JP2018135479A - ラジカル硬化性樹脂組成物、保護層及び建築施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記分子量が150以上である化合物の少なくとも1種は、ジシクロペンテニル基含有(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)とビニルエステル(B)とラジカル重合性不飽和単量体(C)との含有割合(質量比)は、(A)/(B)/(C)=15〜35/15〜35/30〜70であることが好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物は、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン及び/又はイソホロンジイソシアネートであることが好ましい。
上記ラジカル硬化性樹脂組成物は、保護層に用いられることが好ましい。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、ビニルエステル(B)、及び、ラジカル重合性不飽和単量体(C)を含有する。必要に応じ、更に他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよく、各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。以下では、ウレタン(メタ)アクリレート(A)を「(A)成分」とも称す。他の成分も同様である。
本明細書中、粘度は、25℃における粘度を意味し、ブルックフィールド形粘度計(BROOK FIELD社製、品名:BROOK FIELD VISCOMETER、型番:LVDV−II+P)により測定することができる。
1)ウレタン(メタ)アクリレート(A)
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとの付加物(a1)と、水酸基含有(メタ)アクリロイル化合物(a2)との反応物である。なお、付加物(a1)と化合物(a2)との反応条件は特に限定されず、また各反応原料は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和多塩基酸としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β−不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル;等が挙げられる。
ジオール類としては例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロオクタン−1,4−ジオール、2,5−ノルボルナンジオール等の脂環族ジオール;p−キシレンジオール、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,5−ナフタレンジオール等の芳香族ジオール;等が挙げられる。
トリオール類としては、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオ−ル等が挙げられる。
本明細書中、数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
である。
ビニルエステル(B)としては、例えば、エポキシ化合物と一塩基酸との反応により得られる化合物が好適である。この反応で使用される各原料は、それぞれ1種又は2種以上使用してもよい。
脂肪族型エポキシ化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートの等グリシジル基含有(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、アリサイクリックジエポキシアセタール、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド等が挙げられる。これらの中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。また、ビスフェノールA等のフェノール化合物や、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、液状ニトリルゴム等の二塩基酸により変性したエポキシ化合物を使用することもできる。
二塩基酸及び二塩基酸無水物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、より好ましくは無水フタル酸である。
不飽和アルコールとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。グリコールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール等のジオール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール類が挙げられる。
不飽和アルコール又はグリコールとしては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましく、より好ましくはジエチレングリコールである。
エポキシ化合物とポリエステルとの反応に使用するエポキシ化合物としては、グリシジル基含有(メタ)アクリレートが好ましく、より好ましくはグリシジル(メタ)アクリレートである。
上記反応により得られるポリエステルエポキシ(メタ)アクリレートの数平均分子量は、1000未満であることが好ましい。
エステル化触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラフェニルホスフォニウムブロマイド、テトラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド等のホスフォニウム塩;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン類;テトラブチル尿素;トリフェニルスチビン等が挙げられる。
重合禁止剤としては特に限定されず、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン(トルハイドロキノン)、メトキシハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、カテコール、ナフテン酸銅、銅粉等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和単量体(C)は、分子量が150以上である化合物を2種以上含む。分子量が150以上であるラジカル重合性不飽和単量体を2種以上併用することによって、樹脂組成物の粘度が好適な範囲になるとともに、硬化物が空気乾燥性能に優れるものとなるため、作業性が向上する。更に、硬化物の柔軟性にも優れるものとなる。また、ビニルエステル(B)との相溶性が向上するため、硬化物の透明性も高められる。
