JP4901716B2 - 車両用リニアソレノイド弁異常判定装置 - Google Patents

車両用リニアソレノイド弁異常判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を判定するためのリニアソレノイド弁異常判定装置に関するものである。
油圧式多板クラッチあるいはブレーキのような複数の油圧式摩擦係合装置を備えた車両用の自動変速機は、それら複数の油圧式摩擦係合装置を選択的に係合させることにより変速比の異なる複数の変速段を成立させる変速制御が行われる。このような変速制御において、上記複数の油圧式摩擦係合装置を係合させるために該油圧式摩擦係合装置へ供給される油圧をリニアソレノイド弁により直接的に制御する態様の自動変速機が知られている。かかる自動変速機によれば滑らかな変速を実現できる等の利点があるが、該リニアソレノイド弁内部での異物の噛み込み等による機械的故障が発生する可能性が考えられる。
これに対し、上記リニアソレノイド弁に発生した機械的故障による異常を検出する技術が提案されている。たとえば、特許文献1に記載された自動変速機の変速段選択異常検出装置がそれである。この変速段選択異常検出装置は、所定のリニアソレノイド弁がそのリニアソレノイド弁に対応する油圧式摩擦係合装置に作動油を供給するよう指令されていないにもかかわらず、そのリニアソレノイド弁からの作動油の供給が検知された時に変速段の選択異常であると判定するものである。これによれば、リニアソレノイド弁が機械的故障により固着したような場合であってもその異常(固着)を検出することができる。
特開平11−287319号公報
ところで、上記の異常検出装置は、変速のために油圧が出力された後に前記リニアソレノイド弁が固着した場合、そのリニアソレノイド弁には油圧式摩擦係合装置に作動油を供給するよう指令信号が供給されているため、その指令信号の供給が継続されている間にはその異常を検出できないという問題があった。この対策として、前記リニアソレノイド弁に対する指令信号が示す油圧値と実際のリニアソレノイド弁からの出力油圧との差を検出しその差の大小により異常を判断する、ということが考えられるが、リニアソレノイド弁からの出力油圧は、そのリニアソレノイド弁に故障のない時すなわち正常時であっても指令信号が示す油圧値にならない場合があるため信頼性に問題があり、仮に十分に判断が可能な程のデータ数を採取することにしたとしてもそれにかかる時間を考えると迅速性の観点から問題がある。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、車両の油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を正確且つ容易に検出することができる車両用リニアソレノイド弁異常判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、(a) 車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を判定するための車両用リニアソレノイド弁異常判定装置であって、(b) 前記リニアソレノイド弁の出力油圧の上昇開始に際して一時的な油圧上昇波形を形成するためのファーストフィル指令信号とそれに続いてそれよりも低い待機圧指令信号とを出力する変速制御手段と、(c) 前記リニアソレノイド弁の出力油圧を検出する油圧検出装置と、(d) 該油圧検出装置により検出される前記出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値が予め設定された異常判定値を下回る場合に異常と判定する異常判定手段とを、含むことにある。
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における前記出力油圧の最大値と該所定時間の経過時における前記出力油圧との差であることにある。
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後における前記出力油圧の最大負勾配であることにある。
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における前記出力油圧の二次微分波形のピーク数であることにある。
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、請求項2に係る発明において、前記異常判定値は、正常時におけるファーストフィル指令信号出力後の前記所定時間内における前記出力油圧の最大値と該所定時間の経過時における前記出力油圧との差の予め設定された許容限界値であることにある。
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、請求項2、3および5のいずれか1に係る発明において、前記異常判定値は、予め記憶された関係から前記ファーストフィル指令信号と前記待機圧指令信号との差に基づいて変更されるものであることにある。
また、請求項7に係る発明の要旨とするところは、請求項2、3、5および6のいずれか1に係る発明において、前記リニアソレノイド弁に供給される元圧を検出する元圧検出装置を備え、前記異常判定値は、予め記憶された関係から該元圧検出装置により検出される元圧に基づいて変更されるものであることにある。
また、請求項8に係る発明の要旨とするところは、請求項2、3、5乃至7のいずれか1に係る発明において、前記リニアソレノイド弁に供給される作動油の温度を検出する油温検出装置を備え、前記異常判定値および前記所定時間は、予め記憶された関係から該油温検出装置により検出される作動油の温度に基づいて変更されるものであることにある。
請求項1に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、(b) 前記リニアソレノイド弁の出力油圧の上昇開始に際して一時的な油圧上昇波形を形成するためのファーストフィル指令信号とそれに続いてそれよりも低い待機圧指令信号とを出力する変速制御手段と、(c) 前記リニアソレノイド弁の出力油圧を検出する油圧検出装置と、(d) 該油圧検出装置により検出される前記出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値が予め設定された異常判定値を下回る場合に異常と判定する異常判定手段とを、含むことから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を正確且つ容易に検出することができる。
また、請求項2に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における前記出力油圧の最大値と該所定時間の経過時における前記出力油圧との差であることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なる、すなわち異常時にはファーストフィルによる一時的な油圧上昇波形が形成されず前記差が正常時のものより小さいことを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
また、請求項3に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後における前記出力油圧の最大負勾配であることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なる、すなわち異常時にはファーストフィルによる一時的な油圧上昇波形が形成されず最大負勾配が正常時のものより小さいことを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
