JP6638604B2 - 有機ケイ素化合物変性共重合体およびそれを用いた表面処理剤組成物 - Google Patents
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Description
これら各特許文献に開示された撥水剤組成物から作製された撥水膜は、撥水性には優れるものの、膜表面における水滴の滑水性が不十分である。
しかし、特許文献7の組成物から作製された撥水膜は、耐久性が不十分であり、耐水性や耐摩耗性を十分に発現させることができず、また長期にわたり撥水性を維持することが困難であった。
1. 式(1)および式(2)で表される構成単位を含有することを特徴とする有機ケイ素化合物変性共重合体、
2. さらに、式(3)で表される構成単位を含有する1の有機ケイ素化合物変性共重合体、
3. 数平均分子量が1,000以上である1または2の有機ケイ素化合物変性共重合体、
4. 式(1)および式(4)
で表される構成単位を含有するポリブタジエン化合物と、式(5)
で表されるシリコーン化合物とを、または前記式(1)および式(4)で表される構成単位を含有するポリブタジエン化合物と、前記式(5)で表されるシリコーン化合物および式(6)
で表される有機ケイ素化合物とを、白金化合物含有触媒および必要に応じて用いられる助触媒の存在下でヒドロシリル化する1〜3のいずれかの有機ケイ素化合物変性共重合体の製造方法。
5. 1〜3のいずれかの有機ケイ素化合物変性共重合体を含有する表面処理剤組成物、
6. 基材と、この基材上に設けられた、5の表面処理剤組成物を用いてなる撥水膜とを有する撥水膜付き基材
を提供する。
本発明に係る有機ケイ素化合物変性共重合体は、式(1)および(2)で表される構成単位を含有する。
本発明の有機ケイ素化合物変性共重合体において、式(1)で表される構成単位はポリブタジエン単位であり、式(2)で表される構成単位はポリシロキサン骨格を有する単位である。ただし、各構成単位の順序は任意である。
炭素原子数1〜10のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられる。
炭素原子数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
また、R2としては、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
中でも、R2としては、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、R3としては、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
また、mは、1〜3の整数を表すが、2または3の整数が好ましい。
なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。
特に、得られる塗膜の撥水性をより高めることを考慮すると、上記有機ケイ素化合物変性共重合体を構成する全ユニットのうち、式(2)で表されるポリシロキサン骨格を有する構成単位は、2mol%以上が好ましく、4mol%以上がより好ましく、さらに、塗膜の耐久性をより高めることを考慮すると、式(3)で表される加水分解性シリル基を有する構成単位数は、2mol%以上が好ましく、4mol%以上がより好ましい。
なお、後者の手法の場合、式(5)で表されるシリコーン化合物および式(6)で表される有機ケイ素化合物は同時にポリブタジエン化合物と反応させても、段階的にポリブタジエン化合物と反応させてもよく、段階的に反応させる場合は、どちらを先に反応させてもよい。
ヒドロシリル化の際の選択性の面から、0価の白金錯体が好ましく、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエンまたはキシレン溶液がより好ましい。
白金化合物含有触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応性や、生産性等の点から、式(1)および式(4)で表される構成単位を含有するポリブタジエン化合物、式(5)で表されるシリコーン化合物、並びに式(6)で表される有機ケイ素化合物の総質量に対し、0.1〜100ppm(白金量として)が好ましい。
無機酸のアンモニウム塩の具体例としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ジ亜リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウフッ化アンモニウム等が挙げられるが、中でも、pKaが2以上の無機酸のアンモニウム塩が好ましく、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムがより好ましい。
使用可能な溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒などが挙げられ、これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
適度な反応速度を得るためには加熱下で反応させることが好ましく、このような観点から、反応温度は40〜110℃がより好ましく、40〜90℃がより一層好ましい。
また、反応時間も特に限定されるものではなく、通常、1〜60時間程度であるが、1〜30時間が好ましく、1〜20時間がより好ましい。
使用可能な有機溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコールなどが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を組合せてもよい。
硬化触媒の具体例としては、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラ―2−エチルヘキソキシド、チタンテトラアセチルアセトナート等のチタン触媒;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート等の錫触媒;アルミニウムセカンダリーブトキシド、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート等のアルミニウム触媒、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等のジルコニウム触媒などが挙げられる。
触媒の濃度は、有機ケイ素化合物変性共重合体に対し、0.1〜15.0質量%が好ましく、1.0〜10.0質量%がより好ましい。
