JP2010203590A - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動力要求量の増大時に本来的には不要なダウンシフトを低減する。
【解決手段】駆動力要求量の増大例えばアクセル踏込操作に伴う自動変速機10のパワーオンダウンシフトが判断されたときに、実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいている間はそのパワーオンダウンシフトの実行が禁止されるので、過渡状態における目標駆動力Fに対する実駆動力Fの立ち上がり遅れに起因してアクセルペダル52が踏み増しされてパワーオンダウンシフトが判断されたとしても、実駆動力Fが目標駆動力Fに追いついている状態であり現在のギヤ段GSのままで到達する可能性があるときは、そのパワーオンダウンシフトが実行されない。よって、アクセルペダル52の踏増し時に本来的には不要なパワーオンダウンシフトの実行を低減することができる。つまり、ドライバの意図しないパワーオンダウンシフトの実行を低減することができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、車両に対する駆動力要求量に基づいて有段式自動変速機の変速を制御する車両用駆動装置の制御装置に係り、特に、パワーオン時のダウンシフトに関するものである。
アクセル操作量などの車両に対する駆動力要求量(ドライバ要求量)に基づいて例えば目標駆動力を算出し、その目標駆動力が得られるように有段式自動変速機の変速を実行する車両用駆動装置の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1〜3に示された自動変速機の制御装置がそれである。
ここで、ドライバは、加速感など実際の駆動力(実駆動力)を感知してアクセル操作を行うものと考えられる。一方で、一般的に、上述のような車両用駆動装置の制御装置では、実駆動力と目標駆動力とが乖離した際には、例えばドライバの意図通りの駆動力が得られない場合には、実駆動力に対する影響を目標駆動力に反映することでドライバビリティを向上することができる。例えば、目標駆動力と実駆動力とを比較し、走行路の勾配や車載重量等の走行環境に応じて変速機のギヤ段を選択して走行環境による実駆動力の低下分を補償することでドライバビリティを向上することができる。
特開平5−231515号公報 特開2008−164158号公報 特開2006−97740号公報
ところで、過渡時においても目標駆動力に対する実駆動力のある程度の遅れを見越して目標駆動力を高めに設定することが考えられる。しかし、ドライバは、実際には目標駆動力ではなく実駆動力を基にアクセルペダルの踏込操作や戻し操作を行っていると考えられるので、目標駆動力が高めに設定されていたとしても、遅れによって意図通りの実駆動力が出ていない以上、アクセルペダルの踏み増しを行う可能性がある。つまり、ギヤ段自体は目標値ベースで決定されており、本来は遅れがなければそのギヤ段で発生できる駆動力で満足できてアクセルペダルを踏み増すこともなかったものが、実駆動力が目標駆動力に追いついていないためにアクセルペダルを踏み増す可能性がある。その結果、現在のギヤ段で当初の目標駆動力を達成できるにも拘わらず遅れに伴うアクセルペダルの踏増しによってパワーオンダウンシフトが発生する可能性がある。このようなダウンシフトは本来不要であり、結果的に余分な駆動力を出力することになる。また、駆動力が意図したよりも出過ぎることになり、今度はアクセル戻し操作によってアップシフトが発生する可能性がある。また、変速に伴って例えばエンジン回転速度が変化したり、変速自体も余分なものとなる。このようなことから、ドライバ要求量に基づいて単純に有段式自動変速機の変速を実行するとドライバビリティが低下する可能性がある。尚、上述したような課題は未公知である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、駆動力要求量の増大時に本来的には不要なダウンシフトを低減することができる車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 車両に対する駆動力要求量に基づいて目標駆動力関連値を算出し、その目標駆動力関連値が得られるように有段式自動変速機の変速を制御する車両用駆動装置の制御装置であって、(b) 前記駆動力要求量の増大に伴う前記有段式自動変速機のパワーオンダウンシフトを判断したときに、実際の駆動力関連値が前記目標駆動力関連値に近づいている間は、前記パワーオンダウンシフトの実行を禁止することにある。
このようにすれば、駆動力要求量の増大例えばアクセル踏込操作に伴う有段式自動変速機のパワーオンダウンシフトが判断されたときに、実際の駆動力関連値が目標駆動力関連値に近づいている間はパワーオンダウンシフトの実行が禁止されるので、目標駆動力関連値に対する過渡的な実際の駆動力関連値の立ち上がり遅れに起因して駆動力要求量が増大させられてパワーオンダウンシフトが判断されたとしても、実際の駆動力関連値が目標駆動力関連値に追いついている状態であり到達する可能性があるときは、そのパワーオンダウンシフトが実行されない。よって、駆動力要求量の増大時に本来的には不要なパワーオンダウンシフトの実行を低減することができる。つまり、ドライバの意図しないパワーオンダウンシフトの実行を低減することができる。従って、駆動力要求量の増大に基づいて単純に有段式自動変速機のパワーオンダウンシフトを実行する場合と比較して、ドライバビリティを向上することができる。
