JP2018135478A - ラジカル硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物層及び建築施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記多価アルコールの総量100モル%に対し、エーテル結合含有多価アルコールが25モル%以上であることが好ましい。
上記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、数平均分子量が1000〜4000であることが好ましい。
上記ラジカル硬化性樹脂組成物は、更に硬化助促進剤(E)を含むことが好ましい。
上記ラジカル硬化性樹脂組成物は、繊維補強材を含む樹脂硬化物層に用いられることが好ましい。
上記建築施工方法は、更に塗膜層を形成する工程を含むことが好ましい。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)及びラジカル重合性不飽和単量体(B)を含有する。必要に応じ、更に他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよく、各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。以下では、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)を「(A)成分」とも称す。他の成分も同様である。
なお、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)とラジカル重合性不飽和単量体(B)とコバルト系化合物(C)と空気遮断剤(D)との合計量が、ラジカル硬化性樹脂組成物100質量%に対して90質量%以上であることが好ましい。より好ましくは92質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。
なお、ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、ラジカル重合性不飽和単量体(B)、コバルト系化合物(C)と硬化助促進剤(E)との合計の含有割合(質量比)は、(A)/(B)/((C)+(E))=10〜90/90〜10/0.01〜10であることが好ましい。これにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。より好ましくは(A)/(B)/((C)+(E))=30〜70/70〜30/0.05〜5であり、更に好ましくは40〜60/60〜40/0.1〜1である。
本明細書中、粘度は、25℃における粘度を意味し、後述する実施例に記載の方法により求められる。
1)ポリエステル(メタ)アクリレート(A)
ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、二塩基酸と多価アルコールとの重縮合体(a1)とエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(a2)との反応物である。具体的には例えば、重縮合体(a1)が有する水酸基及び/又はカルボキシル基と、(メタ)アクリレート化合物(a2)が有するエポキシ基とを反応させることにより得ることができる。
上記二塩基酸は、芳香族二塩基酸を必須に含むものであれば特に限定されない。
芳香族二塩基酸としては、例えば、オルトフタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4 ’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でも、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましい。すなわち上記二塩基酸が無水フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む形態は、本発明の好ましい形態の1つである。
脂肪族二塩基酸としては、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。中でも、アジピン酸が好適である。
脂環族二塩基酸としては、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(シス−3−メチル−4−シクロヘキセン−シス−1,2−ジカルボキシリックアンハイドライド)、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、α−テルヒネン・無水マレイン酸付加物、トランス−ピペリレン・無水マレイン酸付加物等が挙げられる。中でも、ヘキサヒドロ無水フタル酸が好適である。
上記ポリアルキレングリコール含有化合物におけるオキシアルキレン基の炭素数は、2〜8が好ましく、より好ましくは2〜4である。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、1〜20が好ましく、より好ましくは2〜8である。
その他の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1, 3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビシクロヘキシル−4,4 ’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール、水素化ビスフェノールA等の脂肪族グリコール類;ビスフェノールA 、パラキシレングリコール等の芳香族グリコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール類等が挙げられる。中でも、脂肪族グリコールが好ましい。より好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される少なくとも1種である。
