JP4917774B2 - 木材被覆複合体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、木材被覆複合体及びその製造方法に関する。より詳しくは、高級装飾用として、家具、楽器、自動車の内装部品等に広く用いられる木材被覆複合体及びその製造方法に関する。
化粧単板に透明樹脂層を施した複合体(複合材)は、高級装飾用として、家具、楽器、自動車の内装部品等に広く用いられている。このような複合体において、樹脂塗装を行うには、(1)まず塗装前の準備として、化粧単板の平滑化や汚れ除去のためのサンデイング、目やせやヤニ防止及び外観色調の均一化のための複数回に亘る下塗り塗装及び乾燥、並びに、再サンデイング等を行ったうえで、(2)肉もち感や深み感、透明感の付与及び目やせ防止のための中塗り及び上塗り塗装を行い、その後乾燥し、(3)最後に、再び、サンデイング及びコンパウンドワックスによる研磨仕上げを行うという方法が一般に採用されており、塗装は、スプレーコートによりなされることが通常である。しかしながら、このような従来の手法ではスプレー塗装法を用いるため、塗料の塗着効率が充分とはいえず、平滑で均一な塗膜を効率的に得ることを可能とするとともに、作業工程を簡略化し、生産性を向上するための工夫の余地があった。また、塗料のスプレーダストや有機溶剤の揮散による環境汚染も憂慮されており、この点においても改善の余地があった。更に、化粧単板として天然銘木を用いることから、スライス時に発生する裏割れ目や木質繊維導管等の微細空隙部、凹凸部には空気や水分が集り易く、塗膜乾燥時に白濁斑が生じたり、また、温湿度変化の著しい環境条件下で微小の凹凸やクラック、ハガレ等が生じたりすることがあるため、これらの不具合を解消し、高外観を呈するようにするための工夫の余地もあった。
そこで、このようなスプレー塗装に代わる手法を用いた複合体として、基板と、その上に被せた化粧単板と、透明樹脂表面被覆層とからなる化粧単板プラスチック複合板(例えば、特許文献1参照。)や、基材と、その上にかぶせた化粧単板と、透明樹脂表面被覆層とからなる化粧単板プラスチック複合材(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。これらでは、熱プレスにより一体に硬化形成する手法が用いられているが、作業工程をより簡略化するとともに、高外観で、しかも耐候性や強度等の塗膜物性により優れた複合体を効率的かつ簡便に得るための工夫の余地があった。
ところで、化粧単板ではなく紙を使用する化粧板の製法に関し、基材上に載置された熱硬化性樹脂含浸紙若しくは基材上に接着された印刷紙の表面に、寒天状の透明若しくは半透明な熱硬化性樹脂組成物体を載置し、その表面に鏡面板の鏡面をあてがってプレス成形する樹脂化粧板の製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、化粧単板と紙とでは、その性質や性能、用途等が大きく異なるため、化粧単板を用いた複合体において、樹脂塗膜の性能を向上したり、複合体の製造効率を充分に高めたりするための工夫の余地があった。
特許第2630462号公報(第1、2頁) 特許第2645748号公報(第1、2頁) 特開平7−285207号公報(第2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、透明性、平滑性、光沢性、均一性、深み感等の表面特性を有し、耐久性や強度等の各種物性に優れた木材被覆複合体、及び、このような木材被覆複合体を、効率的かつ簡便に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、木材被覆複合体について種々検討したところ、不飽和ポリエステル及び重合性単量体を含有する樹脂組成物が透明性や強度等の点で木材被覆用途に有用であることにまず着目し、増粘剤として脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分を更に含有させると、高外観かつ充分な厚みを有する塗膜が得られることを見いだした。増粘剤としては、酸化マグネシウムや酸化カルシウム等の金属酸化物類が一般的であるが、これらを用いると、樹脂組成物が相分離したり、増粘時間が長時間に及んだり、また、白濁したりすることがある。しかしながら、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分を使用することで、これらの点が改善され、木材被覆複合体の生産効率が向上するとともに、表面特性に優れ、特に耐衝撃性や傷のつきにくさの点で優れた特性を発揮し得る木材被覆複合体を得ることが可能となる。そして、このような不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスして成形すると、特に表面研磨等の煩雑な作業が施されなくても、高外観を表出し、高光沢でしかも耐久性及び強度等の物性に優れた木材被覆複合体を得ることができることを見いだし、また、木材被覆複合体製造時の作業環境も良好なものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体であって、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有し、不飽和ポリエステル中の水酸基当量とイソシアネート成分中のイソシアナト基当量との比が1:0.7〜1.2であり、上記不飽和ポリエステルは、全酸成分100モル%に対して不飽和二塩基酸を50モル%以上含み、酸成分とグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とのモル比が1:1.3〜2.0である木材被覆複合体である。
本発明はまた、不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体の製造方法であって、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有してなり、上記製造方法は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を、金型温度80〜160℃・圧力5〜100kg/cmにて硬化させる工程と、加圧状態を保持した状態で上記金型温度を30℃以上冷却する工程と、上記金型より脱型させる工程とを含んでなる木材被覆複合体の製造方法(以下、「製造方法(1)」ともいう。)でもある。
本発明は更に、不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体の製造方法であって、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有してなり、上記製造方法は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を、金型温度80℃未満・圧力5〜100kg/cmにて金型に附形させる予備プレス工程と、加圧状態を保持した状態で上記金型温度を20℃以上上げ80〜160℃に加温して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させる工程と、上記金型より脱型させる工程とを含んでなる木材被覆複合体の製造方法(以下、「製造方法(2)」ともいう。)でもある。
