以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る物品運搬保管装置の一例を示す斜視図であり、図2はその一部の拡大斜視図であって、ここに示した物品運搬保管装置は、物品を運搬するとき、又は物品を一時的又は長期に亘って保管するとき、或いはその他の目的で、物品を載置しておくものであり、物品保持装置とも称せられるものである。かかる物品運搬保管装置は、例えば、図示する如く複写機より成る物品1が載置されるパレット2を具備する。ここに例示したパレット2は、互いに平行に延びる中空部材より成る2本の脚部4と、その両脚部4に架け渡された状態で各脚部4に固定された2つの台座部材3と、同じく両脚部4に固定された2つの補強部材3Aとを有していて、台座部材3と補強部材3Aがパレット本体を構成し、その台座部材3の上面が、物品1を載せる物品載置面5となっている。ここに例示したパレット2の平面形態はほぼ四角形であり、かかるパレット2は、スチールなどの金属板より成るが、木材、或いは硬質の樹脂などの剛性の大なる材料によってパレットを構成することもできる。両脚部4は、パレット本体の互いに平行に位置する2つの辺11,13にそれぞれ沿って配置されている。
台座部材3及び補強部材3Aと、脚部4とを溶接や接着剤などによって固着してもよいが、これらを容易に分解できるように図示していないねじなどによって固定することもできる。また矩形の1枚の平板材の下面に適数の脚部を固定して成るパレットや、その他の形態のパレットを使用することもでき、さらに、平面形態が四角形以外、例えば楕円形又は円形などのパレットを用いることもできる。
またパレット2は、その物品載置面5の側に突設されたピンより成る複数の突部7(図9も参照)を有し、図示した例では、パレット2の物品載置面5の側に四角形を仮想したとき、その四角形の各コーナ部の各パレット部材部分に、1つずつ突部7が突設され、合計で4個の突部7が設けられている。各突部7は、パレット2の四隅にそれぞれ位置し、上述の仮想四角形の内側に物品1が載置される。
パレット2上に載せられた物品1は、必要に応じて、例えば物品1側に突設された図示していないピンと、パレット2に形成され、物品1の側のピンが嵌合する同じく図示していない孔などから成る物品位置決め手段によってパレット2に対して位置決めされ、或いは例えばボルトとナットより成る物品固定手段によってパレット2上に容易に取外せるように固定される。
また、物品運搬保管装置は、図1及び図2に示すように複数の支柱、図示した例では4本の支柱6を有し、各支柱6は、その下部が図3に示す如く、上述のパレット2の各突部7に着脱可能に取付けられる。各支柱6は、金属、樹脂又は木材などによって構成されるが、図示した例では、各支柱6が、図2、図5及び図6に示すように中空な金属製のパイプより成り、パレット2の各突部7に、各支柱6の下部が着脱可能に嵌着される。このとき、これらの支柱6は、図3に示すようにパレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立ち上がった状態で、パレット2上に載置された物品1(図3には示さず)を取り囲んだ状態でパレット2に取付けられる。
上述のように、複数の支柱6は、互いに間隔をあけて、パレット2に載置された物品1を取り囲んだ状態で該パレット2に着脱可能に取付けられる。本例の各支柱6は、パレット2に対して手操作で容易に着脱できるように取付けられ、また手操作で容易にパレット2から取外される。突部7は、複数の支柱6の下部のそれぞれが、直接又は後述するように他の部材を介して取付けられる支柱取付部の一例を構成している。
また本例の物品運搬保管装置は、互いに隣り合う2本の支柱間の間隔を調整可能に、その2本の支柱同士をそれぞれ連結する支柱連結手段を具備し、その支柱連結手段は、各支柱6にそれぞれその長手方向に沿って取付けられた第1及び第2の継手8,9と、互いに隣り合って位置する2本の支柱6をそれぞれ互いに連結する一対の連結部材、すなわち第1及び第2の連結部材14,15とを有している。各第1及び第2の連結部材14,15は、パレット2の各辺、すなわち互いに直交する第1乃至第4の辺10,11,12,13において、それぞれ互いに隣り合って取付けられる2本の支柱6をそれぞれ連結する。また、図3及び図4からも判るように、4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2の継手9は、第1の継手8よりも下方に位置し、同じく4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第1及び第2の連結部材14,15は、それぞれ互いにクロスして位置する。
第1及び第2の継手8,9は、図2、図5及び図6に示すように、例えば、金属、合成樹脂又はゴムなどを成形した筒状体から成り、その各継手に貫通形成された中心孔27,127に各支柱6が嵌合している。また、これらの継手8,9は2個ずつの舌片16,18を有し、その各舌片16,18に第1及び第2の連結部材14,15の長手方向各端部が、それぞれピン17,19を介して回動可能に連結されている。第1及び第2の連結部材14,15は、例えば、木材、硬質樹脂又は金属などの剛体から成り、直線状に延びた棒状ないしは細板状に形成されている。
ここで、上述した4本の支柱6を識別する必要のあるときは、図1及び図2に示すように、これらをそれぞれ第1の支柱6A、第2の支柱6B、第3の支柱6C及び第4の支柱6Dと称し、同様に、その各支柱6A乃至6Dに取付けられた各第1及び第2の継手8,9に、それぞれ8A,9A;8B,9B;8C,9C;8D,9Dの符号を付してこれらを識別する。同じく、第1及び第2の支柱6A,6B、第2及び第3の支柱6B,6C、第3及び第4の支柱6C,6D、第4及び第1の支柱6D,6Aのそれぞれを互いに連結する第1及び第2の連結部材に、14A,15A;14B,15B;14C,15C;14D,15Dの符号をそれぞれ付してこれらを識別する。これは、図9及び図10に関連して後述する実施形態例においても同様とする。
第1及び第2の連結部材14,15は、継手8,9に対し、次のように揺動自在に連結されている。
図1乃至図4から判るように、パレット2の第1の辺10において互いに隣り合って取付けられる第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第1の連結部材14Aは、その上部側の長手方向一端側が一方の支柱である第1の支柱6Aに取付けられた第1の継手8Aに前述のようにピン17を介して回動可能に連結され、かつその下部側の長手方向他端側は、他方の支柱である第2の支柱6Bに取付けられた第2の継手9Bにピン19を介して回動可能に連結されている。また第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第2の連結部材15Aは、その上部側の長手方向一端側が、他方の支柱である第2の支柱6Bに取付けられた第1の継手8Bにピン17を介して回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が一方の支柱である第1の支柱6Aに取付けられた第2の継手9Aにピン19を介して回動可能に連結されている。これらの関係は、パレット2の第1の辺10の隣りの第2の辺11において互いに隣り合って取付けられる第2の支柱6B及び第3の支柱6C間に設けられた第1及び第2の連結部材14B,15B、第2の辺11の隣りの第3の辺12において互いに隣り合って取付けられる第3及び第4の支柱6C,6D間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15C、さらには第3の辺12の隣りの第4の辺13において互いに隣り合って取付けられる第4及び第1の支柱6D,6A間に設けられた第1及び第2の連結部材14D,15Dにおいても全く同様である。
このように、図1乃至図6に示した物品運搬保管装置においては、各第1の連結部材14は、その長手方向一端側が、パレット2の各辺10,11,12,13において互いに隣り合って位置する2本の支柱6のうちの一方の支柱6に取付けられた第1の継手8に回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が、互いに隣り合って位置する2本の支柱6のうちの他方の支柱6に取付けられた第2の継手9に回動可能に連結され、各第2の連結部材15は、その長手方向一端側が、上述の他方の支柱6に取付けられた第1の継手8に回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が、上述の一方の支柱6に取付られた第2の継手9に回動可能に連結されている。このように、各支柱6は、第1及び第2の連結部材14,15を支える支柱としての機能を果す。
また、第1及び第2の連結部材14,15のそれぞれに、上述の如く連結された第1及び第2の継手8,9は、その少なくとも一方が、これらの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に自由に移動できるように移動可能に組付けられている。図示した例では、各第2の継手9が、各支柱6の下部に位置し、図6に示すようにねじ20又は溶接などによって各支柱6にそれぞれ固定され、しかも各第1の継手8は、各支柱6に対してその長手方向に摺動自在に嵌合している。第1の継手8を支柱6に対し固定し、第2の継手9を支柱6に対して摺動自在に嵌合し、或いは第1及び第2の継手8,9を共に支柱6に対して摺動自在に嵌合してもよい。
図1に示したパレット2は、運搬すべき物品1の大きさに対応した各種サイズのものが予め用意されている。物品1を運搬するときは、その物品1の大きさに適したパレット2を選択し、その上面の物品載置面5上に物品1を載せる。このとき、選択したパレット2のサイズに応じて、その突部7の間の間隔D1,D2が異なるが、その間隔D1,D2に合致するように、パレット2に取付ける前の支柱6の間の間隔を次のように自由に調整することができる。
すなわち、パレット2に取付ける前の支柱6のうちの互いに隣り合う2本の支柱6A,6Bと、これらに対向する2本の支柱6C,6Dを図1及び図2に矢印Aで示す如く、互いに離間する向きに押圧すると、各第1の継手8が各支柱6に対して下方に摺動し、第1及び第2の支柱6A,6Bの間の間隔と、第3及び第4の支柱6C,6Dの間の間隔が拡げられる。このとき、同時に第1及び第4の支柱6A,6Dと、第2及び第3の支柱6B,6Cは矢印Bで示すように互いに離間する向きに移動して、これらの支柱間の間隔も拡げられる。
逆に、各支柱6を矢印A,Bと反対の側に加圧すれば、各第1の継手8が支柱6に沿って上方に移動するので、互いに隣り合う支柱間の間隔が狭められる。このように図1及び図2に示した例では、パレット2の各辺10,11,12,13に互いに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その各間隔が互いに連動して調整される。すなわち、2本の支柱同士をそれぞれ連結する前述の支柱連結手段は、互いに隣り合って位置する2本の支柱間の間隔が、全て同じ割合で変化するように、当該間隔を互いに連動して調整するように構成されているのである。
上述のようにして、選択したパレット2の突部7の間の間隔D1,D2に合せて、隣り合う各支柱6の間の間隔を調整した後、物品1の載置されたパレット2の各突部7に各支柱6の下部を嵌着する。その際、各支柱6の下部に固定された各第2の継手9の中心孔127(図6)を各突部7に嵌着することにより、4本の支柱6をパレット2の四隅に着脱可能に取付けるように構成してもよい。このように、複数の支柱6の下部を他の部材を介して、例えば突部7より成るパレットの支柱取付部に取付けるように構成してもよい。またパレットに取付孔を形成し、その各取付孔に各支柱の下部を嵌着することにより、各支柱6をパレット2に着脱可能に取付けてもよい。この場合には、その取付孔が、各支柱6の取付けられる支柱取付部を構成する。
上述のように、互いに隣り合う2つの突部7の間の間隔D1,D2が異なるパレット2を複数用意しておくことによって、そのいずれのパレット2にも、間隔を調整した支柱6を取付けることができる。
また、第1及び第2の連結部材14,15を互いに連結せずにフリー状態にしておいてもよいが、図示した例では、互いに対をなした第1及び第2の連結部材14,15の中間部が、枢ピン21によって、互いに自由に回動できるように連結されており、これによって各支柱6の間の間隔を調整するとき、第1及び第2の連結部材14,15をスムーズに作動させ、各支柱間の間隔調整作業を円滑に行うことができる。これは、後に説明する実施形態例においても同じである。
第1及び第2の継手8,9を共に各支柱6に対してその長手方向に摺動可能に嵌合しても、上述した支柱間の間隔調整作業を行うことができるが、そのいずれか一方の継手、例えば図1に示した例のように第2の継手9を支柱6に対して固定し、他方の継手8を支柱6に対して摺動可能に組付けると、支柱間の間隔調整作業時に第1及び第2の連結部材14,15を円滑に作動させることができ、楽にその作業を行うことが可能となる。
