JP4889188B2 - 殺菌コーティングを有する物体、その製造方法およびその使用 - Google Patents

殺菌コーティングを有する物体、その製造方法およびその使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、そのコーティングが銀コロイドを含む有機的に修飾された無機マトリックスを含む、殺菌コーティング物品(microbicidally coated articles)(特に、容器)、その製造方法、および消毒、保存、または医療目的のための使用に関する。
【0002】
銀イオンが強力な殺菌効果を示すことは公知である。銀イオンの殺菌効果はまた、銀化合物がマトリックス(例えば、十分な自由体積を有するポリマーマトリックス)中に存在する場合に、および銀コロイドがマトリックスに結合されている場合にでさえ、明白である。銀イオンは、表面に十分な速度で拡散しなければならない。殺菌コーティングを与えるために、例えば塗料溶液中の可溶性化合物の形態、または銀コロイド溶液の形態で、銀が使用され得る。
【0003】
可溶性銀化合物は、一般的に、特に溶液と接触すると、それらの拡散が比較的迅速でありそしてそれらの効果が比較的早急に使い尽くされるという欠点を有する。銀コロイドコーティング組成物を製造するために、銀コロイドが、コーティング組成物中へ混合され得る。しかし、これは、安定な銀コロイド溶液が必要とされるという一般的な欠点を有し、この安定性は一般的に静電安定化(electrostatic stabilization)(pH安定化)によってもたらされなければならず;換言すれば、プロトン性溶媒が必要とされ、そして所定のpHレベルを設定する必要があり、多くのコーティング系について銀コロイドの添加が可能でないという結果を伴う。
【0004】
別の方法において、ガラス形成要素を含むコーティング組成物中で、銀コロイドが、コーティングプロセスの間に銀化合物からインサイチュで生成され、ガラスマトリックス中に銀コロイドを含むコーティングを与える。しかし、この方法の欠点は、形成されるコーティングが脆く、そして非常に高い温度がコロイド−含有ガラスマトリックスの形成に必要とされることである。従って、この方法は、温度感受性物品のコーティングに好適ではない。
【0005】
本発明の主題は、銀コロイドコーティングを有する温度感受性である物品でさえ提供することであり、ここで、インサイチュで生成される銀コロイドは、比較的低温ででさえ調製され得、そしてここで、該コーティングの硬化もまた、比較的低温で生じ得る。同時に、比較的大きなコロイドが可能であるべきであり、何故ならば、このようなコロイドは非常に長期の活性を有するからである。更に、可撓性表面を有する物品においてさえ使用され得る、高弾性のコーティングが、可能であるべきである。
【0006】
これらの要件は、驚くべきことに、本発明に従う殺菌コーティング物品(特に、容器)によって満たされ、該物品の少なくとも一部の上に、銀コロイドを含む有機的に修飾された無機マトリックスを含むコーティングが存在し、該コーティングは、a)少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する少なくとも1つの加水分解性シランに基づく加水分解物または縮合物とb)銀化合物とを含むコーティング組成物の該物品表面への適用、ならびに熱および/または輻射線(radiation)での処理により、該銀コロイドコーティングを形成させることによって得られ得る。
【0007】
本発明は、更に、銀コロイドコーティングを含む有機的に修飾された無機マトリックスを含む殺菌コーティング物品の製造方法を提供し、ここで、a)少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する少なくとも1つの加水分解性シランに基づく加水分解物または縮合物とb)銀化合物を含むコーティング組成物を、該物品表面の少なくとも一部へ適用し、そして熱および/または輻射線で処理して、該銀コロイドコーティングを形成させる。
【0008】
本発明によれば、低温で銀コロイドコーティングを得ることが可能であり、その結果、それらは、温度感受性物品に好適である。該コートの高弾性は、可撓性物品のコーティングを可能にする。本発明に従ってコーティングされた物品は、強力な殺菌効果によって区別される。
【0009】
コーティングされる物品は、任意の所望の物品を含み得る。殺菌活性のために、本発明に従ってコーティングされた物品は、特に、消毒、保存、コスメティック、製薬、および/または医療目的に好適である。製薬または医療分野における物品のため、例えば、製剤用のコーティング容器のため、または人体と接触しそして微生物が存在しないままであることが意図される物品または部品のために、本発明は特に好適である。
【0010】
従って、好ましくは、問題の物品は、固体(例えば、軟膏様)、液体または気体状媒体の貯蔵のため、特に、液体媒体(例えば、溶液)の貯蔵(keeping)のための物品である。容器は、例えば、ボトル、バイアル、アンプル、(密封可能な)パウチ、パッケージングフォーム(packaging forms)、例えばブリスター(blisters)、スズ製容器(tins)、スプレーボトルまたはスプレー缶およびチューブを含み得る。貯蔵のための媒体は、特に、好ましくは液体形態の(例えば、溶液のような)製剤、または医療分野で使用される他の媒体、例えば、等張生理食塩水およびコンタクトレンズの保存または洗浄媒体である。鼻用スプレー(nasal sprays)および点眼剤のための容器が、特に好ましい。通常、容器は、他の分野においても使用され得る。
【0011】
本発明に従ってコーティングされる更に好ましい物品は、医療分野において使用される物品または器具またはその一部、例えば、外科用器具、トレーおよびチュービング(tubing)である。
【0012】
物品の全体または部分が、コーティングされ得る。例えば、容器(例えば、医薬品バイアル(pharmaceutical vials))の内部表面のみをコーティングし、一方外部表面はコーティングされていないままであることが好適であり得る。物品は、1以上の材料から構成され得る;例えば、物品の異なる構成要素は、異なる材料から構成され得る。