このような加水分解触媒の具体例としては、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸などが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上組合せて用いてもよい。
加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物は特に限定されるものではなく、その具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
その他の有機ケイ素化合物の添加量は、得られる硬化皮膜の撥水性および滑水性に影響を及ぼさない量であれば特に制限はないが、本発明の有機ケイ素化合物変性共重合体に対し、20質量%以下が好ましい。
添加剤としては、金属酸化物、樹脂、染料、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられ、具体的には、シリカゲル、チタニアゾル、アルミナゾル等が挙げられる。
添加剤の添加量は、得られる硬化皮膜の撥水性および滑水性に影響を及ぼさない量であれば特に制限はないが、本発明の有機ケイ素化合物変性共重合体に対し、30質量%以下が好ましい。
基材としては、ガラス、金属、セラミック、樹脂等を好適に用いることができる。
金属としては、鉄、ステンレス等が挙げられ、セラミックとしては、チタニア、アルミナ、ジルコニア等が挙げられ、樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
塗布後の乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥のいずれでも良いが、5〜150℃の範囲で行うことが好ましい。5℃未満では基材への本発明の有機ケイ素化合物変性共重合体の反応速度が小さくなり、反応に時間を要し、十分な耐久性が得られないことがある。150℃を超えると塗布した表面処理剤組成物の変成や熱分解が起こり易く、十分な撥水性、滑水性が得られないことがある。
特に、表面処理剤組成物を基材上に塗布した後、塗膜表面を水で拭き上げ処理することが好ましく、硬化皮膜を形成する温度は、室温近傍(5〜35℃)が好ましい。
また、上記撥水膜は、2μl水滴で95°以上の水接触角、30°以下の転落角を有することが好ましく、ヘイズ値が好ましくは5以下、より好ましくは1以下の透明性を有することが好ましい。
なお、下記において、「部」は質量部を意味する。分子量は、GPC測定により求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。粘度は、回転粘度計を用いて測定した25℃における値である。
[実施例1−1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量2,500、上記式(1)、(4)の構成単位で構成され、(1)/(4)=72/28(モル比、以下同様))193g、下記式(13)で表されるシリコーン化合物235g、トルエン300g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として5ppm)を納め、100℃で8時間撹拌した。1H−NMR測定によりSi−H基が消失していることを確認した。数平均分子量は5,500であり、この数平均分子量から、得られたシリコーン化合物は下記式(1)、(4)、(14)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(14)=72/19.6/8.4であることが示唆された。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量2,500、上記式(1)、(4)の構成単位で構成され、(1)/(4)=72/28)193g、上記式(13)で表されるシリコーン化合物392g、トルエン300g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として5ppm)を納め、100℃で8時間撹拌した。1H−NMR測定によりSi−H基が消失していることを確認した。数平均分子量は6,800であり、数平均分子量の結果より、得られたシリコーン化合物は、上記式(1)、(4)、(14)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(14)=72/14/14であることが示唆された。
続いて、上記反応後のフラスコに、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.5×10-4mol)、酢酸0.3gを納め、トリメトキシシラン61gを内温75〜85℃で1時間かけて滴下した。その後、80℃で3時間熟成を行った。熟成終了後、減圧濃縮および濾過し、粘度600mPa・s、数平均分子量8,400の淡黄色透明液体を得た。数平均分子量の結果より、得られた有機ケイ素化合物変性共重合体は、上記式(1)、(14)、(15)で表される構成単位で構成され、(1)/(14)/(15)=72/14/14であることが示唆された。得られた有機ケイ素化合物変性共重合体を有機ケイ素化合物変性共重合体Bとする。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量2,500、上記式(1)、(4)の構成単位で構成され、(1)/(4)=72/28)193g、上記式(13)で表されるシリコーン化合物392g、トルエン300g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として5ppm)を納め、100℃で8時間撹拌した。1H−NMR測定によりSi−H基が消失していることを確認した。数平均分子量は6,800であり、数平均分子量の結果より、得られたシリコーン化合物は、上記式(1)、(4)、(14)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(14)=72/14/14であることが示唆された。
