共にノズル23から吐出する前のインクを帯電させるため、記録紙Sの先端部の位置の検出の際に、確実にインクの吐出による静電誘導を発生させることができる。
そして更に、印刷データを受信したあとヘッド検査ルーチン及びクリーニング処理を実行することによりすべてのノズル23からインクを吐出可能な状態としたのちに記録紙Sの先端部の位置の把握及び画像の印刷を実行するため、確実に記録紙Sの先端部を把握することができるし、インクを正常に吐出できないノズルの存在による印刷後の画像の画質低下を抑制することができる。
上述した第1実施形態では、印刷処理ルーチンのステップS490の傾斜対処処理を、紙送りローラ35及び給紙ローラ36を逆回転してプラテン44上に傾いて給紙された記録紙Sを給紙トレイ14に一旦戻す処理を行うものとしたが、この傾斜対処処理として先端部からインクをはみ出さないよう、傾いて給紙された記録紙Sに印刷処理を行ってもよい。具体的には、図14に示すように、ステップS370で把握した記録紙Sの第1先端部の位置と、ステップS420で把握した記録紙Sの第2先端部の位置とを結ぶ仮想先端ラインを求める。そして、この仮想先端ラインより記録紙Sで覆われている領域側及び仮想先端ラインに直近の記録紙Sの先端部を外れた領域のノズル23からインクを吐出させ、それ以外のノズル23からインクを吐出させないよう、印刷データに基づいて圧電素子48やキャリッジモータ34などを制御する。なお、図14では、キャリッジ22を主走査方向に移動したときのノズル列43Yについてのインク吐出設定を示し、ノズル列43Yに含まれるノズル23Yのうちインクを吐出するノズルを黒丸で示し、インクを吐出しないノズルを白丸で示した。こうすれば、傾いて給紙された記録紙Sの先端部でのインクの消費を抑制することができる。あるいは、傾斜対処処理として上記仮想先端ラインの角度から記録紙Sの傾きを求め、RAM74に記憶されている印刷データを加工処理することによって、傾いて給紙された記録紙Sに合わせて印刷する画像を傾けて印刷処理を行ってもよい。こうすれば、記録紙Sの先端部でのインクの消費を抑制すると共に傾いて給紙された記録紙Sに印刷指示した画像の通りに印刷することができる。あるいは、傾斜対処処理としてエラーメッセージをインクジェットプリンタ20の筐体に設けられた図示しないディスプレイに表示させ、排紙処理を行うようにしてもよい。こうしても、プラテン44上に真っ直ぐに給紙した記録紙Sへ印刷することができる。
上述した第1実施形態では、先後端部用インク吸収領域52eの上方に記録紙Sを固定し、ノズル列43Yに含まれるノズル23Yをn=1から順番に変更すると共にインクを吐出させることによりインク受け領域52のうち記録紙Sの先端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域にわたってノズル23Yからインクを吐出するとしたが、図15に示すように、インクを吐出するノズルを特定のノズル23Yspに固定し、記録紙Sを搬送方向に搬送させることによりインク受け領域52のうち記録紙Sの先端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域にわたってノズル23Yからインクを吐出させてもよい。図15は、記録紙Sを搬送させて記録紙Sの先端部の位置を把握する説明図である。具体的には、図10の印刷処理ルーチンのステップS330のあと、CPU72は、特定ノズル23Ysp(例えば搬送方向に最下流のn=1のノズル)からインクを吐出させ、インク受け領域52で静電誘導の電圧出力があるか否かを判定し、電圧出力があるときには(図15(a))、記録紙Sを所定量(例えば1ノズル分)搬送し、電圧出力がなくなるまで上記処理を繰り返し(図15(b)〜(c))、電圧出力がないと検出されたときには(図15(d))、特定ノズル23Yspが記録紙Sの先端部の上方に達したとみなす。つまり、記録紙Sの頭出しが終了したものとして印刷を開始する。こうすれば、常に、記録紙Sの先端部の位置が記録紙Sの搬送方向の最下流の特定ノズル23Yspから吐出されたインクの着弾する位置になるため、印刷する画像を記録紙Sの先端部に合わせて印刷を開始しやすい。また、このように、印刷する画像を記録紙Sの先端部に合わせて印刷を開始可能であることから、縁無し印刷において記録紙Sのサイズよりも大きな印刷データに加工する処理を省略することもできる。なお、電圧出力がないと検出された記録紙Sを1ノズル分又は数ノズル分だけ搬送方向と逆向きに搬送してから印刷を開始してもよい。こうすれば、1ノズル分又は数ノズル分だけインクをはみ出して吐出することにより確実に記録紙Sに余白を生じないようにすると共にはみ出して吐出するインクの消費を抑制することができる。また、上述した第1実施形態と同様に、第1キャリッジ位置と第2キャリッジ位置で記録紙Sの先端部の位置をこの方法により把握して、記録紙Sの傾きを把握するとしてもよい。
上述した第1実施形態では、第1キャリッジ位置で記録紙Sの第1先端部の位置を把握したあと、キャリッジ22を主走査方向に移動させ、この第1先端部の位置と異なる第2キャリッジ位置で記録紙Sの第2先端部の位置を把握し、該把握した第1先端部及び第2先端部の位置に基づいて記録紙Sが傾いているか否かを判定するとしたが、この第2先端部の位置を把握する処理を省略してもよい。こうしても、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの先端部を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの先端部の位置を求めることはできる。また、例えば記録紙Sを傾けずに精度よく給紙できるものにおいては、縁無し印刷においてインクの消費を低減することができる。
上述した第1実施形態では、第1キャリッジ位置で記録紙Sの第1先端部の位置を把握したあと、キャリッジ22を主走査方向に移動させ、この第1先端部の位置と異なる第2キャリッジ位置で記録紙Sの第2先端部の位置を把握するとしたが(ステップS340〜S420)、図16及び図17に示すように、記録紙Sの第1先端部の位置を把握するのに用いたノズル列43とは異なるノズル列43を用いて記録紙Sの第2先端部の位置を把握するとしてもよい。図16は、別の印刷処理ルーチンのフローチャートであり、図17は、異なるノズル列43Y,43Kにより第1及び第2先端部の位置を把握する説明図である。具体的には、図16に示すように、図10の印刷処理ルーチンのステップS330のあと、CPU72は、第1ノズル列(例えばノズル列43K)のノズル(例えば初期状態はn=1のノズル)からインクを吐出させ(ステップS600)、インク受け領域52で静電誘導の電圧出力があるか否かを判定し(ステップS610)、電圧出力があるときには(図17(a))、ノズル番号nに1を加えることによりノズル23Kを次のノズルに変更し(ステップS620)、ステップS600〜S620の処理を繰り返し、ステップS610で電圧出力がないときには(図17(b))、今回インク滴を吐出したノズル23Kが記録紙Sの先端部の上方にあるとみなし、今回のノズル23Kの番号(ここではn=5)を第1先端位置として記憶する(ステップS630)。次に、CPU72は、キャリッジ22の移動を伴わずに第2ノズル列(例えばノズル列43Y)のノズル(例えば初期状態はn=1のノズル)からインクを吐出させ(ステップS640)、インク受け領域52で静電誘導の電圧出力があるか否かを判定し(ステップS650)、電圧出力があるときには(図17(c))、ノズル番号nに1を加えることによりノズル23Yを次のノズルに変更し(ステップS660)、ステップS640〜S660の処理を繰り返し、ステップS650で電圧出力がないときには(図17(d))、今回インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの先端部の上方にあるとみなし、今回のノズル23Yの番号(ここではn=5)を第2先端位置として記憶し(ステップS670)、図10の印刷処理ルーチンのステップS430以下の処理を行う。こうすれば、異なるノズル列43K,43Yを用いることにより印刷ヘッド24の移動を伴わなくても第1先端部の位置と第2先端部の位置とを把握可能であるため、比較的速やかに記録紙Sが傾いているか否かを把握することができる。なお、第1ノズル列と第2ノズル列とは、なるべく離れたものとすることが記録紙Sの傾きを把握する観点からは好ましい。
上述した第1実施形態では、ノズル23Yの吐出により把握した記録紙Sの先端位置を利用して、インク受け領域52のうち記録紙Sの先端部の位置より記録紙Sで覆われている領域側のノズル23及び記録紙Sの先端位置に直近の記録紙Sを外れた領域のノズル23からインクを吐出させ、それ以外のノズル23からはインクを吐出させないよう制御するとしたが、ノズル23Yの吐出により記録紙Sの先端位置を把握したあと、この把握した先端位置が、所望のノズル23の直下に来るよう搬送処理を行ってもよい。こうすれば、記録紙Sの先端部の位置が常に所望のノズル23から吐出されたインクの着弾する位置になるため、印刷する画像を記録紙Sの先端部に合わせて印刷を開始しやすい。このとき、例えば、n=1のノズル23の直下に記録紙Sの先端部の位置が来るように記録紙Sを搬送してもよい。こうすれば、搬送方向の最下流のノズル23(n=1)のインク吐出位置が記録紙Sの先端部の位置になるため、一層印刷する画像を印刷媒体の先端部に合わせて印刷を開始しやすい。
上述した第1実施形態では、インク受け領域52のうち記録紙Sの先端部の位置より記録紙Sで覆われている領域側のノズル23及び記録紙Sの先端部直近の記録紙Sを外れた領域側のノズル23からインクを吐出させ、それ以外のノズル23からはインクを吐出させないよう制御するとしたが、ノズル23Yの吐出により把握した記録紙Sの先端位置を利用して、インク受け領域52のうち記録紙Sの先端部の位置より記録紙Sで覆われている領域側のノズル23からインクを吐出させ、記録紙Sの先端部の位置より記録紙Sを外れた領域側のノズル23からはインクを吐出させないよう制御するようにしてもよい。ここで、このように制御する場合、ノズル列43に含まれるノズル23同士の間隔(ノズルピッチ)が十分狭いものであることが好ましい。こうすれば、インクを記録紙Sの先端部からはみ出して吐出しないため、一層インクの消費を抑制することができる。
上述した第1実施形態では、記録紙Sの先端部の位置を把握するにあたり、視認しにくい色としてイエローのインクを用いるとしたが、これに限定されず、ライトシアン、ライトマゼンタなどのインクを用いてもよいし、水など無色透明の液体や光沢感を出すためのクリアインクなどを用いてもよい。また、上述した第1実施形態では、記録紙Sの先端部の位置を把握する際に吐出するインクをイエローのインクに固定したが、記録紙Sの先端部の位置を把握する際に吐出するインクを実際の印刷で印刷データに基づいて記録紙Sに吐出するインクとしてもよい。つまり、本第1実施形態では、図12に示すように、拡大処理した印刷用画像を印刷する際に、各ノズルのうちどのインクをどの位置で吐出させるかが予めわかるため、実際に印刷させる際に吐出するインクを記録紙Sの先端部の位置を把握する際に吐出させるのである。こうすれば、先端部を把握する際に吐出したインク滴により、印刷後の画像へ悪影響を与えることがない。
[第2実施形態]