本発明はそして、不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体の製造方法であって、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有してなり、上記製造方法は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を、金型温度80℃未満・圧力5〜100kg/cmにて金型に附形させる予備プレス工程と、加圧状態を保持した状態で上記金型温度を20℃以上上げ80〜160℃に加温して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させる工程と、加圧状態を保持した状態で上記金型温度を30℃以上冷却する工程と、上記金型より脱型させる工程とを含んでなる木材被覆複合体の製造方法(以下、「製造方法(3)」ともいう。)でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明の木材被覆複合体及び本発明の製造方法(1)〜(3)で得られる木材被覆複合体は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られるものであるが、本発明において「熱圧プレスにより成形する」とは、圧縮成形又は射出成形することを意味する。このような木材被覆複合体としては、化粧単板からなる層と、不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる樹脂層とを少なくとも有するものであり、例えば、化粧単板からなる層の下層に、更に、基材からなる層を有していてもよい。
上記木材被覆複合体としては、例えば、フィルム、シートを含むプラスチック成型品、家電製品、鋼製品、大型構造物、自動車、船舶、建築、建材、表示物、機械、器具、産業機器、ガラス製品、各種工業製品、家具、楽器等の様々な分野で使用することができる。中でも、自動車の内装部品に用いることが特に好ましく、このような自動車内装部品用木材被覆複合体もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記基材としては、用途等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、ガラス、スレート、コンクリート、モルタル、セラミック、石材等の無機質基材;アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ステンレス、ブリキ、トタン等からなる金属板、表面に亜鉛、銅、クロム等をメッキした金属、表面をクロム酸、リン酸等で処理した金属等の金属基材;ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、FRP(織維強化プラスチック)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、等のプラスチック基材;合成皮革;ヒノキ、スギ、マツ、合板等の木材;繊維、紙等の有機素材等が挙げられる。
上記基材上に化粧単板を載置する場合、接着剤を使用してもよく、使用しなくてもよいが、接着剤としては、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂やウレタン系樹脂を主成分とするものが好適である。また、エラストマー系接着剤も好適である。
なお、このような接着剤による載置方法の他、インサート成形法により載置することも可能である。具体的には、例えば、化粧単板を射出成形金型内に配置し、上述したABS等の合成樹脂を射出してインサート成形することにより、プラスチック基材上に化粧単板を載置することができる。
上記化粧単板としては特に限定されず、例えば、チーク、ローズウッド、ウオールナット、くす、バーズアイメープル等の天然銘木の板目又は柾目及び杢の薄板を用いることができ、染色又は塗装等によって調色処理されていてもよく、通常用いられるプライマーや、下塗り、中塗り、メタリックベース等の上塗り等塗装用塗料が塗装されていてもよい。また、これらの化粧単板に、金属薄板、紙、不織布、布、樹脂シート、単板等の補強裏打ち材を用いてもよく、この場合には、熱圧プレス成形を行う際に化粧単板のワレを防止でき、より高品質の複合体を得ることが可能となる。接着剤としては、エラストマー系接着剤が好適である。
上記化粧単板からなる層の厚みとしては特に限定されず、用途等に応じて適宜設定することが好ましいが、例えば、0.1〜2.0mmであることが好適である。0.1mm未満であると、充分な強度を有することができないおそれがあり、2.0mmを超えると、形状追従性が充分とはならないおそれがある。より好ましくは、0.15〜0.8mmであり、更に好ましくは、0.2〜0.5mmである。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物としては、不飽和ポリエステル樹脂と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有してなるものである。なお、不飽和ポリエステル及び重合性単量体を合わせて不飽和ポリエステル樹脂という。
上記不飽和ポリエステル樹脂において、不飽和ポリエステルは、多塩基酸成分(酸成分)と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とを縮合反応して得られるものであるが、これらのモル比(酸成分:グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分)としては、1:1.3〜2.0であることが好適である。酸成分1に対してグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分が1.3未満であると、ジイソシアネートの添加量が少なくなり、充分な増粘物が得られなくなるとともに硬化物の耐衝撃性が低下するおそれがあり、また、2.0を超えると、過剰のグリコール成分が硬化物の物性に悪影響を及ぼすとともに、増粘が進みすぎて増粘物が硬くなり、熱圧プレス時に均一な塗膜状に広がらないおそれがある。より好ましくは、1:1.5〜2.0であり、更に好ましくは、1:1.7〜2.0である。
上記不飽和ポリエステルにおいて、酸成分としては、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に含まれる水酸基及び/又はエポキシ基と反応してエステル結合を生成することができる置換基を2つ以上有する化合物であればよく、不飽和多塩基酸を必須とし、その一部を飽和多塩基酸に置き換えて使用してもよい。
上記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β―不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ―不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を使用することができる。