続いて、上記反応後のフラスコに、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.25×10-4mol)、酢酸0.2gを納め、トリメトキシシラン30gを内温75〜85℃で1時間かけて滴下した。その後、80℃で3時間熟成を行った。熟成終了後、減圧濃縮および濾過し、粘度600mPa・s、数平均分子量8,000の淡黄色透明液体を得た。数平均分子量の結果より、得られた有機ケイ素化合物変性共重合体は、上記式(1)、(4)、(14)、(15)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(14)/(15)=72/7/14/7であることが示唆された。得られた有機ケイ素化合物変性共重合体を有機ケイ素化合物変性共重合体Cとする。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量2,500、上記式(1)、(4)の構成単位で構成され、(1)/(4)=72/28)193g、下記式(16)で表されるシリコーン化合物680g、トルエン300g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として5ppm)を納め、100℃で8時間撹拌した。1H−NMR測定によりSi−H基が消失していることを確認した。数平均分子量は11,300であり、数平均分子量の結果より、得られたシリコーン化合物は、下記式(1)、(4)、(17)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(17)=72/19.6/8.4であることが示唆された。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量2,500、上記式(1)、(4)の構成単位で構成され、(1)/(4)=72/28)193g、下記式(18)で表されるシリコーン化合物1,345g、トルエン500g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として5ppm)を納め、100℃で8時間撹拌した。1H−NMR測定によりSi−H基が消失していることを確認した。数平均分子量は19,900であり、数平均分子量の結果より、得られたシリコーン化合物は、下記式(1)、(4)、(19)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(19)=72/19.6/8.4であることが示唆された。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量2,500、上記式(1)、(4)の構成単位で構成され、(1)/(4)=72/28)193g、上記式(18)で表されるシリコーン化合物1,345g、トルエン500g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として5ppm)を納め、100℃で8時間撹拌した。1H−NMR測定によりSi−H基が消失していることを確認した。その後、減圧濃縮および濾過し、粘度600mPa・s、数平均分子量は19,900である透明液体を得た。数平均分子量の結果より、得られた有機ケイ素化合物変性共重合体は、上記式(1)、(4)、(19)で表される構成単位で構成され、(1)/(4)/(19)=72/19.6/8.4であることが示唆された。得られた有機ケイ素化合物変性共重合体を有機ケイ素化合物変性共重合体Fとする。
[実施例2−1]
酢酸エチル19.0gに、実施例1−1で得られた有機ケイ素化合物変性共重合体A1.0gおよびテトラブトキシチタン0.02gを加えて混合し、表面処理剤組成物Aを得た。
有機ケイ素化合物変性共重合体Aを、実施例1−2〜1−6で得られた有機ケイ素化合物変性共重合体B〜Fへそれぞれ変更した以外は、実施例2−1と同様にして表面処理剤組成物を得た。
有機ケイ素化合物変性共重合体Aを、下記式(20)で表される有機ケイ素化合物へ変更した以外は、実施例2−1と同様にして表面処理剤組成物を得た。
有機ケイ素化合物変性共重合体Aを、下記式(21)で表される有機ケイ素化合物へ変更した以外は、実施例2−1と同様にして表面処理剤組成物を得た。
[実施例3−1〜3−5および比較例3−1,3−2]
上記実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−2で調製した各表面処理剤組成物をメッシュに含浸させ、ガラス基材へ拭き付け塗工を行った。1分間自然乾燥した後、ティッシュペーパーを用いてガラス基材の塗工面の拭き上げ処理を行った。25℃で1時間、自然乾燥を行い、撥水膜付きガラス基材を得た。
なお、水接触角および水滴滑落角度(転落角)は、滑落ユニットを備えた接触角計(協和界面科学(株)製DROP MASTER DM−701)により測定した。
(1)撥水性
撥水膜付きガラス基材の被処理面上に2μlの水を滴下し、水接触角を測定した。
(2)滑水性
撥水膜付きガラス基材の被処理面上に体積2μlの水滴を滴下し、転落角を測定した。
(3)耐水性試験
撥水膜付きガラス基材を1質量%界面活性剤(ライポンF、ライオンハイジーン(株)製)水溶液中に浸漬し、超音波(100W、42kHz)を30分間照射した。試験前後の撥水膜付きガラス基材に関し、撥水性、滑水性を評価した。
(4)耐摩耗性試験
撥水膜付きガラス基材の被処理面上に対し、2cm×2cmネル布、1.2kg荷重、1200回往復の条件で摩耗試験を実施した。試験前後の撥水膜付きガラス基材に関し、撥水性、滑水性を評価した。
上記実施例2−1〜2−6および比較例2−1〜2−2で調製した各表面処理剤組成物をメッシュに含浸させ、ブタジエンゴム基材へ拭き付け塗工を行った。1分間自然乾燥した後、ティッシュペーパーを用いてブタジエンゴム基材の塗工面の拭き上げ処理を行った。25℃で1時間、自然乾燥を行い、撥水膜付きブタジエンゴム基材を得た。
なお、水接触角および水滴滑落角度(転落角)は、滑落ユニットを備えた接触角計(協和界面科学(株)製DROP MASTER DM−701)により測定した。
(1)撥水性
撥水膜付きブタジエンゴム基材の被処理面上に2μlの水を滴下し、水接触角を測定した。
(2)滑水性
撥水膜付きブタジエンゴム基材の被処理面上に体積2μlの水滴を滴下し、転落角を測定した。
(3)耐水性試験
撥水膜付きブタジエンゴム基材を1質量%界面活性剤(ライポンF、ライオンハイジーン(株)製)水溶液中に浸漬し、超音波(100W、42kHz)を30分間照射した。試験前後の撥水膜付きブタジエンゴム基材に関し、撥水性、滑水性を評価した。
Claims (5)
- 式(1)、式(2)および式(3)で表される構成単位を含有することを特徴とする有機ケイ素化合物変性共重合体。
- 数平均分子量が1,000以上である請求項1記載の有機ケイ素化合物変性共重合体。
- 請求項1または2記載の有機ケイ素化合物変性共重合体を含有する表面処理剤組成物。
- 基材と、この基材上に設けられた、請求項4記載の表面処理剤組成物を用いてなる撥水膜とを有する撥水膜付き基材。
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