ここで、好適には、前記目標駆動力関連値に対して前記実際の駆動力関連値が低いときにその目標駆動力関連値及びその実際の駆動力関連値の各変化量を比較し、その実際の駆動力関連値の変化量の方が大きいか否かに基づいて前記実際の駆動力関連値が前記目標駆動力関連値に近づいているか否かを判断するものであり、前記目標駆動力関連値の変化量の方が大きい場合には前記パワーオンダウンシフトを実行する一方で、前記実際の駆動力関連値の変化量の方が大きい場合には前記パワーオンダウンシフトの実行を禁止する。このようにすれば、前記パワーオンダウンシフトが判断されたときに、実際の駆動力関連値が目標駆動力関連値に近づいている間はそのパワーオンダウンシフトの実行が適切に禁止される。また、目標駆動力関連値が実際の駆動力関連値から遠ざかっているときは前記パワーオンダウンシフトが適切に実行される。これにより、例えばドライバの意図する駆動力が適切に出力される。
また、好適には、前記各変化量は、前記目標駆動力関連値及び前記実際の駆動力関連値の各微分値である。このようにすれば、実際の駆動力関連値が目標駆動力関連値に近づいているか否かが適切に判断される。例えば、目標駆動力関連値に対する過渡的な実際の駆動力関連値の立ち上がり遅れが生じているときに実際の駆動力関連値が目標駆動力関連値に追いついている状態であり到達する可能性があるか否かが適切に判断される。
また、好適には、前記有段式自動変速機は、複数組の遊星歯車装置の回転要素が前記湿式摩擦係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式多段変速機により構成される。この遊星歯車式多段変速機における湿式摩擦係合装置としては、油圧アクチュエータによって係合させられる多板式、単板式のクラッチやブレーキ等の油圧式摩擦係合装置が広く用いられる。この油圧式摩擦係合装置を係合させるための作動油を供給するオイルポンプは、例えば走行用の駆動力源により駆動されて作動油を吐出するものでも良いが、駆動力源とは別に配設された専用の電動モータなどで駆動されるものでも良い。
また、好適には、上記油圧式摩擦係合装置を含む油圧制御回路は、例えばリニアソレノイドバルブの出力油圧を直接油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)にそれぞれ供給することが応答性の点で望ましいが、そのリニアソレノイドバルブの出力油圧をパイロット油圧として用いることによりシフトコントロールバルブを制御して、そのコントロールバルブから油圧アクチュエータに作動油を供給するように構成することもできる。
また、好適には、上記リニアソレノイドバルブは、例えば複数の油圧式摩擦係合装置の各々に対応して1つずつ設けられるが、同時に係合したり係合、解放制御したりすることがない複数の油圧式摩擦係合装置が存在する場合には、それ等に共通のリニアソレノイドバルブを設けることもできるなど、種々の態様が可能である。また、必ずしも全ての油圧式摩擦係合装置の油圧制御をリニアソレノイドバルブで行う必要はなく、一部乃至全ての油圧制御をON−OFFソレノイドバルブのデューティ制御など、リニアソレノイドバルブ以外の調圧手段で行っても良い。
また、好適には、前記駆動力源としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジンが広く用いられる。さらに、補助的な走行用動力源として、電動機等がこのエンジンに加えて用いられても良い。或いは、走行用駆動力源として電動機のみが用いられても良い。
尚、この明細書で「油圧を供給する」という場合は、「油圧を作用させ」或いは「その油圧に制御された作動油を供給する」ことを意味する。
本発明が適用された車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の有段式自動変速機の複数の変速段を成立させる際の摩擦係合装置の作動の組み合わせを説明する作動図表である。 図1の車両用駆動装置が備えている制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図3の油圧制御回路のうちクラッチC1、C2、及びブレーキB1〜B3の各油圧アクチュエータの作動を制御するリニアソレノイドバルブに関する回路図である。 図3の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 アクセル開度をパラメータとして車速と目標駆動力との予め実験的に求められて記憶された関係(駆動力マップ)の一例を示す図である。 図1の有段式自動変速機の変速段の決定に用いられる変速線図の一例を示す図である。 スロットル弁開度をパラメータとしてエンジン回転速度とエンジントルク推定値との予め実験的に求められて記憶された関係(エンジントルクマップ)の一例を示す図である。 図3の電子制御装置の制御作動の要部すなわち駆動力要求量の増大時に本来的には不要なダウンシフトを低減する為の制御作動を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置8の構成を説明する骨子図である。