JP6590875B2 - 防曇剤 - Google Patents

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本発明は、防曇効果が大きく、低コストで製造できるコーティング可能なケイ素系化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物に関する。さらに詳しくはガラスやプラスチック及び金属等にコーティングすることにより防曇性を付与することが可能なケイ素系化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物に関する。
本発明者らは、防曇剤の材料に関する特許文献1および特許文献2の発明を発明した。
すなわち、特許文献1の発明は、下記式(10)で表される界面活性剤と
−X−(CHCHO)−Y (10)
{式中Rは炭素数1〜20のアルキル基、Xは−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、nは1〜30の自然数であり、Yは水素原子、−CHCOOHを表す。}
式(10)中の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤との反応生成物である界面活性シランカップリング剤加水分解物の発明である。
また、特許文献2の発明は、界面活性シランカップリング剤の加水分解物、界面活性シランカップリング剤の加水分解物で修飾された修飾金属酸化物ゾル、又は、界面活性シランカップリング剤の加水分解物と界面活性シランカップリング剤の加水分解物で修飾された修飾金属酸化物ゾルとの混合物及び/又は縮合物と、硫黄(S)含有官能基で修飾された修飾金属酸化物ゾルの混合物を主成分とする修飾金属酸化物ゾルの原料金属酸化物ゾルの発明である。
特開2017−71724号公報 特開2017−71725号公報
本発明は、防曇効果が大きく、簡易に製造できるコーティング可能なケイ素系化合物を含む加水分解組成物を提供することを目的とする。より好ましくは、本発明は、傷が付きにくく耐久性の高い防曇性コーティング膜を得る為に、コーティング表面の滑り性が良いあるいは膜強度が高い防曇性コーティング組成液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ鋭意検討を行った結果、ベタイン系ケイ素化合物に界面活性ケイ素化合物及び/又は加水分解可能なチタン化合物等を添加して、加水分解して得られる加水分解縮合物及び/又は加水分解混合物を防曇性コーティング液として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
〔1〕 下記式(1)で表される化合物(以下、「成分(A)」という場合がある。)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と
(X)3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R)−Z
(1)
{式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Yは−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO−を表し、mは0又は1を表し、Rは炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−を表し、R及びRは同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Zは(CHSO 及びOを表し、nは1〜5の整数を表す。}
下記式(2)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物、下記式(3)で表される化合物、加水分解可能な−Si−C−結合を有さないケイ素化合物、加水分解可能なチタン化合物、加水分解可能なジルコニウム化合物及び加水分解可能なアルミニウム化合物の少なくとも1種(以下、「成分(B)」という場合がある。)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物、
並びに/又は成分(A)と成分(B)の加水分解縮合物を含むことを特徴とする加水分解組成物。
−X−(CHCHO)−Y (2)
{式中Rは炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基はフッ素原子、ケイ素原子、ベンゼン環及び二重結合を含んでいてもよい。)、Xは−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Yは水素原子、−CHCOOHを表す。}
(X)3−k(CHSi−(R (3)
{式中Xは、アルキル基(該アルキル基は、ヘテロ原子、不飽和結合を含んでもよく、また環状構造であってもよい)、ビニル基、チオール基、アミノ基、塩素原子、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、フェニル基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基及びブロック化イソシアネート基からなる群から選ばれる官能基であり、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。}で表されるシランカップリング剤。
〔2〕 前記〔1〕に記載の加水分解組成物を含有することを特徴とする防曇剤。
〔3〕 前記〔2〕に記載の防曇剤を含有することを特徴とする防曇性コーティング組成物。
〔4〕 前記〔3〕に記載の防曇性コーティング組成物を硬化させた構造体。
なお、前記加水分解物とは、前記化合物が加水分解したままのものを意味し、前記加水分解縮合物とは、前記化合物が1種以上ランダムあるいはブロック状に縮合したものを意味する。
そして、本発明の加水分解組成物とは、成分(A)及び成分(B)がそれぞれ加水分解したままの混合物、あるいは成分(A)の加水分解物及び/又は成分(B)の加水分解物がランダムあるいはブロック状に縮合したもの、あるいはこれらのものが混在した状態のものである。
本発明の防曇剤は、従来の防曇剤に比べてより優れた防曇性を発揮することができる。そして、より優れた防曇剤は、コーティング膜表面の滑り性がよく、及び/又はコーティング膜の強度が高く、より汚れを拭き取り易く、傷が付きにくく耐久性の高い等の特徴を有する。
本発明の加水分解組成物は、下記式(1)で表される化合物(成分(A))の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と下記式(2)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物(以下「界面活性シランカップリング剤」という場合がある)、下記式(3)で表される化合物、加水分解可能な−Si−C−結合を有さないケイ素化合物、加水分解可能なチタン化合物、加水分解可能なジルコニウム化合物及び加水分解可能なアルミニウム化合物の少なくとも1種(成分(B))の加水分解物及び/又は加水分解縮合物、並びに/又は成分(A)及び成分(B)の加水分解縮合物を含有することを特徴とする。
(X)3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R)−Z
(1)
−X−(CHCHO)−Y (2)
(X)3−k(CHSi−(R (3)
前記式(1)で表される化合物の内、式中のZが(CHSO の化合物は、いわゆるスルホベタイン系ケイ素化合物であり、式中のZがOの化合物は、いわゆるアミンオキサイド系ケイ素化合物である。
前記式(2)で表される化合物は、いわゆる界面活性剤であり、前記式(2)で表される化合物と前記式(2)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物は、いわゆる界面活性シランカップリング剤である。
前記(3)で表される化合物は、いわゆるアルコキシケイ素系化合物である。