なお、上記不飽和ポリエステルにおいては、全酸成分100モル%に対して、不飽和二塩基酸を50モル%以上含むことが好適である。50モル%未満であると、耐熱強度が不足し、熱圧プレス時にクラックが入ったり、金型からの脱型時に塗膜が化粧単板から剥がれたりするおそれがあり、硬化物の耐薬品性、靱性等の物性が充分なものとならないおそれがある。より好ましくは、60モル%以上であり、更に好ましくは、70モル%以上である。
上記飽和多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環式飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2−ジエチルブタン−1,3−ジオール、4,5−ノナンジオール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記エポキシ化合物成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、3,4−エポキシ−1−ブテン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和ポリエステルの原料の一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有する化合物に置き換えて製造してもよく、この場合には、いわゆる空気硬化型ポリエステルとすることができる。具体的には、少なくとも上述した多塩基酸成分の全量又は一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有する不飽和多塩基酸に置き換えるか、上述した通常のグリコール成分及び/若しくはエポキシ化合物成分の全量又は一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に置き換えればよい。
上記不飽和結合を有する不飽和多塩基酸成分としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、α−テルピネン−無水マレイン酸付加物、ジシクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、ロジン、エステルガム、乾性油脂肪酸、半乾性油、脂肪酸等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分としては、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタンモノアリルエーテル、トリメチロールエタンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和ポリエステル樹脂において、重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、パラメチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の1官能アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等の分子内に環状構造を有する1官能(メタ)アクリレート;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等を用いることができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレンを用いることが好ましい。
上記不飽和ポリエステル樹脂において、不飽和ポリエステル及び重合性単量体の質量比としては、不飽和ポリエステル樹脂を100質量%とすると、不飽和ポリエステルが80〜40質量%、重合性単量体が20〜60質量%であることが好適である。不飽和ポリエステルが40質量%を下回ると、充分な増粘物を得ることが困難となり、硬化物の耐薬品性、靱性等の物性が充分なものとならないおそれがある。不飽和ポリエステルが80質量%を超えると、増粘剤との混合が困難になり、均一な増粘物が得られないおそれがある。より好ましい範囲は、不飽和ポリエステルが80〜50質量%、重合性単量体が20〜50質量%である。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物において、イソシアネート成分としては、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするものであればよく、その他のイソシアネートを含んでいてもよい。このように脂肪族系ジイソシアネートを必須とすることにより、樹脂を充分に増粘することができる一方で、樹脂が固くなりすぎず、熱圧プレス工程に好適なものとすることができる。
上記脂肪族系ジイソシアネートの含有割合としては、イソシアネート成分の総量100質量%に対して、脂肪族系ジイソシアネートが50質量%以上であることが好適であり、これにより、上述した脂肪族系ジイソシアネートの作用効果をより充分に発揮することが可能となる。より好ましくは、80質量%以上である。
上記脂肪族系ジイソシアネートとしては、例えば、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H12MDI(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)、H6XDI(1,3−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン)、CHDI(シクロヘキサンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、DDI(ダイマー酸ジイソシアネート)、NBDI(ノルボルネン・ジイソシアネート)等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記イソシアネート成分に含有してもよいその他のイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、MDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)、TDI(トリレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、NDI(ナフチレン1,5−ジイソシアネート)、TMXDI(テトラメチレンキシリレンジイソシアネート)等が挙げられ、る。その他、上記イソシアネートとポリオールとの付加反応物、及び、ジイソシアネートとビュレット又はイソシアヌレート環構造を有する三量体化合物、多量体化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、これらの芳香族環イソシアネートは着色のおそれがあるため、全イソシアネート量の10質量%以下であることが望ましい。
