JP2021046355A - 抗菌親水化剤 - Google Patents

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辰朗 平瀬
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辰朗 平瀬
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さつき 北島
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Abstract

【課題】抗菌効果や親水(防曇)効果が大きく、簡易に製造でき、各種基材にコーティング可能なケイ素系化合物を含む抗菌親水化剤の提供。【解決手段】下記式(1)で表されるベタイン系ケイ素化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と下記式(2)で表されるチオール基含有ケイ素化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と銅、銀等の金属塩を含有することを特徴とする抗菌親水化剤。(X1)3−k(CH3)kSi−R1−(Y1−R2)m−N+(R3)(R4)−Z1(1){式中X1はアルコキシ基、Y1は−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO2−、R2はアルキレン基等、R3及びR4はアルキル基、Z1は(CH2)nSO3−、(CH2)nCO2−及びO−を表す。}(X1)3−k(CH3)kSi−(R6)mSH(2){式中X1はアルコキシ基、R6はアルキレン基を表す。}【選択図】なし

Description

本発明は、ベタイン系ケイ素化合物とチオール基含有ケイ素化合物の金属塩の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含む抗菌親水化剤に関する。
本発明者らは、親水化剤の材料に関する数多くの特許出願を行っている。
その中で、今回の発明に関係する代表的な特許出願を以下に示す。
まず、ベタイン系ケイ素化合物に関するものとしては、特許文献1、特許文献2、特許文献3等がある。
ここで、特許文献1の発明は、下記式(1)で表される化合物とシリカゾルを反応させることによって得られるシリカゾル及び修飾シリカゾルからなる親水性コーティング液の発明である。また、特許文献3は、ベタイン系ケイ素化合物のアミンオキサイド系ケイ素化合物に関する発明である。
また、イオウ元素含有官能基修飾金属酸化物ゾルに関するものとしては、特許文献4、特許文献5、特許文献6等がる。
特開2017−226759号公報 特開2017−190258号公報 特開2018−135299号公報 特許第5750436号公報 特許第5840930号公報 特開2017−71725号公報
本発明は、抗菌性を有しかつ親水効果が大きく、簡易に製造でき、各種基材にコーティング可能なケイ素系化合物を含む抗菌親水化剤を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、ベタイン系ケイ素化合物とチオール基含有ケイ素化合物の金属塩の加水分解物及び/又は加水分解縮合物が抗菌性を有する親水性コーティング液として有用であることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とする。
〔1〕 下記式(1)で表されるベタイン系ケイ素化合物の加水分解物(以下「前記式(1)化合物」と省略する場合がある。)及び/又は加水分解縮合物と下記式(2)で表されるチオール基含有ケイ素化合物(以下「前記式(2)化合物」と省略する場合がある。)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属塩を含有することを特徴とする抗菌親水化剤。
(X3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R
−Z (1)
{式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Yは−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO−を表し、mは0又は1を表し、Rは炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−を表し、R及びRは同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Z及びZは(CHSO 、(CHCO 及びOを表し、nは1〜5の整数を表す。}
(X3−k(CHSi−(RSH (2)
{式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1を表す。}
〔2〕 さらに、下記式(3)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物(以下、「前記式(3)由来の化合物」と省略する場合がある。)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物及び/又は下記式(4)で表される化合物(以下「前記式(4)化合物」と省略する場合がある。)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含有することを特徴とする前記〔1〕に記載の抗菌親水化剤。
−X−(CHCHO)−Y (3)
{式中Rは炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基はフッ素原子、ケイ素原子、ベンゼン環及び二重結合を含んでいてもよい。)、Xは−O−、−COO−又は−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Yは水素原子、−CHCOOHを表す。}
(X3−k(CHSi−(R (4)
{式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1を表し、Xは、チオール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基あるいはブロック化イソシアネート基を表す。}
〔3〕 前記〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の抗菌親水化剤を含有することを特徴とする抗菌親水性コーティング組成物。
〔4〕 前記〔3〕に記載の抗菌親水性コーティング組成物をコーティングして硬化させた構造体。
〔5〕 溶媒に前記式(1)で表されるベタイン系ケイ素化合物と前記式(2)で表されるチオール基含有ケイ素化合物を溶解させて、水を加えて加水分解したベース液に、銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属塩を添加混合することを特徴とする抗菌親水化剤の製造方法。
〔6〕 前記溶媒に、さらに前記式(3)由来の化合物及び/又は下記式(4)で表される化合物を溶解させて、水を加えて加水分解した液に前記金属塩を1種以上添加混合することを特徴とする前記[5]に記載の抗菌親水化剤の製造方法。
なお、前記加水分解物とは、前記化合物が加水分解したままのものを意味し、前記化合物の1種以上の加水分解物の混合物であっても良く、前記加水分解縮合物とは、前記化合物が1種以上ランダムあるいはブロック状に縮合したものを意味する。
また含有するとは、前記式(1)化合物、前記(2)化合物、前記式(3)由来の化合物及び前記(4)化合物がそれぞれ独立して加水分解縮合したものの混合物や、それぞれの加水分解物が共有結合を通してランダムあるいはブロック状に結合した加水分解縮合を意味する。