本発明の加水分解組成物の好ましい実施の形態としては、成分(A)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と成分(B)の内の前記界面活性シランカップリング剤(以下、「成分(B1)」という場合がある。)、加水分解可能なチタン化合物及び加水分解可能なジルコニウム化合物のいずれか1種の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含む加水分解組成物、並びに成分(A)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と成分(B1)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と成分(B1)を除く成分(B)を含む加水分解組成物である。
より好ましくは、成分(A)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と成分(B1)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含む加水分解組成物、並びに成分(A)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と成分(B1)の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と加水分解可能なチタン化合物又は加水分解可能なジルコニウム化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含む加水分解組成物である。
前記式(1)及び(3)中、Xとしては、炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子が挙げられる。これらのうち、好ましいのはメトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基であり、特に好ましいのはメトキシ基及びエトキシ基である。
前記式(1)中、Rの炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基が挙げられる。これらのうち、原料の入手のし易さを考慮するとトリメチレン基が好ましい。
前記式前記式(1)及び(3)中、kは0又は1である。
前記式(1)中、Yは−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO−である。
前記式(1)中、Rとしてはエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良い炭素数1〜10のアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−である。これらのうち好ましいのはエチレン基、トリメチレン基及びエチレンオキシエチレン基及び−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−である。
前記式(1)及び(3)中、mは0又は1である。
前記式(1)中、R及びRの炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのはメチル基である。
前記式(1)中及びRが−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−である場合の、Zは(CHSO 及びOであり、好ましくはCHCHCHSO 及びOである。
前記式(2)中、Rの炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、パルミトレイル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オレイル基、CCHCH基、C13CHCH基、ポリジメチルシロキサン基等が挙げられる。これらのうち原料入手の点を考慮すると、好ましくは、メチル基、ドデシル基、ヘプタデシル基、CCHCH基、C13CHCH基及びポリジメチルシロキサン基である。
また、前記式(2)中、Xは−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、pは1〜30の自然数であり、原料入手の点から1〜15が好ましく、Yは水素原子あるいは−CHCOOHである。
前記式(3)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、好ましくはトリメチレン基である。
前記式(3)中、Xは、アルキル基(該アルキル基は、ヘテロ原子、不飽和結合を含んでもよく、また環状構造であってもよい)、ビニル基、チオール基、アミノ基、塩素原子、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、フェニル基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基及びブロック化イソシアネート基からなる群から選ばれる官能基である。これらのうち好ましいのは、ビニル基、アミノ基、塩素原子、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、フェニル基及びブロック化イソシアネート基である。
まず、前記式(1)で表される化合物について説明する。前記式(1)で表される化合物の式中のZが(CHSO の化合物は、いわゆるスルホベタイン系ケイ素化合物であり、式中のZがOの化合物は、いわゆるアミンオキサイド系ケイ素化合物である。
前記式(1)で表される化合物は、下記式(1’)で表されるジアルキルアミノ化合物を原料として得ることができる。
(X3−k(CHSi−R−(X−R−N(R)(R
(1’)
{前記式(1’)中の、X、k、R、m、R、R及びRは、前記式(1)中のX、k、R、m、R、R及びRと同じである。}
原料である式(1’)で表されるジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物は、市販の物をそのまま使用することができる。ジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物の市販品としては、例えば、N,N’−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン等を例示できる。
あるいは、市販のジメチルアミノ基含有アルコール(例えば:2−ジメチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノプロパノール、4−ジメチルアミノブタノール、2−ジメチルアミノエトキシエタノール及びN,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ビス(2−アミノエチルエーテル等)にイソシアーネート基を有するシランカップリング剤(例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)を反応させて−NHCOO−基を有する化合物や市販のジメチルアミノ基含有アミン(例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミンやN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等)にイソシアーネート基を有するシランカップリング剤(例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)を反応させて−NHCONH−基を有する化合物を得て使用することが出来る。
また、ジメチルアリルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドやN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド等にチオール基含有ケイ素化合物(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシや3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等)を反応させてチオエーテル基含有ケイ素化合物を得て使用することが出来る。
前記式(1’)で表される具体的な化合物として以下のジメチルアミノ基を末端に有するケイ素化合物物が挙げられる。
(CHO)SiCHCHCHN(CH
(CHO)Si(CH)CHCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHN(CH