また、請求項4に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における前記出力油圧の二次微分波形のピーク数であることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なる、すなわち異常時にはファーストフィルによる一時的な油圧上昇波形が形成されず前記二次微分波形のピーク数が正常時のものより少ないことを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
また、請求項5に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記異常判定値は、正常時におけるファーストフィル指令信号出力後の前記所定時間内における前記出力油圧の最大値と該所定時間の経過時における前記出力油圧との差の予め設定された許容限界値であることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
また、請求項6に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記異常判定値は、予め記憶された関係から前記ファーストフィル指令信号と前記待機圧指令信号との差に基づいて変更されるものであることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時のものと上記差を考慮した正常時のものとでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を一層正確に検出することができる。
また、請求項7に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記リニアソレノイド弁に供給される元圧を検出する元圧検出装置を備え、前記異常判定値は、予め記憶された関係から該元圧検出装置により検出される元圧に基づいて変更されるものであることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時のものと上記元圧を考慮した正常時のものとでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を一層正確に検出することができる。
また、請求項8に係る発明の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、前記リニアソレノイド弁に供給される作動油の温度を検出する油温検出装置を備え、前記異常判定値および前記所定時間は、予め記憶された関係から該油温検出装置により検出される作動油の温度に基づいて変更されるものであることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時のものと上記供給される作動油の状態を考慮した正常時のものとでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、前記リニアソレノイド弁が変速制御開始後に固着した場合の異常を一層正確に検出することができる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用される車両用自動変速機(以下、自動変速機と表す)10の構成を説明する骨子図である。この自動変速機10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース(以下、ケースと表す)26内において、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを共通の軸心上に有し、入力軸22の回転を変速して出力軸24から出力する。入力軸22は入力回転部材に相当するものであり、本実施例では走行用の動力源であるエンジン30によって回転駆動されるトルクコンバータ32のタービン軸である。出力軸24は出力回転部材に相当するものであり、たとえば図示しない差動歯車装置(終減速機)や一対の車軸等を順次介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この自動変速機10はその軸心に対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはその軸心の下半分が省略されている。
上記第1遊星歯車装置12は、サンギアS1、互いに噛み合う複数対のピニオンギアP1、そのピニオンギアP1を自転及び公転可能に支持するキャリアCA1、ピニオンギアP1を介してサンギアS1と噛み合うリングギアR1を備え、サンギアS1、キャリアCA1、及びリングギアR1によって3つの回転要素が構成されている。キャリアCA1は入力軸22に連結されて回転駆動され、サンギアS1は回転不能にケース26に一体的に固定されている。リングギアR1は中間出力部材として機能し、入力軸22に対して減速回転させられて、回転を第2変速部20へ伝達する。本実施例では、入力軸22の回転をそのままの速度で第2変速部20へ伝達する経路が、予め定められた一定の変速比(=1.0)で回転を伝達する第1中間出力経路であり、その第1中間出力経路には、入力軸22から第1遊星歯車装置12を経ることなく第2変速部20へ回転を伝達する直結経路PA1aと、入力軸22から第1遊星歯車装置12のキャリアCA1を経て第2変速部20へ回転を伝達する間接経路PA1bとがある。また、入力軸22からキャリアCA1、そのキャリアCA1に配設されたピニオンギアP1、及びリングギアR1を経て第2変速部20へ伝達する経路が、第1中間出力経路PA1よりも大きい変速比(>1.0)で入力軸22の回転を変速(減速)して伝達する第2中間出力経路PA2である。
前記第2遊星歯車装置16は、サンギアS2、ピニオンギアP2、そのピニオンギアP2を自転及び公転可能に支持するキャリアCA2、ピニオンギアP2を介してサンギアS2と噛み合うリングギアR2を備えている。また、前記第3遊星歯車装置18は、サンギアS3、互いに噛み合う複数対のピニオンギアP2及びP3、そのピニオンギアP2及びP3を自転及び公転可能に支持するキャリアCA3、ピニオンギアP2及びP3を介してサンギアS3と噛み合うリングギアR3を備えている。
上記第2遊星歯車装置16及び第3遊星歯車装置18では、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されている。具体的には、第2遊星歯車装置16のサンギアS2によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16のキャリアCA2及び第3遊星歯車装置18のキャリアCA3が互いに一体的に連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置16のリングギアR2及び第3遊星歯車装置18のリングギアR3が互いに一体的に連結されて第3回転要素RM3が構成され、第3遊星歯車装置18のサンギアS3によって第4回転要素RM4が構成されている。この第2遊星歯車装置16及び第3遊星歯車装置18は、キャリアCA2及びCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギアR2及びR3が共通の部材にて構成されており、且つ第2遊星歯車装置16のピニオンギアP2が第3遊星歯車装置18の第2ピニオンギアを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