【0013】
コーティングされる物品またはコーティングされる物品の一部(支持体)は、任意の所望の材料、例えば、金属、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、プラスチックまたは紙製であり得る。本発明の1つの特有の利点は、高温を使用することを必要としないで、銀コロイドコーティングを得ることが可能であることであり、本発明は、特に、熱感受性(heat-sensistive)物品に好適である。従って、プラスチックから作製された物品または物品の一部を使用することが好ましい。プラスチックの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレートおよびポリメチルアクリレート)、ポリビニルブチラール(polyvinylbutyral)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ABSコポリマーまたはポリ塩化ビニルであり、特に好ましいのは、ポリエチレンである。物品は、慣用的に、例えば、洗浄、脱脂、またはコーティングへのより十分な接着をもたらすために、前処理され得る。当然ながら、支持体のような、コーティングされる物品の一部は、最初に別々にコーティングしそして次いで組み立てて完成物品を形成させることが可能である。
【0014】
使用されるコーティング組成物は、a)少なくとも1つの非加水分解性(炭素含有)置換基を有する少なくとも1つの加水分解性シランに基づく加水分解物または縮合物とb)銀化合物とを含む。該加水分解物または縮合物は、好ましくは、一般式(I)
aSiX(4-a) (I)
[ここで、基Rは、同一であるかまたは異なり、そして非加水分解性基を示し、基Xは、同一であるかまたは異なり、そして加水分解性基またはヒドロキシル基を意味し、そしてaは値1、2または3を有し、1の値が好ましい]
の1以上のシランの部分的加水分解または縮合によって得られる。
【0015】
式(I)の有機シランにおいて、加水分解性基Xは、例えば、水素またはハロゲン(F、Cl、BrまたはI、特にClおよびBr)、アルコキシ(好ましくは、C1-6アルコキシ、特にC1-4アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシ)、アリールオキシ(好ましくは、C6-10アリールオキシ、例えば、フェノキシ)、アシルオキシ(好ましくは、C1-6アシルオキシ、例えば、アセトキシまたはプロピオニルオキシ)、アルキルカルボニル(好ましくは、C2-7アルキルカルボニル、例えばアセチル)、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである[アルキル基は、好ましくは1〜12、特に1〜6の炭素原子を有する]。好ましい加水分解性基は、ハロゲン、アルコキシ基およびアシルオキシ基である。特に好ましい加水分解性基は、アルコキシ基、特にメトキシおよびエトキシである。
【0016】
Rは、好適である場合に官能基を保有し得る、非加水分解性有機基である。Rの例は、アルキル(好ましくは、C1-6アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはシクロヘキシル)、アルケニル(好ましくは、C2-6アルケニル、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびブテニル)、アルキニル(好ましくは、C2-6アルキニル、例えば、アセチレニルおよびプロパギル)およびアリール(好ましくは、C6-10アリール、例えば、フェニルおよびナフチル)である。
【0017】
基Rの官能基の具体例は、不飽和C−C結合を含む上述の基に加えて、エポキシ、ヒドロキシ、エーテル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ[例えば、上で定義されたC1-6アルキル基を有する]、アミド、カルボキシル、メルカプト、チオエーテル、ビニル、イソシアネート、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、酸無水物、酸ハロゲン化物、シアノ、ハロゲン、アルデヒド、アルキルカルボニル、スルホン酸、およびリン酸基である。これらの官能基は、アルキレン、アルケニレン、またはアリーレン架橋基を介して、ケイ素原子へ結合されており、これは、酸素または硫黄原子によってあるいは−NH−基によって中断されていてもよい。これらの架橋基は、例えば、上記のアルキル、アルケニルまたはアリール基から誘導される。基Rは、好ましくは1〜18、特に1〜8の炭素原子を含む。上述の基RおよびXは、好適である場合、ハロゲンまたはアルコキシのような1以上の慣用的な置換基を有してもよい。
【0018】
少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する使用される加水分解性シランの少なくとも1つは、好ましくは、非加水分解性置換基上に上述の官能基の1つを含む。この官能基によって、次いで、例えばシラン上の官能基が、互いと[この場合、異なるまたは同一の官能基が、互いに反応し得る]あるいは下記の記載の有機化合物(これは、同様に、コーティング組成物中に存在し得る)上の官能基と反応することによって、有機架橋が生じることが可能となる。
【0019】
好ましい官能基は、エポキシド、酸無水物およびアミノ基であり、特に好ましいのは、少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上のエポキシド基を有する少なくとも1つの加水分解性シランと、少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上のアミノ基を有する少なくとも1つの加水分解性シランとの組み合わせである。特に好ましい組み合わせは、エポキシシランおよびアミノシランに加えて、少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の酸無水物基を有する少なくとも1つの加水分解性シランを更に含むものである。