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCHN(CH
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCHN(CH
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCOOCHCHN(CH
(CHO)SiCHCHCHSCHCH(CH)COOCHCHN(CH
(CHO)Si(CH)CHCHCHSCHCHCHN(CH
(CO)Si(CH)CHCHCHN(CH
前記式(1)で表される化合物のZが(CHSO の化合物は、前記式(1’)で表される化合物と炭素数3から10の環状スルホン酸エステルを水溶性の2級あるいは3級アルコール系溶媒、水溶性の1級アルコール性水酸基を有しないエーテル系溶媒、水溶性のエステル系溶媒、水溶性のケトン系溶媒及び非プロトン性溶媒中で反応させることで得ることができる。
すなわち、前記溶媒中に前記式(1’)で表される化合物と炭素数3から10の環状スルホン酸エステルを溶解させて混合することによって反応させることができる。
前記式(1’)で表される化合物に対する炭素数3から10の環状スルホン酸エステルの仕込みモル比は、式(1’)で表される化合物に対して、0.1〜1.5であり、好ましくは0.25〜1.0であり、特に好ましくは0.5〜1.0である。
反応温度は通常0℃〜200℃であり、用いる溶媒の沸点あるいはそれ以上が好ましく、沸点以上の温度にする為加圧下で反応を行っても良い。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
前記炭素数3から10の環状スルホン酸エステルの具体例としては、1,3−プロパンサルトン、1,3−ブタンサルトン、1,4−ブタンサルトン、2,4−ブタンサルトン、1,5−ペンタンサルトン、2,4−ペンタンサルトン、1,4−へキサンサルトン、4,6−ヘプタンサルトン等が挙げられる。
この中でも1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、2,4−ブタンサルトンが好ましく、より好ましくは1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトンであり、さらに好ましくは1,3−プロパンサルトンである。
上記反応において用いる水溶性溶媒としては、2級あるいは3級アルコール系溶媒(iso−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エーテル系溶媒(テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等)、エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、γ―ブチロラクトン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等)、が挙げられる。
これらのうち好ましいのは2級アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒であり、特に好ましくは2級アルコール系溶媒である。
式(1)で表されるジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物と炭素数3から10の環状スルホン酸エステル化合物を、上記溶媒中で反応させると、前記式(1)で表される化合物のZが(CHSO の化合物であるスルホベタイン系ケイ素化合物は溶媒中に溶解しているか沈殿として得られる。
次に、前記式(1)で表される化合物のZがOの化合物であるアミンオキサイド系ケイ素化合物は、前記式(1’)で表されるジアルキルアミノ化合物と酸化剤とを水又は水溶性の溶媒中で反応させることで得ることができる。
すなわち、前記水又は水溶性の溶媒中に前記式(1’)で表される化合物と酸化剤とを溶解させて混合することによって反応させることができる。
前記式(1’)で表される化合物に対する酸化剤の仕込みモル比は、前記式(1’)で表される化合物に対して、0.1〜3.0であり、好ましくは0.25〜5.0であり、特に好ましくは0.5〜2.0である。
反応温度は通常0℃〜200℃であり、用いる溶媒の沸点あるいはそれ以上が好ましく、沸点以上の温度にする為加圧下で反応を行っても良い。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
原料である酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、m−クロロ化安息香酸等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、過酸化水素である。
上記反応は、水又は水溶性の溶媒中で行うが、水溶性の溶媒としては、水溶性の非プロトン性溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が単独又は水若しくは前記水溶性の溶媒を混合して用いることができる。
前記水溶性の溶媒を具体的に例示すると、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等)、エーテル系溶媒(テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アルコール系溶媒(メチルアルコール、エチルアルコール、iso−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、γ―ブチロラクトン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等)、水及びこれら溶媒の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいのは水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒であり、特に好ましくは水、アルコール系溶媒及びこれらの混合物である。
前記式(1’)で表されるジアルキルアミノ基含有ケイ素化合物と酸化剤を水又は水溶性の溶媒中で反応させると、アミンオキサイド系ケイ素化合物は溶媒中に溶解した状態で得られる。
前記式(1)で表される具体的な化合物としては、以下の物が挙げられる。
(CHO)SiCHCHCH(CHCHCHCHSO
(CHO)Si(CH)CHCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCH(CHCHCHCHSO
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCH(CHCHCHCHSO
(CO)Si(CH)CHCHCH(CHCHCHCHSO
(CHO)SiCHCHCH(CH
(CHO)Si(CH)CHCHCH(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCH(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCH(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHCHCH(CH(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHOCHCH(CH
(CO)SiCHCHCHNHCOOCHCHN(CH)CHCHOCHCH(CH
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCH(CH
(CO)SiCHCHCHNHCONHCHCHCH(CH
(CHO)SiCHCHCHSCHCHCH(CH
(CO)Si(CH)CHCHCH(CH
次に、前記式(2)で表される化合物と前記式(2)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤(界面活性シランカップリング剤)から誘導される化合物について説明する。
前記式(2)で表される化合物は、界面活性剤であり、界面活性剤として市販されているものを使用することができる。
