JP2013251309A - 熱電変換装置 - Google Patents

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雅洋 久保
Shinhin Kyo
振斌 許
Masayoshi Sumino
雅芳 角野
Noriyuki Tonouchi
規之 殿内
Akinobu Shibuya
明信 渋谷
Toshinobu Kokatsu
俊亘 小勝
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Abstract

【課題】動きのある設置面、凹凸面や段差を含む面などのあらゆる環境に設置可能な熱電変換装置を提供する。
【解決手段】熱電変換装置は、絶縁基材1と第一及び第二の熱電変換材料層2,3と絶縁層4と第一の電極6と第二の電極7を備える。熱電変換材料層2,3は、絶縁基材1上に横並びに配置されている。絶縁層4は、絶縁基材1とで熱電変換材料層2,3を挟むように形成されている。第一の電極6は、各熱電変換材料層2,3における絶縁基材1に対向する端面に形成されている。第二の電極7は、各熱電変換材料層2,3における絶縁層4に対向する端面に形成されている。絶縁基材1と絶縁層4はそれぞれ伸縮可能部10を有している。熱電変換材料層2,3がP型またはN型のいずれか一方の半導体特性を有する態様においては、熱電変換材料層2の第二の電極7と熱電変換材料層3の第一の電極6とが電気的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換できる熱電変換装置に関する。
現行の熱電変換装置は、N型半導体性を有する熱電変換材料とP型半導体性を有する熱電変換材料とが、導電部を介して直列接続された構造から成る。この熱電変換装置に直流電圧を、電流がP型熱電材料からN型熱電材料へと流れるように印加すると、導電部側の温度が高温となる。反対に電流がN型熱電材料からP型熱電材料へ流れるようにした場合の導電部側の温度は低温となる。この現象(ペルチェ効果)を応用して熱電変換装置は冷却の用途に使用されている。
熱電変換装置の別の用途として発電技術への応用が考えられている。熱電変換装置の一端と他端の間に温度差が生じる環境に熱電変換装置を設置することにより、その熱電変換装置から電圧を取り出すことができる。この現象(ゼーベック効果)を応用し、工場や車から発生する100℃以上の廃熱を発電技術に利用することが期待されている。また近年では、サーバーやPCなどのオフィスの電子機器から発生する常温に近い温度の廃熱を利用して熱電変換装置による発電を行い、その電力をセンサなどの電子部品の電源として使用することが期待されている。
現在実用化されている熱電変換装置は、アルミナ基板などの堅い基板上に無機化合物半導体材料を一単位の熱電対として実装し、その熱電対を熱流に対して並列に配置することによって構成されている。現状の熱電変換装置には熱電変換材料としてビスマス・テルル系の無機化合物半導体を用いることが一般的である。現在実用化されているビスマス・テルル系の熱電変換材料には、一辺が数mmの直方体あるいは円柱に加工された堅い無機化合物半導体のバルク体が用いられている。
したがって現状の熱電変換装置は堅い基材上に堅い熱電変換材料を実装した構造となっているため、柔軟性が無い。このような熱電変換装置を設置面に設置する場合、その設置面は平坦であることが必要となる。一方で電子機器などから発生する廃熱は平坦面に生じる場合のみでなく、曲面部や凹凸部を含む面内に点在していることが多い。こうした熱源に対しては従来の熱電変換装置は使用が困難である。
こうした素子の設置場所に関する制約を取り除くため、熱電変換装置を構成する基材や熱電変換材料に柔軟性を持たせることが提案されている。
特許文献1には、有機材料の熱電発電材料の薄膜をPN接合することにより熱電変換材料自体に柔軟性を持たせ、また基材にも可撓性基板を使用するといった発明が記載されている。
特開2010−95688号公報