本発明の親水化剤は、従来の親水化剤に比べて抗菌性を有する親水性を発揮することができる。そして抗菌性を有する親水化剤は、医療機器、衛生機器及び食品関連機器に適用することにより、有害な菌の増殖を防ぐことが可能等の特徴を有する。ガラス基板のみならず、種々の基材(例えば、プラスチックス:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びウレタン等、金属:ステンレス、鉄、銅及びアルミニウム等)にも処理することが可能である。
本発明の親水化剤は、前記式(1)化合物(ベタイン系ケイ素化合物)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と前記式(2)化合物(チオール基含有ケイ素化合物)の金属塩の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属塩とを含有することを特徴とする。
まず、前記式(1)化合物について説明する。
前記式(1)化合物の内、式中のZが(CHSO の化合物は、いわゆるスルホベタイン系ケイ素化合物であり、式中のZが(CHCO の化合物は、いわゆるベタイン系ケイ素化合物であり、式中のZがOの化合物は、いわゆるアミンオキサイド系ケイ素化合物である。
前記式(1)中、Xとしては、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子が挙げられる。これらのうち、好ましいのはメトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基であり、特に好ましいのはメトキシ基及びエトキシ基である。
前記式(1)中、Rの炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基が挙げられる。これらのうち、原料の入手のし易さを考慮するとトリメチレン基が好ましい。
前記式(1)中、Rとしてはエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良い炭素数1〜10のアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−である。これらのうち好ましいのはエチレン基、トリメチレン基及びエチレンオキシエチレン基及び−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−である。
前記式(1)中、R及びRの炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのはメチル基である。
前記式(1)中、Rが−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−である場合の、Zは(CHSO 、(CHCO 及びOであり、好ましくはCHCHCHSO 及びCHCO である。
前記式(1)化合物は、下記式(1’)で表されるジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物を原料として得ることができる。
(X3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R
(1’)
{前記式(1’)中の、X、k、R、Y、R、m、R及びRは、前記式(1)中のX、k、R、Y、R、m、R及びRと同じである。}
原料である式(1’)で表されるジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物(以下「前記式(1’)化合物」と省略する場合がある。)は、市販の物をそのまま使用することができる。ジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物の市販品としては、例えば、N,N’−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン等を例示できる。
あるいは、市販のジメチルアミノ基含有アルコール(例えば:2−ジメチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノプロパノール、4−ジメチルアミノブタノール、2−ジメチルアミノエトキシエタノール及びN,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ビス(2−アミノエチルエーテル等)にイソシアーネート基を有するシランカップリング剤(例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)を反応させて−NHCOO−基を有する化合物や市販のジメチルアミノ基含有アミン(例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミンやN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等)にイソシアーネート基を有するシランカップリング剤(例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)を反応させて−NHCONH−基を有する化合物を得て使用することが出来る。
また、ジメチルアリルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドやN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド等にチオール基含有ケイ素化合物(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシや3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等)を反応させてチオエーテル基含有ケイ素化合物を得て使用することが出来る。
前記式(1’)化合物の具体的な化合物として以下のジメチルアミノ基を末端に有するケイ素化合物物が挙げられる。
(CHO)SiCHCHCHN(CH (1’−1)
(CHO)Si(CH)CHCHCHN(CH (1’−2)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH
(1’−3)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHN(CH
(1’−4)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCHN(CH (1’−5)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCHN(CH (1’−6)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCHN(CH (1’−7)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHN(CH
(1’−8)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCHN(CH (1’−9)
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCHN(CH
(1’−10)
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCOOCHCHN(CH (1’−11)
(CHO)SiCHCHCHSCHCH(CH)COOCHCHN(CH (1’−12)
(CHO)Si(CH)CHCHCHSCHCHCHN(CH
(1’−13)
(CO)Si(CH)CHCHCHN(CH (1’−14)
前記式(1)化合物のZが(CHSO の化合物は、前記式(1’)化合物と炭素数3から10の環状スルホン酸エステルを水溶性の2級あるいは3級アルコール系溶媒、水溶性の1級アルコール性水酸基を有しないエーテル系溶媒、水溶性のエステル系溶媒、水溶性のケトン系溶媒及び非プロトン性溶媒中で反応させることで得ることができる。