一方、図1、図3及び図4に示すように、物品運搬保管装置は、複数の支柱、図の例では4本の支柱6の上部に着脱可能に取付けられる天板33を有している。この天板33は、金属板、硬質樹脂板又は木製の板などの剛性の大なる材料から構成され、図示した例ではその平面形状が四角形に形成されている。天板33の上面の四隅には、ガイド部材34がそれぞれ固定されているが、これについては後に詳しく説明する。また、この例では各支柱6の上端部23が先細状に形成されている。
天板33の四隅と、その天板33の上面に固定された各ガイド部材34には、これらを貫通する取付孔35が形成されている。また各支柱6の上端部23は、先細状に形成されている。
前述のようにパレット2の物品載置面5上に物品1を載置し、図2に矢印Pで示すように各支柱6の下部をパレット2の突部7にそれぞれ嵌合して4本の支柱6をパレット2に取付けた後、その4本の支柱6の上方から、図1に矢印Cで示すように天板33を下げ、当該天板33とガイド部材34に形成された各取付孔35に、各支柱6の上端部23を嵌合する。このとき、ガイド部材34と天板33の各取付孔35が、各上端部23に摩擦係合し、天板33が図3に示した位置よりも下方に移動することなく、この位置に保持される。各支柱6の上端部23に先細状に形成されたキャップや後述する取付ピンなどを嵌着し、その各キャップや取付ピンを各取付孔35に着脱可能に嵌合してもよい。このように、天板33は、複数の支柱6の上部に直接又は他の部材を介して取付けられる。また本例の天板33は、その各取付孔35が各支柱6の上端部23に嵌合して支柱6に取付けられ、当該取付孔35は、複数の支柱6のそれぞれが直接又は他の部材を介して取付けられる支柱取付部の一例を構成している。
上述のように支柱6をパレット2に組付け、かつその支柱6の上部に天板33を取付けることによって、図3に示す如く組立てられた物品運搬保管装置30を構成できる。このとき、4本の支柱6と、第1及び第2の連結部材14,15と、天板33とによって囲まれた収容空間に、物品載置面5上に載せられた物品1(図3には示さず)が収容され、この状態で、荷役装置、例えばフォークリフトのフォーク36をパレット2の下側に差し込み、当該フォーク36を上昇させることにより物品運搬保管装置30を持ち上げて物品1を運搬できる。また、物品1を搭載したままの物品運搬保管装置30をトラックや船舶又は鉄道車輌に移し、これを輸送することができる。さらに、物品運搬保管装置30に収容した物品1を倉庫などに保管することもできる。このように、物品1を運搬し、又はこれを保管するとき、物品1はその周囲四方と上部とを第1及び第2の連結部材14,15及び天板33によって取り囲まれているので、その物品1を保護することができる。
天板33を上方に持ち上げて、その天板33を4本の支柱6から外し、さらに4本の支柱6をパレット2から取外せば、物品1を容易にパレット2上から下ろすことができる。このようにして物品運搬保管装置を何度も使用することができる。物品を収納して運搬する従来のダンボール箱の場合、そのダンボール箱を輸送先などで廃棄することが多く、これによって多量の廃棄物が発生するが、本例の装置を用いれば、廃棄物をなくし、又はその量を極めて少なくすることができる。
4本の支柱6の上部に天板33を取付けることにより、4本の支柱6の上部を天板33を介して互いに連結することができるので、物品1の運搬ないしは保管中に、支柱6に対して横方向から外力が加えられたときも、その支柱6が大きくふらつくことを防止できる。
また天板33の上に、物品1以外の物品を載置することもできる。その際、図3に破線で示すような小さな物品1Aの場合には、これを天板33の中央部に載置でき、また図3に鎖線で示すような大きな物品1Bの場合には、天板33に固定されたガイド部材34の上にその物品1Bを載置することができる。各ガイド部材34は、図3に示すように各支柱6の上方に位置しているので、大きな物品1Bをこれらのガイド部材34の上に載置したとき、その物品1Bの荷重を4本の支柱6で支えることができ、安定状態で物品1Bを運搬し、又はこれを保管することができる。
上述のように、天板33上に各種物品を載置できるので、或る依頼主の物品1をパレット2上に載置すると共に、他の依頼主の物品を天板33上に載せ、これらを1つのトラックによって輸送することもできる。このような物品の輸送形態は、混載便と称せられているが、天板33を用いることにより、かかる混載便に支障なく対応することができる。
一方、パレット2の物品載置面5とは反対側の裏面の側、本例では図1に脚部4の一部を破断して示すように、パレット2の両脚部4の下部の4個所にパレット孔22が形成されている(図6も参照)。図3に示すようにパレット2に各支柱6を取付けたとき、各パレット孔22の中心が各支柱6の軸線に一致するように、各パレット孔22の位置が定められている。
また、図4に示すように、物品1(図4には示さず)を搭載した物品運搬保管装置を上下に複数個安定した状態で積み重ねることができる。すなわち、物品運搬保管装置30を図3に示すように例えば倉庫内に載置する。一方、図4に示す如く当該物品運搬保管装置30と全く同じく構成された他の物品運搬保管装置30Aのパレット本体の下側に、例えばフォークリフトのフォーク36を差し込み、そのフォーク36を上昇させることによって物品運搬保管装置30Aと共に物品を持ち上げ、その物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上部に載置する。このとき、図3に示すように下側の物品運搬保管装置30の4本の支柱6の上端部23は、天板33と各ガイド部材34に形成された取付孔35から上方に突出しているが、その突出した上端部23を、上側の物品運搬保管装置30Aのパレットに形成されたパレット孔22(図1,図5)にそれぞれ嵌合する。このようにして複数の物品運搬保管装置30,30Aを互いに上下に積み重ねることができ、倉庫内のスペースを有効に利用して、物品1を保管しておくことができる。また、複数の物品運搬保管装置を上下に重ねた状態で、これらを一緒に運搬することもできる。
図4に示すように、フォークリフトのフォーク36を、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2の下側に差し込み、又は抜き出すとき、そのパレット2の下方には、下側の物品運搬保管装置30の天板33が位置しているので、フォーク36が下側の物品運搬保管装置30のパレット2上に載置された物品1(図1)に当たることを阻止できる。このように天板33は、物品運搬保管装置に載置された物品1を、フォーク36などの荷役装置から保護する働きもなす。
また、物品運搬保管装置の非使用時には、4本の支柱6から天板33を外すと共に、パレット2から4本の支柱6を抜き取り、その各支柱6を互いに接近する向きに近づけると、第1及び第2の連結部材14,15が畳まれ、これらの全体を図7に示すようにコンパクトに折り畳むことができ、これを極めて小さなスペースに格納することができる。このように、複数の支柱6と、前述の支柱連結手段を構成する連結部材14,15及び継手8,9は、その複数の支柱6をパレット2から外した状態で折り畳み可能な支柱ユニット32を構成している。
上述のように、図1乃至図7に示した物品運搬保管装置によれば、運搬し、又は保管すべき物品1の大きさや形態が異なっているときも、これに応じたパレット2を選択し、その突部7の間隔D1,D2に対応させて支柱6の間隔を調整することにより、その物品を容易に運搬し、ないしは保管することができる。
後述するように、パレットの互いに隣り合う2つの突部7の間の間隔をそれぞれ調整できるように、パレットの外形輪郭の形態を伸縮できるように構成し、形態を調整したパレットの各突部7に各支柱6の各部が取付けられるように構成することもできる。この場合には、各支柱6の下部をパレット2に通常の状態では取外せないように固定してもよく、このようにしても支柱の上部から天板33を取外すことによって、支柱6の上方からパレット2上に物品1を載せ、又はこれを上方に持ち上げて、当該物品1をパレットから下ろすことできる。これは、後述する実施形態例の物品運搬保管装置においても同様である。
同様に後述するように、天板33の外形輪郭の形態を、支柱間の間隔に合せて伸縮できるように構成することもできる。その際、支柱6をパレットに対して着脱自在に取付けるように構成したときは、その支柱6をパレット2から取外すことにより、パレット上に物品を載せ、又は下ろすことができるので、天板33を、通常の状態では取外せないように、当該天板33を各支柱6に固定することもできる。これも、後述する実施形態例の物品運搬保管装置においても同じである。
また、上述した物品運搬保管装置の支柱連結手段は、互いに隣り合う2本の支柱6Aと6B、6Bと6C、6Cと6D、6Dと6Aをそれぞれ連結する第1及び第2連結部材14,15が、その全てが2本の支柱の間の間隔を調整できるように、当該2本の支柱をそれぞれ連結しているが、互いに隣り合う2本の支柱の間隔と、この支柱に対向し、かつ互いに隣り合う2本の支柱の間隔だけを調整できるように支柱連結手段を構成することもできる。
例えば、図1及び図2に示した第1及び第2の支柱6A,6Bの間に設けられた第1及び第2の連結部材14A,15Aと、第3及び第4の支柱6C,6Dの間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15Cを省き、図8に示すように、第1及び第2の支柱6A,6Bに取付けられた第1の継手8A,8Bを連結棒45Aを介して強固に固定し、かつ第2の継手9A,9B同士も連結棒45Bで強固に固定すると共に、これらの支柱6A,6Bに対向する2本の支柱6D,6Cに取付けられた第1の継手8D,8Cを連結棒45Cで強固に固定し、かつ第2の継手9D,9Cを他の連結棒45Dによって強固に固定する。連結棒45A,45Bと、第1及び第2の継手8A,8B;9A,9Bは、第1及び第2の支柱6A,6Bを、その間の間隔を調整できないように連結する支柱連結手段の要素を構成し、連結棒45C,45Dと、第1及び第2の継手8C,8D;9C,9Dは、第3及び第4の支柱6C,6Dを、その間の間隔を調整できないように連結する支柱連結手段の要素を構成する。これらの構成要素と、第1及び第2の連結部材14B,15B,14D,15Dとによって支柱連結手段が構成される。このように構成しても、第2及び第3の支柱6B,6Cの間の間隔と、第1及び第4の支柱6A,6Dの間の間隔を調整でき、各種サイズ又は形態の物品1を搬送し、又はこれを保管することができる。
物品運搬保管装置の支柱ユニット32を図8に示したように構成した場合には、第1及び第2の支柱6A,6Bの間と、第3及び第4の支柱6C,6Dの間に、図示していないパネルを設け、これらのパネルによって、物品運搬保管装置に搭載された物品1をより一層確実に保護することができる。
図8に示した例では、互いに固定連結された第1及び第2の支柱6A,6Bと、同じく互いに固定連結された第3及び第4の支柱6C,6Dを互いに接近させることにより、支柱ユニット132を折り畳むことができる。
上述した各例から理解されるように、物品運搬保管装置は、物品が載置されるパレットと、該パレット上に載置された物品を取り囲むことができるように、互いに間隔をあけて前記パレットに取付けられた複数の支柱と、互いに隣り合う2本の支柱の間の間隔と該2本の支柱に対向し、かつ互いに隣り合う他の2本の支柱の間の間隔の少なくとも2つの間隔を調整可能に、互いに隣り合う2本の支柱同士をそれぞれ連結する支柱連結手段と、複数の支柱の上部に直接又は他の部材を介して取付けられた天板とを具備している。かかる基本構成は、後述する物品運搬保管装置においても変りはない。
また支柱連結手段は、互いに隣り合う2本の支柱6を連結する互いにクロスした第1及び第2の連結部材14,15と、該2本の支柱6に対向し、かつ互いに隣り合う2本の支柱6を連結する互いにクロスした第1及び第2の連結部材14,15とを有し、各第1及び第2の連結部材14,15の上部側の長手方向一端側と下部側の長手方向他端側は、互いに隣り合う各支柱6に対してそれぞれ回動可能に連結され、第1及び第2の連結部材14,15の長手方向一端側と長手方向他端側の少なくとも一方は、これらがそれぞれ連結された支柱6に対して、当該支柱6の長手方向に移動可能に連結されている。
図9及び図10は、物品運搬保管装置の他の例を示す斜視図である。ここに示した物品運搬保管装置の基本構成は、前述の物品運搬保管装置と変りはなく、本例の物品運搬保管装置も、図1に示したパレットと全く同じく構成されたパレット2と、そのパレット2上に載置されている物品1(図11)を取り囲んだ状態で該パレットに着脱可能に取付けられる複数の支柱6と、互いに隣り合う2本の支柱6同士を連結する支柱連結手段とを具備している。すなわち、パレット2の四隅に、当該パレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立上った状態で、該パレット2に着脱可能に取付けられる第1乃至第4の4本の支柱6A,6B,6C,6Dを有していて、図10に矢印Pで示すように、中空パイプより成る各支柱6の下部を、物品を載置したパレット2の四隅に突設されている各突部7に嵌合することによって、各支柱6を手操作で容易にパレット2に取付け、又は取外すことができる。また、この例の物品運搬保管装置も、複数の支柱6の上部に直接又は他の部材を介して取付けられる天板33(図11)を有しているが、図9及び図10には天板は図示されていない。
