JPH04311782A - コーティング剤 - Google Patents

コーティング剤

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JPH04311782A
JPH04311782A JP10397291A JP10397291A JPH04311782A JP H04311782 A JPH04311782 A JP H04311782A JP 10397291 A JP10397291 A JP 10397291A JP 10397291 A JP10397291 A JP 10397291A JP H04311782 A JPH04311782 A JP H04311782A
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organopolysiloxane
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコーン系コーティン
グ剤に関し、更に詳述すると保存安定性に優れ、作業性
が良好であると共に、強度が高く、耐摩耗性、耐溶剤性
、耐湿性、耐沸水性に優れた硬化被膜を与えるコーティ
ング剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
一般コーティング用有機ケイ素化合物から得られる被膜
は、耐熱性、耐候性、電気特性等には極めて優れている
が、被膜硬度、耐摩耗性及び耐溶剤性が他の有機樹脂に
比較して劣っている。
【0003】例えば被膜硬度についてみると、一般のシ
リコーン被膜では鉛筆硬度で2H程度が限界であり、し
かもこのような硬度を得ようとする場合には200℃以
上の高温における焼付けや硬化用触媒を使用することが
必要とされ、さらには硬度の低いことが主因となって摩
擦に対する抵抗力(すなわち耐摩耗性)に劣るという欠
点を有する。
【0004】また、一般に使用される芳香族炭化水素系
溶剤や脂肪族炭化水素系溶剤に対する抵抗力(すなわち
耐溶剤性)も弱く、例えばシリコーン被膜を有機溶剤中
に長時間浸漬したり、有機溶剤を含んだ布等で繰り返し
擦ると、被膜が膨潤、溶解あるいは摩耗により侵され、
表面保護の役割を果さなくなるという不利もある。
【0005】このような欠点を除去する目的で、シリコ
ーンを他の有機樹脂(例えばアクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂など)で変性することが行なわれ
、このような変性シリコーンは塗料分野を中心に広く使
用されている。
【0006】しかしながら、、これら一般の変性シリコ
ーンはそれぞれの特長を出すために変性率を高くしてい
るが、このように変性率を高くすることはシリコーンが
本来有する耐熱性、耐候性あるいは電気特性等の諸特性
を損なうようになり、好ましくはない。
【0007】また、耐熱性や耐摩耗性の優れたコーティ
ング剤としては、テトラカルボン酸二無水物とアミノオ
ルガノポリシロキサンとを原料とするシロキサン含有ポ
リアミド酸樹脂やシロキサン含有ポリイミド樹脂(例え
ば、特公昭43−27439号公報、同47−9268
号公報など参照)、あるいはオリゴイミドとヒドロキシ
オルガノポリシロキサンとからなる重合体(特開昭54
−138100号公報参照)などがある。
【0008】しかし、これらは被膜を形成する際に、段
階的な加熱及び最終的な硬化に200〜250℃の高温
を必要とし、さらに無色透明な被膜を得ることができな
いという問題を有する。
【0009】他方、近年、コロイド状シリカとシラント
リオールの部分縮合物を主成分としてなるシリコーン系
高硬度化コーティング剤が開発され(例えば特公昭52
−39691号、特開昭55−94971号公報など参
照)、これらは主としてアクリル樹脂やカーボネート樹
脂からなる成形品の被覆に応用されている。このコーテ
ィング剤は比較的低温(80〜120℃程度)で硬度、
耐摩耗性あるいは透明性にすぐれた被膜を形成するとい
う利点を有するのであるが、該コーティング剤はその中
に非常に活性なシラントリオールを含有するため、その
保存に際しては2〜3液に分別することが必要であり、
しかも調製後においてはpHの管理が余儀なくされ、ま
た可使時間が短く、さらには厚塗り(例えば20μm以
上)や重ね塗りが困難になるなどの短所がある。
【0010】このようなシリコーン系コーティング剤の
保存安定性、被膜硬度、耐摩耗性、耐溶剤性等に劣る問
題を解決する目的で下記一般式(2)で示されるオルガ
ノポリシロキサンを主剤とするコーティング剤が提案さ
れている(特公昭63−1995号公報)。
【0011】
【化2】 (但し、式中R1は1価炭化水素基、R2は水酸基又は
加水分解可能な原子もしくは基、R4は炭素数1〜10
の2価炭化水素基、オキシアルキレン基又はオキシアリ