図1において、クラッチC1〜C4、及びブレーキB1、B2は、油圧アクチュエータとその油圧アクチュエータに供給される油圧により係合或いは解放される多板式のクラッチあるいはブレーキとを備える油圧式摩擦係合装置であり、第1回転要素RM1(サンギアS2)は、第1ブレーキB1を介してケース26に選択的に連結されて回転停止され、第3クラッチC3を介して中間出力部材である第1遊星歯車装置12のリングギアR1(すなわち第2中間出力経路PA2)に選択的に連結され、さらに第4クラッチC4を介して第1遊星歯車装置12のキャリアCA1(すなわち第1中間出力経路PA1の間接経路PA1b)に選択的に連結されるようになっている。第2回転要素RM2(キャリアCA2及びCA3)は、第2ブレーキB2を介してケース26に選択的に連結されて回転停止され、第2クラッチC2を介して入力軸22(すなわち第1中間出力経路PA1の直結経路PA1a)に選択的に連結されるようになっている。第3回転要素RM3(リングギアR2及びR3)は、出力軸24に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第4回転要素RM4(サンギアS3)は、第1クラッチC1を介してリングギアR1に連結されるようになっている。なお、第2回転要素RM2とケース26との間には、第2回転要素RM2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチF1が第2ブレーキB2と並列に設けられている。本実施例の自動変速機10は、上記複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2)が選択的に係合させられることにより変速比の異なる複数の変速段が成立するようになっている。
図2は、上記複数の変速段を成立させる際の各油圧式摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表である。図2において、「○」は係合状態を、「(○)」はエンジンブレーキ時のみの係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ表している。第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無い。また、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、及び第3遊星歯車装置18の各ギア比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
図2に示すように、自動変速機10では、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2が係合させられることにより、変速比γ(=入力軸22の回転速度NIN/出力軸24の回転速度NOUT)が最大である第1変速段「1st」が成立させられ、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が係合させられることにより、変速比γが第1変速段「1st」よりも小さい第2変速段「2nd」が成立させられ、第1クラッチC1及び第3クラッチC3が係合させられることにより、変速比γが第2変速段「2nd」よりも小さい第3変速段「3rd」が成立させられ、第1クラッチC1及び第4クラッチC4が係合させられることにより、変速比γが第3変速段「3rd」よりも小さい第4変速段「4th」が成立させられ、第1クラッチC1及び第2クラッチC2が係合させられることにより、変速比γが第4変速段「4th」よりも小さい第5変速段「5th」が成立させられ、第2クラッチC2及び第4クラッチC4が係合させられることにより、変速比γ(=1)が第5変速段「5th」よりも小さい第6変速段「6th」が成立させられ、第2クラッチC2及び第3クラッチC3が係合させられることにより、変速比γが第6変速段「6th」よりも小さい第7変速段「7th」が成立させられ、第2クラッチC2及び第1ブレーキB1が係合させられることにより、変速比γが第7変速段「7th」よりも小さい第8変速段「8th」が成立させられる。
また、第3クラッチC3及び第2ブレーキB2が係合させられることにより、逆回転方向で変速比が最も大きい第1後進変速段「Rev1」が成立させられ、第4クラッチC4及び第2ブレーキB2が係合させられることにより、第1後進変速段「Rev1」よりも変速比が小さい第2後進変速段「Rev2」が成立させられる。
また、図2の作動表から明らかなように、自動変速機10は、クラッチC1〜C4及びブレーキB1、B2の何れか2つを掴み替える所謂クラッチツウクラッチにより各変速段を順次切り換えることができるようになっている。
図3は、上記複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2)に対して油圧を供給する油圧制御回路33のうち、その複数の油圧式摩擦係合装置に供給される油圧を制御するための部分を示した回路図である。図3に示すように、本実施例の油圧制御回路33は、前記クラッチC1〜C4、及びブレーキB1、B2の各油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)34、35、36、37、38、39に応じてリニアソレノイド弁SL1、SL2、SL3、SL4、SL5、SL6(以下、特に区別しない場合には単にSLという)がそれぞれ個別に設けられており、油圧供給装置40から出力される元圧(Dレンジ圧、前進レンジ圧、前進油圧)すなわちライン圧PLがそれぞれのリニアソレノイド弁SL1〜SL6により調圧されて上記油圧アクチュエータ34〜39に供給されるようになっている。油圧供給装置40は、前記エンジン30によって回転駆動される機械式の油圧ポンプ42(図1参照)から発生する油圧を元にしてライン圧PLを調圧するものである。それぞれのリニアソレノイド弁SL1〜SL6の出力ポート付近には、上記調圧された出力油圧PSL1乃至PSL6を検出する圧力センサ(油圧検出装置)SE1、SE2、SE3、SE4、SE5、SE6(以下、特に区別しない場合には単にSEという)がそれぞれ設けられており、油圧供給装置40の出力ポート付近には、調圧され出力された作動油のライン圧PLを検出する圧力センサ(元圧検出装置)44および作動油の油温(温度)TOILを検出する温度センサ(油温検出装置)46が設けられている。
図4は、前記変速制御用のリニアソレノイド弁SLの構成を説明する図である。ここで、本実施例の油圧制御回路33に備えられたリニアソレノイド弁SL1〜SL6は、基本的には何れも同じ構成であるため、図4にはリニアソレノイド弁SL1を例示している。このリニアソレノイド弁SL1は、通電されることにより電気エネルギを駆動力に変換する装置であるソレノイド50と、そのソレノイド50の駆動により元圧であるライン圧PLを調圧して所定の出力油圧PSL1を発生させる調圧部52とを備えている。ソレノイド50は、円筒状の巻芯54と、その巻芯54の外周に導線が巻回されたコイル56と、その巻芯54の内部を軸心方向に移動可能に設けられたコア58と、そのコア58における調圧部52とは反対側の端部に固設された鉄片60と、それら巻芯54、コイル56、コア58、及び鉄片60を格納するための有底円筒状のヨーク62と、そのヨーク62の開口に嵌め着けられたカバー64とから成る。調圧部52は、ヨーク62に嵌め着けられたスリーブ66と、そのスリーブ66の内部を軸心方向に移動可能に設けられて入力ポート72と出力ポート76との間を開閉する弁子68と、その弁子68をソレノイド50に向かう方向すなわち閉弁方向に付勢するスプリング70とから成り、その弁子68におけるソレノイド50側の端部は、コア58における調圧部52側の端部に当接させられている。
上記のように構成されたリニアソレノイド弁SL1の弁子68には、スプリング70によるばね力がその弁子68をコア58に向けて付勢する方向に作用し、また、弁子68に設けられた通路73を介して部屋75に供給される出力油圧PSL1とその部屋75における弁子68の軸心方向の面積差との積で表されるフィードバック推力が上記ばね力と同じ閉弁方向に作用する。また、コイル56に駆動電流IDRが流されると、その電流値に比例して大きくなるソレノイド推力が鉄片60に対してコア58を付勢する方向すなわち開弁方向に作用し、弁子68には、上記ソレノイド推力がコア58を介して上記開弁方向すなわち上記ばね力およびフィードバック推力の作用方向とは反対方向に作用する。弁子68は、上記それぞれの力が釣り合う位置まで軸心方向に移動させられる。このため、リニアソレノイド弁SL1では、上記弁子68の移動位置に応じて入力ポート72から流入する作動油の流量およびドレンポート74から排出される作動油の流量が調整され、たとえば図5に示されるような駆動電流IDRと出力油圧PSL1との関係を示す特性にしたがって、入力ポート72から入力されるライン圧PLから駆動電流IDRに対応する所定の出力油圧PSL1が調圧されて出力ポート76から出力されるようになっている。