【0020】
上記一般式(I)の好ましいエポキシシランにおいて、aは1の値を有し、Xは、好ましくはC1-4アルコキシ、特に好ましくはメトキシおよびエトキシであり、そしてRは、少なくとも1つのエポキシド基を有する非加水分解性基、例えば、少なくとも1つのエポキシド基を有する、脂肪族、脂環式または芳香族基、特にアルキレン、例えばC1−C6アルキレン(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレン)である。基Rは、好ましくは、グリシジルオキシ−(C1-6)−アルキレン基である。具体例は、β−グリシジルオキシエチル、γ−グリシジルオキシプロピル、δ−グリシジルオキシブチル、ε−グリシジルオキシペンチル、ω−グリシジルオキシヘキシル、および2−(3,4−エポキシシクロ−ヘキシル)エチルである。特に好んで使用されるエポキシシランは、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)およびγ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)である。
【0021】
好ましいアミノシランは、aが1の値を有し、Xが好ましくはC1-4アルコキシ、特に好ましくはメトキシおよびエトキシであり、そしてRが、少なくとも1つのアミノ基を有する非加水分解性基、例えば、少なくとも1つの第1級、第2級または第3級アミノ基を有する、脂肪族、脂環式または芳香族基、特にアルキレン、例えばC1−C6アルキレン(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレン)である、上記一般式(I)のものである。例えば、Rは、R1 2N−(アルキレン−NR1x−アルキレン基であり、ここで、xは0〜5であり、アルキレン基は同一であっても異なっていてもよく、そして特に上述のものであり得、そしてR1は、各出現で同一であるかまたは異なり、そして水素または必要に応じて置換されているアルキル基、例えば上記一般式(I)において特定されるものである。R1はまた、ヘテロ環式環の形成を伴う、2価の基、例えばアルキレンであってもよい。好適である場合、更なる非加水分解性基(例えば、アルキル)が存在することもまた可能である(a=2)。このようなシランの具体例は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[N’−(2’−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[3−(トリ−エトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、および[N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル]メチルジエトキシシランである。3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)が特に好ましい。
【0022】
好ましい無水物シラン(anhydridosilanes)は、aは1の値を有し、Xは、好ましくはC1-4アルコキシ、特に好ましくはメトキシおよびエトキシであり、そしてRは、少なくとも1つの無水物基を有する非加水分解性基、例えば、無水物基を有する、脂肪族、脂環式または芳香族基、特にアルキレン、例えばC1−C6アルキレン、特にC1-4アルキレン(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレン)である。エポキシド基と同様にアミノ基と縮合し得る、無水物基は、例えば、カルボン酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸または無水フタル酸)から誘導される基を含み得、これは、上述の基、特にC1−C4アルキレンの1つを介して、ケイ素原子へ結合されている。例は、[3−(トリエトキシシリル)プロピル]コハク酸無水物 (ジヒドロ−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−2,5−フランジオン、GF20)、および[3−(トリメトキシシリル)プロピル]コハク酸無水物である。
【0023】
好適である場合、フッ素で置換された有機基を少なくとも一部に含有する加水分解性シランまたはそのプレ縮合物(precondensates)を使用することがまた可能である。この目的のために、例えば、少なくとも1つの非加水分解性基R[これは、例えば、好ましくは少なくとも2つの原子によってSiから隔離された炭素原子に結合された平均2〜30のフッ素原子を有する]を有する一般式(I)の加水分解性ケイ素化合物を使用することが可能である。この文脈で使用され得る加水分解性基としては、例えば、式(I)においてXについて示されるものが挙げられる。フルオロシランの具体例は、C25−CH2CH2−SiZ3、n−C613−CH2CH2−SiZ3、n−C817−CH2CH2−SiZ3、n−C1021−CH2CH2−SiZ3[ここで、Z=OCH3、OC25またはCl]、iso−C37O−CH2CH2CH2−SiCl2(CH3)、n−C613−CH2CH2−SiCl2(CH3)およびn−C613−CH2CH2−SiCl(CH32である。この種のフッ化シランの使用は、疎水性および疎油性(oleophobic)特性が更に問題のコーティングへ与えられる結果となる。この種のシランは、DE 4118184に詳細に記載される。フッ化シランのフラクションは、好ましくは、使用される全体の有機的に修飾された無機重縮合物に基づいて0.5〜2重量%以下である。
【0024】