本明細書中、数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ラジカル重合性不飽和単量体(B)は、上記式(1)で表される化合物(b1)を含む。
上記式(1)中、R1は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基を表す。炭素数1〜2の炭化水素基としては、特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。上記R1としては、水素原子が好ましい。
単量体(b2)としては、不飽和基を有するものであって、式(1)で表される化合物(b1)に該当しない化合物であれば特に制限されないが、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0〜60℃であることが好ましい。より好ましくは5〜55℃であり、更に好ましくは10〜50℃である。
ホモポリマーのTgは、例えば「FANCRYL Information」(第9.4版、日立化成株式会社 研究開発部、2016年9月)を参照することができる。例えば、上記文献に記載の代表的な単量体のホモポリマーのTgは以下のとおりである。
ベンジルアクリレート:5℃
ベンジルメタクリレート:51℃
フェノキシエチルメタクリレート:36℃
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート:45℃
メチルメタクリレート:105℃
本明細書中、ラジカル重合性不飽和単量体(B)の分子量は、原子量換算量(炭素原子の質量数を12.01とする)を意味する。
より好ましくは大気圧における沸点が110℃以上であり、更に好ましくは120℃以上である。
例えば、代表的な単量体の単量体の各圧力における沸点は以下のとおりである。
ベンジルアクリレート:210℃/101.3kPa
ベンジルメタクリレート:115℃/0.13kPa
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート:125℃/0.13kPa
メチルメタクリレート:100.5℃/101.3kPa
単官能重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸等の炭素数1〜20の不飽和モノカルボン酸;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等の炭素数1〜20のビニルエステル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20の単官能(メタ)アクリレート;等が挙げられる。これらは置換基を有していてもよく、置換基としては水酸基等が挙げられる。
上記樹脂組成物がコバルト系化合物(C)を含む場合、該コバルト系化合物(C)は、硬化促進剤として作用する。
コバルト系化合物(C)としては特に制限されないが、例えば、コバルト石鹸(コバルトの脂肪酸塩とも称す)や、コバルトアセチルアセテート等が挙げられる。中でも、好ましくはコバルト石鹸である。上記脂肪酸としては、炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸が好適である。コバルト石鹸としては具体的には、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、オクテン酸コバルトが挙げられ、好ましくはオクテン酸コバルトである。
空気遮断剤(D)としては特に限定されないが、ワックス類が好ましい。具体的には、天然ワックス;合成ワックス;天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックス;等が挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックスを少なくとも用いることが好ましい。また、ワックス類に、他の成分を含んでもよい。
上記合成ワックスとしては、例えばフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類;等が挙げられる。
硬化助促進剤(E)としては特に限定されないが、例えば、アミン化合物(E1)、βジケトン(E2)等が挙げられる。
アミン化合物(E1)としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のアニリン化合物;p−トルイジン、m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス( 2 -ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N ,N−ビス( 2 − ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、パラトルイジン2エチレンオキサイド付加物等のトルイジン化合物;4−(N ,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド等のアミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン等が挙げられる。これらの中でも、芳香族3級アミン化合物が好ましい。芳香族3級アミン化合物の中でも、3級アミノ基を有するアニリン化合物、3級アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物及び3級アミノ基を有するトルイジン化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。より好ましくは3級アミノ基を有するアニリン化合物であり、更に好ましくはN,N−ジメチルアニリンである。