図6は、図1の自動変速機10などを制御するために車両に設けられた制御系統の構成の要部を説明するブロック線図である。図6において、電子制御装置78は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、その電子制御装置78に供給された入力信号がRAMの一時記憶機能が利用されつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って処理され、その処理の結果として算出された制御信号が出力されることにより、前記エンジン30の出力制御や自動変速機10の変速制御等が実行されるようになっている。上記入力信号には、アクセル操作量センサ80により検出される運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるアクセルペダル82の操作量ACC、エンジン回転速度センサ84により検出されるエンジン30の回転速度N、吸入空気量センサ86により検出されるエンジン30の吸入空気量Q、吸入空気温度センサ88により検出される吸入空気の温度T、アイドルスイッチ付スロットル弁開度センサ90により検出されるエンジン30の電子スロットル弁の全閉状態(アイドル状態)及びその開度θTH、車速センサ92により検出される車速V(出力軸24の回転速度NOUTに対応)、冷却水温センサ94により検出されるエンジン30の冷却水温T、ブレーキセンサ96により検出される運転者の減速要求量に応じて大きく踏み込み操作されるフットブレーキのブレーキペダル98の操作の踏込量θSC、レバーポジションセンサ100により検出されるシフトレバー102のレバーポジション(操作位置)PSH、タービン回転速度センサ104により検出されるタービンの回転速度N(=入力軸22の回転速度NINに対応)、加速度センサ106により検出される車両の加速度(減速度)G、温度センサ46により検出される油圧制御回路33内の作動油の温度である油温TOIL、圧力センサSE1〜SE6により検出される出力油圧PS1〜PS6などの信号が該当する。
前記電子制御装置78は、たとえば図7に示すような車速V及びアクセル操作量ACCがパラメータとして予め記憶された関係(マップ、変速線図)から、実際の車速V及びアクセル操作量ACCに基づいて変速判断を行い、その判断に応じた変速段が得られるよう変速制御を行う。たとえば、車速Vが低くなったりアクセル操作量ACCが大きくなったりするに従って、変速比が大きい低速側の変速段が成立させられる。この変速制御においては、その変速判断がなされた変速段が成立させられるように、油圧制御回路33内の複数のリニアソレノイド弁SLの励磁、非励磁や電流制御が実行されることで、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチCやブレーキB)の係合、解放状態がそれぞれ切り換えられるとともに変速過程の過渡油圧が制御される。つまり、前記リニアソレノイド弁SLの励磁、非励磁をそれぞれ制御することによりクラッチC及びブレーキBの係合、解放状態が切り換わり第1変速段「1st」〜第8変速段「8th」のいずれかの前進変速段が成立させられようになっている。なお、スロットル弁開度θTHや吸入空気量Q、路面勾配などに基づいて変速制御が行われる等、種々の態様が可能である。
上記図7の変速線図において、実線はアップシフトが判断されるための変速線(アップシフト線)であり、破線はダウンシフトが判断されるための変速線(ダウンシフト線)である。また、この変速線図は、自動変速機10で変速が実行される第1変速段「1st」〜第8変速段「8th」のうち、第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の変速線が例示されているものである。上記変速線図における変速線は、実際のアクセル操作量ACC(%)を示す横線上において、実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)を越えたか否かを判断するためのものであり、上記値すなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されていることにもなる。
前記電子制御装置78は、車両用リニアソレノイド弁異常判定装置としても機能している。図8は、その電子制御装置78の制御機能の一部、すなわち車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁SLの異常を判定するための車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
図8において、変速制御手段108は、たとえば図7に示すような車速V及びアクセル操作量ACCがパラメータとして予め記憶された関係(マップ、変速線図)から、実際の車速V及びアクセル操作量ACCに基づいて変速判断を行い、その判断に応じた変速段が得られるように変速制御を行う。この変速制御は、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC、ブレーキB)のうちの上記変速判断された変速の実現に関与する一対の解放側の油圧式摩擦係合装置および係合側の油圧式摩擦係合装置の係合圧(油圧、出力油圧)を制御する一対のリニアソレノイド弁SLに駆動電流IDRを供給して、予め設定された手順にて、解放側の油圧式摩擦係合装置を解放させつつ係合側の油圧式摩擦係合装置を係合させる所謂クラッチツウクラッチ変速制御を行うものである。
図9は、所定の係合側の油圧式摩擦係合装置の係合過渡状態におけるリニアソレノイド弁SLに供給された指令信号である駆動電流IDRに応じた指令圧の変化を実線で示し、実際にそのリニアソレノイド弁SLから出力される出力油圧の変動を1点鎖線で示した、上記予め設定された手順の一部である油圧上昇開始部分に対応する図であって、(a)は正常時を、(b)は異常時を示している。図9(a)において、t1時点にて変速出力が開始されると、変速制御手段108は、t2時点までのファーストフィル区間において一時的な油圧上昇波形を形成するための比較的高いファーストフィル圧Pfとするためのファーストフィル指令信号を出力させ、次いでt3時点までの待機区間においてファーストフィル圧Pfよりも低い待機圧Pfsとするための待機圧指令信号を出力させて係合直前状態を維持させる。次いで、その待機区間後(t4時点後)のスイープ区間において緩やかに油圧式摩擦係合装置の係合トルクを上昇させるための指令信号を出力させ、図示しない時点において同期判断が行われると前記係合トルクを最大値まで上昇させるための指令信号を出力させる。変速制御手段108は、係合側のリニアソレノイド弁SLの出力油圧の上昇開始に際してすなわち係合側の油圧式摩擦係合装置の係合トルクが緩やかに上昇する前に、たとえば図9(a)に示す一時的な油圧上昇波形を形成するためのファーストフィル指令信号とそれに続いてそれよりも低い待機圧指令信号とを出力する。
上記指令圧に対して、リニアソレノイド弁SLが故障のない正常な状態であれば、図9(a)に示すように、実際にそのリニアソレノイド弁SLから出力される出力油圧(係合圧)は、上記ファーストフィル指令信号に応じて一時的に上昇して最大出力油圧Paを示した後、次いで待機圧指令信号に応じて低下してファーストフィル指令信号出力後(t2時点後)の最小出力油圧を示し、次いでスイープ区間にて緩やかに上昇する変動を示す。ところが、変速制御開始後に、リニアソレノイド弁SLに異常が発生たとえばファーストフィル指令信号を出力している際にそのリニアソレノイド弁SLが内部固着したような場合、上記正常時のような指令圧の変化に応じて一時的に上昇した後減少する出力油圧変動とはならず、図9(b)に示すように、固着位置に応じた出力油圧を出力するようその出力油圧に向かって収束していく変動を示す。本実施例のリニアソレノイド弁異常判定装置は、このようなリニアソレノイド弁からの出力油圧が異常時には正常時とは異なる変動を示すことを利用することにより異常を検出するものである。