前記式(2)で表される化合物からなる界面活性剤で市販されているものは、通常エチレンオキサイドの付加数は一定でなく、その結果として単一なものでなく、エチレンオキサイドの付加数が異なった混合物として存在する。
前記式(2)で表される具体的な化合物としては以下の化合物が挙げられる。
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
HO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
CHO(CHCHO)
1225O(CHCHO)CHCOOH
1225O(CHCHO)CHCOOH
1225O(CHCHO)CHCOOH
1327O(CHCHO)CHCOOH
1225O(CHCHO)
1225O(CHCHO)
1225O(CHCHO)
1225O(CHCHO)10
1225O(CHCHO)11
1735COO(CHCHO)
1733COO(CHCHO)
1733COO(CHCHO)
1733COO(CHCHO)14
1735CONHCHCHOH
CHO(CHCHO)
CHCHO(CHCHO)
13CHO(CHCHO)
13CHCHO(CHCHO)
ただし、qは1〜30の整数を表す。
−{CHC(CH)(COOCHCH13)}−{CHC(CH)(COOCHCHO(CH2CH2O)H)}
−{CHCH(COOCHCH13)}−{CHCH(COOCHCHO(CH2CH2O)H)}
ただし、r、s及びtは1〜30の整数を表す。
(CHSiO−〔(CH)Si{(CH(CHCHO)H}〕−O−〔Si(CHO〕−Si(CH
ただし、u、v、w及びzは1〜30の整数を表す。
前記式(2)で表される化合物中の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤は、エポキシ基、イソシアネート基、酸無水物基またはアミノ基のいずれかの官能基を有するシランカップリング剤である。
そして、好ましい前記式(2)中の活性水素と反応可能なシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
前記式(2)で表される化合物と前記式(2)中の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤との反応で生成する前記界面活性シランカップリング剤は、特開2017−061439号公報記載の製造方法で得ることができる。
前記式(2)で表される化合物と前記式(2)中の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤との反応で生成する前記界面活性シランカップリング剤の具体的な化合物としては以下の化合物が挙げられる。
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(CH)(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(CH)(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCOOCHCH(OH)CHOCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CH−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HO−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
(CO)SiCHCHCHNHCOO(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1021−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
1225−O−(CHCHO)CHCONHCHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)CHCONHCHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)COCHCH(COOH)CHCHCHSi(OCH
CH−O−(CHCHO)COCH(CHCOOH)CHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)COCHCH(COOH)CHCHCHSi(OCH
1225−O−(CHCHO)COCH(CHCOOH)CHCHCHSi(OCH
1735−COO−(CHCHO)COCHCH(COOH)CHCHCHSi(OCH
1733−COO−(CHCHO)COCH(CHCOOH)CHCHCHSi(OCH
1735−CONH−CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
CHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
CHCHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
13CHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
13CHCHO(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC
ただし、qは1〜30の整数を表す。
−{CHC(CH)(COOCHCH13)}−{CHC(CH)(COOCHCHO(CH2CH2O)CONHNHCHCHCHSi(OC)}
−{CHCH(COOCHCH13)}−{CHCH(COOCHCHO(CH2CH2O)CONHNHCHCHCHSi(OC)}
ただし、r、s及びtは1〜30の整数を表す。
(CHSiO−〔(CH)Si{(CH(CHCHO)CONHNHCHCHCHSi(OC}〕−O−〔Si(CHO〕−Si(CH
ただし、u、v、w及びzは1〜30の整数を表す。
Figure 0006590875
((X)3−k(CHSi−(R (3))
次に、前記(3)で表される化合物は、いわゆるアルコキシケイ素系化合物である。前記式(3)で表されるケイ素系化合物の例としては、特開2015−218139号公報記載のケイ素化合物や以下のものが挙げられる。
CHSi(OCH
CHSi(OC
17Si(OCH
17Si(OC
1837Si(OCH
1837Si(O
CH=CHSi(OCH
CH=CHSi(OC
NCHCHCHSi(OCH
NCHCHCHSi(OC
ClCHCHCHSi(OCH
SHCHCHCHSi(OCH
SHCHCHCHSi(CH)(OCH
CH=CHCOOCHCHCHSi(OCH
CH=C(CH)COOCHCHCHSi(OCH
Si(OCH
Si(OC
(CHCOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
(CHCOCOCHCHSCHCHCH(CH)Si(OCH
p‐CHCHCHSCHCHCHSi(OCH
o‐CHCHCHSCHCHCHSi(OCH
p‐ClCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
o‐ClCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
CHCHSCHCHCHSi(OCH
Figure 0006590875
前記式(3)で表される化合物のうち、ブロックドイソシアネート化合物は、例えば特開2017−071725号公報記載の製造方法で得ることができる。
加水分解可能な−Si−C−結合を有さないケイ素化合物としては、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等およびそれらのオリゴマー、例えばコルコート株式会社製のコルコートシリーズ(メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40、エチルシリケート48、EMS485、SS101、HAS−5、HAS−1、HAS−10、コルコートP、コルコート103−X等)等が挙げられる。
加水分解可能なチタン化合物、加水分解可能なジルコニウム化合物及び加水分解可能なアルミニウム化合物としては、例えばマツモトファインケミカル株式会社製の以下の製品が挙げられる。
