WO2021025060A1 - 熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

熱電変換素子は、第1主面及び第2主面を有する基板と、第1主面上に設けられる第1電極、n型熱電変換層、p型熱電変換層、及び第2電極と、第1主面上に設けられ、第1電極、n型熱電変換層、p型熱電変換層、及び第2電極を覆う封止層と、第2主面上に設けられる第1高熱伝導部、第2高熱伝導部、及び低熱伝導部と、を備える。第1電極、n型熱電変換層、p型熱電変換層、及び第2電極は、基板の厚さ方向に直交する並び方向に沿って順に配置されており、第1電極は厚さ方向において第1高熱伝導部に重なっており、第2電極は厚さ方向において第2高熱伝導部に重なっており、n型熱電変換層とp型熱電変換層との接触部は厚さ方向において低熱伝導部に重なっており、封止層が、第1主面上に位置する最外層を構成する。

Description

熱電変換素子
 本開示は、熱電変換素子に関する。
 地熱又は工場の排熱等を利用した発電を実施するために、熱電変換素子が用いられることがある。下記特許文献1には、樹脂層と金属層とからなるパターン層を有したフレキシブル基板が、P型熱電素子材とN型熱電素子材とを有する熱電変換モジュールの両面に設けられる態様が開示されている。下記特許文献1では、一方のフレキシブル基板に含まれる金属層は、熱電変換モジュールに含まれる一方の電極に重なっており、他方のフレキシブル基板に含まれる金属層は、熱電変換モジュールに含まれる他方の電極に重なっている。上記態様では、一方のフレキシブル基板を高温状態とし、他方のフレキシブル基板を低温状態とすることによって、熱電変換モジュールの面方向に温度差が生じる。これにより、熱電変換モジュールに起電力が生じる。
特許第4895293号公報
 上述したような熱電変換素子においては、熱電変換効率の更なる向上が求められる。このため、本開示の一側面の目的は、熱電変換効率を向上可能な熱電変換素子を提供することである。
 本開示の一側面に係る熱電変換素子は、以下の通りである。
[1]第1主面、及び第1主面の反対側に位置する第2主面を有する基板と、第1主面上に設けられる第1電極、第1電極に電気的に接続されるn型熱電変換層、n型熱電変換層に接触するp型熱電変換層、及びp型熱電変換層に電気的に接続される第2電極と、第1主面上に設けられ、第1電極、n型熱電変換層、p型熱電変換層、及び第2電極を覆う封止層と、第2主面上に設けられる第1高熱伝導部、第2高熱伝導部、及び低熱伝導部と、を備える熱電変換素子であって、第1電極、n型熱電変換層、p型熱電変換層、及び第2電極は、基板の厚さ方向に直交する並び方向に沿って順に配置されており、第1電極は厚さ方向において第1高熱伝導部に重なっており、第2電極は厚さ方向において第2高熱伝導部に重なっており、n型熱電変換層とp型熱電変換層との接触部は厚さ方向において低熱伝導部に重なっており、封止層が、第1主面上に位置する最外層を構成する、熱電変換素子。
[2]低熱伝導部の熱伝導率は、0.2W/mK以下である、[1]に記載の熱電変換素子。
[3]低熱伝導部の熱伝導率は、0.08W/mK以下である、[1]又は[2]に記載の熱電変換素子。
[4]第1高熱伝導部及び第2高熱伝導部の熱伝導率は、5W/mK以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の熱電変換素子。
[5]第1電極及び第2電極の熱伝導率は、5W/mK以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の熱電変換素子。
[6]基板は、可撓性を示す、[1]~[5]のいずれかに記載の熱電変換素子。
[7]並び方向に沿った第1高熱伝導部から接触部までの間隔は、厚さ方向に沿った第1高熱伝導部の長さの5倍以上であり、並び方向に沿った第2高熱伝導部から接触部までの間隔は、厚さ方向に沿った第2高熱伝導部の長さの5倍以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の熱電変換素子。
 本開示の一側面によれば、熱電変換効率を向上可能な熱電変換素子を提供できる。
図1は、本実施形態に係る熱電変換素子を示す概略断面図である。 図2は、第1のシミュレーション条件を示す模式断面図である。 図3の(a)、(b)は、第1のシミュレーション結果を示すグラフである。 図4は、第2のシミュレーション条件を示す模式断面図である。 図5は、第2のシミュレーション結果を示すグラフである。 図6は、第3のシミュレーション条件を示す模式断面図である。 図7は、第3のシミュレーション結果を示すグラフである。 図8の(a)は、第1参照例に係る熱電変換素子の概略断面図であり、図8の(b)は、第2参照例に係る熱電変換素子の概略断面図であり、図8の(c)は、第3参照例に係る熱電変換素子の概略断面図である。
 以下、添付図面を参照して、本開示の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。本明細書における「同一」及びそれに類似する単語は、「完全同一」のみに限定されない。
 まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る熱電変換素子の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る熱電変換素子を示す概略断面図である。図1に示される熱電変換素子1は、外部から熱が供給されることによって発電可能な素子である。熱電変換素子1は、例えば、その内部の温度差を利用して熱を電気に変換する素子である。熱電変換素子1は、いわゆるインプレーン型(in-plane型)の素子である。このため、熱電変換素子1は、例えばπ型の素子(クロスプレーン型の素子)よりも加工性及びフレキシブル性に優れる傾向にある。よって、熱電変換素子1は、例えば工場排熱の回収に用いる円筒パイプ等の側面に沿って設けることができる。すなわち、熱電変換素子1は、様々な箇所へ容易に配置可能である。よって、熱電変換素子1は、例えば排熱を利用したプラント用センサの電源として用いられる。加えて、熱電変換素子1に含まれる熱電変換材料と電極との接触抵抗も、π型のモジュールよりも低い傾向にある。以下では、熱電変換素子1の各構成要件の温度は、空気の自然対流条件下にて測定されたものとする。
 熱電変換素子1は、熱電変換モジュール2と、シート部材3とを備える。熱電変換モジュール2は、熱電変換素子1における熱電変換部であり、基板11と、第1電極12と、第2電極13と、素子部14と、封止層15とを有する。
 基板11は、例えば、耐熱性及び可撓性を示す樹脂製のシート部材であり、略平板形状を呈する。基板11を構成する樹脂は、例えば(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂等である。基板11の厚さは、例えば5μm以上50μm以下である。基板11の熱伝導率は、例えば0.1W/mK(0.1ワット毎メートル毎ケルビン、及び0.1W×m-1×K-1に相当する)以上0.3W/mK以下である。基板11の熱伝導率が0.3W/mK以下であることによって、素子部14の内部に温度差が生じ得る。基板11は、第1主面11aと、第1主面11aの反対側に位置する第2主面11bとを有する。第1主面11aと第2主面11bとは、基板11の厚さに沿った方向に対して交差する面である。第1主面11aと第2主面11bとの形状は、特に限定されないが、例えば多角形状、円形状、楕円形状等である。以下では、基板11の厚さに沿った方向を単に厚さ方向D1と表する。厚さ方向D1から見ることは平面視に相当する。
 第1電極12は、熱電変換モジュール2に含まれる端子を構成する部材であり、基板11の第1主面11a上に設けられる導電体である。第1電極12は、例えば金属製、合金製、もしくは導電性樹脂製の導電体である。第1電極12が金属製もしくは合金製である場合、第1電極12は、例えば種々の乾式法によって基板11上に形成される。乾式法は、例えば、物理気相蒸着法(PVD法)、金属箔もしくは合金箔のパターニング等である。金属粒子が分散したナノペースト等を用いて第1電極12が形成されてもよい。平面視における第1電極12の形状は特に限定されないが、例えば多角形状、円形状、楕円形状等である。第1電極12の厚さは、例えば6μm以上70μm以下である。第1電極12の熱伝導率は、例えば5W/mK以上である。この場合、第1電極12が外部から加熱されやすい傾向にある。第1電極12の熱伝導率は、例えば30W/mK以上でもよい。
 第2電極13は、第1電極12と同様に、熱電変換モジュール2に含まれる端子を構成する部材であり、基板11の第1主面11a上に設けられる導電体である。第2電極13は、第1電極12と離間している。第2電極13は、第1電極12と同時に形成される。このため、第2電極13は、第1電極12と同一材料から構成される。平面視における第2電極13の形状は特に限定されないが、例えば多角形状、円形状、楕円形状等である。第2電極13の熱伝導率は、第1電極12と同様に、例えば5W/mK以上である。第2電極13の熱伝導率は、例えば30W/mK以上でもよい。
 素子部14は、熱電変換モジュール2において熱電変換が実施される部材である。平面視における素子部14の形状は特に限定されないが、例えば多角形状、円形状、楕円形状等である。素子部14は、n型熱電変換層14aと、p型熱電変換層14bとを有する。本実施形態では、n型熱電変換層14aとp型熱電変換層14bとは、互いに同一形状を呈するが、これに限られない。
 n型熱電変換層14aは、基板11の第1主面11a上に設けられると共に第1電極12に電気的に接続される。本実施形態では、n型熱電変換層14aは、第1電極12と第2電極13との間に位置しており、且つ、第1電極12に接触している。n型熱電変換層14aは、第1電極12の一部を覆っている。n型熱電変換層14aは、例えばn型半導体層である。n型熱電変換層14aは、例えば無機物と有機物の複合物、もしくは複数の有機物の複合物を含む。無機物は、例えば二硫化チタン(TiS)、ビスマステルル(BiTe)、スクッテルダイト、ニッケル(Ni)等である。有機物は、例えばn型の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、テトラチアフルバレン-テトラシアノキノジメタン(TTF-TCNQ)等である。n型熱電変換層14aは、例えば種々の乾式法もしくは湿式法によって形成される。湿式法は、例えばドクターブレード法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット法等である。n型熱電変換層14aの厚さは、例えば9μm以上200μm以下である。n型熱電変換層14aの熱伝導率は、例えば0.01W/mK以上0.5W/mK以下である。この場合、n型熱電変換層14aの内部にて温度勾配が容易に形成され得る。n型熱電変換層14aの厚さは、厚さ方向D1において第1電極12と重なっていない部分の厚さに相当する。
