JP4925663B2 - キャニスタ及びキャニスタの製造方法、及びそれに用いる密閉容器の製造方法 - Google Patents

キャニスタ及びキャニスタの製造方法、及びそれに用いる密閉容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の蒸発燃料処理装置に用いるキャニスタおよびキャニスタの製造方法とキャニスタにおける密閉容器の製造方法に関する。
蒸発燃料を吸着させるための吸着剤を収納する吸着剤室を備え、燃料タンクに接続されるタンクポートと、エンジンの吸気口に接続されるパージポートと、大気に向けて開口した大気ポートを有する内燃機関の蒸発燃料処理装置に用いるキャニスタが公知である(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の発明は、本願出願人等の提案であるが、吸着剤に活性炭を用いている。
また、蒸発燃料処理装置における容器内に充填する吸着剤として、活性炭からなる粒状の吸着母材の表面に、活性炭に比して熱伝導率が大きく、かつ、熱容量の大きな材料、例えば、鉄、銅等の金属材料からなる蓄熱粒子をほぼ一様に付着させた活性炭吸着剤を用いた蒸発燃料処理装置が公知である(例えば、特許文献2参照)。
また、蓄熱材自体の顕熱に加えて潜熱(融解又は凝固熱)も利用する蓄熱材マイクロカプセルとして、蓄熱材マイクロカプセルの平均粒子径を0.1〜25μm、マイクロカプセル固形中に占める蓄熱材重量の比率を60〜75%に設定したものが公知である。このマイクロカプセルは、ビル、家屋等の暖房用に用いられている蓄熱材又は熱搬送用媒体に用いられるとしている(特許文献3参照)。
特開2000−186635号公報(図2、図3) 特開平10−339218号公報(2頁、図2) 特開平11−152466号公報(2頁)
前記特許文献2のような内燃機関の蒸発燃料処理装置用のキャニスタでは、燃料吸着時における活性炭の温度上昇、及び吸着燃料の離脱時における活性炭の温度低下を蓄熱粒子の顕熱を利用して抑制するものであるため、抑制効果を上げるには、比熱と比重の大きい蓄熱粒子を用いる必要があり、キャニスタの重量が増加するという問題点があった。
そこで、特許文献3のような蓄熱材マイクロカプセルを活性炭等の吸着剤と混合して吸着剤室に入れて、マイクロカプセル内の蓄熱材の潜熱を利用することで、活性炭等の吸着剤の前記温度上昇や温度低下を抑制すれば、上記顕熱を利用する蓄熱粒子よりも軽い重量の蓄熱材マイクロカプセルで、効果的に吸着剤の温度変化を抑制でき好都合であると思われる。しかし、蓄熱材マイクロカプセルは、マイクロカプセルを形成する皮膜が薄い樹脂製のため、内燃機関の燃料ベーパであるガソリンベーパ(HC)が皮膜を透過して、蓄熱材の融点が変化してしまうという問題点が懸念される。
そこで、本発明は、これらの問題点を解消できる内燃機関の蒸発燃料処理用のキャニスタおよびキャニスタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、潜熱を利用した蓄熱材をガソリンベーパから隔離した状態でケース内に取り入れ、吸着剤へのガソリンベーパの吸着時における温度上昇と、離脱時における温度低下を抑制することを最も主要な特徴とする。
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着する吸着剤を収納した吸着剤室を有するキャニスタにおいて、
温度変化に応じて潜熱の吸収および放熱を生じる相変化物質からなる蓄熱材あるいは該蓄熱材をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材マイクロカプセルを、キャニスタの吸着剤室を形成するケースに蒸発燃料に直接接触しない状態で配設したことを特徴とするキャニスタである。
請求項の発明は、請求項のキャニスタにおいて、ケースを形成する樹脂材料内に蓄熱材マイクロカプセルを練り込んだことを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項記載のキャニスタにおいて、吸着剤室の周壁を形成するケース部に部屋を設け、該部屋に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを充填したことを特徴とするものである。
請求項の発明は、燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着する吸着剤を収納した吸着剤室を有するキャニスタにおいて、
吸着剤室の周壁を形成するケース部に部屋を設け、該部屋に、温度変化に応じて潜熱の吸収および放熱を生じる相変化物質からなる蓄熱材あるいは該蓄熱材をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材マイクロカプセルを充填したことを特徴とするキャニスタである。