加水分解可能なチタン化合物としては、オルガチックスTA−8{チタンテトライソプロポキシド:Ti(O−i−C}、オルガチックスTA−21{チタンテトラノルマルブトキシド:Ti(O−n−C}、オルガチックスTA−23{チタンブトキシドダイマー:(n−CO)Ti−O−Ti(O−n−C}、オルガチックスTA−30{チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド:Ti(OC17}、オルガチックスWX−700、オルガチックスTC−100{チタンジイソプロポキシ(アセチルアセテネート):Ti(O−i−C(C}、オルガチックスTC−120{チタンジイソプロポキシ(アセチルアセテネート):Ti(O−i−C(C}、オルガチックスTC−230、245{チタンオクチレングリコレート}、オルガチックスTC−315{チタンラクテート:Ti(OH)〔OCH(CH)COOH〕}、オルガチックスTC−335{チタンラクテートアンモニウム塩:Ti(OH)〔OCH(CH)COO(NH }、オルガチックスTC−401{Ti(C}、オルガチックスTC−500{チタンジエタノールアミネート}、オルガチックスTC−510{チタンアミノエチルアミノエタレート:Ti(O−i−C)(OCNHCNH}、オルガチックスTC−710{チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート):Ti(O−i−C(C}、オルガチックスTC−800{チタンイソステアレート:Ti(O−i−C)(OCO−i−C1837}、オルガチックスTC−1040{リン酸チタン化合物}、オルガチックスTC−201{チタニウム−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド:Ti(O−n−C17(C17}、オルガチックスTC−750{チタンジイソプロポキシビス(ジアセチルアセテート):Ti(O−i−C(C}、オルガチックスTC−300{チタンラクテートアンモニウム塩:Ti(OH)〔OCH(CH)COO(NH4}、オルガチックスTC−310{チタンラクテート:Ti(OH)〔OCH(CH)COOH〕}、オルガチックスTC−400{チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート):Ti(O−i−C(C14N)}およびこれらのオリゴマー(オルガチックスPC−200、オルガチックスPC−250、オルガチックスPC−601、オルガチックスPC−620等)等が挙げられる。
加水分解可能なジルコニウム化合物としては、オルガチックスZC−150{ジルコニウムテトラアセチルアセトネート:Zr(C}、オルガチックスZA−35{ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド:Zr(O−n−C}、オルガチックスZA−65{ジルコニウムテトラノルマルブトキシド:Zr(O−n−C}、オルガチックスZC−162{ジルコニウムテトラアセチルアセトネート:Zr(C}、オルガチックスZC−540{ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート:Ti(O−n−C(C)}、オルガチックスZC−700{ジルコニウムテトラアセチルアセトネート:Zr(C}、オルガチックスZC−580{ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテオト):Ti(O−n−C(C}、オルガチックスZC−200{オクチル酸ジルコニウム}、オルガチックスZC−320{ステアリン酸ジルコニウム:Ti(O−n−C(OCO−n−C1735)}、オルガチックスZC−126{塩化ジルコニウム}、オルガチックスZC−300{ジルコニウムラクテートアンモニウム塩:Zr(OH)〔OCH(CH)COO(NH4}等が挙げられる。
加水分解可能なアルミニウム化合物としては、オルガチックスAL3001{アルミニウムトリセカンダリーブトキシド:Al(O−sec−C}、オルガチックスAL3100{アルミニウムトリス(アセチルアセトネート):Al(C}、オルガチックスAL3200{アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート:Al(C)(C}、オルガチックスAL3215{アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート):Al(C}等が挙げられる。
続いて、本発明の加水分解組成物の製造方法について説明する。
本発明の加水分解組成物は、通常、水あるいは水及び成分(A)と成分(B)が可溶な有機溶媒中で、成分(A)と成分(B)の化合物を水の存在下で加水分解及び/又は縮合させることにより製造することができる。
用いる有機溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤(テトラハイドロフラン、ジオキサン等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)及び非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)及び水等が挙げられる。
前記式(1)で表される化合物(成分(A))に対して、成分(B)の添加量はそれぞれ、成分(A)に対して1〜500重量%であり、好ましくは5〜200重量%であり、特に好ましくは10〜200重量%である。
また、本発明の加水分解組成物が成分(A)、界面活性シランカップリング剤(成分(B1))及び成分(B1)以外の成分(B)を含む場合、成分(A)に対して、成分(B1)は1〜100重量%、成分(B1)以外の成分(B)は1〜500重量%であり、好ましくは成分(A)に対して、成分(B1)は1〜50重量%、成分(B1)以外の成分(B)は1〜200重量%であり、特に好ましくは、成分(A)に対して、成分(B1)は10〜50重量%、成分(B1)以外の成分(B)は1〜100重量%である。
上記範囲であると、生成した膜の特性(例えば、滑り性や基板に対する密着性及び硬化特性等)がより発揮できる。
全固形分{成分(A)と成分(B)}を合わせた溶媒に対する濃度は、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは0.1%〜15重量%である。
加水分解する温度は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜用いる溶媒の沸点である。
また上記反応は、常圧下あるいは加圧下で行ってもよい。
反応時間は、通常1時間〜48時間、好ましくは4時間〜36時間、特に好ましくは8時間〜24時間である。
また、本発明の加水分解組成物は、前記式(1)の前駆体である前記式(1’)の化合物と成分Bの化合物が、それぞれ加水分解したままの混合物、あるいはこれらがランダムあるいはブロック状に縮合したもの、あるいは両者が存在した状態のものを、ベタイン化剤(例えば、1,3−プロパンスルト等)でベタイン化又は酸化剤(例えば、過酸化水素等)で酸化することによっても得ることが出来る。
本発明の前記〔1〕に記載の加水分解組成物は、それを含有させることにより防曇剤を得ることが出来る。
好ましい、本発明の防曇剤は、加水分解組成物の好ましい実施の形態としては、少なくとも前記式(1)で表される化合物と前記界面活性シランカップリング剤の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含む組成物及びである。
また、少なくとも前記式(1)で表される化合物と前記界面活性シランカップリング剤と加水分解可能なチタン化合物及び/又は加水分解可能なジルコニウム化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含む組成物である。
本発明の防曇剤は、作業性(取扱性及びコーティング性等)を向上させる為に希釈溶剤により希釈することにより、防曇性コーティング組成物を得ることが出来る。