すなわち、前記溶媒中に前記式(1’)化合物と炭素数3から10の環状スルホン酸エステルを溶解させて混合することによって反応させることができる。
前記式(1’)化合物に対する炭素数3から10の環状スルホン酸エステルの仕込みモル比は、式(1’)で表される化合物に対して、0.1〜1.5であり、好ましくは0.25〜1.0であり、特に好ましくは0.5〜1.0である。
反応温度は通常0℃〜200℃であり、用いる溶媒の沸点あるいはそれ以上が好ましく、沸点以上の温度にする為加圧下で反応を行っても良い。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
前記炭素数3から10の環状スルホン酸エステルの具体例としては、1,3−プロパンサルトン、1,3−ブタンサルトン、1,4−ブタンサルトン、2,4−ブタンサルトン、1,5−ペンタンサルトン、2,4−ペンタンサルトン、1,4−へキサンサルトン、4,6−ヘプタンサルトン等が挙げられる。
この中でも1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、2,4−ブタンサルトンが好ましく、より好ましくは1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトンであり、さらに好ましくは1,3−プロパンサルトンである。
上記反応において用いる水溶性溶媒としては、2級あるいは3級アルコール系溶媒(iso−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エーテル系溶媒(テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等)、エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、γ―ブチロラクトン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等)、が挙げられる。
これらのうち好ましいのは2級アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒であり、特に好ましくは2級アルコール系溶媒である。
あるいは、ハロスルホン酸塩化合物(例えば、2−ブロモエタンスルホン酸ナトリウム、3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム及び4−ブロモブタンスルホン酸ナトリウム及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム等)を上記溶媒あるいは1級アルコール中、環状スルホン酸エステルの場合と同じ反応条件で反応させることでも得ることが出来る。
前記式(1’)化合物と炭素数3〜10の環状スルホン酸エステル化合物あるいはハロスルホン酸塩化合物を上記溶媒中で反応させると、前記式(1)化合物のZが(CHSO の化合物であるスルホベタイン系ケイ素化合物は溶媒中に溶解しているか沈殿として得られる。
前記式(1)化合物のZが(CHCO の化合物は、前記式(1’)化合物とハロカルボン酸塩化合物をアルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、非プロトン性溶媒、水及びこれらの混合溶媒中で反応させることで得ることができる。
すなわち、前記溶媒中に前記式(1’)化合物とハロカルボン酸塩化合物を溶解させて反応させることができる。
前記式(1’)化合物に対するハロカルボン酸塩の仕込みモル比は、式(1’)で表される化合物に対して、0.1〜1.5であり、好ましくは0.25〜1.0であり、特に好ましくは0.5〜1.0である。
反応温度は通常0℃〜200℃であり、用いる溶媒の沸点あるいはそれ以上が好ましく、沸点以上の温度にする為加圧下で反応を行っても良い。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
前記炭素数3から10のハロカルボン酸塩の具体例としては、クロロ酢酸ナトリウム、ブロモ酢酸ナトリウム、クロロ酢酸カリウム、2‐クロロプロピオン酸ナトリウム、2‐ブロモ酢酸ナトリウム、3‐クロロ酪酸ナトリウム等が挙げられる。
この中でも好ましくはクロロ酢酸ナトリウム及びブロモ酢酸ナトリウムであり、より好ましくはクロロ酢酸ナトリウムである。
上記反応において用いる溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、iso−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エーテル系溶媒(テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等)、エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、γ―ブチロラクトン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等)、水及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
これらのうち好ましいのはアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒及び水であり、特に好ましくは水、アルコール系溶媒及びこれらの混合溶媒である。
式(1’)化合物とハロカルボン酸塩化合物を、上記溶媒中で反応させると、前記式(1)で表される化合物のZが(CHCO の化合物であるベタイン系ケイ素化合物は溶媒中に溶解しているか沈殿として得られる。
前記式(1)化合物のZがOの化合物であるアミンオキサイド系ケイ素化合物は、前記式(1’)化合物と酸化剤とを水又は水溶性の溶媒中で反応させることで得ることができる。
すなわち、前記水又は水溶性の溶媒中に前記式(1’)化合物と酸化剤とを溶解させて混合することによって反応させることができる。
前記式(1’)化合物に対する酸化剤の仕込みモル比は、前記式(1’)化合物に対して、0.1〜3.0であり、好ましくは0.25〜5.0であり、特に好ましくは0.5〜2.0である。
反応温度は通常0℃〜200℃であり、用いる溶媒の沸点あるいはそれ以上が好ましく、沸点以上の温度にする為加圧下で反応を行っても良い。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
原料である酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、m−クロロ化安息香酸等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、過酸化水素である。
上記反応は、水又は水溶性の溶媒中で行うが、水溶性の溶媒としては、水溶性の非プロトン性溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が単独又は水若しくは前記水溶性の溶媒を混合して用いることができる。
前記水溶性の溶媒を具体的に例示すると、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等)、エーテル系溶媒(テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アルコール系溶媒(メチルアルコール、エチルアルコール、iso−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、γ―ブチロラクトン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等)、水及びこれら溶媒の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいのは水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒であり、特に好ましくは水、アルコール系溶媒及びこれらの混合物である。