請求項の発明は、燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着する吸着剤を収納した吸着剤室を有するキャニスタにおいて、
温度変化に応じて潜熱の吸収および放熱を生じる相変化物質からなる蓄熱材をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材マイクロカプセルを、蒸発燃料に直接接触しない状態でキャニスタ内、特に吸着剤に近接して配設し、
前記蓄熱材マイクロカプセルの外周に金属メッキを施したことを特徴とするキャニスタである。
請求項の発明は、吸着剤室の周壁を形成し、かつ、一端に開口部を有する第1のケースをガスアシスト成形で成形して、その周壁内に空間部を形成し、該空間部に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを注入後、前記開口部を蓋で封止するキャニスタの製造方法
である。
請求項の発明は、吸着剤室の周壁を形成し、かつ、一端に開口部を有する第1のケースを成型するに当たり、次の(1)〜(6)の工程で成形するキャニスタの製造方法である。
(1)金型内の容積をやや下回る樹脂量を樹脂材ゲートから型内に射出する。
(2)次に樹脂が固化する前に蓄熱材を蓄熱材ゲートから樹脂内に注入する。
(3)蓄熱材の注入圧力を低下させる。
(4)再度樹脂の圧力を上昇させ、型内に樹脂を流入させる。
(5)流入樹脂により蓄熱材のゲートをシールする。
(6)型内で樹脂を冷却固化させ、蓄熱材を封入した第1のケースを金型から取り出す。
請求項の発明は、蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを収納する空間部と該空間部に連通する開口部を備えた密閉容器をガスアシスト成形で成形して、成形された空間部に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを注入後、前記開口部を封止することを特徴とする、キャニスタにおける密閉容器の製造方法である。
請求項の発明は、空間部を囲む周壁と該空間部に連通する開口部を前記周壁に備えた密閉容器をガスアシスト成形で成形して、その周壁内に空間部を形成し、該空間部に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを注入後、前記開口部を蓋で封止することを特徴とする、キャニスタにおける密閉容器の製造方法である。
請求項10の発明は、蓄熱材を収納する密閉容器を成型するに当たり、次の(1)〜(6)の工程で成形することを特徴とする、キャニスタにおける密閉容器の製造方法である。
(1)金型内の容積をやや下回る樹脂量を樹脂材ゲートから型内に射出する。
(2)次に樹脂が固化する前に蓄熱材を蓄熱材ゲートから樹脂内に注入する。
(3)蓄熱材の注入圧力を低下させる。
(4)再度樹脂の圧力を上昇させ、型内に樹脂を流入させる。
(5)流入樹脂により蓄熱材のゲートをシールする。
(6)型内で樹脂を冷却固化させ、蓄熱材を封入した密閉容器を金型から取り出す。
本発明に係るキャニスタでは、蓄熱材の潜熱を利用して吸着剤の吸着時の温度上昇や、離脱時の温度低下を抑制するもので、少量の蓄熱材を用いるだけで、従来技術の顕熱を利用する蓄熱粒子の場合に比較して、より効率良く吸着剤の温度上昇や低下を抑制し、吸着剤の吸着離脱量を増大できる。その結果として、キャニスタの性能が向上する。また、蓄熱材マイクロカプセルの皮膜内へ蒸発燃料が透過しないため、蓄熱材の融点が蒸発燃料により変化して、キャニスタの特性が変わってしまうという虞がない。
請求項乃至の発明では、ケースを構成する樹脂材料が蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルと蒸発燃料を確実に隔離して、両者が直接接触しない。
請求項の発明では、マイクロカプセルを覆う金属メッキが、蒸発燃料を隔離する。
こうして、請求項乃至の発明は、蓄熱材の潜熱を有効利用でき、しかもキャニスタの特性が安定する。
請求項6と7の発明によれば、キャニスタのケース内へ蓄熱材や蓄熱材マイクロカプセルを容易に封入でき、キャニスタのコスト上昇の増大を抑制できる。
請求項の発明では、密閉容器の成形が容易で、安く製造できるためキャニスタの低コスト化に役立つ。
請求項の発明では、密閉容器の成形が容易で、安くできると共に、開口部の封止(シール)が成形と同時にできるため、この面からもキャニスタの低コスト化に寄与する。