判定時間算出手段109は、油温センサ46により検出されたリニアソレノイド弁SLに供給される作動油の状態すなわち油温TOILに基づいて、図10に示すような予め記憶された関係(マップ)から、後述の異常判定手段等にて異常判定のために用いられる判定時間Tを算出する。判定時間Tは、上記作動油の油温TOILの条件下で、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時のものであるか正常時のものであるかが確実に判断できる時間、たとえばファーストフィル指令信号出力後の前記最大出力油圧Paに続く前記最小出力油圧が得られるまでの時間の下限値であって、予め実験的に求められたものである。
指令圧信号差算出手段110は、変速制御手段108にて出力された前記ファーストフィル指令信号と前記待機圧指令信号との差である指令圧信号差Hを算出する。この指令圧信号差Hは、指令圧信号すなわち駆動電流IDRの大きさに応じて変動するリニアソレノイド弁SLの出力油圧のファーストフィル指令信号出力後の低下度合いに影響を与えるものであり、後述の異常判定値算出手段112にてその低下度合いの限界値を表す異常判定値Jの算出に用いられる。
異常判定値算出手段112は、先ず、上記算出された指令圧信号差Hに基づいて、図11に示すような予め記憶された関係(マップ)から、リニアソレノイド弁SLの出力油圧のファーストフィル指令信号出力後の低下度合いの限界値を表す標準異常判定値Js(本実施例では、単位は(Pa))を算出する。上記限界値(標準異常判定値Js)とは、リニアソレノイド弁SLに故障がない時すなわち正常時におけるファーストフィル指令信号出力後の判定時間T内における出力油圧の最大値と前記判定時間T経過時における前記出力油圧との差の下限値のことであり、予め実験的に求められる。次いで、圧力センサ44にて検出されたライン圧PLおよび温度センサ46にて検出された油温TOILに基づいて、図12および13に示すような予め記憶された関係(マップ)からそれぞれ異常判定値補正係数aおよび異常判定値補正係数bを算出し、それらを上記標準異常判定値Jsに掛算する演算を行うことにより異常判定値J(=a×b×Js)を算出する。異常判定値補正係数aおよび異常判定値補正係数bは、リニアソレノイド弁SLに供給される作動油の状態(ライン圧PL、油温TOIL)により変化する上記限界値に対してその変化に応じた補正を行うためのものであり、予め実験的に求められる。
低下評価値算出手段114は、図9(a)や図9(b)に示すように、t2時点以降の前記算出された判定時間T内における最大出力油圧Paと、t4時点すなわちファーストフィル指令信号の出力完了時から判定時間Tが経過した時の出力油圧Pbとの差である低下評価値E(本実施例では単位は(Pa))を算出する。すなわち低下評価値Eは、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における出力油圧の最大値Paと前記所定時間経過時点t4における出力油圧Pbとの差(=Pa−Pb)である。
異常判定手段116は、低下評価値算出手段114にて算出された低下評価値Eが異常判定値算出手段112にて算出された異常判定値Jを下回るか否か、すなわち実際の出力油圧のファーストフィル指令信号出力後の低下度合いが、正常時に示すべき低下度合いの限界値を下回るか否かを判定する。低下評価値Eが上記異常判定値Jを下回る場合は、リニアソレノイド弁SLが異常であると判定する。異常判定手段116は、圧力センサSEにより検出される出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値Eが予め設定された関係から算出された異常判定値Jを下回る場合に異常と判定する。
フェールセーフ制御手段118は、異常判定手段116にてリニアソレノイド弁Slが異常であると判定された場合、自動変速機10に対してフェールセーフ制御を行う。具体的には、その後一切の変速段の切換は、異常と判断されたリニアソレノイド弁SLに対応する油圧式摩擦係合装置を係合することにより成立する変速段に対してのみ行われる。たとえば、図2において、3→2ダウン変速実行時において異常と判定された場合、フェールとされたブレーキB1を係合することにより成立する第2変速段或いは第8変速段を使用して車両を走行させる。
図14は、電子制御装置78の信号処理によって実行される制御作動の一部であって前記リニアソレノイド弁異常判定装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。このフローチャートは、リニアソレノイド弁SLの異常判定を実行する異常判定ルーチンすなわち異常判定を行うための一連の手順であって、たとえば電子制御装置78の変速判断により変速制御が開始され、前記変速制御手段108におけるファーストフィル指令信号が出力されるときから、たとえば数msec〜数十msecの所定の周期で繰り返し実行される。
図14において、先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、ファーストフィルが終了したか否かが判断される。上記判断は、たとえば、ファーストフィル指令信号の出力が終了したか否か、あるいは待機圧指令信号の出力が開始されたか否か等に基づいてなされる。SA1の判断が否定される場合には、本ルーチンは終了させられるが、肯定される場合には、SA2において、係合側の油圧式摩擦係合装置に対応する所定のリニアソレノイド弁SLからの現在の出力油圧Pbが、対応する圧力センサSEにより検出されRAM等に記憶される。次いで、判定時間算出手段109に対応するSA3では、リニアソレノイド弁SLに供給される作動油の油温TOILが温度センサ46により検出され、異常を判定するための判定時間Tが上記検出された油温TOILに基づいて予め記憶された関係から算出される。次いで、SA4では、ファーストフィル終了すなわちファーストフィル指令信号の出力完了から経過した時間が、上記算出された判定時間Tに対して経過後かあるいは経過時かあるいは経過前かが判断される。なお、本実施例では、上記経過時であると判断されるのは、その時点から判定時間T経過時までの残り時間が前記異常判定ルーチンの所定の繰り返し周期以下であるときである。また、上記SA4にて経過後であると判断された場合、本ルーチンは終了させられる。
また、上記SA4にて経過前であると判断された場合、SA5において、前回のルーチン終了時にRAM等に記憶されていた現時点での最大出力油圧Paが本ルーチンのSA2にて検出された現在の出力油圧Pbを上回るか否かが判断される。なお、今回が異常判定ルーチンの初回実行時である場合は、Paの値は零とされているものとする。SA5の判断が否定される場合には、SA6においてRAM等に記憶された最大出力油圧Paの値は変更されず、SA5の判断が否定される場合には、SA7において最大出力油圧Paの値はSA2にて検出された出力油圧Pbの値に変更されRAM等に記憶される。