次に、記録紙Sの側端部でのインクの吐出制御を第2実施形態として説明する。図18は、記録紙Sの側端部を検出する印刷処理ルーチンのフローチャートである。この印刷処理は、縁無し印刷における記録紙Sの側端部を把握する処理を印刷データの印刷を行いながら実行するものである。ここでは、印刷データに含まれる画像データは、その一面にイエローのデータがあり、ユーザによってハガキサイズの記録紙Sの縁無し印刷が選択された場合について主に説明する。この印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かを判定する(ステップS1300)。印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かの判定は、印刷データに含まれている印刷条件の情報に基づいて判定するものとした。なお、ユーザPC10は、ユーザにより縁無し印刷が選択されると、印刷が指示された画像データを記録紙Sにフチが生じないように記録紙Sのサイズよりも大きな画像データに拡大加工し、この画像データと縁無し印刷用のデータである情報とを含む印刷データをインクジェットプリンタ20に送信するものとした。
次に、記録紙Sの側端部でのインクの吐出制御を第2実施形態として説明する。図18は、記録紙Sの側端部を検出する印刷処理ルーチンのフローチャートである。この印刷処理は、縁無し印刷における記録紙Sの側端部を把握する処理を印刷データの印刷を行いながら実行するものである。ここでは、印刷データに含まれる画像データは、その一面にイエローのデータがあり、ユーザによってハガキサイズの記録紙Sの縁無し印刷が選択された場合について主に説明する。この印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かを判定する(ステップS1300)。印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かの判定は、印刷データに含まれている印刷条件の情報に基づいて判定するものとした。なお、ユーザPC10は、ユーザにより縁無し印刷が選択されると、印刷が指示された画像データを記録紙Sにフチが生じないように記録紙Sのサイズよりも大きな画像データに拡大加工し、この画像データと縁無し印刷用のデータである情報とを含む印刷データをインクジェットプリンタ20に送信するものとした。
さて、ステップS1300で印刷データが縁無し印刷用のデータではないときには、CPU72は、上述した通常印刷処理を実行し(ステップS1460)、印刷処理ルーチンを終了する。一方、ステップS1300で印刷データが縁無し印刷用のデータであるときには、CPU72は、印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に電圧印加回路53により電圧を印加させ(ステップS1310)、上述した給紙処理を実行する(ステップS1320)。次に、CPU72は、キャリッジモータ34によりインクを吐出する位置にキャリッジ22を移動させる(ステップS1330)。ここで、インクの吐出を開始する位置は、ユーザPC10により拡大加工された印刷データの側端部に対応する位置とした。次に、CPU72は、キャリッジ22の主走査方向の最前列のノズル列(ここでは記録紙Sに直近のノズル列であるノズル列43Y)のみから印刷データに基づいてインクを吐出させ(ステップS1340)、インク受け領域52(ここでは第1側端部用インク吸収領域52a)にインク滴が到達することにより生じる静電誘導の電圧出力があるか否かを判定する(ステップS1350)。静電誘導の電圧出力があるときには、最前列のノズル列43Yは、まだ記録紙Sの側端部上に達していないものとみなし、CPU72は、キャリッジ22を移動させ、ノズル列43Yからインクを吐出させ、インク受け領域52での電圧出力があるか否かを判定する処理を繰り返す(ステップS1330〜S1350)。つまり、インク受け領域52のうち記録紙Sの側端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域へ最前列のノズル列43Yが達するまでの間、最前列のノズル列43Yのみでインクを吐出する。
一方、ステップS1350で静電誘導の電圧出力がないときには、最前列のノズル列43Yが記録紙Sの印刷面の上に達し、記録紙Sによりインク滴がインク受け領域52へ到達するのが遮られたものとみなし、現在のキャリッジ22の位置を記録紙Sの右端部としてRAM74に記憶する(ステップS1360)。ここでは、最前列のノズル列43Yの位置を基準とし、このノズル列43Yの位置に対応するリニア式エンコーダ25の左右方向の座標の値を記録紙Sの右端部の位置として記憶するものとする。続いて、CPU72は、キャリッジ22を移動させ、記録紙Sの右端部の位置を過ぎたノズル列43からインクが吐出されるよう圧電素子48を制御する(ステップS1370)。
ここで、ステップS1320〜S1370の処理について、図19を用いて説明する。図19は、記録紙Sの右端部近傍でのインク吐出制御の説明図である。ここでは、記録紙Sの右端部近傍は、第1側端部用インク吸収領域52a上に位置している。まず、図19(a)に示すように、CPU72は、印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に電圧を印加し印刷ヘッド24のインクを帯電させ、最前列のノズル列43Yから印刷データに基づいて帯電したインクを吐出させる。すると、静電誘導により誘導電圧が発生し、この発生した誘導電圧が電圧検出回路54で検出される(図19(e))。つまり、インク滴がインク受け領域52に到達していることがわかる。なお、このときノズル列43K,C,Mからはインクを吐出させない。次に、図19(b)に示すように、キャリッジ22を移動させノズル列43Yから帯電したインク滴を吐出する。そして、図19(c)に示すように、ノズル列43Yが記録紙Sの印刷面の上にかかると、ノズル列43Yから吐出されたインク滴が記録紙S上に到達し、インク受け領域52には到達しないため、インク受け領域52では静電誘導による誘導電圧が発生せず、電圧検出回路54で誘導電圧を検出しなくなる(図19(e))。このときのノズル列43Yの位置に対応するリニア式エンコーダ25の値を記録紙Sの右端部の位置としてRAM74に記憶する。続いて、図19(d)に示すように、キャリッジ22を移動し、次列のノズル列43Mが記録紙Sの右端部に至ったときには、印刷データに基づきこのノズル列43Mからインク滴の吐出を開始させる。同様に、更に次列のノズル列43Cが記録紙Sの右端部に至ったときには、印刷データに基づきノズル列43Cからインク滴の吐出を開始し、ノズル列43Kが記録紙Sの右端部に至ったときには、印刷データに基づきノズル列43Kからもインク滴の吐出を開始する。そして、すべてのノズル列43が記録紙Sの右端部を過ぎたときには、すべてのノズル列43からインク滴の吐出を行い、印刷データに含まれる画像データを記録紙Sに印刷する。
さて、ステップS1370でキャリッジ22を移動させ記録紙Sの右端部を過ぎたノズル列43からインクを吐出させたあと、CPU72は、インク受け領域52にインク滴が到達することにより生じる静電誘導の電圧出力があるか否かを判定する(ステップS1380)。つまり、記録紙Sの左端部でノズル列43Yから吐出されたインク滴がインク受け領域52に到達するか否かを判定するのである。静電誘導の電圧出力がないときには、CPU72は、キャリッジ22を移動させ記録紙Sの右端部を過ぎたノズル列43からインクを吐出させるステップS1370の処理を行う。一方、静電誘導の電圧出力があったときには、CPU72は、最前列のノズル列43Yが記録紙Sの印刷面の上から外れ、ノズル23Yから吐出されたインク滴がインク受け領域52へ到達したものとみなし、現在のキャリッジ22の位置を記録紙Sの左端部の位置としてRAM74に記憶する(ステップS1390)。ここでは、最前列のノズル列43Yの位置を基準とし、このノズル列43Yの位置に対応するリニア式エンコーダ25の左右方向の座標の値を記録紙Sの左端部の位置として記憶するものとする。続いて、CPU72は、キャリッジ22を移動させ、記録紙Sの左端部の位置を過ぎたノズル列43からインク滴の吐出が停止されるよう圧電素子48を制御する(ステップS1400)。
ここで、ステップS1370〜S1400の処理について、図20を用いて説明する。図20は、記録紙Sの左端部近傍でのインク吐出制御の説明図である。ここでは、記録紙Sの左端部近傍は、第2側端部用インク吸収領域52b上に位置している。まず、図20(a)に示すように、CPU72は、キャリッジ22を移動させすべてのノズル列43からインクを吐出させて印刷データに含まれる画像データを記録紙Sに印刷していく。このとき、ノズル23から吐出されたインク滴はすべて記録紙S上に到達するため、電圧検出回路54では誘導電圧は検出されない(図20(e))。次に、図20(b)に示すように、キャリッジ22の移動により、ノズル列43Yが記録紙Sの印刷面の上から外れたときには、ノズル23Yで吐出されたインク滴がインク受け領域52に到達するため、静電誘導により誘導電圧が発生し、この誘導電圧が電圧検出回路54により検出される(図20(e))。このときのノズル列43Yの位置に対応するリニア式エンコーダ25の値を記録紙Sの左端部の位置としてRAM74に記憶する。続いて、図20(c)に示すように、キャリッジ22を移動し、ノズル列43Mが記録紙Sの左端部に至ったときには、ノズル列43Mからのインク滴の吐出を停止させる。同様に、次列のノズル列43Cが記録紙Sの左端部に至ったときには、ノズル列43Cからのインク滴の吐出を停止させ(図20(d))、ノズル列43Kが記録紙Sの左端部に至ったときには、ノズル列43Kからもインク滴の吐出を停止させる。そして、すべてのノズル列43が記録紙Sの左端部の位置を通過したときには、CPU72は、すべてのノズル列43からのインク滴の吐出を停止させる。
さて、ステップS1400のあと、CPU72は、キャリッジ22を主走査方向へ1列移動する現パスが終了したか否かを判定し(ステップS1410)、現パスが終了していないときにはステップS1400の処理を行い、現パスが終了したときには、現在印刷中の記録紙Sに印刷すべき印刷データがあるか否かを判定する(ステップS1420)。現在印刷中の記録紙Sに印刷すべき印刷データがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量搬送する搬送処理を実行し(ステップS1430)、上述したステップS1330〜S1430の処理を実行する。一方、現在印刷中の記録紙Sに印刷すべき印刷データがないときには、CPU72は、排紙ローラ37を回転駆動し、記録紙Sを排紙トレイに排出する排紙処理を実行し(ステップS1440)、印刷すべき次のページがあるか否かを判定する(ステップS1450)。そして、CPU72は、印刷すべき次のページがあるときには、ステップS1320〜S1450の処理を実行し、印刷すべき次のページがないときには、この印刷処理ルーチンを終了する。
以上詳述した本第2実施形態のインクジェットプリンタ20によれば、インク受け領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させ吐出前のインクを帯電させた状態でインク受け領域52のうち記録紙Sの側端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域にわたって又は記録紙Sで覆われている領域から記録紙Sの側端部を外れた領域にわたって印刷ヘッド24が主走査方向に移動すると共にノズルからインクを吐出するよう制御したときの電気的変化を検出し、電圧検出回路54によって検出した電気的変化に基づいて記録紙Sの側端部の位置を把握し、該把握した記録紙Sの側端部の位置を利用して印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出して記録紙Sへの縁無し印刷を行うよう制御する。このように、ノズル23から吐出されたインクそのものを直接用いて記録紙Sの側端部の位置を把握する。したがって、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの側端部を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの側端部の位置を求めることができる。また、最前列のノズル列43Y以外のノズル列43では、記録紙Sに余白が生じないようにインクを記録紙Sの側端部からはみ出して打つ領域を狭めることが可能であるため、インク以外のものを用いて記録紙Sの側端部のインクの吐出を制御するものに比べてインクの消費を抑制することができる。このように、記録紙Sの側端部からはみ出して打つインクの量を低減可能であるため、この記録紙Sからはみ出して打つことにより発生するインクミストによるインクジェットプリンタ20内部の汚れを低減することができる。また、縁無し印刷の実行において記録紙Sのサイズよりも大きな印刷データに加工する際に、その印刷データを大きくする度合いを低減させることができるため、印刷指示した画像と記録紙Sに印刷された画像とに生じる違和感を低減することができる。