請求項10の発明では、さらに、密閉容器内へ蓄熱材を容易に封入できるため、キャニスタのコスト上昇を抑制できる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は実施例1を示す。この実施例1において、キャニスタ1のケース2は、下端に開口部を有する第1のケース3と、前記下端開口部を封止する蓋4とからなる。第1のケース3の上部には、図示されていない自動車の燃料タンクの上部気室に連通するタンクポート5と、同じく内燃機関の吸気通路に連通するパージポート6と、大気に開放される大気ポート7が形成されている。ケース2内には、タンクポート5から大気ポート7へ流れる蒸発燃料のガソリンベーパ(HC)を吸着する活性炭からなる吸着剤8、9、10をそれぞれ収納した主吸着剤室11、第1副室12、第2副室13が、タンクポート5から大気ポート7の間に順に配設されている。
第1のケース3は、樹脂材料のナイロンで射出成形されて作られているが、射出成形時にナイロンのペレットに、蓄熱材マイクロカプセルを混入し、該蓄熱材マイクロカプセルを練り込んで第1のケース3を射出成形している。蓄熱材マイクロカプセルは、前記特許文献3に記載されているのと同様の蓄熱材マイクロカプセルを使うが、本発明では、マイクロカプセル内の蓄熱材としては、燃料タンクからのガソリンペーパ(HC)が、タンクポート5から主吸着剤室11に流入し、吸着剤8にガソリンベーパが吸着されて吸着剤8が昇温すると、蓄熱材マイクロカプセル内の蓄熱材が溶解して潜熱を吸収し、吸着剤8の昇温を抑制して吸着剤8の吸着量を増大させる。吸着剤9と10へのガソリンベーパ吸着時の昇温を、第1のケース3内に練り込んだ蓄熱材マイクロカプセルが抑制する点も同様である。
また、機関運転時、大気ポート7から流入する空気が、第2副室13、第1副室12、主吸着剤室11を通過してパージポート6から流出するパージ時には、今まで吸着剤10、9、8に吸着されていたガソリンベーパが離脱され、各吸着剤10、9、8の温度が低下する。このとき、その温度低下を第1のケース3に練り込まれた蓄熱材マイクロカプセルが感じて、その蓄熱材が液相から固層に相変化して、温度低下を抑制するので、離脱量を増大させる。
なお、本実施例1では、第1のケース3に形成された仕切り板3aに練り込まれた蓄熱材マイクロカプセルも、その蓄熱材が相変化することで、吸着剤8、9、10の温度変化を抑制するように作用する。なお、蓄熱材としては、ガソリンベーパの主成分であるブタンの吸着量や離脱量を試験する周知の吸着離脱サイクルを行うときの温度の25℃付近の融点を有する材料を用いると良く、例えば、融点が22℃のヘプタデカンとか、融点が28℃のオクタデカン等のパラフィンを用いることができる。
図1で、14と15は吸着剤8を保持するフィルタ、16と17は吸着剤9を保持するフィルタ、18と19は吸着剤10を保持するためのフィルタである。なお、図1の実施例1で、矢印Aは燃料タンクへの給油時などにタンクポート5からキャニスタ1に流入して、大気ポートへ流れるガソリンベーパや空気の流れを示す。また矢印Bは機関運転時におけるパージ時の流れを示す。また、フィルタ17と18の間に設けたプレート20は、ガソリンベーパの第1副室12と第2副室13間の拡散を抑制する絞りを備えたベーパ拡散抑止板(バッファプレート)である。
ところで、上記図1の実施例1で、第1副室12と第2副室13は、文言上は副室の名称をつけているが、実質的には主吸着剤室11と同様に吸着剤を収納する吸着剤室を構成するもので、吸着剤室としての第1副室と第2副室とを構成する。
2は実施例2を示し、この図2で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)の一部拡大図、(c)は同図(a)のA−A線断面図である。なお、以下では、図1の実施例1と同一又は相当する構成部分には図1と同一の符号を付して説明するが、不要なときは、説明を省略する。
この実施例2では、キャニスタ1のケース2を構成する第1のケース3Aが、図1の実施例1における第1のケース3と異なる点が違う。この実施例2では、ナイロン製の樹脂成形ケース3Aの、吸着剤室11、12、13の周壁を形成するケース部、即ち、図2(c)で仕切り板3bを除くケース部3cに部屋3dを設け、この部屋3dに蓄熱材21を充填している。蓄熱材21を充填する部屋3dは、同図(b)に詳しくあらわされている。この部屋3dは、次の図3(a)(b)に示すように、第1のケース3Aをガスアシスト成形で成形して形成することができる。
図3(a)(b)で、第1のケース3Aは周知のガスアシスト成形で成形される。成形材料はナイロンを用いている。なお、ガスアシスト成形は、日刊工業プロダクション発行の「工業材料」1995年7月号、Vol.43、No.7に詳しく記述されており、この製法で第1のケース3Aに、部屋3dとしての空間部分を中空成形する。この空間部分(3d)は、同図(b)に示すように、第1のケース3Aの全周に亘って形成される。
こうして、ガスアシスト成形(中空成形)した第1のケース3Aの部屋3dに、溶かした蓄熱材21を図4(a)(b)に示すように注入充填する。蓄熱材21は、温度が下がれば、固化して固まる。その後、図4(a)に示すように第1のケース内に所定のフィルタや吸着剤などを収納し、ケース3Aの図示上端開口部に蓋4を矢印Wのように当接して振動溶着して封止する。
