JP4895293B2 - フレキシブル熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、時計等に用いられている熱電変換素子の構造は、P型半導体及びN型半導体である溶製材または焼結材をブロック状に切り出し、これらを一定間隔で離間して電極板上に交互に並べ、電極を更にセラミックス等の基板上に配列したものが提案されている(特許文献2を参照)。
しかしながら、前記従来例の熱電変換素子は、機械的強度が低く加工性が悪い。従って、自動化が困難で大量生産が困難である。また、基板に高硬度のものを使用するため、フレキシブル性に欠け曲面箇所等への設置が困難であり、設置箇所が制限される。
本発明は、上記課題に鑑み、発電効率が優れ且つ均一なフレキシブル性が保たれ、大面積化、大量生産ができるフレキシブル熱電変換素子及びその製造方法を提供しようとするものである。
即ち、本発明は以下の構成或いは構造を有することを特徴とする。
また、フレキシブル基板のパターン層において、それぞれの基板外側で異なる温度が生じたときに熱電変換モジュールに電圧が生じ、また熱電変換モジュールに電流を流したときに該両基板の互いの外面で異なる温度が生じるように、フレキシブル基板のパターン層が形成されていることが好ましい。
更に、前記フレキシブル基板を、前記樹脂層面と金属層との外側表面とが略同一平面上に位置するように形成することが好ましい。このようなフレキシブル熱電変換素子は、均一なフレキシブル性を示し、パイプライン等の曲面にフィットさせることができる。
また、その基層と樹脂フィルムの加熱・加圧による積層にあっては、基層の厚みをt1、熱変形温度をq1とし、樹脂層の厚みをt2、熱変形温度をq2としたとき、t1<t2、q1>q2の要件をみたすことが好ましい。
この場合、フレキシブル基板において樹脂層にパターン金属層が埋設され、前記樹脂層面とパターン金属層との外側表面とが略同一平面上に位置するように形成されるフレキシブル基板であるために、該フレキシブル基板は基層上に金属層の厚みが15〜200μmの範囲にある凸状の任意のパターンを有するパターン金属層を形成する工程、前記シロキサン変性ポリイミドを含有する樹脂組成物からなる樹脂フィルムをパターン金属層上に重ねる工程、及び前記基層、パターン金属層及び樹脂フィルムを加熱・加圧して基層及び樹脂層に金属層を相対的に埋設させる工程からなることが好ましい。この場合、上述したように基層の厚みをt1、熱変形温度をq1とし、樹脂層の厚みをt2、熱変形温度をq2としたとき、t1<t2、q1>q2の要件をみたすことが好ましい。
ここで、埋設工程は加熱・加圧可能な積層プレス機によって行われ、積層プレス機の積層部表面温度が樹脂フィルムの熱変形温度以上で樹脂フィルムの熱変形温度より150℃高い温度未満であり、圧力が1〜20MPaの範囲で熱圧着することが好ましい。
更に埋設工程において、前記樹脂フィルムの加圧面に厚さが0.02〜5mmの硬質離型性シートを介して加圧することが好ましい。
尚、図1は、本発明に係る熱電変換素子の一部断面図である。図2は、本発明に係る熱電変換素子の分解斜視図であり、a部はフレキシブル基板を示し、b部はフレキシブル基板の基層に形成された熱電変換モジュールを示す斜視図である。図3(a)及び(b)は、熱電変換モジュールにおける電流の流れと、温度差が生じる場合を説明した断面図である。図4(a)及び(b)は、本発明に使用されるその他の熱電変換モジュールの構成を示す断面図である。図5(a)〜(d)は、本発明に係る熱電変換素子部材に使用するフレキシブル基板の製造方法を示す製造工程別断面図である。図6は、図5のフレキシブル基板のパターン金属層の形成後の上面図である。図7は、本発明で使用する積層プレス機の概略図である。図8(a)〜(e)は、実施例における熱電変換素子の製造工程を示す斜視図である。図9は、本発明の製造したフレキシブル基板の断面写真図である。
本実施形態に使用される熱電変換モジュール2は図1及び図2のb部に示すように、各電極6と、P型熱電素子材4と、N型熱電素子材5と、から構成され、フレキシブル性を有した薄板として、又はフレキシブル基板3の基層7上に形成される。電極6、及び両熱電素子材4、5は薄層状に形成され、両熱電素子材4、5は互いの端部でその厚み分だけ電極を介して接合して電気的に接続されている。
