JP2020114905A - 親水化剤 - Google Patents
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Abstract
Description
その中で、今回の発明に関係する代表的な特許出願を以下に示す。
ここで、特許文献1の発明は、下記式(1)で表される化合物とシリカゾルを反応させることによって得られるシリカゾル及び修飾シリカゾルからなる親水性コーティング液の発明である。また、特許文献3は、ベタイン系ケイ素化合物のアミンオキサイド系ケイ素化合物に関する発明である。
〔1〕 下記式(1)で表される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と
(X1)3−k(CH3)kSi−R1−(Y1−R2)m−N+(R3)(R4)−Z1 (1)
{式中X1は同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、R1は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Y1は−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO2−を表し、mは0又は1を表し、R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CH2CH2N+(CH3)(Z2)CH2CH2OCH2CH2−を表し、R3及びR4は同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Z1及びZ2は(CH2)nSO3 −、(CH2)nCO2 −及びO−を表し、nは1〜5の整数を表す。}
下記式(2)で表される官能基によって表面修飾された金属酸化物ゾル(以下「イオウ元素含有官能基修飾金属酸化物ゾル」という。)を
MOS(=O)2−R2−Si(CH3)n(−O−)3−n (2)
{式中Mは水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン又はアンモニウム(NR3 4)基(R3は同一或いは異なってもよい炭素数1〜5のアルキル基又は水素原子)、R2は炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)であり、nは0又は1を表す。}
含有することを特徴とする親水化剤。
〔2〕 さらに、下記式(3)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物及び/又は下記式(4)で表される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を
R6−X2−(CH2CH2O)p−Y2 (3)
{式中R6は炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基はフッ素原子、ケイ素原子、ベンゼン環及び二重結合を含んでいてもよい。)、X2は−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Y2は水素原子、−CH2COOHを表す。}
(X1)3−k(CH3)kSi−(R6)m X3 (4)
{式中X3は、チオール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基あるいはブロック化イソシアネート基であり、R6は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。}
含有することを特徴とする前記〔1〕に記載の親水化剤。
〔3〕 前記式(2)のMが、銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属イオンであることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の親水化剤。
〔4〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の親水化剤を含有することを特徴とする親水性コーティング組成物。
〔5〕 前記〔4〕に記載の親水性コーティング組成物を硬化させた構造体。
また、前記抗菌親水化剤は、それを含有する抗菌親水性コーティング組成物を製造でき、抗菌親水性コーティング組成物を硬化させると抗菌構造体を得ることができる。
またガラス基板のみならず、種々の基材(例えば、プラスチックス:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びウレタン等、金属:ステンレス、鉄、銅及びアルミニウム等)にも処理することが可能である。
(X1)3−k(CH3)kSi−R1−(Y1−R2)m−N(R3)(R4) (1’)
{前記式(1’)中の、X1、k、R1、Y1、R2、m、R3及びR4は、前記式(1)中のX1、k、R1、Y1、R2、m、R3及びR4と同じである。}
(CH3O)3SiCH2CH2CH2N(CH3)2 (1’−1)
(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N(CH3)2 (1’−2)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N(CH3)2
(1’−3)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2N(CH3)2
(1’−4)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2CH2N(CH3)2 (1’−5)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2OCH2CH2N(CH3)2 (1’−6)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCH2CH2N(CH3)2 (1’−7)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2N(CH3)2
(1’−8)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2N(CH3)2 (1’−9)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2SCH2CH2CH2N(CH3)2
(1’−10)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2SCH2CH2COOCH2CH2N(CH3)2 (1’−11)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2SCH2CH(CH3)COOCH2CH2N(CH3)2 (1’−12)
(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2SCH2CH2CH2N(CH3)2
(1’−13)
(C2H5O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N(CH3)2 (1’−14)
すなわち、前記溶媒中に前記式(1’)で表される化合物と炭素数3から10の環状スルホン酸エステルを溶解させて混合することによって反応させることができる。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
この中でも1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、2,4−ブタンサルトンが好ましく、より好ましくは1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトンであり、さらに好ましくは1,3−プロパンサルトンである。
すなわち、前記溶媒中に前記式(1’)で表される化合物とハロカルボン酸塩化合物を溶解させて反応させることができる。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
この中でも好ましくはクロロ酢酸ナトリウム及びブロモ酢酸ナトリウムであり、より好ましくはクロロ酢酸ナトリウムである。
すなわち、前記水又は水溶性の溶媒中に前記式(1’)で表される化合物と酸化剤とを溶解させて混合することによって反応させることができる。
反応時間は通常1時間から36時間であり、好ましくは4時間から36時間であり、特に好ましくは4時間から24時間である。
(CH3O)3SiCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 −
(1−1)
(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−2)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−3)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−4)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−5)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2OCH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−6)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−7)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−8)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−9)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2SCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−10)
(C2H5O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2CH2SO3 − (1−11)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CH2SO3 −
(1−12)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−13)
(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 −