なお、溶かした蓄熱材を図4(a)に示すように部屋(空間)3dに注入する代わりに、前記蓄熱材マイクロカプセルを充填しても良い
図5(a)(b)(c)に示す実施例3は、図4(a)(b)(c)に示す実施例2と比べて、第1のケース3Bが、前記第1のケース3Aとわずかに形状が違う。この図5の実施例3では、同図(a)(b)に示すように、第1のケース3Bに設けた部屋(空間)3dは、図示上端部が閉じていて開口していない。従って、前記実施例2の図3に示す第1のケース3Aをガスアシスト成形したあとに蓄熱材21を図4(a)(b)に示すように、図示上方から部屋(空間)3dに注入充填することはできない。
この実施例3では、第1のケース3Bの成形と、ケース3Bの部屋(空間)3dへの蓄熱材の注入充填をいわゆる水アシスト成形と類似の製法で行っている
図6〜図8は、周知の水アシスト成形と類似の成形方法を、フィルムゲートを利用して行う場合の第1のケース3Bの製造方法を説明する図である。
図6(a)はフィルムゲートを利用する場合を説明する縦断面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図、図7(a)は図6(a)のB−B線断面図、図7(b)は図6(a)のC−C線断面図、図8(a)〜(d)は、図6と図7に示すフィルムゲートを利用する製造方法における蓄熱材の封入工程を説明するための図で、図6(a)の一部分に対応する場所の図である。
図6(a)(b)と図7(a)(b)において、固定型30に対し、可動型31は図6(a)における図示上下方向に移動可能である。第1のケース3Bを、これらの型で成形する。ケース3Bの樹脂材料(例えばナイロン)は、図6(a)に符号32で示し、同図(b)に可動型31の外周を囲む破線32で示すフィルムゲートから注入する。このフィルムゲートは図6(b)に示すように、全周から薄い膜状に樹脂を注入する、そして、樹脂が固化する前に、蓄熱材の注入ゲート導入部、例えば12点ピンゲート33から溶かした蓄熱材21を注入する。このような成形方法は、周知の水アシスト成形で水の代りに溶かした蓄熱材21を使用したものである。そのために、本実施例の成形方法を水アシスト成形と類似の成形方法であると表現している。
第1のケースの樹脂材料の注入と、溶かした蓄熱材の注入工程の詳細を図8(a)(b)(c)(d)により、以下に説明する。
(1)金型30、31内の容積をやや下回る樹脂量をフィルムゲート32から型内に射出する(同図(a))。
(2)樹脂が固化する前に、蓄熱材21をピンゲート33から樹脂内に注入する(同図(a))。
(3)蓄熱材21の注入圧力を低下させる(同図(b))。
(4)フィルムゲート32からの樹脂の注入圧力を再度上昇させて、型内に樹脂を流入させる(同図(b))。
(5)流入樹脂により蓄熱材21のゲートをシールする(同図(c))。この工程で、樹脂圧によって蓄熱材21のフィルムゲート部34が、図8(c)で符号34aで示されるように仕切られて、樹脂材の中に蓄熱材21が封入される。
同図(d)は、同図(b)に示す上記(4)の工程で、樹脂圧の上昇により、蓄熱材のフィルムゲート部34にくびれ34bが発生したことを示している。このくびれ34bは、図8(b)のピンゲート33からの蓄熱材21の注入圧力と、フィルムゲート32からの注入樹脂圧の圧力差により、くびれ状態から同図(c)に符号34aで示す仕切り状態に移行する。
(6)型内で樹脂を冷却固化させ、製品(第1のケース3B)を取り出す。この工程は図示していない。
図9乃至図11は、実施例4における第1のケース3Bの成形方法と蓄熱材21の注入方法を説明する図で、図6乃至図8の実施例3における製造方法に対応する図面であるが、この実施例4では、すべてピンゲートを用いている。図9(a)(b)に示すように、固定型30には、蓄熱材を注入するピンゲート、例えば4点ピンゲート35が設けてある。また、可動型31はピンゲート、例えば4点ピンゲート36が図9、図10に示すように設けてある。
次に図11(a)〜(d)によって成形工程を説明する。
(1)金型30、31内の容積をやや下回る樹脂量をピンゲート36から型内に射出する(同図(a))。
(2)樹脂が固化する前に、蓄熱材21をピンゲート35から樹脂内に注入する(同図(a))。
(3)蓄熱材21の注入圧力を低下させる(同図(b))。
(4)フィルムゲート36からの樹脂の注入圧力を再度上昇させて、型内に樹脂を流入させる(同図(b))。
(5)流入樹脂により蓄熱材21のピンゲート部の符号35aで示す部分が同図(c)のように仕切られ蓄熱材21が樹脂内に封入される。
同図(d)は、同図(b)に示す上記(4)の工程で、樹脂圧の上昇により、蓄熱材のゲート部35にくびれ35bが発生したことを示している。このくびれ35bは、図11(b)のピンゲート35からの蓄熱材21の注入圧力と、ピンゲート36からの注入樹脂圧の圧力差により、くびれ状態から同図(c)に符号35aで示す仕切り状態に移行する。