熱電変換モジュール2は、図3(a)及び(b)に示すように、電極6(又は極−極6)、P型熱電素子材4、電極6、N型熱電素子材5、電極6、N型熱電素子材5、電極6、P型熱電素子材4、電極6、P型熱電素子材4、・・・と、配列され、電流は、それぞれのブロックの厚み方向に流れるのではなく、図3上の矢印Aの平面方向、又は熱電素子の配列を逆にすることによって矢印Bに流れるようになっている(尚、図3(a)は、図2の熱電変換モジュール2部分のII−II線に沿う断面図である。)。このため、従来のように、ゼーベック効果又はペルチェ効果を高めるためにP型熱電素子材4及びN型熱電素子材5の厚さを厚くすることはない。本実施形態では熱電変換モジュール2の厚みは3.1μmであり、好ましいモジュール板2の厚みは1〜10μmの範囲であり、特に好ましくは、1〜2μmの範囲である。本実施形態では熱電変換モジュールを、フレキシブル基板の基層にスパッタ装置を用いて成膜したが、これに限るものではなく、基層の熱変形温度未満において他の成膜技術により作製してもよい。上記厚み範囲未満では、熱電変換モジュールが断線し易く、またモジュールの厚みが基層の局所的な厚み差によって抵抗を増大させる可能性があり、上記範囲を超えると、熱電変換モジュール2のフレキシブル性を損なうと共に、機械的強度を低下させる。
フレキシブル基板3外面で異なる温度が生じたときに熱電変換モジュール2の電極間6a、6bに電圧が生じ、また熱電変換モジュール2の電極間6a、6bに電流を流したときにフレキシブル基板3の両外面で異なる温度が生じるように、後述するフレキシブル基板3の樹脂層8と金属層9がパターン配置される。
本発明で使用するフレキシブル基板3は、図5(d)に示すように基層(絶縁樹脂層)7及び樹脂層(断熱層)8にパターン金属層(熱伝導性層)9が埋没し、樹脂層面8sとパターン金属層9の外側表面9sとが略同一平面上に位置するように形成される。
金属層9は銅箔からなる。本発明では、金属層9として銅箔以外に、樹脂等に比べて高い熱導電性を有する材料であれば特にその種類を限ることはない。例えば、銀、白金、金、アルミニウム、ニッケルなどの板又は箔等があげられる。金属層9の厚みは15〜200μmの範囲である。好ましくは、20〜120μmの範囲であり、特に好ましくは、30〜70μmの範囲である。本発明では熱電素子基板として使用可能にするため、断熱層となる樹脂層8に十分な厚みを持たせる関係から上記範囲の厚みが必要とされる。また、上記設定範囲を超える厚みでは、基板全体の可撓性に問題が生じてくる。
本実施形態では銅箔又は板10はエッチング加工により、パターン金属層9に形成される。本発明では、そのパターン加工は、エッチング加工以外に、レーザ加工、ドリル加工なども採用することができる。
また、図6に示すように、金属層9の周縁部9bを残すようなパターンを形成し、基板の最終製造時にその周縁部9bをカットして、所望のパターン層10が得られるようにすることが好ましい。金属箔等10と基層7の積層には金属に極めて接着性の高い樹脂或いは接着剤が使用され、加工過程でパターン金属層9の位置ずれが起きないようにしている。しかしながら、後述する加熱・圧着時に生じやすいパターン金属層間9aの位置ずれを完全になくすためには、上記のように予め位置ずれを防止するような周縁部9bが形成されたパターン金属層9とすることが好ましい。
樹脂フィルム8a及び上記エッチング加工基板bは積層プレス機の一対のプレス板31の間に配される。積層プレス機での積層部(フィルム8aと基板bの接触部)の表面温度は樹脂フィルム8aの熱変形温度以上で樹脂フィルム8aの熱変形温度より150℃高い温度未満の範囲になるように加熱することが好ましい。熱変形温度未満の加熱温度では、圧力を上げても、樹脂フィルム8aが基板bのパターン金属層間9aに十分に浸透しない。また、熱変形温度より150℃高い温度以上では、樹脂フィルム8aが変性するおそれがある。
硬質離型性シートは、パターン金属層と樹脂層とを略同一平面に形成することを可能とする硬さを有する離型性シートであり、例えば0.02〜5mmの離型性アルミ板が好適なものとして挙げられる。硬質離型性シートの好ましい厚さ範囲は、0.02〜5mmであり、0.05〜2mmの範囲が特に好ましい。かかる厚みであれば、加熱プレス板1からの熱を速く且つ十分に伝えることができ、積層基板をスムースに加熱することができる。このような離型硬質板2は硬質である限りフレキシブル性があっても良く、本実施形態にあっては、例えば、表面に離型性を持たせたアルミニウム箔が使用される。