本明細書中、ラジカル重合性不飽和単量体(C)の分子量は、原子量換算量(炭素原子の質量数を12.01とする)を意味する。
単官能化合物としては、ペンチルメタクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;アジピン酸ビニル等のビニルエステル;等が挙げられる。
ホモポリマーのTgは、例えば「FANCRYL Information」(第9.4版、日立化成株式会社 研究開発部、2016年9月)を参照することができる。
例えば、上記文献に記載の代表的な単量体のホモポリマーのTgは以下のとおりである。
ベンジルアクリレート:5℃
ベンジルメタクリレート:51℃
フェノキシエチルメタクリレート:36℃
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート:45℃
メチルメタクリレート:105℃
より好ましくは大気圧における沸点が110℃以上であり、更に好ましくは120℃以上である。
例えば、代表的な単量体の単量体の各圧力における沸点は以下のとおりである。
ベンジルアクリレート:210℃/101.3kPa
ベンジルメタクリレート:115℃/0.13kPa
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート:125℃/0.13kPa
メチルメタクリレート:100.5℃/101.3kPa
上記分子量が150以上である化合物の少なくとも1種、すなわちラジカル重合性不飽和単量体(C1)は、ジシクロペンテニル基含有(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。ジシクロペンテニル基は優れた空気乾燥性を発揮するため、このような化合物を含むことにより、樹脂組成物がより乾燥性に優れる。
上記樹脂組成物はまた、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。例えば、硬化促進剤、硬化助促進剤、空気遮断剤、揺変性付与剤、硬化剤、重合禁止剤、不活性粉体、充填剤、乾燥性向上剤、増粘剤、着色剤、BYK−R605(商品名、ビック・ケミー社製)等の揺変助剤、レベリング剤、脱泡剤等の添加剤(材)や骨材等の他、溶剤、希釈剤等が挙げられる。
アミン化合物としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のアニリン化合物;p−トルイジン、m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス( 2 -ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N ,N−ビス( 2 − ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、パラトルイジン2エチレンオキサイド付加物等のトルイジン化合物;4−(N ,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド等のアミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン等が挙げられる。これらの中でも、芳香族3級アミン化合物が好ましい。芳香族3級アミン化合物の中でも、3級アミノ基を有するアニリン化合物及びトルイジン化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。より好ましくは3級アミノ基を有するアニリン化合物であり、更に好ましくはN,N−ジメチルアニリンである。
上記合成ワックスとしては、例えばフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類;等が挙げられる。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物は、乾燥性とともに、硬化物の柔軟性、耐候性、耐水性にも優れる。それゆえ、各種用途に好適に用いることができる。中でも特に、積層体の塗膜を形成するための材料として有用である。
本発明の保護層は、上述した本発明の樹脂組成物を含む。必要に応じ、更に他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよく、各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
保護層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、上記樹脂組成物に硬化剤を混合し、基材に塗布した後硬化させることにより被膜を成形する方法等が挙げられる。
上記基材は、上記樹脂組成物が塗装される前に、通常用いられるプライマーや、下塗り、中塗り、メタリックベース等の上塗り等塗装用塗料が塗装されていてもよい。
本発明はまた、上述した本発明の樹脂組成物を用いて保護層を形成する工程を含む建築施工方法でもある。保護層を形成する工程は特に制限されず、上述の保護層を形成する方法等により行うことができる。
上記強化繊維としては特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維;ポリビニルアルコール系、ポリエステル系、ポリアミド系(全芳香族系も含む)、フッ素樹脂系、フェノール系の各種有機繊維;等が挙げられる。中でも、機械的特性に優れる観点から、炭素繊維及び/又はガラス繊維が好ましく、軽量化等の観点から、炭素繊維がより好ましい。
製造例1
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、二塩基酸及び多価アルコールを表1に記載する配合量で仕込み、その全仕込み量に対して、エステル化触媒としてオクチル酸スズを0.05重量%添加し、220℃で10時間反応させ、ポリエステルポリオール1を得た。得られたポリエステルポリオール1の酸価は0.5mgKOH/g、水酸基価は224mgKOH/g、数平均分子量は500であった。なお、数平均分子量の測定方法を下記する。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、以下の条件の下、GPC測定により求めた。その際、市販の単分散標準ポリスチレン(PS)を用いて検量線を作成し、下記換算法に基づいて求めた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(東ソー社製)
溶剤:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折率計
カラム:TSKgelSuperH2000、TSKgelSuperH2500、TSKgelSuperH3000(いずれも東ソー社製)
分子量換算:PS換算/汎用較正法
原料の種類及び配合量並びに反応時間を表1に示す通りに変更した以外は製造例1と同様にして、ポリエステルポリオール2〜6を得た。
製造例7
