JP2005238159A - 材料塗布方法、カラーフィルタ基板の製造方法、エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、プラズマ表示装置の製造方法、検査方法、および吐出システム - Google Patents

材料塗布方法、カラーフィルタ基板の製造方法、エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、プラズマ表示装置の製造方法、検査方法、および吐出システム Download PDF

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Abstract

【課題】 振動子の残留振動を検出することでヘッドの吐出異常の原因を特定すること。
【解決手段】 材料塗布方法は、吐出部の残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップと、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記ノズルの吐出異常を検出するステップと、前記少なくとも1つのパラメータの値が前記ノズルの吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップと、を含んでいる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、流動性を有する材料を吐出する吐出装置における吐出異常の検査方法に関する。
カラーフィルタ、エレクトロルミネッセンス表示装置などの製造に用いられるインクジェット装置が知られている(例えば特許文献1)。一方、インクジェット印刷装置におけるヘッド内に混入した気泡を検出する技術が知られている(例えば特許文献2)。
特開2002−221616号公報 特公昭58−30828号公報
インクジェット装置の吐出異常を引き起こす原因は複数ある。具体的には、キャビティ内への気泡の混入、吐出すべき材料の粘性の増加、ノズルプレートへの異物付着、ノズルプレートの侵食、材料の固着によるノズル内径の減少等が、吐出異常を引き起こし得る原因である。ところが、特許文献1に示すような従来の検査方法では、上記複数の原因から実際の原因を特定できない。そして、実際の原因を特定できないので、行われる吐出回復工程が適切でない場合があり、この結果、吐出回復までに時間がかかることがある。
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、振動子の残留振動からヘッドの吐出異常の原因を特定することである。
本発明の材料塗布方法は、吐出装置を用いた材料塗布方法であって、前記吐出装置の吐出部の残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記吐出部の吐出異常を検出するステップ(B)と、前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、を含んでいる。
また、本発明の材料塗布方法は、液状の材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置を用いた材料塗布方法である。そして上記材料塗布方法は、前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、を含んでいる。
上記構成によって得られる効果の一つは、吐出異常の原因と異常度とに応じた吐出回復工程が行われ得ることである。吐出異常の原因と異常度とは、パラメータに反映されるからである。
本発明のある態様によれば、前記複数の吐出回復工程は、前記ノズルの開口部を拭取るワイピング工程、前記ノズルから前記液状の材料を捨て打ちするフラッシング工程、および前記ノズルから前記液状の材料を吸引する吸引工程を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、吐出異常の原因と異常度とに応じて、適切なワイピング工程、フラッシング工程、吸引工程を行えることである。
本発明の他の態様によれば、前記吐出装置が、前記パラメータの値を表す信号に応じて、吐出異常の原因と異常度との組を示す複数の診断データを出力する変換部を備えている。そして、前記ステップ(C)は、前記パラメータの値を表す信号を前記変換部に与えて、前記複数の診断データを読み出すステップ(C1)と、前記読み出された前記複数の診断データのうちから、最も高い前記異常度を示す前記診断データを選択するステップ(C2)と、前記選択された前記診断データが示す前記原因と前記異常度との組に応じて、前記複数の吐出回復工程の内容を選択するステップ(C3)と含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、吐出異常の原因と異常度との特定がより迅速になることである。
本発明のさらに他の態様によれば、前記吐出装置が、前記パラメータのタイプと値との組を表す信号に応じて、吐出異常の原因と異常度との組を示す複数の診断データを出力する変換部を備えている。そして、前記ステップ(A)は、複数の前記パラメータのそれぞれの値を導出するステップ(A1)を含む。さらに、前記ステップ(B)は、前記複数のパラメータのそれぞれの値が、それぞれの許容範囲外にあるか否かを判定して前記吐出異常を検出するステップ(B1)と、2以上の前記パラメータの値がそれぞれの前記許容範囲外である場合に、それぞれの基準値から最もずれた値を有する前記パラメータを特定するステップ(B2)と、を含む。また、前記ステップ(C)は、前記特定されたパラメータのタイプと値との組を表す信号を前記変換部に与えて、前記複数の診断データを読み出すステップ(C1)と、前記読み出された前記複数の診断データのうちから、最も高い前記異常度を示す前記診断データを選択するステップ(C2)と、前記選択された前記診断データが示す前記原因と前記異常度との組に応じて、前記複数の吐出回復工程の内容を選択するステップ(C3)と、を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、吐出異常の原因と異常度との特定がより正確になることである。残留振動から複数のパラメータのそれぞれの値を導出するからである。
本発明は種々の態様で実現することが可能であり、例えば、カラーフィルタ基板の製造方法、エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、プラズマ表示装置の製造方法などの態様で実現できる。
本発明の検査方法は、吐出装置の検査方法であって、前記吐出装置の吐出部の残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記吐出部の吐出異常を検出するステップ(B)と、前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じて、前記吐出異常の原因と異常度とを判定するステップ(C)と、を含む。
また、本発明の検査方法は、液状の材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置の検査方法である。そして、上記検査方法は、前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、前記少なくとも1つのパラメータの値が前記吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じて、前記吐出異常の原因と異常度とを判定するステップ(C)と、を含む。
上記構成によって得られる効果の一つは、残留振動を検出することで、吐出異常の原因と異常度とを判定できることである。
本発明の吐出システムは、液状の材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドと、前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するとともに、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記ノズルの吐出異常を検出する判定部と、前記パラメータの値が前記ノズルの吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うメンテナンス装置と、を備えている。
上記構成によって得られる効果の一つは、吐出異常の原因と異常度に応じた吐出回復工程を行える吐出システムが得られることである。吐出異常の原因と異常度とは、残留振動のパラメータに反映されるからである。
(実施形態1)
(A.吐出装置100Rの全体構成)
図1の吐出装置100Rは、液状のカラーフィルタ材料111Rを保持するタンク101Rと、チューブ110Rと、チューブ110Rを介してタンク101Rから液状のカラーフィルタ材料111Rが供給される吐出走査部102と、を備えた材料塗布装置である。そして、吐出走査部102は、グランドステージGSと、吐出ヘッド部103と、第1位置制御装置104と、ステージ106と、第2位置制御装置108と、制御部112と、メンテナンス装置90と、を備えている。
吐出ヘッド部103は、ステージ106側に液状のカラーフィルタ材料111Rを吐出する複数のヘッド114(図2)を保持している。これら複数のヘッド114のそれぞれは、制御部112からの信号に応じて、液状のカラーフィルタ材料111Rの液滴を吐出する。そして、タンク101Rと、吐出ヘッド部103における複数のヘッド114とは、チューブ110Rで連結されており、タンク101Rから複数のヘッド114のそれぞれに液状のカラーフィルタ材料111Rが供給される。
ここで、液状のカラーフィルタ材料111Rは、本発明の「液状の材料」に対応する。「液状の材料」とは、ヘッド114のノズル(後述)から液滴として吐出可能な粘度を有する材料をいう。この場合、材料が水性であると油性であるとを問わない。ノズルから吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。
第1位置制御装置104は、制御部112からの信号に応じて、吐出ヘッド部103をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置制御装置104は、Z軸に平行な軸の回りで吐出ヘッド部103を回転させる機能も有する。本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。
具体的には、第1位置制御装置104は、X軸方向に延びる一対のリニアモータと、X軸方向に延びる一対のX軸ガイドレールと、X軸エアスライダと、キャリッジ回動部と、支持構造体14と、を備えている。支持構造体14は、これら一対のリニアモータと、一対のX軸ガイドレールと、一対のX軸エアスライダと、キャリッジ回動部とを、ステージ106からZ軸方向に所定距離だけ離れた位置に固定している。一方、X軸エアスライダは、一対のX軸ガイドレールに移動可能に支持されている。そして、X軸エアスライダは、一対のリニアモータの働きによって、一対のX軸ガイドレールに沿ってX軸方向に移動する。吐出ヘッド部103はキャリッジ回動部を介してX軸エアスライダと連結されているので、吐出ヘッド部103は、X軸エアスライダとともにX軸方向に移動する。なお、吐出ヘッド部103は、吐出ヘッド部103におけるノズル(後述)がステージ106側を向くように、X軸エアスライダに支持されている。なお、キャリッジ回動部はサーボモータを有しており、吐出ヘッド部103をZ軸に平行な軸の回りで回転させる機能を有する。
第2位置制御装置108は、制御部112からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させる。さらに、第2位置制御装置108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有する。
具体的には、第2位置制御装置108は、Y軸方向に延びる一対のリニアモータと、Y軸方向に延びる一対のY軸ガイドレールと、Y軸エアスライダと、支持ベースと、θテーブルと、を備えている。一対のリニアモータおよび一対のY軸ガイドレールは、グランドステージGS上に位置している。一方、Y軸エアスライダは、一対のY軸ガイドレールに移動可能に支持されている。そして、Y軸エアスライダは、一対のリニアモータの働きによって、一対のY軸ガイドレールに沿ってY軸方向に移動する。Y軸エアスライダは、支持ベースおよびθテーブルを介してステージ106の裏面に連結されているので、ステージ106は、Y軸エアスライダとともにY軸方向に移動する。なお、θテーブルはモータを有しており、ステージ106をZ軸に平行な軸の回りで回転させる機能を有する。
なお、本明細書では、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108を、「走査部」または「ロボット」とも表記する。