この天板33も、図1及び図3に示した物品運搬保管装置の天板と実質的に異なるところはなく、図11に示すように、その上面の四隅にガイド部材34が固定され、天板33と、その四隅に固定されたガイド部材34を貫通して取付孔35が形成されている。
図9及び図10に示した例では、互いに隣り合う2本の支柱間の間隔を調整可能に、当該2本の支柱6同士をそれぞれ連結する支柱連結手段が、第1及び第2の連結部材14,15と、第1及び第2の継手8,9のほかに、第3の継手26を有していて、第1及び第2の連結部材14,15がその中間部においてピン21によって互いに回動可能に連結されている点は先の例と変りはない。第3の継手26についても、その個々の継手に対して符号26A,26B,26C,26Dを付して、そのそれぞれを識別する。
図10から判るように、各支柱6は、第1乃至第3の継手8,9,26に形成された孔27,127,127Aに嵌合している。かかる4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2及び第3の継手9,26は、第1の継手8よりも下方に位置し、かつ第2の継手9は第3の継手26よりも下方に位置していて、第1乃至第4の支柱6A乃至6Dがパレット2(図11)に取付けられた状態で、各一対の連結部材、すなわち各第1及び第2の連結部材14,15は、それぞれ互いにクロスした状態で位置する。各第1の継手8は2個の舌片16A,16Aを有し、第2の継手9と第3の継手26は、それぞれ1個ずつの舌片18A,18Bを有している。
各第1及び第2の連結部材14,15の長手方向各端部は、ピンを介して各継手の舌片に次のように揺動自在に連結されている。
第1乃至第4の支柱6A乃至6Dがパレット2に取付けられた状態で、パレット2の第1の辺10において互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第1及び第2の連結部材14A,15Aの各長手方向一端側が、第1及び第2の支柱6A,6Bにそれぞれ取付けられた第1の継手8A,8Bの1つの舌片16Aにピンを介してそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第2及び第1の支柱6B,6Aにそれぞれ取付けられた第2の継手9B,9Aの舌片18Aにピンを介してそれぞれ回動可能に連結されている。
同様に、パレット2の第1の辺10の隣りの第2の辺11において互いに隣り合って位置する第2及び第3の支柱6B,6C間に設けられた第1及び第2の連結部材14B,15Bの各長手方向一端側が、第2及び第3の支柱6B,6Cにそれぞれ取付けられた第1の継手8B,8Cの1つの舌片16Aにピンを介してそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第3及び第2の支柱6C,6Bにそれぞれ取付けられた第3の継手26C,26Bの舌片18Bにピンを介してそれぞれ回動可能に連結されている。
さらに、パレット2の第2の辺11の隣りの第3の辺12において互いに隣り合って位置する第3及び第4の支柱6C,6D間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15Cの各長手方向一端側が、第3及び第4の支柱6C,6Dにそれぞれ取付けられた第1の継手8C,8Dの1つの舌片16Aにピンを介してそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第4及び第3の支柱6D,6Cにそれぞれ取付けられた第2の継手9D,9Cの舌片18Aにピンを介してそれぞれ回動可能に連結されている。
また、パレット2の第3の辺12の隣りの第4の辺13において互いに隣り合って位置する第4及び第1の支柱6D,6A間に設けられた第1及び第2の連結部材14D,15Dの各長手方向一端側が、第4及び第1の支柱6D,6Aにそれぞれ取付けられた第1の継手8D,8Aの1つの舌片16Aにピンを介してそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第1及び第4の支柱6A,6Dにそれぞれ取付けられた第3の継手26A,26Dの舌片18Bにピンを介してそれぞれ回動可能に連結されている。
上述のように、互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材と、その第1及び第2の支柱に対向して位置する第3及び第4の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材の各長手方向一端側が、第1及び第2の支柱と第3及び第4の支柱にそれぞれ取付けられた第1の継手にそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第1及び第2の支柱と第3及び第4の支柱にそれぞれ取付けられた第2の継手にそれぞれ回動可能に連結され、また互いに隣り合って位置する第2及び第3の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材と、その第2及び第3の支柱に対向して位置する第4及び第1の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材の各長手方向一端側が、第2及び第3の支柱と第4及び第1の支柱にそれぞれ取付けられた第1の継手にそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第2及び第3の支柱と第4及び第1の支柱にそれぞれ取付けられた第3の継手にそれぞれ回動可能に連結されている。
上述の第1乃至第3の継手8,9,26は、その全てが、これらの取付けられた支柱6に対して、その長手方向に摺動可能であっても、またこれらの継手8,9,26のいずれか1つが支柱6に対して固定され、他の2つが支柱6に対してその長手方向に摺動可能であってもよいが、図9乃至図11に示した例では、第1乃至第3の継手8,9,26のうちの第1の継手8は、これらがそれぞれ取付けられた各支柱6に対して固定され、第2及び第3の継手9,26は、これらの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に自由に移動できるように、摺動可能に組付けられている。各支柱6の上部に位置する各第1の継手8が各支柱6に、例えば圧入又はねじ、或いは溶接などによって固定されている。
図9に示した物品運搬保管装置によって物品を運搬し又は保管するときも、その物品の大きさに合ったパレット2を選択し、図17に示すように、そのパレット2の上に物品1を載置し、その物品1をパレット2に対して位置決めし、ないしは取外し可能に固定する。一方、パレット2の突部7の間の間隔D1,D2(図9)に合うように、パレット2に取付ける前の各支柱6の間の間隔を次のように調整する。
すなわち、パレット2の第1の辺10と、これに対向する第3の辺12のそれぞれに互いに隣り合って取付けられる第1及び第2の2本の支柱6A,6Bと、第3及び第4の2本の支柱6C,6Dを図9及び図10に矢印Aで示す方向、又はこれと逆の方向に押圧する。すると、これらの支柱に取付けられた第2の継手9が各支柱6に沿って上方又は下方に摺動する。これによって、第1及び第2の2本の支柱6A,6Bの間の間隔と、他の第3及び第4の2本の支柱6C,6Dの間の間隔が同じ割合で変化する。その際、この例では、支柱6A,6B;6C,6Dの間隔を調整しただけでは、第2の支柱6Bと第3の支柱6Cの間隔、及び第4の支柱6Dと第1の支柱6Aの間隔は変化しない。
これらの間隔を調整するときは、第2及び第3の支柱6B,6Cと、第4及び第1の支柱6D,6Aを図9及び図10に矢印Bで示す方向、又はこれと逆の方向に押圧する。これによって、各支柱に嵌合した第3の継手26がその各支柱6に沿って上下又は下方に移動し、第2及び第3の支柱6B,6Cの間の間隔と、第4及び第1の支柱6D,6Aの間の間隔が同じ割合で変化する。
上述のように、図9及び図10に示す物品運搬保管装置においては、パレット2の一辺と、これに対向する一辺のそれぞれに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その間隔が互いに連動して調整され、しかもパレット2の互いに対向する他の2辺のそれぞれに互いに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その間隔が互いに連動して調整される。すなわち、2本の支柱同士を連結する支柱連結手段は、互いに隣り合って位置する2本の支柱6間の間隔と、その2本の支柱6に対向し、かつ互いに隣り合って位置する他の2本の支柱6間の間隔とが同じ割合で変化するように、当該間隔を互いに連動して調整するように構成されている。これにより、各支柱間の間隔の調整を、図1に示した物品運搬保管装置の場合よりも一層自由に調整することができる。間隔を調整した支柱6を、物品1が載せられたパレット2に、前述のようにして取付ける。
このように間隔が調整される支柱6を取付けることのできる突部7の間の間隔D1,D2を有するパレット2を予め用意しておき、その1つを選択するか、又は後述するように間隔D1,D2を調整できるパレット2を用意しておくことにより、そのパレット2の突部7間の間隔D1,D2に合せて、支柱6を取付けることができる。
パレット2に4本の支柱を取付けた後、その上方から図9及び図10に矢印Cで示すように天板33を下げ、図11及び図12に示すように、その各取付孔35に、各支柱6の上端部23を嵌合して複数の支柱6の上部に天板33を着脱可能に取付ける。この例では、各第2の継手8よりも上方に突出した各支柱6の上端部23を、直に、天板33とガイド部材34に形成された取付孔35に嵌合し、天板33を4つの第1の継手8の上面に載置して天板33を支えるように構成されているが、図1に示した物品運搬保管装置に関連して先に説明したように、各支柱6の上端部23を取付孔35に摩擦係合し、或いはその上端部23に、図示していないキャップを嵌着し、そのキャップを天板33とガイド部材34の各取付孔35に嵌合してもよい。或いは、各第1の継手8の上部に、図10に示した支柱6の上端部23と同じ様な形態のピンを固定し、その各ピンを各取付孔35に嵌合してもよい。このように、天板33は、複数の支柱6の上部に直接又は他の部材を介して着脱可能に取付けられるのである。
上述のようにして、図11に示す如く、先の例の物品運搬保管装置と同様の機能を備えた物品運搬保管装置30を構成でき、その天板33の上に、図11に破線又は鎖線で示した物品1A,1Bを載置できることも先の例と変りはない。そして、パレット2の物品載置面5上に載せた物品1を運搬し、又はこれを保管することができ、また物品運搬保管装置を図13に示すように上下に積み重ねることができる。この場合も、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2の物品載置面5とは反対側の裏面の側に形成された4個のパレット孔22(図9)のそれぞれに、下側の物品運搬保管装置30の天板33とガイド部材34の取付孔35から上方に突出した各支柱6の上端部23を嵌合する。このようにして、物品運搬保管装置30,30Aを上下に積み重ね、物品1を小さなスペースに保管し、又は運搬することができる。また上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2と下側の物品運搬保管装置30の天板33の間の空間にフォークリフトのフォーク(図3参照)を挿入して、上側の物品運搬保管装置30Aを下に下ろすことができる。さらに、天板33を支柱6から外し、かつパレット2から4本の支柱6を取外すことにより、パレット2上の物品1を楽に床面などに下ろすことができる。
また、図9乃至図11に示した物品運搬保管装置の場合も、手操作で天板33を各支柱6から取外し、しかも支柱6をパレット2から抜き出せば、その支柱6と第1及び第2の連結部材14,15を図14に示すようにコンパクトに折り畳むことができる。すなわち、この例の物品運搬保管装置においても、複数の支柱6と、前述の支柱連結手段を構成する継手8,9,23及び連結部材14,15とが、その支柱6をパレット2から外した状態で折り畳み自在な支柱ユニット32Aを構成している。
支柱ユニット32Aを折り畳むときは、図15に鎖線で示すように、支柱6を手で掴み、支柱6を近づけて図16に示すようにその支柱ユニット32Aを折り畳むことができる。これは、図1に示した支柱ユニット32においても同様である。
また図9は、パレット2の上に物品1を載せ、その物品1をパレット2に位置決めし、又は着脱可能に固定し、次いで支柱ユニット32Aをパレット2の上方から下げて各支柱6の下部をパレット2の各突部7に嵌合して、その支柱ユニット32Aをパレット2に取付け、又はその支柱ユニット32Aを上方に持ち上げてパレット2から外すときの様子を示しており、図1乃至図6に示した第1の形態の物品運搬保管装置も、この方法で支柱ユニット32をパレット2に着脱することができる。