前記式(1’)化合物と酸化剤を水又は水溶性の溶媒中で反応させると、アミンオキサイド系ケイ素化合物は溶媒中に溶解した状態で得られる。
前記式(1)で表される具体的な化合物としては、以下の物が挙げられる。
(CHO)SiCHCHCH(CHCHCHCHSO
(1−1)
(CHO)Si(CH)CHCHCH(CHCHCHCHSO (1−2)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCH(CHCHCHCHSO (1−3)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCH(CHCHCHCHSO (1−4)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCH(CHCHCHCHSO (1−5)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCH(CHCHCHCHSO (1−6)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCH(CHCHCHCHSO (1−7)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCH(CHCHCHCHSO (1−8)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCH(CHCHCHCHSO (1−9)
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCH(CHCHCHCHSO (1−10)
(CO)Si(CH)CHCHCH(CHCHCHCHSO (1−11)
(CHO)SiCHCHCH(CHCHCHSO
(1−12)
(CHO)SiCHCHCH(CHCHCO (1−13)
(CHO)Si(CH)CHCHCH(CHCHCO
(1−14)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCH(CHCHCO (1−15)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCH(CHCHCO (1−16)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCH(CHCHCO (1−17)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCH(CHCHCO (1−18)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCH(CHCHCO (1−19)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCH(CHCHCO (1−20)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCH(CHCHCO (1−21)
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCH(CHCHCO (1−22)
(CO)Si(CH)CHCHCH(CHCHCO
(1−23)
(CHO)SiCHCHCH(CH (1−24)
(CHO)Si(CH)CHCHCH(CH (1−25)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCH(CH
(1−26)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCH(CH (1−27)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCH(CH (1−28)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCH(CH (1−29)
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCH(CH (1−30)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCH(CH (1−31)
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCH(CH (1−32)
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCH(CH
(1−33)
(CO)Si(CH)CHCHCH(CH(1−34)
次に、本発明に用いる式(2)で表されるチオール基含有ケイ素化合物について説明する。
本発明に用いる前記式(2)化合物の具体的な一例としては、以下のチオール基含有ケイ素化合物が挙げられる。
HSCHCHCHSi(OCH
HSCHCHCHSi(CH3)(OCH
CHCH(HS)CHSi(OC
HSCHCHSi(OCH
HSCHCHSi(OC
HSCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HSCHCHNHCONHCHCHCHSi(OC
HSCNHCONHCHCHCHSi(OC
これらのうち、ウレタン結合やウレア結合を持つ化合物はイソシアネート基を有するシランカップリング剤に、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン及び4−メルカプトアニリンを反応させることにより得ることが出来る。
次に、本発明に用いる金属塩について説明する。
本発明に用いる金属塩は、銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属塩である。これらのうち好ましいのは、銅及び銀である。
これらの金属塩を用いることにより、本発明の抗菌親水化剤の抗菌性を発揮させることができる。
金属塩の一例としては、水酸化物(水酸化銅及び水酸化亜鉛等)、酢酸塩(酢酸銀、酢酸銅及び酢酸亜鉛等)、硝酸塩(硝酸銀及び硝酸銅等)、金属酸化物(酸化銀及び酸化銅等)等が挙げられる。
前記金属塩中の金属イオンは、前記式(2)化合物のチオール基と親和性が高く、本発明の抗菌親水化剤では、前記チオール基と強固に結合した状態で存在すると推測される。前記金属塩と前記チオール基が結合した官能基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
AgS−CHCHCHSi(−O−)
Cu1/2S−CHCHCHSi(−O−)
Zn1/2S−CHCHCHSi(−O−)
AgS−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O−)
Cu1/2S−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O−)
Zn1/2S−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O−)
AgS−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O−)
Cu1/2S−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O−)
Zn1/2S−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O−)
AgS−CNHCONHCHCHCHSi(−O−)
Cu1/2S−CNHCONHCHCHCHSi(−O−)
Zn1/2S−CNHCONHCHCHCHSi(−O−)
AgS−CHCHCHSiCH(−O−)
Cu1/2S−CHCHCHSiCH(−O−)
Zn1/2S−CHCHCHSiCH(−O−)
AgS−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O−)