図2は車両用駆動装置8が備えている有段式自動変速機(以下、自動変速機という)10の複数の変速段GSを成立させる際の摩擦係合要素すなわち摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表である。車両用駆動装置8は、走行用の動力源であるエンジン30、トルクコンバータ32、自動変速機10、差動歯車装置40、及び一対の車軸44等を備えている(図3参照)。自動変速機10は、車両の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものであって、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース26内において、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置16及びシングルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体としてラビニヨ型に構成されている第2変速部20とを共通の軸心C上に有し、入力軸22の回転を変速して出力回転部材24から出力する。入力軸22は入力部材に相当するものであり、エンジン30によって回転駆動される流体式伝動装置としてのトルクコンバータ32のタービン軸である。また、出力回転部材24は自動変速機10の出力部材に相当するものであり、図3に示す差動歯車装置40に動力を伝達するためにそのデフドリブンギヤ(大径歯車)42と噛み合う出力歯車すなわちデフドライブギヤとして機能している。エンジン30の出力は、トルクコンバータ32、自動変速機10、差動歯車装置40、及び一対の車軸44を介して一対の駆動輪46へ伝達されるようになっている。尚、自動変速機10やトルクコンバータ32は中心線(軸心)Cに対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはその中心線Cの下半分が省略されている。
トルクコンバータ32は、エンジン30の動力を流体を介することなく入力軸22に直接伝達するロックアップ機構としてのロックアップクラッチ34を備えている。このロックアップクラッチ34は、係合側油室36内の油圧と解放側油室38内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合(ロックアップオン)させられることにより、エンジン30の動力が入力軸22に直接伝達される。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわちトルク容量がフィードバック制御されることにより、車両の駆動(パワーオン)時には例えば50rpm程度の所定のスリップ量でタービン軸(入力軸22)をエンジン30の出力軸に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には例えば−50rpm程度の所定のスリップ量でエンジン30の出力軸をタービン軸に対して追従回転させられる。
自動変速機10は、第1変速部14及び第2変速部20の各回転要素(サンギヤS1〜S3、キャリアCA1〜CA3、リングギヤR1〜R3)のうちのいずれかの連結状態の組み合わせに応じて第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の6つの前進変速段(前進ギヤ段)が成立させられるとともに、後進変速段「R」の後進変速段(後進ギヤ段)が成立させられる。図2に示すように、例えば前進ギヤ段では、クラッチC1とブレーキB2との係合により第1速ギヤ段が、クラッチC1とブレーキB1との係合により第2速ギヤ段が、クラッチC1とブレーキB3との係合により第3速ギヤ段が、クラッチC1とクラッチC2との係合により第4速ギヤ段が、クラッチC2とブレーキB3との係合により第5速ギヤ段が、クラッチC2とブレーキB1との係合により第6速ギヤ段が、それぞれ成立させられるようになっている。また、ブレーキB2とブレーキB3との係合により後進ギヤ段が成立させられ、クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3のいずれも解放されることによりニュートラル状態となるように構成されている。
図2の作動表は、上記各変速段GSとクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合を表している。第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無いのである。また、各変速段GSの変速比γGSは、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、及び第3遊星歯車装置18の各ギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
上記クラッチC1、C2、及びブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合要素(油圧式摩擦係合装置)であり、油圧制御回路50(図3参照)のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の励磁、非励磁や電流制御により、係合、解放状態が切り換えられるとともに係合、解放時の過渡油圧などが制御される。