上記樹脂組成物はまた、上述した(A)〜(E)成分に加え、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。例えば、揺変性付与剤、硬化剤、コバルト系化合物(C)以外のその他の硬化促進剤、重合禁止剤、不活性粉体、充填剤、乾燥性向上剤、増粘剤、着色剤、BYK−R605(商品名、ビック・ケミー社製)等の揺変助剤、レベリング剤、脱泡剤等の添加剤(材)や骨材等の他、溶剤、希釈剤等が挙げられる。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物は、乾燥性とともに、強化繊維への含浸性や塗膜の二次密着性等の作業性が良好で、しかも硬化物の強度や伸び等の機械的物性にも優れる。それゆえ、各種用途に好適に用いることができる。中でも特に、積層体の中間層(中塗り層等)を形成するための材料として有用である。
本発明の樹脂硬化物層は、上述した本発明の樹脂組成物と繊維補強材(強化繊維)とを含む。必要に応じ、更に他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよく、各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
本発明はまた、上述した本発明の樹脂組成物と繊維補強材とを用いて樹脂硬化物層を形成する工程を含む建築施工方法でもある。樹脂硬化物層を形成する工程は特に制限されず、上述の樹脂硬化物層を形成する方法等により行うことができる。具体的には、例えば、上記樹脂組成物を強化繊維に含浸させて被覆材とし、硬化させることにより行うことが好ましい。
上記ビニルエステル(F)は、エポキシ化合物と一塩基酸との反応により得られる化合物であることが好ましい。
脂肪族型エポキシ化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、アリサイクリックジエポキシアセタール、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド等が挙げられる。これらの中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。また、ビスフェノールA等のフェノール化合物や、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、液状ニトリルゴム等の二塩基酸により変性したエポキシ化合物を使用することもできる。
不飽和アルコールとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール類が挙げられる。
これらの中でも、一塩基酸としては、熱性、耐薬品性の観点から、炭素数が6以下の化合物が好ましい。より好ましくは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸である。
ラジカル重合性不飽和単量体(G)として好ましくはベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能重合性単量体である。
本明細書中、数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
である。
製造例1
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、二塩基酸及び多価アルコールを表1に記載する配合量で仕込み、エステル化触媒としてオクチル酸スズを0.05質量%添加し、210℃で反応させた。二塩基酸と多価アルコールとの210℃での反応時間は、表1に記載のとおりである。その後、140℃まで冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン0.02質量%を添加し、次いでグリシジルメタクリレートを所定量投入し、3時間反応させ、ポリエステルメタクリレート1を得た。
エステル化触媒及び重合禁止剤のメチルハイドロキノンの配合量は、二塩基酸及び多価アルコールの全配合量100質量%に対する量である。
表1に示す原料を用いたこと以外は製造例1と同様にして、ポリエステルメタクリレート2〜10を各々得た。
なお、数平均分子量の測定方法を下記する。
ポリエステル(メタ)アクリレートの数平均分子量(Mn)は、以下の条件の下、GPC測定により求めた。その際、市販の単分散標準ポリスチレン(PS)を用いて検量線を作成し、下記換算法に基づいて求めた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(東ソー社製)
溶剤:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折率計
カラム:TSKgelSuperH2000、TSKgelSuperH2500、TSKgelSuperH3000(いずれも東ソー社製)
分子量換算:PS換算/汎用較正法
実施例1
製造例1で得たポリエステルメタクリレート1を、60℃まで冷却し、表2に記載する配合量でラジカル重合性不飽和単量体(B)、コバルト系化合物(C)、空気遮断剤(D)、及び、硬化助促進剤(E)を添加して、ラジカル硬化性樹脂組成物1を得た。得られた各樹脂組成物について、以下の方法にて各種物性を評価した。結果を表4、6〜8に示す。
表2、3に示す原料を用いたこと以外は実施例1と同様にして、各樹脂組成物(樹脂組成物1〜10及び比較樹脂組成物1〜5)を得た。得られた各樹脂組成物について、各種物性を評価した。結果を表4〜9に示す。
1)樹脂組成物の粘度
下記測定機器を用いて、25℃における粘度測定を行った。
測定機器:ブルックフィールド形粘度計(BROOK FIELD社製、品名:BROOK FIELD VISCOMETER、型番:LVDV−II+P)
2−1)標準状態試験
2枚の300mm×300mm×3mmのガラス板に離型剤を塗布し、該ガラス板の間に3mmのスペーサーを挟んで型枠とした。実施例等で得たラジカル硬化性樹脂組成物100部に、硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1.0部を混合し、減圧脱泡した後、該型枠に流し込み、常温(25℃)で硬化させた。これらを25℃で24時間、40℃で24時間養生硬化させ、注型板を得た。該注型板から2〜3mm厚の試験片を作成し、引張試験片とした。JIS−K−7161−2(2014年)の引張り試験法に準拠して、25℃における該試験片の強度及び伸び率を測定した。