Cu1/2S−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O−)
Zn1/2S−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O−)
AgS−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O−)
Cu1/2S−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O−)
Zn1/2S−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O−)
AgS−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O−)
Cu1/2S−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O−)
Zn1/2S−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O−)
本発明の抗菌親水化剤は、前記式(1)化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と前記式(2)化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と前記金属塩に加えて、さらに前記式(3)由来の化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物及び/又は前記式(4)化合物の加水分解物の混合物及び/又は加水分解縮合物を含有することを特徴とする。
次に、前記式(3)で表される化合物(以下「前記式(3)化合物」と省略する。)と前記式(3)化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される界面活性シランカップリング剤について説明する。
前記式(3)化合物は、いわゆる界面活性剤であり、前記式(3)化合物と前記式(3)化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物は、いわゆる界面活性シランカップリング剤である。
前記式(3)中、Rの炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、パルミトレイル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オレイル基、CCHCH基、C13CHCH基、ポリジメチルシロキサン基等が挙げられる。これらのうち原料入手の点を考慮すると、好ましくは、メチル基、ドデシル基、ヘプタデシル基、CCHCH基、C13CHCH基及びポリジメチルシロキサン基である。
また、前記式(3)中、Xは−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、pは1〜30の自然数であり、原料入手の点から1〜15が好ましく、Yは水素原子あるいは−CHCOOHである。
前記式(3)化合物は、界面活性剤であり、界面活性剤として市販されているものを使用することができる。
前記式(3)化合物からなる界面活性剤で市販されているものは、通常エチレンオキサイドの付加数は一定でなく、その結果として単一なものでなく、エチレンオキサイドの付加数が異なった混合物として存在する。
前記式(3)化合物の具体的な化合物としては以下の化合物が挙げられる。
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
1225O(CHCHO)CHCOOH
1225O(CHCHO)CHCOOH
1225O(CHCHO)CHCOOH
1327O(CHCHO)CHCOOH
1225O(CHCHO)
1225O(CHCHO)
1225O(CHCHO)
1225O(CHCHO)10
1225O(CHCHO)11
1735COO(CHCHO)
1733COO(CHCHO)
1733COO(CHCHO)
1733COO(CHCHO)14
1735CONHCHCHOH
CHO(CHCHO)
CHCHO(CHCHO)
13CHO(CHCHO)
13CHCHO(CHCHO)
ただし、qは1〜30の整数を表す。
−{CHC(CH)(COOCHCH13)}−{CHC(CH)(COOCHCHO(CH2CH2O)H)}
−{CHCH(COOCHCH13)}−{CHCH(COOCHCHO(CH2CH2O)H)}
ただし、r、s及びtは1〜30の整数を表す。
(CHSiO−〔(CH)Si{(CH(CHCHO)H}〕−O−〔Si(CHO〕−Si(CH
ただし、u、v、w及びzは1〜30の整数を表す。
前記式(3)化合物中の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤は、エポキシ基、イソシアネート基、酸無水物基またはアミノ基のいずれかの官能基を有するシランカップリング剤である。
そして、好ましい前記式(3)中の活性水素と反応可能なシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
前記式(3)化合物と前記式(3)中の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤との反応で生成する前記界面活性シランカップリング剤(前記式(3)由来の化合物)は、特開2017−061439号公報記載の製造方法で得ることができる。
前記式(3)由来の化合物の具体的な化合物としては以下の化合物が挙げられる。
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(CH)(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(CH)(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCONHCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCONHCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)COCHCH(COOH)CHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)COCH(CHCOOH)CHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)COCHCH(COOH)CHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)COCH(CHCOOH)CHCHCHSi(OCH
1735−COO−(CHCHO)COCHCH(COOH)CHCHCHSi(OCH
1733−COO−(CHCHO)COCH(CHCOOH)CHCHCHSi(OCH
1735−CONH−CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
CHCHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
13CHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
13CHCHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
ただし、qは1〜30の整数を表す。
−{CHC(CH)(COOCHCH13)}−{CHC(CH)(COOCHCHO(CH2CH2O)CONHNHCHCHCHSi(OC)}
−{CHCH(COOCHCH13)}−{CHCH(COOCHCHO(CH2CH2O)CONHNHCHCHCHSi(OC)}
ただし、r、s及びtは1〜30の整数を表す。