上記イソシアネート成分の含有比率としては、不飽和ポリエステル中の水酸基当量とイソシアネート成分中のイソシアナト基当量との比が1:0.7〜1.2となるように設定することが好適である。水酸基当量1に対してイソシアナト基当量が0.7未満であると、充分な増粘性が得られないおそれがあり、1.2を超えると、均一な増粘物が得られないおそれがあり、増粘後にもイソシアネート基が残存するため、増粘物の取り扱い時に作業者が被れるおそれがある。より好ましくは、1:0.8〜1.0であり、更に好ましくは、1:0.8〜0.95である。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物としては、上述した不飽和ポリエステル、重合性単量体並びにイソシアネート成分の他、硬化剤や、必要に応じ、促進助剤、空気乾燥性付与剤、充填剤、重合禁止剤、消泡剤、内部離型剤、上記イソシアネート成分以外の増粘剤、増粘助剤、無機骨材、低収縮化剤、着色剤、柄剤、不活性粉体、紫外線吸収剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤等の添加剤(材)を含むことができる。
上記硬化剤としては、例えば、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジエチルケトンパーオキサイド、メチルプロピルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、エチルアセトアセテートパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、キュメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルイソプロピルパーオキシカーボネート、1,1−ジブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、アミルパーオキシ−p−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−へキシルパーオキシベンゾエート等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物には必要に応じて増粘触媒を適宜配合してもよい。増粘触媒としては、有機金属化合物が挙げられ、特に有機錫化合物、有機チタン化合物が好ましい。有機錫化合物、有機チタン化合物としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、ジブチルチンジアセテート、テトライソプロピルチタネート等が挙げられる。
上記硬化剤の含有量としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、下限が0.1重量部、上限が5重量部であることが好適である。0.1重量部未満であると、樹脂を充分に硬化させることができないおそれがあり、5重量部を超えても、用いる量に比べて、硬化剤としての作用効果が充分に発揮されないおそれがある。より好ましい下限は0.3重量部、上限は4重量部であり、更に好ましい下限は0.5重量部、上限は3重量部である。
上記促進助剤としては、通常使用されるものを用いることができ、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、N−ピロジニノアセトアセタミド、N,Nジメチルアセトアセタミド等のβ−ジケトン類;ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ(ヒドロキシ)−4−メチルアニリン等のアミン類等のβ−ケトエステル、β−ケトアミド類等の1種又は2種以上を使用することができる。使用量としては特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、下限が0.01重量部、上限が1重量部であることが好適である。より好ましくは、下限が0.03重量部、上限が0.5重量部である。
上記空気乾燥性付与剤とは、樹脂が硬化する際に樹脂組成物から形成される被膜や成形物の表面に析出し、空気との遮断層を該表面に形成することにより、空気中の酸素が樹脂のラジカル重合を阻害することを防止して樹脂の乾燥性を向上させる作用を有するものである。このような空気乾燥性付与剤としては、例えば、以下の(1)〜(3)に記載するワックス類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、下記ワックス類に、他の成分を含んでもよい。
(1)天然ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油等の植物系ワックス;密蝋、ラノリン、鯨蝋等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス等が挙げられる。
(2)合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類等が挙げられる。
(3)その他のものとしては、例えば、天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックス等が挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックスを用いることが好ましい。
上記空気乾燥性付与剤の使用量は特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、下限が0.001重量部(10ppm)、上限が1重量部とすることが好ましい。より好ましくは、下限が0.01重量部、上限が0.3重量部である。
上記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム(ATH)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の有機充填剤等が挙げられ、塗膜の透明感を失わない範囲で添加してもよい。
上記重合禁止剤は、可使時間、硬化反応の立ち上がりを調整するために用いられ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン類;t−ブチルカテコール等のカテコール類;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノール等のフェノール類;フェノチアジン、ナフテン酸銅等が好適である。
上記消泡剤としては、シリコン系等の他、市販の高分子系消飽剤その他添加剤を用いることができる。
上記内部離型剤としては、例えば、ジメチルシロキサン構造を持ったジメチルポリシロキサン等のシリコン系内部離型剤等があり、塗膜の透明感を失わない範囲で添加してもよい。
上記イソシアネート成分以外の増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化物等が好適であり、塗膜の透明感を失わない範囲で添加してもよい。
上記増粘助剤としては、例えば、水、アルコール、微粉シリカ等が好適である。
