JP2645748B2 - 化粧単板プラスチック複合材及びその製造方法 - Google Patents

化粧単板プラスチック複合材及びその製造方法

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JP2645748B2
JP2645748B2 JP1095987A JP9598789A JP2645748B2 JP 2645748 B2 JP2645748 B2 JP 2645748B2 JP 1095987 A JP1095987 A JP 1095987A JP 9598789 A JP9598789 A JP 9598789A JP 2645748 B2 JP2645748 B2 JP 2645748B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動車の内装部品であるセンターク
ラスタ、コンソールアッパーパネル、ドアトリムオーナ
メントパネル等に使用される透明樹脂表面被覆層を有す
る化粧単板プラスチック複合材及びその製造方法に関
し、特に高級車両に使用される天然銘木の木目の見える
透明樹脂表面被覆層を備えた化粧単板プラスチック複合
材を包含する。
〔従来の技術〕
自動車内装用の天然木化粧単板に透明樹脂の表面被覆
層を有する高級装飾複合材は第3図に示す如く、ぶな、
しな、かば、ラワン等の合板を基材4とし、これに木目
の美しいチーク、バーズアイメープル、ウォルナット、
くす等の天然銘木を厚さ0.2−1.5mm程度にスライスした
化粧単板2を重ね、この積層物をフェノール樹脂やユリ
ア樹脂系の接着剤または樹脂含浸接着フィルム5の使用
のもとに熱プレスして接着一体化した後、内外周のトリ
ミングカットを行ない、次いで透明樹脂塗膜6のスプレ
ーガン7による塗装仕上げ工程を行なうことによって作
られている。
最近の一般的経済レベルの向上から、天然素材が見直
され、自動車市場でも天然木化粧単板に透明樹脂塗装を
施して、塗装面を高級ピアノのような、鏡のように高光
沢で、平滑且つ、深み感を有するものが高級車の内部部
品を中心に実用化されつつある。
しかし、その透明樹脂塗装は塗装前の準備として、化
粧単板の平滑化と汚れ除去のためのサンデイング、目ヤ
セやヤニ防止と外観色調の均一化のためのポリエステル
またはウレタン系着色塗料による複数回の下塗り塗装及
び乾燥、再サンデイング等を行なった上で、仕上げ工程
として、肉もち感、深み感、透明感の付与と目ヤセ防止
のためにポリエステル系或いはウレタン系の透明塗料に
より中塗り及び上塗り塗装を行なった後乾燥し、最後に
サンデイング及びコンパウンドワックスによる研磨仕上
げが必要である。またこれらの塗装は一般にスプレーガ
ン7によるエアスプレー塗装法で施されるが、塗料の塗
着効率が低いためその損失が大きく、平滑で均一な塗装
塗膜に仕上げるのが難かしく、塗装表面に沸き、タレ、
色ムラ、白化、オレンジビール等の表面欠陥を生じ易
い。このため、熟練塗装技能者により注意深い配慮のも
とに、且つ充分な時間をかけて厳重な作業管理を行なっ
て仕上げていた。
更に、自動車用内装材としての化粧単板プラスチック
複合材は温度、湿度、日照等の外的作用に強く曝される
ため、天然木合板で作つた基材は伸縮をおこし易く、ま
たこの基材の上に接着される化粧単板に含まれる微小気
泡や水分の影響並びに木目の密度差等により透明樹脂塗
膜に伸縮を生じて塗面を微小凹凸を与え、平滑性やツヤ
感を損なうばかりでなく、長期的にはクラック、ハガ
レ、反り、変形の原因となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、化粧単板プラスチック複合材の製造に
おいて、従来の技法による場合は、特に透明樹脂塗膜層
6のスプレーガン7による塗装工程において高度の熟練
技術及び多数の工程と塗装設備、多くの時間とを要する
ため、生産能率が低くて製造コストへの影響が大きく、
また長期間の耐久品質に欠けるので、その改善が強く望
まれていた。
更にまた、化粧単板には天然銘木を、また基材には合