加水分解物または縮合物のために使用される、少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する加水分解性シランの中でも、好ましくは少なくとも40mol%、より好ましくは少なくとも70mol%、特に好ましくは少なくとも90mol%は、少なくとも1つの非加水分解性置換基において少なくとも1つの官能基を有する。1つの好ましい実施形態において、使用される少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する加水分解性シランの全てが、少なくとも1つの非加水分解性置換基において少なくとも1つの官能基を有する。エポキシシラン、アミノシランおよび無水物シラン(anhydridosilane)の組み合わされた使用の場合、エポキシシラン/アミノシラン/無水物シラン比は、官能基に基づいて、好ましくは0.5〜1.5/1〜3/1〜3である。
【0025】
加水分解物または縮合物の調製のために、好適である場合、マトリックス形成物(matrix formers)として元素Mの更なる加水分解性化合物を使用することが可能である。これらは、特に、元素周期表の主族III〜Vおよび/または遷移族II〜IVからの少なくとも1つの元素Mの化合物である。それらは、好ましくは、Si、Al、B、Sn、Ti、Zr、VまたはZnの加水分解性化合物、特にSi、Al、TiまたはZrのもの、あるいはこれらの元素の2またはそれ以上の混合物である。当然ながら、他の加水分解性化合物、特に、周期表の主族IおよびIIから(例えば、Na、K、CaおよびMg)および周期表の遷移族V〜VIIIから(例えば、Mn、Cr、FeおよびNi)の元素のものがまた使用され得ることに注意されるべきである。ランタニドの加水分解性化合物もまた使用され得る。非加水分解性基を有さないこれらの加水分解性マトリックス形成化合物(hydrolysable matrix-forming compounds)は、特に、一般式MXb(式(II))[ここでMは上記に定義される通りであり、Xは式(I)について上記に定義される通りであり、そしてbは元素Mの原子価に対応する](例えば、SiX4、AlX3)を有する。該化合物はまた、プレ加水分解物(prehydrolysates)またはプレ縮合物(precondensates)の形態で使用され得る。
【0026】
しかし、好ましくは、後者の化合物は、使用される加水分解性モノマー化合物の総量の、20mol%以下、特に10mol%以下を占める。特に好ましくは、使用される全加水分解性モノマー化合物の、4mol%以下、または0mol%は、非加水分解性置換基を有さない。
【0027】
コーティング組成物は、更に、少なくとも1つの銀化合物を含む。これは、水または有機溶媒に可溶の銀化合物(例えば、AgNO3)を含み得るが、好ましくは、銀イオンが、錯体化合物の形態で使用される。錯化剤(complexing agents)は、特に、キレート剤、即ち二座または多座配位子、例えば、二座から六座の錯化剤である。従って、溶媒−可溶性(solvent-soluble)銀化合物は、特に、銀イオンと錯化剤(特に、キレート剤)との錯体である。この種の銀錯体化合物は、例えば、溶媒へ銀化合物および錯化剤を添加することによって形成され、そして形成された銀錯体は、次いで、コーティング組成物のためにこの溶液形態で使用される。
【0028】
銀(I)イオンおよび/または銀錯体化合物は、還元条件下で反応して金属コロイドを与え得る。銀(I)イオンと共に銀錯体化合物を形成する錯化剤の例は、ハロゲン化物イオン、例えば、ヨージド、ブロミド、および特にクロリド(または、対応のハロゲン化水素酸)、チオ化合物、チオシアノ化合物、糖(例えば、ペントースおよびヘキソース(例えば、グルコース))、β−ジカルボニル化合物(例えば、ジケトン(例えば、アセチルアセトネート)、ケトエステル(例えば、アセトアセテートおよびアリルアセトアセテート))、エーテルアルコール、カルボン酸、カルボキシレート(例えば、アセテート、シトレートまたはグリコレート)、ベタイン類、ジオール類、ポリオール類(ポリアルキレングリコールのようなポリマー性ポリオールを含む)、クラウンエーテル類、リン化合物、メルカプト化合物(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、および3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)、ならびにアミノ化合物である。特に好ましい使用される錯化剤は、メルカプト化合物(例えば、メルカプトシラン)、アミノ化合物(例えば、アミノシラン、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラアミンおよびより高次のポリアミン)である。有機アミンの例は、トリエチレンテトラミン、ジエチレンテトラミン、ジエチレントリアミンおよびエチレンジアミンである。アミノシランの例は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および特に、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DIAMO)、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびアミノヘキシル−3−アミノ−プロピルトリエトキシシランである。銀ジアミン錯体化合物を使用することが好ましく、キレート錯体を形成し得る少なくとも2つのアミノ基を含む錯化剤によって保有されていることが特に好適である。アミノ錯化剤の中でも、アミノシランが特に好ましい。
【0029】
錯化剤は、有利には、それが形成するにつれてマトリックスへ、特に、初めに、それが形成するにつれてAg0への弱い配位結合の形態で、そして次いで好ましくは、形成される銀コロイドの表面修飾[これは、マトリックス中における銀コロイドの安定化へと導き得る]の形態で組み込まれる。錯化剤によってもたらされる表面修飾は、マトリックスと表面修飾化銀コロイドとの間に増強された適合性を生じさせる。錯化剤はまた、好ましくは、銀コロイドとマトリックスとの適合性を更に促進する、官能基または非官能基を含む。これらは、例えば、極性基(例えば、ヒドロキシル、アミノまたはカルボキシル基)[これは、親水性マトリックスまたは対応の結合剤との適合性を促進させる]、あるいは、無極性基(例えば、アルキル基またはアリール基)[これは、疎水性マトリックスまたは対応の結合剤との適合性を促進させる]であり得る。