上記無機骨材としては、珪砂、シリカ、クレー、ベントナイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム等の無機粉体等が好適である。不活性粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂硬化物、ゴム、木材等の粉体及び/又は粉砕物等が好適である。
上記低収縮化剤は、成形収縮を調整するために用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、架橋ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル−ポリスチレンブロックコポリマー、アクリル/スチレン等の多相構造ポリマー、架橋/非架橋等の多相構造ポリマー、SBS(ゴム)等が挙げられ、塗膜の透明感を失わない範囲で添加してもよい。
上記着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等の公知の顔料が挙げられ、塗膜の透明感を失わない範囲で添加してもよい。
上記柄剤としては、例えば、酸化アルミニウム、PETフィルム、マイカ、セラミック及びそれらを着色剤、表面処理剤等でコーティングしたもの、メッキ処理したもの、熱硬化性樹脂と無機フィラーと着色剤等とを熱硬化させて粉砕したもの等が挙げられる。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物から構成される層の厚みとしては特に限定されず、用途や化粧単板の厚み等によって適宜設定すればよいが、木目の美麗感、深み感、高強度で耐久性のある複合体を得るためには、200〜1500μmとすることが好適であり、より好ましくは、300〜1200μmである。
本発明の木材被覆複合体としては、上述したように、不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形することにより得ることができるが、例えば、後述する本発明の製造方法によって製造してもよく、このような形態もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の製造方法においては、まず、不飽和ポリエステル樹脂組成物の調整を行うこととなる。調整方法としては、上述した不飽和ポリエステル樹脂及びイソシアネート成分の他、硬化剤や必要に応じて添加される各種添加剤等を添加混合すればよく、その混合方法等は特に限定されるものではないが、これらの原料を添加混合後、熱圧プレスする前に、該不飽和ポリエステル樹脂組成物を、20〜50℃下において5〜100時間放置することが好適である。20℃よりも低いと充分に増粘しないおそれがあり、50℃を超えると硬化剤の分解が進み硬化してしまうおそれがある。より好ましくは、温度は30〜40℃であり、また、放置時間は20〜80時間である。
上記製造方法においては、次に、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置することとなるが、載置方法としては特に限定されるものではない。例えば、化粧単板(又は、基材及び化粧単板)上にゲル状に増粘した不飽和ポリエステル樹脂組成物を載置し、これを熱圧プレス工程に使用される金型に載置することが好適である。なお、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を載置した後に行う熱圧プレス工程は、上述したように圧縮成形又は射出成形することを意味するが、射出成形する場合には、射出成形金型に化粧単板を配置した後、上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を加圧注入することが好ましい。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物の使用量としては、該樹脂組成物からなる層の厚みや、ハンドリング性等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
上記金型としては、通常使用されるものを用いることができ、その大きさ等も複合体の用途等に応じて適宜選択すればよい。
上記製造方法においては、その後、熱圧プレス工程を行うこととなるが、金型内の積層物を熱圧プレスするのに先立ち、金型内部を一旦減圧してもよく、この場合には、塗膜や化粧単板等に残存する気泡が充分に脱気され、白濁や気泡の発生がより充分に抑制された木材被覆複合体を得ることが可能となる。
上記熱圧プレス工程における金型温度としては、使用する基材の耐熱温度や、樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよく、例えば、80℃〜160℃であることが好適である。160℃を超えると、樹脂組成物がプレス中に液状化し塗膜表面に気泡が残存するおそれがあり、また、化粧単板や塗膜が変色するおそれがある。80℃未満であると、硬化させるために長時間を要し、生産サイクル上問題となるおそれがあり、また、充分に硬化せず塗膜物性が低下するおそれがある。より好ましくは90℃〜140℃であり、更に好ましくは100℃〜130℃である。
一方、上述したように、上記ジイソシアネートにより増粘された樹脂組成物は、加熱すると粘度が下がり、加熱温度が高いと液状化する。したがって、上記熱圧プレス工程においては、金型温度を高くすることなく、プレス時間を長めに設定することがより好適である。これにより、プレス時に気泡を巻き込むことに起因して硬化塗膜表面に気泡が残存するおそれが充分に低減され、また、充分な塗膜厚を確保することが可能となる。
工業製品の生産サイクル上、より好適な手法とするためには、低温で予備プレス工程を行い、その後加圧状態を保持した状態で加温する熱圧プレス工程を行うことが好適である。これにより、気泡の発生を更に充分に抑制するとともに、充分な塗膜厚を有する木材複合体をより短時間で成形することが可能となり、木材複合体の生産性を更に向上することができる。
予備プレスの金型温度としては、80℃未満が好適であり、より好ましくは70℃未満であり、更に好ましくは60℃未満である。また、40℃以上であることが好ましい。
熱圧プレス時の金型温度は、上述のように80℃〜160℃とすることが好適であり、より好ましくは90℃〜140℃であり、更に好ましくは100℃〜130℃である。また、予備プレスの金型温度より20℃以上上げることが好ましく、30℃以上上げることがより好ましい。
上記熱圧プレス工程において、加温に要する時間としては特に限定されないが、例えば、10分以下とすることが好適である。工業製品の生産サイクル上、より好ましくは5分以下である。また、30秒以上とすることが好適であり、より好ましくは1分以上である。
上記予備プレス工程及び熱圧プレス工程において、加圧圧力としては、5〜100kg/cmであることが好適である。100kg/cmを超えると、クラック、変形等の要因となるおそれがあるとともに、樹脂組成物が金型の隙間から漏れ出して塗膜厚を充分に確保できないおそれがある。5kg/cm未満であると、化粧単板上に樹脂組成物がより均一に広がらないおそれがあり、塗膜表面に気泡が生じたりするおそれがある。上限値は80kg/cmであることがより好ましく、更に好ましくは、60kg/cmである。また、下限値は10kg/cmであることがより好ましい。このように、加圧圧力を5〜100kg/cmと設定することにより、軽微な研磨工程を施すだけで、平滑且つ均一な塗面を得ることができ、木材被覆複合体の生産性を向上することが可能となる。なお、これは、ジイソシアネートにより増粘された樹脂組成物が、直鎖状に分子が伸びた構造となっているため、加熱時に液状となり、天然物である化粧単板の木目や導管部の穴の隅々まで浸透するとともに、プレス時に発生する応力を緩和することに起因するものと考えられる。