図3は、図1の自動変速機10などを制御するために車両に設けられた電気的な制御系統の要部を説明するブロック線図である。電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン30の出力制御や自動変速機10の変速制御やロックアップクラッチ34のオンオフ制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用やリニアソレノイドバルブSL1〜SL5を制御する変速制御用やリニアソレノイドバルブSLU及びソレノイドバルブSLを制御するロックアップクラッチ制御用等に分けて構成される。
図3において、運転者による車両に対する駆動力要求量(ドライバ要求量)としてのアクセルペダル52の操作量である所謂アクセル開度Accを検出するためのアクセル操作量センサ54、動力源の出力軸回転速度としてのエンジン30の回転速度Nを検出するためのエンジン回転速度センサ56、エンジン30の冷却水温Tを検出するための冷却水温センサ58、エンジン30の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度Tを検出するための吸入空気温度センサ62、電子スロットル弁の開度θTHを検出するためのスロットル弁開度センサ64、車速V(出力回転部材24の回転速度NOUTに対応)を検出するための車速センサ66、常用ブレーキであるフットブレーキペダル68の操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ70、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、タービン回転速度Nすなわち入力軸22の回転速度NINを検出するためのタービン回転速度センサ76、油圧制御回路50内の作動油の温度であるAT油温TOILを検出するためのAT油温センサ78などが設けられており、それらのセンサやスイッチなどから、エンジン回転速度N、エンジン冷却水温T、吸入空気量Q、吸入空気温度T、スロットル弁開度θTH、車速V、出力軸回転速度NOUT、ブレーキ操作の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、タービン回転速度N(=入力軸回転速度NIN)、AT油温TOILなどを表す信号が電子制御装置100に供給されるようになっている。
図4は、油圧制御回路50のうちクラッチC1、C2、及びブレーキB1〜B3の各油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)AC1、AC2、AB1、AB2、AB3の作動を制御するリニアソレノイドバルブSL1〜SL5に関する回路図である。図4において、各油圧アクチュエータAC1、AC2、AB1、AB2、AB3には、ライン油圧PLがそれぞれリニアソレノイドバルブSL1〜SL5により電子制御装置100からの指令信号に応じた係合圧PC1、PC2、PB1、PB2、PB3に調圧されてそれぞれ直接的に供給されるようになっている。このライン油圧PLは、例えば不図示のリリーフ型調圧弁(レギュレータバルブ)によって、エンジン30により回転駆動される機械式のオイルポンプ28(図1参照)や不図示の電動式オイルポンプから発生する油圧を元圧として、アクセル開度或いはスロットル開度で表されるエンジン負荷等に応じた値に調圧されるようになっている。
リニアソレノイドバルブSL1〜SL5は、基本的には何れも同じ構成で、電子制御装置100により独立に励磁、非励磁され、各油圧アクチュエータAC1、AC2、AB1、AB2、AB3の油圧が独立に調圧制御されてクラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2の係合圧PC1、PC2、PB1、PB2、PB3が制御される。そして、自動変速機10は、例えば図2の係合作動表に示すように予め定められた係合装置が係合されることによって各変速段GSが成立させられる。また、自動変速機10の変速制御においては、例えば変速に関与するクラッチCやブレーキBの解放と係合とが同時に制御される所謂クラッチ・ツウ・クラッチ変速が実行される。例えば、図2の係合作動表に示すように3速→4速のアップシフトでは、ブレーキB3が解放されると共にクラッチC2が係合され、変速ショックを抑制するようにクラッチC2の解放過渡油圧とクラッチC4の係合過渡油圧とが適切に制御される。
図3に戻り、油圧制御回路50に備えられているソレノイドバルブSLやリニアソレノイドバルブSLUは電子制御装置100により励磁、非励磁され、ソレノイドバルブSLによりロックアップクラッチ34のオン(係合)とオフ(解放)とが切り換えられ、またそのオン側に切り換えられた状態においてリニアソレノイドバルブSLUによりロックアップクラッチ34のトルク容量すなわち差圧ΔPが調圧制御されてトルクコンバータ32のスリップ状態乃至ロックアップオン(完全係合)が制御される。
図5は、電子制御装置100による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5において、設定部すなわち設定手段110は、アクセル開度Acc及び車速Vで表される車両状態に基づいて、目標エンジントルクT 及び目標変速段GSを設定する。例えば、設定手段110は、目標駆動力Fを算出する目標駆動力算出部すなわち目標駆動力算出手段112と、目標変速段GSを決定する目標変速段決定部すなわち目標変速段決定手段114と、目標エンジントルクT を算出する目標エンジントルク算出部すなわち目標エンジントルク算出手段116とを備えている。