強度について、10〜50MPaの範囲内を〇とし、範囲外を×とした。
伸び率について、25〜120%の範囲内を〇とし、範囲外を×とした。
2−2−1)耐熱性
上記2−1)標準状態試験に示した注型板作成方法及び硬化条件に準じて得た300mm×300×2〜3mmの試験片を、80℃環境下にて4週間放置した後、23℃環境下に4時間以上放置した。その後、JIS−K−7161−2(2014年)の引張り試験法に準拠して、切削加工により引張試験片を作成し、25℃における該試験片の強度及び伸び率を測定した。熱処理を行っていない標準状態における強度及び伸び率に対する保持率を算出した。
強度保持率が95%以上である場合は〇とし、95%未満を×とした。また、伸び率保持率が70%以上である場合は〇とし、70%未満を×とした。
上記2−1)標準状態試験に示した注型板作成方法及び硬化条件に準じて得た300mm×300×2〜3mmの試験片を、23℃環境下で4週間、0.2%の苛性ソーダと飽和水酸化カルシウムの混合溶液に浸漬させた。その後、JIS−K−7161−2(2014年)の引張り試験法に準拠して切削加工により引張試験片を作成し、25℃における該試験片の強度及び伸び率を測定した。アルカリ処理を行っていない標準状態における強度及び伸び率に対する保持率を算出した。
強度保持率が70%以上である場合は〇とし、70%未満を×とした。また、伸び率保持率が70%以上である場合は〇とし、70%未満を×とした。
上記2−1)標準状態試験に示した注型板作成方法及び硬化条件に準じて得た300mm×300×2〜3mmの試験片を、23℃環境下で4週間、2%硫酸水溶液に暴露させた後、23℃環境下に4時間以上放置した。その後、JIS−K−7161−2(2014年)の引張り試験法に準拠して、切削加工により引張試験片を作成し、25℃における該試験片の強度及び伸び率を測定した。酸処理を行っていない標準状態における強度及び伸び率に対する保持率を算出した。
強度保持率が80%以上である場合は〇とし、80%未満を×とした。また、伸び率保持率が70%以上である場合は〇とし、70%未満を×とした。
実施例等で得たラジカル硬化性樹脂組成物100部に、硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1.0部を混合し、減圧脱泡した。その後にサグテスターにより離型紙に塗布し、膜厚100μmの塗膜を作成した。次いで23℃の雰囲気下で塗膜のタックがなくなるまでの時間を測定した。塗布後4時間以内、12時間以内、24時間以内にタックフリーに到達した場合をそれぞれ、◎、〇、△とし、24時間以内に到達しなかった場合を×とした。
低臭性の評価方法は、実施例等で得たラジカル硬化性樹脂組成物を10人が嗅ぎ、臭気を確認することにより行った。
10人の中で不快な印象を全ての人が感じなかった場合は〇とし、1人でも不快に感じた場合は×とした。
500mm×500mm、JAS規定の厚さ9mmの普通合板を水平に設置し、該合板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、実施例等で得たラジカル硬化性樹脂組成物100部に硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加し調製したものと、ガラスマット#380(重量:380g/m2)2プライとで積層板を作製した。
その際、熟練度、経験年数の異なる作業者3人の作業の所要時間を計測した。
所要時間が35分以下の場合を〇、35分を超え45分以下の場合を△、45分を超える場合を×とした。
また、表面の未含浸部分の有無を確認し、未含浸部分が認められなかった場合を〇とし、未含浸部分が認められた場合、その個数が1〜4の場合を△とし、5以上の場合を×とした。
500mm×500mm、JAS規定の厚さ9mmの普通合板を垂直に設置し、該合板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、実施例1で得たラジカル硬化性樹脂組成物100部、又は、表6に記載の配合でディスパーにて攪拌混合することにより調製した揺変化樹脂組成物100部に硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加し調製したものと、ガラスマット#380(重量:380g/m2)2プライとで積層板を作製した。
施工完了後、経時で樹脂タレを観測した。施工完了後4時間経過したときの樹脂タレが施工端面から10mm未満の場合を○とした。樹脂タレが施工端面から10mm以上発生した場合を×とした。
また、表面の未含浸部分の有無を確認し、未含浸部分が認められなかった場合を〇とし、未含浸部分が認められた場合、その個数が1〜4の場合を△とし、5以上の場合を×とした。
(1)トップコート層樹脂組成物の製造
合成例1(ウレタン(メタ)アクリレート)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン291部(1.5mol)と数平均分子量1000であるポリテトラメチレングリコール500部(0.5mol)を仕込み、窒素雰囲気下80℃で3時間反応させた。NCO%が10.6となり60℃まで冷却し、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレートを265部(2.04mol)加え、触媒としてオクチル酸スズを0.005質量%添加し、更に80℃にて3時間反応させた。NCO%が0.1%以下になったことを確認した後、全仕込み量に対して、重合禁止剤としてトルハイドロキノン0.05質量%添加し、ウレタンメタクリレート(H−1)を得た。
上記触媒及び重合禁止剤の配合量は、ポリイソシアネート、ポリエーテルポリオール及び水酸基含有メタアクリレートを合わせた全配合量100質量%に対する量である。
