JP4819938B2 - キャニスタ - Google Patents

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Description

本発明は自動車内燃機関の蒸発燃料処理装置に用いるキャニスタに関する。
内燃機関の蒸発燃料処理装置に用いるキャニスタで、吸着材室に収納する吸着材を保持する吸着材保持用フィルタを有するものが公知である(例えば特許文献1参照)。
また、キャニスタの活性炭が蒸発燃料を吸着するときの発熱による温度上昇や、吸着された蒸発燃料が脱離するときの活性炭の温度低下を抑制するために、活性炭の表面に、活性炭に比して熱伝導率が大きくかつ熱容量の大きな材料からなる蓄熱粒子を付着させた活性炭吸着材が公知である(例えば特許文献2参照)。
さらにまた、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材と吸着材からなる潜熱蓄熱型吸着材であって、吸着材粒子の表面に該吸着材よりも小さな粒子径の蓄熱材が付着してなる潜熱蓄熱型吸着材が公知である(例えば特許文献3参照)。
特開2000−186635号公報(1頁、図3) 特開平10−339218号公報(2頁、図2) 特開2003−311118号公報(2頁)
前記特許文献1では、吸着材の吸着性能を向上するための対策を備えていない。また、特許文献2では、蓄熱粒子の顕熱を利用して活性炭の吸着性能の向上策としているが、顕熱利用であるため、性能向上の効果が少ないという問題点があった。さらにまた、特許文献3では、自動車内燃機関の蒸発燃料処理装置に用いるキャニスタについては言及していない。
そこで、本発明は、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材を用いることにより、蒸発燃料の吸着・脱離性能を大巾に向上できる自動車内燃機関の蒸発燃料処理装置に用いるキャニスタを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、自動車の燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、自動車内燃機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れるガソリンベーパを吸着する活性炭を収納した吸着材室を有する蒸発燃料処理用のキャニスタにおいて、
前記吸着材室を、主吸着材室と第2の吸着材室及び第3の吸着材室とからなる副室とで構成し、前記タンクポートから前記大気ポートの間に、順に、前記主吸着材室、第2の吸着材室、第3の吸着材室を配設し、
前記主吸着材室と副室とは仕切り板により連通可能に仕切られ、前記第2の吸着材室と第3の吸着材室とは、絞り部を有する脱離緩衝板により連通可能に仕切られ、
前記主吸着材室及び第2の吸着材室内に、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をカプセル中に封入した蓄熱材を配設し、
前記第3の吸着材室には、前記蓄熱材を配設しないことを特徴とするキャニスタである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記相変化物質の相変化温度が、25℃以上90℃以下の範囲にあることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、相変化物質の融点を25℃に近い所定温度に定めたことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明において、蓄熱材を活性炭に混ぜて吸着材室に配設したことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明において、蓄熱材を活性炭にまぶして、吸着材室に配設したことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明において、蓄熱材を活性炭の中に入れて固めた造粒炭を吸着材とすることを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の発明において、ヒートパイプを、該ヒートパイプの長手方向をガソリンベーパの流れ方向に向けて吸着材室に設けたことを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、ヒートパイプにフィンを取付けたことを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の発明において、複数のフィンを取付けたヒートパイプを、隣接する吸着材室間にかけ渡して設けたことを特徴とするものである。