目標駆動力算出手段112は、例えば図6に示すようなアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと目標駆動力Fとの予め実験的に求められて記憶された関係(駆動力マップ)から実際のアクセル開度Acc及び車速Vに基づいて目標駆動力F(=map(アクセル開度Acc、車速V))を求める。この図6の駆動力マップは、車速Vが小さい程またアクセル操作量Accが大きい程目標駆動力Fが大きくなるように設定されている。尚、目標駆動力算出手段112は、過渡的な目標値として目標駆動力Fに基づいて過渡目標駆動力F を算出しても良い。例えば、目標駆動力算出手段112は、目標駆動力Fに向かって漸増するような過渡目標駆動力F を設定する。この過渡目標駆動力F の過渡特性は、例えばショックや応答の遅れ感が生じない程度の速度で駆動力が変化されるように目標駆動力Fに対して一律に予め設定されていても良いし、アクセル開度Accやその変化量ΔAccや車速Vなどのパラメータに基づいて変化させられても良い。例えば、アクセル変化量ΔAccが大きい程立ち上がりが早くなるように設定される。
目標変速段決定手段114は、目標駆動力算出手段112により算出された目標駆動力Fを得るために燃費及び運転性を考慮した最適な目標変速段GSを決定する。例えば、目標変速段決定手段114は、目標駆動力Fを得る為に燃費および運転性を考慮して予め記憶された図7に示すような関係(変速線図、変速マップ)から実際のアクセル開度Acc(或いは目標駆動力F)及び車速Vに基づいて目標変速段GSを決定する。図7の変速線図において、実線はアップシフトが判断されるための変速線(アップシフト線)であり、破線はダウンシフトが判断されるための変速線(ダウンシフト線)である。また、この図7の変速線図における変速線は、例えば実際のアクセル開度Acc(或いは目標駆動力F)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点閾値)Vを越えたか否かを判断するためのものであり、この値Vすなわち変速点閾値の連なりとして予め記憶されていることにもなる。また、別の観点では、図7の変速線図における変速線は、例えば実際の車速Vを示す縦線上において実際のアクセル開度Acc(或いは目標駆動力F)が線を超えたか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点閾値)Acc(F )を越えたか否かを判断するためのものであり、この値Acc(F )すなわち変速点閾値の連なりとして予め記憶されていることにもなる。
目標エンジントルク算出手段116は、例えば予め記憶された次式(1)の関係から、目標駆動力算出手段112により算出された目標駆動力F及び目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSに基づいて目標エンジントルクT を算出する。尚、rは駆動輪46のタイヤ有効半径、γGSは目標変速段GSが達成されたときの自動変速機10の変速比、iは出力回転部材24(デフドライブギヤ)とデフドリブンギヤ42とで構成される終減速機等の終減速比、及びtはトルクコンバータ32のトルク比である。
=(F×r)/(γGS×i×t) ・・・(1)
エンジントルク制御部すなわちエンジントルク制御手段118は、目標エンジントルク算出手段116により算出された目標エンジントルクT が得られるようにエンジン30の出力制御を行う。例えば、エンジントルク制御手段118は、図8に示すようなスロットル弁開度θTHをパラメータとしてエンジン回転速度Nとエンジントルク推定値TE0との予め実験的に求められて記憶された関係(エンジントルクマップ)から実際のエンジン回転速度Nに基づいて目標エンジントルクT が得られる為のエンジントルク推定値TE0となる目標スロットル開度θTH を算出する。そして、エンジントルク制御手段118は、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置などの不図示のエンジン出力制御装置を介して、目標スロットル開度θTH となるように電子スロットル弁を開閉制御する他、燃料噴射装置による燃料噴射量や噴射時期を制御し、点火装置による点火時期を制御して目標エンジントルクT が得られるようにエンジン30の出力制御を実行する。
変速制御部すなわち変速制御手段120は、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSが得られるように油圧制御回路50を介してクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の係合、解放を制御することにより自動変速機10の実際の変速段GSを目標変速段GSと一致させる変速制御を行う。