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリイソシアネート及びポリオールとを表2に記載する配合量で仕込み、触媒としてオクチル酸スズを所定量の0.05重量%を添加し、窒素雰囲気下80℃で3時間反応させた。NCO%が10.6となり60℃まで冷却し、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレートを表2に記載する配合量を加え、更に80℃にて3時間反応させた。NCO%が0.1%以下になったことを確認した後、全仕込み量に対して、重合禁止剤としてトルハイドロキノン0.05重量%添加し、ウレタンメタクリレートA−1を得た。
原料の種類及び配合量並びに反応時間を表2に示す通りに変更した以外は製造例1と同様にして、ウレタンメタクリレートA−2〜A−9を得た。
製造例16
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコにエポミック(登録商標)R140P(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三井化学製、エポキシ当量188)188部、メタクリル酸88部、ハイドロキノン0.05重量%、エステル化触媒としてトリエチルアミン0.3重量%を添加し、空気を吹き込みながら90℃で10時間反応させ酸価が5mgKOH/gになった時点で反応を終了しビニルエステルB−1を得た。製造に使用した原料の配合、酸価、数平均分子量を表3に示した。
無水フタル酸382部、ジエチレングリコール241部、温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに仕込み、エステル化触媒としてモノブチルチンオキサイドを0.05重量%添加し、205℃で5時間反応させた。その後110℃まで冷却しグリシジルメタクリレート110部、ハイドロキノン0.05重量%を投入し空気を吹き込みながら3時間反応させ、酸価が1.5mgKOH/gになった時点で終了しビニルエステルB−2を得た。製造に使用した原料の配合、酸価、数平均分子量を表3に示した。
実施例1〜13、比較例1〜8
表4又は5に記載の配合で、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、ビニルエステル(B)及びラジカル重合性不飽和単量体(C)を混合し、ラジカル硬化性樹脂組成物(樹脂組成物1〜13及び比較樹脂組成物1〜8)を得た。
得られた各樹脂組成物について、各種物性を評価した。
また、得られた樹脂組成物又は比較樹脂組成物100部に対し、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部、硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1.0部を添加、混合し、硬化時間を測定した(25℃)。結果を表4、5に示す。
1)引張試験
2枚の300mm×300mm×3mmのガラス板に離型剤を塗布し、該ガラス板の間に3mmのスペーサーを挟んで型枠とした。実施例及び比較例で得られたラジカル硬化性樹脂組成物100部に、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部及び硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1.0部を混合し、減圧脱泡した後、該型枠に流し込み、常温(25℃)で硬化させた。これを25℃で24時間、40℃で24時間養生硬化させ、注型板を得た。該注型板から2〜3mm厚の試験片を作成し、引張試験片とした。JIS−K−7161−2(2014年)の引張り試験法に準拠して、25℃における該試験片の強度及び伸び率を測定した。
強度について、30MPa以上を〇とし、30MPa未満を×とした。
伸び率について、3%以上を〇とし、3%未満を×とした。
引張試験の測定方法に示した注型板作成方法及び硬化条件に準じて得た300mm×300×2〜3mmの注型板から、切削加工により70mm×140mm×2〜3mmの試験片を得て、JIS−K7350−4(2008年)に準拠して、耐候性試験(時間:200時間)を行い、初期値と200時間後との色差(ΔE)を測定した。
初期値と200時間の耐候性試験後の色差(ΔE)が3未満を◎、3以上4未満を〇とし、4以上を×とした。
引張試験の測定方法に示した注型板作成方法及び硬化条件に準じて得た300mm×300×2〜3mmの注型板から、切削加工により50mm×50mm×2〜3mmの試験片を得て、耐水性試験(温度:99〜100℃、時間:2000時間)を行い、初期値と2000時間後との試験片の重量変化を測定した。
重量変化率を、下記式により求め、重量変化率が0以上を〇とし、0未満を×とした。
重量変化率=(試験後重量−初期重量)/初期重量×100
実施例及び比較例で得られたラジカル硬化性樹脂組成物100部に、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部及び硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1.0部を混合し、更に、イソドデカン90質量部に融点54℃のパラフィン135°F10質量部溶解した空気遮断剤溶液を、4質量部添加し、減圧脱泡した。その後にサグテスターにより離型紙に塗布し、膜厚100μmの塗膜を作成した。次いで23℃の雰囲気下で塗膜のタックがなくなるまでの時間を測定した。塗布後4時間以内、12時間以内、24時間以内にタックフリーに到達した場合をそれぞれ、◎、〇、△とし、24時間以内に到達しなかった場合を×とした。
低臭性の評価方法は、実施例等で得たラジカル硬化性樹脂組成物を10人が嗅ぎ、臭気を確認することにより行った。
10人の中で不快な印象を全ての人が感じなかった場合は〇とし、1人でも不快に感じた場合は×とした。
実施例及び比較例で得られたラジカル硬化性樹脂組成物100部に、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部及び硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1.0部を投入し、減圧脱泡した。その後にサグテスターにより離型紙に塗布し膜厚100μmの塗膜を作成した。次いで環境温度23℃の雰囲気下で塗膜のタックがなくなってから24時間放置し、硬化した塗膜を離型紙から剥がしとり、10mmφの円柱に巻き付け、塗膜のワレを確認した。試験サンプル数n=5で評価を行い、すべてのサンプルにワレがない場合を〇とし、1つでもワレがある場合を×とした。