上記製造方法においてはまた、熱圧プレス工程後、加圧状態を保持した状態で冷却することが好適であり、冷却後に金型から脱型させることが好ましい。これにより、複数回、長時間に亘る研磨作業を施さなくても、より平滑かつ均一な塗面を得ることができ、木材被覆複合体の生産性を更に向上することが可能となる。なお、これは、塗膜冷却時に加圧状態を保持することにより、熱圧プレス工程で硬化した部分について起こり得る熱収縮が充分に抑制されることに起因するものと考えられる。すなわち、本発明で用いられる化粧単板は天然物であり、木目や導管部の穴があるため、熱圧プレスから取り出した後の塗膜の熱収縮により、表面がオレンジピール状になる場合があるが、上述したように加圧状態を保持した状態で冷却し、脱型させる工程を経ることにより、このような現象が充分に解消され、より良好な表面外観を得ることが可能となる。また、このような工程により、従来のスプレー法で必須とされるスプレー塗布・硬化工程のみならず、研磨工程までの工程を短縮でき、材料ロスをより充分に低減することが可能となる。
上記冷却工程においては、上述した熱圧プレス時よりも金型温度を30℃以上冷却することが好適である。これにより、脱型後に樹脂塗膜が収縮する可能性がより充分に低減され、より高外観を呈することが可能となる。より好ましくは、上記プレス時の温度より40℃以上冷却することであり、更に好ましくは、50℃以上である。
上記冷却工程において、冷却方法としては特に限定されないが、例えば、加圧状態を保持した状態で、そのまま放置したり、流水を用いて冷却したりすることが可能である。また、上記冷却に要する時間としては、冷却前後の温度差に応じて適宜設定すればよい。
上記製造方法においては更に、脱型後の木材被覆複合体について表面研磨作業を施してもよい。本発明においては、特に表面研磨を施さなくても、透明性や平滑性、光沢性、均一性、深み感等の表面特性に優れた木材被覆複合体を得ることができるが、表面を研磨することにより、より優れた表面特性を表出することが可能となる。
本発明の木材被覆複合体は、上述のような構成であるので、透明性、平滑性、光沢性、均一性、深み感等の表面特性を有し、高外観を呈するものであり、特に自動車の内装部品等に好適に適用できるものである。また、本発明の木材被覆複合体の製造方法により、このような高品質かつ高外観の木材被覆複合体を効率的かつ簡便に製造することができ、しかも作業環境を良好なものとすることが可能となる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「重量部」を意味するものとする。
以下の製造例等において、重量平均分子量は、上述したGPC測定条件により測定した。また、酸価は、JIS K0070−1992に従い、水酸基価はJIS K6901−1999に準拠して求めた。
製造例A(不飽和ポリエステル樹脂A)
温度計、攪拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器にフマル酸1160g、ネオペンチルグリコール1040g、ビスフェノールA 2EO付加物2844gを仕込んで反応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、200℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きながら、所定の方法により測定した酸価が0.5mgKOH/g以下となるまで、9時間エステル化反応を行った。その後、上記反応器内の反応溶液を50℃まで冷却して反応を終了させ、反応生成物とし不飽和ポリエステルを得た。次いで、この不飽和ポリエステルに重合禁止剤としてのハイドロキノン0.5gとラジカル重合性単量体としてのスチレン1561gを投入し、混合することにより、水酸基価163mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂Aを得た。
製造例B(不飽和ポリエステル樹脂B)
温度計、攪拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器にフマル酸1160g、ネオペンチルグリコール624g、ビスフェノールA 2EO付加物2844gを仕込んで反応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、200℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きながら、所定の方法により測定した酸価が0.5mgKOH/g以下となるまで、15時間エステル化反応を行った。その後、上記反応器内の反応溶液を50℃まで冷却して反応を終了させ、反応生成物とし不飽和ポリエステルを得た。次いで、この不飽和ポリエステルに重合禁止剤としてのハイドロキノン0.4gとラジカル重合性単量体としてのスチレン1388gを投入し、混合することにより、水酸基価100mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂Bを得た。
製造例C(不飽和ポリエステル樹脂C)
温度計、攪拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器にフマル酸1160g、ネオペンチルグリコール624g、ビスフェノールA 2EO付加物1896gを仕込んで反応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、200℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きながら、所定の方法により測定した酸価が0.5mgKOH/g以下となるまで、20時間エステル化反応を行った。その後、上記反応器内の反応溶液を50℃まで冷却して反応を終了させ、反応生成物とし不飽和ポリエステルを得た。次いで、この不飽和ポリエステルに重合禁止剤としてのハイドロキノン0.3gとラジカル重合性単量体としてのスチレン1107gを投入し、混合することにより、水酸基価52mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。
製造例D(不飽和ポリエステル樹脂D)