希釈溶媒としては、成分(A)及び成分(B)の化合物の加水分解物と反応せず、これらを溶解及び/又は分散させるものであれば制限がなく、例えば、エーテル系溶剤(テトラハイドロフラン、ジオキサン等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)及び非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)及び水等が挙げられる。
希釈溶媒を含有する場合、希釈溶媒の含有量は、例えば、全溶媒に対する、前記〔1〕加水分解組成物の重量%が、0.001〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜7.5重量%となる量である。
本発明の防曇性コーティング組成物は、ガラス、プラスチック(ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ABS、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ、不飽和ポリエステル、メラミン、ジアリルフタレート、ポリイミド、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、ニトリルラバー、EPM、EPDM、エピクロルヒドリンラバー、ネオプレンラバー、ポルサルファイド及びブチルラバー等)、金属(鉄、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、黄銅及びこれらの合金等)、セルロース、セルロース誘導体、セルロース類似体(キチン、キトサン及びポルフィラン等)あるいは天然繊維(シルク及びコットン等)等の基板、シート、フィルム及び繊維の表面親水化等に適用出来る。
また必要に応じて基板等との接着性を向上させるためプライマーあるいはコロナ放電処理等の表面活性化処理(基材表面の表面エネルギーを高くする手法)を用いても良い。
本発明の防曇性コーティング組成物からなるコーティング液の塗布方法としては、ディプコーティング、スピンコーティング、フローコーティング及びスプレーコーティング等が挙げられる。
防曇性コーティング組成物は、コーティング後、熱処理することによりコーティング層を硬化させて構造体を得ることができる。その場合、硬化を促進するために、酸(塩酸等)や塩基(水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の硬化触媒を添加することができる。
熱処理温度は、通常室温〜250℃、好ましくは室温〜200℃、特に好ましくは室温〜150℃である。
熱処理をする時間は、通常0.05〜48時間、好ましくは0.1〜48時間、特に好ましくは0.5〜36時間である。
コーティング組成物が、前記式(3)で表される化合物が重合性を有している場合、基板への接着を行う為、熱で又は光でラジカルを発生する開始剤も使用可能である。
熱による開始剤としては、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(メチルブチロニトリル、及び2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド等のアゾ系開始剤、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート及びジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。
光による開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)とベンゾフェノンとの共融混合物(イルガキュア500)等の光ラジカル開始剤、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルフォネート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレ−ト、トリ−p−トリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェ−ト及びトリ−p−トリルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネ−ト等の光カチオン開始剤が挙げられる。
これらの開始剤は、コーティング液に添加後コーティングしてもよく又成膜後、開始剤を溶解させた溶液をスプレー或いは触媒雰囲気下に晒しても良い。
光開始剤を使用する場合、照射する光の強さは通常100〜3000mJであり、好ま
しくは500〜2000mJであり、特に好ましくは750〜2000mJである。
熱開始剤を使用する場合、熱処理温度は通常60〜250℃、好ましくは80〜225
℃、特に好ましくは100〜200℃である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例は、本発明を説明するものであり、制限を加えるものではない。以下特記しない限り、部は重量部を意味する。
〔実施例1〕
(1)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0mmol)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)2.9g(23.7mmol)を脱水イソプロピルアルコール30mlに溶解させて、一晩加熱還流することにより目的物であるベタイン化合物(1−1)が溶解した無色透明溶液を得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1が滅して新たに生成物の特徴である1641cm−1の吸収を確認した。得られたイソプロピルアルコール溶液の中に、水45mlを加えて一晩加熱還流した。冷却後水を加えることにより、ベタイン化合物(1−1)が加水分解及び/又は縮合した溶液75.0gを得た。
(2)三洋化成工業株式会社製界面活性剤(エマルミンL90−S、ラウリルアルコールにエチレンオキサイドが約9分子付加し、水酸基価:98.3)10.0gに3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製)4.33g(17.5ミリモル)を加え、90℃で48時間反応させることのより、エマルミンL90−Sと3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートがカーバメート結合を介して結合した界面活性シランカップリング剤14.3gを得た。
H−NMR測定から、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基のα位のメチレン基のケミカルシフトが、3.29ppmから3.16ppmにシフトしたことから、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの水酸基と3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基が反応したと判断した。
(3)(1)で得た溶液15.0g(ベタイン化合物として5.0mmol)と(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4g、水34.6gを加えて一晩加熱還流することにより本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔実施例2〕
(1)アルゴン雰囲気下、ジメチルアミノエタノール(ナカライテスク株式会社製)7.2g(80.8mmol)に3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製)20.0g(80.8mmol)を加え、90℃で24時間反応させることにより、ジメチルアミノエチル基がカーバメート結合を介して3−(トリエトキシシリル)プロピル基と結合した化合物26.4gを得た。
H−NMR測定から原料である3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基が結合した炭素のプロトン(3.30ppm)の吸収が消失して、新たに目的物のカーバメート基が結合した炭素のプロトン(3.17ppm)の吸収を確認した。