【0030】
錯化は、銀イオンの部分的安定化(partial stabilization)が伴うと予想され、その結果、自然または日光−誘発化還元が生じない。驚くべきことに、例えば、存在する有機化合物の酸化を伴う熱処理またはUV照射によって達成される、Agへの還元に引き続いて、Ag0は、周囲の錯化剤に関わらず、高度に流動性であり、そして従って、例えば数千の原子によって作製される、コロイドが形成することが可能となる。
【0031】
錯化剤が使用される場合、Agと存在する錯化基との比は、好ましくは、1:0.1〜1:500、特に1:1〜1:200である。二座錯化剤は、例えば、2つの錯化基を有する。錯化剤はまた、銀イオンについての還元剤として、少なくとも一部、機能し得る。更に好適な還元剤は、下記の溶媒(例えば、アルコールまたはケトン)、加水分解および縮合の間に形成される副生成物(例えば、アルコール)、使用される加水分解性化合物、あるいはこれらの組み合わせであり得る。
【0032】
好適である場合、コーティング組成物はまた、ナノスケール無機粒状固体(nanoscale inorganic particulate solids)を含み得る。これは、コーティングに、改善された機械強度(耐引っ掻き性(scratch resistance)、硬度)を与える。このような固体は、一般的に、1〜300nmまたは1〜100nm、好ましくは2〜50nm、および特に好ましくは5〜20nmの範囲の粒度を有する。この材料は、粉末形態で使用され得るが、好ましくは、安定化ゾル(stabilized sol)(特に酸性的にまたはアルカリ性的に安定化されたゾル)の形態で使用される。ナノスケール無機粒状固体は、任意の所望の無機材料から構成され得るが、特に、例えば、(水和されていないまたは水和されている)酸化物(例えば、ZnO、CdO、SiO2、TiO2、ZrO2、CeO2、SnO2、Al23、In23、La23、Fe23、Cu2O、Ta25、Nb25、V25、MoO3またはWO3)、カルコゲニド、窒化物、リン化物、ホスフェート、シリケート、ジルコネート、アルミネートまたは炭化物のような、金属または金属化合物から構成される。ナノスケール無機粒状固体は、好ましくは、Si、Al、B、Zn、Cd、Ti、Zr、Ce、Sn、In、La、Fe、Cu、Ta、Nb、V、MoまたはWの、特に好ましくはSi、Al、B、TiおよびZrの、酸化物、オキシドヒドレート(oxidhydrat)、窒化物または炭化物を含む。酸化物またはオキシドヒドレート(oxidhydrat)を使用することが、特に好ましい。好ましいナノスケール無機粒状固体は、SiO2、Al23、ITO、ATO、AlOOH、ZrO2およびTiO2である。ナノスケールSiO2粒子の例は、市販のシリカ製品、例えば、シリカゾル、例えばLevasils(登録商標)、Bayer AG製のシリカゾル、または発熱シリカ(pyrogenic silicas)、例えばDegussa製のAerosil製品である。
【0033】
ナノスケール無機粒状固体は、有機表面基で修飾され得る。ナノスケール粒状固体の表面修飾は、技術水準において公知の方法であり、そして例えばWO 93/21127(DE 4212633)およびWO 98/51747(DE 19746885)に記載されている。
【0034】
コーティング組成物は、意図される目的および所望の特性に従って、当該分野において通常添加される更なる添加剤を含み得る。具体例は、有機化合物、架橋剤、溶媒、有機および無機着色顔料、色素、UV吸収剤、潤滑剤、レベリング剤(levelling agents)、湿潤剤(wetting agents)、接着促進剤(adhesion promoters)および開始剤である。開始剤は、熱的または光化学的に誘発される架橋のために役立ち得る。
【0035】
好適である場合、有機化合物または架橋剤をコーティング組成物に添加することが可能である。これらは、特に、有機架橋の形成を伴って、使用される加水分解性シランの官能基と反応し得る、少なくとも2つの官能基を含む、有機モノマー、オリゴマーまたはポリマーであり得る。関連する化合物の例としては、脂肪族、脂環式および芳香族化合物が挙げられる。好ましいのは、少なくとも2つのエポキシド基または少なくとも2つのアミノ基を有する有機化合物を使用することである。有機化合物の使用は、例えば、価格的理由から有利であり得る。有機化合物は、特に、30重量%以下の量で使用される。
【0036】
使用され得る有機エポキシド化合物は、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールFまたはグリセロールに基づく、例えば脂肪族、脂環式または芳香族エステルまたはエーテルあるいはそれらの混合物から誘導され得る。少なくとも2つのエポキシド基を有する有機化合物の具体例は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAに基づくエポキシ樹脂、ビスフェノールFに基づくエポキシ樹脂、およびビスフェノールA/Fに基づくエポキシ樹脂である。少なくとも2つのアミノ基を有する有機化合物の具体例は、1,3−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,6−ジアミノヘキサン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、またはイソホロンジアミン(isophoronediamine)である。当然ながら、異なる官能基を保有する有機化合物を使用することもまた可能である。
【0037】