また、インク受け領域52のうち記録紙Sのない領域から記録紙Sのある領域にわたって印刷ヘッド24が主走査方向に移動すると共に印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出するに際して、主走査方向の最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yからインクを吐出させたときに電圧検出回路54によって電気的変化が検出されなくなった位置を記録紙Sの右端部位置として把握し、該把握した記録紙Sの右端部位置より他のノズル列43に含まれるノズル23からもインクを吐出させるよう制御するため、最前列のノズル23Yからインクを吐出させて得られた記録紙Sの右端部の位置を利用して、次列以降のノズル23からのインクの消費を抑制することができる。
更に、インク受け領域52のうち記録紙Sのある領域から記録紙Sのない領域にわたって印刷ヘッド24が主走査方向に移動すると共に印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出するよう制御するに際して、主走査方向の最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yからインクを吐出させたときに電圧検出回路54によって電気的変化が検出されるようになった位置を記録紙Sの左端部位置として把握し、該把握した記録紙Sの左端部位置より最前列のノズル列43Y及び他のノズル列43に含まれるノズル23からインクを吐出させないよう制御するため、最前列のノズル23からインクを吐出させて得られた記録紙Sの左端部の位置を利用して、次列以降のノズル23からのインクの消費を抑制することができる。
更にまた、インク受け領域52は、プラテン44上の印刷可能領域の略全域に形成され、電圧検出回路54は、プラテン44上の印刷可能領域の略全域の電気的変化を検出するため、様々なサイズの記録紙の側端部の位置を把握することができる。
そして、印刷ヘッド24の複数のノズル23の各々について、インクがインク受け領域52へ向かって吐出するよう圧電素子48などを制御したときの電圧検出回路54の検出結果に基づいてノズル23からインクが正常に吐出するか否かの検査を行うため、印刷ヘッド24からのインクの吐出検査と記録紙Sの側端部の検出とを同じインク受け領域52で実行可能であり、インクの吐出検査用の領域を新たに設ける必要がない。
そしてまた、電圧印加回路53は、インク受け領域52のうち記録紙Sのない領域から記録紙Sのある領域にわたって又はインク受け領域52のうち記録紙Sのある領域から記録紙Sのない領域にわたって印刷ヘッド24が主走査方向に移動する際には、印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に所定の電位差を発生させると共にノズル23から吐出する前のインクを帯電させるため、記録紙Sの側端部の位置の検出の際に、確実にインクの吐出による静電誘導を発生させることができる。
上述した第2実施形態では、印刷ヘッド24の1パスごとに記録紙Sの右端部の位置をインクの吐出により生じる誘導電圧により求めるとしたが、前回把握した記録紙Sの右端部の位置を今回の該記録紙Sの側端部の位置として利用し、この記録紙Sの右端部の位置に基づいて印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出するよう圧電素子48を駆動制御してもよい。こうすれば、前回求めた記録紙Sの右端部の位置を利用することにより今回の記録紙Sの右端部を把握するための処理を省略可能であるため、右端部を把握する処理の負担を低減することができる。このとき、インクを吐出して初回に把握した記録紙Sの右端部の位置をそのページの印刷終了まで用いてもよいし、インクを吐出して記録紙Sの右端部を把握するのと前回把握した記録紙Sの右端部を今回の右端部として把握するのとを交互に繰り返してもよいし、印刷ヘッド24のパス回数が予め定めた回数になるごとにインクを吐出して記録紙Sの右端部を把握しそれ以外のパスではその前に求めた右端部の位置を利用してもよい。なお、記録紙Sの左端部の位置の把握についても同様である。
上述した第2実施形態では、記録紙Sの右端部を把握する際は、最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yからインクを吐出するものとして説明したが、例えば、最前列のノズル列43Yから吐出するインク色(イエロー)が印刷するデータに含まれていないときなど最前列のノズル列43に含まれるノズル23からインクを吐出することが制限されているときには、次列のノズル列43Mからインクを吐出させるとしてもよい。また、次列のノズル列43Mに含まれるノズル23Mからインクを吐出することも制限されているときには、更に次列のノズル列43Cに含まれるノズル23Cからインクを吐出させるとしてもよい。こうすれば、最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yなどからインクを吐出できないときであっても確実に記録紙Sの右端部の位置を把握することができる。なお、記録紙Sの左端部の位置の把握についても同様である。
上述した第2実施形態では、記録紙Sの右端部を把握する際は、最前列のノズル列43Yに含まれるすべてのノズル23Yをインクを吐出する対象として説明したが、例えば、最前列のノズル列43Yに含まれる複数のノズル23Yのうち1個又は数個の特定のノズル23Yよりインク受け領域52のうち記録紙Sの右端部を外れた領域から記録紙Sで覆われている領域にわたってインクを吐出させて記録紙Sの右端部を把握してもよい。こうすれば、最前列のノズル列43Yのインクの消費量も低減することができる。
上述した第2実施形態では、最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yから吐出されたインク滴が記録紙Sに到達してインク受け領域52から誘導電圧の出力が検出されなくなった位置を記録紙Sの右端部の位置として把握し、この把握した位置より他のノズル列43に含まれるノズル23からインクを吐出開始するとしたが、把握した記録紙Sの右端部の位置の若干手前より他のノズル列43からインク吐出開始してもよい。つまり、記録紙Sの右端部について、記録紙Sからインク受け領域52へ最前列のノズル列43Yだけはみ出して打つようにインクを吐出させるとしたが、最前列以外のノズル列43においても記録紙Sの側端部からインク受け領域52へ数滴はみ出して打つようにインクを吐出させてもよい。こうすれば、縁無し印刷の際に記録紙Sの右端部での余白の発生を確実に抑制することができる。また、記録紙Sの左端部側について、記録紙Sからインク受け領域52へ最前列のノズル列43Yだけはみ出して打つようにインクを吐出させるとしたが、例えば最前列以外のノズル列43においても記録紙Sの側端部からインク受け領域52へ数滴はみ出して打つようにインクを吐出させたあとすべてのノズル列43からのインクの吐出を停止させてもよい。こうすれば、縁無し印刷の際に記録紙Sの左端部での余白の発生を確実に抑制することができる。また、一旦把握した側端部の位置に基づいてその後の印刷処理で記録紙Sの側端部からはみ出してインクを吐出する範囲(マージン)を定め、この定めた範囲でインクを吐出させて縁無し印刷するものとしてもよい。こうすれば、インク以外のもので記録紙Sの側端部を把握してマージンを設定するものに比べて、インクを吐出することにより直接的に記録紙Sの側端部を把握し、より小さなマージンを設定可能であるため、縁無し印刷の際に記録紙Sの側端部での余白の発生を抑制することができると共に側端部でのインクの消費を抑制することができる。
上述した第2実施形態では、印刷処理ルーチンにおいて、記録紙Sの側端部を把握する処理を印刷データの印刷を行いながら実行するものとしたが、記録紙Sの側端部を把握する処理を印刷データの印刷とは別の処理として行ってもよい。具体的には、例えば、上述のように記録紙Sの上端部を検出したのちに、記録紙Sの右端部を外れた位置から印刷ヘッド24を移動すると共に最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yからインクを吐出させ、この吐出されたインク滴が記録紙Sに到達してインク受け領域52から電圧の出力が検出されなくなった位置を記録紙Sの右端部の位置として把握し、更に、印刷データに含まれる用紙サイズに基づいて、インク受け領域52が記録紙Sの左端部に覆われている位置に印刷ヘッド24を移動し、この位置から記録紙Sの左端部を外れた領域に向かって印刷ヘッド24を移動すると共に最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yからインクを吐出させ、この吐出されたインク滴がインク受け領域52に到達して電圧の出力が検出されるようになった位置を記録紙Sの右端部の位置として把握する。そして、把握した記録紙Sの両端部の位置に基づいて、記録紙Sの両端部に余白を生じさせない各ノズル列43のインク吐出範囲を定め、このインク吐出範囲でインクがノズル23から吐出されるよう縁無し印刷を実行する。こうすれば、印刷動作中に両端部を検出する必要がないため、処理を簡便なものとすることができる。
上述した第2実施形態では、最前列のノズル列43Yに含まれるノズル23Yから吐出されたインク滴を用いて記録紙Sの側端部の位置を把握するとしたが、以下のようにしてもよい。即ち、印刷ヘッド24は、図21に示すように、印刷に用いる上述したノズル列43Y,M,C,Kのほかに、ノズル列43よりも主走査方向の上流側に配置された複数の側端部検出用ノズル23Dを備えたものとする。このノズル23Dから吐出する液体は、視認しにくい色(例えばイエローやライトシアンなど)のインクとしてもよいし、透明な液体(クリアインクや水など)としてもよい。そして、図21(a)に示すように、印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に電圧を印加し印刷ヘッド24のインクを帯電させ、主走査方向に対して最前列のノズル23Dから帯電したインクを吐出させる。すると、静電誘導により誘導電圧が発生し、この発生した誘導電圧が電圧検出回路54で検出される(図21(e))。なお、このときノズル列43Y,M,C,Kからはインクを吐出させない。次に、図21(b)に示すように、キャリッジ22を移動させノズル23Dから帯電したインク滴を吐出する。そして、図21(c)に示すように、ノズル23Dが記録紙Sの上方にかかると、ノズル23Dから吐出されたインク滴が記録紙S上に到達し、インク受け領域52には到達しないため、電圧検出回路54で誘導電圧を検出しなくなる(図21(e))。このときのノズル23Dの位置に対応するリニア式エンコーダ25の値を記録紙Sの右端部の位置としてRAM74に記憶する。続いて、図21(d)に示すように、キャリッジ22を移動し、ノズル列43Yが右端部の位置に至ったときには、印刷データに基づきこのノズル列43Yからインク滴の吐出を開始させる。同様に、次列のノズル列43Mが右端部の位置に至ったときには、印刷データに基づきノズル列43Mからインク滴の吐出を開始し、ノズル列43C,Kが右端部の位置に至ったときには、印刷データに基づきノズル列43C,43Kからもインク滴の吐出を開始する。こうすれば、側端部検出用ノズル23Dから吐出したときの電気的変化を検出した結果を用いて、ノズル23Y,M,C,Kからインクを吐出・停止可能であるため、一層インクの消費を低減することができる。また、側端部検出用ノズル23Dは、視認しにくい液体を吐出するため、側端部を検出する際のインクの吐出によって印刷物に与える色の影響を少なくすることができる。なお、記録紙Sの左端部側の処理も上述の側端部検出用ノズル23Dを用いて上述と同様に行うことができる。