 p型熱電変換層14bは、基板11の第1主面11a上に設けられると共にn型熱電変換層14aに接触している。本実施形態では、p型熱電変換層14bは、第1電極12と第2電極13との間に位置しており、且つ、n型熱電変換層14aを挟んで第1電極12の反対側に位置する。p型熱電変換層14bは、第2電極13の一部を覆うと共に、当該一部に接触している。p型熱電変換層14bは、例えばp型の半導体層である。p型熱電変換層14bは、例えばカーボンナノチューブと、カーボンナノチューブとは異なる導電性高分子とを含む。カーボンナノチューブは、例えばp型のSWCNT等である。導電性高分子は、例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等である。p型熱電変換層14bでは、カーボンナノチューブと導電性高分子とが凝集してもよい。p型熱電変換層14bには、カーボンナノチューブ同士を導電性高分子が結合した多孔質構造が含まれてもよい。
 p型熱電変換層14bは、n型熱電変換層14aと同様に、例えば種々の乾式法もしくは湿式法によって形成される。p型熱電変換層14bの厚さは、例えば9μm以上200μm以下である。p型熱電変換層14bの熱伝導率は、例えば0.01W/mK以上0.5W/mK以下である。この場合、p型熱電変換層14bの内部にて温度勾配が容易に形成され得る。p型熱電変換層14bの厚さは、厚さ方向D1において第2電極13と重なっていない部分の厚さに相当する。
 封止層15は、第1電極12と、第2電極13と、n型熱電変換層14aと、p型熱電変換層14bとを保護する樹脂層であり、第1主面11a上に位置する熱電変換素子1の最外層を構成する。本実施形態では、当該最外層は、封止層15のみから構成される。封止層15は、第1主面11a上に設けられ、第1電極12と、第2電極13と、n型熱電変換層14aと、p型熱電変換層14bとを覆っている。封止層15を構成する樹脂は、例えば(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂等である。封止層15の厚さは、例えば50μm以上200μm以下であり、後述する間隔S1,S2よりも小さい。封止層15の熱伝導率は、例えば0.01W/mK以上0.5W/mK以下である。
 第1電極12と、n型熱電変換層14aと、p型熱電変換層14bと、第2電極13とは、厚さ方向D1に直交する並び方向D2に沿って順に配置されている。例えば、第1電極12は並び方向D2における熱電変換モジュール2の一端側に位置し、第2電極13は並び方向D2における熱電変換モジュール2の他端側に位置する。熱電変換モジュール2の各構成要件の熱伝導率の違いに鑑みれば、例えば基板11側から熱電変換モジュール2が加熱されたとき、n型熱電変換層14aにおいては第1電極12に接触する部分の温度が最も高くなる傾向にあり、p型熱電変換層14bにおいては第2電極13に接触する部分の温度が最も高くなる傾向にある。n型熱電変換層14aとp型熱電変換層14bとの接触部CPの温度が最も低くなる傾向にある。このため、n型熱電変換層14aとp型熱電変換層14bとのそれぞれにおいては、並び方向D2に沿って温度勾配が発生し得る。平面視にて接触部CPは、例えば厚さ方向D1と並び方向D2との両方に交差する方向に沿って延在する。平面視にて、接触部CPは直線形状でもよいし、波線形状でもよいし、円弧形状でもよい。
 並び方向D2に沿ったn型熱電変換層14aの長さは、厚さ方向D1に沿った封止層15の長さよりも長い。並び方向D2に沿ったn型熱電変換層14aの長さは、例えば厚さ方向D1に沿った封止層15の長さの5倍以上もしくは10倍以上である。上述したように、封止層15の熱伝導率は、例えば0.1W/mK以上0.5W/mK以下である。このため、例えば第1電極12から封止層15へ伝導する熱は、接触部CPよりも封止層15の上面15aに到達しやすい。換言すると、接触部CPは封止層15を介して伝熱されにくくなっている。むしろ、接触部CPの熱が封止層15を介して外部に放出される傾向にある。
 シート部材3は、熱電変換モジュール2と熱源との間に配置される部材であり、基板11の第2主面11b上に設けられる。このため、熱源から発生した熱は、シート部材3を介して熱電変換モジュール2へ伝導する。シート部材3は、第1高熱伝導部21と、第2高熱伝導部22と、低熱伝導部23とを有する。
 第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22は、低熱伝導部23よりも高い熱伝導率を示す部分であり、互いに離間している。第1高熱伝導部21は、厚さ方向D1において第1電極12に重なっており、第2高熱伝導部22は、厚さ方向D1において第2電極13に重なっている。平面視における第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22の形状は特に限定されないが、例えば多角形状、円形状、楕円形状等である。平面視にて、第1高熱伝導部21の形状と第1電極12の形状とは、互いに同一でもよいし、互いに異なってもよい。同様に、平面視にて、第2高熱伝導部22の形状と第2電極13の形状とは、互いに同一でもよいし、互いに異なってもよい。第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22のそれぞれは、例えば金属(銀、銅、アルミニウム等)、カーボン等を含む。第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22のそれぞれは、高熱伝導性を示す窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックを含んでもよい。第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22のそれぞれの熱伝導率は、例えば5W/mK以上400W/mK以下である。これにより、シート部材3が加熱されたとき、第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22を介して、第1電極12及び第2電極13へそれぞれ良好に伝熱する。