ーレン基、X,Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基又は炭素数1〜4の1価炭化水素基、a,b,
cはそれぞれ0<a≦1、0≦b≦3、0<c≦3、0
<a+b+c<4を満たす正数、mは0又は1、nは1
〜4の整数である。)
【0012】しかしながら、上記オルガノポリシロキサ
ンを主剤とするコーティング剤で得られた硬化被膜は長
期間高湿下に晒すと表面硬度が低下したり、沸謄水と接
触することにより、基材から剥離する等の不具合があっ
た。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
上述したシリコーン系コーティング剤の問題点を解消し
、保存安定性に優れると共に、耐溶剤性、表面硬度、耐
摩耗性、特に耐湿性、耐沸水性に優れた硬化被膜を与え
るコーティング剤を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(1)で示されるオルガノポリシロキサンをコーティン
グ剤の主剤とすることが有効であることを知見した。
【0015】
【化3】 (但し、式中R1は1価炭化水素基、R2は水酸基又は
加水分解可能な原子もしくは基、R3はパーフルオロア
ルキル基含有の一価有機基、R4は炭素数1〜20の2
価炭化水素基、オキシアルキレン基又はオキシアリーレ
ン基、X,Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基又は炭素数1〜4の1価炭化水素基、a,b,c,
dはそれぞれ0<a≦1、0≦b<3、0<c<3、0
<d≦1、0<a+b+c+d<4を満足する正数、m
は0又は1、nは1〜4の整数である。)
【0016】
即ち、上記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキ
サンは、上述した一般式(2)で示されるマレイアミド
酸系化合物を含有するオルガノポリシロキサンにパーフ
ルオロアルキル基を導入したもので、これによってマレ
イアミド酸系化合物を含有するオルガノポリシロキサン
の優れた保存安定性、耐溶剤性、表面硬度、耐摩耗性を
維持しながら、その欠点である耐湿性、耐沸水性を顕著
に改良できたものである。従って、この一般式(1)で
示されるオルガノポリシロキサンを主剤とするコーティ
ング剤はシリコーン本来の耐熱性、耐候性、電気特性に
加え、上述した特長を有するため、これまでシリコーン
コーティングが適用できなかった条件の厳しい分野、例
えば被膜が絶えず何らかの有機溶剤にさらされる箇所、
あるいは摩耗の原因となる塵、ほこりなどが存在する箇
所、洗浄装置あるいは通常の屋外暴露と絶えず接触する
箇所、更には高湿度下に晒されたり、沸水中に浸漬され
るような用途においても良好な基材の保護効果を発揮す
ることができることを見い出し、本発明をなすに至った
ものである。
【0017】従って、本発明は上記一般式(1)で示さ
れるオルガノポリシロキサンを主剤としてなることを特
徴とするコーティング剤を提供する。
【0018】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のコーティング剤は上述したように、下記一
般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンを主剤と
するものである。
【0019】
【化4】
【0020】ここで、R1は1価の炭化水素基であり、
炭素数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、例えば
メチル基,エチル基,プロピル基などのアルキル基、フ
ェニル基などのアリール基、ベンジル基,フェニルエチ
ル基などのアラルキル基、エチルフェニル基,トリル基
などのアルカリル基、ビニル基,アリル基などのアルケ
ニル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基など
が挙げられる。また、R2は水酸基又は加水分解可能な
原子もしくは基であり、加水分解可能な原子もしくは基
としては、例えばハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコ
キシ基、炭素数2〜6のアシロキシ基、アミノキシ基な
どが挙げられる。R3はパーフルオロアルキル基含有の
一価有機基であり、パーフルオロアルキル基としては一
般式CqF2q+1CH2CH2−(qは1〜10の整
数)で示されるものが好ましい。このようなR3として
具体的には、トリフルオロプロピル基、ノナフルオロヘ
キシル基、ヘプタデシルフルオロデシル基、更に下記式
で示される基などが挙げられる。
【0021】
【化5】
【0022】また、R4は炭素数1〜20の2価炭化水