空調装置、照明装置、PC、サーバーなどといった電子機器から発生する廃熱を活用し、熱電変換装置による発電に応用するためには、電子機器本体に曲面形状や凹凸形状に点在する面内での温度差や、熱電変換装置の設置面に垂直な方向における温度差を有効利用する必要がある。
しかしながら、一般に実用化されている熱電変換装置は堅い無機材料のバルク体を用いて構成されており、熱電変換装置を設置可能な環境が制限されるという課題がある。さらに、特許文献1に示す先行技術のように熱電変換装置の材料や基板に柔軟性を持たせただけでは、熱電変換装置がその設置面の凹凸や段差に沿って変形できないため、設置場所に制約が出る。さらに、熱電変換装置は設置面の動きにも追従できないため、熱電変換装置を設置面が動く環境に設置すると、熱電変換装置が破壊される虞がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的の一例は、動きのある設置面、凹凸面や段差を含む面などのあらゆる環境に設置可能な熱電変換装置を提供することにある。
本発明の熱電変換装置は、第一の絶縁層と、第一及び第二の熱電変換材料層と、第二の絶縁層と、第一の電極と、第二の電極を備える。第一及び第二の熱電変換材料層は、該第一の絶縁層上に横並びに配置されている。第二の絶縁層は、該第一の絶縁層とで該第一及び第二の熱電変換材料層を挟むように形成されている。第一の電極は、該第一及び第二の熱電変換材料層の各々における該第一の絶縁層に対向する端面に形成されている。第二の電極は、該第一及び第二の熱電変換材料層の各々における該第二の絶縁層に対向する端面に形成されている。このような装置構成において、上記課題を解決すべく、該第一の絶縁層及び該第二の絶縁層がそれぞれ伸縮可能部を有している。
本発明の一つの態様は、該第一及び第二の熱電変換材料層がP型またはN型のいずれか一方の半導体特性を有するものからなる。この態様においては、該第一の熱電変換材料層の該第二の電極と該第二の熱電変換材料層の該第一の電極とが電気的に接続されている。
別の態様は、該第一及び第二の熱電変換材料層それぞれが互いに異なる半導体特性を有するものからなる。この態様においては、該第一の熱電変換材料層の該第二の電極と該第二の熱電変換材料層の該第二の電極とが電気的に接続されるか、又は、該第一の熱電変換材料層の該第一の電極と該第二の熱電変換材料層の該第一の電極とが電気的に接続されている。
本発明によれば、熱電変換装置を構成している該第一及び第二の絶縁層が伸縮可能部により伸びることが可能であるため、熱電変換装置が、凹凸や段差のある設置面や、動きのある設置面に設置可能となる。
第一の実施形態による熱電変換装置を示す断面図。 第二の実施形態による熱電変換装置を示す断面図。 第三の実施形態による熱電変換装置を示す断面図。 図3に示した電気接続構造とは別の構成が用いられた熱電変換装置の断面図。 本発明の熱電変換装置の一実施形態を示す平面図であり、熱電変換材料層の上端側と下端側にそれぞれ設けられる絶縁層を取り除いて示した平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第一の実施形態]
図1は第一の実施形態による熱電変換装置を示す断面図である。この図に示されるように熱電変換装置は、絶縁基材(絶縁層)1と、P型またはN型のいずれか一方の半導体特性を有する第一の熱電変換材料層2及び第二の熱電変換材料層3と、絶縁層4とを有する。本発明において熱電変換材料層は少なくとも2つあればよい。第一の熱電変換材料層2及び第二の熱電変換材料層3は、互いに空隙5を開けて絶縁基材1上に配置され、かつ、絶縁基材1の上面と絶縁層4の下面の間に挟まれている。
熱電変換材料層2,3の各々の下端面には第一の電極6が形成されていて、第一の電極6は絶縁基材1に接している。熱電変換材料層2,3の各々の上端面には第二の電極7が形成されていて、第二の電極7は絶縁層4に接している。