また、上記SA4にて経過時であると判断された場合、指令圧信号差算出手段110に対応するSA8において、変速制御開始以降に出力されたファーストフィル圧Pfとするためのファーストフィル指令信号と待機圧Pfsとするための待機圧指令信号との差である指令圧信号差Hが算出される。次いで、異常判定値算出手段112に対応するSA9において、圧力センサ44によりライン圧PLが検出され、続いて、検出されたライン圧PL、SA8にて算出された指令圧信号差H、およびSA3にて検出された油温TOILに基づいて、予め実験的に求められ記憶された関係から標準異常判定値Js、異常判定値補正係数a、および異常判定値補正係数bが算出され、続いて、上記算出された標準異常判定値Js、異常判定値補正係数a、および異常判定値補正係数bを掛算する演算が行われることにより異常判定値J(=a×b×Js)が算出される。次いで、低下評価値算出手段114に対応するSA10において、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間すなわち判定時間T内における最大出力油圧Paと、現在すなわち判定時間T経過時における出力油圧Pbとの差である低下評価値Eが算出される。
次いで、SA11において、SA10にて算出された低下評価値EがSA9にて算出された異常判定値Jを下回るか否かが判断される。上記SA11の判断が否定される場合には、SA12においてリニアソレノイド弁SLは正常であると判断されて、本ルーチンは終了させられる。また、上記SA11の判断が肯定される場合には、SA13においてリニアソレノイド弁SLは異常であると判断されて、続くフェールセーフ制御手段118に対応するSA14において、その後一切の変速段の切換は、異常と判断されたリニアソレノイド弁SLに対応する油圧式摩擦係合装置を係合することにより成立される変速段に対してのみ行われる。なお、上記一連の手順のうち、SA4、SA11〜SA13が異常判定手段116に対応し、SA5〜SA7、SA10が低下評価値算出手段114に対応する。
上述のように、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、リニアソレノイド弁SLの出力油圧の上昇開始に際して一時的な油圧上昇波形を形成するためのファーストフィル指令信号とそれに続いてそれよりも低い待機圧指令信号とを出力する変速制御手段108と、リニアソレノイド弁SLの出力油圧を検出する圧力センサSEと、その圧力センサSEにより検出され算出される出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値Eが予め求められ記憶された異常判定値Jを下回る場合に異常と判定する異常判定手段116とを、含むことから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を正確且つ容易に検出することができる。
また、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、低下評価値Eは、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間である判定時間T内における最大出力油圧Paと判定時間Tの経過時における出力油圧Pbとの差であることから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なる、すなわち異常時にはファーストフィルによる一時的な油圧上昇波形が形成されず上記差(低下評価値E)が正常時のものより小さいことを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
また、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、異常判定値Jは、正常時におけるファーストフィル指令信号出力後の判定時間T内における出力油圧の最大値Paと判定時間Tの経過時における出力油圧Pbとの差の予め設定された許容限界値であることから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
また、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、異常判定値Jは、予め記憶された関係からファーストフィル指令信号と待機圧指令信号との差に基づいて変更されるものであることから、リニアソレノイド弁からの出力油圧の変動が異常時のものと上記差を考慮した正常時のものとでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を一層正確に検出することができる。
また、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、リニアソレノイド弁SLに供給される元圧であるライン圧PLを検出する圧力センサ(元圧検出装置)44を備え、異常判定値Jは、予め記憶された関係から圧力センサ44により検出されるライン圧PLに基づいて変更されるものであることから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時のものと上記ライン圧PLを考慮した正常時のものとでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を一層正確に検出することができる。
また、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、リニアソレノイド弁SLに供給される作動油の油温(温度)TOILを検出する温度センサ46を備え、異常判定値Jおよび判定時間Tは、予め記憶された関係から温度センサ46により検出される作動油の油温TOILに基づいて変更されるものであることから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時のものと上記供給される作動油の状態を考慮した正常時のものとでは異なることを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を一層正確に検出することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15は、本発明の他の実施例における車両用リニアソレノイド弁異常検出装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図8に相当する図である。図15において、低下評価値算出手段120は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間である判定時間T内における出力油圧の最大負勾配すなわち単位時間あたりの最大出力油圧低下値である低下評価値E(本実施例では単位は(Pa/sec))を算出する。たとえば、リニアソレノイド弁SLの出力油圧の一次微分波形のうちの負側のピークが発生した時の値が最大負勾配値として求められる。
異常判定値算出手段122は、先ず、指示圧信号差算出手段110にて算出された指令圧信号差Hに基づいて、図11に示すような予め記憶された関係(マップ)から、リニアソレノイド弁SLの出力油圧のファーストフィル指令信号出力後の低下度合いの限界値を表す標準異常判定値Js(本実施例では、単位は(Pa/sec))を算出する。上記限界値(標準異常判定値Js)とは、リニアソレノイド弁SLに故障のない状態すなわち正常時における指令圧の変化に対して変動するリニアソレノイド弁SLからの出力油圧の最大負勾配の下限値のことであり、予め実験的に求められる。次いで、圧力センサ44にて検出されたライン圧PLおよび温度センサ46にて検出された油温TOILに基づいて、図12および13に示すような予め記憶された関係(マップ)から、それぞれ異常判定値補正係数aおよび異常判定値補正係数bを算出し、それらを上記標準異常判定値Jsに掛算する演算を行うことにより異常判定値J(=a×b×Js)を算出する。異常判定値補正係数aおよび異常判定値補正係数bは、リニアソレノイド弁SLに供給される作動油の状態(ライン圧PL、油温TOIL)により変化する上記限界値に対してその変化に応じた補正を行うためのものであり、予め実験的に求められる。