本実施形態におけるX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、吐出ヘッド部103およびステージ106のどちらか一方が他方に対して相対移動する方向に一致している。また、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向を規定するXYZ座標系の仮想的な原点は、吐出装置100Rの基準部分に固定されている。本明細書において、X座標、Y座標、およびZ座標とは、このようなXYZ座標系における座標である。なお、上記の仮想的な原点は、基準部分だけでなく、ステージ106に固定されていてもよいし、吐出ヘッド部103に固定されていてもよい。
上述のように、吐出ヘッド部103は第1位置制御装置104によってX軸方向に移動させられる。一方、ステージ106は第2位置制御装置108によってY軸方向に移動させられる。つまり、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108によって、ステージ106に対するヘッド114の相対位置が変わる。より具体的には、これらの動作によって、吐出ヘッド部103、ヘッド114、またはノズル118(図2)は、ステージ106上で位置決めされた基体10Aに対して、Z軸方向に所定の距離を保ちながら、X軸方向およびY軸方向に相対的に移動、すなわち相対的に走査する。ここで、静止した被吐出部に対して吐出ヘッド部103がY軸方向に移動してもよい。そして吐出ヘッド部103がY軸方向に沿って所定の2点間を移動する期間内に、静止した被吐出部に対してノズル118(図2)から液状のカラーフィルタ材料111Rを吐出してもよい。「相対移動」または「相対走査」とは、液状のカラーフィルタ材料111Rを吐出する側と、そこからの吐出物が着弾する側(被吐出部側)の少なくとも一方を他方に対して移動することを含む。
さらに、吐出ヘッド部103、ヘッド114、またはノズル118(図2)が相対移動するとは、ステージ106、基体10A、または被吐出部18Rに対するこれらの相対位置が変わることである。このため、本明細書では、吐出ヘッド部103、ヘッド114、またはノズル118が吐出装置100Rに対して静止して、ステージ106のみが移動する場合であっても、吐出ヘッド部103、ヘッド114、またはノズル118が、ステージ106、基体、または被吐出部に対して相対移動すると表記する。また、相対走査または相対移動と、材料の吐出と、の組合せを指して「塗布走査」と表記することもある。
吐出ヘッド部103およびステージ106は上記以外の平行移動および回転の自由度をさらに有している。ただし、本実施形態では、上記自由度以外の自由度に関する記載は説明を平易にする目的で省略されている。
制御部112は、液状のカラーフィルタ材料111Rを吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。制御部112の詳細な構成および機能は、後述する。
メンテナンス装置90は、移動台91と、吸引ユニット92と、フラッシングユニット93と、ワイピングユニット94とを有している。吸引ユニット92と、フラッシングユニット93と、ワイピングユニット94とは、移動台91上に位置している。移動台91は、吸引ユニット92、フラッシングユニット93およびワイピングユニット94のいずれかのユニットが吐出ヘッド部103に対面するように、Y軸方向に相対位置を変更して停止する。
吸引ユニット92は、吐出回復工程制御部186(図4)からの信号に応じて、ヘッド114からカラーフィルタ材料111Rを吸引する。具体的には、吸引ユニット92がヘッド114の底面(ノズル118が露出している面)に対面するように、移動台91が相対移動する。そして、吸引ユニット92が有する複数の吸引部(不図示)がヘッド114に接するように、吸引ユニット92がZ軸方向に相対移動する。そして、吸引部とヘッド114の底面とを接しさせたままで、吸引ユニット92は、図示しないポンプによる吸引力を利用して複数のヘッド114のノズル118から液状のカラーフィルタ材料111Rを吸引する。このような吸引によって、ヘッド114の吐出異常を解消できる。
複数のヘッド114は、吐出回復工程制御部186(図4)からの信号に応じて、ヘッド114の底面がフラッシングユニット93に対面する位置で、カラーフィルタ材料111Rの捨て打ちを行う。具体的には、フラッシングユニット93がヘッド114の底面に対面するように、移動台91が相対移動する。そして、複数のヘッド114は、フラッシングユニット93に向けて、カラーフィルタ材料111Rを吐出する。このような吐出(捨て打ち)によって、ヘッド114の吐出異常を解消できる。
ワイピングユニット94は、吐出回復工程制御部186(図4)からの信号に応じて、ヘッド114の底面に露出するノズル118の開口部を拭取る。具体的には、ワイピングユニット94がヘッド114の底面に対面するように、移動台91が相対移動する。そして、ワイピングユニット94におけるワイパー(不図示)がヘッド114のノズル面に接するように、ワイピングユニット94がZ軸方向に相対移動する。そして、ワイパーがヘッド114の底面を拭取る。このような拭取りによって、ヘッド114の吐出異常を解消できる。
(B.ヘッド)
図2に示すヘッド114は、吐出ヘッド部103が有する複数のヘッド114の一つである。図2は、ステージ106側からヘッド114を眺めた図であり、ヘッド114の底面を示している。ヘッド114は、X軸方向に延びるノズル列116を有している。ノズル列116は、X軸方向にほぼ均等に並んだ複数のノズル118からなる。これら複数のノズル118は、ヘッド114のX軸方向のノズルピッチHXPが約70μmとなるように配置されている。ここで、「ヘッド114のX軸方向のノズルピッチHXP」は、ヘッド114におけるノズル118のすべてを、X軸方向に直交する方向からX軸上に射像して得られた複数のノズル像間のピッチに相当する。
ノズル列116におけるノズル118の数は180個である。ただし、ノズル列116の両端のそれぞれ10ノズルは「休止ノズル」として設定されている。そして、これら20個の「休止ノズル」からは液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出されない。このため、ヘッド114における180個のノズル118のうち、160個のノズル118が液状のカラーフィルタ材料111Rを吐出するノズル118として機能する。本明細書では、これら160個のノズル118を「吐出ノズル118T」と表記することもある。
なお、1つのヘッド114におけるノズル118の数は、180個に限定されない。1つのヘッド114に360個のノズルが設けられていてもよい。
図3(a)および(b)に示すように、それぞれのヘッド114は、インクジェットヘッドである。より具体的には、それぞれのヘッド114は、振動板126と、ノズルプレート128と、を備えている。振動板126と、ノズルプレート128と、の間には、タンク101R(図1)から孔131を介して供給される液状のカラーフィルタ材料111Rが常に充填される液たまり129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128と、の間には、複数の隔壁122が位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122と、によって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キャビティ120には、1対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液たまり129から液状のカラーフィルタ材料111Rが供給される。
振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置する。振動子124は、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む1対の電極124A、124Bと、を含む。この1対の電極124A、124Bの間に駆動電圧を与えることで、ピエゾ素子124Cが振動する。そして、ピエゾ素子124の振動によって、対応するキャビティ120内の液状のカラーフィルタ材料に所定値以上の運動エネルギーが与えられる場合には、対応するノズル118から液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出される。なお、ノズル118からZ軸方向に液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。
制御部112(図1)は、複数の振動子124のそれぞれに互いに独立に信号を与えるように構成されていてもよい。つまり、ノズル118から吐出されるカラーフィルタ材料111Rの体積が、制御部112からの信号に応じてノズル118毎に制御されてもよい。そのような場合には、ノズル118のそれぞれから吐出されるカラーフィルタ材料111Rの体積は、0pl〜42pl(ピコリットル)の間で可変にしてもよい。また、制御部112は、後述するように、塗布工程の間に吐出動作を行うノズル118と、吐出動作を行わないノズル118と、を設定することでもできる。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124と、を含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つのヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の吐出部127を有する。
吐出部127は、ピエゾ素子の代わりに電気熱変換素子を有してもよい。つまり、吐出部127は、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して材料を吐出する構成を有していてもよい。吐出部127がピエゾ素子の代わりに電気熱変換素子を有する場合には、吐出部127の残留振動を検出するためのピエゾ素子を吐出部127の内部に設ければよい。
(C.制御部)
次に、制御部112の構成を説明する。図4に示すように、制御部112は、処理部220と、走査駆動部225と、ヘッド駆動部226と、吐出異常検出部227と、を備えている。なお、制御部112の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
処理部220は、吐出処理や吐出異常検出処理などの各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)221と、外部情報処理装置からインターフェイス(IF)を介して入力される吐出データを格納する不揮発性半導体メモリの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)222と、後述する吐出異常検出処理等を実行する際に各種データを一時的に格納する、あるいは吐出処理などのプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)223と、各部を制御する制御プログラム等を格納するROM224とを備えている。
制御部112は、処理部220において外部情報処理装置から液状のカラーフィルタ材料111Rの液滴の吐出を行うための吐出データを受け取る。吐出データは、基体上のすべての被吐出部の相対位置を表すデータと、すべての被吐出部に液状のカラーフィルタ材料111Rを所望の厚さにまで塗布するのに必要となる吐出の回数を示すデータと、休止ノズルを指定するデータと、吐出ノズル118Tのうち吐出を行うノズルを指定するデータと、吐出ノズル118Tのうち吐出を行わないノズルを指定するデータと、を含む。吐出データは、RAM223に格納される。
処理部220は、RAM223に格納された吐出データに基づいて、被吐出部に対するノズル118の相対位置を示すデータを走査駆動部225に与える。走査駆動部225はこのデータと、後述する吐出周期EP(図5)と、に応じた駆動信号を第2位置制御装置108に与える。この結果、被吐出部に対してヘッド114が相対走査する。一方、処理部220は、RAM223に記憶された吐出データと、吐出周期EPと、に基づいて、吐出タイミング毎のノズル118のオン・オフを指定する選択信号SC(i)をヘッド駆動部226へ与える。ヘッド駆動部226は、選択信号SC(i)に基づいて、液状のカラーフィルタ材料111Rの吐出に必要な吐出信号ES(i)をヘッド114に与える。この結果、ヘッド114における対応するノズル118から、液状のカラーフィルタ材料111Rが液滴として吐出される。
以上の構成によって、吐出装置100Rは、制御部112に与えられた吐出データに応じて、液状のカラーフィルタ材料111Rの塗布走査を行う。
次に制御部112におけるヘッド駆動部226の構成と機能とを説明する。図5(a)に示すように、ヘッド駆動部226は、1つのヘッド駆動回路203と、切替部228と、複数のアナログスイッチAS(i)とを有する。なお、切替部228は、処理部220からの駆動/検出切替え信号に応じて、複数のアナログスイッチAS(i)に、吐出異常検出部227およびヘッド駆動回路203のどちらかを電気的に接続する。この切替部228については後述する。