(6)型内で樹脂を冷却固化させ、製品(第1のケース3B)を取り出す。この工程は図示していない。
この実施例4も、前記実施例3の場合のように、周知の水アシスト成形における水の代りに溶けた蓄熱材を用いたものである。
図12(a)(b)は、本発明の実施例5を説明する図で、同図(a)は略図、(b)は同図(a)に使用しているペレット22の拡大斜視図である。この実施例5では、キャニスタのケース2の吸着剤室11に活性炭などの吸着剤8を収納し、蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセル21を、ガソリンベーパを通さない材質からなる密閉容器に収納してペレット状にしたものを、吸着剤室11の吸着剤8内に分散して収納したものである。密閉容器としては、銅又はアルミニウム等の金属容器を用いると、熱伝導が良いので効果的である
この実施例5は、吸着剤8内にペレット22が分散収納されていて、吸着剤8の温度上昇や温度低下が、ペレット22の容器を介して直ちに蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルに伝わるため、熱応答性が良く、ガソリンベーパの吸着、離脱量を効果的に増大させることが出来、蒸発燃料処理装置としてのキャニスタの性能がより向上する。
実施例5のペレット22の類似のペレット22Aを図13の実施例6に示す。この実施例6は、銅、鉄又はアルミニウム等の金属の筒23内に蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルを充填し、この筒23を適宜の長さで切断するとともに切断部分を押しつぶして密封して、ペレット22Aとしたものである。ペレット22Aの端部22aと22bは図示のように押しつぶされて密封されている。そしてペレット22Aの中空部分22cは筒23と同じように横断面が筒形に対応する断面、例えば円形をしており、その内部に蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルが封入されたかたちになっている。
蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルを封入する密閉容器としては樹脂フィルムにアルミニウム等の金属箔をラミネートしたシートで図14のようなペレットを構成しても良い。図14は、蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルを上記シートで作った袋状の密閉容器としてのペレット22Bとしたものである。直径が2μm程度の蓄熱材マイクロカプセルを長さLが数mm程度の袋状のペレット内に封入している。ペレットは図示左右の端部22dと22eで溶着密閉され、中央部22fに蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルが封入されている。なお、金属箔をラミネートしたシートは、樹脂フィルム面を内側にし、金属箔を外側にして袋状のペレット22Bを構成している。
なお、このペレット22Bの構造、特に袋状のシートの構造は、醤油などの液状調味料を封入した、金属箔ラミネート樹脂フィルムで作った同じような形状の袋の作り方と似ている。
蓄熱材マイクロカプセルのマイクロカプセル皮膜をガソリンベーパが透過しないようにするには、マイクロカプセルのカプセル材料にフッ素系樹脂又はナイロン系樹脂を用いても良いし、樹脂製カプセルの表面に金属メッキ又は金属を蒸着することで、ガソリンベーパの透過を防止しても良い蓄熱材マイクロカプセルは直径が2μm程度の球形で、活性炭の吸着剤は直径2mm、長さ5mm程度の造粒炭が使用される。吸着剤室内に蓄熱材マイクロカプセルと造粒炭(活性炭)とを混ぜて収納する。
前記実施例1乃至4では、キャニスタのケースに蓄熱材マイクロカプセルや蓄熱材を設けているので、これらの実施例のケースに使う樹脂材料としては、高熱伝導樹脂を使うと良い。
従来のキャニスタのケース材料としては、66ナイロンが一般的であり、その熱伝導率は0.20W/(m・K)である。
熱伝導充填材を無機フィラーで繋ぎ、熱伝導の道筋をつけることにより30W/(m・K)レベルの熱伝導性が得られており、通常の樹脂原料と同程度の成形性を有する樹脂が開発されている(http://www.yakin.co.jp/new_mat.html インターネット、2004年6月5日調査)。従って、このような樹脂をケース材料に使用することで、上記実施例1乃至4の効果を一層向上できる。
前記実施例5、6、7では、蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセル21を、蒸発燃料(ガソリンベーパ)を通さない材質からなる密閉容器に収納して、それぞれペレット22、22A、22Bを構成している。蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセル21を収納するための密閉容器に用いる材料としては、表1に示す金属材料や樹脂材料を用いると良い。表1に示す金属材料や樹脂材料は、その比熱または熱伝導率が吸着剤としての粒状活性炭の比熱または熱伝導率より大きい。