 第1高熱伝導部21から第1電極12への伝熱効率を高める観点から、平面視にて、第1電極12は、第1高熱伝導部21の縁よりも内部に位置してもよいし、第1電極12の縁と第1高熱伝導部21の縁とが完全に重なってもよい。同様に、平面視にて、第2電極13は、第2高熱伝導部22の縁よりも内部に位置してもよいし、第2電極13の縁と第2高熱伝導部22の縁とが完全に重なってもよい。n型熱電変換層14a内部での並び方向D2に沿った温度勾配を広げる観点から、第1高熱伝導部21は、第1電極12よりも並び方向D2における一端側に位置してもよい。すなわち、平面視にて、第1高熱伝導部21の上記一端側の縁は、第1電極12の上記一端側の縁よりも外側に位置してもよい。同様に、第2高熱伝導部22は、第2電極13よりも並び方向D2における他端側に位置してもよい。
 厚さ方向D1に沿った第1高熱伝導部21の長さT1は、例えば50μm以上500μm以下である。平面視にて、並び方向D2に沿った第1高熱伝導部21(第1高熱伝導部21と低熱伝導部23との接触部)から接触部CPまでの間隔S1は、例えば第1高熱伝導部21の長さT1の5倍以上もしくは10倍以上である。この場合、並び方向D2に沿ったn型熱電変換層14a内部の温度勾配が良好に発生し得る。同様に、厚さ方向D1に沿った第2高熱伝導部22の長さT2は、例えば50μm以上500μm以下である。平面視にて、並び方向D2に沿った第2高熱伝導部22(第2高熱伝導部22と低熱伝導部23との接触部)から接触部CPまでの間隔S2は、例えば第2高熱伝導部22の長さT2の5倍以上もしくは10倍以上である。この場合、並び方向D2に沿ったp型熱電変換層14b内部の温度勾配が良好に発生し得る。第1高熱伝導部21の長さT1によっては、間隔S1は、長さT1の5倍以上でもよいし、10倍以上でもよいし、20倍以下でもよい。同様に、間隔S2は、長さT2の5倍以上でもよいし、10倍以上でもよいし、20倍以下でもよい。例えば、長さT1が100μm以上200μm以下である場合、間隔S1は長さT1の5倍以上であることが好適であり、10倍以上であることがより好適である。
 低熱伝導部23は、第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22よりも低い熱伝導率を示す部分であり、シート部材3の主部である。低熱伝導部23は、厚さ方向D1において少なくとも接触部CPに重なっており、第2主面11bの大部分を覆っている。本実施形態では、低熱伝導部23は、厚さ方向D1において、接触部CPに加えてn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bの大部分に重なっている。低熱伝導部23は、並び方向D2において第1高熱伝導部21と第2高熱伝導部22との隙間を充填している。低熱伝導部23は、例えばセルロースナノファイバー(CNF)、シリカエアロゲル等を含む。低熱伝導部23は、発泡体でもよい。
 低熱伝導部23の熱伝導率は、第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22の熱伝導率よりも顕著に低く、例えば0.01W/mK以上0.2W/mK以下である。これにより、シート部材3が加熱されたとき、熱電変換モジュール2において第1主面11a上に位置すると共に低熱伝導部23に重なる部分が加熱されにくくなる。よって、接触部CP及びその近傍が加熱されにくくなるので、並び方向D2に沿ったn型熱電変換層14a内部の温度勾配と、p型熱電変換層14b内部の温度勾配とのそれぞれが良好に発生し得る。上記温度勾配をより良好に発生させる観点から、低熱伝導部23の熱伝導率は、0.08W/mK以下でもよい。
 シート部材3は、例えば第2主面11b上に直接形成される。この場合、第1高熱伝導部21、第2高熱伝導部22、及び低熱伝導部23のそれぞれは、種々の乾式法もしくは湿式法によって形成される。もしくは、シート部材3は、図示しない接着剤によって第2主面11bに貼り付けられてもよい。接着剤は、例えば(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂等である。接着剤の熱伝導率は、例えば基板11の熱伝導率と同程度である。
 熱電変換素子1は、上記以外の構成を更に備えてもよい。例えば、熱電変換素子1は、他の熱電変換素子を電気的に接続するための配線、外部回路に電力を取り出すための配線等を備えてもよい。