板を用るため、これらのスライス時に発生する裏割れ目
や木質繊維導管等の微細空隙部、凹凸部には空気や水分
(接着剤に含まれる)が集り易く、塗膜乾燥時に塗膜内
または塗膜と化粧単板界面に発生する白濁斑や沸き及び
温湿度変化の著しい環境条件で発生する微小の凹凸やク
ラック、ハガレ等の不具合の原因ともなり、更に色ム
ラ、オレンジビール、タレ、研ぎ足し、ヤセ等の塗装不
具合の解消や、スプレー塗装時の塗料の損失、塗料のス
プレーダストや有機溶剤の揮散による設備や環境汚染等
の防止作業もまた、塗装仕上げの管理面における課題と
なっている。
化粧単板にはチーク、ローズウッド(板目及び柾
目)、くす、バーズアイメープル(杢)、ウォールナッ
ト(板目、柾目及び杢)等の薄板が基材のぶな、しな、
かば等の合板に接着して使用されるが引張り強度が低く
て伸びが少なく、成形時に割れ易いため一般調度品にお
いても平面状または単純な曲面形状のものにしか成形で
きない欠点を有する。
本発明は、基材と、その上にかぶせた化粧単板と、及
び透明樹脂表面被覆層とからなる化粧単板プラスチック
複合材において、上記の諸欠点を除き、且つ従来の複雑
な塗装工程が不要でしかも高品質の複合材、及びその製
造方法を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の諸課題を解決するために従来の
塗装工程に代えて、強化繊維材に熱硬化性樹脂を含浸さ
せた基材、この基材の熱硬化性樹脂と架橋反応し得る熱
硬化性樹脂で含浸された天然銘木の薄板、及びその上に
形成される透明樹脂表面被覆層として、上記化粧単板の
熱硬化性樹脂と架橋反応し得るか又は少なくともこれに
強く接着する熱硬化性樹脂の注流層を用いて熱プレスに
より一体に硬化成形させることに着眼して種々研究を行
なってきた。
その結果、強化繊維材に熱硬化性樹脂を含浸させた基
材と、上記基材の熱硬化性樹脂と架橋反応し得る熱硬化
性樹脂で含浸された天然銘木の薄板よりなる化粧単板と
の積層体を作り、これを内面の鏡面化されたプレス金型
の中で先ず一次熱プレスすることによって基材と化粧単
板との予備成形体を作り、次いで金型を一旦開放して上
記予備成形体の化粧単板の上に透明樹脂表面被覆層用の
熱硬化性樹脂液を注流して被覆し、この被覆成形体を再
び同じ金型中で二次熱プレスすることによって基材、化
粧単板、透明樹脂表面被覆層が一体に硬化した、美麗な
光沢表面を有し、高強度で耐久性の高い透明樹脂表面被
覆層を備えた化粧単板プラスチック複合材が、3次元曲
面形状のものでも複雑な塗装仕上げ工程を必要とするこ
となく、少ない作業工程で経済的に、しかも好ましい作
業条件において得られることを見出し、本発明に到達し
た。
本発明の化粧単板プラスチック複合材は、基材として
強化繊維材に熱硬化性樹脂を含浸させたものと、化粧単
板として上記基材の熱硬化性樹脂と架橋反応し得る熱硬
化性樹脂で含浸された天然銘木の薄板と、及びその上に
形成される透明樹脂表面被覆層として上記化粧単板の熱
硬化性樹脂と架橋反応等により強力に接合する熱硬化性
樹脂の注流層とからなる複合体が熱プレスにより架橋反
応のもとに一体に硬化成形されており、その際透明樹脂
表面被覆層が上記樹脂注流層の熱プレス硬化層よりなる
ことを特徴とするものである。
本発明に従う化粧複合材の有利な態様のものにおい
て、基材として無機又は有機の繊維よりなる強化材を熱
硬化性樹脂と低収縮剤との含まれる樹脂液で含浸させた
低収縮性のシート状コンパウンドの熱プレス硬化成形体
が用いられる。
本発明による化粧単板プラスチック複合材の製造方法
はその手順を図によって説明するならば、添付の第1図
に示すように、強化繊維材に熱硬化性樹脂を含浸させた
基材11の上に熱硬化性樹脂で含浸された天然銘木の化粧
単板12を被せて積層体を作り、この積層体を内面の鏡面
化されたプレス金型の中で先ず一次熱プレスすることに
よって基材と化粧単板との予備成形体Aを形成し、次い
で金型を一旦開放して上記予備成形体の化粧単板の上に
透明樹脂表面被覆層用の熱硬化性樹脂液13を注流してこ
れを被覆し、この被覆成形体を再び同じ金型の中で二次