蒸発燃料の吸着時には、蒸発燃料の液化による活性炭の温度上昇があり吸着性能が低下する傾向がある。ところが、密閉容器の比熱が大きいと密閉容器への伝熱量が多いため、活性炭の温度上昇が抑制されて少なくなる。また、密閉容器の熱伝導率が大きいと密閉容器への伝熱量が多いため、活性炭の温度上昇が抑制されて少なくなる。離脱時には、この逆の作用となり、密閉容器の比熱又は熱伝導率が大きいと、活性炭の温度低下が抑制されて少なくなる。
そこで、実施例10では、表1に示すアルミ、銅、鉄、またはステンレス等の金属材料とか、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドまたはフェノール等の樹脂材料を用いて密閉容器を構成することにより、吸着剤として活性炭の比熱や熱伝導率に比べて、密閉容器の比熱又は熱伝導率を大きく定め、蒸発燃料の吸着・離脱時における吸着剤の温度変化を抑制して、キャニスタの性能を向上するようにしている
Figure 0004925663
表1に示すように、アルミ、銅、鉄またはステンレス等の比熱は、粒状活性炭の比熱の約200〜1000倍と大きい。また、熱伝導率も、約60〜6000倍と大きい。そして、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドまたはフェノール等の樹脂の比熱は粒状活性炭の比熱とほぼ同程度で、熱伝導率は約3〜17倍と大きい。
表1のアルミ、銅、鉄またはステンレス等の金属材料を用いると、比熱と熱伝導率の両方が、活性炭の比熱や熱伝導率より大きいので、蒸発燃料の吸着・離脱性能がより良くなり、キャニスタの性能向上に効果的である銅材質は熱伝導率が特に大きいため最良である。
表1のナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドまたはフェノール等の樹脂は、熱伝導率が活性炭の熱伝導率より大きいので、蒸発燃料の吸着・離脱時の温度変化が抑制され、キャニスタの性能向上に効果的であるこれらの樹脂材料のなかで、ナイロンは比熱が一番大きいのでキャニスタの性能向上に最適であり、しかも成形が容易で、材料費も安価でキャニスタの低コスト化に役立つ。
この実施例13は、キャニスタにおける密閉容器をプレス成形した金属材で構成している。図15(a)(b)に示すように、金属材をプレス成形して角形の皿形状に成形した第1の皿形部24aと、第2の皿形部24bを互いに開口側を向い合わせて当接・接合し、同図(a)に示す接合部25を溶接またはろう付して両皿形部24aと24bを一体化し、密閉容器26を構成する。そして、一方の皿形部24bに開けた開口部24cから、両皿形部24aと24bとで囲まれた空間部27へ、所定の蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルを注入収容し、図示されていない栓などで開口部24cに蓋をしてペレットを作成する。栓は開口部24cに圧入するか、溶接して封止する。このペレットは図示されていないキャニスタの主吸着剤室や副室へ、吸着剤としての活性炭と一緒に配設される。
この実施例14では、キャニスタにおける密閉容器を樹脂材料で、先ず2体に分けて射出成形する。図16(a)(b)に示すように、樹脂材料で射出成形した角形の皿形状の第1の皿形部24dと、第2の皿形部24eを、互いに開口側を向かい合せて当接・接合し、同図(a)に示す接合部25Aを溶着または接着して、両皿形部24dと24eを一体化し、密閉容器26Aを構成する。そして、一方の皿形部24eに形成した開口部24fから、両皿形部24dと24eとで囲まれた空間部27Aへ、所定の蓄熱材または蓄熱材マイクロカプセルを注入収容し、図示されていない栓などで開口部24fに蓋をしてペレットを作成する。栓は開口部24fに圧入するか溶着して封止する。このペレットは図示されていないキャニスタの主吸着剤室や副室へ、吸着剤としての活性炭と一緒に配設される。
この実施例15では、キャニスタにおける密閉容器26Bを、先ず図17(a)(b)に示すような形状にガスアシスト成形(ガスインジェクションまたは中空射出成形ともいう)して、空間部27Bを囲む周壁28Bを形成する。そして、周壁28Bの開口部(孔)24gから空間部27Bへ所定の蓄熱材又は蓄熱材マイクロカプセルを注入収容した後、図示されていない栓を開口部24gに圧入または溶着して蓋をする(封止する)。こうして作成されたペレットは、図示されていないキャニスタの主吸着剤室または副室へ吸着剤としての活性炭と共に配設される。