(2)(1)で得た化合物8.41g(25.0mmol)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)2.90g(23.7mmol)を脱水イソプロピルアルコール25mlに溶解させて、一晩加熱還流することにより目的物であるスルホベタイン化合物(1−3)が溶解した無色透明溶液を得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1の吸収が消滅して新たに生成物の特徴である1716cm−1の吸収を確認した。得られたイソプロピルアルコール溶液の中に、水45mlを加えて一晩加熱還流した。冷却後水を加えることにより、ベタイン化合物(1−3)が加水分解及び/又は縮合した溶液75.0gを得た。
(3)(1)で得た溶液15.0g(ベタイン化合物として5.0mmol)と実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4g、水34.5gを加えて一晩加熱還流することにより本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔実施例3〕
(1)アルゴン雰囲気下、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(ナカライテスク株式会社製)5.1g(50.0ミリモル)に3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製)12.35g(50.0ミリモル)を加え、室温で48時間反応させることにより、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミノ基がウレア結合を介して3−(トリエトキシシリル)プロピル基と結合した化合物を16.7g得た。
H−NMR測定から原料である3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基が結合した炭素のプロトン(3.30ppm)の吸収が消失して、新たに目的物のウレア基が結合した炭素のプロトン(3.14ppm)の吸収を確認した。
(2)(1)で得た化合物1.75g(5.0ミリモル)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)0.61g(5.0ミリモル)を脱水イソプロピルアルコール20mlに溶解させて、一晩加熱還流することにより目的物であるスルホベタイン化合物(1−9)が溶解した無色透明溶液を得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1の吸収が消滅して新たに生成物の特徴である1653cm−1の吸収を確認した。
(3)(2)で得た溶液全量に実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4g、水34.5gを加えて一晩加熱還流することにより本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔実施例4〕
(1)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)1.04g(5.0mmol)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)0.58g(4.75mmol)を脱水イソプロピルアルコール10mlに溶解させて、一晩加熱還流することにより目的物であるベタイン化合物(1−1)が溶解した無色透明溶液を得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1が滅して新たに生成物の特徴である1641cm−1の吸収を確認した。
(2)三洋化成工業株式会社製界面活性剤(ビューライトLCA−H、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、酸価:107)7.57gと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.4gをアルゴン雰囲気下、90℃で24時間反応させることにより、ビューライトLCA−Hと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがエステル結合を介して結合した界面活性シランカップリング剤10.3gを得た。H−NMR測定から原料である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエポキシ環上のプロトン(2.62、2.80、3.16ppm)の吸収が消失を確認した。
(3)(1)で得た反応溶液全量の中に、(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4gとマツモトファインケミカル株式会社製有機チタン化合物TC−400、1.0gをイソプロピルアルコール10mlに溶解させて添加した。さらに水20mlを加えて24時間加熱還流した。得られた溶液に水を加えて均一溶液にすることにより、本発明の防曇剤が溶解した水溶液75.0gを得た。
〔実施例5〕
(1)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.60g(27.0ミリモル)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)3.13g(25.6ミリモル)を脱水イソプロピルアルコール35mlに溶解させて、一晩加熱還流することにより目的物であるベタイン化合物(1−1)が溶解した無色透明溶液30.2gを得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1が消滅して新たに生成物の特徴である1641cm−1の吸収を確認した。
(2)実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4g及びマツモトファインケミカル株式会社製有機チタン化合物TC−400、1.0gをエタノール10mlに溶解させ、水2mlを加えて24時間加熱還流した。次いで(1)で得たベタイン化合物(1−1)が溶解したエタノール溶液5.6g(ベタイン化合物として5.0mmol)、水20mlを加えて24時間加熱還流した。得られた溶液に水を加えることにより、本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔実施例6〕
(1)アルゴン雰囲気下、3−(ジメチルアミノ)−1−プロパノール(東京化成工業株式会社製)3.4g(40.4mmol)に3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製)8.3g(40.4mmol)を加え、90℃で48時間反応させることにより、ジメチルアミノプロピル基がカーバメート結合を介して3−(トリエトキシシリル)プロピル基と結合した化合物(1−4)を10.1g得た。
H−NMR測定から原料である3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基が結合した炭素のプロトン(3.30ppm)の吸収が消失して、新たに目的物のカーバメート基が結合した炭素のプロトン(3.17ppm)の吸収を確認した。
(2)(1)で得た化合物9.11g(26.0mmol)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)3.01g(24.6mmol)を脱水イソプロピルアルコール30mlに溶解させて、一晩加熱還流することによりベタイン化合物(1−4)が溶解した無色透明溶液33.7gを得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1の吸収が消滅して新たに生成物の特徴である1708cm−1の吸収を確認した。
(3)実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4g及びマツモトファインケミカル株式会社製有機チタン化合物TC−400、1.0gをエチルアルコール15mlに溶解させ、水2mlを加えて24時間加熱還流した。得られた溶液の中に(2)で得られたイソプロピルアルコール溶液6.48g(ベタイン化合物として5.0mmol)、水5mlずつを計6回加え24時間加熱還流した。得られた溶液に水を加えることにより、本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔実施例7〕