図5(b)に示すように、ヘッド駆動回路203は駆動信号DSを生成する。駆動信号DSの電位は、基準電位Lに対して時間的に変化する。具体的には、駆動信号DSは、吐出周期EPで繰り返される複数の吐出波形Pを含む。ここで、吐出波形Pは、ノズル118から1つの液滴を吐出するために、対応する振動子124の一対の電極間に印加されるべき駆動電圧波形に対応する。
駆動信号DSは、アナログスイッチAS(i)のそれぞれの入力端子に供給される。アナログスイッチAS(i)のそれぞれは、吐出部127のそれぞれに対応して設けられている。つまり、アナログスイッチAS(i)の数と吐出部127の数(つまりノズル118の数)とは同じである。
処理部220は、ノズル118のオン・オフを表す選択信号SC(i)を、アナログスイッチAS(i)のそれぞれに与える。ここで、選択信号SC(i)(図5のSC(1)〜SC(7))は、アナログスイッチAS(i)毎に独立にハイレベルおよびローレベルのどちらかの状態を取り得る。一方、アナログスイッチAS(i)は、駆動信号DSと選択信号SC(i)とに応じて、振動子124の電極124Aに吐出信号ES(i)(図5のES(1)〜ES(7))を供給する。具体的には、選択信号SC(i)がハイレベルの場合には、アナログスイッチAS(i)は電極124Aに吐出信号ES(i)として駆動信号DSを伝播する。一方、選択信号SC(i)がローレベルの場合には、アナログスイッチAS(i)が出力する吐出信号ES(i)の電位は基準電位Lとなる。なお、選択信号SC(i)のレベルがハイレベルに立ち上がるタイミングは、吐出波形Pの先頭のタイミングよりも若干早い。
処理部220から供給される選択信号SC(i)におけるハイレベルの期間の長さは、αまたはβである。ここで、αの長さはβの長さよりも長く、そしてαの長さおよびβの長さは、どちらも吐出周期EPの長さよりも短い。そして、選択信号SC(i)のレベルがハイレベルに立ちあがるエッジのタイミングは、すべての選択信号SC(i)間で同期している。
ハイレベルの期間の長さがαである選択信号SC(i)は、残留振動が検出される振動子124に対応する選択信号である。αの長さは、残留振動が減衰する時間を考慮した一定値に設定される。一方、ハイレベルの期間の長さがβである選択信号SC(i)は、残留振動の検出が行わなれない振動子124に対応する選択信号である。βの長さは、1つの吐出波形Pが振動子124に印加されるのに必要な期間に設定されている。理想的には吐出波形Pの長さとβの長さとは同じであればよいが、現実には吐出波形Pの長さよりもβの長さがわずかに長い。
本実施形態において、一度の吐出タイミング後に残留振動が検出されるノズル118の数は、吐出装置100Rにおいて一つである。具体的には、図5(b)に示すように、ある吐出タイミングに対応して、選択信号SC(1)は期間αだけハイレベルに維持され、SC(2)は期間βだけハイレベルに維持され、選択信号SC(3)はローレベルに維持される。一方、次の吐出タイミングに対応して、選択信号SC(1)は期間βだけハイレベルに維持され、SC(2)は期間αだけハイレベルに維持され、SC(3)はローレベルに維持される。このように、吐出タイミング毎に対応して、複数の選択信号SC(i)のうち、どれか一つの選択信号SC(i)が期間αだけハイレベルに設定され、残りの選択信号SC(i)は期間βだけハイレベルに設定されるか、またはローレベルに維持される。処理部220がこのように選択信号SC(i)を設定することで、吐出装置100Rの吐出タイミングに応じて、残留振動を検出する対象のノズル118(吐出部127)を変えることができる。
一方、選択手段228は、選択信号SC(i)の立ち上がりエッジのタイミングから期間βの長さだけ、ヘッド駆動回路203とアナログスイッチAS(i)とを接続している。したがって、期間β内に複数の吐出部127が動作を行う。言い換えると、期間β内に複数の振動子124が振動する。期間βが終わると、選択手段228は、アナログスイッチAS(i)と吐出異常検出部228とを接続する。このため、(α−β)の長さの期間に亘って、対応する一つの振動子124の残留振動によって生じる起電圧が吐出異常検出部227に供給される。本実施形態では、このような起電圧または起電圧の変化を「残留振動信号」とも表記する。
振動子124の電極124Aに駆動信号DSが与えられると、その振動子124に対応するノズル118から液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出される。なお、それぞれの振動子124の電極124Bには基準電位Lが与えられている。
図5(b)に示す例では、2つの吐出信号ES(1)、ES(2)のそれぞれにおいて、吐出周期EPの2倍の周期2EPで吐出波形Pが現れるように、2つの選択信号SC(1)、SC(2)のそれぞれにおいてハイレベルの期間とローレベルの期間とが設定されている。これによって、対応する2つのノズル118のそれぞれから、周期2EPで液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出される。また、これら2つのノズル118に対応する振動子124のそれぞれには、共通のヘッド駆動回路203からの共通の駆動信号DSがパラレルに与えられている。このため、2つのノズル118からほぼ同じタイミングで液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出される。
各キャビティ120内の液状のカラーフィルタ材料111Rと、対応するノズル118におけるメニスカスと、対応する振動子124とは、吐出波形P(駆動信号)による吐出動作によって、次の吐出波形Pが入力されて再び液状の材料を吐出するまでの間、減衰振動をしている。この減衰振動を、吐出部127の残留振動とも称する。吐出部127の残留振動は、ノズル118の形状、あるいは液状のカラーフィルタ材料111Rの粘度、キャビティ120内(液たまり129)の液状のカラーフィルタ材料111Rの重量等によって決定される固有振動周波数を有するものと想定される。
こうしたヘッド114の吐出部127のそれぞれにおいて、吐出動作を行ったにもかかわらずノズル118から液状のカラーフィルタ材料111Rが正常に吐出されない現象、すなわち液滴の吐出異常、が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、(1)キャビティ120内への気泡の混入、(2)ノズル118付近での液状の材料の粘度の増加(増粘)、(3)ノズル118出口付近への異物付着、および(4)インク固着によるノズル径の変化、等が挙げられる。
この吐出異常が発生すると、その結果としては、典型的にはノズル118から液滴が吐出されないこと、すなわち液滴の不吐出現象が現れる。その場合、液状の材料が塗布される基体(ワークとも呼ぶ)に塗布抜けを生じる。また、ノズル118から液滴が吐出されても、液滴の量が過少であったり、その液滴の飛行方向がずれたりして適正に着弾しないので、やはり塗布抜けとなって現れる。
図6には、吐出部127の残留振動が、対応する振動子124の電極124Aと124Bとの間に現れる起電圧で表されている。図6(a)は、ノズル118から液滴が正常吐出された時の残留振動を示す。図6(b)は、キャビティ120内へ気泡が混入した時の残留振動を示す。図6(c)は、ノズル118付近で液状の材料が乾燥した時の残留振動を示している。
一般的に減衰波形の数式は、振幅をX、減衰率をσ、角速度をω、位相をφ、定数(オフセット)をα、時間をtと表記すると、式y(t)=X−σtj(ωt+φ)+αで表すことができる。また、残留振動成分は、振動子124(振動板126)の振動、キャビティ120内(液たまり129)を満たす液状のカラーフィルタ材料111Rの振動、あるいはノズル118のメニスカスの振動などの、さまざまな振動波形が合成された波形であると考えられる。残留振動波形をY(t)、各振動成分をy(t)、y(t)…と表すと、Y(t)=y(t)+y(t)+…で表すことができる。
図6(b)に示すように、吐出装置100Rに衝撃などが加わることにより、キャビティ120内へ気泡が生じた場合、あるいはキャビティ120内へ気泡が混入した場合には、図6(a)に示す、液滴が正常吐出された時の残留振動に比較して、残留振動の周波数が高くなると共に、減衰が遅くなる。これは、キャビティ120内(液たまり129)を満たす液状のカラーフィルタ材料111Rの重量が気泡の混入した分減ることにより、周波数が高くなると考えられる。また、図6(c)に示すように、液状のカラーフィルタ材料111Rに含まれる溶媒が気化するなどにより、ノズル118付近で液状のカラーフィルタ材料111Rが乾燥(増粘)した場合には、残留振動の振幅が小さくなると共に、減衰が早くなる。
以上に説明した吐出部127の残留振動の変化によって、液状のカラーフィルタ材料111Rの吐出異常を検出すると共に、液滴吐出異常の原因を特定することができる。
図7を参照して、ヘッド駆動部226と吐出異常検出部227とをさらに説明する。ヘッド駆動部226は、ヘッド駆動回路203と、切替部228と、複数のアナログスイッチAS(i)と、を有してる。ヘッド駆動回路203は、駆動信号DSを生成する。駆動信号DSは、切替部228を介して複数のアナログスイッチAS(i)のそれぞれの入力端子に与えられる。複数のアナログスイッチAS(i)のそれぞれは、駆動信号DSと、対応する選択信号SC(i)とに応じて、対応する振動子124に吐出信号ES(i)を与える。切替部228は、処理部220からの駆動/検出切替え信号に応じて、アナログスイッチAS(i)を、ヘッド駆動回路203および吐出異常検出部227におけるノイズフィルタ181のどちらかに電気的に接続するスイッチである。
吐出異常検出部227は、ノイズフィルタ181と、増幅回路182と、A/D変換回路183と、デジタルフィルタ184と、判定部185と、を有している。処理部220からの駆動/検出切替え信号がON状態を示す場合には、切替部228は、アナログスイッチAS(i)とヘッド駆動回路203との電気的接続を切り離すとともに、アナログスイッチAS(i)とノイズフィルタ181とを電気的に接続する。したがって、駆動/検出切替え信号がON状態を表す場合には、振動子124が振動することによって生じる起電圧の時間的変動が、残留振動信号としてノイズフィルタ181に供給される。
ノイズフィルタ181は残留振動信号からノイズ成分を除去する。増幅回路182は、ノイズが除去された残留振動信号を増幅する。A/D変換回路183は増幅回路182によって増幅された残留振動信号をデジタル信号に変換する。デジタル化された残留振動信号は、デジタルフィルタ184によるフィルタ処理を受けて、判定部185に入力する。判定部185は、フィルタ処理が施された残留振動信号から、残留振動信号の周波数、減衰率、振幅、位相、およびオフセット(振動中心からのずれ)を導出する。これら周波数、減衰率、振幅、位相、およびオフセットは、1つの振動子124の残留振動の周波数、減衰率、振幅、位相、およびオフセットをそれぞれ表す。以下では、残留振動の周波数、減衰率、振幅、位相、およびオフセットのそれぞれを、残留振動のパラメータP(j)(jは1以上5以下の整数)とも呼ぶ。
判定部185は、導出された残留振動の各パラメータP(j)のデータに応じて、ノズル118の吐出異常の有無を判定する。そして、判定部185は、判定結果を表すデータを生成する。
吐出部127の残留振動を表す各パラメータを検出する際には、まず切替部228がヘッド駆動回路203とアナログスイッチAS(i)とを電気的に接続させる。そのうえで、振動板126上に配置された振動子124(図3)の一対の電極124A,124Bに、ヘッド駆動回路203からの駆動信号が、対応するアナログスイッチAS(i)を介して印加される。駆動信号DSの駆動波形が印加された直後に、切替部(スイッチ)228には処理部220から駆動/検出切替え信号が入力されて、このことによって、ヘッド114(振動子124)と吐出異常検出部227のノイズフィルタ181とが電気的に接続される。
切替部228には、次の振動子124の駆動タイミングに間に合うように、処理部220から駆動/検出切替え信号が入力される。このことによって、再びヘッド駆動回路203とアナログスイッチAS(i)とが電気的に接続する。
そして、判定部185において判定された吐出異常の有無のデータは、処理部220のRAM223に格納される。
ところで、キャビティ120の吐出ノズル118Tのメニスカスは、振動板126の残留振動に同期して振動する。そして、メニスカスの振動は、ノズル118からの液滴Dの吐出量に影響を与える。このため、ノズル118から液状のカラーフィルタ材料111Rが一旦吐出された場合には、同じノズル118から次の液状のカラーフィルタ材料111Rが吐出されるタイミングは、振動板126およびメニスカスの残留振動が充分に減衰した後に設定されている。本実施形態では、吐出タイミングと吐出タイミングとの間のこのような待機時間内に残留振動が検出される。
(D.判定部の構成)
図8に示すように、判定部185は、記憶部194と、パラメータ導出部190と、第1の変換部191と、データ選択部192と、第2の変換部193と、これらを通信可能に接続するバスと、を備えている。