樹脂フィルム8aの樹脂で金属層9をほぼ完全に埋設する必要があることから、基板全体の面積とパターン層間10aの総面積との比率を考慮する。このため、樹脂フィルム8aは金属層9の厚みの0.5〜1.0倍の範囲、即ち8〜70μmの範囲にあることが好ましい。より好ましくは、0.6〜1.0倍の範囲である。
また、基層7の厚みt1は樹脂フィルム14aの厚みt2より薄く、金属層9の厚みに対して常に薄い。基層7の厚みが厚すぎると、基板のフレキシブル性を欠くと共に、基板全体の熱伝導性を低下させる。
熱変形温度q1が熱変形温度q2と同等又はそれ以下の温度であれば、上述した加熱・加圧時に、金属層9の周縁部9bの処理が施されていても基層7と金属層9の接合を維持することができず、基層7面でパターン層10の位置ずれが生じ、正確に維持することができない。
基層7の樹脂としては、メタクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテル系樹脂、熱可塑性ポリエステル、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、全芳香族ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。特に、耐熱性のあるポリイミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、全芳香族ポリエステル系樹脂等が好ましく、更に、金属層との接着性の点からポリイミド系樹脂が好ましい。本実施態様にあっては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂が使用される。このようなポリイミド系樹脂の使用と、パターン金属層9の周縁処理と相まって、上述の加熱・加圧時の条件おいても位置ずれのおきない、基層7が薄層の場合でも、波打つことのない基板とすることができる。
シロキサン変性ポリイミド樹脂を含有する樹脂組成物を使用する場合、シロキサン変性ポリイミド樹脂にエポキシ樹脂、必要に応じて硬化剤や他の添加剤を含有する熱硬化性の樹脂組成物とすることが好ましい。
また、一般式(3)において、Ar4は3価又は4価の芳香族基を示し、Xはエポキシ基と反応性を有する官能基であり、水酸基、アミノ基、又はカルボキシル基から選ばれる官能基が好ましい。mは、1又は2を示す。
ジアミノシロキサンとしては、下記一般式(4)で表されるジアミノシロキサンが用いられるが、下記に例示したものが好ましく使用される。
樹脂組成物に適宜配合される添加剤としては、カップリング剤、充填剤、顔料、チクソトロピー性付与剤、消泡剤等が例示される。
上記した実施の形態に係るフレキシブル配線基板の製造方法により製造された基板は、金属層9に厚みがあっても製造が容易であり、またその埋設されるパターンの信頼性が高い。
本発明に係る熱電変換素子の製造方法は、上記のフレキシブル基板に熱電変換モジュールを形成し、又は、所定のベース層に熱電変換モジュール板を積層する工程と、その熱電変換モジュールに、フレキシブル配線基板の基層がその熱電変換モジュール面に対向するように、各フレキシブル基板を積層する工程からなる。
フレキシブル基板の基層面に、熱電変換モジュールは、物理蒸着法や化学蒸着法などの成膜法を使用することによって形成し、また接着剤層を兼ねる上述のベース層を介して積層付着することができる。また、他のフレキシブル基板をモジュールに積層付着する場合にも接着剤層を介しても良い。
(シロキサン変性ポリイミドの合成例)
反応容器に3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
(ODPA)37.14g(0.11モル)、N−メチル−2−ピロリドン200g及びジエチレングリコールジメチルエーテル200gを装入し、室温で良く混合した。次に、一般式(4)において、R1,R2:−(CH2)3−、R3〜R6:−CH3で表され、n=8.4、平均分子量740のジアミノシロキサン31.56g(0.035モル)を滴下し、この反応溶液を攪拌下で氷冷し、2,2’−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)30.25g(0.07モル)及び4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル(HA