好適な溶媒の例は、アルコール、好ましくは低級脂肪族アルコール(例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよび1−ブタノール)、ケトン類、好ましくは低級ジアルキルケトン(例えば、アセトンおよびメチルイソブチルケトン)、エーテル類、好ましくは低級ジアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルおよびTHF)、イソプロポキシエタノール、芳香族炭化水素類(例えば、トルエンおよびキシレン)、エステル類(例えば、酢酸エチル)、ブトキシエタノール、塩素化炭化水素類(例えば、クロロホルム)、スルホキシド類、スルホン類、アミド類(例えば、ジメチルホルミアミドおよびジメチルアセトアミド)、ならびにその混合物である。原則として、特に加水分解性シランの加水分解がアルコール(例えば、上述のもの)の形成に至る場合、溶媒を使用することは必ずしも必要ない。しかし、その場合でさえ、当然ながら溶媒を使用することが可能である。
【0038】
溶媒の選択について、コーティング組成物中に存在する銀化合物または銀錯体化合物が溶媒に好ましくは可溶性であることが確実とされるべきである。この理由のために、しばしば、溶媒として、水または別の極性溶媒(例えば、C1−C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノールまたはn−ブタノール、あるいはアセトン)を含む溶媒または溶媒混合物を使用することが、有利である。銀錯体化合物を、まず溶媒中で形成させ、そして溶液としてコーティング組成物(これはまた、別の溶媒を含み得る)へ添加してもよい。
【0039】
加水分解性化合物は、特にゾル−ゲル法によって加水分解または(プレ)縮合される。ゾル−ゲル法は、当業者によく知られた方法である。加水分解または縮合は、溶媒の非存在下または、好ましくは、水性もしくは水性/有機反応媒体中のいずれかで、好適である場合には酸性または塩基性縮合触媒(例えば、HCl、HNO3またはNH3)の存在下で、行われる。加水分解性化合物(プレ縮合物)の部分加水分解または(重)縮合が、得られる。縮合の程度は、粘度と同様に、例えば溶媒によって好適に調節され得る。この様式で得られる液体ゾルは、コーティング組成物を調製するために使用される。例えば錯体化合物の形態の、銀化合物、および他の成分が、次いで添加され得る。当然ながら、銀化合物、錯化剤、および他の成分はまた、加水分解または縮合の前に、任意の順序で、添加され得る。
【0040】
コーティング組成物は、任意の慣用的様式で、物品の表面に適用され得る。一般的な湿潤化学コーティング方法(wet-chemical coating methods)のいずれもが使用され得る。例は、遠心コーティング(centrifugal coating)、(エレクトロ−)ディップコーティング((electro-)dip coating)、ナイフコーティング(knife coating)、噴霧、スカーティング(squirting)、スピニング(spinning)、ドローイング(drawing)、スピンコーティング、流し込み(pouring)、ローリング、ブラシッシング、フローコーティング、フィルムキャスティング、ブレードキャスティング、スロットコーティング(slotcoating)、メニスカスコーティング(meniscus coating)、カーテンコーティング(curtain coating)、ローラー塗布(roller application)または慣用的な印刷方法(例えば、スクリーン印刷またはフレキソ印刷)である。適用されるコーティング組成物の量は、所望のコーティング厚みを与えるように、選択される。例えば1〜15μmそして好ましくは2〜5μmの範囲の乾燥コート厚みを与えるように、作業は行われる。本発明の場合における利点は、コート厚みは非常に可変的に選択され得ることである。
【0041】
物品へのコーティング組成物の適用に続いて、好適である場合、例えば周囲温度(40℃未満)での乾燥が行われる。
【0042】
必要に応じて前乾燥されたコーティングは、熱および/または輻射線での処理に供され、この間に銀コロイドが形成される。本発明に従って使用されるコーティング組成物のために、驚くべきことに、銀コロイドが、低温においてでさえ、銀化合物から形成されるということが見出された。処理は、熱処理または輻射線のいずれであってもよい。1つの好ましい実施形態において、熱および輻射線(radiation)での組み合わせた処理が存在する。
【0043】
銀コロイドの形成は、特に、200℃未満、特に130℃未満、100℃未満の温度で、そして80℃未満ほどの低い温度でさえ、起こる。例えば、熱処理のみを用いると、銀コロイドは、50〜100℃、好ましくは60〜80℃または70〜80℃の範囲で形成される。銀コロイドはまた、照射のみによって、周囲温度で、光化学的に形成され得る。照射(irradiation)は、銀コロイドを形成させるために、化学線(actinic radiation)、例えばUVまたはレーザー線あるいは電子ビームを使用して行われる。照射について、UV線を使用することが特に好ましい。
【0044】
好ましくは、照射は、熱処理と同一の時間で行われる。この場合、照射、特にUV照射は、50〜100℃、特に60〜80℃の温度で行われる。この組み合わせた処理は、例えば、2〜20分間の間行われる。照射なしの対応の処理の場合、処理時間は、1.2〜2倍延長される。
【0045】
生成されるコロイドは、例えば5〜50nm、5〜30nm、または5〜20nm、そして特に10〜20nmの直径を有して、比較的大きいことが特に重要であり、何故ならばこれらは非常に長期の活性を生じるからである。驚くべきことに、UV照射および熱処理によって、例えば10〜50nmまたは10〜30nmの直径を有する銀コロイドが、銀が銀ジアミン錯体の形態で組成物へ添加される場合であっても、特に迅速に形成される。UV照射無しでの熱処理は、より小さなAgコロイドを生成する(例えば、5〜20nm)。銀コロイドは、適用されたコーティングにおいて、いわばインサイチュで形成され、好適である場合にはコーティングが硬化し始める際に最初の(更なる)縮合および架橋反応コーティングを伴う。
【0046】
コーティング組成物中に使用される銀化合物の量は、銀コロイドの所望の濃度に依存する。
【0047】