図17(c)は密閉容器26Bをガスアシスト成形で成形する製造方法を説明する縦断面図である。第1の成形金型40と第2の成形金型41の間に、樹脂材ゲート42から溶けた樹脂を注入し、ガス注入口43からガスを注入して、中空状の密閉容器26Bを成形する。
密閉容器26B内へガス注入口43により形成された前記開口部24gから溶けた蓄熱材を注入収容する。蓄熱材は温度が下がれば固化して固まる。こうして蓄熱材を注入収容した密閉容器26Bの開口部24gに蓋をして封止し、ペレットとする。
なお、蓄熱材の代わりに蓄熱材マイクロカプセルを注入充填しても良い。
この実施例16では、キャニスタにおける密閉容器を、前記図6〜図8の実施例3で説明した水アシスト成形と類似の製法で製造している。
図18に示すように、第1と第2の金型40、41の間(型内)に樹脂材ゲート42から溶けた樹脂を注入(射出)する。このとき樹脂量は金型内の密閉容器26Bの容積をやや下回る射出量とする。
次に、樹脂が固化する前に蓄熱材21を蓄熱材ゲート44から樹脂内の空間部27Bへ注入する。
次に、樹脂が固化する前に蓄熱材21の注入圧力を低下させる。
再度樹脂の圧力を上昇させ、型内に樹脂を流入させる。
すると、密閉容器26Bを形成する樹脂の一部分、即ち蓄熱材ゲート44から注入された蓄熱材21の一部分に、同図(b)で符号44bで示すようにくびれが発生し、次いで、このくびれが切断され、同図(c)に符号44cで示すように密閉容器26Bを形成する樹脂で仕切られる。つまり流入樹脂により蓄熱材のゲートがシールされる。
こうして、型内で樹脂を冷却固化させ、蓄熱材21を封入した密閉容器26Bを金型40、41から取り出す。
この実施例では、蓄熱材を注入するゲートが、密閉容器26Bを構成する樹脂で、成形時にシール(封止)されるので、前記図17の実施例15のように、開口部24gを栓などで蓋をして封止する工程が不要となる利点がある。
本発明の実施例1の縦断面図。 本発明の実施例2で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)の一部拡大断面図、(c)は同図(a)のA−A線断面図。 図2の実施例におけるケースの図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図。 図2の実施例の蓋4を組付ける前の図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)の一部拡大断面図、(c)は同図(a)のA−A線断面図。 本発明の実施例3の、蓋4を組付ける前の図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)の一部拡大断面図、(c)は同図(a)のA−A線断面図。 本発明の実施例3におけるケースの成形方法を説明する図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図。 (a)は図6(a)のB−B線断面図、(b)は図6(a)のC−C線断面図。 本発明の実施例3におけるケースの成形方法の手順(工程)を説明する図で、(a)(b)(c)はそれぞれ順に各工程を説明する要部縦断面図、(d)は同図(b)の一部拡大図。 本発明の実施例4における成形方法を説明する図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図。 図9(a)のB−B線断面図。 本発明の実施例4におけるケースの成形方法の手順(工程)を説明する図で、(a)(b)(c)はそれぞれ順に各工程を説明する要部縦断面図、(d)は同図(b)の一部拡大図。 本発明の実施例5を説明する図で、(a)はキャニスタのケース部分の略図、(b)は同図(a)に使うペレットの拡大斜視図。 本発明の実施例6のペレットの製造工程を示す概略図で、(a)は筒の斜視図、(b)は同図(a)の筒から作成したペレットの斜視図。 本発明の実施例7のペレットの図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。 本発明の実施例13における密閉容器の製造方法を説明する図で、同図(a)は正面図、同図(b)は(a)の右側面図。 本発明の実施例14における密閉容器の製造方法を説明する図で、同図(a)は正面図、同図(b)は(a)の右側面図。 本発明の実施例15を説明する図で、(a)は密閉容器の正面図、(b)はその左側面図、(c)は密閉容器の製造方法を説明する縦断面図。 本発明の実施例16における密閉容器の製造方法を説明する図で、同図(a)は縦断面図、(b)と(c)は(a)の一部を拡大して示す工程図。
符号の説明
1 キャニスタ
2 ケース
3、3A、3B 第1のケース
3d 部屋(空間部)
4 蓋
5 タンクポート
6 パージポート
7 大気ポート
8、9、10 吸着剤
11 主吸着剤室
12 第1副室(吸着剤室)
13 第2副室(吸着剤室)
21 蓄熱材(蓄熱材マイクロカプセル)
22、22A、22B ペレット