(CHSiO−〔(CH)Si{(CH(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC}〕−O−〔Si(CHO〕−Si(CH
ただし、u、v、w及びzは1〜30の整数を表す。
Figure 2021046355
次に、シランカップリング剤である前記式(4)化合物について説明する。
前記式(4)化合物は、いわゆるアルコキシケイ素系化合物である。
前記式(4)中、Xとしては、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子が挙げられる。これらのうち、好ましいのはメトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基であり、特に好ましいのはメトキシ基及びエトキシ基である。
前記式(4)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、好ましくはトリメチレン基である。
前記式(4)中、Xは、チオール基、アミノ基、エポキシ基、無水コハク酸基及びブロック化イソシアネート基等からなる群から選ばれる官能基である。
前記式(4)化合物の例としては、特開2015−218139号公報記載のケイ素化合物や以下のものが挙げられる。
CHSi(OCH
CHSi(OC
17Si(OCH
17Si(OC
1837Si(OCH
1837Si(O
CH=CHSi(OCH
CH=CHSi(OC
NCHCHCHSi(OCH
NCHCHCHSi(OC
ClCHCHCHSi(OCH
SHCHCHCHSi(OCH
SHCHCHCHSi(CH)(OCH
CH=CHCOOCHCHCHSi(OCH
CH=C(CH)COOCHCHCHSi(OCH
Si(OCH
Si(OC
(CHCOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
(CHCOCOCHCHSCHCHCH(CH)Si(OCH
p−CHCHCHSCHCHCHSi(OCH
o−CHCHCHSCHCHCHSi(OCH
p−ClCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
o−ClCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
CHCHSCHCHCHSi(OCH
Figure 2021046355
前記式(4)化合物のうち、ブロックドイソシアネート化合物は、例えば特開2017−071725号公報の実施例8の(1)の記載あるいは特願2019−49797号の段落〔0012〕〜〔0019〕及び実施例1に記載の製造方法で得ることができる。
以上、式(1)化合物、式(2)化合物、前記式(3)由来の化合物物及び式(4)化合物について説明したが、これらの化合物の加水分解物は、これらの化合物を加水分解することにより得ることができる。また、これらの化合物の加水分解縮合物は加水分解物を加熱還流することによって得ることができる。
次に、本発明の前記式(1)化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と前記式(2)化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と前記金属塩を含有する抗菌親水化剤の製造方法について説明する。
本発明の抗菌親水化剤は、前記式(1)で表されるベタイン系ケイ素化合物と前記式(2)化合物を溶媒に溶解させて、水を加えて加水分解及び/又は縮合したベース液に、前記金属塩を添加し混合することにより得られる。ベース溶液に前記金属塩を添加することにより、金属塩の金属イオンとチオール基の高い親和性のため、金属イオンが加水分解縮合物のチオール基により固定化される。
用いる溶媒としては、例えば、エーテル系溶剤(テトラハイドロフラン、ジオキサン等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)及び非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)及び水等が挙げられる。
これらのうち、アルコール系溶剤、水及びそれらの混合溶剤が好ましい。
前記ベース液は、前記式(1)化合物と前記式(2)化合物を溶解させた溶媒中に、水を加えて撹拌することにより加水分解及び/又は縮合して得ることが出来る。
加水分解する時の温度は室温から溶媒の還流温度であり、好ましくは還流温度である。
反応時間は1時間から24時間であり、好ましくは1時間から8時間である。
前記金属塩を添加するときの温度は特に制限はなく、通常室温で行えばよい。前記金属塩は、そのまま加えても、溶媒(例えば、水等)で希釈してから加えても良い。
前記式(1)化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物に対する前記式(2)化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物の量は、10−6重量%〜50重量%であり、好ましくは10−4重量%〜30重量%である。
上記範囲であると、生成した膜が着色せず、抗菌性を発揮できる。
加える金属塩の量は前記式(2)化合物のチオール基に対して、0.01モル〜5.0モルであり、好ましくは0.1モル〜3.0モルであり、特に好ましくは0.2〜2.5モルである。
本発明の抗菌親水化剤の全固形分を合わせた溶媒に対する濃度は、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは0.1%〜15重量%である。
本発明の抗菌親水化剤の製造方法は、前記式(1)化合物と前記式(2)化合物を含有する溶液に、前記式(3)由来の化合物及び/又は前記式(4)で表される化合物の溶液を混合して、水を加えて加水分解したベース液に、前記金属塩を添加し混合してもよい。
あるいは、前記式(1)化合物、前記式(2)化合物並びに、前記式(3)由来の化合物及び/又は前記式(4)化合物の混合物を溶媒に溶解させて、水を加えて加水分解してベース液とすることもできる。
用いる溶媒としては、段落〔0079〕に記載の溶媒と同様である。
前記式(1)化合物と前記式(2)化合物に対する前記式(3)由来の化合物及び/又は前記式(4)化合物の量は、10〜200重量%であり、好ましくは20〜100重量%であり、特に好ましくは25〜100重量%である。
前記式(3)由来の化合物と前記式(4)化合物の両方を含む場合は、前記式(3)由来の化合物に対する前記式(4)化合物の量は、10〜500重量%であり、好ましくは20〜300重量%であり、特に好ましくは25〜200重量%である。
上記範囲であると、生成した膜の特性(例えば、耐水性や基板に対する密着性及び硬化特性等)がより発揮できる。
本発明の抗菌親水化剤は、作業性(取扱性及びコーティング性等)を向上させる為に希釈溶剤により希釈することにより、抗菌親水性コーティング組成物を得ることが出来る。
希釈溶媒としては、前記親水化剤の全構成成分と反応せず、これらを溶解及び/又は分散させるものであれば制限がなく、例えば、エーテル系溶剤(テトラハイドロフラン、ジオキサン等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)及び非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)及び水等が挙げられる。
希釈溶媒を含有する場合、希釈溶媒の含有量は、例えば、全溶媒に対する、前記〔1〕加水分解組成物の重量%が、0.001〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜7.5重量%となる量である。
本発明の抗菌親水性コーティング組成物には、その他の成分として必要によりレベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の慣用の各種添加剤を配合することができる。
レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤、アセチレンアルコール系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、アクリルシリコーン系レベリング剤及びビニル系レベリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤等が挙げられる。
本発明の抗菌親水性コーティング組成物は、ガラス、プラスチック(ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ABS、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ、不飽和ポリエステル、メラミン、ジアリルフタレート、ポリイミド、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、ニトリルラバー、EPM、EPDM、エピクロルヒドリンラバー、ネオプレンラバー、ポルサルファイド及びブチルラバー等)等の防曇化等に適用出来る。
また必要に応じて基板等との接着性を向上させるためプライマー、プラズマ、紫外線あるいはコロナ放電処理等の表面活性化処理(基材表面の表面エネルギーを高くする手法)を用いても良い。
本発明の抗菌親水性コーティング組成物からなるコーティング液の塗布方法としては、ディプコーティング、スピンコーティング、フローコーティング及びスプレーコーティング等が挙げられる。
本発明の抗菌親水性コーティング組成物は、コーティング後、熱処理することによりコーティング層を硬化させて構造体を得ることができる。その場合、硬化を促進するために、酸(塩酸等)や塩基(水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の硬化触媒を添加することができる。
熱処理温度は、通常室温〜250℃、好ましくは室温〜200℃、特に好ましくは室温〜150℃である。
熱処理をする時間は、通常0.05〜48時間、好ましくは0.1〜48時間、特に好ましくは0.5〜36時間である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例は、本発明を説明するものであり、制限を加えるものではない。
〔実施例1〕
(1)[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0mmol)、1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク株式会社製)3.05g(25.0mmol)を脱水イソプロピルアルコール5mlに溶かし2時間加熱還流した。次に3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)0.5g(2.6mmol)をエチルアルコール5mlに溶解させ加えた後、さらに水10.0gを加え一晩加熱還流した。冷却後、水を加えることにより抗菌親水剤ベース液(1)50.0gを得た。
(2)(1)で得た抗菌親水化剤ベース液(1)1.0g、硝酸銀水溶液1.0g(6.0mgの硝酸銀を水1.0gに溶解させたもの)及び水48.0gを加えることにより本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
〔実施例2〕
実施例1の(1)で得た抗菌親水化剤ベース液(1)1.0g、硝酸銅水溶液1.0g(6.1mgの硝酸銀を水1.0gに溶解させたもの)及び水48.0gを加えることにより本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
〔実施例3〕
(1)[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0mmol)、1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク株式会社製)3.05g(25.0mmol)を脱水イソプロピルアルコール10mlに溶かし2時間加熱還流した。次に3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)0.5g(2.6mmol)、特開平2017−061439号公報の実施例2に記載の方法で得た界面活性シランカップリング剤0.5gをエチルアルコール5mlに溶解させ加えた後、さらに水10.0gを加え一晩加熱還流した。冷却後、水を加えることにより抗菌親水化剤ベース液(1)50.0gを得た。
(2)(1)で得た抗菌親水化剤ベース液(1)1.0g、硝酸銀水溶液1.0g(5.4mgの硝酸銀を水1.0gに溶解させたもの)及び水48.0gを加えることにより本発明の抗菌性防曇剤50.0gを得た。
〔実施例4〕
実施例3の(1)で得た抗菌親水化剤ベース液(1)1.0g、硝酸銅水溶液1.0g(6.1mgの硝酸銅を水1.0gに溶解させたもの)及び水48.0gを加えることにより本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
〔実施例5〕
(1)ブロックドイソシアネート化合物、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズMOI−BP)25.1g(100mmol)と3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)19.6(100mmol)gを混合してアルゴンを20分間バブリングした。その中へアゾビスイソブチロニトリル164mg(1mmol)を加え、80℃で一晩加熱撹拌することによりカレンズMOI−BPと3−メルカプトプロピルトリメトキシシランがエンチオール反応で結合したブロックドイソシアネート系ケイ素化合物(1)を43.5g得た。H−NMRより原料のメタクリル基プロトンの吸収(5.6ppm、5.91ppm及び6.15ppm)が消滅していることを確認した。
(2)[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0mmol)、1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク株式会社製)3.05g(25.0mmol)を脱水イソプロピルアルコール10mlに溶かし2時間加熱還流した。次に(1)で得た化合物1.0g(2.2mmol)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)0.5g(2.6mmol)及び特開平2017−061439号公報の実施例2に記載の方法で得た界面活性シランカップリング剤0.5gをエチルアルコール10mlに溶解させ加えた後、さらに水10.0gを加え一晩加熱還流した。冷却後、水を加えることにより抗菌親水化剤ベース液(2)50.0gを得た。
(3)(2)で得た抗菌防曇剤ベース液(1)1.0g、硝酸銀水溶液1.0g(4.3mgの硝酸銀を水1.0gに溶解させたもの)及び水とエチルアルコールの混合溶液(1:1、重量)48.0gを加えることにより本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
〔実施例6〕
実施例3の(1)で得た抗菌防曇剤ベース液(1)1.0g、硝酸銅水溶液1.0g(6.5mgの硝酸銅を水1.0gに溶解させたもの)及び水48.0gを加えることにより本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
〔抗菌親水膜の作製〕
抗菌親水膜を形成する基材としてスライドガラス{76mm、26mm、1.2mm;水酸化ナトリウムの2−プロパノール飽和溶液に24時間浸漬した後、水洗し、乾燥(60℃、2時間)したもの}(実施例1〜4)及びポリカーボネート板(76mm、26mm、1.2mm;そのまま使用)(実施例5及び6)を用いた。ディッピング法によりスライドガラス基板あるいはポリカーボネート基板に抗菌親水性コーティング組成物を塗布した、そして、抗菌親水性コーティング組成物が塗布されたスライドガラス又はポリカーボネート基板を130℃で30分間保持することにより抗菌親水組成物を加熱硬化させた。これにより、抗菌親水膜を有する抗菌親水膜試験片を得た。