500mm×500mmの大きさに調整した、JIS A5430規定の厚さ6mmのスレートボード平板を垂直に設置し、該合板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、実施例1で得たラジカル硬化性樹脂組成物100部、又は、表6に記載の配合でディスパーにて攪拌混合することにより調製した揺変化樹脂組成物100部に硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加し調製したものを、刷毛塗りにて0.2kg/m2施工した。
施工完了後、経時で樹脂タレを観測した。施工完了後4時間経過したときの樹脂タレが施工端面から10mm未満の場合を○とした。樹脂タレが施工端面から10mm以上発生した場合を×とした。
また、作業性について、以下のように評価した。
刷毛塗りにて施工した場合に、刷毛跡がない場合を〇とし、樹脂の粘度が高くなり刷毛跡が残った場合を×とした。
更に、施工完了後の臭気について、上述の低臭性評価と同様の方法により評価を行った。
結果を表7に示す。
(1)中塗り層樹脂及びトップコート層樹脂の製造
合成例1(ポリエステル(メタ)アクリレート)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、無水フタル酸6モル及びジエチレングリコール5モルを仕込み、エステル化触媒としてオクチル酸スズを0.05質量%添加し、210℃で4時間反応させた。その後、140℃まで冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン0.02質量%を添加し、次いでグリシジルメタクリレートを所定量投入し、3時間反応させ、ポリエステルメタクリレートを得た。
合成例1で得られたポリエステルメタクリレートを60℃まで冷却し、該ポリエステルメタクリレート50部、ベンジルメタクリレート50部、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部、パラフィン130°F(融点54℃)0.05部を混合し、中塗り層樹脂を得た。
実施例1〜5で得た各ラジカル硬化性樹脂組成物100部に対して、イソドデカン40部を配合し、空気遮断剤としてパラフィン130°Fの含有量が10重量%になるように添加して、80℃にて加熱分散処理を行い、空気遮断剤分散溶液1〜5を得た。
実施例1〜5で得た各ラジカル硬化性樹脂組成物75部、合成例3で得た各空気遮断剤分散溶液3部、灰色無機顔料8部、アエロジル#200(日本アエロジル社製)2.5部、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部、6号珪砂8部を配合し、トップコート層樹脂1〜5を得た。
500mm×500mm、JAS規定の厚さ9mmの普通合板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、合成例2で得られた中塗り層樹脂100部に8%オクテン酸コバルト溶液を0.5部及び硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加し、調製したものと、ガラスマット#380(重量:380g/m2)2プライとで積層板を作製した。屋外に3、7、14日間放置後に、合成例4で得たトップコート層樹脂1〜5(100部)に硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加撹拌後、刷毛で、500g/m2の割合で塗布し、試験片を得た。トップコート塗布24時間後に、JIS−K−5400(1990年)8.5.2に準じて碁盤目法により、トップコート付着性を評価した(すきま間隔2mm、ます目の数25)。
以下のとおりに、評価を行った。
10:切り傷が滑らかであり、ます目に欠損がない。
8:欠損した部分が試験片の面積の5%以内である。
6:欠損部分が試験片の面積の5%より大きく15%以内である。
4:欠損部分が試験片の面積の15%より大きく35%以内である。
2:欠損部分が試験片の面積の35%より大きく65%以内である。
0:欠損部分が試験片の面積の65%より大きい。
試験サンプル数n=2で評価を行い、2つのサンプルの評点が分かれた場合、分かれた評点の間をとることとした。(例えば、評点6と4が得られた場合、5とする。)
上記評価点が5点以下を×とし、6〜7点を△、8点以上を〇とした。
結果を表8に示す。
Claims (9)
- ウレタン(メタ)アクリレート(A)、ビニルエステル(B)及びラジカル重合性不飽和単量体(C)を含有するラジカル硬化性樹脂組成物であって、
該ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとの付加物(a1)と、水酸基含有(メタ)アクリロイル化合物(a2)との反応物であり、
該ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールは、数平均分子量が300〜2400であり、
該ラジカル重合性不飽和単量体(C)として、分子量が150以上である化合物を2種以上含む
ことを特徴とするラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記分子量が150以上である化合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が0〜100℃である
ことを特徴とする請求項1に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記分子量が150以上である化合物の少なくとも1種は、ジシクロペンテニル基含有(メタ)アクリレート化合物である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)とビニルエステル(B)とラジカル重合性不飽和単量体(C)との含有割合(質量比)は、(A)/(B)/(C)=15〜35/15〜35/30〜70である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ポリイソシアネートは、脂肪族炭化水素基及び/又は脂環式炭化水素基を有するポリイソシアネート化合物を含む
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ポリイソシアネート化合物は、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン及び/又はイソホロンジイソシアネートである
ことを特徴とする請求項5に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂組成物は、保護層に用いられる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物を含む
ことを特徴とする保護層。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物を用いて保護層を形成する工程を含む
ことを特徴とする建築施工方法。
Priority Applications (1)
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