[第3実施形態]
続いて、記録紙Sの後端部でのインクの吐出制御を第3実施形態として説明する。 図22は、記録紙Sの後端部を検出する印刷処理ルーチンのフローチャートである。ここでは、ユーザによってハガキサイズの記録紙Sの縁無し印刷が選択された場合について主に説明する。この印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、上述した給紙処理を実行する(ステップS2300)。次に、CPU72は、現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理であるか否かを判定する(ステップS2310)。ここで、「記録紙Sの後端領域処理」とは、詳しくは後述するが、縁無し印刷における印刷ヘッド24の下方に配置された記録紙Sの後端領域(後述図23参照)において、印刷動作中に記録紙Sの後端部から外れた領域へのインクの吐出を抑制する処理である。この現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理であるか否かの判定は、印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否か及び記録紙Sの後端領域が印刷ヘッド24の下方に位置しているか否かに基づいて行うよう設定されている。印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かは、印刷データに含まれている印刷条件の情報に基づいて判定するものとした。ここでは、給紙時に給紙ローラ36のすべりなどにより記録紙Sの位置が若干ずれることがあるため、ユーザPC10は、ユーザにより縁無し印刷が選択されると、記録紙Sにフチが生じないように印刷が指示された画像データを記録紙Sのサイズよりも大きな画像データに拡大加工し、この画像データと縁無し印刷用のデータである情報とを含む印刷データをインクジェットプリンタ20に送信するものとした。また、記録紙Sの後端領域が印刷ヘッド24の下方に位置しているか否かは、印刷データに含まれる記録紙Sのサイズ情報と、記録紙Sを給紙してからの紙送りローラ35の送り量とに基づいて概算して求めるものとした。記録紙Sの後端領域は、記録紙Sの後端部からノズル列43の略1列分の領域として定められている。つまり、記録紙Sの後端領域は、吐出されたインクがインク受け領域52のうち記録紙Sの後端部から外れた領域へ到達する可能性がある領域として定められている。
続いて、記録紙Sの後端部でのインクの吐出制御を第3実施形態として説明する。 図22は、記録紙Sの後端部を検出する印刷処理ルーチンのフローチャートである。ここでは、ユーザによってハガキサイズの記録紙Sの縁無し印刷が選択された場合について主に説明する。この印刷処理ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、上述した給紙処理を実行する(ステップS2300)。次に、CPU72は、現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理であるか否かを判定する(ステップS2310)。ここで、「記録紙Sの後端領域処理」とは、詳しくは後述するが、縁無し印刷における印刷ヘッド24の下方に配置された記録紙Sの後端領域(後述図23参照)において、印刷動作中に記録紙Sの後端部から外れた領域へのインクの吐出を抑制する処理である。この現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理であるか否かの判定は、印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否か及び記録紙Sの後端領域が印刷ヘッド24の下方に位置しているか否かに基づいて行うよう設定されている。印刷データが縁無し印刷用のデータであるか否かは、印刷データに含まれている印刷条件の情報に基づいて判定するものとした。ここでは、給紙時に給紙ローラ36のすべりなどにより記録紙Sの位置が若干ずれることがあるため、ユーザPC10は、ユーザにより縁無し印刷が選択されると、記録紙Sにフチが生じないように印刷が指示された画像データを記録紙Sのサイズよりも大きな画像データに拡大加工し、この画像データと縁無し印刷用のデータである情報とを含む印刷データをインクジェットプリンタ20に送信するものとした。また、記録紙Sの後端領域が印刷ヘッド24の下方に位置しているか否かは、印刷データに含まれる記録紙Sのサイズ情報と、記録紙Sを給紙してからの紙送りローラ35の送り量とに基づいて概算して求めるものとした。記録紙Sの後端領域は、記録紙Sの後端部からノズル列43の略1列分の領域として定められている。つまり、記録紙Sの後端領域は、吐出されたインクがインク受け領域52のうち記録紙Sの後端部から外れた領域へ到達する可能性がある領域として定められている。
さて、ステップS2310で現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理でないとき、つまり、印刷データが縁無し印刷のものでないときや印刷データが縁無し印刷のものであっても現在の処理内容が記録紙Sの後端部以外の印刷処理であるときは、ステップS2320〜S360の通常印刷処理を実行する。具体的には、まず、CPU72は、記録紙Sへインクを吐出する位置にキャリッジ22を移動させる(ステップS2320)。キャリッジ22の位置は、初期状態が記録紙Sを基準ガイドに沿って配置したときの記録紙Sの右端部近傍(第1側端部用インク吸収領域52aの上方)の位置であり、印刷処理の進行と共に図5において左方向に移動した位置になるよう設定されている。なお、CPU72は、リニア式エンコーダ25の値に基づいてキャリッジ22をインク吐出位置に移動させる。次に、CPU72は、印刷データに基づいて圧電素子48を駆動してインクを記録紙Sに吐出させ(ステップS2330)、現在のパスが終了したか否かを判定する(ステップS2340)。ステップS2340で現在のパスが終了していないときには、CPU72は、ステップS2320でインク吐出位置へキャリッジ22を移動し、ステップS2330でインクを記録紙Sに吐出させる。一方、ステップS2340で現在のパスが終了したときには、印刷すべき次パスのデータがあるか否かを判定し(ステップS2350)、印刷すべき次パスのデータがあるときには、紙送りローラ35を回転駆動し記録紙Sを所定量だけ搬送する搬送処理を実行し(ステップS2360)、ステップS2310で現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理となるまで、キャリッジ22を移動しインクを記録紙Sに吐出させ現在のパスの終了及び次パスがあるか否かを判定する上述の処理(ステップS2320〜S2350)を実行する。ここで、印刷データが縁無し印刷のデータであるときには、ステップS2350で否定判定されることなくステップS2310で後端領域処理が実行され、印刷データが縁無し印刷のものではないときには、ステップS2310で肯定判定されることなく印刷終了まで通常印刷処理が実行される。ステップS2350で、印刷すべき次パスのデータがないときには、CPU72は、排紙ローラ37を回転駆動し記録紙Sを排紙トレイに排出する排紙処理を実行し(ステップS2370)、印刷すべき次のページがあるか否かを判定する(ステップS2380)。印刷すべき次のページがあるときにはステップS2310で現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理であるか否かを判定し、現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理でないときには、ステップS2300〜S2380の処理を繰り返し、印刷すべき次のページがないときにはこの印刷処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS2310で現在の処理内容が記録紙Sの後端領域処理であるときには、CPU72は、記録紙Sの後端領域処理を実行する(ステップS2390〜S2480)。具体的には、CPU72は、電圧印加回路53のスイッチSWをオンすることにより印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に電圧印加回路53により所定の電位差を発生させると共にインクを吐出させる必要のない吐出禁止ノズル23phの番号nを初期値にセットする(ステップS2390)。ここで、ノズル番号nの初期値は、n=181に定められている。つまりノズル番号は180までであるため、初期状態では吐出禁止ノズルは設定されていない状態である。次に、CPU72は、記録紙Sへインクを吐出する位置にキャリッジ22を移動させると共に吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23からインクを吐出させる(ステップS2400)。キャリッジ22の位置は、通常印刷処理と同様に初期状態が記録紙Sを基準ガイドに沿って配置したときの記録紙Sの右端部近傍の位置であり、印刷処理の進行と共に図1において左方向に移動した位置になるよう設定されている。
ステップS2400のあと、CPU72は、インク受け領域52の先後端部用インク吸収領域52eにインク滴が到達することにより生じる静電誘導の電圧出力があるか否かを判定する(ステップS2410)。静電誘導の電圧出力があるか否かの判定は、電圧検出回路54から出力された電圧の極大値が所定の閾値Vthr以上か否かに基づいて行う。この閾値Vthrは、印刷処理でインク受け領域52へインクが吐出されたときに出力信号の振幅が超えることができるように経験的に定められた値である。静電誘導の電圧出力があると判定されたときには、ノズル23から吐出されたインク滴が記録紙Sの後端部からはみ出して先後端部用インク吸収領域52eに到達したものとみなし、CPU72は、ノズル番号nから1を減じ(ステップS2420)、印刷ヘッド24に含まれるノズル23のうち、主走査方向に配列したn番目のノズル群(搬送方向の最上流に配列した吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23)を吐出禁止ノズル23phに設定する(ステップS2430)。したがって、最初に静電誘導の電圧出力が検出されたときには、ノズル番号n=180のノズル群が吐出禁止ノズル23phに設定される。吐出禁止ノズル23phの情報は、RAM74の所定領域に記憶される。ここで、記録紙Sの右端部を外れた領域、つまり、図5のホームポジションから記録紙Sの右端部までの間にインクを吐出する際には、後端部からはみ出たか否かにかかわらずインク受け領域52で電力出力が検出される。このため、本第3実施形態では、記録紙Sの右端部を外れた領域で吐出禁止ノズル23phが設定されないようなマージンがホームポジションから記録紙Sの右端部までの間に設けられており、このマージンをキャリッジ22が過ぎてから吐出禁止ノズル23phが設定されるように定められている。なお、このマージンは、記録紙Sが基準ガイドからずれて給紙されることを見込んで設定されている。