銀コロイドコーティングを与えるためのコーティング組成物の硬化は、300℃未満、好ましくは200℃以下、そして特に130℃以下の温度で生じ得る。硬化は、好ましくは、銀コロイドの形成のための熱処理を、即ち、例えば、100℃未満または80℃未満の温度で、例えば、50〜100℃または60〜80℃の温度で、単に続けることによって、行われる。硬化の持続期間は、数時間以上(例えば、2時間以上)であり得る。当然ながら、時間は、温度が上昇されると、短縮される。低温での銀コロイドの形成は、有利には、コーティングの迅速な硬化(これは、特に要求されなければ比較的高温で生じる)を防止することを可能にし、その結果、コロイドは形成するための時間を与えられる。更に、初期縮合プロセスおよび/または架橋反応が、コロイドを形成させるための熱処理の間と同じぐらい早く、コーティング中で生じ、銀コロイドの安定化に寄与する増加した粘度をもたらす。好適である場合、光化学硬化がまた可能である。
【0048】
得られるコーティングは、有機的に修飾された無機マトリックスを含む:換言すれば、無機マトリックスフレームワーク(inorganic matrix framework)に加えて、互いとのまたはまたは有機化合物による架橋を受け得る有機側鎖基が存在し、あるいは他の有機成分が存在し得る。温度を増加させることによって、有機フラクションを減少させることが可能である。
【0049】
次いで、本発明の方法によって、今のところ銀コロイドを含まないコーティング組成物を調製し、これらの組成物を使用して支持体(特に、プラスチック支持体)をコーティングし、そして熱および/または輻射線での処理によって、所望のサイズかつ数重量%の所望の濃度の銀コロイドを調製することが可能である。例えば、0.1〜40重量%そして特に1〜10重量%の銀コロイドが、完成したコーティング中に存在し得る。コーティングは低温で得られ得、その結果、温度−感受性支持体(例えば、温度−感受性プラスチック)でさえ、それを用いて、容易にコーティングされ得る。その上、コーティングは、非常に良好な弾性を示し、その結果、圧力下で容易に(可逆)変形を受ける可撓性支持体でさえ、コーティングされ得る。
【0050】
本発明のコーティングされた物品は、特に液体媒体との接触において、長期間にわたってさえ、強力な殺菌効果を示す。これは、特に、溶液と接触する種々の支持体上に殺菌コーティングを、数ヶ月の活性を伴って、作製する。眼または鼻と接触する医薬バイアルにおけるこのようなコーティングの使用は、任意の細菌汚染を防止するということが見出された。
【0051】
従って、本発明に従ってコーティングされた物品は、特に、消毒、保存、コスメティック、製薬、または医療目的の目的のために好適である。製薬または医薬分野からの物品(特に医薬品の容器)、あるいは人体と接触しそして微生物が存在しないことを要求される物品またはコンポーネントが、好ましい適用分野である。
【0052】
以下の実施例は、本発明を限定せず、本発明を例示する。
【0053】
実施例1
熱硬化での殺菌コーティング支持体の製造
a)銀錯体溶液の合成:
0.28gの硝酸銀を、30gのエタノール(96%)に溶解させる。30分の撹拌後、13gのイソプロパノールおよび4gのアセトンを添加し、そして撹拌を15分間継続する。錯体を形成させるために、1.7gのN−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)−トリメトキシシランを、激しく撹拌しながら徐々に滴下する。
【0054】
b)コーティング組成物の合成:
0.03molの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)(7.09g)を、2時間室温で、4.05gの0.01N硝酸を用いてプレ加水分解(prehydrolysed)させる。
【0055】
0.07molのジヒドロ−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−2,5−フランジオン(GF20)を初期チャージ(initial charge)として導入し、そして0.07molの3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)を、氷冷しそして激しく撹拌しながら、徐々に滴下する。次いで、混合物を、33.9gのイソプロポキシエタノール(IPE)で希釈し、そして30分間室温で撹拌する。18.90gの0.01N硝酸を添加し、そして混合物を15分間室温で撹拌する。次いで、それを43.3gのIPEで希釈し、そして該GPTMSプレ加水分解物を撹拌によって混合する。
【0056】
撹拌15分後、a)において調製した銀錯体溶液28.38gを添加し、そして撹拌を15分間室温で継続する。
【0057】
c)適用および処理:
支持体への適用は、例えば、ディッピング(dipping)、フラッディング(flooding)またはスピニング(spinning)によって行われてもよい。コートは、ガラスにおいて1時間130℃で、そしてPEにおいて6時間80℃で硬化させる。
【0058】
実施例2
光化学的に生成された銀コロイドを有する殺菌コーティング支持体の製造
0.03molの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)を、2時間室温で、4.05gの0.01N硝酸を用いてプレ加水分解させる。
【0059】
0.07molのジヒドロ−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−2,5−フランジオン(GF20)を初期チャージとして導入し、そして0.07molの3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)を、氷冷しそして激しく撹拌しながら、徐々に滴下する。次いで、混合物を、33.9gのイソプロポキシエタノール(IPE)で希釈し、そして30分間室温で撹拌する。18.90gの0.01N硝酸を添加し、そして混合物を15分間室温で撹拌する。次いで、それを43.3gのIPEで希釈し、そして該GPTMSプレ加水分解物を撹拌によって混合する。
【0060】