素基、オキシアルキレン基又はオキシアリーレン基であ
り、例えばメチレン基、エチレン基、オキシメチレン基
、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシフェ
ニレン基などが挙げられる。X,Yはそれぞれ水素原子
、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜4の1価炭化
水素基である。a,b,c,dは、それぞれ0<a≦1
、好ましくは0.1<a<0.6、0≦b<3、好まし
くは0<b<1.5、0<c<3、好ましくは0<c<
1.5、0<d≦1、好ましくは0<d<0.6、0<
a+b+c+d<4、好ましくは1<a+b+c+d<
3を満足する正数である。また、mは0又は1、nは1
〜4の整数である。
【0023】上記一般式(1)で示されるオルガノポリ
シロキサンは下記一般式(3)で示される酸無水物と下
記一般式(4)で示されるアミノ基含有シロキサンとを
反応させることによって得ることができる。
【0024】
【化6】
【0025】ここで、上記式(3)で示される酸無水物
としては、例えば無水マレイン酸、クロロ無水マレイン
酸、シアノ無水マレイン酸、シトラコン酸などが挙げら
れ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して使用
することができる。また、式(4)で示されるアミノ基
含有シロキサンは公知の方法で調製することができる。 例えば、アミノ基含有シランとパーフルオロアルキル基
含有シラン及び各種のアルコキシシランを共加水分解し
たり、あるいはアミノ基含有ポリシロキサンとパーフル
オロアルキル基含有シランとを塩基性触媒で平衡化する
ことにより得ることができる。ここで、アミノ基含有シ
ロキサンとしては、例えば3−アミノプロピルトリアル
コキシシラン、3−アミノプロピルメチルジアルコキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリアルコキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン等が挙げ
られ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用してし
て使用することができる。また、パーフルオロアルキル
基含有シランとしては特に限定されるものではないが、
工業的には下記式(5)で示されるオルガノシランを他
のアルコキシシラン類、クロロシラン類と共加水分解す
るのが好ましい。
【0026】
【化7】
【0027】パーフルオロアルキル基含有シランとして
具体的には上述したパーフルオロアルキル基を含有する
トリフルオロプロピルトリアルコキシシラン、ノナフル
オロデシルトリアルコキシシラン、ヘプタデシルフルオ
ロデシルトリアルコキシシラン等が例示される。
【0028】上記式(3)で示される酸無水物と式(4
)で示されるアミノ基含有シロキサンとの反応は比較的
低温、例えば10〜50℃で行なうことができる。 なお、この反応は式(4)で示されるオルガノシロキサ
ンに代えてこの種のオルガノシロキサンを生成するアミ
ノ基含有シラン又はこれと他のオルガノシランを添加し
、加水分解させたものを使用してもよく、このアミノ基
含有シランとしては3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどが例示される。
【0029】式(3)で示される酸無水物と式(4)で
示されるアミノ基含有シロキサンとの反応におけるこれ
らの原料の仕込みモル比は、式(3)で示される酸無水
物を式(4)で示されるシロキサン中のアミノ基1モル
に対し0.1〜2モル、特に0.8〜1.2モルの範囲
とすることが好ましい。また、この反応は無溶剤下でも
有機溶剤の存在下でも行なうことができる。この場合、
使用される有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン等の
芳香族炭化水素系有機溶剤、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機溶
剤が例示される。
【0030】なお、該反応を有利に進行させるために反
応系に脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、第3級アミン
などを存在させることがよく、この脂肪族酸無水物とし
ては酢酸、プロピオン酸、酪酸などの無水物、芳香族酸
無水物としてはトルイル酸、エチル安息香酸、アニス酸
などの無水物、第3級アミンとしてはピリジン、N,N
−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミンなどが例
示される。
【0031】このようにして得られる上記式(1)で示