第一の熱電変換材料層2の上端面に設けられた第二の電極7と、第二の熱電変換材料層3の下端面に設けられた第一の電極6とが電気的に接続されている。ここの電気接続手段には伸縮可能な配線9が用いられ、電気接続した電極間の距離の拡縮に対応できるようにされていることが好ましい。図1では熱電変換材料層が3つしか表されていないが、図5のように多数の第一の熱電変換材料層2と第二の熱電変換材料層3が、絶縁基材1の上面全体にその面に沿った方向(横方向)に交互に配置され、それらが直列接続されている。また、第一の電極6には正負の一方の極性の電圧を付与する電極端子8が設けられ、第二の電極7には正負の他方の極性の電圧を付与する電極端子8が設けられている。
さらに、絶縁基材1及び絶縁層4はそれぞれ、伸縮して応力を緩和できるゴム弾性を有する材料からなる伸縮可能部10を含む。絶縁基材1及び絶縁層4が堅い材料からなる場合であっても、図1に示すように絶縁基材1及び絶縁層4に部分的に伸縮可能部10を有することにより、熱電変換装置の設置面の変化に装置形状を追従させることができる。勿論、絶縁基材1及び絶縁層4が柔軟な材料で形成されてもよく、その場合は設置面に対する追従性は一層向上する。
なお、本実施形態においては、絶縁基材1及び絶縁層4の、空隙5を挟んで対向している部位にそれぞれ伸縮可能部10が設けられている。つまり、絶縁基材1の伸縮可能部10と絶縁層4の伸縮可能部10とは別個にされ互いに対向している。
また、熱電変換材料層2,3同士を電気接続する配線9が空隙5内を通るため、第一の熱電変換材料層2の上端面と第二の熱変換材料層3の下端面の間の熱伝達経路はその配線9のみとなっている。このため、熱電変換材料層の上端側と下端側の間で温度差が生じる環境に熱電変換装置を設置して発電を起こす場合にその温度差を維持しやすい。この場合、配線9は熱が伝わり難いよう出来るだけ細いものが好ましい。
[第二の実施形態]
図2は第二の実施形態による熱電変換装置を示す断面図である。上述した第一の実施形態では、第一の熱電変換材料層2と第二の熱電変換材料層3が互いに空隙5を開けて絶縁基材1上に配置されている。しかし第二の実施形態では第一の熱電変換材料層2と第二の熱電変換材料層3は離隔されているものの、第一の実施形態のような空隙5を備えていない。空隙5の位置に、伸縮可能部10と同じ材料が充填され、これにより、第一の実施形態における絶縁基材1の伸縮可能部10と絶縁層4の伸縮可能部10とが一体に形成された構造となっている。これらが第一の実施形態と異なっているが、その他は第一の実施形態と同じである。
本実施形態では、第一の実施形態と同様、隣り合う熱電変換材料層2,3の間に伸縮可能部10および伸縮可能な配線9が設けられているため、熱電変換装置の設置面の変化に装置形状を追従させることができる。
なお、第一の実施形態で説明したように、熱電変換装置の設置面側とその反対面側の温度の差を利用して発電を起こす場合には、配線9の太さは出来るだけ細くすることが好ましい。この場合、配線9が細いため伸縮が繰り返されると配線9が切断されるという懸念が生じる。しかし本実施形態であれば配線9が伸縮可能部10中に存在するため、配線9の切断の可能性は低くなる。
[第三の実施形態]
前述した実施形態では、隣り合う第一の熱電変換材料層2と第二の熱電変換材料層3を電気接続する電気接続手段として、伸縮可能な配線9を用いる事を説明した。これは、熱電変換装置を凹凸や段差のある設置面や動きのある設置面に設置可能にするという本願発明の目的を達成する手段の一つであるが、本発明に用いる配線9は、伸縮可能な構造体であれば、いかなる態様であってもよい。以下、配線9の構造例を示す。
図3は第三の実施形態による熱電変換装置を示す断面図であり、この図に示すように、隣り合う熱電変換材料層2,3同士を電気接続する配線9の構造体として、コイルばね状の導線11を使用してもよい。コイルばね状の導線11は第一の実施形態のような空隙5が在る熱電変換装置に使用可能である。また、他の構造体としてループ形状にしたボンディングワイヤを用い、空隙5内でそのループによる余長を利用することで、電気接続した電極間の距離の拡縮に対応できるようにしてもよい。