24c、24f、24g 開口部
26、26A、26B 密閉容器
30 固定型
31 可動型
32、33、35、36、42、44 ゲート
40、41 金型

Claims (10)

  1. 燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着する吸着剤を収納した吸着剤室を有するキャニスタにおいて、
    温度変化に応じて潜熱の吸収および放熱を生じる相変化物質からなる蓄熱材あるいは該蓄熱材をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材マイクロカプセルを、キャニスタの吸着剤室を形成するケースに蒸発燃料に直接接触しない状態で配設したことを特徴とするキャニスタ。
  2. ケースを形成する樹脂材料内に蓄熱材マイクロカプセルを練り込んだことを特徴とする請求項1のキャニスタ。
  3. 吸着剤室の周壁を形成するケース部に部屋を設け、該部屋に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを充填したことを特徴とする請求項1記載のキャニスタ。
  4. 燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着する吸着剤を収納した吸着剤室を有するキャニスタにおいて、
    吸着剤室の周壁を形成するケース部に部屋を設け、該部屋に、温度変化に応じて潜熱の吸収および放熱を生じる相変化物質からなる蓄熱材あるいは該蓄熱材をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材マイクロカプセルを充填したことを特徴とするキャニスタ。
  5. 燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着する吸着剤を収納した吸着剤室を有するキャニスタにおいて、
    温度変化に応じて潜熱の吸収および放熱を生じる相変化物質からなる蓄熱材をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材マイクロカプセルを、蒸発燃料に直接接触しない状態でキャニスタ内、特に吸着剤に近接して配設し、
    前記蓄熱材マイクロカプセルの外周に金属メッキを施したことを特徴とするキャニスタ。
  6. 吸着剤室の周壁を形成し、かつ、一端に開口部を有する第1のケースをガスアシスト成形で成形して、その周壁内に空間部を形成し、該空間部に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを注入後、前記開口部を蓋で封止するキャニスタの製造方法。
  7. 吸着剤室の周壁を形成し、かつ、一端に開口部を有する第1のケースを成型するに当たり、次の(1)〜(6)の工程で成形するキャニスタの製造方法。
    (1)金型内の容積をやや下回る樹脂量を樹脂材ゲートから型内に射出する。
    (2)次に樹脂が固化する前に蓄熱材を蓄熱材ゲートから樹脂内に注入する。
    (3)蓄熱材の注入圧力を低下させる。
    (4)再度樹脂の圧力を上昇させ、型内に樹脂を流入させる。
    (5)流入樹脂により蓄熱材のゲートをシールする。
    (6)型内で樹脂を冷却固化させ、蓄熱材を封入した第1のケースを金型から取り出す。
  8. 蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを収納する空間部と該空間部に連通する開口部を備えた密閉容器をガスアシスト成形で成形して、成形された空間部に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを注入後、前記開口部を封止することを特徴とする、キャニスタにおける密閉容器の製造方法。
  9. 空間部を囲む周壁と該空間部に連通する開口部を前記周壁に備えた密閉容器をガスアシスト成形で成形して、その周壁内に空間部を形成し、該空間部に蓄熱材あるいは蓄熱材マイクロカプセルを注入後、前記開口部を蓋で封止することを特徴とする、キャニスタにおける密閉容器の製造方法。
  10. 蓄熱材を収納する密閉容器を成型するに当たり、次の(1)〜(6)の工程で成形する
    ことを特徴とする、キャニスタにおける密閉容器の製造方法。
    (1)金型内の容積をやや下回る樹脂量を樹脂材ゲートから型内に射出する。
    (2)次に樹脂が固化する前に蓄熱材を蓄熱材ゲートから樹脂内に注入する。
    (3)蓄熱材の注入圧力を低下させる。
    (4)再度樹脂の圧力を上昇させ、型内に樹脂を流入させる。
    (5)流入樹脂により蓄熱材のゲートをシールする。
    (6)型内で樹脂を冷却固化させ、蓄熱材を封入した密閉容器を金型から取り出す。
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