熱プレスすることによって基材11、樹脂含浸化粧単板12
及び透明樹脂表面被覆層13を一体(B)に完全硬化成形
することを特徴とする。
上記成形方法の他の態様において、化粧単板として、
天然銘木の板目または柾目の薄板の裏面に繊維質の補強
シートを接着したものを用いる。
上記成形方法の更に別な態様において、金型内の積層
物の一次及び二次熱プレスにおいて型締めの後、加圧に
先立って金型内部を減圧脱気する。
〔作用〕 本発明に従う化粧単板プラスチック複合材は、硬化繊
維材に熱硬化性樹脂を含浸させた基材に熱硬化性樹脂で
含浸された天然銘木の薄板を被せて積層体を作り、この
積層体をプレス金型の中で先ず一次熱プレスして、基材
と化粧単板との予備成形体を作り、次いで金型を一旦開
放して上記予備成形体の表面上に表面被覆層用の熱硬化
性樹脂液を注流してこれを被覆し、この被覆成形体を再
び同じ金型の中で二次熱プレスすることにより、基材、
樹脂含浸化粧単板及び透明樹脂表面被覆層を一体に硬化
成形させることによって、全体を通じて架橋反応により
強固に結合された、従来品にない高い強度を有する成形
物を得ることができる。また上記の方法で注流された樹
脂液の熱プレス硬化層が表面被覆層として用いられてい
ることにより特に表面研磨作業が施されなくても、外観
において従来品に劣らず、高光沢でしかも耐久性及び強
度において優れた表面被覆層が得られる。
上記化粧単板プラスチック複合材の基材に用いる強化
用繊維材は有機及び無機の高強度繊維であるが、中でも
比較的短繊維のガラスウールのマットが好ましい。
基材の熱硬化性樹脂としては不飽和ポリエステル、ジ
アリルフタレート樹脂又はアルキッド樹脂の1種以上が
用いられる。これらの熱硬化性樹脂のプレポリマーに加
えて、低収縮剤としての熱可塑性樹脂(ポリエチレン、
ポリエステル、スチレンブタジエンコポリマー、ポリメ
タクリル酸メチル等)、並びに他の通常的な、例えば充
填材、架橋剤、増粘材、離型剤、触媒、着色剤、重合安
定剤、溶剤等を混合してなる混合液を上記のような硬化
繊維材に含浸させ、経時的にタッグフリーの状態にまで
熟成して得られる低収縮性のシート状モールディングコ
ンパウンド(以下、SMCと略記する)の予備形成物を用
いるのが好ましい。これによって、得られる化粧単板プ
ラスチック複合材は高剛性、高強度、薄肉、高耐熱性、
高耐水性の他に適度の可撓性も有し、高い寸法安定性と
共に、補強リブ、又は部品取り付け用のねじ金具やリテ
イナー打ち込み金具のためのボスを埋め込んでこれにイ
ンサートできることとなり、また平面状のものはもちろ
ん非平面状の装飾材を本発明に従い熱プレス成形法で作
ることができので、デザインや設計の自由度が向上し、
部品取り付けコストも大幅に低減できる。
また化粧単板としてはチーク、ローズウッド、ウォー
ルナット、くす、バーズアイメープル等の天然銘木の板
目又は柾目及び杢の薄板に直接、又は染色や塗装によつ
て調色処理後、上述の基材の熱硬化性樹脂と架橋反応し
得る樹脂、好ましくは同様にジアリルフタレート樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、及びアルキッド樹脂のうちの
一つ以上のプレポリマーを含浸させたものが用いられ
る。
化粧単板に含浸させた熱硬化性樹脂のプレポリマーは
熱プレスに際して表面被覆層用の注流樹脂液及び基材の
樹脂またはプレポリマーとの間に架橋反応を生じて層間
接着強度を高めるが、一方この化粧単板の成形加熱初
期、即ち反応初期には軟化、可撓性を示すので、成形時
の割れ防止に極めて効果的である。また化粧単板の裏割
れ目や、木質繊維導管等の微細な間隙部等に吸着してい
る微小気泡や水分もこの樹脂含浸工程において、予め乾
燥されまた樹脂液の充填によって排除されるため、温度
や湿度の変化の繰り返される使用環境のもとでも透明樹
脂層や化粧単板の伸縮差から透明樹脂表面被覆層の表面
に生ずる微小な凹凸(目ヤセ)、白化、ハガレ、クラッ
ク等の発生が防止される。
透明樹脂表面被覆層材に用いられる熱硬化性樹脂とし
ては、基材及び化粧単板の熱硬化性樹脂と同様にジアリ
ルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びアルキ
ッド樹脂、更に好ましくはポリウレタン樹脂を用いるこ
とができ、上記樹脂のプレポリマーをそれぞれ単独で、
又は混合物として、架橋剤、重合触媒、内部離型剤、重
合安定剤等と共に、また必要に応じて改質用の他の樹脂
及び充填剤等の添加のもとに混合してなる樹脂液を用
い、これを前述した化粧単板と基材との予備成形体の表
面に注流被覆した上で更に同じ金型の中で二次熱プレス
することによってこの樹脂は、下地の化粧単板に含浸し
た熱硬化性樹脂と硬化反応等を起こして高い層間接着力
を形成し、且つ高強度の硬化表面層を生ずる。その際基
材及び化粧単板の各層の内部に含浸されている熱硬化性
樹脂の最終的な立体架橋硬化反応が進行するとともに、
それぞれの層の間でもこのような架橋反応が起こって強
力な一体的接合を達成すると共に美しい光沢表面が得ら
れる。
本願明細書において熱硬化性樹脂で含浸した、或はプ
レポリマー液を注流したと言う表現は上記のようなプレ
ポリマーやモノマーを混合した含浸樹脂液で含浸し、或
はこれを注流することを意味する。
本発明による化粧単板プラスチック複合材の製造方法
は上述のような化学反応と各層間の物理的作用とが相乗
的に働くことを特徴としている。
即ち、熱硬化性樹脂と低収縮剤とを含む樹脂液で無機
または有機の繊維よりなる強化材を含浸した繊維強化プ
ラスチックよりなるシート状コンパウンドを用いた基材
の上に熱硬化性樹脂を含浸した天然銘木の化粧単板をか
ぶせて積層体を作り、この積層体を内面の鏡面化された
プレス金型の中で先ず一次熱プレスすることによって基
材と化粧単板との予備成形体を形成し、次いで金型を一
旦開放して上記予備成形体の化粧単板の上に透明樹脂表
面被覆層用の熱硬化性樹脂液を注流してこれを被覆し、
この被覆された予備成形体を再び同じ金型の中で二次熱
プレスすることによって基材、樹脂含浸化粧単板及び透
明樹脂表面被覆層が架橋硬化して全体として一体に強固
に接合された化粧単板プラスチック複合材が得られ、そ
れによって接着剤や塗料の塗装工程を省いて従来の化粧
単板の製造工程を大幅に合理化し且つ、従来品にはない
高機能性、即ち高級な外観と高い表面耐久性、並びに製
品強度、剛性の大幅な上昇を達成し、3次元曲面の表面
形状を有する種々の成形物をもこの二段プレス法で作製
できる。
また基材として低収縮性のシート状モールディングコ
ンパランドの予備成形体を用いるときは比較的薄肉でも
高い型込め安定性、強度が得られ、得られた製品の寸法
安定性も高い。
また化粧単板に和紙や他の合成繊維の不織布等の繊維
質シートを補強裏打ち材として、耐熱性の良いSBR系接
着剤等で予め裏張りして使用すると、成形時に化粧単板
のワレが防止でき良好な製品が得られる。この繊維質シ
ートとしては、靭性が強く、物理的及び化学的性質も安
定しているパルプ紙、またはポリエステル繊維、アクリ
ル繊維またはナイロン繊維、ポリビニルアルコール繊維
等の合成繊維の不織布を使用するのが好ましい。
更に金型内の積層物を熱プレスするに先立ち、金型内
部を一旦減圧すると、化粧単板の裏面補強材、及び基材
の強化材として使用する繊維の内部等の空隙部に残存す
る微小気泡(空気)が脱気されるため、化粧単板に対す
る樹脂の含浸はより均等化され、化粧単板内に発生する
白濁斑、気泡等の欠陥を防止する効果は一層大きくな
る。
本発明による化粧単板プラスチック複合材の良好な表
面光沢性、平滑性、成形性、高強度、高剛性、高耐水性
等は何れも上記の本発明に従う透明樹脂表面被覆層材と
しての熱硬化性樹脂プレポリマーと基材の繊維質シート
材中に含浸される熱硬化性樹脂及び樹脂含浸化粧単板中
の熱硬化性樹脂それぞれの間の架橋反応を完成すること
及び基材の低収縮性の繊維強化樹脂含浸物が高強度、高
剛性、高耐熱、高耐湿性等を有することの結果として得
られるのである。
〔実施例〕
以下本発明を実施例及び比較例に基づき添付の図面の
参照のもとに詳細に説明する。
例 1 金型の平面投影面積に対し第1図で符号11で示すよう