図4は、図3に示した電気接続構造とは別の構成が用いられた熱電変換装置の断面図を示す。この図に示す熱電変換装置は、第二の実施形態における、隣接の熱電変換材料層2,3間の伸縮可能部10中の配線9が通る部分に伸縮可能な導電材料12を適用した例である。例えば伸縮性のあるゴム材料にカーボンナノチューブなどの導電性ファイバーを混錬した材料を用いることができる。あるいは、隣接の熱電変換材料層2,3間の伸縮可能部10中に、隣接の熱電変換材料層2,3間を繋ぐ流路を形成し、この流路内に液体状の金属を充填した構造をとってもよい。常温付近で液体状態にある金属の例としては、ガリウムインジウム合金(Ga75.5In24.5、融点約15℃)などが挙げられる。
このような配線構造によれば、熱電変換装置を設置した際に、電気接続されている隣接の熱電変換材料層2,3の間隔の拡縮が起きても、配線の切断を防ぐことができ、また、配線9が熱電変換材料層2,3を引っ張って損傷させることも無い。
[その他の好ましい態様]
以下、上述した形態に適用できる他の好ましい態様を説明する。
a)まず、絶縁基材1および絶縁層4について述べる。本明細書では本発明の熱電変換装置の設置面側に面する絶縁層を絶縁基材1と呼んでおり、絶縁層4はその設置面とは反対面側に面するものとしたが、絶縁層4が設置面側に面するように熱電変換装置を使用しても当然よい。なお、絶縁層4は絶縁基材1と同じものが用いられており、それゆえ、以下では絶縁基材1のみを説明し、絶縁層4の説明もしたものとする。
絶縁基材1としては、柔軟性を有するフィルム状の基板を用いることが好ましい。このフィルム状の基板については、電気的絶縁性を有し、かつ熱電変換材料層の製造時や、熱電変換装置の設置後の環境温度、湿度などで劣化しないことが求められる。基板に求められる耐熱性は用途により異なるが、例えば本発明の熱電変換装置を照明機器の廃熱を熱源として利用し発電に用いる場合においては約100℃程度の温度に晒されることとなる。また、熱電変換装置を他の実装部品に組み込むことを想定し半田接合する場合には、半田溶融温度である260℃程度の温度に短時間ではあるが、晒される場合がある。
こうした条件を考慮に入れて絶縁基材1に利用できる柔軟性を有する材料としては、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートなどが考えられる。熱電変換装置の製造性ならびに耐久性に鑑み、その材料は約50ミクロン以上の厚みを有することが望ましく、また柔軟性を損なわず、かつ熱電変換材料層に熱源の温度を伝えるための厚みとして約2mm以下であることが望ましい。約2mm以下の厚みであれば、熱電変換装置の設置面が一定の曲率を有する環境においても追従することができる。
また、絶縁基材1には熱源との熱抵抗を低下させるため接着剤が塗布されていても良い。また、絶縁基材1の柔軟性は熱源からの熱回収の際の熱抵抗を低くすることにも貢献することができ、発電性能を高める上で有効である。
また、絶縁基材1は柔軟性を有し、電気的な絶縁性を有することが必要であるが、必ずしも単一の有機材料で形成されている必要はない。例えば絶縁基材1の線膨張係数を低減し、設置面から離れる方向への熱流を最適化するため、有機材料に無機フィラーや無機ファイバーが含まれていても良い。線膨張係数の低減のためにはSiフィラーやガラスファイバーを用いることができる。
さらに、絶縁基材1及び絶縁層4にはそれぞれ部分的に伸縮可能部10を有することが好ましい。伸縮可能部10は伸縮できるようにゴム弾性を有する材料からなり、たとえばシリコーンゴムを用いることができる。また、シリコーンゴムは電気絶縁性を有するので、絶縁基材1及び絶縁層4についてそれら自体が伸縮可能部10にされていてもよい。つまり、絶縁基材1及び絶縁層4がシリコーンゴム層で形成されていてもよい。
なお、絶縁基材1及び絶縁層4には部分的にシリコーンゴムなどの伸縮可能部10が設けられるため、本発明では絶縁基材1及び絶縁層4としてアルミナのような堅い材料を用いることができる。しかし、絶縁基材1及び絶縁層4に柔軟性を有する曲げやすい材料を使用した方が、凹凸は動きのある設置面に対して追従できる効果が高くなる。