さて、ステップS2430のあと、または、ステップS2420で静電誘導の電圧出力がないと判定されたあと(つまりノズル23から吐出されたインク滴が記録紙Sの後端部からはみ出しておらず吐出禁止ノズル23phを設定する必要がないと判定されたあと)、CPU72は、現在のパスが終了したか否かを判定する(ステップS2440)。現在のパスが終了していないときには、CPU72は、ステップS2440で現在のパスが終了したと判定されるまでステップS2400〜S2440の処理を繰り返す。即ち、ステップS2400でインク吐出位置へキャリッジ22を移動すると共に吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23からインクを記録紙Sに吐出させ、ステップS2410で静電誘導の電圧出力の有無を判定し、静電誘導の電圧出力があるときには、ステップS2420で現在の吐出禁止ノズル23phに設定されたノズル番号から1を減じ、ステップS2430で主走査方向に配列したn番目のノズル群を吐出禁止ノズル23phに設定し、ステップS2440で現在のパスが終了したか否かを判定する。
ここで、ステップS2400〜S2440の処理について図23を用いて具体的に説明する。図23は、記録紙Sの後端領域処理の説明図であり、上段の図が上方から印刷ヘッド24を見た説明図であり、下段の図がインク受け領域52での出力電圧の検出図である。(a)〜(e)では、上段及び下段の図が互いに対応している。なお、図23以降では、ノズル23のうち吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23を黒塗りで示し、吐出禁止ノズル23phを白抜きで示している。この記録紙Sの後端領域処理では、先後端部用インク吸収領域52eのうち、記録紙Sの後端部を外れた領域と記録紙Sの後端部で覆われている領域とに印刷ヘッド24のノズル23から吐出されたインクが到達可能な状態となっている。そして、初めはノズル23すべてから印刷データに基づいてインクを記録紙Sへ吐出する。次に、図23(a)に示すように、記録紙Sの右端部を外れた領域を過ぎたあと、ノズル23から吐出されたインク滴が記録紙Sの後端部からはみ出して先後端部用インク吸収領域52eに到達すると、図23(a)の下段に示すように、記録紙Sの後端部からはみ出したインク滴によって惹起された静電誘導による出力電圧が電圧検出回路54により検出される。すると、CPU72は、図23(b)に示すように、搬送方向の最上流に配列した吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23群(ここではn=180のノズル群)を吐出禁止ノズル23phに設定する(図23(b))。次に、図23(b)に示すように、キャリッジ22を移動すると共に、設定した吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23からインクを吐出させる。このとき、先後端部用インク吸収領域52eで静電誘導による出力電圧が検出されると(図23(b)下段)、更に搬送方向の最上流に配列した吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23群(ここではn=179のノズル群)を吐出禁止ノズル23phに設定し、上述の操作を実行する(図23(c))。このように、インク滴を吐出する必要のない吐出禁止ノズル23phを設定しながら記録紙Sにインクを吐出していく。そして、図23(c)でノズル番号n=177〜180のノズルを吐出禁止ノズル23phに設定したあと、図23(d)で先後端部用インク吸収領域52eで静電誘導による出力電圧が検出されなくなると、ノズル23から吐出されたインク滴が記録紙Sの後端部をはみ出していないものとみなし、図23(e)に示すように、現在の吐出禁止ノズル23phの設定状態でインクを吐出させる。このようにして、記録紙Sの後端部でのインクの吐出を制御する。なお、図面の都合上、図23(a)〜(d)では大きな間隔の印刷ヘッド24の移動と共に吐出禁止ノズル23phの設定が行われるように示されているが、実際は、1画素の印刷ヘッド24の移動ごとに上記吐出禁止ノズル23phの設定を行う。
さて、ステップS2440で現在のパスが終了したときには、CPU72は、記録紙Sの後端領域処理が終了したか否か、つまり記録紙Sの後端部までインクの吐出が終了したか否かを、すべてのノズル23が吐出禁止ノズル23phに設定されたか否かに基づいて判定し(ステップS2450)、記録紙Sの後端領域処理が終了していないときには、印刷すべき次パスのデータがあるため搬送処理を行い(ステップS2460)、ステップS2400〜S2450の処理を行う。ここで、記録紙Sの搬送方向に配列した複数のノズル23同士には所定の間隔(いわゆるノズルピッチ)があり、このノズル間隔により生じる記録紙Sの隙間にインクを吐出する必要があるため、記録紙Sの後端領域への印刷では数パスのインク吐出を行う。この後端領域処理では、記録紙Sの搬送量は、ノズル同士の隙間による記録紙Sの後端領域での余白を生じないような値に定められており、ここでは、1ノズル分に設定されている。また、このように数パスにわたってインクを吐出する動作を行うが、記録紙Sが搬送方向に搬送されても吐出禁止ノズル23phからインクを吐出する必要はないため、前回の設定を継続して吐出禁止ノズル23phを設定する。そして、ステップS2450で記録紙Sの後端領域処理が終了したときには、CPU72は、RAM74に記憶された吐出禁止ノズル23phの情報をクリアし(ステップS2470)、電圧印加回路53のスイッチSWをオフし(ステップS2480)、上述した排紙処理を実行し(ステップS2370)、印刷すべき次ページがあるか否かを判定する(ステップS2380)。印刷すべき次ページがあるときには、CPU72は、上述したステップS2300〜S2460の処理を繰り返し、ステップS2380で印刷すべき次ページがないときには、そのままこの印刷処理ルーチンを終了する。
以上詳述した本第3実施形態のインクジェットプリンタ20によれば、インク受け領域52と印刷ヘッド24との間に所定の電位差を発生させ吐出前のインクを帯電させた状態でインク受け領域52のうち記録紙Sの後端部を外れた領域と記録紙Sの後端部で覆われている領域とに印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で電圧出力が検出されるたびに、吐出許可ノズル23pmのうち、主走査方向に配列した、記録紙Sの搬送方向の最上流のノズル23群を吐出禁止ノズル23phに設定し、該設定した内容に基づいて印刷ヘッド24がインクを記録紙Sの後端部へ吐出する。つまり、ノズル23から吐出されたインクそのものを直接用いてインク受け領域52での電圧出力を検出し、該検出結果に基づいて記録紙Sの後端部での吐出禁止ノズル23phを精度よく設定する。このため、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの後端部での吐出禁止ノズル23phを設定するもののように記録紙Sに余白が生じないように記録紙Sの後端部からはみ出してインクを吐出させる領域を大きく設ける必要がない。したがって、縁無し印刷において記録紙Sの後端部でのインクの消費をより抑制することができる。このため、記録紙Sからはみ出して吐出することにより発生するインクミストによるインクジェットプリンタ20内部の汚れを低減することができる。また、後端領域処理においてノズル23がインクを吐出しインク受け領域52で電圧出力が検出されるたびに吐出禁止ノズル23に設定され、吐出禁止ノズル23が設定される機会が多いため、一層インクの消費を抑制することができる。また、インク受け領域52で電圧出力が検出されたときには、ノズル群として1度に複数の吐出禁止ノズル23phが設定されるため、一層インクの消費を抑制することができる。また、記録紙Sからはみ出してインクを吐出する領域を低減可能であることから、縁無し印刷の実行において画像データを拡大する度合いを低減又は画像データを拡大せずに印刷可能であるため、印刷指示した画像に近い印刷後の画像を得ることができる。
また、インク受け領域52がプラテン44上の印刷可能領域の略全域に形成され、電圧検出回路54がプラテン44上の印刷可能領域の略全域の電圧出力を検出するため、様々なサイズの記録紙Sの後端部で吐出禁止ノズル23phを設定することができる。更に、インク受け領域52でインクが正常に吐出するか否かの検査を行うため、印刷ヘッド24からのインクの吐出検査と記録紙Sの後端部の検出とを同じインク受け領域52で実行可能であり、インクの吐出検査用の領域を新たに設ける必要がない。更にまた、電圧印加回路53は、インク受け領域52のうち記録紙Sの後端部を外れた領域及び記録紙Sの後端部で覆われている領域との両方に印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出するよう圧電素子48などを制御する際には、印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に所定の電位差を発生させると共にノズル23から吐出する前のインクを帯電させるため、記録紙Sの後端部の検出の際に、確実にインクの吐出による静電誘導を発生させることができる。
上述した第3実施形態では、記録紙Sの後端領域処理において、1つのパスにおいて印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で電圧出力が検出されるたびに、吐出禁止ノズル23phを設定し該設定した内容でインクを吐出するとしたが、図24に示すように、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で電圧出力が検出されて吐出禁止ノズル23phを設定したあと、該設定した内容で、次回の搬送処理を行ったあとのパスのインク吐出を行うとしてもよい。図24は、別の後端領域処理の説明図である。図24(a)に示すように、記録紙Sの後端領域処理において、インクを記録紙Sに吐出する。このとき、インク滴が記録紙Sの後端部からはみ出して先後端部用インク吸収領域52eに到達すると、図24(a)の下図に示すように静電誘導による出力電圧が電圧検出回路54により検出される。すると、CPU72は、搬送方向の最上流に配列した吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23群(ここではn=180のノズル群)を吐出禁止ノズル23phに設定するが、現在のパスは、そのままのノズル23からインクを吐出させる。次に、図24(b)に示すように、所定の搬送量だけ記録紙Sを搬送し、前回定めた吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23からインクを吐出するよう今回のパスを行う。このとき、インク滴が記録紙Sの後端部からはみ出して先後端部用インク吸収領域52eに到達すると、図24(b)の下図に示すように静電誘導による出力電圧が検出される。すると、CPU72は、吐出禁止ノズル23ph以外の搬送方向の最上流に配列したノズル23群(ここではn=179のノズル群)を吐出禁止ノズル23phに設定するが、現在のパスは、そのままのノズル23からインクを吐出させる。同様に、図24(c)に示すように、前回定めた吐出禁止ノズル23ph以外の23からインクを吐出させ、先後端部用インク吸収領域52eで静電誘導による出力電圧が検出されると、搬送方向の最上流に配列した吐出禁止ノズル23ph以外のノズル23群を吐出禁止ノズル23phに設定していく。こうすれば、今回設定した吐出禁止ノズル23の設定内容を次回の記録紙Sの搬送及びインクの吐出時に反映させてインクの消費を抑制することができる。また、インク受け領域52で電圧出力が検出されたときには、ノズル群として1度に複数の吐出禁止ノズル23phが設定されるため、一層インクの消費を抑制することができる。ここで、記録紙Sの搬送量の設定によっては、吐出禁止ノズル23phの設定される位置が移動する後端部の位置とずれてしまう。このため、吐出禁止ノズル23phの設定は搬送量に合わせて適宜定めるようにする。例えば、ノズル列43に配列されたノズル23同士の間隔(ノズルピッチ)よりも記録紙Sの搬送量が大きいときには、吐出禁止ノズル23phの設定位置が移動する後端部の位置よりも遅れてしまうため、吐出禁止ノズル23phに設定するノズル群の数(列数)を大きくする。一方、記録紙Sの搬送量がノズルの大きさよりも小さいときには、先後端部用インク吸収領域52eで電圧出力が検出され吐出禁止ノズル23phを設定したあと、1ノズル分搬送されたあとで該設定した内容でインクを吐出させればよい。