一方、図17は図9に示した支柱ユニット32Aの第3の継手26を上方にスライドさせ、第1及び第2の連結部材14B,15Bと、これに対向する第1及び第2の連結部材14D,15Dを上方に持ち上げ、第2の継手9を下方にスライドさせて他の第1及び第2の連結部材14A,15Aと14C,15Cのそれぞれを折り畳み、その支柱ユニット32Aを水平方向に移動させ、該支柱ユニット32Aをパレット2に取付け、又は取外す使用方法を示している。この方法によると、支柱ユニット32Aを上下に動かす必要がないため、その作業を大変楽に行うことができ、しかも支柱6を物品1から大きく離して、その支柱ユニット32Aを水平方向に移動させるので、支柱6や第1及び第2の連結部材14,15を物品に接触させずに、パレット2に対する支柱ユニット32Aの取付けと取外しを行うことができ、物品1に傷を付けることなく作業を遂行することができる。
図9及び図10に関連して説明した上述の支柱連結手段を、図9及び図10の状態から上下逆転させて支柱連結手段を構成することもできる。例えば、図10に示した各支柱6の上端部23を下側にし、これらの端部をパレット2の突部7にそれぞれ嵌合するのである。図10に示した例では、4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2及び第3の継手9,26は、第1の継手8よりも下方に位置するが、支柱6の上下を逆転させて、その支柱6をパレット2に取付けると、その取付け状態で、第1の継手8は、第2及び第3の継手9,26よりも下方に位置する。この場合も、全ての継手8,9,26を支柱6に対してその長手方向に摺動自在に組み付け、又はいずれか1つの継手を支柱6に固定することもできるが、一番下方の各第1の継手8を各支柱6に固定し、各第2及び第3の継手9,26を各支柱6に対して、その長手方向に移動可能に組み付けることが有利である。かかる構成によっても、図9及び図10に関連して先に説明した構成と同様の作用を奏することができる。
ところで、以上説明したいずれの形態の物品運搬保管装置においても、下側の物品運搬保管装置の上に、上方から上側の物品運搬保管装置を下ろして載置し、複数の物品運搬保管装置を上下に積み重ねるとき、上側の物品運搬保管装置を下側の物品運搬保管装置に対して、容易かつ正しく位置決めして載置できるようにすることが望ましい。
そこで、上述した物品運搬保管装置においては、その天板33の上面に、前述のガイド部材34が固定されている。図1乃至図8に示した第1の形態の物品運搬保管装置に設けられたガイド部材34と、図9乃至図17に示した物品運搬保管装置のガイド部材34は、その構成と作用に実質的な相違はないので、以下に、これらをまとめて説明する。
図3及び図11に示した物品運搬保管装置30の天板33の上面の四隅にそれぞれ固定された4つのガイド部材34を識別する必要のあるときは、これらをそれぞれ第1のガイド部材34A、第2のガイド部材34B、第3のガイド部材34C及び第4のガイド部材34Dと称することにする。これらの図に示すように、第1及び第2のガイド部材34A,34Bは、それぞれ、金属板又は硬質樹脂板などの高剛性の板材から構成され、かつ平坦に形成された基部28と、その基部28に一体に形成されて上方に突出する突起部29とを有している。これらのガイド部材34A,34Bの各基部28が例えば溶接又はねじなどの固着手段によって天板33の上面の各コーナ部に固定され、かつその各基部28に、前述の取付孔35が形成されている。また各突起部29は、天板33の上面に対してほぼ垂直に立上った垂直部37と、その頂部から各基部28に向けて傾斜して延びる傾斜部とから成り、その傾斜部の外側面により傾斜面38が形成されている。
互いに離間して位置する第1及び第2のガイド部材34A,34Bは互いに対称に配置され、その両垂直部37,37が互いに対向し、その両傾斜面38,38は、互いにハの字状に配置されていて、両傾斜面38,38間の間隔が、垂直部37,37の頂部からその下部に行くに従って漸次拡大するように傾斜している。
第3及び第4のガイド部材34C,34Dも、図3及び図11から明らかなように、上述の第1及び第2のガイド部材34A,34Bと同じく構成され、かつ同じ位置関係をもって天板33の上面のコーナ部に固定されている。第1及び第4のガイド部材34A,34Dの傾斜面38,38はほぼ同一平面上に位置し、同様に第2及び第3のガイド部材34B,34Cのガイド面38,38はほぼ同一平面上に位置している。
図18及び図19は、下側の物品運搬保管装置30の上方から、上側の物品運搬保管装置30Aをフォークリフトで持ち上げて下降させながら、その上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上部に載置するときの説明図である。図18に示すように、上側の物品運搬保管装置30Aを下げて行くとき、その物品運搬保管装置30Aと下側の物品運搬保管装置30の位置が整合しておらず、上側の物品運搬保管装置30Aの位置が下側の物品運搬保管装置30に対して、水平方向H1に多少ずれていても、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2を構成する一方の脚部4の内側角部39が、互いに対向したガイド部材34A,34D(又は34B,34C)の傾斜面38に当り、その傾斜面38によって案内される。これにより、上側の物品運搬保管装置30Aは、その水平方向H1の位置を修正されながら下降し、最終的に上側の物品運搬保管装置30Aの各脚部4が、図19に示したようにガイド部材34の基部28の上面上に載置されて位置決めされる(図13も参照)。このとき、各ガイド部材34の基部28から上方に突出した各支柱6の上端部23が、上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4に形成された各パレット孔22に嵌合する。
上述のように、ガイド部材34の傾斜面38は、上側の物品運搬保管装置30Aを、その一方の水平方向H1、すなわち図4及び図13における上側の物品運搬保管装置30Aの左右方向に案内する案内面としての用をなす。
ここで、物品運搬保管装置の脚部4に形成されたパレット孔22は、図1、図6及び図9に示したように、上述の一方の水平方向H1に長くなった長孔より成る。パレット孔22が支柱6の上端部23とほぼ同径の円形孔より成ると、上側の物品運搬保管装置30Aを下降させてそのパレット孔22に支柱6の上端部23を正しく嵌合させることが難しくなることがあるが、パレット孔22を上述の如き長孔に形成しておけば、上側の物品運搬保管装置30Aは、ガイド部材34によって、下側の物品運搬保管装置30に対して一方の水平方向H1に案内されながら自動的に位置決めされるので、その各パレット孔22と各支柱6の上端部23を容易に嵌合させることができる。また、長孔より成るパレット孔22と、支柱6の上端部23が嵌合することにより、上側の物品運搬保管装置30Aを、下側の物品運搬保管装置30に対して、上記一方の水平方向H1に直交する他方の水平方向H2(図6及び図13)に位置決めすることができる。
図22は、図11に示した物品運搬保管装置30の第1乃至第4のガイド部材34A,34B,34C,34Dの改変例を示す斜視図であり、図23はその第2のガイド部材34Bの拡大斜視図である。ここに示した各ガイド部材34は、図3及び図11に示した各ガイド部材34に、その基部28に固定されたガイド片40が追加されている点だけが、図3及び図11に示したガイド部材と相違している。そして、図22に示すように、第2及び第3のガイド部材34B,34Cのガイド片40,40は互いに対向し、その対向した面が傾斜面41として形成されている。両ガイド部材34B,34Cの互いに対向した傾斜面41,41間の間隔は、その各ガイド片40の頂部からその下端の基部28に行くに従って、漸次拡大するように、各傾斜面41,41が傾斜している。
図22に示した第1及び第4のガイド部材34A,34Dも、第2及び第3のガイド部材34B,34Cと同じく構成され、かつ同じ位置関係をもって配置されている。そして、第1及び第2のガイド部材34A,34Bの傾斜面41,41はほぼ同一平面上に位置し、かつ第3及び第4のガイド部材34C,34Dの傾斜面41,41がほぼ同一平面上に位置している。
また、この例では図23に示すように、各第1の継手8が固定された各支柱6の各上端部が第1の継手8から上方に突出しておらず、各第1の継手8の上に天板33の隅部が載置され、しかもその天板33の下方に垂下する周縁フランジ部42が各継手8に側面に当接した状態で天板33が各支柱6の上部に取付けられている(図12も参照)。また図22及び図23に示すように、パレット2の各脚部4の長手方向各端部には、ガイド片40に整合できる切欠43がそれぞれ形成されている。また、パレット2の脚部4には、先の例と同じくパレット孔(図22,図23には示さず)が形成されているが、そのパレット孔は、先の例のパレット孔よりも大きく形成されている。図22に示した物品運搬保管装置の他の構成は、図9乃至図19に示した物品運搬保管装置と変りはない。
図23に示すように、下側の物品運搬保管装置30の上方から上側の物品運搬保管装置30Aを下降させて、その上側の物品運搬保管装置30Aを図24に示すように下側の物品運搬保管装置30上に載置するとき、図22及び図23に示した各ガイド部材34A乃至34Dの傾斜面38によって、上側の物品運搬保管装置30Aが一方の水平方向H1に案内されながら位置決めされることは、図18及び図19に示した場合と変りはない。
図22乃至図24に示した例では、そのほか、下降する上側の物品運搬保管装置30Aの位置が、下側の物品運搬保管装置30に対して、一方の水平方向H1と直交する他方の水平方向H2(図23)にずれているときも、上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4の長手方向端部が、各ガイド片40の傾斜面41より構成されたガイド面に案内され、最終的に、図24に示すように、上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4が各基部28(図22)上に載り、このときその脚部4の各切欠43が各ガイド片40に係合して、上側の物品運搬保管装置30Aが下側の物品運搬保管装置30に対して位置決めされる。
上述のように、この例においては、上側の物品運搬保管装置30Aを、一方の水平方向H1のほかに、これに直交する他方の水平方向H2にも案内しながら、下側の物品運搬保管装置30の上部に正しく位置決めすることができ、より一層容易に上側の物品運搬保管装置30Aの案内と位置決めを行うことができる。このとき、この例では、下側の物品運搬保管装置30の各支柱6の上端部が上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4に形成されたパレット孔に嵌合することはなく、専ら、ガイド部材34だけで上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30に対して位置決めすることができる。パレット孔22に支柱6の上部を嵌合して、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30に対して位置決めするように構成すると、支柱6をパレット孔22に正しく嵌合させる作業が面倒なものとなるが、本例の物品運搬保管装置によれば容易に上側の物品運搬保管装置30Aの位置決めをなすことができる。
図22乃至図24に示したガイド部材34と、これに関連した上記各構成は、図1乃至図8に示した物品運搬保管装置にも適用することができる。
図26乃至図28は、さらに他の形態の物品運搬保管装置30を示し、ここに示した物品運搬保管装置30の基本構成は、先に説明した各物品運搬保管装置と変りはない。すなわち、物品1が載置されたパレット2の上面四隅に突部7がそれぞれ突設され、4本の支柱6の各下部が各突部7に着脱可能に取付けられ、しかも各支柱6の上部に天板33に着脱可能に取付けられ、図28に示した物品運搬保管装置30が構成される。各支柱6は、パレット2上に載置された物品1を取り囲むことができるように、互いに間隔をあけてパレット2に取付けられる。各支柱6の間に設けられた第1及び第2の連結部材14,15と継手の作用により調整されるが、その具体的構成については後に詳しく説明する。
また、図26乃至図28に示した物品運搬保管装置においては、各支柱6の上部に取付ピン50がそれぞれ固定され、その各取付ピン50に天板33の四隅にそれぞれ形成された取付孔35が嵌合して、天板33が支柱6の上部に取付けられる。
また、図26乃至図28に示した物品運搬保管装置のパレット2も、物品1が載置されるパレット本体2Aと、このパレット本体2Aから下方に突出し、かつ互いに離間してほぼ平行に延びる一対の脚部4を有しているが、そのほか、同じくパレット本体2Aから下方に突出し、かつ互いに離間してほぼ平行に延びる一対の垂下部104を有している。各垂下部104は脚部4に対してほぼ直交する方向に延びると共に、各脚部4との間に荷役装置、例えばフォークリフトのフォークを挿入できる空間(隙間)Sが形成されるように、各脚部4から離間して位置している。この例では、パレット2を水平面上に載置したとき、各垂下部104の下面も水平面に当接し、当該垂下部104が脚部としての働きをなす。