B)1.04g(0.005モル)を添加し、室温にて2時間攪拌し、ポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液を190℃に昇温し、20時間加熱、攪拌し、対数粘度0.9dl/gのポリイミド溶液を得た。
上記シロキサン変性ポリイミドの合成例によって得られたポリイミド溶液の固形分75重量部に対し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)25重量部を混合し、2時間室温にて攪拌させて、シロキサン変性ポリイミド樹脂含有樹脂組成物の樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液をPETフィルム上に塗布し、乾燥してPETフィルム付樹脂フィルムとした。PETフィルム上の樹脂の熱変形温度は80℃であった。
厚さ20μm、熱変形温度300℃以上で、線膨張率が20×10-6(1/K)のポリイミド樹脂からなる樹脂層7上に厚さ70μmの金属層(銅箔10)が形成されたフレキシブル銅張積層板を準備した(図5(a))。このフレキシブル銅張積層板の銅箔11上にドライフィルムをラミネートし銅エッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去してパターン金属層9を形成した(図5(b))。ただし、銅パターン層はフレキシブル銅張積層板の外枠の周縁部9bでパターン金属層同士が繋がった形状とした(図6)。別に上記製造例によって得られた厚さ50μmの可撓性樹脂フィルムを有する積層フィルムを準備した(熱変形温度:80℃)。
上記フレキシブル基板の基層面7に、その樹脂層8と銅パターン層9との位置に対応させて、スパッタリングにより、薄膜のP型熱電変換素子材4、N型熱電変換素子材5、銅電極6を形成する(図8(b)を参照)。尚、スパッタリング以外に各種の薄膜の半導体層を形成する方法、例えば、周知の物理蒸着や化学蒸着を採用することができる。
本実施例のフレキシブル熱電変換素子の製造方法を、図8に基づいて説明する。
先ず、(図8(a))のフレキシブル基板を基層側に成膜されるようにスパッタ装置の基板ホルダに固定した。熱電変換モジュールの形状に加工されたスパッタ用金属マスクを通してRFマグネトロンスパッタ法により基層上にP型熱電変換素子材、N型熱電変換素子材、電極用銅薄膜をそれぞれ成膜し、上述したように熱電変換モジュールを形成した(図8(b))。次いで、熱電変換モジュールを形成したフレキシブル基板の基層に耐熱性のシリコンポリイミド接着剤を塗布し、これに熱電変換モジュールを形成していないフレキシブル基板の基層を対向させて、かつ基板7の銅パターン層9が対応するように位置合せを行って接合した(図8(c))。
ここで、接着剤を塗布する基層は、熱電変換モジュールを形成していないフレキシブル基板側であってもよい。このとき、位置合せを容易に行うことができるように予め基板に位置合せ用の穴を設けるか、もしくは基層上に位置合せ点をスパッタにより成膜してもよい。このようにしてフレキシブル熱電変換素子を製造した(図8(d))。さらに、熱電変換素子に温度差を与えて発生した電気を取り出せるように、連なる熱電変換モジュール回路の末端に位置する電極とリード線とを半田により接合した(図8(e))。
作製したフレキシブル熱電変換素子の熱電特性を調べるため、温度調節器と接続されたヒータを内蔵した加熱ブロックと水冷ブロックの間にフレキシブル熱電変換素子を挟み、基板厚み方向に一定の温度差を与え、開放起電力を測定した。出力値を下記表1に示す。
2 熱電変換モジュール
3 フレキシブル基板
4 P型熱電素子材
5 N型熱電素子材
6 極
6a 電極
6b 電極
7 基層層
8 樹脂層
8b 接着剤層
9 金属層(銅層)
9a パターン金属層間
21 積層プレス機の加熱プレス板
22 離型性硬質シート
Claims (12)