 以上に説明した本実施形態に係る熱電変換素子1では、第1電極12は厚さ方向D1において第1高熱伝導部21に重なっており、第2電極13は厚さ方向D1において第2高熱伝導部22に重なっており、n型熱電変換層14aとp型熱電変換層14bとの接触部CPは厚さ方向D1において低熱伝導部23に重なっている。これにより、シート部材3側から熱電変換モジュール2を加熱すると、n型熱電変換層14aにおいては、接触部CPの温度が最も低くなる傾向にあり、第1電極12に最も近い部分の温度が最も高くなる傾向にある。同様に、p型熱電変換層14bにおいては、接触部CPの温度が最も低くなる傾向にあり、第2電極13に最も近い部分の温度が最も高くなる傾向にある。この場合、例えば、並び方向D2において一方の電極側を高温状態にすると共に他方の電極側を低温状態にするよりも、並び方向D2におけるn型熱電変換層14aの温度勾配と、並び方向D2におけるp型熱電変換層14bの温度勾配との両方が大きくなる傾向にある。換言すると、並び方向D2において一方の電極側を高温状態にすると共に他方の電極側を低温状態にすることよりも、並び方向D2におけるn型熱電変換層14aの両端の温度差と、並び方向におけるp型熱電変換層14bの両端の温度差との両方が広がる傾向にある。加えて、封止層15が第1主面11a上に位置する最外層を構成することによって、上記温度勾配を維持できる傾向にある。したがって、本実施形態に係る熱電変換素子1によれば、熱電変換効率の向上が可能である。
 本実施形態では、低熱伝導部23の熱伝導率は、0.2W/mK以下でもよい。この場合、並び方向D2におけるn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bのそれぞれの両端の温度差を良好に広げられる。低熱伝導部23の熱伝導率が0.08W/mK以下である場合、上記温度差をより良好に広げられる。
 本実施形態では、第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22の熱伝導率は、5W/mK以上でもよい。この場合、並び方向D2におけるn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bのそれぞれの両端の温度差を良好に広げられる。
 本実施形態では、第1電極12及び第2電極13の熱伝導率は、5W/mK以上でもよい。この場合、並び方向D2におけるn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bのそれぞれの両端の温度差を良好に広げられる。
 本実施形態では、基板11は、可撓性を示す。このため、熱電変換素子1が可撓性を示すことができる。よって、例えば円筒パイプの表面に沿って熱電変換素子1を容易に設けることができる。すなわち、熱電変換素子1の装着箇所の制限を緩和できる。
 本実施形態では、並び方向D2に沿った第1高熱伝導部21から接触部CPまでの間隔S1は、厚さ方向D1に沿った第1高熱伝導部21の長さT1の5倍以上もしくは10倍以上であり、並び方向D2に沿った第2高熱伝導部22から接触部CPまでの間隔S2は、厚さ方向D1に沿った第2高熱伝導部22の長さT2の5倍以上もしくは10倍以上である。このため、並び方向D2におけるn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bのそれぞれの両端の温度差を良好に広げられる。
 以下では、熱電変換素子に含まれる構成要件の位置もしくは特性を変化させたときの素子内の温度変化をシミュレーションした結果について説明する。以下の各シミュレーションでは、2次元のモデルを設定する。以下のシミュレーションの実施にあたっては、2次元の熱伝導の基礎微分方程式を差分化に適用した、EXCELモデルを用いた。差分化の手法として、有限体積法を適用した。
 図2は、第1のシミュレーション条件を示す模式断面図である。図2に示されるように、第1のシミュレーションにおけるモデル30は、上記実施形態のシート部材3と同様に、高熱伝導部31,32と、低熱伝導部33とを備える。高熱伝導部31は、厚さ方向D1における一方側にて露出しており、且つ、並び方向D2におけるモデル30の一端に位置している。高熱伝導部32は、厚さ方向D1における他方側にて露出しており、且つ、並び方向D2におけるモデル30の他端に位置している。モデル30では、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部31,32の寸法を同一と設定した。低熱伝導部33は、厚さ1mmのシート形状を呈しており、高熱伝導部31,32と一体化されているものと設定した。高熱伝導部31,32の熱伝導率を398W/mKと設定し、低熱伝導部33の熱伝導率を0.3W/mKと設定した。
 モデル30では、並び方向D2に沿った高熱伝導部31,32の間隔を間隔X(mm)とし、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部31,32の間隔を間隔Y(mm)とする(間隔Yは1未満である)。間隔Xが0mmである場合、並び方向D2において高熱伝導部31の中心側の縁31aは、並び方向D2において高熱伝導部32の中心側の縁32aと、厚さ方向D1において重なる。間隔Yが0mmである場合、厚さ方向D1において高熱伝導部31の中心側の縁31bは、厚さ方向D1において高熱伝導部32の中心側の縁32bと、並び方向D2において重なる。
 モデル30には、2つの温度評価点34,35が設定される。温度評価点34は、厚さ方向D1において高熱伝導部31の中心側の縁31a上であって、間隔Yの中心に位置する。このため、間隔Yが0mmである場合、温度評価点34は、縁31a,31bの交点に重なる。温度評価点35は、厚さ方向D1において高熱伝導部32の中心側の縁32a上であって、間隔Yの中心に位置する。このため、間隔Yが0mmである場合、温度評価点35は、縁32a,32bの交点に重なる。