請求項10記載の発明は、請求項4、5又は6記載の発明において、吸着材室に収納した活性炭に黒鉛を混ぜたことを特徴とするものである。
本発明では、自動車の燃料タンクから蒸発したガソリンベーパが活性炭に吸着されるときの活性炭の温度上昇時の熱を蓄熱材の相変化物質が相変化する際に潜熱で吸収し、温度上昇を抑えるので、活性炭の吸着量が増大し、キャニスタの性能が向上する。また、自動車の内燃機関が作動している間のパージ中の活性炭の温度低下を、蓄熱材の相変化物質が相変化する際に生じる潜熱で抑えるので、吸着されていたガソリンベーパの脱離量が増大し、キャニスタの性能が向上する。
また、ガソリンベーパの大気への吹き抜けが多くなることを避け、給油時のガソリンベーパの吸着量を増大できる。
請求項3の発明では、更に、キャニスタに係る規制に確実に対応できる。
請求項4の発明では、更に、蓄熱材を活性炭と混合することにより、吸着・脱離性能が向上できる。
請求項5と6の発明では、更に、蓄熱材と活性炭が離れてそれぞれの粒子分級(分離)が起こることが防止できるので、自動車のように振動が加えられるキャニスタとして好適である。
請求項7乃至9の発明では、更に、タンクポートに近い上流の活性炭とそれよりも下流の活性炭の温度差を少なくできるため、吸着・脱離性能が向上する。
請求項10の発明では、更に、活性炭に混合した黒鉛の熱伝導作用により、吸着室内の活性炭の温度差を少なくできるため、吸着・脱離性能を向上できる。
本発明の参考例1に係るキャニスタの縦断面図。 本発明の参考例2に係るキャニスタの縦断面図。 本発明の参考例3で、(a)はキャニスタの縦断面図、(b)は同図(a)のキャニスタに使用する活性炭の拡大斜視図。 本発明の参考例4に係るキャニスタに使用する活性炭を説明する図で、(a)はこの活性炭の製造方法を説明する図、(b)は活性炭の一部分を拡大した断面図。 本発明の参考例5に係るキャニスタの縦断面図。 キャニスタを吸着脱離サイクルで試験したときの吸着・脱離量を説明する図。 本発明の参考例6に係るキャニスタの縦断面図。 本発明の実施例に係るキャニスタの縦断面図。 本発明の参考例7に係るキャニスタの縦断面図。 本発明の参考例8に係るキャニスタの図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)のA‐A線断面図、(c)は同図(a)の一部を拡大した図。 本発明の参考例9に係るキャニスタの図で、(a)は縦断面図、(b)は同図(a)のA‐A線断面図、(c)は同図(a)の一部を拡大した図。 本発明の参考例10に係るキャニスタの構造を概略的に示す説明図。 本発明の参考例11に係るキャニスタの構造を概略的に示す説明図。
以下、本発明の実施例及び参考例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
参考例1
図1において、キャニスタ1のケース2は、下端に開口部を有する第1のケース3と、前記下端開口部を封止する蓋4とからなる。第1のケース3の上部には、図示されてない自動車の燃料タンクの上部気室に連通するタンクポート5と、同じく内燃機関の吸気通路に連通するパージポート6と、大気に開放される大気ポート7が形成されている。ケース2内には、タンクポート5から大気ポート7へ向って流れるガソリンベーパ(HC)を吸着する活性炭をそれぞれ収納した主吸着材室11、第2、第3の吸着材室12,13が、タンクポート5から大気ポート7の間に順に配設されている。第2の吸着材室12と第3の吸着材室13は、いわゆる副室を構成する。第1のケース3に一体的に形成された仕切り板3aは、主吸着材室11と第2、第3の吸着材室12、13の間を仕切っている。
主吸着材室11には図示上部と下部に活性炭8を保持する保持用フィルタ14Aと15Aが配設されている。下部の保持用フィルタ15Aは、その下面に当設したプレートを介してスプリングにより活性炭8に押し付けられている。16Aと17Aは第2の吸着材室12に収納された活性炭8を保持する保持用フィルタで、図示下側の保持用フィルタ16Aは、その下面に当設したプレートを介してスプリングにより活性炭8に押し付けられている。18Aと19Aは第3の吸着材室13に収納された活性炭8を保持する保持用フィルタである。保持用フィルタ17Aと18Aの間に設けた符号20を付した部材は、ガソリンベーパの第2吸着材室12と第3吸着材室13間の拡散を抑制する絞りを備えた脱離緩衝板(パージバッファプレート)である。