されるオルガノポリシロキサンは新規なものであり、用
途等に応じて式(3)で示される酸無水物と式(4)で
示されるアミノ基含有シロキサンの種類を変えることに
よって種々の分子構造、即ち物性をもつものを得ること
ができる。
【0032】本発明のコーティング剤は上記式(1)で
示されるオルガノポリシロキサンのみで構成してもよく
、あるいは作業性の向上や膜厚のコントロールなどのた
め有機溶媒を使用してもよい。
【0033】この溶媒としては、例えばメチルエチルケ
トン、アセトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、セロソルブなどの極性溶媒、トルエン
、キシレン、トリクロロエチレンなどの無極性溶媒など
が例示される。
【0034】また、着色あるいは耐熱性などの特性向上
の目的で染料あるいは顔料などを添加して使用してもよ
い。
【0035】本発明のコーティング剤は、スプレー塗り
、ロールコーティング、刷毛塗りなどの公知の塗布方法
により種々基材に対して広く応用することができる。 この基材としては特に制限されないが、例えば鉄、アル
ミニウム、ステンレススチール、銅、亜鉛、スズメッキ
やクロムメッキ物、金メッキした真ちゅう等の金属製基
材、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂製基材、
あるいはガラスクロスや雲母片などをベースとした積層
板、石材、木材などの基材などが例示され、特に金メッ
キ表面やポリイミド表面等の接着性に一般に乏しいとさ
れる表面にも本発明のコーティング剤は良く密着する。 かかる基材は、前記コーティング剤が均一に塗布され、
また密着性が良好になるようにその表面に付着した油脂
類、塵埃などを公知の方法で除去し清浄にしておくこと
が望ましい。
【0036】なお、接着性向上のために、その表面に予
めプライマーを塗布しておくこともよく、このプライマ
ーとしては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランな
どのシランあるいはこれらの部分共加水分解物が例示さ
れる。
【0037】本発明のコーティング剤は従来品にはみら
れない下記に示すような種々の特長を有する。即ち、従
来のシリコーンワニスは高温で硬化させてもその被膜は
鉛筆硬度で2H程度であり、耐摩耗性、耐溶剤性に乏し
いものであるが、本発明のコーティング剤から得られる
被膜は鉛筆硬度で5H〜9H以上と硬く、スチールウー
ルなどの摩擦に対する耐摩耗性も優れており、また芳香
族炭化水素、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素などの有
機溶剤に対する耐溶剤性にも極めて優れる。
【0038】更に、本発明のコーティング剤から得られ
る硬化被膜は80%以上の湿度に長時間晒しても硬度低
下はなく、この硬化被膜を形成した各種基材を沸水中に
浸漬しても剥離することはなく、耐湿性に極めて優れた
ものである。
【0039】硬化被膜を形成するためには従来のシリコ
ーンワニスやポリアミド酸樹脂のような高温、段階的硬
化あるいは硬化触媒は不要で、硬化温度120℃〜15
0℃、硬化条件5分〜60分という緩やかな条件で充分
である。
【0040】また、このコーティング剤の保存安定性も
一般のシリコーンワニスと同様に良好で製造後1年以上
の可使時間を有し、塗布にあたっても特殊な塗布方法、
設備は不要であり、膜厚20μm以上の厚塗りや重ね塗
りも可能である。
【0041】従って、本発明のコーティング剤は、シリ
コーン本来の耐熱性、耐候性、電気特性に加えて、上記
のような特長をもつため、これまで従来のシリコーンワ
ニスなどを適用できなかった分野へのシリコーンコーテ
ィングが可能となる。すなわち、被膜が絶えず何らかの
有機溶剤に晒される箇所、あるいは摩耗の原因となる塵
、埃などが存在する箇所、洗浄装置あるいは通常の屋外
暴露と絶えず接触する箇所、更には高湿度下に晒された
り、沸水中に浸漬されるような用途などにおいても良好
な保護効果を発揮することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0043】〔実施例1〕無水マレイン酸98gをトル
エン319gに溶解し、この溶液中へ分子式(C2H5
O−)3Si−C3H6−NH2で示される3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン221gを滴下したところ
、緩やかな発熱がみられた。更に室温で2時間反応させ
て、下記式で示されるアミド酸含有トリエトキシシラン
を得た。
【0044】
【化8】 このアミド酸含有トリエトキシシラン63.8g、ジメ
チルジメトキシシラン24.0g、メチルトリメトキシ
シラン20.4g、ジフェニルジメトキシシラン97.