上述した第3実施形態では、記録紙Sの後端領域処理において、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で電圧出力が検出されたときには、吐出許可ノズル23pmのうち記録紙Sの搬送方向の最上流のノズル23群を吐出禁止ノズル23phに設定するとしたが、図25に示すように、インク受け領域52で検出される電圧出力の大きさに基づいて、つまり記録紙Sの後端部をはみ出したインク量に基づいて吐出禁止ノズル23phとするノズル数を設定してもよい。図25は、出力電圧に基づいて吐出禁止ノズル23phを設定する説明図である。具体的には、インク受け領域52で検出される出力電圧の大きさと記録紙Sの後端部から外れてインク受け領域52に到達するインクを吐出したノズル群の数との関係を経験的に求め、該求めた関係に合う出力電圧の閾値を定めておく。この閾値は、電圧検出回路54により検出される出力電圧が高くなると吐出禁止ノズル23phに設定するノズル群の数が多くなる傾向に定める。例えば、図25の下図に示すように、搬送方向の最上流に配列したノズル23のうち2列を吐出禁止ノズル23phに設定する出力電圧の閾値V2や、記録紙Sの搬送方向の最前列の吐出許可ノズル23pmの1列のみを吐出禁止ノズル23phに設定する閾値V2よりも小さい電圧の閾値V1などを定めておく。そして、印刷処理ルーチンの記録紙Sの後端領域処理において、出力電圧が閾値V2を超えたときには(図25(a))、搬送方向の最前列から2列分を吐出禁止ノズル23phに設定し(図25(b))、出力電圧が閾値V2以下且つ閾値V1を超えたときには(図25(b))、搬送方向の最前列のみ吐出禁止ノズル23phに設定する(図25(c))。こうすれば、記録紙Sの後端部をはみ出したインク量に基づいて吐出禁止ノズル23phの列数を設定するため、記録紙Sの後端領域処理においてインクの消費量を効率よく抑制することができる。
上述した第3実施形態では、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で電圧出力が検出されるたびに吐出禁止ノズル23phを設定し該設定した内容でインクを吐出するとしたが、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で検出される電圧出力に基づいて記録紙Sの後端部の位置を把握し、この把握した後端部の位置を利用して吐出禁止ノズル23phを設定し該設定した内容でインクを吐出してもよい。具体的には、上述の図22に示した印刷処理ルーチンのステップS2300〜S2410を実行し、図23(d)に示すように、n番目のノズル群を吐出禁止ノズル23phに設定し(ここではn=177)インクを吐出しインク受け領域52で静電誘導による電圧出力を検出しなくなったときには(ステップS2410)、現在の吐出禁止ノズル23phのノズル番号(n=177)とその前のノズル番号(ここではn=176)との間に記録紙Sの後端部の位置があると把握できる。そして、把握した後端部の位置を利用して吐出禁止ノズル23phを再設定する。ここでは、吐出禁止ノズル23phのうち記録紙Sの後端部直近のノズル23(ここではn=177)からはインクを吐出するよう再設定する。つまり、ノズル番号n=178〜180のノズルを吐出禁止ノズル23phに設定する。そして、設定した内容でインクを吐出する。つまり、記録紙Sの後端部の位置より1ノズル分、記録紙Sからはみ出してインクを吐出する。こうすれば、ノズル23から吐出されたインクそのものを直接用いて記録紙Sの後端部を把握するため、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの後端部の位置を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの後端部の位置を求めることができる。また、精度よく求めた後端部の位置を用いて記録紙Sの後端部でのインクの消費をより抑制することができる。また、縁無し印刷での余白の発生を確実に抑制することができる。なお、ここでは、記録紙Sの後端部の位置より1ノズル分、記録紙Sからはみ出してインクを吐出するとしたが、数ノズル分、記録紙Sからはみ出してインクを吐出するようにしてもよい。
上述した第3実施形態では、記録紙Sの後端領域処理において、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で電圧出力が検出されるたびに吐出禁止ノズル23phを設定し該設定した内容でインクを吐出するとしたが、図26及び図27に示すように、記録紙Sの後端領域処理において、印刷動作を中断して記録紙Sの後端部の位置を把握する処理を実行し該把握した後端部の位置に基づいて吐出禁止ノズル23phを設定し該設定した内容でインクを吐出するとしてもよい。図26は、別の印刷処理ルーチンのフローチャートであり、図27は、記録紙Sの後端部位置の把握処理の説明図である。具体的には、上述した図22の印刷処理ルーチンのステップS2400〜S2460の処理に代えて、以下の処理を行う。記録紙Sの後端領域処理のステップS2390のあと、CPU72は、記録紙Sの後端部を外れた領域と記録紙Sで覆われている領域とにノズル列43に含まれるノズル23から吐出されたインクが到達可能な状態で記録紙Sを固定し、後端部検出位置にキャリッジ22を移動させる(ステップS2500)。ここで、後端部検出位置は、第1側端部用インク吸収領域52aの上方に設定されている。次に、CPU72は、ノズル番号nから1を減じ、つまり、ノズル番号n=180にセットし(ステップS2510)、n番目のノズル23からインクを吐出させる(ステップS2520)。ここでは、視認しにくい色インクであるイエローのノズル列43Yのノズル23Yからインク滴を吐出するよう設定されている。また、インク滴の吐出数は、24ショット(8セグメント)に設定されている。なお、インク吐出数は、正確にインク滴のインク受け領域52への着弾が検出可能な吐出数であればよく、24ショットより少なくしてもよい。なお、図27では、インクを吐出するノズルを黒丸で示している。続いて、先後端部用インク吸収領域52eでの静電誘導による電圧出力があるか否かを判定し(ステップS2530)、静電誘導の電圧出力があるときには(図27(a)下段)、インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの後端部上にないものとみなし、ステップ510でノズル番号nから1を減ずる。したがって、前回のノズル23Yよりも記録紙Sの搬送方向の1つ下流のノズル23Yに今回のノズルを変更する。続いて、n番目のノズル23Yからインク滴を吐出させ(ステップS2520)、ステップS2520で静電誘導の電圧出力がなくなるまでステップS2510〜S2530の処理を繰り返す。一方、ステップS2530で静電誘導の電圧出力がないと判定されたときには(図27(c)下段)、今回インク滴を吐出したノズル23Yが記録紙Sの後端部の上方にあり、記録紙Sによりインク滴がインク受け領域52へ到達するのが遮られたものとみなし、今回のノズル番号(n=176)と前回のノズル番号(n=177)の間に記録紙Sの後端部の位置があると把握する。そして、CPU72は、今回インク滴を吐出したノズル23Yの番号(n=176)を記録紙Sの後端部の位置としてRAM74に記憶する(ステップS2540)。続いて、把握した記録紙Sの後端部の位置に基づいて吐出禁止ノズル23phを設定する(ステップS2550)。ここでは、図27(d)に示すように、縁無し印刷で余白が生じないよう、記録紙Sの後端部の位置より記録紙S側のノズル23及び記録紙Sの後端部から外れた側の後端部位置に直近のノズル23以外のノズルを吐出禁止ノズル23phに設定する。そして、インクを吐出する位置にキャリッジ22を移動すると共に、設定したノズル23からインクを吐出し(ステップS2560)、現在のパスが終了したか否かを判定し(ステップS2570)、現在のパスが終了していないときにはステップS2560〜S2570の処理を行い、現在のパスが終了したときには、後端領域処理が終了したか否かを判定し(ステップS2580)、後端領域処理が終了していないときには、搬送処理を行い(ステップS2590)、上記ステップS2550〜S2590の処理を実行する。なお、記録紙Sを搬送すると、記録紙Sの後端部位置が移動するため、ステップS2590の搬送処理のたびに、移動した後端部位置に基づいて吐出禁止ノズル23phなどを設定する(ステップS2550)。一方、ステップS2580で後端領域処理が終了したときには、図22の印刷処理ルーチンのステップS2470以降の処理を実行する。こうすれば、ノズル23から吐出されたインクそのものを直接用いて記録紙Sの後端部を把握するため、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの後端部の位置を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの後端部の位置を求めることができる。また、精度よく求めた後端部の位置を用いて記録紙Sの後端部でのインクの消費をより抑制することができる。また、記録紙Sを固定して後端部の位置を把握する操作を行うため、記録紙Sを移動させて記録紙Sの後端部の位置を把握する操作を行うものと比べて正確に記録紙Sの後端部の位置を把握することができる。なお、ここでは視認しにくい色としてイエローのインクを用いるとしたが、ライトシアン、ライトマゼンタなどであってもよいし、水など無色透明の液体や光沢感を出すためのクリアインクなどを用いてもよい。あるいは、記録紙Sの後端部の位置を把握する際に吐出するインクを、実際の印刷で印刷データに基づいて記録紙Sに吐出するインクとしてもよい。こうすれば、後端部を把握する際に吐出したインク滴により、印刷後の画像へ悪影響を与えることがない。