活性炭8を保持する六つの保持用フィルタ14A〜19Aは、融点が−10〜90℃(望ましくは10〜45℃)の範囲にあって、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をマイクロカプセル中に封入した蓄熱材を樹脂バインダーにより表面に固着した繊維で構成した不織布を使用している。蓄熱材としては、下記〔表1〕又は〔表2〕に示す相変化物質をマイクロカプセルなどの中に封入したものを用いることができる。
Figure 0004819938
Figure 0004819938
なお〔表1〕や〔表2〕の物質は、物質単体では無く、使いかたに適した相変化温度にするため融点調整剤を添加したり、耐久性を高めるための過冷却防止剤、相分離防止剤等を添加した混合物として合成樹脂製のカプセル容器又はマイクロカプセル中に充填封入した潜熱蓄熱材として用いても良い。
上記図1の参考例で、燃料タンクへの給油時にガソリンベーパがタンクポート5から主吸着材室11等へ流入すると、吸着材室の活性炭8がガソリンベーパを吸着し、その温度が上昇する。活性炭8の温度が上昇し、その活性炭に接している保持用フィルタ、例えば保持用フィルタ14の蓄熱材の相変化物質の相変化温度(融点)以上になると、相変化物質が融解して吸熱し、活性炭8の温度上昇を抑制するので、吸着量が増大し、ガソリンベーパの大気への漏れを抑制する。
また、パージ時に活性炭の温度がその活性炭を保持している保持用フィルタの蓄熱材の作用温度以下に低下すると、蓄熱材中の相変化物質の相変化(固化)に伴なう潜熱によって活性炭のそれ以上の温度低下を抑制するので、脱離量が増大し、キャニスタの性能が改善される。
なお、図1の参考例1で、矢印Aは燃料タンクへの給油時などにタンクポート5からキャニスタ1に流入して、大気ポート7へ流れるガソリンベーパや空気の流れを示す。また、矢印Bは機関運転時におけるパージ時の流れを示す。
参考例2
図2は本発明の参考例2を示す。なお、以下では、図3以降の参考例及び実施例も含め、図1のキャニスタと同一又は相当する構成部分には図1の参考例1と同一の符号を付し、重複した説明はなるべく省略する。
図2の参考例2に用いる保持用フィルタ14〜19は従来技術と同様の(蓄熱材を有しない)繊維を用いた不織布からなる。そして、各吸着材室11,12及び13には、それぞれ活性炭8と、該活性炭8に、相変化物質を封入したマイクロカプセルからなる蓄熱材を分散して混合したものを収納している。なお、蓄熱材9は、活性炭8としての造粒炭に比較して非常に小さいので、図面に画くのが困難である。従って、図2では、蓄熱材9を各吸着材室11,12及び13に一つずつ拡大した球形(丸)で表現して示した。
蓄熱材9は、それを構成する相変化物質の相変化温度(融点)が−10〜90℃(望ましくは10〜45℃)の範囲にあって、潜熱型蓄熱材として作用し、ガソリンベーパを吸着・脱離するときの活性炭の温度の上昇・低下を抑制し、吸着・脱離量を増大させる。従ってキャニスタの性能が向上する。
参考例3
図3は本発明の参考例3を示す。同図(a)はキャニスタの縦断面図、(b)は吸着材としての活性炭の拡大斜視図である。
この参考例では、各吸着材室11,12及び13にそれぞれ収納する吸着材としての活性炭は、同図(b)のように、直径が1〜4mm、長さが1〜5mmの造粒炭や粒径が0.2〜3mmの破砕炭で、その長面に、相変化物質をマイクロカプセルに封入した粒径の小さい蓄熱材9をまぶして固着してある。これを符号8Aで示す。この参考例3における蓄熱材の作用温度、つまり相変化物質の相変化温度は参考例2の場合と同じに定めている。
参考例4
吸着材室に収納する活性炭として、粉砕炭に蓄熱材を練りこみ、成型したペレット状の活性炭を使うことができる。本参考例4は図3(a)(b)の参考例3と比較して、蓄熱材9を表面にまぶして固着した活性炭8Aの代りに、蓄熱材を練り込みペレット状に成形した活性炭を使う点だけが違う。図4(a)は、この参考例4に使うペレット状活性炭の製造方法を説明する模式図である。
粒径が小さい球形の蓄熱材9を粉砕炭に練り込み、ペレット状に成型して活性炭(造粒炭)8Bをつくる。同図(b)はペレット状活性炭8Bの一部分を拡大した断面で、粉砕炭中に蓄熱材が分散して練り込まれている様子がわかる。
参考例ではキャニスタ全体の図は、図3と殆ど同じであるので図示を省略する。図3の蓄熱材9をまぶした活性炭8Aの代りに蓄熱材9を練り込んだペレット状活性炭8Bを使うものである。
参考例5
図5に示す本発明の参考例5は、相変化物質の相変化温度すなわち融点の違う2種類の潜熱利用蓄熱材を使用し、各蓄熱材を作用させる吸着材室を車両に対する法規制などによって使い分けることで、キャニスタの性能の適応性を柔軟にするものである。相変化物質の相変化温度すなわち融点が違うと、その相変化物質を用いた蓄熱材の作用温度も前記融点に応じて違うことになる。従って、相変化物質の相変化温度(融点)と蓄熱材の作用温度とを同じ意味で用いる。