記憶部194は、複数のパラメータP(j)のそれぞれの基準値を表す基準データEAS(j)と、複数のパラメータP(j)のそれぞれの許容範囲を表す範囲データEA(j)とを記憶している。
パラメータ導出部190は、デジタルフィルタが処理した残留振動信号に対して、フーリエ変換やウェーブレット変換などの信号処理を行って、残留振動を表す複数のパラメータP(j)のそれぞれの値を導出する。本実施形態では、パラメータP(1)、P(2)、P(3)、P(4)、およびP(5)はこの順番に、周波数、振幅、位相、減衰率、およびオフセットである。なお、導出するパラメータは1つであってもよい。
さらにパラメータ導出部190は、許容範囲外の値を有する1つのパラメータP(j)を特定する。ここで、許容範囲外の値を有するパラメータP(j)が複数導出されている場合には、対応する基準値からのずれが最も大きいパラメータP(j)を特定する。そして判定部は、特定されたパラメータP(j)のタイプを識別する識別子と、特定されたパラメータP(j)の値と、を表すパラメータ特定信号PSを、第1の変換部191に与える。なお、パラメータP(j)のタイプは、「周波数」、「振幅」、「位相」、「減衰率」、および「オフセット」のいずれか一つに対応する。
本実施形態では、検出された複数のパラメータP(j)の値のいずれもが、それぞれの許容範囲内にあれば、残留振動は正常であることを意味する。複数のパラメータP(j)の値の一つでも、対応する許容範囲外にあれば、残留振動に異常があることを意味する。つまり、この場合、吐出異常があることを意味する。
第1の変換部191は、パラメータ特定信号PSを受け取る。そして、第1の変換部191は、パラメータ特定信号PSが表すパラメータP(j)のタイプと、そのパラメータP(j)の値とに応じて、複数の診断データCDを出力する。複数の診断データCDのそれぞれは、複数の吐出異常の原因のそれぞれに対応している。また、複数の診断データCDのそれぞれは、対応する原因と、その対応する原因による吐出異常の異常度とを、表している。
図9に示すように、第1の変換部191は、パラメータP(j)のタイプ毎に、ルックアップテーブルLUT(j)を有している。本実施形態では、パラメータP(j)が5つあるので、ルックアップテーブルLUT(j)も5つある。なお、「j」は1から5までの整数を表している。
ルックアップテーブルLUT(j)のそれぞれは、吐出異常をもたらし得る複数の原因のそれぞれについて、パラメータP(j)の値に関連付けて異常度を示す数値を記憶している。このような機能を達成するために、ルックアップテーブルLUT(j)のそれぞれは、1入力1出力のサブルックアップテーブルを複数含んでいる。ここで、サブルックアップテーブルのそれぞれが、それぞれの吐出異常の原因に対応している。本実施形態では吐出異常の原因が5つ想定されているので、1つのルックアップテーブルLUT(j)内にサブルックアップテーブルが5つある。
サブルックアップテーブルは、パラメータP(j)の値に関連付けて、対応する原因に関する異常度を示すデータを記憶している。サブルックアップテーブルのそれぞれは、パラメータP(j)の値に応じて、診断データCDを出力する。「診断データ」とは、異常度を示すデータに、対応する原因を識別するための識別子が付されたデータである。なお、パラメータP(j)の値と、対応する原因の異常度の数値との関係は、実験によって決定されている。
データ選択部192は、第1の変換部191が出力する複数の診断データCDを受け取る。そして、最も高い異常度(最も高い数値)を表す診断データCDを特定、すなわち選択する。そして、特定した診断データCDを第2の変換部193に与える。
第2の変換部193は、データ選択部192から診断データCDを受け取るとともに、診断データCDによって表される吐出異常の原因と異常度との組合せに応じて、コマンドCCを出力する。このような機能を達成するために、第2の変換部193はルックアップテーブルLUTBを有している。図10は、ルックアップテーブルLUTBの構造を模式的に示している。図10に示すように、ルックアップテーブルLUTBは、吐出異常の原因と異常度との組合せに関連付けて、吐出回復工程の内容を示すコマンドCCを記憶している。例えば、ルックアップテーブルLUTBは、原因「気泡混入」と異常度「4」との組合せに関連付けて、ノズル118からの吸引を10秒間行い、かつノズル面のワインピング(拭取り)を1回行うことを示すコマンドCCを記憶している。また例えば、ルックアップテーブルLUTBは、原因「気泡混入」と異常度「2」との組合せに関連付けて、フラッシングAの吐出を2000発吐出するためのコマンドCCを記憶している。さらに例えば、ルックアップテーブルLUTBは、原因「材料の粘度変化」と異常度「3」との組合せに関連付けて、フラッシングBの吐出を2000発吐出するためのコマンドCCを記憶している。なお、フラッシングAとフラッシングBとでは、1つのノズル118からの1回の吐出によって吐出されるカラーフィルタ材料111Rの体積が異なる。本実施形態では、フラッシングAによる吐出体積は、フラッシングBによる吐出体積より多い。
吐出回復工程制御部186は、第2の変換部193からのコマンドCCを受け取る。そして、コマンドCCにしたがってメンテナンス装置90を駆動することで、吐出回復工程を行う。
本実施形態では、吐出異常検出部227が吐出装置100Rに設けられている。ただし、吐出異常検出部227が、吐出装置100Rと通信可能に接続された外部の制御装置(例えばコンピュータ)に設けられてもよい。このような場合には、外部の吐出異常検出部227と吐出装置100Rとを含めて「吐出装置」または「吐出システム」と表記する。
(E.残留振動を検出するフロー)
まず、ステップS0において、パラメータ導出部190は処理を開始する。具体的には、ステップS0においてパラメータ導出部190は、フィルタ処理がほどこされた残留振動信号から5つのパラメータP(j)を導出する。そして、図11に示すように、パラメータ導出部190は、ステップS2において、記憶部194から範囲データEA(j)(jは1から5までの整数)を読み出す。そして、導出されたパラメータP(j)のそれぞれ値が、対応する範囲データEA(j)が表す許容範囲内にあるか否かを判定する。複数のパラメータP(j)のいずれの値も、それぞれの許容範囲内にある場合(ステップS2がYES)には、処理を終了する(ステップS16)。複数のパラメータP(j)のうち1つでも許容範囲外にある場合(ステップS2がNO)には、処理はステップS6に進む。
本実施形態では、ステップS2における判定がNOの場合が、残留振動に異常があることを意味する。つまり、吐出異常があることを意味する。
ステップS6において、パラメータ導出部190は、許容範囲外の値を有するパラメータP(j)をすべて特定する。そして、許容範囲外の値を有するパラメータP(j)が複数ある場合には、対応する最適値からもっともずれた値を有するパラメータP(j)を特定する。そして、パラメータ導出部190は、特定されたパラメータP(j)を識別する識別子と、特定されたパラメータP(j)の値と、を表すパラメータ特定信号PSを、第1の変換部191(ルックアップテーブルLUT(j))に与える。
ステップS6の次のステップS8において、第1の変換部191は、パラメータ特定信号PSが識別するパラメータP(j)のタイプと、識別されるパラメータP(j)の値とに応じて、吐出異常を引き起こし得る複数の原因のそれぞれについて、それぞれの診断データCDを出力する。出力された複数の診断データCDは、データ選択部192に供給される。ここで、それぞれの診断データCDは、対応する原因による吐出異常の異常度を数値で表している。
例えば、ステップS6においてパラメータP(1)(周波数)が特定された場合には、パラメータ導出部190は、パラメータP(1)のタイプと、パラメータP(1)の値とを表すパラメータ特定信号PSを第1の変換部191に与える。そうすると、ステップS8において、第1の変換部191における5つのルックアップテーブルLUT(j)からルックアップテーブル(1)が選択される。そして、パラメータP(1)の値(周波数値Fa)に応じて、ルックアップテーブルLUT(1)は、「気泡混入」の異常度が「4」であることを示す診断データCDと、「材料粘度変化」の異常度が「2」であることを示す診断データCDと、「ノズルプレート異物付着」の異常度が「3」であることを示す診断データCDと、「ノズルプレート侵食」の異常度が「1」であること示す診断データCDと、「材料の固着によるノズル径の変化」の異常度が「1」であることを示す診断データCDと、「ヘッド故障」の異常度が「1」であることを示す診断データCDとを、出力する。ここで、「気泡混入」、「材料粘度変化」、「ノズルプレート異物付着」、「ノズルプレート侵食」、および「材料の固着によるノズル径の変化」のそれぞれが、吐出異常の複数の原因のそれぞれに対応する。
ステップS8の次のステップS10において、データ選択部192は、複数の診断データCDのうち、最も高い異常度(例えば、最も大きい数値)を示す診断データCDを選択する。最も高い異常度を示す診断データCDを選択することは、吐出異常の実際の原因を推測することに対応する。本実施形態では、「気泡混入」に対応する診断データCDが「4」であり、最も高い異常度を示しているので、「気泡混入」に対応する診断データCDを選択する。そして、データ選択部192は、特定された診断データCDをルックアップテーブルLUTBに与える。
ステップS10の次のステップS12において、ルックアップテーブルLUTBは、選択された診断データCDに応じて、吐出回復工程の内容(対処方法)を示すコマンドCCを出力する。本実施形態では、特定された診断データCDが、「気泡混入」を識別するとともに異常度「4」を示すので、ルックアップテーブルLUTBは、ノズル118からの吸引を10秒間行い、かつノズル面の拭取りを1回行うためのコマンドCCを出力する。出力されたコマンドCCは、吐出回復工程制御部186に供給される。
ステップS12の次のステップS14において、吐出回復工程制御部186は、ルックアップテーブルLUTBが出力したコマンドCCにしたがって、ノズル118からの吸引を10秒間行い、ワイピングを1回行う。
このように、本実施形態によれば、残留振動を検出することで導出されたパラメータの値に応じて、吐出回復工程の内容が選択される。
(実施形態2)
本発明をカラーフィルタ基板の製造装置に適用した例を説明する。なお、吐出異常検出処理および吐出回復工程は、実施形態1と同様であり説明を省略する。
図12(a)および(b)に示す基体10Aは、実施形態2において説明する製造装置1による処理を経て、カラーフィルタ基板10となる基板である。基体10Aは、マトリクス状に配置された複数の被吐出部18R、18G、18Bを有する。
具体的には、基体10Aは、光透過性を有する支持基板12と、支持基板12上に形成されたブラックマトリクス14と、ブラックマトリクス14上に形成されたバンク16と、を含む。ブラックマトリクス14は遮光性を有する材料で形成されている。そして、ブラックマトリクス14とブラックマトリクス14上のバンク16とは、支持基板12上にマトリクス状の複数の光透過部分、すなわちマトリクス状の複数の画素領域、が規定されるように位置している。
それぞれの画素領域において、支持基板12、ブラックマトリクス14、およびバンク16で規定される凹部は、被吐出部18R、被吐出部18G、被吐出部18Bに対応する。被吐出部18Rは、赤の波長域の光線のみを透過するフィルタ層111FRが形成されるべき領域であり、被吐出部18Gは、緑の波長域の光線のみを透過するフィルタ層111FGが形成されるべき領域であり、被吐出部18Bは、青の波長域の光線のみを透過するフィルタ層111FBが形成されるべき領域である。
図12(b)に示す基体10Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に位置している。そして、複数の被吐出部18R,18G、18Bが形成するマトリクスの行方向および列方向は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。基体10Aにおいて、被吐出部18R、被吐出部18G、および被吐出部18Bは、Y軸方向にこの順番で周期的に並んでいる。一方、被吐出部18R同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでおり、また、被吐出部18G同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでおり、そして、被吐出部18B同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方向は互いに直交する。