温度計、攪拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器にフマル酸1160g、ネオペンチルグリコール1144g、ビスフェノールA 2EO付加物3476gを仕込んで反応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、200℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きながら、所定の方法により測定した酸価が0.5mgKOH/g以下となるまで、7時間エステル化反応を行った。その後、上記反応器内の反応溶液を50℃まで冷却して反応を終了させ、反応生成物とし不飽和ポリエステルを得た。次いで、この不飽和ポリエステルに重合禁止剤としてのハイドロキノン0.5gとラジカル重合性単量体としてのスチレン1772gを投入し、混合することにより、水酸基価188mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂Dを得た。
製造例E(不飽和ポリエステル樹脂E)
温度計、攪拌機、ガス導入管及び、冷却管を備えた反応器にフマル酸464g、イソフタル酸996g、ネオペンチルグリコール1040g、ビスフェノールA 2EO付加物2844gを仕込んで反応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、200℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きながら、所定の方法により測定した酸価が0.5mgKOH/g以下となるまで、20時間エステル化反応を行った。その後、上記反応器内の反応溶液を50℃まで冷却して反応を終了させ、反応生成物とし不飽和ポリエステルを得た。次いで、この不飽和ポリエステルに重合禁止剤としてのハイドロキノン0.5gとラジカル重合性単量体としてのスチレン1661gを投入し、混合することにより、水酸基価155mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂Eを得た。
実施例1
製造例Aで得た不飽和ポリエステル樹脂A100部に対し、硬化剤(商品名「パーヘキサTMH、日本油脂社製」1部、増粘剤としてIPDI(イソホロンジイソシアネート)、及び、触媒としてジブチルラウレート0.001部を添加混合した後、40℃エアーオーブン中にて24時間放置して増粘させ、樹脂増粘物を得た。IPDIの添加量、及び、IPDI中のイソシアネート当量比(イソシアナト基当量比;不飽和ポリエステル中の水酸基当量を1としたときのイソシアナト基の当量)を表1に示す。
直径188mmの丸形盆状金型の金型上に、化粧単板付き合板(直径184mm)を置き、その上に、上記樹脂増粘物130gをチャージし、金型温度100℃、プレス圧20kg/cmにて20分間熱圧プレスした後、脱型した。このようにして得られた木材被覆複合体について、塗膜厚みを測定した。また、以下の評価方法に従って、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を評価した。結果を表1に示す。
(塗膜の残存気泡)
上記木材被覆複合体を10枚成形し、その10枚中の塗膜に気泡が残存していた枚数として評価した。
(塗膜外観)
塗膜が均一に透明で、表面が平滑であるかどうかを目視にて確認し、下記基準に従って評価した。
〇:軽微な研磨のみで均一かつ鏡面となる状態。
◎:鏡面状態でオレンジピール無し。研磨の必要無し。
実施例2、比較例1〜5
不飽和ポリエステル樹脂及びIPDIの添加量を表1のようにした他は、実施例1と同様にして木材被覆複合体を得た。得られた木材被覆複合体の塗膜厚み、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004917774
上記表1において、「不飽和二塩基酸成分(モル%)」とは、全酸成分100モル%に対する不飽和二塩基酸成分量(モル%)である。
実施例3
実施例1と同様にして樹脂増粘物を得た後、直径188mmの丸形盆状金型の金型上に、化粧単板付き合板(直径184mm)を置き、その上に、樹脂増粘物130gをチャージし、金型温度130℃、プレス圧30kg/cmにて3分間熱圧プレスした後、脱型した。なお、熱圧プレス時の金型温度、プレス圧力(一定の圧力とした。)、及び、脱型時の金型温度を表2に示す。
得られた木材被覆複合体について、実施例1と同様に、塗膜厚み、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例4
実施例1と同様にして樹脂増粘物を得た後、直径188mmの丸形盆状金型の金型上に、化粧単板付き合板(直径184mm)を置き、その上に、樹脂増粘物130gをチャージし、金型温度130℃、プレス圧30kg/cmにて3分間熱圧プレスした後、プレス圧を保持したまま、毎分20℃の速度で冷却し、脱型した。なお、熱圧プレス時の金型温度、プレス圧力(一定の圧力とした。)、及び、脱型時の金型温度を表2に示す。
得られた木材被覆複合体について、実施例1と同様に、塗膜厚み、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例5
実施例1と同様にして樹脂増粘物を得た後、直径188mmの丸形盆状金型の金型上に、化粧単板付き合板(直径184mm)を置き、その上に、樹脂増粘物130gをチャージした。その後、加圧を始め、金型温度を予備プレス温度にて1分間温度を保持した後、毎分約20℃の速度で、熱圧プレス温度まで加温した。熱圧プレス温度に達した後、その状態を3分間保持し、脱型した。なお、予備プレス時の金型温度、熱圧プレス時の金型温度、プレス圧力(予備プレスから熱圧プレスにかけて一定の圧力とした。)、及び、脱型時の金型温度を表2に示す。
得られた木材被覆複合体について、実施例1と同様に、塗膜厚み、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例6
実施例1と同様にして樹脂増粘物を得た後、直径188mmの丸形盆状金型の金型上に、化粧単板付き合板(直径184mm)を置き、その上に、樹脂増粘物130gをチャージした。その後、加圧を始め、金型温度を予備プレス温度にて1分間温度を保持した後、毎分約20℃の速度で、熱圧プレス温度まで加温した。熱圧プレス温度に達した後、その状態を3分間保持した。その後、プレス圧を保持したまま、毎分20℃の速度で冷却し、脱型した。なお、予備プレス時の金型温度、熱圧プレス時の金型温度、プレス圧力(予備プレスから熱圧プレスにかけて一定の圧力とした。)、及び、脱型時の金型温度を表2に示す。
得られた木材被覆複合体について、実施例1と同様に、塗膜厚み、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を評価した。結果を表2に示す。
実施例7
実施例1と同様にして樹脂増粘物を得た後、直径188mmの丸形盆状金型の金型上に、化粧単板付き合板(直径184mm)を置き、その上に、樹脂増粘物130gをチャージした。その後、加圧を始め、金型温度を予備プレス温度にて1分間温度を保持した後、毎分約20℃の速度で、熱圧プレス温度まで加温した。熱圧プレス温度に達した後、その状態を20分間保持した。その後、プレス圧を保持したまま、毎分20℃の速度で冷却し、脱型した。なお、予備プレス時の金型温度、熱圧プレス時の金型温度、プレス圧力(予備プレスから熱圧プレスにかけて一定の圧力とした。)、及び、脱型時の金型温度を表2に示す。