〔親水性の性能評価〕
接触角測定装置{協和界面化学株式会社、DROP MASTER 500、液適量2μL、測定間隔1000ms、測定回数30回}で、表面改質スライドガラス及びポリカーボネート板の表面の任意の5箇所について、接触角(度)を測定し、平均値を算出した。結果を表1に示した。
Figure 2021046355
表1から明らかなように本発明の抗菌親水化剤は、親水性を有しており、親水性コーティング液として有用である。
〔抗菌性の評価〕
抗菌性の評価は、試験菌として大腸菌を使用し、JISZ2801に準じた方法により実施した。
具体的には、上記表面改質スライドグラスまたはポリカーボネート板(実施例1〜6)の表面に菌液(1.3×10/cm)を滴下し、ポリスチレン製のカバーフィルムを密着させ35℃、相対湿度100%条件下で24時間静置培養を行った。その後、指定される緩衝液でカバーフィルムとスライドガラス表面とを洗浄し、生残している試験菌を回収した。緩衝液中の生菌数を3M社製ペトリフィルム(ACプレート)により計数し、スライドガラス1cmあたりの生菌数に換算した。
なお、表面未改質のスライドグラスについても同様に試験を行い対照区とした。抗菌活性値は試験区の生菌数対数値から対照区の生菌数対数値を差し引いた値を示した。
〔抗菌性の評価結果〕
表2に抗菌性の評価結果を示した。ブランクのガラス板及びポリカーボネート板は抗菌性*)を示さなかったが、実施例1〜6において、抗菌活性値が2.0以上を示していることから、いずれも高い抗菌性を有していることが確認できた。
*)JISZ2801では、抗菌活性値が2.0以上を示した場合に抗菌性があると判断される。
Figure 2021046355
表1及び2から明らかなように本発明の抗菌親水化剤は親水性及び抗菌性を有しており、抗菌親水性コーティング液として有用である。
本発明の抗菌親水化剤は、ガラスやセラミック及びプラスチック等の表面にコーティングすることにより、親水性及び/又は抗菌性を発揮することから、医療機器、衛生機器及び食品関連機器に適用することにより、有害な菌の増殖を防ぐこと可能である。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるベタイン系ケイ素化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と下記式(2)で表されるチオール基含有ケイ素化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属塩を含有することを特徴とする抗菌親水化剤。
    (X3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R
    −Z (1)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Yは−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO−を表し、mは0又は1を表し、Rは炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−を表し、R及びRは同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Z及びZは(CHSO 、(CHCO 及びOを表し、nは1〜5の整数を表す。}
    (X3−k(CHSi−(RSH (2)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1を表す。}
  2. さらに、下記式(3)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物及び/又は下記式(4)で表される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の抗菌親水化剤。
    −X−(CHCHO)−Y (3)
    {式中Rは炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基はフッ素原子、ケイ素原子、ベンゼン環及び二重結合を含んでいてもよい。)、Xは−O−、−COO−又は−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Yは水素原子、−CHCOOHを表す。}
    (X3−k(CHSi−(R (4)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1を表し、Xは、チオール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基あるいはブロック化イソシアネート基を表す。}
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の抗菌親水化剤を含有することを特徴とする抗菌親水性コーティング組成物。
  4. 請求項3に記載の抗菌親水性コーティング組成物をコーティングして硬化させた構造体。
  5. 溶媒に下記式(1)で表されるベタイン系ケイ素化合物と下記式(2)で表されるチオール基含有ケイ素化合物を溶解させて、水を加えて加水分解したベース液に、銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属塩を添加混合することを特徴とする抗菌親水化剤の製造方法。
    (X3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R
    −Z (1)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Yは−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO−を表し、mは0又は1を表し、Rは炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−を表し、R及びRは同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Z及びZは(CHSO 、(CHCO 及びOを表し、nは1〜5の整数を表す。}
    (X3−k(CHSi−(RSH (2)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1を表す。}
  6. 前記溶媒に、さらに下記式(3)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物及び/又は下記式(4)で表される化合物を溶解させて、水を加えて加水分解した液に前記金属塩を1種以上添加混合することを特徴とする抗菌親水化剤の製造方法。
    −X−(CHCHO)−Y (3)
    {式中Rは炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基はフッ素原子、ケイ素原子、ベンゼン環及び二重結合を含んでいてもよい。)、Xは−O−、−COO−又は−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Yは水素原子、−CHCOOHを表す。}
    (X3−k(CHSi−(R (4)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1を表し、Xは、チオール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基あるいはブロック化イソシアネート基を表す。}

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