天板33の上面中央部51は平坦に形成され、その周辺の周辺部52は中央部51よりも低くなっていて、中央部51と周辺部52の間の互いに平行な2つの辺部と、他の2つの辺部の一部が、中央部51から周辺部52に向けて漸次高さが低くなった傾斜面138,141として形成されている。
ここで、図28に示すように、上述した物品運搬保管装置30を例えば床面上に載置し、これと同じく構成された物品運搬保管装置30Aを、例えばフォークリフトで持ち上げて、これを上方から下降させながら下側の物品運搬保管装置30上に載せるとき、その上側の物品運搬保管装置30Aが下側の物品運搬保管装置30に対して水平方向H1に多少ずれていても、上側の物品運搬保管装置30Aのいずれか一方の脚部4の内側角部139がいずれかの傾斜面138に当り、その傾斜面138によって案内される。これにより上側の物品運搬保管装置30Aは、その水平方向H1の位置を修正され、最終的に上側の物品運搬保管装置30Aの各脚部4が下側の物品運搬保管装置30における天板33の平坦な周辺部52上に載り、水平方向H1に位置決めされる。
上述のように、傾斜面138は、上側の物品運搬保管装置30Aを、その一方の水平方向H1に案内するガイド面としての用をなす。
また、上述のように上側の物品運搬保管装置30Aを下降させて下側の物品運搬保管装置30の上に載せるとき、上側の物品運搬保管装置30Aが下側の物品運搬保管装置30に対して、一方の水平方向H1に対して直交する他方の水平方向H2にずれているときも、上側の物品運搬保管装置30Aの各垂下部104の内側角部139Aが傾斜面141に当って、上側の物品運搬保管装置30Aが案内され、最終的に、各垂下部104の下面が周辺部52上に載り、上側の物品運搬保管装置30Aが下側の物品運搬保管装置30に対して位置決めされる。このようの傾斜面141もガイド面としての用をなす。
上述のように、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上方から下降させながら下側の物品運搬保管装置30の上部に載置するとき、上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4と垂下部104が、下側の物品運搬保管装置30の傾斜面138,141にそれぞれ案内されるのである。
上の例では、上側の物品運搬保管装置30Aを一方の水平方向H1のほかに、これに直交する他方の水平方向H2にも案内しながら下側の物品運搬保管装置30の上部に正しく位置決めして載せることができるが、一方の傾斜面138又は141のみを設け、いずれかの水平方向にのみ、上側の物品運搬保管装置30Aを案内するように構成することもできる。
また、この例の物品運搬保管装置のパレット2にも、その底部にパレット孔22(図28)が形成され、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上部に載置したとき、下側の物品運搬保管装置30の天板33に形成された取付孔35から上方に突出した取付ピン50の上部が、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット孔22に嵌合するが、そのパレット孔22を取付ピン50よりも大幅に大きく形成し、このパレット孔22と取付ピン50とによって上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30に対して位置決めするのではなく、専ら、傾斜面138,141だけで、位置決めするように構成すると、容易に上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30に正しく位置決めすることができる。
上述のように、図1乃至図19及び図22乃至図24、並びに図26乃至図28に示した運搬保管装置のガイド部材34と、天板33に形成された傾斜面138,141は、複数の物品運搬保管装置を上下に重ねるとき、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30に対する所定の載置位置へ向けて案内するガイド手段を構成している。また、これらのガイド手段は、前述のように、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上部に載置したとき、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30に対して位置決めする装置位置決め手段を兼用している。これにより、ガイド手段と装置位置決め手段を別々に設ける必要がなくなり、物品運搬保管装置の構成を簡素化することができる。
また、これらのガイド手段は、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上方から下降させながら、下側の物品運搬保管装置30の上部に載置するとき、上側の物品運搬保管装置30Aを一方の水平方向H1に案内するガイド面を有しており、また図22乃至図24及び図26乃至図28に示した例のガイド手段は、上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上方から下降させながら、下側の物品運搬保管装置30の上部に載置するとき、上述の一方の水平方向H1に直交する他方の水平方向H2に当該上側の物品運搬保管装置30Aを案内するガイド面も有している。そして、これらのガイド面は、上側の物品運搬保管装置30Aのパレットを案内する傾斜面38,41,138,141として構成され、これによって、簡単にガイド面を構成することができる。
図3、図11及び図22に示したガイド手段は、天板33に固定された天板とは別部材のガイド部材34によって構成されているので、天板33のほかにガイド部材34を製作し、これを天板33に固着する必要があり、このためその全体のコストが上昇するおそれがある。これに対し、図26乃至図28に示した例では上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2を案内する傾斜面138,141として構成されたガイド面が天板33自体に形成されているので、その全体の製造コストを低減することができる。特に、再生ポリプロピレンと古紙を混入した材料をプレス成形して天板33を製造すると、薄肉で軽量の天板33を低コストで得ることができる。
また図22に示したガイド部材34は、ガイド片40を有しているので、作業者がフォークリフト(図3)で上側の物品運搬保管装置30Aを持ち上げて、その上側の物品運搬保管装置30Aを下側の物品運搬保管装置30の上方から下降させ、上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4を傾斜面38,41に合せようとしたとき、ガイド片40が邪魔となって、傾斜面38,41を目視しずらくなり、その作業性が低下するおそれがあるが、図26乃至図28に示した例では、天板33の上方に突出するガイド部材がないため、作業者は容易に傾斜面138,141を目視で確認しながら、楽に上側の物品運搬保管装置30Aの脚部4と垂下部104を各傾斜面138,141に合せることができ、その作業性を高めることができる。
さらに、図26乃至図28に示した天板33は、その上面にガイド部材がなく、大きな面積の中央部51を確保できるので、ここに物品を安定状態で載せておくことが可能である。
また、図26乃至図28に示したパレット2は、両脚部4のほかに垂下部104が設けられているが、その各垂下部104と、両脚部4との間に空間Sがあるため、支障なく、この空間Sにフォークリフトのフォークを差し込み、物品運搬保管装置を上方に持ち上げることができる。さらに、このような垂下部104を形成すると、パレット2をローラコンベア上で搬送するとき、その搬送性を高めることもできる。
例えば、図29に示すように、脚部4はあるが、垂下部のないパレット2を、多数のローラ53を有するローラコンベア上に載せて矢印方向に搬送し、このときそのパレット2上で複写機などの製品(図示せず)を製造する場合、脚部4が互いに隣り合うローラ53の間に落ち込みながらパレット2が搬送されるので、パレット2上の製品に大きな衝撃が加えられる。ところが、図30に示すように、パレット2が、両脚部4に直交する垂下部104を有していると、脚部4が隣り合うローラ53の間に位置しているとき、垂下部104が両脚部4の間のローラ53に載るので、脚部4がローラ53の間に落ち込むことを防止でき、パレット2とその製品に大きな衝撃を与えることなく、これを円滑に搬送することができ、製品にダメージを与えたり、その製造作業の能率が低下する不具合を阻止できる。
また、パレット2に垂下部104を追加すれば、その強度と剛性を高めることができ、パレット2を例えば樹脂で成形して製造した場合も、その強度と剛性の低下を防止することができる。
ところで、上述したいずれの形態の物品運搬保管装置においても、天板33が支柱6に対して着脱可能に取付けられ、かつ支柱6がパレット2に対して着脱可能に取付けられている。このため、物品1を物品運搬保管装置に積載して、例えばその物品(複写機)の製造工場から、トラックなどによって、例えば一般のユーザなどの運搬先に輸送し、その運搬先で物品1を物品運搬保管装置から下ろした後、空となった物品運搬保管装置を再びトラックによって元の製造工場に運搬して回収するとき、或いはその物品運搬保管装置を倉庫などに保管しておくとき、天板33を支柱6から取外し、しかもその支柱6をパレット2から取外した後、天板33をパレット2の上部に載置してそのパレット2と天板33を一組みの天板パレット組立体とし、複数の天板パレット組立体を上下に重ねることができる。これによって、パレット2と天板33をコンパクトにまとめて運搬し、又はこれを保管することができる。
図20は、図1乃至図19に示した物品運搬保管装置30のパレット2上に天板33を載置して、これを一組みの天板パレット組立体31とし、これを床面などの載置面G上に載置し、その上方から他の天板パレット組立体31を下げ、下側の天板パレット組立体31に積み重ねるときの様子を示している。また、図21は、図20に示した天板パレット組立体31を上下に8段積み重ねたときの様子を示している。さらに図25と図31は、図22と、図26乃至図28にそれぞれ示した物品運搬保管装置のパレット2と天板33を組付けた天板パレット組立体31を上下に8段積み重ねたときの様子を示している。
上述のように、天板33をパレット2の上部に載置して、これらを天板パレット組立体31として組付けたとき、天板33とパレット2が水平方向に相対的に大きくずれ動いてしまえば、その天板パレット組立体31を運搬し難くなり、またその保管も困難となる。
そこで、本例の物品運搬保管装置は、天板33を支柱6から取外し、かつ当該支柱6をパレット2から取外した後、天板33をパレット2の上部に載置したとき、該天板33とパレット2が、一体的な一組みの天板パレット組立体31を構成するように、当該天板33をパレット2に対して位置決めする天板位置決め手段を有している。図示した例では、パレット2に設けられた前述の突部7と、天板33に形成された前述の取付孔35によって上記天板位置決め手段が構成されている。すなわち、図20、図21、図25及び図31に示すようにパレット2の上部に天板33を載置したとき、パレット2の各突部7を、天板33だけ、又は天板33と各ガイド部材34に形成した取付孔35に嵌合させ、これによってパレット2と天板33が水平方向に相対的に大きくずれ動く不具合を阻止できる。このように、図示した物品運搬保管装置においては、天板位置決め手段が、パレット2に設けられた突部7と、そのパレット2の上部に載置される天板33に形成されていて、上記突部7が嵌合する取付孔35により構成されている。
また、図20に示すように、下側の天板パレット組立体31の上部に上側の天板パレット組立体31を載せるとき、下側の天板パレット組立体31の天板33に固定された前述のガイド部材34の傾斜面38は、図18及び図19を参照して先に説明したところと同様に、上側の天板パレット組立体31のパレット2の脚部4を、一方の水平方向H1に案内し、上側の天板パレット組立体31が下側の天板パレット組立体31に載置された時、ガイド部材34がその上側の天板パレット組立体31を下側の天板パレット組立体31に対して一方の水平方向H1に位置決めする。このとき、下側の天板パレット組立体31の突部7は、上側の天板パレット組立体31の脚部4に形成された長孔より成る係合孔22に嵌合し、上側の天板パレット組立体31が、下側の天板パレット組立体31に対して、一方の水平方向H1に直交する他方の水平方向H2に位置決めされる。
図22と、図26乃至図28とにそれぞれ示した天板パレット組立体31を図22及び図31に示すように上下に重ねるときは、下側の天板パレット組立体31のガイド部材34の傾斜面38,41、又は傾斜面138,141が、上側の天板パレット組立体31のパレット2を、一方の水平方向H1と他方の水平方向H2に案内すると共に、下側の天板パレット組立体31に対して両水平方向H1,H2に位置決めする。この場合、図22及び図23と、図26乃至図28にそれぞれ示した物品運搬保管装置30の脚部4に形成されたパレット孔22は、突部7よりもはるかに大きく形成されており、これらが嵌合したときも、そのパレット孔22と突部7が上下の天板パレット組立体31を位置決めすることはない。専ら、図22及び図23と、図26乃至図28にそれぞれ示した傾斜面38,41,138,141が、上下の天板パレット組立体31の両水平方向H1,H2の案内と位置決めを行う。これにより、上側の天板パレット組立体31を下側の天板パレット組立体31に重ね合せるとき、作業者が突部7とパレット孔を嵌合させる作業を意図的に行わずとも、自動的に上下の天板パレット組立体31を位置決めし、突部7とパレット孔22を互いに遊びを持った状態に自動的に嵌合させることができ、その作業能率を高めることができる。