6g、C8F17CH2CH2Si(OCH3)328
.4g及びトルエン50gを混合した後、70℃に昇温
し、水48gを滴下した。1時間そのまま撹拌後、更に
昇温し、トルエン還流下で2時間重合を行ない、下記式
で示されるシロキサンを主成分とする樹脂を得た。
【0045】
【化9】 次に、減圧下で溶剤を留去した後、上記シロキサンをN
−メチル−2−ピロリドンに溶解し、濃度20%に調整
してコーティング剤を得た。このコーティング剤を厚さ
0.3mmのみがき軟鋼板に流し塗りし、30分間風乾
した後、150℃で30分乾燥し、乾燥膜厚約10μm
の硬化被膜を得た。
【0046】〔実施例2〕1リットルのフラスコに無水
マレイン酸40gとトルエン200gを仕込んで混合し
、その中へジメチルジメトキシシラン48.0g、メチ
ルトリメトキシシラン27.2g、ジフェニルジメトキ
シシラン195.6g、C4F9CH2CH2Si(O
CH3)373.6g、及び3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン88.4gのシラン混合物を滴下したとこ
ろ、緩やかな発熱がみられた。更に室温にて1時間撹拌
した後、75℃まで昇温し、水86gを滴下した。その
まま4時間撹拌を行なったところ、縮合反応によるメタ
ノール、エタノール、水の留出がみられた。次いで加熱
減圧(90℃,10mmHg)により溶剤とともに留去
し、反応生成物として下記平均組成式で示されるシロキ
サンを主成分とする淡黄色の粘稠な液体状物を得た。
【0047】
【化10】 次に、溶剤を留去した後得られた反応生成物を、N−メ
チル−2−ピロリドンに溶解し、濃度20%に調整して
コーティング剤を得、実施例1と同様の方法で硬化被膜
を得た。
【0048】〔比較例1〕1リットルのフラスコにトル
エン200g、ジメチルジメトキシシラン48.0g、
メチルトリメトキシシラン54.4g、ジフェニルジメ
トキシシラン195.6g及び3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン88.4gを仕込んで混合し、75℃ま
で昇温し、水86gを滴下した。そのまま4時間撹拌を
行なったところ、縮合反応によるメタノール、水の留出
がみられた。次いで、加熱減圧により溶剤とともに留去
し、下記平均組成式で示されるオルガノポリシロキサン
を得た。(H2NC3H6)0.2(C6H5)0.8
(CH3)0.6SiO1.2得られたオルガノポリシ
ロキサンを溶剤留去後にN−メチル−2−ピロリドンに
溶解し、濃度20%に調整してコーティング剤を得、こ
のコーティング剤を実施例1と同様の方法で塗布し、2
00℃で60分乾燥して硬化被膜を得た。
【0049】〔比較例2〕実施例1で得られた下記分子
式で示されるアミド酸含有トリエトキシシラン63.8
g、ジメチルジメトキシシラン24.0g、メチルトリ
メトキシシラン27.2g、ジフェニルジメトキシシラ
ン97.6g及びトルエン50gを混合した後、70℃
に昇温し、トルエン還流下で2時間重合を行ない、下記
平均組成式で示されるオルガノポリシロキサンを得た。
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】 次いで、減圧下で溶剤を留去後、上記オルガノポリシロ
キサンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、濃度2
0%に調整してコーティング剤を得た。このコーティン
グ剤を実施例1と同様の方法で塗布し、乾燥して硬化被
膜を得た。
【0052】これらの硬化被膜について、下記に示した