b)次に熱電変換材料層2,3について述べる。
熱電変換材料層2,3には、熱電対として、半導体特性を有する導電性高分子材料を用いることができる。本発明に適用できる導電性高分子の例としてはポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン及びこれらの誘導体などが、製造性ならびに大気下での安定性などの観点から有利に使用できる。これらの中でもポリチオフェンおよびその誘導体が特に有利に使用できる。導電性高分子の熱伝導率は、無機半導体からなる熱電変換材料のおよそ1/10〜1/100である。このため、熱源が在る設置面側から反対面側へ伝導する熱を大幅に減らし、熱電変換装置の設置面側とその反対面側との温度差を確保して発電性能を高めることができる。
絶縁基材1と絶縁層4の間隔に相当する導電性高分子の厚みは約0.5mm以上、約5mm以下とすることができる。導電性高分子の厚みを約5mm以下とすれば用途に応じて十分な可撓性を熱電変換装置に持たせることができる。しかし導電性高分子の厚みが0.5mm以下の場合、熱電変換装置の設置面側とその反対面側との間に十分な温度差を維持し続けることが困難である。したがって、その厚みの範囲で熱電変換装置を製造することで、設置面の形状に対して柔軟に対応でき、かつ上記の温度差を確保して良好な発電性能を発揮させることができる。
現時点では、有機半導体材料は無機半導体材料と異なり、大気中で安定に存在しかつN型半導体性を示す高移動度の材料が存在していない。そのため、本実施形態の熱電変換装置に関しては、熱電変換材料層に、P型半導体性を示す導電性高分子のみが活用されている。しかし、技術進歩によって上記のような材料も開発されることもあるため、本発明は、P型半導体性を示す導電性高分子のみを活用した熱電変換装置に限定されないこととする。
したがって、本発明に用いられる隣り合う熱電変換材料層2,3には、N型半導体性を示す導電性高分子材料とP型半導体性を示す導電性高分子材料の両方を用いてもよい。なお、熱電変換材料層2,3にP型半導体性を示す導電性高分子のみを用いた場合、N型半導体性を示す導電性高分子のみを用いた場合、それらの両方を用いた場合のいずれであっても、第一及び第二の実施形態に示した構成と同じであり、作用、効果も同じである。
また本発明においては、伸縮可能部10を有することにより、隣り合う熱電変換材料層2,3に、上記のような有機半導体材料に替えて無機半導体材料を用いることも可能である。しかし、有機半導体材料を用いる方が、熱電変換材料層2,3に可撓性を持たせられるので好ましい。
c)次に、伸縮可能な配線9について述べる。
図1及び図2に示した実施形態では、隣り合う熱電変換材料層2,3を配線9で直列接続する構成を例示した。このような構成においては、配線9の横断面の面積は熱電変換材料層2,3の熱流方向に垂直な断面の面積と比較し小さいことが望ましい。換言すると、配線9の熱伝導量が熱電変換材料層2,3の熱伝導量よりも小さいことが望ましい。この事は前にも示唆しているが、配線9の横断面積が大きすぎる場合、配線9を通して熱電変換装置の設置面側と反対面側との温度差が小さくなるように熱が伝導し、そのような温度差の維持が困難となる。一方で配線9の横断面積が小さすぎる場合は十分な電流が取り出せないこととなる。例えば、熱電変換材料層2,3にポリアニリン(熱伝導率0.2W/mK)といった導電性高分子を用い、配線9の材料として銅(熱伝導率372W/mK)を想定する。この場合、熱電変換装置の設置面側と反対面側との温度差を維持しながら配線9の抵抗を低減するためには、ポリアニリン層の厚さ方向に垂直な断面の面積に対し銅配線の横断面積の比率を1/10以下とすることが必要である。より好適には1/30以下とすることが望ましい。
なお、熱電変換材料層2,3として有機導電性高分子を用いる場合、有機導電性高分子の線膨張係数は配線9に用いられる導電材料と比較し、一般に約10倍程度大きい。このため、熱源が在る設置面に熱電変換装置を設置した際、熱電変換材料層2,3と配線9の線膨張係数のミスマッチに起因して、電気接続されている隣接の熱電変換材料層2,3の間隔の拡縮が起き、配線9の切断が心配される。