ここで、上述の各種制御により定常状態では目標駆動力Fに実際の駆動力F(以下、実駆動力Fという)が略一致させられる。一方で、ドライバによるアクセルペダル52の踏込操作が行われると、設定手段110(目標駆動力算出手段112)により現在走行時よりも高い目標駆動力Fが設定される。よって、過渡的には高く設定された目標駆動力Fに対して実駆動力Fが遅れて出力されるので、過渡状態では目標駆動力Fと実駆動力Fとが乖離させられる。このとき、ドライバは、目標駆動力Fではなく実駆動力を感じ取ってアクセル操作を行っていると考えられるので、遅れによってアクセル操作通りの実駆動力Fが出ていないと、アクセルペダル52を踏み増す可能性がある。つまり、変速段GS自体は目標値ベースで決定されており、本来は遅れがなければ現在の変速段GSで発生できる実駆動力Fで満足できてアクセルペダル52を踏み増すこともなかったものが、実駆動力Fが目標駆動力Fに追いついていないためにアクセルペダル52を踏み増してしまう可能性がある。その結果、現在の変速段GSで当初の目標駆動力Fを達成できるにも拘わらず遅れに伴うアクセルペダル52の踏増しによって本来不要であるはずのパワーオンダウンシフトが発生する可能性がある。これにより結果的に余分な実駆動力Fが出力される。また、実駆動力Fが結果的に意図したよりも出過ぎることになり、今度はアクセルペダル52の戻し操作が行われてアップシフトが発生する可能性がある。また、変速に伴って例えばエンジン回転速度が変化したり、変速自体も余分なものとなる。このようなことから、アクセル開度Accに基づいて単純に目標変速段GSを設定して自動変速機10の変速を実行するとドライバビリティが低下する可能性がある。
そこで、本実施例では、アクセル開度Accの増大に伴う自動変速機10のパワーオンダウンシフトを判断したときに、実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいている間は、そのパワーオンダウンシフトの実行を禁止する。
より具体的には、図5に戻り、実駆動力算出部すなわち実駆動力算出手段122は、例えば図8に示すようなエンジントルクマップから実際のエンジン回転速度N及びスロットル開度θTHに基づいて実際のエンジントルクTとしてエンジントルク推定値TE0を算出する。そして、実駆動力算出手段122は、例えば予め記憶された次式(2)の関係から、上記算出したエンジントルク推定値TE0及び実際の変速段GSに基づいて実駆動力Fを算出する。
F=(TE0×γGS×i×t)/r ・・・(2)
駆動力微分値算出部すなわち駆動力微分値算出手段124は、過渡状態における実駆動力Fの変化量としてその実駆動力Fの立ち上がりの勾配すなわち実駆動力Fの微分値F'(=dF/dt)を算出する。また、駆動力微分値算出手段124は、過渡状態における目標駆動力Fの変化量としてその目標駆動力Fの立ち上がりの勾配すなわち目標駆動力Fの微分値F'(=dF/dt)を算出する。
判定部すなわち判定手段126は、自動変速部10の変速が実行されるか否かを判断する変速判断部すなわち変速判断手段128と、上記実行される自動変速部10の変速がパワーオンダウンシフトであるか否かを判定するパワーオン判定部すなわちパワーオン判定手段130と、駆動力微分値算出手段124により算出された実駆動力微分値F'と目標駆動力微分値F'とを比較する微分値比較判定部すなわち微分値比較判定手段132とを備えている。
変速判断手段128は、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSに基づいて自動変速部10の変速が実行されるか否か、すなわち目標変速段決定手段114により現在の変速段GSと異なる変速段が目標変速段GSとして決定されたか否かを判断する。つまり、変速判断手段128は、目標変速段決定手段114により実際のアクセル開度Acc(或いは目標駆動力F)及び車速Vで表される車両状態が例えば図7に示すような変速線図における変速線(変速点閾値)を通過したと判断されたか否かを判断する。
パワーオン判定手段130は、変速判断手段128により自動変速部10の変速が実行されると判断されたときのその変速がパワーオンダウンシフトであるか否かを、例えばアクセル開度Accがアクセルオンと判断する為の予め設定された所定アクセル開度Acc’以上であるか否かに基づいて判定する。或いは、パワーオン判定手段130は、アクセル開度Accが変速判断の前に比較して増大したか否かに基づいて判定しても良い。つまり、パワーオン判定手段130は、アクセル開度Accが増大したことによるダウンシフトであるか否かを判定しても良い。
微分値比較判定手段132は、例えばパワーオン判定手段130によりパワーオンダウンシフトが判断されて目標駆動力Fに対して実駆動力Fが低いときにすなわちアクセルペダル52の踏込操作時の過渡状態であるときに、駆動力微分値算出手段124により算出された実駆動力微分値F'が目標駆動力微分値F'よりも大きいか否かを判定する。つまり、微分値比較判定手段132は、実駆動力微分値F'の方が目標駆動力微分値F'よりも大きいか否かに基づいて実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいているか否かを判断する。このように、微分値比較判定手段132は、過渡状態における目標駆動力Fの上昇量と実駆動力Fの上昇量とを比較する。つまり、現在の変速段GSで当初の目標駆動力Fを達成できるか否かを、すなわち実駆動力Fが目標駆動力Fに追いついている状態であり現在の変速段GSのままでその目標駆動力Fに到達することが可能か否かを判定する。