 厚さ方向D1において、モデル30よりも一方側は熱源側と設定され、モデル30よりも他方側は空気側と設定される。第1のシミュレーションでは、熱源側の温度は70℃に設定され、空気側は室温(23℃)に設定される。第1のシミュレーションでは、厚さ方向D1において熱源側に位置するモデル30の表面30bは自然対流にて加熱されるものとし、厚さ方向D1において空気側に位置するモデル30の表面30aは自然対流にて冷却されるものとする。
 図3の(a)、(b)は、第1のシミュレーション結果を示すグラフである。図3の(a)は、間隔Xを変化させたときの温度評価点34,35の温度差の変化を示すグラフである。図3の(a)において、横軸は間隔Xを示し、縦軸は温度評価点34,35の温度差を示す。プロット41は間隔Yが0mmである場合のシミュレーション結果を示し、プロット42は間隔Yが0.1mmである場合のシミュレーション結果を示し、プロット43は間隔Yが0.2mmである場合のシミュレーション結果を示し、プロット44は間隔Yが0.3mmである場合のシミュレーション結果を示し、プロット45は間隔Yが0.4mmである場合のシミュレーション結果を示し、プロット46は間隔Yが0.5mmである場合のシミュレーション結果を示す。図3の(a)に示されるように、間隔Xが1mm以下の条件においては、間隔Yの数値にかかわらず、間隔Xが広がるほど温度評価点34,35の温度差も大きくなった。間隔Xが1mm以上2mm未満の条件においては、間隔Xが広がっても上記温度差が大きくなりにくかった。そして間隔Xが2mm以上の条件においては、間隔Yの数値にかかわらず、間隔Xが広がっても上記温度差はほぼ変化しなかった。このことから、例えば上記実施形態のシート部材3において、並び方向D2における第1高熱伝導部21と第2高熱伝導部22との間隔を2mm以上にする場合、厚さ方向D1における第1高熱伝導部21と第2高熱伝導部22との間隔を考慮しなくてもよいことが示唆された。
 図3の(b)は、間隔Yを変化させたときの温度評価点34,35の温度差の変化を示すグラフである。図3の(b)において、横軸は間隔Yを示し、縦軸は温度評価点34,35の温度差を示す。プロット47は間隔Xが0mmである場合のシミュレーション結果を示し、プロット48は間隔Xが10mmである場合のシミュレーション結果を示す。図3の(b)に示されるように、間隔Xの数値にかかわらず、間隔Yが短いほど温度評価点34,35の温度差も大きくなった。このことから、例えばモデル30においては、厚さ方向D1における高熱伝導部31,32の間隔Yは短いほど、上記温度差が大きくなる傾向が示唆された。
 図4は、第2のシミュレーション条件を示す模式断面図である。図4に示されるように、第2のシミュレーションにおけるモデル50は、上記モデル30と同様に、高熱伝導部51,52と、低熱伝導部53とを備える。モデル50において高熱伝導部51,52と低熱伝導部53とが設けられる位置、並びにこれらの熱伝導率は、モデル30と同一である。モデル50では、並び方向D2に沿った高熱伝導部51,52の間隔を2mmに設定した。厚さ方向D1に沿った高熱伝導部51の長さをZmmと設定し、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部52の長さを1-Zmmと設定した。モデル50の周囲の温度条件は、第1のシミュレーションと同一とする。
 モデル50には、2つの温度評価点54,55が設定される。温度評価点54は、並び方向D2に沿った高熱伝導部51における中心側の縁51aと、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部51における中心側の縁51bとの交点に位置する。温度評価点55は、並び方向D2に沿った高熱伝導部52における中心側の縁52aと、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部52における中心側の縁52bとの交点に位置する。
 図5は、第2のシミュレーション結果を示すグラフであり、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部51の長さを変化させたときの温度評価点54,55の温度差の変化を示す。図5において、横軸は長さZを示し、縦軸は温度評価点54,55の温度差を示す。図5に示されるように、厚さ方向D1において熱源側に位置する高熱伝導部51の厚さ方向D1に沿った長さが大きいほど、上記温度差が大きくなった。この結果から、モデル50において並び方向D2に沿った温度評価点54,55の温度差を広げるにあたっては、熱源側に位置する高熱伝導部の厚さを可能な限り大きくすることが有効と示唆された。
 図6は、第3のシミュレーション条件を示す模式断面図である。第3のシミュレーションにて用いられるモデルは、第1及び第2のシミュレーション結果を踏まえて、並び方向D2において最も温度差が生じると推定される構造とした。具体的には図6に示されるように、第3のシミュレーションにおけるモデル60は、高熱伝導部61と、低熱伝導部62とを備える。高熱伝導部61と低熱伝導部62とは、並び方向D2に沿って順に配置されると共に互いに一体化している。高熱伝導部61と低熱伝導部62との厚さ方向D1に沿った寸法は1mmである。高熱伝導部61の熱伝導率は398W/mKに設定される。
 厚さ方向D1において、モデル60よりも一方側は熱源側と設定され、モデル60よりも他方側は空気側と設定される。第3のシミュレーションでは、第1のシミュレーションとは異なり、熱源側の温度は100℃に設定されている。一方、空気側は第1のシミュレーションと同一条件である。