- 温度差を利用して熱を電気に変換、或いは通電して温度差をもたらす熱電変換素子であって、P型熱電素子材と、N型熱電素子材とからなる熱電変換モジュールの両面に、絶縁性の基層と、該基層上に該各素子材が対向する位置に合わせて形成されている樹脂層と金属層とからなるパターン層とを有したフレキシブル基板が設けられ、該フレキシブル基板の樹脂層はシロキサン変性ポリイミドを含有する樹脂組成物から形成されたものであり、また、上記各素子材との対向位置は、上記熱電変換モジュールのペルチェ効果又はゼーベック効果が生じるように、該樹脂層と金属層とを該基層を介して各素子材に合わせて対向させた位置であることを特徴とするフレキシブル熱電変換素子。
- 前記フレキシブル基板は、前記樹脂層表面と金属層表面とが略同一平面上に位置している請求項1記載のフレキシブル熱電変換素子。
- 前記両フレキシブル基板の互いの外側で異なる温度が生じたときに熱電変換モジュールに電圧が生じ、また熱電変換モジュールに電流を流したときに該両基板の互いの外面で異なる温度が生じるように、前記フレキシブル基板のパターン層が形成されている請求項1記載のフレキシブル熱電変換素子。
- 前記基板は、前記基層が線膨張係数30×10−6(1/K)以下の絶縁性樹脂からなり、該基層にフレキシブル銅張積層板をパターン形成した該パターン金属層が付着し、且つ該付着パターン層間の樹脂層がシロキサン変性ポリイミドを含有する樹脂組成物によって形成された可撓性樹脂フィルムを積層して形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル熱電変換素子。
- 基層の厚みをt1、熱変形温度をq1とし、樹脂層の厚みをt2、熱変形温度をq2としたとき、t1<t2、q1>q2の要件をみたす請求項4記載のフレキシブル熱電変換素子。
- 請求項1記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法であって、前記フレキシブル基板の基層上に、前記熱電変換モジュールを形成するか、又は前記熱電変換モジュールの薄板を積層する工程、前記熱電変換モジュール面に、もう一方のフレキシブル基板の基層が該モジュール面に対向するように該基板を積層する工程を有するフレキシブル熱電変換素子の製造方法。
- 前記フレキシブル基板は、樹脂層にパターン金属層が埋設され、前記樹脂層面とパターン金属層との外側表面とが略同一平面上に位置するように形成されるフレキシブル基板であり、
前記フレキシブル基板は、該基層上に金属層の厚みが15〜200μmの範囲にある凸状の任意のパターンを有するパターン金属層を形成する工程、
前記シロキサン変性ポリイミドを含有する樹脂組成物からなる樹脂フィルムをパターン金属層上に重ねる工程、及び前記基層、パターン金属層及び樹脂フィルムを加熱・加圧して基層及び樹脂層に金属層を相対的に埋設させる工程を含んで製造され、
前記基層の厚みをt1、熱変形温度をq1とし、前記樹脂フィルムの厚みをt2、熱変形温度をq2としたとき、t1<t2、q1>q2の要件をみたすように製造されている請求項6記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法。 - 樹脂フィルムの厚みが金属層の厚みの0.5〜1.0倍の範囲にある請求項7記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法。
- 埋設工程が加熱・加圧可能な積層プレス機によって行われ、積層プレス機の積層部表面温度が樹脂フィルムの熱変形温度以上で樹脂フィルムの熱変形温度より150℃高い温度未満であり、圧力が1〜20MPaの範囲で熱圧着することを特徴とする請求項7記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法。
- 埋設工程において、前記樹脂フィルムの加圧面に厚さが0.02〜5mmの硬質離型性シートを介して加圧する請求項9記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法。
- 熱圧着後、金属層上面に生じる樹脂フィルム由来の樹脂層の厚みが10μm以下である請求項7記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法。
- 前記熱電変換モジュールとフレキシブル基板との積層工程において、熱電変換モジュールとフレキシブル基板の基層とは接着剤を介して積層する請求項6記載のフレキシブル熱電変換素子の製造方法。
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