変速制御手段120は、微分値比較判定手段132による実駆動力微分値F'と目標駆動力微分値F'との比較結果に基づいて自動変速部10の変速の実行を判断する。具体的には、変速制御手段120は、微分値比較判定手段132により実駆動力微分値F'が目標駆動力微分値F'以下であると判定された場合にはつまり目標駆動力微分値F'の方が実駆動力微分値F'よりも大きく目標駆動力Fが実駆動力Fから遠ざかっている場合には、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSへのパワーオンダウンシフトを実行する。一方で、変速制御手段120は、微分値比較判定手段132により実駆動力微分値F'の方が目標駆動力微分値Fよりも大きいと判定された場合にはつまり実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいている場合には、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSへのパワーオンダウンシフトの実行を禁止してそのパワーオンダウンシフトを実行しない。
図9は、電子制御装置100の制御作動の要部すなわち駆動力要求量の増大時に本来的には不要なダウンシフトを低減する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図9において、先ず、変速判断手段128に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、目標変速段決定手段114により現在の変速段GSと異なる変速段が目標変速段GSとして決定されたか否かが判断される。つまり、目標変速段決定手段114により実際のアクセル開度Acc(或いは目標駆動力F)及び車速Vで表される車両状態が例えば図7に示すような変速線図における変速線(変速点閾値)を通過したと判断されたか否かが判断される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はパワーオン判定手段130に対応するS20において、上記S10の判断が肯定されたときに該当する変速がアクセルペダル52の踏込操作によるパワーオンダウンシフトであるか否かが例えばアクセル開度Accに基づいて判定される。このS20の判断が否定される場合は変速制御手段120に対応するS60において、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSへの変速が実行される。一方で、上記S20の判断が肯定される場合は目標駆動力算出手段112、実駆動力算出手段122、及び駆動力微分値算出手段124に対応するS30において、例えば図6に示すような駆動力マップから実際のアクセル開度Acc及び車速Vに基づいて算出された目標駆動力F(=map(アクセル開度Acc、車速V))の微分値F'(=dF/dt)が算出される。また、例えば予め記憶された前記式(2)の関係から、例えば図8に示すようなエンジントルクマップから算出したエンジントルク推定値TE0及び実際の変速段GSに基づいて実駆動力Fが算出される。更に、その算出された実駆動力Fの微分値F'(=dF/dt)が算出される。
次いで、微分値比較判定手段132に対応するS40において、上記S30にて算出された実駆動力微分値F'と目標駆動力微分値F'とが比較される。ここでは、例えば実駆動力微分値F'が目標駆動力微分値F'よりも大きいか否かが判定される。このS40の判断が肯定される場合は変速制御手段120に対応するS50において、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSへのパワーオンダウンシフトの実行が禁止されてそのパワーオンダウンシフトが実行されない。一方で、このS40の判断が否定される場合は変速制御手段120に対応するS60において、目標変速段決定手段114により決定された目標変速段GSへのパワーオンダウンシフトが実行される。
上述のように、本実施例によれば、駆動力要求量の増大例えばアクセル踏込操作に伴う自動変速機10のパワーオンダウンシフトが判断されたときに、実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいている間はそのパワーオンダウンシフトの実行が禁止されるので、過渡状態における目標駆動力Fに対する実駆動力Fの立ち上がり遅れに起因してアクセルペダル52が踏み増しされてパワーオンダウンシフトが判断されたとしても、実駆動力Fが目標駆動力Fに追いついている状態であり現在の変速段GSのままで到達する可能性があるときは、そのパワーオンダウンシフトが実行されない。よって、アクセルペダル52の踏増し時に本来的には不要なパワーオンダウンシフトの実行を低減することができる。つまり、ドライバの意図しないパワーオンダウンシフトの実行を低減することができる。従って、アクセルペダル52の踏増しに基づいて単純に自動変速機10のパワーオンダウンシフトを実行する場合と比較して、ドライバビリティを向上することができる。