(1)アルゴン雰囲気下、ジメチルアミノエタノール(ナカライテスク株式会社製)7.2g(80.8mmol)に3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製)20.0g(80.8mmol)を加え、90℃で24時間反応させることにより、ジメチルアミノエチル基がカーバメート結合を介して3−(トリエトキシシリル)プロピル基と結合した化合物26.4gを得た。
H−NMR測定から原料である3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基が結合した炭素のプロトン(3.30ppm)の吸収が消失して、新たに目的物のカーバメート基が結合した炭素のプロトン(3.17ppm)の吸収を確認した。
(2)(1)で得た化合物7.77g(23.0mmol)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)2.67g(21.9mmol)を脱水イソプロピルアルコール27mlに溶解させて、一晩加熱還流することにより目的物であるスルホベタイン化合物(1−3)が溶解した無色透明溶液を得た。赤外吸収スペクトル分析により、原料の1,3−プロパンスルトン化合物の特徴である1344cm−1の吸収が消滅して新たに生成物の特徴である1716cm−1の吸収を確認した。
(3)実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4gとマツモトファインケミカル株式会社製有機チタン化合物TC−400、1.0gをエチルアルコール15mlに溶解させ、水2mlを加えて24時間加熱還流した。得られた溶液の中に(2)で得られたイソプロピルアルコール溶液6.54g(ベタイン化合物として5.0mmol)、水5mlずつを計6回加え24時間加熱還流した。得られた溶液に水を加えることにより、本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔実施例8〕
実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4gとN,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)1.04g(5.0mmol)をエチルアルコール10ml及び水2mlに溶解させ、35%過酸化水素水1.1gを加えて24時間加熱還流した。冷却後、マツモトファインケミカル株式会社製有機チタン化合物TC−400、1.0gをエチルアルコール2mlに溶かしたものを加えて、更に24時間加熱還流した。冷却後エチルアルコールを加えて50gにすることにより、本発明の防曇剤が溶解したエチルアルコール溶液50.0gを得た。
〔実施例9〕
実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4gとN,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)1.04g(5.0mmol)をエチルアルコール10ml及び水2mlに溶解させ、35%過酸化水素水1.1gを加えて24時間加熱還流した。冷却後、マツモトファインケミカル株式会社製有機ジルコニウム化合物ZC−580、0.64gをエチルアルコール2mlに溶かしたものを加えて、更に24時間加熱還流した。冷却後エチルアルコールを加えて50gにすることにより、本発明の防曇剤が溶解したエチルアルコール溶液50.0gを得た。
〔実施例10〕
実施例1の(2)で得た界面活性シランカップリング剤0.4g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)とN,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)1.04g(5.0mmol)をエチルアルコール10ml及び水2mlに溶解させ、35%過酸化水素水1.1gを加えて24時間加熱還流することにより、本発明の防曇剤が溶解したエチルアルコール溶液50.0gを得た。
〔実施例11〕
実施例7の(2)で得たイソプロピルアルコール溶液6.54g(ベタイン化合物として5.0mmol)とマツモトファインケミカル株式会社製有機チタン化合物TC−400、1.0gをエチルアルコール15mlに溶解させ、水2mlを加えて24時間加熱還流した。得られた溶液に水を加えることにより、本発明の防曇剤が溶解した水溶液50.0gを得た。
〔防曇性コーティング液の調整〕
〔防曇性コーティング液1〕
実施例1〜11で得た溶液5.0gを水45.0gで希釈することにより防曇性コーティング液をそれぞれ50.0g得た。
〔親水性評価結果〕
スライドガラス{76mm、26mm、1.2mm;水酸化ナトリウムの2−プロパノール飽和溶液に24時間浸漬した後、水洗し、乾燥(60℃、2時間)したもの}を防曇性コーティング組成液に浸漬し、スライドガラスを取り出した後、液切りをし、130℃、1間加熱処理した表面改質スライドガラスを得た。
接触角測定装置{協和界面化学株式会社、DROP MASTER 500、液適量2μL、測定間隔1000ms、測定回数30回}で、表面改質スライドガラスの表面の任意の5箇所について、接触角(度)を測定し、平均値を算出した。結果を表1に示した。
〔防曇性評価結果〕
上記表面改質スライドガラスを70℃の温水浴上部に基板を置いて防曇性能(水蒸気による曇りの有無)を評価した。結果を表1に示した。
(○:曇りなし、×:曇りあり)
〔すべり性評価結果〕
上記表面改質スライドガラスの表面をキムワイプで擦り、表面の滑り性を評価した。結果を表1に示した。
(○:引っ掛かりなし、×:引っ掛かりあり)
Figure 0006590875
表1から明らかなように本発明の加水分解組成物を含有する防曇剤は、防曇性に優れており防曇性コーティング液として有用である。さらには、少なくとも成分(A)及び成分(B1)を含む防曇剤は、滑り性に優れているため、耐久性が高く、防曇性コーティング液として有用である。
本発明の加水分解組成物を含有する防曇剤は、防曇効果が大きく、均一にコーティング出来るため、例えば、ガラスプレート、医療用材料、生体適合性材料、化粧品材料、光学材料、樹脂フィルム、樹脂シートなどの基材表面をコーティングして防曇性を付与するのに有用である。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される化合物(成分(A))の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と
    (X)3−k(CHSi−R−(Y−R−N(R)(R)−Z
    (1)
    {式中Xは同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Yは−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO−を表し、mは0又は1を表し、Rは炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CHCH(CH)(Z)CHCHOCHCH−を表し、R及びRは同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Zは(CHSO 及びOを表し、nは1〜5の整数を表す。}
    下記式(2)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物(成分(B1))の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を含むことを特徴とする加水分解組成物。
    −X−(CHCHO)−Y (2)
    {式中Rは炭素数1〜20のアルキル基、Xは−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Yは水素原子、−CHCOOHを表す。}
  2. 請求項1記載の加水分解組成物を含有することを特徴とする防曇剤。
  3. 請求項2に記載の防曇剤を含有することを特徴とする防曇性コーティング組成物。
  4. 請求項3に記載の防曇性コーティング組成物を硬化させた構造体。

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