この参考例では、前記参考例1のように、相変化温度(融点)が−10〜90℃(望ましくは10〜45℃)の範囲にあるが、この範囲内で25℃以上の相変化温度すなわち25℃以上90℃以下(望ましくは25〜45℃)の第1の蓄熱材9A及び/又は25℃未満の相変化温度すなわち−10〜25℃未満(望ましくは10〜25℃未満)の相変化温度の第2の蓄熱材9Bを使用する。
そして、第3の吸着材室13の容積を三つの吸着材室11,12,13の容積の合計である全容積の2〜15%に定め、この吸着材室13中には第1の蓄熱材9Aを作用させない(入れない)。そして、他の部分すなわち、吸着材室11と12内に第1の蓄熱材9Aを入れる。こうすることで、ガソリンベーパの吹き抜けが多くなるのを防止し、給油時のガソリンベーパ吸着量を向上できる。これは、車両給油時に燃料タンク内のガソリンベーパを大気に放出させないようにキャニスタで回収する米国の規制ORVRに対応する。
また、第2の蓄熱材9Bは、全部の吸着室すなわち、主吸着材室11、及び第2、第3の吸着材室12,13のすべてに配設し作用させる。こうすることで、脱離量が増大する。従って、大気側のガソリンベーパ残存量が低下する。これにより、放置された車両から、大気に放出されるガソリンベーパ(HC)の米国規制DBLを満たす。すなわち、DBL性能が優れることになる。結局大気ポート近くでは吸着しにくくなり、脱離性のみ向上する。従って、大気側の残存量が低下し、DBL性能が優れる。
次に図6を用いて、吸着脱離サイクルを繰り返したときのブタン吸着量について説明する。同図(a)(b)(c)では、横軸に吸着脱離サイクルの2サイクルぶんを示し、縦軸にブタン吸着量を示す。なお、これらの図で破線は、蓄熱材を用いない従来技術のデータを比較例として示すベースである。
図6(a)において、比較例のベースに第1の蓄熱材9Aをプラスして追加すると、実線で示すように、破線のベースよりも吸着量が増大する。また、図6(b)において、比較例のベースに第2の蓄熱材9Bをプラスして追加すると、実線で示すように、破線のベースよりも脱離量が増大する。更にまた、図6(c)において、比較例のベースに、第1の蓄熱材9Aと第2の蓄熱材9Bをプラスして追加すると、実線で示すように、破線のベースよりも吸着脱離量が増大しキャニスタ性能が改善することが明らかである。これらの試験は何れも吸着脱離を2サイクル繰返している。同図(a)の試験では、HC吸着→活性炭発熱→第1の蓄熱材の相変化物質が融解して潜熱を吸収→吸着量増大というメカニズムが働く。同図(b)の試験では、HC脱離→活性炭温度低下→第2の蓄熱材9Bの相変化物質が固化して潜熱を放出→脱離量増大というメカニズムが働く。同図(c)の試験では同図(a)と(b)の両試験のときのメカニズムが働く。
なお、第1の蓄熱材9Aを作用させると吸着量が増大して給油性能が向上する。従って、燃料タンクの形状が複雑であるとか、燃料タンク容量が大きくてタンクから多量の蒸発燃料が発生する車両に有効である。
参考例6
図7に示すように、前記第2の蓄熱材9Bだけを大気ポート7に近い第3の吸着材室に入れて、米国の前記DBL規制の性能のみの向上を行うこともでき、これを参考例6とする。こうすると、蓄熱材の使用量が少なくてすみ、安価に性能向上ができる。このような参考例は、パージ量が少ない小排気量のエンジンを搭載した自動車又はハイブリッド車に好適である。
図8に示すように、主吸着材室11と第2の吸着材室12に第1の蓄熱材9Aを配設作用させ、第3の吸着材室13には蓄熱材を作用させないようにすることもできる。
この実施例は、燃料タンクからのガソリンベーパが多い車両に適する。
参考例7
参考例は図9に示すように、第2の蓄熱材9Bを全ての吸着材室に配設して作用させるものである。この参考例7は、前記参考例6と同様にパージ量が少ない車両に適する。
参考例8
図10に示す参考例8は、各吸着材室11,12,13に入れる活性炭は、図4(a)(b)で説明した参考例4と同じ活性炭、すなわち蓄熱材9を分散して練り込んだ活性炭8Bを使用している。そして本参考例8は、主吸着材室11内に、図10(a)に示すように、図示上下方向に延在する複数のヒートパイプ25を配設している。これらのヒートパイプは、各上端が第1のケース3の天井部分で支承され、各下端が、保持用フィルタ15の下面に当接された保持用プレート27で支承されて垂直に立設されている。ヒートパイプ25は図10(b)に示すように合計6本が設けてある。