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコにエポミック(登録商標)R140P(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三井化学製、エポキシ当量188)188部、メタクリル酸88部、触媒としてトリエチルアミン0.3重量%、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05重量%、空気を吹き込みながら90℃で10時間反応させ酸価が5mgKOH/gになった時点で反応を終了しビニルエステル(F−1)を得た。
上記触媒及び重合禁止剤の配合量は、エポキシ樹脂、メタクリル酸を合わせた全配合量100質量%に対する量である。
ウレタンメタクリレート(H−1)20部、ビニルエステル(F−1)25部、ベンジルメタクリレート35部、及び、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート20部を混合し、トップコート層樹脂組成物を得た。
合成例3で得た配合液1(トップコート層樹脂組成物)100部に対して、イソドデカン40部を配合し、空気遮断剤としてパラフィン130°Fの含有量が10重量%になるように添加して、80℃にて加熱分散処理を行い、空気遮断剤分散溶液を得た。
合成例3で得た配合液1(トップコート層樹脂組成物)75部、合成例4で得た配合液2(空気遮断剤分散溶液)3部、灰色無機顔料8部、アエロジル#200(日本アエロジル社製)2.5部、8%オクテン酸コバルト溶液0.5部、6号珪砂8部を配合し、トップコート層樹脂を得た。
実施例1〜10及び比較例1〜5
500mm×500mm、JAS規定の厚さ9mmの普通合板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、各ラジカル硬化性樹脂組成物100部に硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加し、調製したものと、ガラスマット#380(重量:380g/m2)2プライとで積層板を作製した。屋外に3、7、14日間放置後に上記トップコート層樹脂(灰色着色品)100部に硬化剤328E(化薬アクゾ社製)1部を添加撹拌後、刷毛で、500g/m2の割合で塗布し、試験片を得た。
以下のとおりに、評価を行った。
10:切り傷が滑らかであり、ます目に欠損がない。
8:欠損した部分が試験片の面積の5%以内である。
6:欠損部分が試験片の面積の5%より大きく15%以内である。
4:欠損部分が試験片の面積の15%より大きく35%以内である。
2:欠損部分が試験片の面積の35%より大きく65%以内である。
0:欠損部分が試験片の面積の65%より大きい。
試験サンプル数n=2で評価を行い、2つのサンプルの評点が分かれた場合、分かれた評点の間をとることとした。(例えば、評点8と6が得られた場合、7とした。)
上記評価点が5点以下を×とし、6〜7点を△、8点以上を〇とした。
Claims (10)
- ポリエステル(メタ)アクリレート(A)及びラジカル重合性不飽和単量体(B)を含有するラジカル硬化性樹脂組成物であって、
該ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、二塩基酸と多価アルコールとの重縮合体(a1)とエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(a2)との反応物であり、
該二塩基酸は、芳香族二塩基酸を含み、
該多価アルコールは、エーテル結合含有多価アルコールを含み、
該ラジカル重合性不飽和単量体(B)は、下記式(1);
ことを特徴とするラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂組成物は、更にコバルト系化合物(C)と空気遮断剤(D)とを含み、
前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)とラジカル重合性不飽和単量体(B)とコバルト系化合物(C)と空気遮断剤(D)との合計量が、ラジカル硬化性樹脂組成物100質量%に対して90質量%以上である
ことを特徴とする請求項1に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記二塩基酸の総量100モル%に対し、芳香族二塩基酸が50モル%以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記多価アルコールの総量100モル%に対し、エーテル結合含有多価アルコールが25モル%以上である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、数平均分子量が1000〜4000である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂組成物は、更に硬化助促進剤(E)を含む
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂組成物は、繊維補強材を含む樹脂硬化物層に用いられる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物と繊維補強材とを含む
ことを特徴とする樹脂硬化物層。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物と、繊維補強材とを用いて、請求項8に記載の樹脂硬化物層を形成する工程を含む
ことを特徴とする建築施工方法。 - 前記建築施工方法は、更に塗膜層を形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項9に記載の建築施工方法。
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