方法により、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐摩耗性、
耐湿性、耐沸水性を評価した。結果を表1に示す。 (1)密着性 JIS  D  0202によるゴバン目試験(2)鉛
筆硬度 JIS  K  5400による鉛筆ひっかき試験(3
)耐溶剤性 被膜をトルエン中に24時間浸漬し、さらにその表面を
トルエンを含浸させた脱脂綿で100回摩擦し被膜の変
化を調べた。判定は次のようにして行なった。 A…全く異常が認められない。 B…被膜の溶解はないが光沢が失われる。 C…被膜が少し溶解し一部基材が露出。 (4)耐摩耗性 スチールウール#000で被膜表面を摩擦し、傷のつき
にくさを調べた。判定は次のようにして行なった。 A…強く摩擦しても傷がつかない。 B…かなり強く摩擦すると少し傷がつく。 C…弱い摩擦でも傷がつく。 (5)耐湿性 98%RH,50℃の恒温恒湿室で100時間経過後の
鉛筆硬度。 (6)耐沸水性 沸騰水に30分浸漬し、被膜の外観を目視で調べた。判
定は次のようにして行なった。 A…全く異常が認められない。 B…被膜の光沢が失われる。 C…被膜の光沢が失われ、かつブリスターが発生。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果より、マレイアミド酸系化合物
を含有しないオルガノポリシロキサンを用いたコーティ
ング剤(比較例1)は、硬化に高温長時間を要すると共
に、得られる硬化被膜が柔かく、しかも密着性、耐溶剤
性、耐摩耗性、耐湿性が極めて悪く、また、マレイアミ
ド酸系化合物を含有するがパーフルオロアルキル基を含
有しないオルガノポリシロキサンを用いたコーティング
剤(比較例2)は、比較例1に比べて硬化条件が緩和さ
れると共に、密着性、硬度、耐溶剤性、耐摩耗性、耐湿
性は顕著に改良されているものの、耐沸水性が非常に悪
いことが認められる。
【0055】これに対して、本発明のマレイアミド酸系
化合物とパーフルオロアルキル基を有するオルガノポリ
シロキサンを用いたコーティング剤は、マレイアミド酸
系化合物を含有するオルガノポリシロキサンの長所はそ
のまま維持し、その短所である耐沸水性を顕著に改良し
たものであることが認められる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコーティ
ング剤は保存安定性に優れ、作業性良く硬化すると共に
、強度が高く、耐摩耗性、耐溶剤性、特に耐湿性、耐沸
水性に優れた硬化被膜を与え、シリコーン系コーティン
グ剤本来の耐熱性、耐候性、電気特性とあいまって、シ
リコーン系コーティング剤の応用分野を広げるものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記一般式(1)で示されるオルガノ
    ポリシロキサンを主剤としてなることを特徴とするコー
    ティング剤。 【化1】 (但し、式中R1は1価炭化水素基、R2は水酸基又は
    加水分解可能な原子もしくは基、R3はパーフルオロア
    ルキル基含有の一価有機基、R4は炭素数1〜20の2
    価炭化水素基、オキシアルキレン基又はオキシアリーレ
    ン基、X,Yはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、シア
    ノ基又は炭素数1〜4の1価炭化水素基、a,b,c,
    dはそれぞれ0<a≦1、0≦b<3、0<c<3、0
    <d≦1、0<a+b+c+d<4を満足する正数、m
    は0又は1、nは1〜4の整数である。)
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