上述のように、いずれの形態の物品運搬保管装置においても、天板33を支柱6から取外し、かつその支柱6をパレット2から取外した後、当該天板33をパレット2の上部に載置して該天板33とパレット2を一組みの天板パレット組立体31とし、該天板パレット組立体31の上部に他のパレット2を載置するとき、前述のガイド手段は、上側の天板パレット組立体31を下側の天板パレット組立体31に対して案内するように構成されている。
しかも、そのガイド手段は、上側の天板パレット組立体31を下側の天板パレット組立体31の上部に載置したとき、上側の天板パレット組立体31を下側の天板パレット組立体31に対して位置決めするように構成されている。
図21、図25及び図31に示すように、複数の天板パレット組立体31を上下に重ねることにより、これを効率よく運搬し、また小さな空間に格納することができる。また前述のように、複数の支柱6と、支柱連結手段は、折り畳み可能な支柱ユニット32,32Aを構成し、同様に図26乃至図28に示した物品運搬保管装置の支柱と支柱連結手段も、後述するように折り畳み可能な支柱ユニット32B(図32)を構成しているので、いずれの支柱ユニットも、これをコンパクト化して運搬し、又は保管することができる。例えば、多数の物品運搬保管装置のそれぞれに物品1を搭載して、これらをまとめて或る場所から他の場所へ輸送し、ここで天板33を支柱6から外すと共に、その支柱ユニット32,32A,32Bをパレット2から外して物品1をパレット2から下ろし、次いでその天板33とパレット2と支柱ユニット32,32A,32Bを元の場所に返送するとき、天板33とパレット2を天板パレット組立体31とし、これを複数段上下に重ね、かつ支柱ユニット32,32A,32Bを折り畳むことによって、これらを楽に元の場所に運搬することができ、またこれらをコンパクトにまとめて保管することができる。
ところが、上述のように折り畳んだ多数の支柱ユニット32,32A,32Bと、上下に重ねた多数の天板パレット組立体31を別々に運搬し、又は保管したとすると、このとき天板パレット組立体31と支柱ユニット32,32A,32Bが大きなスペースを占めてしまう。
そこで、本例の物品運搬保管装置においては、折り畳んだ支柱ユニット32,32A,32Bを上下に重ねた天板パレット組立体31に収納できるように構成されている。すなわち、図3、図11、図22、図26及び図28に示すように、パレット2には、開口24が形成され、しかも天板33にも開口25が形成されている。かかるパレット2と天板33を組付けて天板パレット組立体31とし、複数の天板パレット組立体31を、図21、図25及び図31に示したように上下に重ねると、その内部に、上述の開口24,25によって、支柱ユニット32,32A,32Bを収納する格納空間が形成される。そこで、図21及び図25に実線で示した支柱ユニット32Aを、これらの図に破線で示すように、一番上の天板に形成された開口25からその格納空間内に挿入する。同様に図32に示した支柱ユニット32Bを、図31に示すように、最上位の天板33に形成された開口25から挿入する。このようにすれば、多数の天板パレット組立体31と多数の支柱ユニットを、より一層コンパクトにまとめて運搬し、又は保管することができる。図21及び図25には、支柱ユニット32Aを示したが、図7に示した支柱ユニット32も全く同様にして上記格納空間に収納することができる。
上述のように、図示した物品運搬保管装置においては、複数の天板パレット組立体31を上下に積み重ねたとき、その内部に、折り畳まれた支柱ユニット32,32A,32Bを収納する空間が形成されるように、パレット2と天板33とに開口24,25が形成されているのである。
また図21及び図25に示した物品運搬保管装置においては、折り畳まれた支柱ユニット32Aの一部、図の例ではその4個の第1の継手8が、天板33に形成された開口25よりも大きく形成され、その第1の継手8を上側にして支柱ユニット32Aを格納空間に収めたとき、大きく形成された支柱ユニット部分、すなわちその4個の第1の継手8が、最上位の天板パレット組立体31の天板33に形成された開口25の縁に係合できるように構成されている。図32に示した支柱ユニット32Bも、後述するように、折り畳まれた支柱ユニット32Bの一部が開口25より大きく形成され、その部分が最上位の天板33の開口25の縁に係合する。また、図7に示した支柱ユニット32も同様に構成することができる。かかる構成によれば、格納空間に収納した支柱ユニット32,32A,32Bは、その大きくなった部分が最上位の天板33に引っ掛かって下方に垂下するので、その空間から脱落することを阻止でき、多数の天板パレット組立体31と多数の支柱ユニット32Aをより効率よく運搬し、又は格納しておくことができる。
図21、図25及び図31に示すように、積み重ねた多数の天板パレット組立体31の最下位のパレット2の下側に、荷役装置、例えばフォークリフトのフォーク36を挿入して、その多数の天板パレット組立体31と、これに収納された支柱ユニット32Aを運搬することができる。パレット2は、物品1が載置されるパレット本体の下方に例えばフォークリフトのフォークの如き荷役装置を挿入する空間S(図21、図25及び図31)が形成されるように構成されているのである。
ここで、図21及び図25に破線で示したように、多数の天板パレット組立体31の格納空間に支柱ユニット32Aを収納したとき、その最下位の天板パレット組立体31のパレット2の下側の空間Sに、支柱ユニット32Aの下部が存在すると、この空間Sにフォーク36を挿入したとき、当該フォーク36が支柱ユニット32Aの下部に打ち当ってしまう。従って、最下位のパレット2の下方の空間Sに、支柱ユニット32Aが存在しないように、天板パレット組立体31の積み上げ段数を決める必要がある。ところが、作業者が、その都度、天板パレット組立体31を何段積み重ねればよいかを考えながら作業を行うことは煩しく、作業能率が低下する。これは、図31に示した例においても変りはない。
そこで、図21、図25及び図31に示す例では、天板33に複数の開口25が形成されていて、その開口25の数と同数の天板パレット組立体31を上下に積み重ね、最上位の天板パレット組立体31の天板33に形成された各開口25に支柱ユニット32A,32Bをそれぞれ挿入したとき、最下位の天板パレット組立体31におけるパレット本体下方の空間Sに支柱ユニット32A,32Bが存在しないように、当該支柱ユニット32A,32Bの長さが設定されている。
図21、図25及び図31の例では、天板33に8個の開口25が形成されており、従って作業者は、その開口25の数である8段の天板パレット組立体31を積み重ねる。この状態で、その各天板パレット組立体31に対応する8本の支柱ユニット32A,32Bのそれぞれを、最上位の天板33に形成された各開口25から格納空間内に挿入する。すると、このとき丁度、最下位のパレット2の空間Sに支柱ユニット32A,32Bが存在しない状態となる。これにより、その空間Sに支障なくフォーク36を差し込んで、天板パレット組立体31と支柱ユニット32A,32Bを運搬することができる。このように、作業者は特別なことを考えずに、能率よく作業を遂行することができるのである。この構成は、図7に示した支柱ユニット32を用いるときにも適用できるものである。
図3、図22及び図28に示したパレット2と天板33には、それぞれ開口24,25が形成され、そのパレット2と天板33より成る天板パレット組立体31を上下に複数積み重ねて支柱ユニットを開口24,25に挿入するのであるが、パレット2と天板33を組付けて天板パレット組立体31にするとき、パレット2に対する天板33の組付け向きを誤ると、開口24,25が整合せず、これらの開口に支柱ユニットを挿入することができなくなる。また、パレット2の突部7間の間隔D1,D2が互いに異なり、これに対応する天板33を、そのパレット2に組付けるときも、その組付けの向きを誤ると、両者を正しく組付けることはできない。従って、作業者は、パレット2に対する天板33の正しい向きを確認してから、天板33をパレット2に組付ける必要があるが、このような確認作業は煩しいものとなる。
そこで、図28に示すように、パレット2と天板33の正しい組付位置関係を示すマークMなどの判別手段をパレット2と天板33に設けると、作業者は、その都度、パレット2と天板33の開口24,25や、その各辺の長さを確認せずに、そのマークMを合せるように、天板33をパレット2に組付けるだけで、開口24,25を互いに正しく整合させ、かつ両者を正しく組合せることができる。図28に示した例では、三角形状のマークMによって組付位置判別手段を構成したが、色、切欠、文字、ラベルなどの適宜な判別手段を用いることもできる。かかる構成は、図1及び図9に示した物品運搬保管装置にも適用できるものである。
上述のように、本例の物品運搬保管装置においては、天板33を支柱6から取外し、かつ支柱6をパレット2から取外した後、その天板33をパレット2の上部に載置するとき、該パレット2に対する天板33の正しい組付位置関係を示す組付位置判別手段が設けられている。
また、図3、図11及び図22に示すように、天板33には、所望の情報が記入される表示部44が設けられており、図示した例では、その表示部44が、天板33の縁部から下方に垂下する舌部により構成されている。
上述のように天板33に設けた表示部44に、例えば、物品運搬保管装置により運搬又は保管する物品1の製品名や、そのシリアルナンバーや、物品運搬保管装置自体のシリアルナンバー、或いは物品運搬保管装置の取り扱い方法、例えば物品運搬保管装置の組立て方法、その分解方法などの適宜な情報を文字又は図形などによって記入することができる。これによって取扱者は楽に物品運搬保管装置を取扱うことができる。天板33の一つの縁部に限らず、他の縁部にも表示部を設けてもよい。また表示部に直に情報を記入するほか、情報を記入した樹脂シートや紙ラベルなどを表示部に貼着してもよい。
上述の表示手段の構成は、図26乃至図28に示した天板33にも適用できるものである。
次に、図26乃至図28に示した物品運搬保管装置の構成をより具体的に明らかにする。
図33は、図26乃至図28に示した物品運搬保管装置の1つの支柱6とこれに設けられた継手の拡大斜視図であり、図34はその分解斜視図である。他の支柱とこれに設けられた継手も、実質的に図33及び図34と同様に構成されている。
図33において、支柱6は金属又は樹脂の押出し材より成り、その長手方向全長に亘ってガイド溝54,55が形成され、その各ガイド溝54,54の上部には第1の継手を構成する2つの継手部片108,208の基部がそれぞれ嵌合している。また支柱6の上部には、金属又は樹脂板より成る固定部材56が配置され、支柱6に形成された他のガイド溝57に嵌合したナット58にねじ59が螺着され、これによって固定部材56が支柱6に固定されている。かかる固定部材56には貫通孔60,61が形成され、その各貫通孔60,61に前述の継手部片108,208がそれぞれがたつくことなく嵌合し、これによって両継手部片108,208が支柱6に対して固定されている。
また、上述の各ガイド溝54,55には、継手部片より成る第2及び第3の継手109,126の基部が、それぞれその各ガイド溝54,55に沿って摺動自在に嵌合している。そして、図9に示した物品運搬保管装置の場合と同様に、各支柱6の間に設けられ、かつ互いにクロスした第1及び第2の連結部材14,15の上部側の長手方向一端側がピンを介して各継手部片208,108にそれぞれ回動可能に連結され、第1及び第2の連結部材14,15の下部側の長手方向他端側がピンを介して、第2及び第3の継手109,126にそれぞれ回動可能に連結されている。第1及び第2の連結部材14,15は、この場合も、図26に示すように、その中間部においてピン21により回動可能に連結されている。
上述したところから判るように、図26乃至図28、図33及び図34に示した物品運搬保管装置の支柱ユニットと、図19に示した支柱ユニットとの相違は、図26乃至図28、図33及び図34に示した支柱ユニットにおいては、各支柱6に固定された各第1の継手が、それぞれ2つの継手部片108,208から構成され、その一方の継手部片108に第2の連結部材15の長手方向一端側(上端側)が回動可能に連結され、他方の継手部片208に第1の連結部材14の長手方向一端側(上端側)が回動可能に連結され、さらに第1及び第2の連結部材14,15の長手方向他端側(下端側)がそれぞれ回動可能に連結された各第2及び第3の継手109,126が、各支柱6の長手方向に長く形成されたガイド溝54,55にそれぞれ摺動可能に嵌合している点である。第2及び第3の継手109,126は別々のガイド溝54,55に摺動自在に嵌合しているので、第2及び第3の継手が、各支柱6の長手方向にそれぞれ独立して自由に移動でき、従って各支柱6間の間隔の大きさに応じて、第2の継手109が、第3の継手126よりも下方に位置することも、また同じ高さに位置することも、さらには第3の継手126よりも上方に位置することもある。