異常判定手段116は、低下評価値算出手段120にて算出された判定時間T内における出力油圧の最大負勾配である低下評価値Eが異常判定値算出手段122にて予め記憶された関係から算出された異常判定値Jを下回るか否か、すなわち実際の出力油圧のファーストフィル指令信号出力後の低下度合いが、正常時に示すべき低下度合いの限界値を下回るか否かを判定する。低下評価値Eが異常判定値Jを下回る場合は、リニアソレノイド弁SLが異常であると判定する。異常判定手段116は、圧力センサSEにより検出される出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値Eが予め設定された関係から算出された異常判定値Jを下回る場合に異常と判定する。
図16は、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図16において、S4にて経過前であると判断された場合、S100において、前回のルーチン実行時に検出されRAM等に記憶された出力油圧Pbと、今回S2にて検出された出力油圧Pbとを比較することにより、前回よりも出力油圧が低下しているか否かが判断される。S100の判断が否定される場合には、本ルーチンは終了させられるが、肯定される場合には、S101において、前回のルーチン実行時に検出された出力油圧Pbと今回S2にて検出された出力油圧Pbとの差が求められ、その算出された差を前記所定の周期で割算する演算により単位油圧低下量△Pb(Pa/sec)が算出される。次いで、S102において、RAM等に記憶された前回のルーチン終了時における最大単位油圧低下量△Paが今回S101にて算出された単位油圧低下量△Pbを上回るか否かが判断される。なお、今回が異常判定ルーチンの初回実行時である場合は、△Paの値は零とされているものとする。S102の判断が否定される場合には、S103においてRAM等に記憶された最大単位油圧低下量△Paの値は変更されず、S102の判断が否定される場合には、S104において最大単位油圧低下量△Paの値はS101にて算出された単位油圧低下量△Pbの値に変更されRAM等に記憶される。そして、前実施例の図14のS10に相当するS105において、最大単位油圧低下量△Paが低下評価値E(本実施例では単位は(Pa/sec))とされる。なお、上記一連の手順のうち、SA100〜SA105が低下評価値算出手段120に対応する。
本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、低下評価値Eは、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間である判定時間T内における出力油圧の最大負勾配であることから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なる、すなわち異常時にはファーストフィルによる一時的な油圧上昇波形が形成されず最大負勾配が正常時のものより小さいことを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
図17は、本発明の他の実施例における車両用リニアソレノイド弁異常検出装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図17において、低下評価値算出手段124は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間である判定時間T内における出力油圧の二次微分波形のピーク数である低下評価値Eを算出する。図18および図19は、上記出力油圧の二次微分波形を説明するための図であって、正常時の一例の出力油圧を示す図9(a)に対応する図18(a)に対して、図18(b)は図18(a)の出力油圧波形の一次微分波形を示し、図18(c)は図18(a)の出力油圧波形のニ次微分波形を示している。図19は、異常時の一例の出力油圧を示す図9(b)に対応する図19(a)に対して、図19(b)は図19(a)の出力油圧波形の一次微分波形を示し、図19(c)は図19(a)の出力油圧波形のニ次微分波形を示している。上記二次微分波形のピーク数とは、図18(c)および図19(c)におけるp1乃至p6のように、二次微分波形のうちのピークすなわち勾配が零の箇所の数のことである。
また、本実施例の異常判定値Jは、2(個)であって予めROM等に記憶されている。上記異常判定値Jは、リニアソレノイド弁SLに故障のない状態すなわち正常時に、指令圧の変化に対して変動するリニアソレノイド弁SLからの出力油圧の二次微分波形のピーク数の下限値である。因みに、上記2(個)という値は、異常時の出力油圧の二次微分波形を示す図19(c)には判定時間T内のピーク数が1個(p6)現れていることに対して、正常時の出力油圧の二次微分波形を示す図18(c)には判定時間T内にピーク数が2個(p2およびP3)現れていることに基づくものである。
異常判定手段116は、低下評価値算出手段124にて算出された判定時間T内における出力油圧の二次微分波形のピーク数である低下評価値Eが予め記憶された異常判定値J(=2(個))を下回るか否か、すなわち実際の出力油圧が、正常時に示すべき一時的な油圧上昇後の油圧低下を示すか否かを判定する。低下評価値Eが異常判定値Jを下回る場合は、リニアソレノイド弁SLが異常であると判定する。異常判定手段116は、圧力センサSEにより検出される出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値Eが予め設定された異常判定値Jを下回る場合に異常と判定する。
図20は、本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、S2において、係合側の油圧式摩擦係合装置に対応する所定のリニアソレノイド弁SLからの現在の出力油圧Pbが、対応する圧力センサSEにより検出され現在の経過時間とともにRAM等に記憶される。またSA4にて経過前であると判断された場合は、本ルーチンは終了させられる。また、前実施例のS10、S105に相当する低下評価値算出手段に対応するS200において、S2にて検出されRAM等に記憶された経過時間と出力油圧Pbとが対になったデータから出力油圧Pbの2次微分波形が求められ、さらにその2次微分波形の判定時間T内におけるピーク数が算出される。
本実施例の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置によれば、低下評価値Eは、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間である判定時間T内における出力油圧の二次微分波形のピーク数であることから、リニアソレノイド弁SLからの出力油圧の変動が異常時と正常時とでは異なる、すなわち異常時にはファーストフィルによる一時的な油圧上昇波形が形成されず前記二次微分波形のピーク数が正常時のものより少ないことを利用することにより異常判定が行われるので、リニアソレノイド弁SLが変速制御開始後に固着した場合の異常を検出することができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例では、自動変速機10は、複数個の遊星歯車装置12、16、18の各回転要素が油圧式摩擦係合装置(クラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2)によって選択的に連結されることにより変速段が切り換えられる前進8段後進2段の変速機であったが、複数の変速段が選択的に達成されるものであればよく、例えば前進4段、前進5段、前進6段或いはその他の変速段であってもよい。また、自動変速機10は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)形式、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)形式あるいはその他の車両駆動形式のいずれに用いられてもよい。