また、本実施例によれば、目標駆動力Fに対して実駆動力Fが低いときにその目標駆動力F及び実駆動力Fの各変化量を比較し、実駆動力Fの変化量の方が大きいか否かに基づいて実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいているか否かを判断するものであり、目標駆動力Fの変化量の方が大きい場合にはアクセルペダル52の踏増し時に判断されたパワーオンダウンシフトが実行される一方で、実駆動力Fの変化量の方が大きい場合にはそのパワーオンダウンシフトの実行が禁止されるので、アクセルペダル52の踏増し時にパワーオンダウンシフトが判断されたときに、実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいている間はそのパワーオンダウンシフトの実行が適切に禁止される。また、目標駆動力Fが実駆動力Fから遠ざかっているときはそのパワーオンダウンシフトが適切に実行される。これにより、例えばドライバの意図する駆動力が適切に出力される。
また、本実施例によれば、前記各変化量は目標駆動力微分値F'及び実駆動力微分値F'であるので、実駆動力Fが目標駆動力Fに近づいているか否かが適切に判断される。例えば、目標駆動力Fに対する過渡的な実駆動力Fの立ち上がり遅れが生じているときに実駆動力Fが目標駆動力Fに追いついている状態であり到達する可能性があるか否かが適切に判断される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、自動変速機10はクラッチ或いはブレーキ等の油圧式の摩擦係合装置の作動の組合せによって構成される有段式自動変速機であったが、例えば常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤのいずれかを同期装置によって択一的に動力伝達状態とする手動変速機としてよく知られた同期噛合型平行2軸式変速機ではあるが、油圧アクチュエータなどにより駆動される同期装置によって変速段が自動的に切り換えられることが可能な同期噛合型平行2軸式自動変速機であっても良い。要するに、自動変速機10は複数のギヤ段が選択的に切り換えられる有段自動変速機であれば本発明は適用され得る。更に、自動変速機10の係合要素であるクラッチ或いはブレーキは、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
また、前述の実施例における車両の駆動力は、駆動力関連値が用いられれば良い。この駆動力関連値は、車両の駆動力Fに1対1に対応するパラメータであって、駆動輪46での駆動トルク或いは駆動力Fのみならず、例えば自動変速機10の出力トルクTOUT、エンジントルクT、車両加速度、車軸44上のトルク、トルクコンバータ32のタービン軸すなわち自動変速機10の入力軸22上のトルクTIN、アクセル開度Acc(或いはスロットル弁開度θTH、吸入空気量Q、空燃比、燃料噴射量)とエンジン回転速度Nとに基づいて算出されるエンジントルクTなどの実際値、アクセル開度Acc等に基づいて算出される要求(目標)エンジントルクT 、自動変速機10の要求(目標)出力トルクTOUT 、要求(目標)駆動力F等の推定値であってもよい。また、実駆動トルク等はエンジントルクTや出力トルクTOUT等からデフ比、駆動輪46の半径等を考慮して算出されても良いし、例えばトルクセンサ等によって直接検出されてもよい。上記他の各トルク等も同様である。また、目標駆動力Fは、例えば目標ギヤ段GS、目標エンジントルクT 、及び目標トルクコンバータ滑り量等に基づいて算出されても良い。また、目標エンジントルクT は、車速V(出力回転部材24の回転速度NOUT)及び変速段GSの関数であるタービン回転速度Nとアクセル開度Accとに基づいて算出されても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
8:車両用駆動装置
10:有段式自動変速機
100:電子制御装置(制御装置)

Claims (3)

  1. 車両に対する駆動力要求量に基づいて目標駆動力関連値を算出し、該目標駆動力関連値が得られるように有段式自動変速機の変速を制御する車両用駆動装置の制御装置であって、
    前記駆動力要求量の増大に伴う前記有段式自動変速機のパワーオンダウンシフトを判断したときに、実際の駆動力関連値が前記目標駆動力関連値に近づいている間は、前記パワーオンダウンシフトの実行を禁止することを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記目標駆動力関連値に対して前記実際の駆動力関連値が低いときに該目標駆動力関連値及び該実際の駆動力関連値の各変化量を比較し、該実際の駆動力関連値の変化量の方が大きいか否かに基づいて前記実際の駆動力関連値が前記目標駆動力関連値に近づいているか否かを判断するものであり、
    前記目標駆動力関連値の変化量の方が大きい場合には前記パワーオンダウンシフトを実行する一方で、前記実際の駆動力関連値の変化量の方が大きい場合には前記パワーオンダウンシフトの実行を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記各変化量は、前記目標駆動力関連値及び前記実際の駆動力関連値の各微分値であることを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動装置の制御装置。
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