特に、面上に点在する熱源から集熱し発電する際には大面積の熱電変換装置が必要となるが、こうした大面積の熱電変換装置を平面視長方形に作製した場合には、外周コーナー部分では線膨張係数の影響が顕著に現れることとなる。しかし本発明では、隣接の熱電変換材料層2,3の間の電気接続手段には伸縮性を有する配線9が用いられているため、凹凸などの設置面形状の変化に対応できるだけでなく、上記のような線膨張係数の影響を受けにくいという利点もある。
d)以上に示した実施形態の説明では、図面で見て上側に向いた端部を「上端」、下側に向いた端部を「下端」と称しているが、この表現は、本発明の権利行使を制限するものではない。
したがって、上述した実施形態とは別の表現で本発明の熱電変換装置を説明すると、熱電変換装置は、少なくとも2つの熱電変換材料層2,3をこの層厚方向とは直角な方向に間隔を置いて配置し、各熱電変換材料層2,3の層厚方向の両端に電極6,7をそれぞれ設けた構造を有する。熱電変換材料層2及び3の層厚方向の一端面に電極6が形成され、かつ、それらの一端面が絶縁層1で全体的に覆われている。熱電変換材料層2及び3の層厚方向の他端面にも電極7が形成され、かつ、それらの他端面が絶縁層4で全体的に覆われている。
さらに、少なくとも絶縁層1,4にそれぞれ伸縮可能部10が含まれている。つまり、各熱電変換材料層2,3は撓むが伸びないため、少なくとも絶縁層1,4の、各熱電変換材料層2,3の層厚方向の両端に対応する部分以外の領域が、伸縮可能部10となっている(図5参照)。あるいは、伸縮可能部10が電気絶縁性を有するならば、絶縁層1,4自体が伸縮可能部10となっている(不図示)。さらには、一方の熱電変換材料層2の両端の電極6,7のいずれかと他方の熱電変換材料層3の両端の電極6,7のいずれかとが、伸縮可能な配線9で電気的に接続されている。
なお、図1及び図2では、熱電変換材料層2の上端の電極7と熱電変換材料層3の下端の電極6とを配線9で接続する構成を示した。このように接続した理由は、熱電変換材料層2,3が同じ半導体特性(本実施形態ではP型)を持つものなので熱電変換材料層2,3におけるキャリアの移動方向も同じになっているからである。しかし、隣り合う熱電変換材料層2,3が互いに異なる半導体特性を有するように熱電変換装置を構成した場合は、熱電変換材料層2の上端の電極7と熱電変換材料層3の上端の電極7とを電気的に接続するか、又は、熱電変換材料層2の下端の電極6と熱電変換材料層3の下端の電極6とを電気的に接続する。
また、これまでの説明では、本発明の熱電変換装置について発電目的を想定して記載したが、冷却を目的とした素子(つまりペルチェ素子)として活用することも可能である。すなわち、熱電変換装置は熱電変換材料層の層厚方向の両端間に流す電流の向きによって、該熱電変換材料層の層厚方向の一端側が吸熱側となり、その他端側が放熱側になる。そこで、その吸熱側と放熱側を高温部分及び低温部分にそれぞれ対応させた状態で熱電変換装置に電流を流すことで、高温部分が冷却される用途としても活用することが可能である。無機半導体材料を用いたペルチェ素子が高級車の自動車のシートなどに搭載されている例があるが、そうした用途において要求されるフレキシブルかつ大面積の熱電変換装置にビスマス・テルル系素子を利用するのは難しい。しかし、そのような冷却の用途にも本発明は実施可能である。
本発明は、空調装置、照明装置、PC、サーバー等の電子機器や、エンジンを搭載した乗り物、人体、といった熱源から電力を起こすこと、あるいは、自動車シートやCPUクラーといった、発熱体に接触させて使用される物に搭載して冷却を行うのに利用することができる。
1 絶縁基材(絶縁層)
2 第一の熱電変換材料層
3 第二の熱電変換材料層
4 絶縁層
5 空隙
6 第一の電極
7 第二の電極
8 電極端子
9 伸縮可能な配線
10 伸縮可能部
11 コイルばね状の導線
12 弾性のある導電材料