被吐出部18R同士のY軸方向に沿った間隔、すなわちピッチは、ほぼ560μmである。この間隔は、被吐出部18G同士のY軸方向に沿った間隔と同じであり、被吐出部18B同士のY軸方向に沿った間隔とも同じである。また、被吐出部18Rの平面像は、長辺と短辺とで決まる多角形である。具体的には、被吐出部18RのY軸方向の長さはほぼ100μmであり、X軸方向の長さはほぼ300μmである。被吐出部18Gおよび被吐出部18Bも被吐出部18Rと同じ形状・大きさを有している。被吐出部同士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョンテレビにおいて、同一色に対応する画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図13に示す製造装置1は、図10の基体10Aの被吐出部18R、18G、18Bのそれぞれに対して、対応するカラーフィルタ材料を吐出する装置である。具体的には、製造装置1は、被吐出部18Rのすべてにカラーフィルタ材料111Rを塗布する吐出装置100Rと、被吐出部18R上のカラーフィルタ材料111Rを乾燥させる乾燥装置150Rと、被吐出部18Gのすべてにカラーフィルタ材料111Gを塗布する100Gと、被吐出部18G上のカラーフィルタ材料111Gを乾燥させる乾燥装置150Gと、被吐出部18Bのすべてにカラーフィルタ材料111Bを塗布する100Bと、被吐出部18Bのカラーフィルタ材料111Bを乾燥させる乾燥装置150Bと、カラーフィルタ材料111R、111G、111Bを再度加熱(ポストベーク)するオーブン160と、ポストベークされたカラーフィルタ材料111R,111G、111Bの層の上に保護膜20を設ける吐出装置100Cと、保護膜20を乾燥させる乾燥装置150Cと、乾燥された保護膜20を再度加熱して硬化する硬化装置165と、を備えている。さらに製造装置1は、吐出装置100R、乾燥装置150R、吐出装置100G、乾燥装置150G、吐出装置100B、乾燥装置150B、オーブン160、吐出装置100C、乾燥装置150C、硬化装置165の順番に基体10Aを搬送する搬送装置170も備えている。搬送装置170は、フォーク部と、フォーク部を上下移動させる駆動部と、自走部と、を備えている。
図13に示す吐出装置100Rの構成は、実施形態1(図1)で説明した通りである。一方、吐出装置100Gの構成と、吐出装置100Bの構成と、吐出装置100Cの構成とは、いずれも基本的に吐出装置100Rの構造と同じある。ただし、吐出装置100Rにおけるタンク101Rと、対応するチューブ110Rとの代わりに、吐出装置100Gがカラーフィルタ材料111G用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置100Gの構成は吐出装置100Rの構成と異なる。同様に、タンク101Rとチューブ110Rとの代わりに、吐出装置100Bがカラーフィルタ材料111B用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置100Bの構成は吐出装置100Rの構成と異なる。さらに、タンク101Rとチューブ110Rとの代わりに、吐出装置100Cが保護膜材料用のタンクとチューブとを備える点で吐出装置100Cの構成は吐出装置100Rの構成と異なる。なお、本実施形態における液状のカラーフィルタ材料111R、111G、111Bは、本発明の液状の材料の一例である。
吐出装置100Gおよび100Bのそれぞれが行う吐出異常検出処理および吐出回復工程は実施形態1と同様であり、このため説明を省略する。
以下では、製造装置1によってカラーフィルタ基板10が得られるまでの一連の工程を説明する。
まず、以下の手順にしたがって図12の基体10Aを作成する。まず、スパッタ法または蒸着法によって、支持基板12上に金属薄膜を形成する。その後、フォトリソグラフィー工程によってこの金属薄膜から格子状のブラックマトリクス14を形成する。ブラックマトリクス14の材料の例は、金属クロムや酸化クロムである。なお、支持基板12は、可視光に対して光透過性を有する基板、例えばガラス基板である。続いて、支持基板12およびブラックマトリクス14を覆うように、ネガ型の感光性樹脂組成物からなるレジスト層を塗布する。そして、そのレジスト層の上にマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム密着させながら、このレジスト層を露光する。その後、レジスト層の未露光部分をエッチング処理で取り除くことで、バンク16が得られる。以上の工程によって、基体10Aが得られる。
なお、バンク16に代えて、樹脂ブラックからなるバンクを用いても良い。その場合は、金属薄膜(ブラックマトリクス14)は不要となり、バンク層は、1層のみとなる。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体10Aを親液化する。この処理によって、支持基板12と、ブラックマトリクス14と、バンク16と、で規定されたそれぞれの凹部(画素領域の一部)における支持基板12の表面と、ブラックマトリクス14の表面と、バンク16の表面と、が親液性を呈するようになる。さらに、その後、基体10Aに対して、4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理を行う。4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、それぞれの凹部におけるバンク16の表面がフッ化処理(撥液性に処理)され、このことで、バンク16の表面が撥液性を呈するようになる。なお、4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、先に親液性を与えられた支持基板12の表面およびブラックマトリクス14の表面は若干親液性を失うが、それでもこれら表面は親液性を維持する。このように、支持基板12と、ブラックマトリクス14と、バンク16と、によって規定された凹部の表面に所定の表面処理が施されることで、凹部の表面が被吐出部18R、18G、18Bとなる。
なお、支持基板12の材質、ブラックマトリクス14の材質、およびバンク16の材質によっては、上記のような表面処理を行わなくても、所望の親液性および撥液性を呈する表面が得られることもある。そのような場合には、上記表面処理を施さなくても、支持基板12と、ブラックマトリクス14と、バンク16と、によって規定された凹部の表面が被吐出部18R,18G、18Bである。
被吐出部18R、18G、18Bが形成された基体10Aは、搬送装置170によって、吐出装置100Rのステージ106に運ばれる。そして、図14(a)に示すように、吐出装置100Rは、被吐出部18Rのすべてにカラーフィルタ材料111Rの層が形成されるように、ヘッド114からカラーフィルタ材料111Rを吐出する。また、カラーフィルタ材料111Rの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置100Rにおける複数の吐出部127の残留振動が吐出異常検出部227によって検査される。
基体10Aの被吐出部18Rのすべてにカラーフィルタ材料111Rの層が形成された場合には、搬送装置170が基体10Aを乾燥装置150R内に位置させる。そして、被吐出部18R上のカラーフィルタ材料111Rを完全に乾燥させることで、被吐出部18R上にフィルタ層111FRを得る。
次に搬送装置170は、基体10Aを吐出装置100Gのステージ106に位置させる。そして、図14(b)に示すように、吐出装置100Gは、被吐出部18Gのすべてにカラーフィルタ材料111Gの層が形成されるように、ヘッド114からカラーフィルタ材料111Gを吐出する。また、カラーフィルタ材料111Gの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置100Gにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体10Aの被吐出部18Gのすべてにカラーフィルタ材料111Gの層が形成された場合には、搬送装置170が基体10Aを乾燥装置150G内に位置させる。そして、被吐出部18G上のカラーフィルタ材料111Gを完全に乾燥させることで、被吐出部18G上にフィルタ層111FGを得る。
次に搬送装置170は、基体10Aを吐出装置100Bのステージ106に位置させる。そして、図14(c)に示すように、吐出装置100Bは、被吐出部18Bのすべてにカラーフィルタ材料111Bの層が形成されるように、ヘッド114からカラーフィルタ材料111Bを吐出する。また、カラーフィルタ材料111Bの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置100Bにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体10Aの被吐出部18Bのすべてにカラーフィルタ材料111Bの層が形成された場合には、搬送装置170が基体10Aを乾燥装置150B内に位置させる。そして、被吐出部18B上のカラーフィルタ材料111Bを完全に乾燥させることで、被吐出部18B上にフィルタ層111FBを得る。
次に搬送装置170は、基体10Aを、オーブン160内に位置させる。その後、オーブン160はフィルタ層111FR、111FG、111FBを再加熱(ポストベーク)する。
次に搬送装置170は、基体10Aを吐出装置100Cのステージ106に位置させる。そして、吐出装置100Cは、フィルタ層111FR、111FG、111FB、およびバンク16を覆って保護膜20が形成されるように、液状の保護膜材料を吐出する。フィルタ層111FR,111FG、111FB、およびバンク16を覆う保護膜20が形成された後に、搬送装置170は基体10Aをオーブン150C内に位置させる。そして、オーブン150Cが保護膜20を完全に乾燥させた後に、硬化装置165が保護膜20を加熱して完全に硬化することで、基体10Aはカラーフィルタ基板10となる。
(実施形態3)
次に、本発明をエレクトロルミネッセンス表示装置の製造装置に適用した例を説明する。なお、吐出異常検出部227において行われる吐出異常検出処理および吐出回復工程は実施形態1と同様であり説明を省略する。
図15(a)および(b)に示す基体30Aは、後述する製造装置2(図16)による処理によって、エレクトロルミネッセンス表示装置30(例えば有機EL表示装置)となる基板である。基体30Aは、マトリクス状に配置された複数の被吐出部38R、38G、38Bを有する。
具体的には、基体30Aは、支持基板32と、支持基板32上に形成された回路素子層34と、回路素子層34上に形成された複数の画素電極36と、複数の画素電極36の間に形成されたバンク40と、を有している。支持基板は、可視光に対して光透過性を有する基板であり、例えばガラス基板である。複数の画素電極36のそれぞれは、可視光に対して光透過性を有する電極であり、例えば、ITO(Indium-Tin Oxide)電極である。また、複数の画素電極36は、回路素子層34上にマトリクス状に配置されており、それぞれが画素領域を規定する。そして、バンク40は、格子状の形状を有しており、複数の画素電極36のそれぞれを囲む。また、バンク40は、回路素子層34上に形成された無機物バンク40Aと、無機物バンク40A上に位置する有機物バンク40Bとからなる。
回路素子層34は、支持基板32上で所定の方向に延びる複数の走査電極と、複数の走査電極を覆うように形成された絶縁膜42と、絶縁膜42上に位置するとともに複数の走査電極が延びる方向に対して直交する方向に延びる複数の信号電極と、走査電極および信号電極の交点付近に位置する複数のスイッチング素子44と、複数のスイッチング素子44を覆うように形成されたポリイミドなどの層間絶縁膜45と、を有する層である。それぞれのスイッチング素子44のゲート電極44Gおよびソース電極44Sは、それぞれ対応する走査電極および対応する信号電極と電気的に接続されている。層間絶縁膜45上には複数の画素電極36が位置する。層間絶縁膜45には、各スイッチング素子44のドレイン電極44Dに対応する部位にスルーホール44Vが設けられており、このスルーホール44Vを介して、スイッチング素子44と、対応する画素電極36と、の間の電気的接続が形成されている。また、バンク40に対応する位置にそれぞれのスイッチング素子44が位置している。つまり、図15(b)の紙面に垂直な方向から観察すると、複数のスイッチング素子44のそれぞれは、バンク40に覆われるように位置している。
基体30Aの画素電極36とバンク40とで規定される凹部(画素領域の一部)は、被吐出部38R、被吐出部38G、被吐出部38Bに対応する。被吐出部38Rは、赤の波長域の光線を発光する発光層211FRが形成されるべき領域であり、被吐出部38Gは、緑の波長域の光線を発光する発光層211FGが形成されるべき領域であり、被吐出部38Bは、青の波長域の光線を発光する発光層211GBが形成されるべき領域である。