 モデル60には、モデル60の表面60a上に位置する温度評価点63が設定される。温度評価点63は、高熱伝導部61と低熱伝導部62との接触部64から、並び方向D2に沿って2mm離れた低熱伝導部62上に位置している。このため、温度評価点63の温度は、モデル60が加熱されたときの表面60aの温度(より具体的には、低熱伝導部62にて構成される表面60aの温度)を示す。
 図7は、第3のシミュレーション結果を示すグラフであり、低熱伝導部62の熱伝導率を変化させたときの温度評価点63の温度変化を示す。図7において、横軸は低熱伝導部62の熱伝導率を示し、縦軸は温度評価点63の温度を示す。図7に示されるように、低熱伝導部62の熱伝導率が小さいほど、温度評価点63の温度が低くなっている。低熱伝導部62の熱伝導率が0.2W/mKである場合、熱源と温度評価点63との温度差は、約8℃になった。低熱伝導部62の熱伝導率が0.08W/mKである場合、熱源と温度評価点63との温度差は、約15℃になった。一方、低熱伝導部62の熱伝導率が30W/mK以上である場合、熱源と温度評価点63との温度差はほぼ0にった。このことから、例えばシート部材3に含まれる低熱伝導部23の熱伝導率が0.2W/mK以下である場合には低熱伝導部23が良好な断熱性を示す傾向にあること、並びに、低熱伝導部23の熱伝導率が0.08W/mK以下である場合には低熱伝導部23がより良好な断熱性を示す傾向にあることが示唆された。
 次に、熱電変換素子の構成を変化させたときの素子部内の最大温度差のシミュレーション結果について説明する。図8の(a)は、第1参照例に係る熱電変換素子の概略断面図であり、図8の(b)は、第2参照例に係る熱電変換素子の概略断面図であり、図8の(c)は、第3参照例に係る熱電変換素子の概略断面図である。
 図8の(a)に示される熱電変換素子101は、熱電変換素子1の各構成要件に加えて、封止層15上に設けられる高熱伝導部110及び低熱伝導部120を備える。高熱伝導部110は、n型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bの放熱性向上を図って設けられたものであり、厚さ方向D1において接触部CPに重なっている。並び方向D2における高熱伝導部110の中心は、厚さ方向D1において接触部CPに重なっている。低熱伝導部120は、第1電極12、第2電極13及びこれらの周囲の放熱性低下を図って設けられたシート部材である。低熱伝導部120は、厚さ方向D1に直交する方向において高熱伝導部110を囲んでおり、厚さ方向D1において第1電極12、第2電極13、第1高熱伝導部21、及び第2高熱伝導部22に重なっている。高熱伝導部110及び低熱伝導部120の厚さ方向D1に沿った長さは、同一とする。
 図8の(b)に示される熱電変換素子201は、熱電変換素子1の各構成要件に加えて、封止層15上に設けられる低熱伝導部220を備える。低熱伝導部220は、封止層15の上面を覆うシート部材である。厚さ方向D1に沿った低熱伝導部220の長さは、図8の(a)に示される高熱伝導部110及び低熱伝導部120の厚さ方向D1に沿った長さと同一とする。
 図8の(c)に示される熱電変換素子301は、熱電変換素子1の各構成要件に加えて、封止層15上に設けられる高熱伝導部310を備える。高熱伝導部310は、封止層15の上面を覆うシート部材である。厚さ方向D1に沿った高熱伝導部310の長さは、図8の(a)に示される高熱伝導部110及び低熱伝導部120の厚さ方向D1に沿った長さと同一とする。
 このシミュレーションでは、熱電変換素子1,101,201,301において、厚さ方向D1に沿った熱電変換モジュール2の長さを0.6mmと設定し、厚さ方向D1に沿った基板11の長さを50μmと設定し、厚さ方向D1に沿ったシート部材3の長さを400μmと設定し、並び方向D2に沿った熱電変換モジュール2及びシート部材3の長さを15mmと設定した。厚さ方向D1に沿った熱電変換モジュール2の長さは、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部110,310の長さと、厚さ方向D1に沿った低熱伝導部120,220の長さとを含まない。厚さ方向D1に沿った第1電極12及び第2電極13の長さを25μmと設定し、厚さ方向D1に沿ったn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bの長さを100μmと設定し、厚さ方向D1に沿った封止層15の最大長さを150μmと設定し、厚さ方向D1に沿った第1高熱伝導部21、第2高熱伝導部22及び低熱伝導部23の長さを400μmと設定し、並び方向D2に沿った第1電極12及び第2電極13の長さを3mmと設定し、並び方向D2に沿ったn型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bの長さを2.5mmと設定し、並び方向D2に沿った第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22の長さを3mmと設定した。加えて、厚さ方向D1に沿った高熱伝導部110の長さを400μmと設定し、並び方向D2に沿った高熱伝導部110の長さを3mmと設定した。
 このシミュレーションでは、熱電変換素子1,101,201,301において、基板11及び封止層15の熱伝導率を0.3W/mKと設定し、第1電極12及び第2電極13の熱伝導率を398W/mKと設定し、n型熱電変換層14a及びp型熱電変換層14bの熱伝導率を0.5W/mKと設定し、第1高熱伝導部21及び第2高熱伝導部22の熱伝導率を5.0W/mKと設定し、低熱伝導部23の熱伝導率を0.05W/mKと設定した。高熱伝導部110,310の熱伝導率を5.0W/mKと設定し、低熱伝導部120の熱伝導率を0.05W/mKと設定し、低熱伝導部220の熱伝導率を0.1W/mKと設定した。