Claims (13)

  1. 第一の絶縁層と、
    該第一の絶縁層上に横並びに配置された、P型またはN型のいずれか一方の半導体特性を有する第一及び第二の熱電変換材料層と、
    前記第一の絶縁層とで前記第一及び第二の熱電変換材料層を挟むように形成された第二の絶縁層と、
    前記第一及び第二の熱電変換材料層の各々における前記第一の絶縁層に対向する端面に形成された第一の電極と、
    前記第一及び第二の熱電変換材料層の各々における前記第二の絶縁層に対向する端面に形成された第二の電極と、を備え、
    前記第一の熱電変換材料層の前記第二の電極と前記第二の熱電変換材料層の前記第一の電極とが電気的に接続され、
    前記第一の絶縁層及び前記第二の絶縁層はそれぞれ伸縮可能部を有する、
    熱電変換装置。
  2. 前記第一の熱電変換材料層及び第二の熱電変換材料層が導電性高分子材料にて形成された、請求項1の熱電変換装置。
  3. 前記第一の絶縁層の前記伸縮可能部と前記第二の絶縁層の前記伸縮可能部が対向している、請求項1または2の熱電変換装置。
  4. 前記第一及び第二の絶縁層における前記伸縮可能部が、前記第一及び第二の絶縁層それぞれの前記第一及び第二の熱電変換材料層に対応する部分以外の領域に設けられている、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  5. 前記第一の絶縁層の前記伸縮可能部と前記第二の絶縁層の前記伸縮可能部が同じ材料で一体にされている、請求項4の熱電変換装置。
  6. 前記伸縮可能部が、シリコーンゴムにて形成された、請求項1から5のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  7. 電気的な接続を行う配線を更に有し、
    前記配線が、前記第一の熱電変換材料層の前記第二の電極と、前記第二の熱電変換材料層の前記第一の電極とを電気的に接続し、
    前記配線は伸縮可能な構造体からなる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  8. 前記構造体がコイルばね形状の導線で形成された、請求項7に記載の熱電変換装置。
  9. 前記構造体が伸縮可能な導電材料にて形成された、請求項7に記載の熱電変換装置。
  10. 前記伸縮可能な導電材料が、伸縮性のあるゴム材料に導電性ファイバーを混錬した材料である、請求項9に記載の熱電変換装置。
  11. 前記構造体が、流体金属が充填された伸縮可能な流路にて形成された、請求項7に記載の熱電変換装置。
  12. 第一の絶縁層と、
    該第一の絶縁層上に横並びに配置された、それぞれが、互いに異なる半導体特性を有する第一及び第二の熱電変換材料層と、
    前記第一の絶縁層とで前記第一及び第二の熱電変換材料層を挟むように形成された第二の絶縁層と、
    前記第一及び第二の熱電変換材料層の各々における前記第一の絶縁層に対向する端面に形成された第一の電極と、
    前記第一及び第二の熱電変換材料層の各々における前記第二の絶縁層に対向する端面に形成された第二の電極と、を備え、
    前記第一の熱電変換材料層の前記第二の電極と前記第二の熱電変換材料層の前記第二の電極とが電気的に接続されるか、又は前記第一の熱電変換材料層の前記第一の電極と前記第二の熱電変換材料層の前記第一の電極とが電気的に接続され、
    前記第一の絶縁層及び前記第二の絶縁層はそれぞれ伸縮可能部を有する、
    熱電変換装置。
  13. 電気的な接続を行う配線を更に有し、
    前記配線は、前記第一の熱電変換材料層の前記第一の電極と前記第二の熱電変換材料層の前記第一の電極とを電気的に接続するか、又は前記第一の熱電変換材料層の前記第二の電極と前記第二の熱電変換材料層の前記第二の電極とを電気的に接続し、
    前記配線は伸縮可能な構造からなる、請求項12に記載の熱電変換装置。
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