図15(b)に示す基体30Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に位置している。そして、複数の被吐出部38R,38G、38Bが形成するマトリクスの行方向および列方向は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。基体30Aにおいて、被吐出部38R、被吐出部38G、および被吐出部38Bは、Y軸方向にこの順番で周期的に並んでいる。一方、被吐出部38R同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでおり、また、被吐出部38G同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでおり、同様に、被吐出部38B同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方向は互いに直交する。
被吐出部38R同士のY軸方向に沿った間隔、すなわちピッチは、ほぼ560μmである。この間隔は、被吐出部38G同士のY軸方向に沿った間隔と同じであり、被吐出部18B同士のY軸方向に沿った間隔とも同じである。また、被吐出部38Rの平面像は、長辺と短辺とで決まる矩形である。具体的には、被吐出部38RのY軸方向の長さはほぼ100μmであり、X軸方向の長さはほぼ300μmである。被吐出部38Gおよび被吐出部38Bも被吐出部38Rと同じ形状・大きさを有している。被吐出部同士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョンテレビにおいて、同一色に対応する画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図16に示す製造装置2は、図15の基体30Aの被吐出部38R,38G、38Bのそれぞれに対して、対応する発光材料を吐出する装置である。製造装置2は、被吐出部38Rのすべてに発光材料211Rを塗布する吐出装置200Rと、被吐出部38R上の発光材料211Rを乾燥させる乾燥装置250Rと、被吐出部38Gのすべてに発光材料211Gを塗布する吐出装置200Gと、被吐出部38G上の発光材料211Gを乾燥させる乾燥装置250Gと、被吐出部38Bのすべてに発光材料211Bを塗布する吐出装置200Bと、被吐出部38B上の発光材料Bを乾燥させる乾燥装置250Bと、を備えている。さらに製造装置2は、吐出装置200R、乾燥装置250R、吐出装置200G、乾燥装置250G、吐出装置200B、乾燥装置250Bの順番に基体30Aを搬送する搬送装置270も備えている。搬送装置270は、フォーク部と、フォーク部を上下移動させる駆動部と、自走部と、を備えている。
図17に示す吐出装置200Rは、液状の発光材料211Rを保持するタンク201Rと、チューブ210Rと、チューブ210Rを介してタンク201Rから発光材料211Rが供給される吐出走査部102と、を備える。吐出走査部102の構成は、実施形態1の吐出走査部102の構成と同じである。なお、吐出装置200Rにおいて、実施形態1の構成要素または実施形態2の構成要素と同様な構成要素には同一の参照符号を付けるとともに、重複する説明を省略する。また、吐出装置200Gの構成と吐出装置200Bの構成とは、どちらも基本的に吐出装置200Rの構造と同じある。ただし、タンク201Rとチューブ210Rとの代わりに、吐出装置200Gが発光材料211G用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置200Gの構成は吐出装置200Rの構成と異なる。同様に、タンク201Rとチューブ210Rとの代わりに、吐出装置200Bが発光材料211B用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置200Bの構成は吐出装置200Rの構成と異なる。なお、本実施形態における液状の発光材料211R、211B、211Gは、本発明の液状の材料の一例である。
製造装置2を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置30の製造方法を説明する。まず、公知の製膜技術とパターニング技術とを用いて、図15に示す基体30Aを製造する。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体30Aを親液化する。この処理によって、画素電極36とバンク40とで規定されたそれぞれの凹部(画素領域の一部)における画素電極36の表面、無機物バンク40Aの表面、および有機物バンク40Bの表面が、親液性を呈するようになる。さらに、その後、基体30Aに対して、4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理を行う。4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、それぞれの凹部における有機物バンク40Bの表面がフッ化処理(撥液性に処理)されて、このことで有機物バンク40Bの表面が撥液性を呈するようになる。なお、4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、先に親液性を与えられた画素電極36の表面および無機物バンク40Aの表面は、若干親液性を失うが、それでも親液性を維持する。このように、画素電極36と、バンク40と、によって規定された凹部の表面に所定の表面処理が施されることで、凹部の表面が被吐出部38R、38G、38Bとなる。
なお、画素電極36の材質、無機物バンク40Aの材質、および有機物バンク40Bの材質によっては、上記のような表面処理を行わなくても、所望の親液性および撥液性を呈する表面が得られることもある。そのような場合には、上記表面処理を施さなくても、画素電極36と、バンク40と、によって規定された凹部の表面は被吐出部38R、38G、38Bである。
ここで、表面処理が施された複数の画素電極36のそれぞれの上に、対応する正孔輸送層37R、37G、37B(図18)を形成してもよい。正孔輸送層37R、37G、37Bが、画素電極36と、後述の発光層211RF、211GF、211BFと、の間に位置すれば、エレクトロルミネッセンス表示装置の発光効率が高くなる。複数の画素電極36のそれぞれの上に正孔輸送層37R、37G、37Bを設ける場合には、正孔輸送層37R、37G、37Bと、バンク40と、によって規定された凹部が、被吐出部38R、38G、38Bに対応する。
なお、正孔輸送層37R、37G、37B(図18)をインクジェット法により形成することも可能である。この場合、正孔輸送層37R、37G、37Bを形成するための材料を含む溶液を各画素領域ごとに所定量塗布し、その後、乾燥させることにより正孔輸送層を形成することができる。
被吐出部38R,38G、38Bが形成された基体30Aは、搬送装置270によって、吐出装置200Rのステージ106に運ばれる。そして、図18(a)に示すように、吐出装置200Rは、被吐出部38Rのすべてに発光材料211Rの層が形成されるように、ヘッド114から発光材料211Rを吐出する。また、発光材料211Rの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置200Rにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体30Aの被吐出部38Rのすべてに発光材料211Rの層が形成された場合には、搬送装置270が基体30Aを乾燥装置250R内に位置させる。そして、被吐出部38R上の発光材料211Rを完全に乾燥させることで、被吐出部38R上に発光層211FRを得る。
次に搬送装置270は、基体30Aを吐出装置200Gのステージ106に位置させる。そして、図18(b)に示すように、吐出装置200Gは、被吐出部38Gのすべてに発光材料211Gの層が形成されるように、ヘッド114から発光材料211Gを吐出する。また、発光材料211Gの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置200Gにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体30Aの被吐出部38Gのすべてに発光材料211Gの層が形成された場合には、搬送装置270が基体30Aを乾燥装置250G内に位置させる。そして、被吐出部38G上の発光材料Gを完全に乾燥させることで、被吐出部38G上に発光層211FGを得る。
次に搬送装置270は、基体30Aを吐出装置200Bのステージ106に位置させる。そして、図18(c)に示すように、吐出装置200Bは、被吐出部38Bのすべてに発光材料211Bの層が形成されるように、ヘッド114から発光材料211Bを吐出する。また、発光材料211Bの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置200Bにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体30Aの被吐出部38Bのすべてに発光材料211Bの層が形成された場合には、搬送装置270が基体30Aを乾燥装置250B内に位置させる。そして、被吐出部38B上の発光材料211Bを完全に乾燥させることで、被吐出部38B上に発光層211FBを得る。
図18(d)に示すように、次に、発光層211FR,211FG、211FB、およびバンク40を覆うように対向電極46を設ける。対向電極46は陰極として機能する。その後、封止基板48と基体30Aとを、互いの周辺部で接着することで、図18(d)に示すエレクトロルミネッセンス表示装置30が得られる。なお、封止基板48と基体30Aとの間には不活性ガス49が封入されている。
エレクトロルミネッセンス表示装置30において、発光層211FR、211FG、211FBから発光した光は、画素電極36と、回路素子層34と、支持基板32と、を介して射出する。このように回路素子層34を介して光を射出するエレクトロルミネッセンス表示装置は、ボトムエミッション型の表示装置と呼ばれる。
(実施形態4)
本発明をプラズマ表示装置の背面基板の製造装置に適用した例を説明する。なお、吐出異常検出部227において行われる吐出異常検出処理および吐出回復工程は実施形態1と同様であり説明を省略する。
図19(a)および(b)に示す基体50Aは、後述する製造装置3(図20)による処理によって、プラズマ表示装置の背面基板50Bとなる基板である。基体50Aは、マトリクス状に配置された複数の被吐出部58R、58G、58Bを有する。
具体的には、基体50Aは、支持基板52と、支持基板52上にストライプ状に形成された複数のアドレス電極54と、アドレス電極54を覆うように形成された誘電体ガラス層56と、格子状の形状を有するとともに複数の画素領域を規定する隔壁60と、を含む。複数の画素領域はマトリクス状に位置しており、複数の画素領域が形成するマトリクスの列のそれぞれは、複数のアドレス電極54のそれぞれに対応する。このような基体50Aは、公知のスクリーン印刷技術で形成される。
基体50Aのそれぞれの画素領域において、誘電体ガラス層56および隔壁60によって規定される凹部が、被吐出部58R、被吐出部58G、被吐出部58Bに対応する。被吐出部58Rは、赤の波長域の光線を発光する蛍光層311FRが形成されるべき領域であり、被吐出部58Gは、緑の波長域の光線を発光する蛍光層311FGが形成されるべき領域であり、被吐出部58Bは、青の波長域の光線を発光する蛍光層311FBが形成されるべき領域である。
図19(b)に示す基体50Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に位置している。そして、複数の被吐出部58R,58G、58Bが形成するマトリクスの行方向および列方向は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。基体50Aにおいて、被吐出部58R、被吐出部58G、および被吐出部58Bは、Y軸方向にこの順番で周期的に並んでいる。一方、被吐出部58R同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでおり、また、被吐出部58G同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでおり、同様に、被吐出部58B同士はX軸方向に所定の一定間隔をおいて1列に並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方向は互いに直交する。
被吐出部58R同士のY軸方向に沿った間隔、すなわちピッチは、ほぼ560μmである。この間隔は、被吐出部58G同士のY軸方向に沿った間隔と同じであり、被吐出部58B同士のY軸方向に沿った間隔とも同じである。また、被吐出部58Rの平面像は、長辺と短辺とで決まる矩形である。具体的には、被吐出部58RのY軸方向の長さはほぼ100μmであり、X軸方向の長さはほぼ300μmである。被吐出部58Gおよび被吐出部58Bも被吐出部58Rと同じ形状・大きさを有している。被吐出部同士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョンテレビにおいて、同一色に対応する画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図20に示す製造装置3は、図19の基体50Aの被吐出部58R,58G、58Bのそれぞれに対して、対応する蛍光材料を吐出する装置である。製造装置3は、被吐出部58Rのすべてに蛍光材料311Rを塗布する吐出装置300Rと、被吐出部58R上の蛍光材料311Rを乾燥させる乾燥装置350Rと、被吐出部58Gのすべてに蛍光材料311Gを塗布する吐出装置300Gと、被吐出部58G上の蛍光材料311Gを乾燥させる乾燥装置350Gと、被吐出部58Bのすべてに蛍光材料311Bを塗布する吐出装置300Bと、被吐出部58B上の蛍光材料311Bを乾燥させる乾燥装置350Bと、を備えている。さらに製造装置3は、吐出装置300R、乾燥装置350R、吐出装置300G、乾燥装置350G、吐出装置300B、乾燥装置350Bの順番に基体50Aを搬送する搬送装置370も備えている。搬送装置370は、フォーク部と、フォーク部を上下移動させる駆動部と、自走部と、を備えている。