活性炭8Bは熱伝導性が悪い。従って、ガソリンベーパの吸着や脱着が行われるときに、前記図1,2,3,4に示す参考例1,2,3,4では、各吸着材室内で、温度が不均一になり易い。例えば、図示されていない燃料タンクへの給油を開始して、タンクポート5から主吸着材室11内へガソリンベーパが流入すると、先ず主吸着材室11の入口(図示上部)付近の活性炭の温度が先に上昇する。ヒートパイプ25は、この熱を受熱して伝熱させ、他の部分の活性炭8Bへ熱を伝える。そのため、主吸着材室11内で温度分布を均一化させるように作用する。
従って、主吸着材室11内に充填されている活性炭の場所による温度差がなくなり、温度分布が主吸着材室11内で均一化される。蓄熱材9の存在による温度の上昇・低下の抑制に加え、ヒートパイプの熱伝導による温度の均一化(平均化)によって、吸着材室内の温度変化が抑制されるので、本参考例8は前記参考例1〜4に比較してキャニスタの吸着・離脱性能をより向上できる。なお、本参考例では、第1のケース3内に蓄熱材9を充填封入し、この蓄熱材の作用によっても活性炭8Bの温度変化を抑制している。この点については、次の参考例9でより詳しく説明する。
参考例9
図11(a)(b)の参考例9は、前記図9(a)(b)の参考例8と比較して、ヒートパイプ25に、ヒートシンクとしての羽根形のフィン26を取付けた点だけが改良されている。フィン26は、同図(b)に示すように、十字形に形成され、この十字形が、同図(a)に示すように図示上下方向に亘って、ほぼ主吸着材室11の天井から底部近くまでの全高に近い長さにしてある。こうすることで、ヒートパイプ25の伝熱面積がフィン26によって広げられ、主吸着材室11内の活性炭8Bの温度分布をより均一化(平均化)し、その分キャニスタの吸着・脱離性能をより向上する。
なお、図11(a)で、保持用プレート27は、下方に配設した圧縮スプリング28により上方に付勢され、保持用フィルタ15を活性炭8Bに押し付けている。本参考例9では、さらに、同図(c)に拡大図示するように第1のケース3の周壁内に空所を設け、該空所内に蓄熱材9を充填封入している。充填したあと、前記空所は、蓋4を、第1のケース3の下端に当接して封止する。こうすることで、ケース3内の蓄熱材9を構成している相変化物質が、活性炭8B内に分散して練り込まれている蓄熱材と同様に活性炭8Bの温度上昇と低下を抑制し、この面からもキャニスタの吸着・脱離性能を向上する。
なお、本参考例9で、ヒートパイプ25に取付けたフィン26は、図11(a)で示すように図示上下方向に延在しているので、給油時のガソリンベーパの流れに対して、流体抵抗を生じないし、パージ時についても流体抵抗を生じない。
参考例10
図12は、本発明の参考例10を説明する略図である。この参考例では、主吸着材室11と第2の吸着材室12には、活性炭8Bが収納され、第3の吸着材室13には蓄熱材を含まない活性炭8又は蓄熱材9Bだけを入れた活性炭が収納されている。
ヒートパイプ25,25は、主吸着材室11と第2の吸着材室12との間の仕切り板3aを貫通して、両吸着材室11,12間に掛け渡して設けられている。各ヒートパイプ25には複数のフィン26がヒートパイプの軸線と直角な図示上下方向に互いに平行に取付けられている。1本のヒートパイプ25に取付けられたフィン26は、必ず、主吸着材室11内に位置するものと、第2の吸着材室12内に位置するものとがあり、こうすることで、主吸着材室11内の活性炭8Bと第2の吸着材室12内の活性炭8Bとの温度差を小さくするように作用する。
なお、主吸着材室11と第2の吸着材室12に収納する活性炭は、前記図3の参考例3で説明したような、蓄熱材9をペレット状活性炭8の表面にまぶして固着した活性炭8Aを使うこともできるし、図2の参考例2のように、活性炭8に蓄熱材を分配混合したものとすることもできる。
参考例11
図13は本発明の参考例11を説明する略図である。
この参考例では、吸着材室は主吸着材室11と第2の吸着材室12の2室で、いわゆる2層構造のキャニスタを構成している。そして、両層間(2室間)にヒートパイプ25を掛け渡すように配設して、両層間(2室間)の温度差を少なくするようにヒートパイプ25とフィン26が熱伝導によって作用する。
両室11,12内には蓄熱材を含まない活性炭8が収納されている。そして、両室11と12の間に配設される仕切り板3a´は、前記図11の参考例の場合に比べて大きな厚みのものとなっている。この仕切り板3a´はナイロン66で成形されるが、蓄熱材9を練り込んだかたちで射出成形されている。従って、両室11,12内の活性炭8,8の温度に応じて仕切り板3a´内の蓄熱材の相変化物質が相変化し、その潜熱によって、ガソリンベーパの吸着時の温度上昇やパージ時の温度低下を抑制する。