各支柱6に形成された中心の孔62の下部が、図26乃至図28に示したように、パレット2上に突設された各突部7に嵌合して、各支柱6がパレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立上った状態で当該パレット2に着脱可能に取付けられ、パレット2の物品1が、4本の支柱6と、その各支柱6の間の第1及び第2の連結部材14,15とにより囲まれる。
パレット2に支柱6を取付ける前に、互いに隣り合う2本の支柱6を互いに接近又は離間する向きに押圧すると、第2及び第3の継手109,126がガイド溝54,55を摺動し、これによって互いに隣り合う支柱6の間の間隔を自由に調整することができる。この場合も、図9に示した物品運搬保管装置と同様に、互いに隣り合って位置する2本の支柱6間の間隔と、その2本の支柱6に対向し、かつ互いに隣り合って位置する4本の支柱6間の間隔とが同じ割合で連動して変化する。
また、図35に示すように、第2及び第3の継手109,126を、ねじ63によって支柱6に着脱自在に固定された一対の止め部材64によって上下から押え、継手109,126を支柱6に対して固定した状態で、各支柱6をパレット2に取付け、物品1を搭載した物品運搬保管装置をトラックなどで輸送するとき、物品運搬保管装置の全体を安定させることもできる。図26乃至図28は、止め部材64によって第2及び第3の継手109,126を固定したときの状態を示している。支柱6の間の間隔を調整するときは、止め部材64を支柱6から外す。
各支柱6の上部には、図36に拡大して示すように、その中心の孔62に嵌着固定された前述の取付ピン50(図33乃至図35には図示せず)が設けられ、その基準ピン50に天板33に形成された取付孔35を嵌合して、当該天板33を支柱6の上部に取付ける(図28)。
天板33を支柱6から外し、かつ支柱6をパレット2から取外した後、4本の支柱6を互いに接近する向きに押圧すると、図32に示したように支柱ユニット32Bが折り畳まれる。このように折り畳んだ支柱ユニット32Bを、図31に示し、かつ先に詳しく説明したように、上下に積み重ねた天板パレット組立体31の開口25,24に挿入するのであるが、その際、図33に示すように、各支柱6に固定された固定部材56の上部56Aが支柱6の半径方向外側にわずかに曲折形成されて開拡し、この部分の幅寸法、すなわちその横断面外形輪郭形態が他の固定部材部分よりも大きくなっている。また、図33に示したように,各継手が小さな舌片状の継手部片により構成されているので、支柱ユニット32Bを図32に示すように折り畳むと、各継手は、各支柱6の間に隠れた状態で位置し、支柱ユニット32Bの外側に突出することはない。
このようにして、折り畳まれた支柱ユニット32Bは、その固定部材56の上部56Aだけが、開口24,25よりも大きくなり、その他の支柱ユニット32Bの部分の横断面外形輪郭は、開口24,25よりも小さく、かつ支柱ユニット32Bの全長に亘ってほぼ一定となっている。
そこで、支柱ユニット32Bの固定部材56の側を上にし、当該支柱ユニット32Bを、その反対側の長手方向端部から、図31に示したように上下に重ねた天板パレット組立体31の上部の開口25に挿入すると、固定部材56の上部56Aが最上位の天板33の開口縁部に引っ掛かり、当該支柱ユニット32Bが垂れ下がった状態で天板パレット組立体31の内部の収納空間に収められる。
再び、その支柱ユニット32Bを上方に持ち上げることにより、当該支柱ユニット32Bを収納空間から抜き出すことができる。このように支柱ユニット32Bを収納空間から抜き出し、又は挿入するとき、支柱ユニット32Bは、その固定部材56の上部56A以外の部分の横断面外形輪郭の大きさがその全長に亘ってほぼ一定で、半径方向外方に大きく突出する部分がないので、その支柱ユニット32Bを開口24,25の縁に引っ掛けることなくスムーズに当該開口24,25に挿脱することができる。
上述のように、上記物品運搬保管装置においては、複数の天板パレット組立体31を上下に積み重ね、そのパレット2と天板33の開口24,25に支柱ユニット32Bを挿入したときに上部となる支柱ユニット部分、図の例では固定部材56の上部56Aが、最上位の天板パレット組立体31の天板33に形成された開口25の縁に係合するように、当該支柱ユニット部分が天板33に形成された開口25よりも大きく形成され、他の支柱ユニット部分の横断面外形輪郭の大きさは、当該他の支柱ユニット部分の全長に亘ってほぼ一定となっており、これによって楽に支柱ユニット32Bを開口24,25に挿入し、又は抜き出すことができる。
その際、各天板33に形成された開口25、又はその天板33とパレット2にそれぞれ形成された開口25,24を、図37に示すように、下方に向けて径を小さくした案内面65によって区画形成し、その下部65Aの径を、折り畳んだ支柱ユニット32Bの横断面外形輪郭の大きさとほぼ等しいか、これよりも極くわずかに小さく設定しておくことが好ましい。このようにすれば、支柱ユニット32Bを図37に矢印で示すように下降させて、開口24,25に挿入するとき、その支柱ユニット32Bをスムーズに案内しながら収納空間に収めることができる。しかも収められた支柱ユニット32Bと、案内面65の下部65Aとの間に大きな隙間ができることはなく、当該支柱ユニット32Bがその下部65Aによって周りから保持されるので、天板パレット組立体に収納された支柱ユニット32Bが、その輸送時にがたつくことを防止できる。
図14に示した支柱ユニット32Aの場合には、第1の継手8のほかに、第2及び第3の継手9,26も支柱6よりも半径方向外方に張り出しているので、その支柱ユニット32Aを、第1の継手8を上側にして、図21に示した最上位の天板33の開口25に挿入し、又は引き出すとき、第2又は第3の継手9,23が開口24,25の縁に引っ掛かり、その挿脱作業がやりずらくなるので、開口24,25を第2及び第3の継手9,23の外形輪郭よりもはるかに大きく形成する必要がある。これは、図7に示した支柱ユニット32を開口24,25に挿入するときも同様である。ところが、このようにすると、収納空間に収められた支柱ユニット32Aが、その運搬時に遊動し、異音を発生したり、天板33、パレット2或いは支柱ユニット32Aが損傷するおそれがある。これに対し、図26乃至図28に示した物品運搬保管装置の支柱ユニット32Bの場合には、このような不具合を防止でき、特に図37に示した構成を採用することによって、この不具合をより確実に防止することができる。
図37に鎖線で付加して示すように、下方に向けて径を拡大する案内66を設けると、開口24,25に図7又は図14に示す支柱ユニット32,32Aを挿脱するとき、その第2及び第3の継手9,23が開口24,25に引っ掛かる不具合を低減できる。
ところで、図36に示したように、各支柱6の上部に固定された取付ピン50が天板33の四隅に形成された円形の各取付孔35に嵌合することにより、天板33が支柱6に着脱可能に取付けられ、しかもその天板33が各支柱6に対して位置決めされるが、かかる取付ピン50は天板が取付けられる支柱6の天板取付部の一例を構成し、取付孔35は支柱が取付けられる天板33の支柱取付部の一例を構成している。その際、物品の運搬中に、取付ピン50から天板33の取付孔35が外れたり、天板33ががたつくことを防止し、かつ天板33を支柱6に対して容易に着脱できるように構成することが好ましい。
そこで、図36及び図38に示す例では、取付ピン50にその半径方向に延びる溝66が形成され、当該取付ピン50がその半径方向に弾性的に径を縮小できるように構成されている。しかも、取付ピン50は、天板33が支柱6に対して取付けられた状態で、天板33の取付孔35に着脱可能に嵌合する首部50Aと、その首部50Aよりも上方に位置して天板33に形成された取付孔35よりも上方に突出し、かつ首部50Aよりも大径に形成された頭部50Bとを有している。取付ピン50が弾性変形していないフリー状態にあるときの頭部50Bの径は、取付孔35の径よりも大きい。
上記構成により、物品運搬保管装置の運搬時に、天板33や支柱6に対して激しい振動や衝撃が加えられたときも、取付ピン50ががたついたり、抜け出ることを防止できる。しかも天板33を支柱6に取付け、又は取外す際には、取付ピン50は、その半径方向に縮径できるので、径の大きな頭部50Bを、容易に取付孔35が通過する。このように、取付ピン50と取付孔35を容易に嵌合させ、又は外すことができる。
上述した各構成は、天板33の方に取付ピンよりなる支柱取付部を設け、支柱6の方に、例えば孔62で構成した取付孔より成る天板取付部を設け、その取付孔に取付ピンを着脱可能に嵌合して、天板33を支柱に取付けるように構成した場合にも適用できる。同様に、これらの各構成は、図1又は図9に示した物品運搬保管装置などにも採用できるものである。
要は、支柱6の上部に設けられた天板取付部と、天板33に設けられた支柱取付部のうちの一方が、半径方向に弾性的に縮径可能な取付ピンとして構成され、他方が前記取付ピンに嵌合する取付孔として構成され、その取付ピンは、天板33が支柱6に取付けられた状態で、取付孔に着脱可能に嵌合する首部と、取付孔に嵌合せず、かつ上記首部よりも大径に形成された頭部とを有しているように構成されているのである。
ところで、例えば図36に示したように支柱6に設けた取付ピン50を天板33に形成した取付孔35に嵌合して天板33を支柱6に取付け、物品運搬保管装置を構成したような場合、その物品運搬保管装置に物品1を載せ、これらを例えばトラックに搭載して輸送するとき、その支柱6に対して水平方向、すなわち支柱6の横方向に大きな荷重が加えられると、その荷重が取付ピン50を介して天板33に伝えられる。例えば物品運搬保管装置をトラックの荷台に載せ、その物品運搬保管装置が動くことを防止するために、一般にラッシングベルトと称せられているベルトを支柱6のまわりに巻き付け、当該ベルトを強く締め付けてベルトの各端部をトラックの荷台のベルト掛け部に結び付け、このベルトによって物品運搬保管装置を保持することができるが、このとき、特にトラックが走行した際、ベルトの巻き付けられた支柱6には、そのベルトから大きな横荷重が加えられる。この場合、その荷重が取付ピン50から天板33に伝えられるとき、両者の接触面積は小さいので、荷重の伝えられた天板部分に大きな単位面積当りの外力が加えられる。このため、この天板部分が永久変形したり破損するおそれがある。
そこで、図26乃至図28及び図36に示す例では、天板33の四隅に、天板33自体に形成された段状の係合部67が設けられ、取付ピン50が取付孔35に嵌合したとき、各支柱6ないしはこれに固定された固定部材56の上端部の側面が係合部67に当接するように構成されている。支柱6に対し水平方向の横荷重が加えられたとき、その荷重は、支柱6又は固定部材56の上部の側面と、これに当接した係合部67の面を介して天板33に伝えられる。このとき、互いに当接した上部の側面と係合部67の面の当接面積は、取付ピン50と取付孔35の当接面積よりも大きく設定されており、このため係合部67の面に作用する単位面積当りの荷重の値は小さくなる。これにより、荷重の加えられた天板部分が破損したり、永久変形することを阻止できる。係合部67は、支柱6と天板33を正しく位置決めする機能も有している。
天板33自体に係合部67を形成する代りに、天板33に他の部材を固定し、支柱6の上部の側面が、当該他の部材に、直接又は固定部材56などの他の部材を介して当接するように構成し、当該他の部材によって係合部を構成することもできる。
上述のように、天板33に、支柱6の上部の側面が直接又は他の部材を介して当接する係合部67を設けることにより、天板33の破損又はその永久変形を防止することができる。その際、係合部67を、天板自体に形成された段部によって構成すれば、係合部67のコストを低減することができる。かかる構成は、図1又は図9などに示した他の形態の物品運搬保管装置にも適用できる。
なお、図26乃至図28に示した連結部材14,15と継手も、その上下関係を逆にして使用することもできる。すなわち、支柱6に対して固定される2つの継手部片108,208より成る第1の継手を支柱6の下方に配置し、ガイド溝54,55中を摺動自在な第2及び第3の継手109,123を第1の継手よりも上方に配置するのである。
また、図26乃至図28に示した例においても、図8に関連して先に説明したように、互いに隣り合う2本の支柱6同士を連結棒やパネルなどの固定連結部材によって、間隔調整不能に固定し、その2本の支柱に対向し、かつ互いに隣り合う2本の支柱6も、連結棒やパネルなどの固定連結部材によって固定することもできる。