図21に示す吐出装置300Rは、液状の蛍光材料311Rを保持するタンク301Rと、チューブ310Rと、チューブ310Rを介してタンク301Rからカラーフィルタ材料が供給される吐出走査部102と、を備える。吐出走査部102の構成は、実施形態1の吐出走査部102と基本的に同じである。なお、吐出装置300Rにおいて、実施形態1の構成要素または実施形態2の構成要素と同様な構成要素には、同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
吐出装置300Gの構成と吐出装置300Bの構成とは、どちらも基本的に吐出装置300Rの構造と同じある。ただし、タンク301Rとチューブ310Rとの代わりに、吐出装置300Gが蛍光材料311G用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置300Gの構成は吐出装置300Rの構成と異なる。同様に、タンク301Rとチューブ310Rとに代えて、吐出装置300Bが蛍光材料311B用のタンクとチューブとを備える点で、吐出装置300Bの構成は吐出装置300Rの構成と異なる。なお、本実施形態における液状の蛍光材料311R、311B、311Gは、発光材料の一種であり、本発明の液状の材料に対応する。
製造装置3を用いたプラズマ表示装置の製造方法を説明する。まず、公知のスクリーン印刷技術によって、支持基板52上に、複数のアドレス電極54と、誘電体ガラス層56と、隔壁60と、を形成して、図19に示す基体50Aを得る。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体50Aを親液化する。この処理によって、隔壁60および誘電体ガラス層56によって規定されたそれぞれの凹部(画素領域の一部)の隔壁60の表面、誘電体ガラス層56の表面が、親液性を呈し、これらの表面が被吐出部58R,58G、58Bとなる。なお、材質によっては、上記のような表面処理を行わなくても、所望の親液性を呈する表面が得られることもある。そのような場合には、上記表面処理を施さなくても、隔壁60と、誘電体ガラス層56と、によって規定された凹部の表面は、被吐出部58R,58G、58Bである。
被吐出部58R、58G、58Bが形成された基体50Aは、搬送装置370によって、吐出装置300Rのステージ106に運ばれる。そして、図22(a)に示すように、吐出装置300Rは、被吐出部58Rのすべてに蛍光材料311Rの層が形成されるように、ヘッド114から蛍光材料311Rを吐出する。また、蛍光材料311Rの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置300Rにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体50Aの被吐出部58Rのすべてに蛍光材料311Rの層が形成された場合には、搬送装置370が基体50Aを乾燥装置350R内に位置させる。そして、被吐出部58R上の蛍光材料311Rを完全に乾燥させることで、被吐出部58R上に蛍光層311FRを得る。
次に搬送装置370は、基体50Aを吐出装置300Gのステージ106に位置させる。そして、図22(b)に示すように、吐出装置300Gは、被吐出部58Gのすべてに蛍光材料311Gの層が形成されるように、ヘッド114から蛍光材料311Gを吐出する。また、蛍光材料311Gの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置300Gにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体50Aの被吐出部58Gのすべてに蛍光材料311Gの層が形成された場合には、搬送装置370が基体50Aを乾燥装置350G内に位置させる。そして、被吐出部58G上の蛍光材料311Gを完全に乾燥させることで、被吐出部58G上に蛍光層311FGを得る。
次に搬送装置370は、基体50Aを吐出装置300Bのステージ106に位置させる。そして、図22(c)に示すように、吐出装置300Bは、被吐出部58Bのすべてに蛍光材料311Bの層が形成されるように、ヘッド114から蛍光材料311Bを吐出する。また、蛍光材料311Bの吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置300Bにおける複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
基体50Aの被吐出部58Bのすべてに蛍光材料311Bの層が形成された場合には、搬送装置370が基体50Aを乾燥装置350B内に位置させる。そして、被吐出部58B上の蛍光材料311Bを完全に乾燥させることで、被吐出部58B上に蛍光層311FBを得る。
以上の工程によって、基体50Aはプラズマ表示装置の背面基板50B(図23)となる。
次に図23に示すように、背面基板50Bと、前面基板50Cと、を公知の方法によって貼り合わせてプラズマ表示装置50が得られる。前面基板50Cは、ガラス基板68と、ガラス基板68上で互いに平行にパターニングされた表示電極66Aおよび表示スキャン電極66Bと、表示電極66Aおよび表示スキャン電極66Bとを覆うように形成された誘電体ガラス層64と、誘電体ガラス層64上に形成されたMgO保護層62と、を有する。背面基板50Bと前面基板50Cとは、背面基板50Bのアドレス電極54と、前面基板50Cの表示電極66A・表示スキャン電極66Bとが、互いに直交するように位置合わせされている。各隔壁60で囲まれるセル(画素領域)には、所定の圧力で放電ガス69が封入されている。
(実施形態5)
電子放出素子を備えた画像表示装置の製造装置に本発明が適用された例を説明する。なお、吐出異常検出部227において行われる吐出異常検出処理および吐出回復工程は実施形態1と同様であり説明を省略する。
図24(a)および(b)に示す基体70Aは、後述する製造装置4(図25)による処理によって、画像表示装置の電子源基板70Bとなる基板である。基体70Aは、マトリクス状に配置された複数の被吐出部78を有する。
具体的には、基体70Aは、基体72と、基体72上に位置するナトリウム拡散防止層74と、ナトリウム拡散防止層74上に位置する複数の素子電極76A、76Bと、複数の素子電極76A上に位置する複数の金属配線79Aと、複数の素子電極76B上に位置する複数の金属配線79Bと、を備えている。複数の金属配線79AのそれぞれはY軸方向に延びる形状を有する。一方、複数の金属配線79BのそれぞれはX軸方向に延びる形状を有する。金属配線79Aと金属配線79Bとの間には絶縁膜75が形成されているので、金属配線79Aと金属配線79Bとは電気的に絶縁されている。
1対の素子電極76Aおよび素子電極76Bを含む部分は1つの画素領域に対応する。1対の素子電極76Aおよび素子電極76Bは、互いに所定の間隔だけ離れてナトリウム拡散防止層74上で対向している。ある画素領域に対応する素子電極76Aは、対応する金属配線79Aと電気的に接続されている。また、その画素領域に対応する素子電極76Bは、対応する金属配線79Bと電気的に接続されている。なお、本明細書では、基体72とナトリウム拡散防止層74とを合わせた部分を支持基板と表記することもある。
基体70Aのそれぞれの画素領域において、素子電極76Aの一部と、素子電極76Bの一部と、素子電極76Aと素子電極76Bとの間で露出したナトリウム拡散防止層74とが、被吐出部78に対応する。より具体的には、被吐出部78は、導電性薄膜411F(図28)が形成されるべき領域であり、導電性薄膜411Fは、素子電極76Aの一部と、素子電極76Bの一部と、素子電極76A,76Bの間のギャップとを覆うように形成される。図24(b)において点線で示すように、本実施形態における被吐出部78の平面形状は円形である。このように、本発明の被吐出部の平面形状は、X座標範囲とY座標範囲とで決まる円形でも構わない。
図24(b)に示す基体70Aは、X軸方向とY軸方向との双方に平行な仮想平面上に位置している。そして、複数の被吐出部78が形成するマトリクスの行方向および列方向は、それぞれX軸方向およびY軸方向と平行である。つまり、基体70Aにおいて、複数の被吐出部78は、X軸方向およびY軸方向に並んでいる。なお、X軸方向およびY軸方向は互いに直交する。
被吐出部78同士のY軸方向に沿った間隔、すなわちピッチは、ほぼ190μmである。また、被吐出部78RのX軸方向の長さ(X座標範囲の長さ)はほぼ100μmであり、Y軸方向の長さ(Y座標範囲の長さ)もほぼ100μmである。被吐出部78同士の上記間隔および被吐出部の上記大きさは、40インチ程度の大きさのハイビジョンテレビにおいて、画素領域同士の間隔や大きさに対応する。
図25に示す製造装置4は、図24の基体70Aの被吐出部78のそれぞれに対して、導電性薄膜材料411を吐出する装置である。具体的には、製造装置4は、被吐出部78のすべてに導電性薄膜材料411を塗布する吐出装置400と、被吐出部78上の導電性薄膜材料411を乾燥させる乾燥装置450と、を備えている。さらに製造装置4は、吐出装置400、乾燥装置450の順番に基体70Aを搬送する搬送装置470も備えている。搬送装置470は、フォーク部と、フォーク部を上下移動させる駆動部と、自走部と、を備えている。
図26に示す吐出装置400は、液状の導電性薄膜材料411を保持するタンク401と、チューブ410と、チューブ410を介してタンク401から導電性薄膜材料が供給される吐出走査部102と、を備える。吐出走査部102の構成は、実施形態1の吐出走査部102の構成と基本的に同じである。なお、吐出装置400の構成要素のうち、実施形態1の構成要素まはた実施形態2の構成要素と同様の構成要素には、同じ参照符号を付して、説明を省略する。
本実施形態では、液状の導電性薄膜材料411は有機パラジウム溶液である。そして、本実施形態における液状の導電性薄膜材料411は、本発明の液状の材料の一例である。
製造装置4を用いた画像表示装置の製造方法を説明する。まず、ソーダガラスなどから形成された基体72上に、SiOを主成分とするナトリウム拡散防止層74を形成する。具体的には、スパッタ法を用いて基体72上に厚さ1μmのSiO膜を形成することによってナトリウム拡散防止層74を得る。次に、ナトリウム拡散防止層74上に、スパッタ法または真空蒸着法によって厚さ5nmのチタニウム層を形成する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、そのチタニウム層から、互いに所定の距離だけ離れて位置する1対の素子電極76Aおよび素子電極76Bを複数対形成する。
その後、スクリーン印刷技術を用いて、ナトリウム拡散防止層74および複数の素子電極76A上にAgペーストを塗布して焼成することで、Y軸方向に延びる複数の金属配線79Aを形成する。次に、スクリーン印刷技術を用いて、各金属配線79Aの一部分にガラスペーストを塗布して焼成することで、絶縁膜75を形成する。そして、スクリーン印刷技術を用いて、ナトリウム拡散防止層74および複数の素子電極76B上にAgペーストを塗布して焼成することで、X軸方向に延びる複数の金属配線79Bを形成する。なお、金属配線79Bを作製する場合には、金属配線79Bが絶縁膜75を介して金属配線79Aと交差するようにAgペーストを塗布する。以上のような工程によって、図24に示す基体70Aを得る。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、基体70Aを親液化する。この処理によって、素子電極76Aの表面の一部と、素子電極76Bの表面の一部と、素子電極76Aと素子電極76Bとの間で露出した支持基板の表面とは、親液化される。そして、これらの表面が被吐出部78となる。なお、材質によっては、上記のような表面処理を行わなくても、所望の親液性を呈する表面が得られることもある。そのような場合には、上記表面処理を施さなくても、素子電極76Aの表面の一部と、素子電極76Bの表面の一部と、素子電極76Aと素子電極76Bとの間で露出したナトリウム拡散防止層74の表面とは、被吐出部78となる。