得られた木材被覆複合体について、実施例1と同様に、塗膜厚み、塗膜の残存気泡及び塗膜外観を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004917774
上記表2において、「不飽和二塩基酸成分(モル%)」とは、表1と同様であり、「熱圧プレス時間」とは、金型温度が熱圧プレス温度に達したあとの保持時間を意味する。また、「本発明の製法の形態」とは、表2に記載の実施例が上述した本発明の製造方法(1)〜(3)のいずれの形態であるかを示したものである。
実施例8、9
実施例7、6で得た各木材被覆複合体(実施例7の成形品を用いた例:実施例8、実施例6の成形品を用いた例:実施例9)について、下記試験方法に従って耐衝撃性を評価した。結果を表3に示す。
(耐衝撃性試験)
JIS K5600−5−3:1999に記載のデュポン式試験方法に準拠して測定した。なお、おもり重量及び高さは以下のように設定した。
おもり重量:500g
高さ:30cm
比較例6
製造例Aで得た不飽和ポリエステル樹脂A100部に対し、微粉シリカ(商品名「アエロジール♯200」、日本アエロジール社製)2.5部、スチレン20部、及び、140Fノルマルパラフィン0.1部をホモミキサーにて混合し、スプレー用塗料とした。これに、オクテン酸コバルト0.5%及びカヤメックM(商品名、化薬アクゾ社製)1.0%を混合し、カップガンにて、化粧単板付き合板に塗膜厚みが1000μになるようにスプレー塗布した。室温にて5時間放置後、60℃にて4時間アフターキュアを行った。その後、♯400、♯800サンドペーパーにて研磨後、コンパウンドで研磨して木材複合体を得た。
得られた木材被覆複合体について、上記試験方法に従って耐衝撃性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004917774

Claims (6)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体であって、
    該不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有し、不飽和ポリエステル中の水酸基当量とイソシアネート成分中のイソシアナト基当量との比が1:0.7〜1.2であり、
    該不飽和ポリエステルは、全酸成分100モル%に対して不飽和二塩基酸を50モル%以上含み、酸成分とグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とのモル比が1:1.3〜2.0であることを特徴とする木材被覆複合体。
  2. 前記不飽和ポリエステルは、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を必須とすることを特徴とする請求項1に記載の木材被覆複合体。
  3. 不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体の製造方法であって、
    製造方法は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を、金型温度80〜160℃・圧力5〜100kg/cmにて硬化させる工程と、加圧状態を保持した状態で該金型温度を40℃以上冷却する工程と、該金型より脱型させる工程とを含んでなり、
    該不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有し、不飽和ポリエステル中の水酸基当量とイソシアネート成分中のイソシアナト基当量との比が1:0.7〜1.2であり、
    該不飽和ポリエステルは、全酸成分100モル%に対して不飽和二塩基酸を50モル%以上含み、酸成分とグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とのモル比が1:1.3〜2.0であることを特徴とする木材被覆複合体の製造方法。
  4. 不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体の製造方法であって、
    製造方法は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を、金型温度80℃未満・圧力5〜100kg/cmにて金型に附形させる予備プレス工程と、加圧状態を保持した状態で該金型温度を20℃以上上げ80〜160℃に加温して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させる工程と、該金型より脱型させる工程とを含んでなり、
    該不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有し、不飽和ポリエステル中の水酸基当量とイソシアネート成分中のイソシアナト基当量との比が1:0.7〜1.2であり、
    該不飽和ポリエステルは、全酸成分100モル%に対して不飽和二塩基酸を50モル%以上含み、酸成分とグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とのモル比が1:1.3〜2.0であることを特徴とする木材被覆複合体の製造方法。
  5. 不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧単板上に載置し、熱圧プレスにより成形して得られる木材被覆複合体の製造方法であって、
    製造方法は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を、金型温度80℃未満・圧力5〜100kg/cmにて金型に附形させる予備プレス工程と、加圧状態を保持した状態で該金型温度を20℃以上上げ80〜160℃に加温して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させる工程と、加圧状態を保持した状態で該金型温度を40℃以上冷却する工程と、該金型より脱型させる工程とを含んでなり、
    該不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、脂肪族系ジイソシアネートを必須とするイソシアネート成分とを含有し、不飽和ポリエステル中の水酸基当量とイソシアネート成分中のイソシアナト基当量との比が1:0.7〜1.2であり、
    該不飽和ポリエステルは、全酸成分100モル%に対して不飽和二塩基酸を50モル%以上含み、酸成分とグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とのモル比が1:1.3〜2.0であることを特徴とする木材被覆複合体の製造方法。
  6. 前記不飽和ポリエステルは、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を必須とすることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の木材被覆複合体の製造方法。
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