このようにして、仕切り板3a´に練り込んだ蓄熱材の潜熱利用による温度変化の抑制と、フィン26を取付けたヒートパイプ25の高い熱伝導性による活性炭8,8の温度の均一化(平均化)とによって、キャニスタの吸着・脱離性能が向上し、燃料蒸気の大気への放出を抑える。
参考例12
吸着材室内の活性炭の温度変化を平均化(均一化)する手段として、例えば前記図11の参考例10などのようにヒートパイプを用いる代りに、活性炭に熱伝導の高い黒鉛を混ぜても良い。
参考例13
本発明のキャニスタに用いる蓄熱材の作用温度、すなわち蓄熱材の相変化物質の相変化温度(融点)は、これまでの説明では、前記参考例1で説明したように−10〜90℃(望ましくは10〜45℃)にするとか、前記参考例5で説明したように2種類にわけ、25℃以上90℃以下(望ましくは25℃以上45℃以下)の第1の蓄熱材9Aと−10〜25℃未満(望ましくは10〜25℃未満)の第2の蓄熱材9Bを用意して適宜に使いわけるようにしてきた。しかし、燃料の蒸発ガスの大気中への放出を抑えるように規定する法規制では、試験時の温度条件について、20〜30℃に指定している。従って、この面からすると、本発明において、蓄熱材9(又は9A,9B)に用いる相変化物質の相変化温度(融点)は25℃に近い所定温度に定めることが最も好ましい。このように定めたものを、本発明の参考例13とする。
本発明は、ガソリン燃料を用いる自動車などの車両に適用可能である。
1 キャニスタ
5 タンクポート
6 パージポート
7 大気ポート
8,8A,8B 活性炭
9,9A,9B 蓄熱材
11 主吸着材室
12 第2吸着材室
13 第3吸着材室
14〜19 保持用フィルタ
25 ヒートパイプ
26 フィン

Claims (10)

  1. 自動車の燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、自動車内燃機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、タンクポートから大気ポートへ流れるガソリンベーパを吸着する活性炭を収納した吸着材室を有する蒸発燃料処理用のキャニスタにおいて、
    前記吸着材室を、主吸着材室と第2の吸着材室及び第3の吸着材室とからなる副室とで構成し、前記タンクポートから前記大気ポートの間に、順に、前記主吸着材室、第2の吸着材室、第3の吸着材室を配設し、
    前記主吸着材室と副室とは仕切り板により連通可能に仕切られ、前記第2の吸着材室と第3の吸着材室とは、絞り部を有する脱離緩衝板により連通可能に仕切られ、
    前記主吸着材室及び第2の吸着材室内に、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質をカプセル中に封入した蓄熱材を配設し、
    前記第3の吸着材室には、前記蓄熱材を配設しないことを特徴とするキャニスタ。
  2. 前記相変化物質の相変化温度が、25℃以上90℃以下の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のキャニスタ。
  3. 相変化物質の融点を25℃に近い所定温度に定めたことを特徴とする請求項1記載のキャニスタ。
  4. 蓄熱材を活性炭に混ぜて吸着材室に配設したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のキャニスタ。
  5. 蓄熱材を活性炭にまぶして、吸着材室に配設したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のキャニスタ。
  6. 蓄熱材を活性炭の中に入れて固めた造粒炭を吸着材とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のキャニスタ。
  7. ヒートパイプを、該ヒートパイプの長手方向をガソリンベーパの流れ方向に向けて吸着材室に設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のキャニスタ。
  8. ヒートパイプにフィンを取付けたことを特徴とする請求項7記載のキャニスタ。
  9. 複数のフィンを取付けたヒートパイプを、隣接する吸着材室間にかけ渡して設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項にキャニスタ。
  10. 吸着材室に収納した活性炭に黒鉛を混ぜたことを特徴とする請求項4、5又は6記載のキャニスタ。
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