な基材についてはチャージ率が90%、同図で符号12で示
すような樹脂含浸化粧材薄板についてはこれが95%にな
るようにそれぞれ予め裁断した。
基材としては熱可塑性のポリマーの低収縮剤が熱可塑
性樹脂に対し5重量部配合されている樹脂を用いた不飽
和ポリエステル系SMC(三井東圧化学社製エスターマッ
ト AU−120)を用いた。
化粧単板としては板厚0.3mmのバーズアイメープルの
玉杢の単板を用い、その裏側に目付け量42g/m2のポリエ
ステル繊維不織布(日本バイリーン社製OL−40)をスチ
レンブタジエンラバー系接着剤(三井東圧化学社製スト
ラクトボンド1123)で接着強化して用いた。この化粧単
板に減圧/加圧法で不飽和ポリエステル樹脂(三井東圧
化学社製オレスターRP−1033)100重量部、触媒のtert
−パーベンゾエート0.7重量部、重合安定剤メチルハイ
ドロキノン0.2重量部よりなる混合液の50重量部を含浸
させた樹脂含浸化粧板を用いた。
第一図で符号13で示すような透明樹脂表面被覆層用の
樹脂液として、数平均分子量n 400、OH価340のポリエ
ステルポリオール(米国キング社製ケーフレックス18
8)60重量部、及びNCO含有率23.1%(固形分換算)のヘ
キサメチレンジイソシアネートの3量体(旭化成社製TP
A 100)40重量部を混合してなるウレタン樹脂液を用い
た。基材を下にして樹脂含浸化粧単板を重ね、鏡面仕上
げ内面を有する非平面金型内に積層セットした。
この金型は、第2図に示すように表面中央部に長さ25
0mm、幅250mm、高さ5mm、立ち上がり部の傾斜角度それ
ぞれ45゜及び78゜、及び立ち上がり部曲率R=1.5mmの
凸部21を備えた460mmX350mmX2.5mm(厚さ)の寸法の成
形品20が得られるものを用いた。金型温度を上型145
℃、下型140℃に設定し、熱プレスに先立って型内を60m
mHgに減圧して脱気し、次いでプレス圧力100kgf/cm2
おいて型締め速度1mm/secで10分間にわたり一次熱プレ
スし、予備成形体を得た。
次に金型を開いて上記の予備成形体の化粧単板の上に
前記のウレタン樹脂溶液を注流してこれを被覆した上で
このものを再び同じ金型の中で、同様に熱プレスに先立
って型内を60mmHgに脱気した後、二次熱プレス(金型温
度:上型145℃、下型140℃、プレス圧100kgf/cm2、型締
め速度1mm/sec、10分間)して完全硬化させ、室温で24
時間放置した。成形品は化粧単板のワレ、ハガレ、フク
レ、泡、白濁、反り等の問題もなく、天然銘木であるバ
ーズアイメープルの杢目の有する美しさと豪華さを保ち
ながら、別表に示すように従来品(塗装仕上げによる比
較例A及び比較例B)と較べ透明樹脂被覆層の表面研磨
を行なわなくとも同等以上の光沢感、深み感、透明感、
平滑感等の表面品質と優れた耐熱性とを有し、特に玉杢
の模様が見事な干渉色となって映し出される、鋭角的な
三次元面を有する成形体が得られた。
試験方法 (1)鮮明度光沢度は日本色彩研究所製 PGD II型試験
機を用いて測定した。
(2)鏡面光沢度はスガ試験機社製のS&Mカラーコン
ピューターMoDel−4により測定した。
(3)平滑性は目視による基準板との比較評価である。
但し、基準板は目視による5段階の官能評価のための基
準として用いるもので下記1から5の段階よりなる。
5はオレンジピール無く、全くの平面。(蛍光灯が真
直ぐに写って見える。) 4はオレンジピールが極く僅かに見える。
3はオレンジピールが若干目立つ。
2はオレンジピールが目立つ。
1はオレンジピールが非常に目立つ。(蛍光灯が著し
くギザギザに写って見える。) 〔発明の効果〕 本発明の請求項1に従う化粧単板プラスチック複合材
は基材、化粧単板に含浸された樹脂及び注流樹脂液とし
て互いに架橋反応により熱硬化し得る樹脂を用いるの
で、全体が一体に強固に結合した高い強度を有するとと
もに、耐久性の高い高級感のある仕上げ面を与える。ま
たその製造に際して、請求項3に記載するように、透明
樹脂表面被覆層として、熱硬化性樹脂の注流層を内面の