 熱電変換素子1,101,201,301においては、上述した第3のシミュレーションと同様に、熱源側の温度は100℃に設定され、空気側は室温(23℃)に設定される。厚さ方向D1に交差するシート部材3の露出表面の温度も100℃と設定した。
 上述した条件に設定された熱電変換素子1,101,201,301において、素子部14の最大温度差をシミュレーションした。その結果、熱電変換素子1の素子部14の最大温度差は5.259℃であり、熱電変換素子101の素子部14の最大温度差は4.909℃であり、熱電変換素子201の素子部14の最大温度差は4.785℃であり、熱電変換素子301の素子部14の最大温度差は1.577℃であった。熱電変換素子101の素子部14の最大温度差を基準(100%)とした場合、熱電変換素子1の素子部14の最大温度差は107%であり、熱電変換素子201の素子部14の最大温度差は87%であり、熱電変換素子301の素子部14の最大温度差は32%であった。以上の結果より、熱電変換素子1を備える構成においては、基板11の第1主面11a上に位置する最外層が封止層15から構成される場合、最も熱電変換効率が高くなる傾向にあることが示唆された。
 本開示に係る熱電変換素子は、上記実施形態に限定されず、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1主面上に位置する最外層は封止層のみから構成されているが、これに限られない。例えば、上記最外層は、上記封止層と、当該封止層とは異なる部材とから構成されてもよい。
 上記実施形態では、第1主面上に一つの熱電変換モジュールが設けられるが、これに限られない。例えば、第1主面上には複数の熱電変換モジュールが設けられてもよい。この場合、複数の熱電変換モジュールは、互いに電気的に接続されてもよい。少なくとも一部の熱電変換モジュールにおいて、第1電極もしくは第2電極が共通化されてもよい。第1主面上に複数の熱電変換モジュールが設けられる場合、シート部材は、第1及び第2高熱伝導部以外の高熱伝導部を備えてもよい。
 上記実施形態では、第1電極と第2電極とは同時に形成されるが、これに限られない。第1電極と第2電極とは、異なる材料から形成されてもよい。
 1,101,201,301…熱電変換素子、2…熱電変換モジュール、3…シート部材、11…基板、11a…第1主面、11b…第2主面、12…第1電極、13…第2電極、14…素子部、14a…n型熱電変換層、14b…p型熱電変換層、15…封止層、21…第1高熱伝導部、22…第2高熱伝導部、23…低熱伝導部、110,310…高熱伝導部、120,220…低熱伝導部、CP…接触部、S1,S2…間隔、T1…第1高熱伝導部の長さ、T2…第2高熱伝導部の長さ。

Claims (7)

  1.  第1主面、及び前記第1主面の反対側に位置する第2主面を有する基板と、
     前記第1主面上に設けられる第1電極、前記第1電極に電気的に接続されるn型熱電変換層、前記n型熱電変換層に接触するp型熱電変換層、及び前記p型熱電変換層に電気的に接続される第2電極と、
     前記第1主面上に設けられ、前記第1電極、前記n型熱電変換層、前記p型熱電変換層、及び前記第2電極を覆う封止層と、
     前記第2主面上に設けられる第1高熱伝導部、第2高熱伝導部、及び低熱伝導部と、を備え、
     前記第1電極、前記n型熱電変換層、前記p型熱電変換層、及び前記第2電極は、前記基板の厚さ方向に直交する並び方向に沿って順に配置されており、
     前記第1電極は前記厚さ方向において前記第1高熱伝導部に重なっており、前記第2電極は前記厚さ方向において前記第2高熱伝導部に重なっており、前記n型熱電変換層と前記p型熱電変換層との接触部は前記厚さ方向において前記低熱伝導部に重なっており、
     前記封止層が、前記第1主面上に位置する最外層を構成する、
    熱電変換素子。
  2.  前記低熱伝導部の熱伝導率は、0.2W/mK以下である、請求項1に記載の熱電変換素子。
  3.  前記低熱伝導部の熱伝導率は、0.08W/mK以下である、請求項1又は2に記載の熱電変換素子。
  4.  前記第1高熱伝導部及び前記第2高熱伝導部の熱伝導率は、5W/mK以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
  5.  前記第1電極及び前記第2電極の熱伝導率は、5W/mK以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
  6.  前記基板は、可撓性を示す、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
  7.  前記並び方向に沿った前記第1高熱伝導部から前記接触部までの間隔は、前記厚さ方向に沿った前記第1高熱伝導部の長さの5倍以上であり、
     前記並び方向に沿った前記第2高熱伝導部から前記接触部までの間隔は、前記厚さ方向に沿った前記第2高熱伝導部の長さの5倍以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
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