上述した第3実施形態では、記録紙Sの後端領域処理において、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で検出される電圧出力に基づいて記録紙Sの後端部の位置を把握し吐出禁止ノズル23phを設定するものとしたが、図28に示すように、記録紙Sの後端領域処理において、印刷ヘッド24がノズル23からインクを吐出してインク受け領域52で検出される電圧出力に基づいて、記録紙Sの後端領域以外での通常の印刷方式と、記録紙Sの後端領域での印刷方式とを切り替えるものとしてもよい。図28は、記録紙Sの後端部での印刷方式の切り替えの説明図である。なお、図中には、通常の印刷方式でインクを吐出するノズル23を網掛けで示し、後端部の印刷方式でインクを吐出するノズル23を黒丸で示し、ノズル間隔がわかるように各ノズル23間には白丸を付している。また、図28では、実際は記録紙Sが搬送されて移動するが、説明の便宜のため、ノズル列43が記録紙Sに対して相対的に移動するように表現している。記録紙Sの後端部以外では、所定の間隔を開けたノズル23からインクを吐出すると共に所定の送り量で記録紙Sを搬送するインターレース方式のインク吐出を実行する。インターレース方式とは、印刷すべき画素とその副走査方向に隣接する画素とが異なるノズルによって印刷される方式である。ここでは、ノズル間隔に1画素分の長さを加えたものを所定の送り量とするマイクロウエーブ印刷方式を採用した。次に、インク受け領域52で電圧出力が検出されたときには、印刷ヘッド24が記録紙Sの後端領域で印刷処理しているものとみなし、1画素分の搬送量を搬送すると共に予め定められたノズル23からインクを吐出する後端部印刷方式に切り替える。このとき、後端部から外れたノズル23は、後端部の余白が生じるのを抑制するため、インクを記録紙Sの後端部からはみ出して吐出するものとした。こうすれば、ノズル23から吐出されたインクそのものを直接用いてインク受け領域52での電圧出力を検出し、この検出結果に基づいて記録紙Sの後端領域でのインクを吐出する方式を切り替え可能であるため、適切なタイミングで記録紙Sの後端部でのインクの吐出方式を切り替えることができる。なお、通常の印刷方式として採用したマイクロウエーブ印刷方式に代えて、1つのラスタ(行)に複数のノズル23からインクを吐出するフルオーバーラップ印刷方式を採用してもよいし、マイクロウエーブ印刷方式のうちインク吐出のバンディングが目立つ位置だけフルオーバーラップ印刷を実行するパートラインオーバーラップ印刷方式を採用してもよいし、その他の印刷方式を採用しても構わない。また、記録紙Sの後端部を外れたノズル23からインクを吐出するものとしたが、後端部を外れたノズル23(インク受け領域52で電圧出力が検出されたノズル23)を吐出禁止ノズル23phに設定し、インクを吐出させないものとしてもよい。こうすれば、後端領域のインク吐出においてインクの消費を抑えることができる。あるいは、記録紙Sの後端領域を外れた所定領域のノズル23のみインクを吐出させるものとしてもよい。こうすれば、記録紙Sの後端部での余白の発生を抑制すると共にインクの消費を抑制することができる。また、後端部印刷方式に切り換えずに最後まで通常印刷方式で印刷した場合は、印刷完了までに記録紙Sの後端部を記録紙Sの搬送方向の最下流のノズル23に近い位置まで搬送する必要があることから、記録紙Sの後端部付近がプラテン44に対して浮きやすくなり、印刷ヘッド24と記録紙Sとの距離が変化したり印刷ヘッド24と記録紙Sとが接触したりすることなどによって印刷画質の低下が発生してしまうのに対して、本実施形態に拠れば、記録紙Sの後端部において記録紙Sの搬送方向の最上流のノズル23に近い位置で印刷が完了するため、印刷画質の低下を抑制することができる。
上述した実施形態では、縁無し印刷を実行する際にインク受け領域52へのインクの着弾を検知することにより記録紙Sの先端部、側端部及び後端部の位置を把握して印刷制御を行うとしたが、縁無し印刷に限られず、インクそのものを直接用いて記録紙Sの端部の位置を把握して印刷したいときなどに本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、印刷ヘッド24を単方向に移動するときにインクを吐出する単方向印刷により印刷処理を行う場合について説明したが、印刷ヘッド24を左右方向の往路、復路に移動するときにインクを吐出する双方向印刷により印刷処理を行う場合に適用してもよい。特に、印刷ヘッド24の双方向印刷で記録紙Sの側端部の位置を把握する際には、図18に示した印刷処理ルーチンのステップS1300〜S1410で記録紙Sの右端部から左端部に向かって各側端部を把握するよう印刷ヘッド24を移動して往路印刷を行ったあと、記録紙Sの左端部から右端部に向かって各側端部を把握するよう印刷ヘッド24を移動して復路印刷を行うようにする。こうしても、光などを用いて間接的に記録紙Sの端部を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの端部の位置を求めることができる。
上述した実施形態では、インク受け領域52側に電圧検出回路54を接続し、インク受け領域52での電圧変化を検出するものとしたが、印刷ヘッド24側、例えばノズル23が形成されているノズルプレートなどに電圧検出回路54を接続して、印刷ヘッド24での電圧変化を検出してもよい。このとき、記録紙Sは、インク受け領域52と異なる電位(例えばグランド電位や、絶縁状態など)となるようにする。こうしても、ノズル23から吐出したインクが記録紙Sに着弾したときには電圧変化が検出されずノズル23から吐出したインクがインク受け領域52に着弾したときには印刷ヘッド24で電圧変化が検出されることが確認されており、インク以外のものを用いて間接的に記録紙Sの端部の位置を把握するものに比べて精度よく記録紙Sの端部の位置を求めることができる。
上述した実施形態では、電極部材57が正極、印刷ヘッド24が負極となりインク受け領域52側が所定の測定電位となるように電圧印加回路53が直流電源と抵抗素子とを介して両者を電気的に接続しているものとしたが、電極部材57が負極、印刷ヘッド24が正極となり印刷ヘッド24側が所定の測定電位となるように電圧印加回路53が直流電源と抵抗素子とを介して両者を電気的に接続しているものとしてもよい。このとき、紙送り機構31に含まれる紙送りローラ35や給紙ローラ36,排紙ローラ37は、記録紙Sを、印刷ヘッド24やインク受け領域52と異なる電位、例えば筐体から絶縁された状態で搬送するものとする。こうしても、インクの吐出の有無に応じて電圧変化が生じるため、インクの吐出検査や記録紙Sの端部を検出することができる。
上述した実施形態では、上側インク吸収体55及び下側インク吸収体56を用いたインク受け領域52としたが、これらは必ずしも必須ではなく、少なくとも印刷ヘッド24との間に電位差を発生可能であり、インク滴の吐出により生じる電圧を検出可能な電極部材57を備え、インクが流出するのを防止可能な構成とすればよい。このとき、電極部材57に直接インク滴を着弾させる構成としてもよい。また、インク受け領域52にインク吸収材を用いる場合、インクの固形成分の透過性のよいものが好ましい。また、電極部材57により印刷ヘッド24との間に所定の電位差が生成されるため、上側インク吸収体55は、導電性を有しない材料で形成し液体に濡れることにより導電性を持つようにしてもよいし、インク吸収体自体が乾燥した状態で絶縁状態のまま検査を行ってもよい。
上述した実施形態では、記録紙Sの端部を検出するインク受け領域52でインクの吐出検査を行うものとしたが、インクの吐出検査を行う検査領域をプラテン44上に形成されたインク受け領域52とは別の領域に設けてもよい。こうすれば、インク受け領域52上でのインクの固形成分の堆積を低減することができる。このとき、この検査領域は、フラッシング領域42内部に配置するものとしてもよいし、キャップ装置40の内部に配置するものとしてもよい。これらの場合、検査領域を配置する場所のインクを受ける領域に電極部材57を設ける。特にキャップ装置40の内部にインク受け領域52を設けた場合、印刷ヘッド24とインク受け領域52とを近接させることが可能であるため、インクの吐出検査の精度の点で好ましいし、また印刷ヘッド24を移動させることなくホームポジションのままでヘッド検査処理及びクリーニング処理を実行可能であるため、インクの吐出検査と印刷処理との処理全体で要する時間を短縮することができる。
上述した実施形態では、視認しにくい色(イエロー)を用いて記録紙Sの端部を検出するものとしたが、これ以外の色(例えば、ライトシアンやライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ブルー、レッド、クリアインクなど)を用いてもよい。また、記録紙Sの端部検出専用の液体(例えば水など)を用いるものとしてもよい。こうしても、インクの吐出により直接的に記録紙Sの端部を検出することができる。
上述した実施形態では、印刷ヘッド24をキャリッジベルト32及びキャリッジモータ34により主走査方向に移動して印刷するものとしたが、印刷ヘッド24を主走査方向に移動しないものに適用してもよい。具体的には、記録紙Sの搬送方向に直交する主走査方向に、記録紙Sの幅と同等又はそれ以上の長さで配列した各色のノズル列を設けた印刷ヘッド(いわゆるラインインクジェットヘッド、例えば特開2002−200779号公報など参照)により記録紙Sへインクを吐出するものに適用してもよい。こうしても、記録紙Sの先端部、側端部及び後端部の位置を精度よく把握することができるし、記録紙Sの先端部、側端部及び後端部でのインクの消費をより抑制することができる。
上述した実施形態では、縁無し印刷のデータを受信したあと、この印刷データのうち、先端部の把握では先端領域、側端部の把握では印刷データすべて、後端部の把握では後端領域の印刷が終了するまでは、電圧印加回路53により印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に所定の電圧を印加するとしたが、印刷ヘッド24が記録紙Sの端部近傍にあるときだけ、つまり、記録紙Sの端部の位置を把握するときだけ電圧印加回路53により印刷ヘッド24とインク受け領域52との間に所定の電圧を印加するとしてもよい。こうすれば、記録紙Sの端部を検出するときのみ電圧を印加するため、電力消費を低減することができる。なお、印刷ヘッド24が記録紙Sの側端部近傍にあるか否かの判定は、印刷データに含まれる用紙サイズの情報とリニア式エンコーダ25の値などを用いて判定してもよいし、前回把握した記録紙Sの側端部の位置の情報を今回の記録紙Sの側端部の位置として利用して判定してもよい。
上述した実施形態では、ヘッド検査ルーチンの実行タイミングをメインルーチンで印刷待ちのデータがあるとき(ステップS100)のあととしたが、例えば、ヘッド検査ルーチンの実行タイミングをキャリッジ22の移動回数が所定回数に達するごと(例えば100パスごとなど)としてもよいし、所定のインターバルごと(例えば1日ごとや1週間ごとなど)としてもよい。また、ヘッド検査ルーチンを省略してもよい。
上述した実施形態では、インクジェット方式を採用したフルカラーのインクジェットプリンタ20としたが、スキャナを搭載したマルチファンクションプリンタとしてもよいし、FAX機やコピー機などの複合印刷装置としてもよい。
上述した実施形態では、記録紙Sの上端部の位置、側端部の位置及び後端部の位置の検出について、別々に説明したが、これらすべてを組み合わせて記録紙Sの端部位置の検出を行ってもよいし、これらのうちいずれか1つ以上を任意に組み合わせて記録紙Sの端部の位置の検出を行ってもよい。また、記録紙Sの上端部の位置、側端部の位置及び後端部の位置の検出について、いずれかの端部の位置の検出手法を、適用可能な範囲で他の端部の位置の検出に用いてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
10 ユーザPC、14 給紙トレイ、18 記録紙挿入口、20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23,23Y,23M,23C,23K ノズル、23D 側端部検出用ノズル、23pm 吐出許可ノズル、23ph 吐出禁止ノズル、23Ysp 特定ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、28 ガイド、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34 キャリッジモータ、35 紙送りローラ、36 給紙ローラ、37 排紙ローラ、40 キャップ装置、43,43Y,43M,43C,43K ノズル列、44 プラテン、44a 支持柱、47 マスク回路、48 圧電素子、50 記録紙エッジ検出装置、51 検出ボックス、52 インク受け領域、52a〜52d 側端部用インク吸収領域、52e 先後端部用インク吸収領域、53 電圧印加回路、54 電圧検出回路、54a 積分回路、54b 反転増幅回路、54c A/D変換回路、55 上側インク吸収体、56 下側インク吸収体、57 電極部材、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、79 インタフェース(I/F)。