鏡面仕上げされた金型内で熱プレスし、硬化成形したも
のを用いるので、従来の製造法で必要な塗装、塗装後の
表面研磨のための数多くの工程及びそのための設備、作
業時間、熟練技術が大幅に軽減されて作業能率の向上、
製造コストの大幅な低減に寄与するばかりか、より高級
な外観の仕上げ面を与える。更に、従来の製造法では得
られなかった良好な成形性により、3次元曲面形状の製
品の成形が可能となるとともに、強度や剛性を補強する
ためのリブや部品取り付けの際のねじ込み金具、或はリ
テーナ打ち込み金具挿入用のボス等を基材に埋め込むこ
とができるので、デザインや設計の自由度が大幅に向上
するし、また、部品取り付けコストも大幅に低減でき
る。
請求項2に従い基材として低収縮材を含む熱硬化性樹
脂で含浸されたシート状コンパウンドを用いたときは、
この複合材に付与される高い剛性、高い強度、良好な成
形性、高い寸法安定性、耐熱性水性等の高機能的特徴に
よってその付加価値は一層高められる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の化粧単板プラスチック複合材の製造手
順を説明する図式断面図、第2図は本発明の実施例によ
る成形品の外形を示す斜視図、第3図は従来技術による
化粧単板複合材の構造及びその成形方法を示す断面図で
ある。 2、12、……化粧単板 4、11、……基材、5……接着剤層 6、13、……透明樹脂表面被覆層 7……スプレーガン

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と、その上にかぶせた化粧単板と、及
    び透明樹脂表面被覆層とからなる化粧単板プラスチック
    複合材において、基材として強化繊維材に熱硬化性樹脂
    を含浸させたものと、化粧単板として上記基材の熱硬化
    性樹脂と架橋反応し得る熱硬化性樹脂で含浸された天然
    銘木の薄板と、及びその上に形成される透明樹脂表面被
    覆層として上記化粧単板の熱硬化性樹脂と架橋反応し得
    るか又は少なくともこれに強く接着する熱硬化性樹脂の
    注流層とからなる複合体が熱プレスにより一体に硬化形
    成されており、その際透明樹脂表面被覆層が上記注流層
    の熱プレス硬化層よりなることを特徴とする、化粧単板
    プラスチック複合材。
  2. 【請求項2】基材が、熱硬化性樹脂と低収縮剤とを含む
    樹脂液で無機または有機の繊維よりなる強化材を含浸し
    た繊維強化プラスッチックよりなるシート状コンパウン
    ドの熱プレス成形体である、請求項1記載の化粧単板プ
    ラスチック複合材。
  3. 【請求項3】基材と、その上にかぶせた化粧単板と、及
    び透明樹脂被覆層とからなる請求項1記載の化粧単板プ
    ラスッチック複合材を製造するに当り、基材の上に熱硬
    化性樹脂で含浸された天然銘木の化粧単板をかぶせて積
    層体を作り、この積層体を内面の鏡面化されたプレス金
    型の中で一次熱プレスすることによって基材と化粧単板
    との予備成形体を形成し、次いで金型を一旦開放して上
    記予備成形体の化粧単板の上に透明樹脂表面被覆層用の
    熱硬化性樹脂液を注流してこれを被覆し、この被覆成形
    体を再び同じ金型の中で二次熱プレスすることによっ
    て、基材、樹脂含浸化粧単板、及び透明樹脂表面被覆層
    を完全硬化させて一体に成形することを特徴とする、化
    粧単板プラスチック複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】化粧単板の裏面に予め繊維質補強シートを
    接着して用いる、請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】一次及び二次熱プレスにおいて型締め加圧
    に先立って金型内部を減圧脱気する、請求項3記載の製
    造方法。
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