撹拌15分後、実施例1a)において調製した銀錯体溶液28.38gを添加し、そして撹拌を15分間室温で継続する。
【0061】
支持体へのコーティング組成物の適用は、例えば、ディッピング(dipping)、フラッディング(flooding)またはスピニング(spinning)によって行われてもよい。Agコロイドを生成させるために、コーティングされた支持体を、半出力(half-power)での両方のランプで、そして0.8m/分の速度で、BeltronからのUV硬化ステーションにおいて3回曝す。UV暴露に続いて、ガラス上のコートを、1時間130℃で、そしてPE上のそれらを6時間80℃で硬化させる。
【0062】
実施例3
光化学的に生成された銀コロイドを有する、水ベース系を含む殺菌コーティング支持体の製造
0.5molの3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン GPTES(139.21g)を、5時間室温で、1.5molの0.1N塩酸(27g)を用いて加水分解させる。形成されたエタノールを、35℃の浴温度、40mbarで、ロータリーエバポレータにおいて除去する。次いで、463.0gのLevasil200S(シリカゾル)を、16時間室温で撹拌しながら混合する。5mol%(GPTESに基づく)のN−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(DIAMO)(5.56g)を、激しく撹拌しながら徐々に滴下し、そして1時間撹拌しながら混合する。
【0063】
実施例1a)において調製した銀錯体溶液326.7g(0.05molのAg)を、該ゾルへ添加し、そして30分間撹拌しながら混合する。次いで、銀含有ゾルを5μlフィルターで濾過する。
【0064】
支持体へのコーティング組成物の適用は、例えば、ディッピング(dipping)、フラッディング(flooding)またはスピニング(spinning)によって行われてもよい。銀コロイドを生成させるために、コーティングされた支持体を、半出力(half-power)での両方のランプで、そして3m/分のベルト速度で、BeltronからのUV硬化ステーション(タイプ60/II)において3回曝す。暴露されたコート(例えば、スチールまたはアルミニウム上)を、4時間130℃で硬化させる。

Claims (10)

  1. 殺菌コーティング物品であって、該物品の少なくとも一部の上に、銀コロイドを含む有機的に修飾された無機マトリックスを含むコーティングが存在し、該コーティングが、a)少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する少なくとも1つの加水分解性シランに基づく加水分解物または縮合物とb)銀ジアミン錯体化合物とを含むコーティング組成物の該物品表面への適用、ならびに熱および/または輻射線での処理により、該銀コロイドコーティングを形成させることによって得られ得ることを特徴とする、殺菌コーティング物品。
  2. 前記物品の少なくともコーティングされる部分が、プラスチック表面を有するか、またはプラスチックから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の殺菌コーティング物品。
  3. 前記銀ジアミン錯体化合物が、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノヘキシル−3−アミノプロピル−トリエトキシシランまたはアミノヘキシル−3−アミノプロピル−トリメトキシシランとの銀錯体化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の殺菌コーティング物品。
  4. 前記コーティング組成物が、一般式(I):
    SiX(4−a) (I)
    [ここで、基Rは、同一であるかまたは異なり、そして非加水分解性基を示し、基Xは、同一であるかまたは異なり、そして加水分解性基またはヒドロキシル基を意味し、そしてaは値1、2または3を有する]
    の1以上のシランに基づく加水分解物または縮合物であることを特徴とする、請求項1〜の1項に記載の殺菌コーティング物品。
  5. 前記コーティング組成物が、
    a)少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上のエポキシド基を有する少なくとも1つの加水分解性シラン、
    b)少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上のアミノ基を有する少なくとも1つの加水分解性シラン、および
    c)少なくとも1つの非加水分解性置換基上に1以上の酸無水物基を有する少なくとも1つの加水分解性シラン、
    に基づく加水分解物または縮合物を含むことを特徴とする、請求項1〜の1項に記載の殺菌コーティング物品。
  6. 有機的に修飾された無機マトリックスを含む銀コロイドコーティングを有する殺菌コーティング物品の製造方法であって、ここで、a)少なくとも1つの非加水分解性置換基を有する少なくとも1つの加水分解性シランに基づく加水分解物または縮合物とb)銀ジアミン錯体化合物とを含むコーティング組成物を該物品表面の少なくとも一部へ適用し、そして熱および/または輻射線で処理して該銀コロイドコーティングを形成させる、方法。
  7. 前記処理が、200℃未満、特に130℃以下の温度で行われることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. 前記銀コロイドが、UV照射および/または50〜100℃の温度での熱処理によって得られることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  9. 消毒、保存、コスメティック、製薬または医療目的のための、請求項1〜の1項に記載の殺菌コーティング物品の使用。
  10. 固体または液体、特に製剤の貯蔵のための、請求項に記載の殺菌コーティング物品の使用。
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