Claims (20)
- 複数のノズルから印刷記録液を印刷媒体へ吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷媒体が通過し前記ノズルから吐出した印刷記録液が到達可能な印刷記録液受け領域と、
前記ノズルから印刷記録液を吐出させる印刷ヘッド駆動手段と、
前記印刷記録液受け領域又は前記印刷ヘッドの電気的変化を検出する電気的変化検出手段と、
前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握する制御手段と、
を備えた画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電気的変化検出手段が検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握するのに代えて又はこれに加えて、前記検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列したノズル列を備え、
前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の先端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記ノズル列に含まれる前記ノズルから吐出された印刷記録液が到達可能な状態で固定されている前記印刷媒体へ、前記ノズル列のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域上のノズルから前記印刷媒体で覆われている領域上のノズルへ向かって順に前記ノズルを変えて前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握する、
請求項3に記載の画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記印刷媒体を搬送方向に搬送可能な搬送手段、を備え、
前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記複数のノズルのうち特定ノズルから吐出された印刷記録液の前記印刷記録液受け領域へ到達する到達位置に向かって前記印刷媒体が搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に前記特定ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置に基づいて前記印刷媒体の先端部の位置を把握する、
画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御することにより前記印刷媒体の第1先端部の位置を把握し、該第1先端部の位置と異なる位置で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の先端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御することにより前記印刷媒体の第2先端部の位置を把握し、該把握した第1先端部及び第2先端部の位置に基づいて前記印刷媒体の傾きを把握する、
請求項3〜5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の側端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって又は前記印刷媒体で覆われている領域から前記印刷媒体の側端部を外れた領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の側端部の位置を把握する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列した2以上のノズル列を備え、
前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の側端部を外れた領域から前記印刷媒体で覆われている領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向の最前列の前記ノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させたときに前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されなくなった位置を前記印刷媒体の側端部の位置として把握し、該把握した前記印刷媒体の側端部の位置に基づいて他のノズル列に含まれるノズルからも前記印刷記録液を吐出させるよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の搬送方向に前記複数のノズルを配列した2以上のノズル列を備え、
前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体で覆われている領域から前記印刷媒体の側端部を外れた領域にわたって前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向の最前列の前記ノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させたときに前記電気的変化検出手段によって電気的変化が検出されるようになった位置を前記印刷媒体の側端部の位置として把握し、該把握した前記印刷媒体の側端部の位置に基づいて前記最前列のノズル列及び他のノズル列に含まれるノズルから印刷記録液を吐出させないよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項7又は8に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前回把握した前記印刷媒体の側端部の位置を今回の該印刷媒体の側端部の位置として把握し、該把握した前記印刷媒体の側端部の位置に基づいて前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷記録液を吐出させる必要のない吐出禁止ノズルを設定し、該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電気的変化検出手段が検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の後端部の位置を把握するのに代えて又はこれに加えて、前記検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の後端の領域以外に印刷記録液を吐出する方式である通常印刷方式と前記印刷媒体の後端の領域に印刷記録液を吐出する方式である後端部印刷方式とを切り替えて前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項11に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出された電気的変化に基づいて前記吐出禁止ノズルを設定するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記吐出禁止ノズル以外のノズルから前記印刷記録液を吐出し前記印刷記録液受け領域で前記電気的変化を検出したときには、前記吐出禁止ノズル以外のノズルのうち少なくとも前記印刷媒体の搬送方向の最上流のノズルを前記吐出禁止ノズルに設定する、
請求項11に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出された電気的変化に基づいて前記吐出禁止ノズルを設定するに際して、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段が前記電気的変化を検出するたびに、前記吐出禁止ノズル以外のノズルのうち少なくとも前記搬送方向に直交する主走査方向に配列した前記搬送方向の最上流のノズル群を前記吐出禁止ノズルに設定する、
請求項13に記載の画像形成装置。 - 請求項13に記載の画像形成装置であって、
前記印刷媒体を前記搬送方向に搬送させる搬送手段、を備え、
前記制御手段は、前記印刷媒体を搬送するよう前記搬送手段を制御すると共に前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御し、該制御時に前記電気的変化検出手段が前記電気的変化を検出したときには、前記吐出禁止ノズル以外のノズルのうち少なくとも前記搬送方向に直交する主走査方向に配列した前記搬送方向の最上流のノズル群を前記吐出禁止ノズルに設定し、次回の前記印刷媒体の搬送及び印刷記録液の吐出時に該設定した内容に基づいて前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の後端部を外れた領域と前記印刷媒体の後端部で覆われている領域との両方に前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの電気的変化を前記電気的変化検出手段によって検出し、該検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の後端部の位置を把握する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電気的変化検出手段によって検出した電気的変化に基づいて前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出して前記印刷媒体への縁無し印刷を行うよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記印刷記録液を各色ごとに収容しており、
前記制御手段は、前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御するに際して、前記印刷記録液のうち視認しにくい色の印刷記録液を吐出させるよう印刷ヘッド駆動手段を制御する、
請求項1〜17のいずれかに記載の画像形成装置。 - 複数のノズルから印刷記録液を印刷媒体へ吐出する印刷ヘッドと、前記ノズルから印刷記録液を吐出させる印刷ヘッド駆動手段と、前記印刷媒体が通過し前記ノズルから吐出した印刷記録液が到達可能な印刷記録液受け領域とを備えた画像形成装置を利用して前記印刷媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
(a)前記印刷記録液受け領域と前記印刷ヘッドとの間に所定の電位差を発生させ吐出前の印刷記録液を帯電させた状態で前記印刷記録液受け領域のうち前記印刷媒体の端部を外れた領域と前記印刷媒体で覆われている領域とに前記印刷ヘッドが前記ノズルから前記印刷記録液を吐出するよう前記印刷ヘッド駆動手段を制御したときの前記印刷記録液受け領域又は前記印刷ヘッドの電気的変化を検出するステップと、
(b)前記ステップ(a)で検出した電気的変化に基づいて前記印刷媒体の端部の位置を把握するステップと、
を含む画像形成方法。 - 請求項19に記載の画像形成方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
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