また、前述の実施例において、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2)には、それぞれ一対一に対応する複数のリニアソレノイド弁SL1乃至SL6が設けられていたが、たとえば、1つ乃至上記複数の油圧式摩擦係合装置の数より少ない数のリニアソレノイド弁SLにて上記複数の油圧式摩擦係合装置の選択的係合を実現する態様のものであっても差し支えない。
また、前述の実施例において、車両用リニアソレノイド弁異常判定装置には、判定時間算出手段109、低下評価値算出手段114、120、124、異常判定値算出手段112、122が設けられていたが、これらは必ずしも必要ではなく、判定時間T、低下評価値E、および異常判定値Jは一定値であってもよい。それでも一応の効果は得られる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例が適用される車両用自動変速機の構成を説明する骨子図である。 図1の車両用自動変速機の変速段とそれを達成するための油圧式摩擦係合要素の係合の組み合わせとの関係を示す図表である。 図1の自動変速機を搭載した車両において備えられた油圧制御回路の要部を説明する図である。 図3の油圧制御回路に油圧式摩擦係合要素の油圧を制御するために設けられたリニアソレノイド弁の構成を説明する断面図である。 図4のリニアソレノイド弁の弁特性の例を示す図である。 図1の自動変速機などを制御するために車両に設けられた制御系統の構成の要部を説明するブロック線図である。 図6の電子制御装置が変速制御のために用いる予め記憶された変速線図を説明する図である。 電子制御装置の制御機能の一部、すなわち車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を判定するための車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 所定の係合側の油圧式摩擦係合装置の係合過渡状態において、リニアソレノイド弁に供給された駆動電流IDRに対応する指令圧の変化と、実際にリニアソレノイド弁から出力される出力油圧の変動とを例示した図である。 指令圧信号差と標準異常判定値との関係を示す図である。 リニアソレノイド弁に供給されるライン圧と異常判定値補正係数との関係を示す図である。 リニアソレノイド弁に供給される作動油の温度と異常判定値補正係数との関係を示す図である。 リニアソレノイド弁に供給される作動油の油温と判定時間との関係を示す図である。 図6の電子制御装置の制御作動の一部であって車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施例における、車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を判定するための車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図8に相当する図である。 本発明の他の実施例における、車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、図14に相当する図である。 本発明の他の実施例における、車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を判定するための車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図8に相当する図である。 リニアソレノイド弁からの出力油圧の二次微分波形を説明するための図であって、正常時のものを示している。 リニアソレノイド弁からの出力油圧の二次微分波形を説明するための図であって、異常時のものを示している。 本発明の他の実施例における、車両用リニアソレノイド弁異常判定装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、図14に相当する図である。
符号の説明
10:車両用自動変速機(自動変速機)
44:圧力センサ
46:温度センサ
108:変速制御手段
110:指令圧信号差算出手段
109:判定時間算出手段
112:異常判定値算出手段
114:低下評価値算出手段
116:異常判定手段
118:フェールセーフ制御手段
120:低下評価値算出手段
122:低下評価値算出手段
124:異常判定値算出手段
B1、B2:ブレーキ(油圧式摩擦係合装置)
C1〜C4:クラッチ(油圧式摩擦係合装置)
E:低下評価値
H:指令圧信号差(差)
J:異常判定値
Pf:ファーストフィル圧
Pfs:ファーストフィル待機圧
PL:ライン圧
SL1〜PSL6:出力油圧
Pa:最大出力油圧
Pb:出力油圧
SE1〜SE6:圧力センサ
SL1〜SL6:リニアソレノイド弁
T:判定時間
p1〜p6:ピーク

Claims (8)

  1. 車両の変速制御に用いられる油圧式摩擦係合装置の油圧を制御するリニアソレノイド弁の異常を判定するための車両用リニアソレノイド弁異常判定装置であって、
    前記リニアソレノイド弁の出力油圧の上昇開始に際して一時的な油圧上昇波形を形成するためのファーストフィル指令信号とそれに続いてそれよりも低い待機圧指令信号とを出力する変速制御手段と、
    前記リニアソレノイド弁の出力油圧を検出する油圧検出装置と、
    該油圧検出装置により検出される前記出力油圧の一時的な油圧上昇後の油圧低下度合いを示す低下評価値が予め設定された異常判定値を下回る場合に異常と判定する異常判定手段と
    を、含むことを特徴とする車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  2. 前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における前記出力油圧の最大値と該所定時間の経過時における前記出力油圧との差である請求項1の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  3. 前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後における前記出力油圧の最大負勾配である請求項1の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  4. 前記低下評価値は、ファーストフィル指令信号出力後の所定時間内における前記出力油圧の二次微分波形のピーク数である請求項1の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  5. 前記異常判定値は、正常時におけるファーストフィル指令信号出力後の前記所定時間内における前記出力油圧の最大値と該所定時間の経過時における前記出力油圧との差の予め設定された許容限界値である請求項2の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  6. 前記異常判定値は、予め記憶された関係から前記ファーストフィル指令信号と前記待機圧指令信号との差に基づいて変更されるものである請求項2、3および5のいずれか1の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  7. 前記リニアソレノイド弁に供給される元圧を検出する元圧検出装置を備え、
    前記異常判定値は、予め記憶された関係から該元圧検出装置により検出される元圧に基づいて変更されるものである請求項2、3、5および6のいずれか1の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
  8. 前記リニアソレノイド弁に供給される作動油の温度を検出する油温検出装置を備え、
    前記異常判定値および前記所定時間は、予め記憶された関係から該油温検出装置により検出される作動油の温度に基づいて変更されるものである請求項2、3、5乃至7のいずれか1の車両用リニアソレノイド弁異常判定装置。
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