被吐出部78が形成された基体70Aは、搬送装置470によって、吐出装置400のステージ106に運ばれる。そして、図27に示すように、吐出装置400は、被吐出部78のすべてに導電性薄膜411Fが形成されるように、ヘッド114から導電性薄膜材料411を吐出する。また、導電性薄膜材料411の吐出を行う際に、実施形態1で説明したように、吐出装置400における複数の吐出部127の残留振動が、吐出異常検出部227によって検査される。
本実施形態では、被吐出部78上に着弾した導電性薄膜材料411の液滴の直径が60μmから80μmの範囲となるように、制御部112はヘッド114に信号を与える。基体70Aの被吐出部78のすべてに導電性薄膜材料411の層が形成された場合には、搬送装置470が基体70Aを乾燥装置450内に位置させる。そして、被吐出部78上の導電性薄膜材料411を完全に乾燥させることで、被吐出部78上に酸化パラジウムを主成分とする導電性薄膜411Fを得る。このように、それぞれの画素領域において、素子電極76Aの一部と、素子電極76Bの一部と、素子電極76Aと素子電極76Bとの間に露出したナトリウム拡散防止層74と、を覆う導電性薄膜411Fが形成される。
次に素子電極76Aおよび素子電極76Bとの間に、パルス状の所定の電圧を印加することで、導電性薄膜411Fの一部分に電子放出部411Dを形成する。なお、素子電極76Aおよび素子電極76Bとの間の電圧の印加を、有機物雰囲気下および真空条件下でもそれぞれ行うことが好ましい。そうすれば、電子放出部411Dからの電子放出効率がより高くなるからである。素子電極76Aと、対応する素子電極76Bと、電子放出部411Dが設けられた導電性薄膜411Fと、は電子放出素子である。また、それぞれの電子放出素子は、それぞれの画素領域に対応する。
以上の工程によって、図28に示すように、基体70Aは電子源基板70Bとなる。
次に図29に示すように、電子源基板70Bと、前面基板70Cと、を公知の方法によって貼り合わせて画像表示装置70が得られる。前面基板70Cは、ガラス基板82と、ガラス基板82上にマトリクス状に位置する複数の蛍光部84と、複数の蛍光部84を覆うメタルプレート86と、を有する。メタルプレート86は、電子放出部411Dからの電子ビームを加速するための電極として機能する。電子源基板70Bと前面基板70Cとは、複数の電子放出素子のそれぞれが、複数の蛍光部84のそれぞれに対向するように、位置合わせされている。また、電子源基板70Bと、前面基板70Cとの間は、真空状態に保たれている。
なお、上記の電子放出素子を備えた画像表示装置70は、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)またはFED(Field Emission Display)と呼ばれることもある。また、本明細書では、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置、電子放出素子を利用した画像表示装置など、を「電気光学装置」と表記することもある。ここで、本明細書でいう「電気光学装置」とは、複屈折性の変化や、旋光性の変化や、光散乱性の変化などの光学的特性の変化(いわゆる電気光学効果)を利用する装置に限定されず、信号電圧の印加に応じて光を射出、透過、または反射する装置全般を意味する。
実施形態1の吐出装置を示す模式図。 実施形態1のヘッドにおけるノズルの配置を示す模式図。 (a)および(b)は実施形態1のヘッドにおける吐出部を示す模式図。 実施形態1の吐出装置における制御部の機能ブロック図。 (a)は実施形態1のヘッド駆動部の回路図であり、(b)はヘッド駆動部の動作を説明するタイミングチャート。 実施形態1の振動子の残留振動を示す概略グラフ。 実施形態1の吐出異常検出部の機能ブロック図。 実施形態1の判定部の機能ブロック図。 実施形態1の第1の変換部を説明する模式図。 実施形態1の第2の変換部を説明する概念図。 実施形態1の吐出異常検出工程および吐出回復工程のフローチャート。 (a)は実施形態2の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施形態2の基体の上面を示す模式図。 実施形態2のカラーフィルタ製造装置を示す模式図。 実施形態2のカラーフィルタ基板の製造方法を示す模式図。 (a)は実施形態3の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施形態3の基体の平面を示す模式図。 実施形態3のエレクトロルミネッセンス表示装置の製造装置の一部を示す模式図。 実施形態3の吐出装置を示す模式図。 (a)〜(d)は実施形態3のエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を示す模式図。 (a)は実施形態4の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施形態4の基体の平面を示す模式図。 実施形態4のプラズマ表示装置の製造装置の一部を示す模式図。 実施形態4の吐出装置を示す模式図。 (a)〜(c)は実施形態4のプラズマ表示装置の製造方法の一部を示す模式図。 実施形態4の製造方法によって製造されるプラズマ表示装置の断面を示す模式図。 (a)は実施形態5の基体の断面を示す模式図であり、(b)は実施形態5の基体の上面を示す模式図。 実施形態5の画像表示装置の製造装置を示す模式図。 実施形態5の吐出装置を示す模式図。 実施形態5の画像表示装置の製造方法を示す模式図。 実施形態5の画像表示装置の製造方法を示す模式図。 実施形態5の画像表示装置の製造方法を示す模式図。
符号の説明
185…判定部、186…吐出回復工程制御部、190…パラメータ導出部、191…第1の変換部、192…データ選択部、193…第2の変換部、194…記憶部。

Claims (11)

  1. 吐出装置を用いた材料塗布方法であって、
    前記吐出装置の吐出部の残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記吐出部の吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、
    を含んだ材料塗布方法。
  2. 液状の材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置を用いた材料塗布方法であって、
    前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、
    を含んだ材料塗布方法。
  3. 請求項1または2記載の材料塗布方法であって、
    前記複数の吐出回復工程は、前記ノズルの開口部を拭取るワイピング工程、前記ノズルから前記液状の材料を捨て打ちするフラッシング工程、および前記ノズルから前記液状の材料を吸引する吸引工程を含む、
    材料塗布方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の材料塗布方法であって、
    前記吐出装置が、前記パラメータの値を表す信号に応じて、吐出異常の原因と異常度との組を示す複数の診断データを出力する変換部を備えており、
    前記ステップ(C)は、前記パラメータの値を表す信号を前記変換部に与えて、前記複数の診断データを読み出すステップ(C1)と、前記読み出された前記複数の診断データのうちから、最も高い前記異常度を示す前記診断データを選択するステップ(C2)と、前記選択された前記診断データが示す前記原因と前記異常度との組に応じて、前記複数の吐出回復工程の内容を選択するステップ(C3)と含んでいる、
    材料塗布方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の材料塗布方法であって、
    前記吐出装置が、前記パラメータのタイプと値との組を表す信号に応じて、吐出異常の原因と異常度との組を示す複数の診断データを出力する変換部を備えており、
    前記ステップ(A)は、複数の前記パラメータのそれぞれの値を導出するステップ(A1)を含み、
    前記ステップ(B)は、前記複数のパラメータのそれぞれの値が、それぞれの許容範囲外にあるか否かを判定して前記吐出異常を検出するステップ(B1)と、2以上の前記パラメータの値がそれぞれの前記許容範囲外である場合に、それぞれの基準値から最もずれた値を有する前記パラメータを特定するステップ(B2)と、を含み、
    前記ステップ(C)は、前記特定されたパラメータのタイプと値との組を表す信号を前記変換部に与えて、前記複数の診断データを読み出すステップ(C1)と、前記読み出された前記複数の診断データのうちから、最も高い前記異常度を示す前記診断データを選択するステップ(C2)と、前記選択された前記診断データが示す前記原因と前記異常度との組に応じて、前記複数の吐出回復工程の内容を選択するステップ(C3)と、を含む、
    材料塗布方法。
  6. 液状のカラーフィルタ材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状のカラーフィルタ材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状のカラーフィルタ材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置を用いたカラーフィルタ基板の製造方法であって、
    前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、
    を含んだカラーフィルタ基板の製造方法。
  7. 液状の発光材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の発光材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の発光材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、
    を含んだエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  8. 液状の蛍光材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の蛍光材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の蛍光材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置を用いたプラズマ表示装置の製造方法であって、
    前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うステップ(C)と、
    を含んだプラズマ表示装置の製造方法。
  9. 吐出装置の検査方法であって、
    前記吐出装置の吐出部の残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記吐出部の吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じて、前記吐出異常の原因と異常度とを判定するステップ(C)と、
    を含んだ検査方法。
  10. 液状の材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドを備えた吐出装置の検査方法であって、
    前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するステップ(A)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて吐出異常を検出するステップ(B)と、
    前記少なくとも1つのパラメータの値が前記吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じて、前記吐出異常の原因と異常度とを判定するステップ(C)と、
    を含んだ検査方法。
  11. 液状の材料を含むキャビティと、駆動信号に応じて振動する振動子と、前記振動子の振動によって前記液状の材料に与えられる運動エネルギーが所定以上である場合に前記キャビティ内の前記液状の材料を外部に吐出するノズルと、を有するヘッドと、
    前記振動によって生じる残留振動を検出して、前記残留振動の少なくとも1つのパラメータの値を導出するとともに、前記少なくとも1つのパラメータの値に基づいて前記ノズルの吐出異常を検出する判定部と、
    前記パラメータの値が前記ノズルの吐出異常を示す場合に、前記少なくとも1つのパラメータの値に応じた吐出回復工程を行うメンテナンス装置と、
    を備えた吐出システム。
JP2004054188A 2004-02-27 2004-02-27 材料塗布方法、カラーフィルタ基板の製造方法、エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、プラズマ表示装置の製造方法、検査方法、および吐出システム Withdrawn JP2005238159A (ja)

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