ところで、先に説明した各実施形態例においては、互いに隣り合う2つの突部7の間の間隔が互いに異なる複数種類のパレット2を用意しておき、運搬すべき物品1のサイズや形態に合せてパレットを選択し、その突部7の間の間隔に合せて支柱6間の間隔を調整するように構成されている。このように、各種サイズ又は形態の物品を運搬できるようにするには、各種大きさのパレットを予め用意しておく必要がある。これに対し、パレット2の外形輪郭の大きさを調整できるように、パレット2を構成すれば、1つのパレット2の形態を調整することにより、そのパレット2に異なったサイズや形態の物品を載置することができ、予め用意しておくパレットの数を減らし、又は1つのパレットだけで多数種類の物品を運搬し又はこれを保管することが可能となる。以下、かかるパレットの具体例を説明する。
図39に例示したパレット2は、第1乃至第4の4個のパレット部材103A,103B,103C,103Dと、これらを後述するように連結するガイド棒24A,25A,24B,25B,24C,25C,24D,25Dとを有し、これらのパレット部材とガイド棒は、例えば金属、硬質樹脂又は木材などの剛性の大なる材料によって構成されている。かかるパレット部材の上面が物品1(図1)を載せる物品載置面5となっていて、各パレット部材の2つずつの脚部4A,4B,4C,4Dが、床面や地面などの設置面上に設置される。各パレット部材の上面に突部7がそれぞれ突設され、かつその下部に、先に詳しく説明したパレット孔と同じ働きをなすパレット孔22が形成されていて、各突部7に、図39には示していない支柱が着脱可能に取付けられる。さらに、パレット部材には、折り畳まれた支柱ユニットが挿入される開口(図39には示さず)がそれぞれ形成されている。
互いに隣り合って位置する第1及び第2のパレット部材103A,103Bは、互いに平行に延びる一対のガイド棒24A,25Aを介して連結され、その一方のガイド棒24Aの基端側29Aは、第2のパレット部材103Bに固定され、その自由端側28Aは、第1のパレット部材103Aに形成された孔に摺動可能に嵌合している。また、他方のガイド棒25Aの基端側37Aは第1のパレット部材103Aに固定され、その自由端側31Aは第2のパレット部材103Bに形成された孔に摺動可能に嵌合している。
同様に、互いに隣り合う第2のパレット部材103Bと第3のパレット部材103Cも、互いに平行に延びる一対のガイド棒24B,25Bを介して連結され、その一方のガイド棒24Bの基端側29Bと他方のガイド棒25Bの基端側37Bは第2及び第3のパレット部材103B,103Cにそれぞれ固定され、その各自由端側28B,31Bは、第3及び第2のパレット部材103C,103Bに形成された孔にそれぞれ摺動可能に嵌合している。これらのガイド棒24B,25Bは、前述のガイド棒24A,25Aに対して直交する向きに延びている。
さらに、互いに隣り合う第3及び第4のパレット部材103C,103Dも、互いに平行に延びる一対のガイド棒24C,25Cを介して連結され、その各ガイド棒24C,25Cの基端側29C,37Cは、第4及び第3のパレット部材103D,103Cにそれぞれ固定され、各ガイド棒24C,25Cの自由端側28C,31Cは、第3及び第4のパレット部材103C,103Dに形成された孔にそれぞれ摺動可能に嵌合している。これらのガイド棒24C,25Cは、前述のガイド棒24A,25Aに対して平行に延びている。
同様に、互いに隣り合う第4及び第1のパレット部材103D,103Aも、互いに平行に延びる一対のガイド棒24D,25Dを介して連結され、その各ガイド棒24D,25Dの基端側29D,37Dは、第4及び第1のパレット部材103D,103Aにそれぞれ固定され、当該ガイド棒24D,25Dの自由端側28D,31Dは、第1及び第4のパレット部材103A,103Dに形成された孔にそれぞれ摺動可能に嵌合している。これらのガイド棒24D,25Dは、前述のガイド棒24B,25Bに対して平行に延び、かつ前述のガイド棒24A,25A,24C,25Cに対しては、直交する向きに延びている。
上述のように、4個のパレット部材103A,103B,103C,103Dは互いに隣り合って位置し、その各上面はほぼ面一状態となっていて、これらのパレット部材を床面などの水平面に設置したとき、各パレット部材の上面もほぼ水平となり、これらの上面が物品載置面5を構成している。各パレット部材の外縁によって、図40に模式的に示すように四角形状の外形輪郭134が形成される。
ここで、互いに隣り合うパレット部材同士を互いに近づく向きに押圧すると、これらのパレット部材は、上述の各ガイド棒に案内されながら、互いに接近し、図41に示すように互いに隣り合うパレット部材同士が当接し合う。このとき、各パレット部材の外縁により形成されるパレット2の外形輪郭134(図40)の大きさは図39に示した状態よりも小さくなる。逆に、互いに隣り合うパレット部材同士を互いに離れる向きに加圧すると、これらのパレット部材は各ガイド棒に案内されながら、図39に示したように互いに大きく離間し、このときの外形輪郭134の大きさは、図41の状態よりも大きくなる。
また図42に示すように、互いに当接した第1及び第2のパレット部材103A,103Bと、同じく互いに当接した第3及び第4のパレット部材103C,103Dとを互いに離間させることもでき、さらに図には示していないが、互いに当接した第1及び第4のパレット部材103A,103Dと、互いに当接した第2及び第3のパレット部材103B,103Cを互いに離間させることもできる。
ガイド棒は、各パレット部材を相対移動可能に連結するパレット部材連結手段の一例を構成している。
上述のように、パレット2は、その外形輪郭134の大きさを調整可能に構成されており、これによって、大きな物品1をパレット2に載せるときは、図39に示すようにパレット2の外形輪郭134を大きくでき、逆に小さな物品を載せるときは、パレット2の外形輪郭134を、図41又は図42に示すように小さくすることができる。運搬し、又は保管しようとする物品1のサイズや形態に合せてパレット2の大きさを自由に変更し、このときの互いに隣り合う突部7の間の間隔D1,D2に合せて、前述のように互いに隣り合う支柱6の間の間隔を調整し、その各支柱6を、支柱取付部の一例である各突部7に直接又は他の部材を介して取付ける。このようにして、1つのパレット2に、各種サイズ又は各種形態の物品1を載せ、これを運搬し又は保管することができ、物品のサイズ又は形態に対応した各種サイズのパレットを多数用意しなくともよい。
また、パレット2は、突部7の間の間隔を調整した後、複数のパレット部材が相対的に移動しないように、複数のパレット部材を固定する固定手段を有している。図43にその固定手段の一例を示す。図43において、第1及び第2のパレット部材103A,103Bには、ガイド棒24A,25Aの自由端側28A,31Aがそれぞれ摺動自在に嵌合する孔に通じる複数のねじ孔38A,38B,38C;39A,39B,39Cがそれぞれ形成され、各ガイド棒24A,25Aには、複数のロック孔40A,40B,40C;41A,41B,41Cがそれぞれ形成されている。
図39に示したように、第1及び第2のパレット部材103A,103Bを互いに大きく離間させたとき、第1のパレット部材103Aのねじ孔38Aとガイド棒28Aのロック孔40Aが整合し、かつ第2のパレット部材3Bのねじ孔39Aとガイド棒25Aのロック孔41Aが整合する。この状態で、各ねじ孔38A,39Aにねじ43A,44Aをそれぞれねじ込み、その各ねじの先端部をロック孔40A,41Aにそれぞれ嵌合させる。これにより、第1及び第2のパレット部材103A,103Bは、図39に示した位置で互いに強固に固定される。
第1及び第2のパレット部材103A,103Bを図41に示したように最も接近させると、全てのねじ孔38A,38B,38Cと39A,39B,39Cが、ロック孔40A,40B,40Cと41A,41B,41Cとにそれぞれ整合する。この状態で、ねじ43A,43B,43Cの少なくとも1つと、ねじ44A,44B,44Cの少なくとも1つを、ねじ孔にねじ込み、そのねじの先端をロック孔に係合させる。これにより、第1及び第2のパレット部材103A,103Bは図41に示した状態で互いに固定連結される。第1及び第2のパレット部材103A,103Bを、図39と図41の位置の間にもたらし、このとき整合したねじ孔38A,38B;39A,39Bにねじ43A,43B;44A,44Bをねじ込むことにより、両パレット部材3A,3Bをこの位置に固定することもできる。互いに隣り合う他のパレット部材も、上述したところと同様にして、互いに不動に固定することができる。ねじを緩めることにより、再び各パレット部材を相対的に動かすことができる。
また、図44に示すように、図示していない開口の形成されたパレット2が、互いに隣り合う2つの支柱取付部(図の例では第1及び第2の突部7A,7B)を有するパレット部材103Eと、その2つの支柱取付部に対向し、かつ互いに隣り合う他の2つの支柱取付部(図の例では第3及び第4の突部7C,7D)を有するパレット部材103Fの2つのパレット部材と、その2つのパレット部材103E,103Fが互いに接近又は離間する向きに相対的に移動できるように、これらのパレット部材103E,103Fを連結するパレット部材連結手段の一例である複数のガイド棒24B,24Dとを具備するように構成することもできる。これらのガイド棒24B,24Dは、図39に示したガイド棒24B,24Dと全く同じく構成され、また突部7A,7B,7C,7Dは前述の突部7と同じ働きをなす。
この構成によっても、2つのパレット部材103E,103Fを接近又は離間させることによって、第1及び第4の突部7A,7Dの間の間隔D2と、第2及び第3の突部7B,7Cの間の間隔D2とを連動して調整することができる。
上述のように図39乃至図44に例示したパレット2は、複数の支柱6の下部のそれぞれが直接又は他の部材を介して取付けられる支柱取付部の一例である突部を有していると共に、互いに隣り合う2つの支柱取付部の間の間隔と、これらの支柱取付部に対向し、かつ互いに隣り合う他の2つの支柱取付部の間の間隔の少なくとも2つの間隔を調整可能に構成されている。かかるパレット2は、先に説明した各形態の物品運搬保管装置に用いることが可能である。
また、天板33についても、図39乃至図44に示したパレット2と同様にその外形輪郭の大きさを調整可能に構成することが好ましい。図45は、かかる天板33の一例を示す斜視図であり、この天板33は、前述の複数の支柱6のそれぞれの上部が直接又は他の部材を介して取付けられる取付孔35より成る支柱取付部を有していると共に、その天板33が、第1乃至第4の4つの天板部材33A,33B,33C,33Dに分割され、その各天板部材に各取付孔35がそれぞれ形成されている。また、各天板部材は、その各取付孔と同心状の突部107を有している。この天板33を各支柱の上部に取付けるときは、その各取付孔35を各支柱の上端部に直接、又はこれに取付けられた取付ピンなどを介して嵌合することは、先に説明した天板の場合と変りはなく、また、図45に示した天板33の取付けられた物品運搬保管装置の上に、他の物品運搬保管装置を積み重ねたとき、上側の物品運搬保管装置のパレット2に形成された各パレット孔22(図3)を、図45に示した天板33の各突部107にそれぞれ嵌合させる。図45には、物品運搬保管装置を上下に重ねるときに上側の物品運搬保管装置を案内するガイド手段についての図示は省略してある。
互いに隣り合う天板部材33A,33B,33C,33Dは、各ガイド棒より成る天板部材連結手段によって、互いに接近又は離間できるように連結されている。その際、図45と図39を比較すれば明らかなように、図45に示した天板部材連結手段は、図2に示したパレット部材連結手段と全く同様に構成され、その作用も、図39乃至図42を参照して説明したところと変りはない。よって、図45の各ガイド棒には、図39に示したガイド棒に付した符号と同じ符号を付してある。これらのガイド棒によって各天板部材を案内しながら、互いに隣り合う天板部材を接近又は離間させ、互いに隣り合うと取付孔35A,35B,35C,35Dの間の間隔と、突部107の間の間隔を、支柱間の間隔に合致させるのである。
また、取付孔35A,35B,35C,35Dの間の間隔を調整した後の複数の天板部材を、図43に示したパレット部材用の固定手段と全く同様の固定手段によって互いに固定することができる。さらに、天板を、図44に示したパレットと同様に構成することもできる。
上述のように、天板は、複数の支柱のそれぞれが取付けられる支柱取付部の一例である取付孔35を有していると共に、互いに隣り合う2つの支柱取付部の間の間隔と、これらの支柱取付部に対向し、かつ互いに隣り合う他の2つの支柱取付部の間の間隔の少なくとも2つの間隔を調整可能に構成されており、かかる天板も前述の各形態の物品運搬保管装置に採用することができる。
また、上述した物品運搬保管装置の各支柱を伸縮可能に構成し、運搬する物品の高さに応じて各支柱の長さを調整できるようにしてもよい。例えば、各支柱をテレスコープ状に嵌合した複数の支柱部材で構成し、その長さを調整した後、ねじなどの固定手段により、支柱部材同士を互いに固定する。
以上、本発明の代表的な実施形態例を説明したが、本発明は、これらの実施形態例の構成に限定されず、各種改変して構成することができ、また前述の各構成を適宜組合せることができる。また、本発明は、複写機以外の各種製品又は天然物など、実質的にいかなるものを運搬し又は保管する装置に広く適用できるものである。