(1−14)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−15)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−16)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−17)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2OCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−18)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−19)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−20)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−21)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2SCH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 − (1−22)
(C2H5O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N+(CH3)2CH2CO2 −
(1−23)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2N+(CH3)2O− (1−24)
(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N+(CH3)2O− (1−25)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N+(CH3)2O−
(1−26)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2N+(CH3)2O− (1−27)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2CH2N+(CH3)2O− (1−28)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2OCH2CH2N+(CH3)2O− (1−29)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCH2CH2N+(CH3)2O− (1−30)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2N+(CH3)2O− (1−31)
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2N+(CH3)2O− (1−32)
(CH3O)3SiCH2CH2CH2SCH2CH2CH2N+(CH3)2O−
(1−33)
(C2H5O)2Si(CH3)CH2CH2CH2N+(CH3)2O−(1−34)
前記イオウ元素含有官能基修飾金属酸化物ゾルの官能基である前記式(2)において、R2の炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらのうちコスト及び原料入手の点を考慮すると、好ましくはプロピレン基である。
これらのうち好ましくは、アルカリ金属イオンであり、特に好ましいのはリチウムイオン、ナトリウムイオンである。
LiOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
NaOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
KOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
NH4OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
N(CH3)4OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
NH(C2H5)3OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
HOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
LiOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NaOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
KOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NH4OSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
N(CH3)4OSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NH(C2H5)3OSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
HOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
LiOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NaOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
KOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NH4OSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
N(CH3)4OSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NH(C2H5)3OSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
HOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
LiOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NaOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
KOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NH4OSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
N(CH3)4OSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
NH(C2H5)3OSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
LiOSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NaOSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
KOSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH4OSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(CH3)3OSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(C2H5)3OSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
HOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
LiOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NaOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
KOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH4OSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(CH3)3OSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(C2H5)3OSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
HOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
LiOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NaOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
KOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH4OSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(CH3)3OSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(C2H5)3OSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
HOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
LiOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NaOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
KOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH4OSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(CH3)3OSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
NH(C2H5)3OSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
前記式(2)で表される官能基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
AgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
AgOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
AgOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)
AgOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(−O−)3
AgOSO2−CH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
AgOSO2−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
AgOSO2−CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
AgOSO2−C6H4NHCONHCH2CH2CH2SiCH3(−O−)2
HOCuOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
CH3COOCuOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
Cu0.5OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3
これらのうち、シリカゾルが好ましく、オルガノシリカゾルが特に好ましい。
なお、オルガノゾルとは、 有機溶媒にナノレベルの、表面改質をしたコロイダルシリカを安定的に分散させたコロイド溶液であり、アルコール、ケトン、エーテル、トルエン等の各種有機溶媒に分散可能である。
具体的には日産化学社製のオルガノシリカゾル(メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、EG−ST、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、PMA−ST及びPGM−ST)や扶桑化学社製の高純度オルガノシリカゾル(PL−1−IPA、PL−2L−PGME及びPL−2L−MEK)等が挙げられる。
これらは単独のみならず、複数で用いても良い。
すなわち、金属酸化物ゾルに、化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有する下記式(SC1)または(SC2)で表されるシランカップリング剤を添加して金属酸化物ゾル上のシラノールと上記シランカップリング剤を反応させた後、チオール基をスルホン酸基に変換後、必要により塩基又は金属塩で中和する方法によって得られる。
HS−R1−Si(CH3)n(−Y)3−n (SC1)
(Y−)3−n(CH3)Si−R1−S−S−R1−Si(CH3)n(−Y)3−n (SC2)
{式中R1は炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)であり、Yは同一或いは異なってもよい炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基、nは0又は1を表す。}
CH3CH(HS)CH2Si(OC2H5)3
HSCH2CH2Si(OCH3)3
HSCH2CH2Si(OC2H5)3
HSCH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
HSCH2CH2NHCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
HSC6H4NHCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
(OC2H5)3SiCH2CH2CH2−S−S−CH2CH2CH2Si(OC2H5)3
これらのうち好ましいのは、アルコール系溶媒であり、これらの溶媒は1種又は2種以上で使用できる。
0.5未満であると化学的に変換するスルホン酸基の濃度が低すぎ、親水性が低下し、10.0を超えると金属酸化物上のシラノールが不足して前記化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有するシランカップリング剤どうしが自己縮合する恐れがあり、また成膜性が低下して好ましくない。
反応温度も限定されないが、室温から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
過酸化物は前段階の製造工程(金属酸化物ゾルに化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有するシランカップリング剤を結合させる工程)の中に一度に或は分割して投入することも出来る。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
また加える金属塩の場合も、そのまま加えても、溶媒(例えば、水等)で希釈してから加えても良い。
加える塩基又は金属塩の量はスルホン酸基に対して、0.01モル〜5.0モルであり、好ましくは0.1モル〜3.0モルであり、特に好ましくは0.2〜2.5モルである。
前記式(3)で表される化合物は、いわゆる界面活性剤であり、前記式(3)で表される化合物と前記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物は、いわゆる界面活性ケイ素系化合物である。
前記式(3)で表される化合物からなる界面活性剤で市販されているものは、通常エチレンオキサイドの付加数は一定でなく、その結果として単一なものでなく、エチレンオキサイドの付加数が異なった混合物として存在する。
HO(CH2CH2O)2H
HO(CH2CH2O)3H
HO(CH2CH2O)4H
HO(CH2CH2O)5H
HO(CH2CH2O)6H
CH3O(CH2CH2O)3H
CH3O(CH2CH2O)4H
CH3O(CH2CH2O)5H
CH3O(CH2CH2O)6H
C12H25O(CH2CH2O)3CH2COOH
C12H25O(CH2CH2O)4CH2COOH
C12H25O(CH2CH2O)5CH2COOH
C13H27O(CH2CH2O)3CH2COOH
C12H25O(CH2CH2O)7H
C12H25O(CH2CH2O)8H
C12H25O(CH2CH2O)9H
C12H25O(CH2CH2O)10H
C12H25O(CH2CH2O)11H
C17H35COO(CH2CH2O)9H
C17H33COO(CH2CH2O)5H
C17H33COO(CH2CH2O)9H
C17H33COO(CH2CH2O)14H
C17H35CONHCH2CH2OH
C4F9CH2CH2O(CH2CH2O)qH
C6F13CH2O(CH2CH2O)qH
C6F13CH2CH2O(CH2CH2O)qH
ただし、qは1〜30の整数を表す。
−{CH2C(CH3)(COOCH2CH2C6F13)}r−{CH2C(CH3)(COOCH2CH2O(CH2CH2O)tH)}s−
−{CH2CH(COOCH2CH2C6F13)}r−{CH2CH(COOCH2CH2O(CH2CH2O)sH)}t−
ただし、r、s及びtは1〜30の整数を表す。
(CH3)3SiO−〔(CH3)Si{(CH2)u(CH2CH2O)vH}〕w−O−〔Si(CH3)2O〕z−Si(CH3)3
ただし、u、v、w及びzは1〜30の整数を表す。
CH3−O−(CH2CH2O)2CH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
CH3−O−(CH2CH2O)2CH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2
CH3−O−(CH2CH2O)3CH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
CH3−O−(CH2CH2O)3CH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2
C12H25−O−(CH2CH2O)6CH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)6CH2COOCH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)7CH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)7CH2COOCH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)8CH2COOCH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)9CH2COOCH2CH(OH)CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3
CH3−O−(CH2CH2O)2CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
CH3−O−(CH2CH2O)3CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
CH3−O−(CH2CH2O)5CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C10H21−O−(CH2CH2O)6CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
HO−(CH2CH2O)2CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
HO−(CH2CH2O)3CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
HO−(CH2CH2O)4CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
HO−(CH2CH2O)5CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOO(CH2CH2O)2CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOO(CH2CH2O)3CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOO(CH2CH2O)4CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCOO(CH2CH2O)5CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C10H21−O−(CH2CH2O)7CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C10H21−O−(CH2CH2O)8CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C10H21−O−(CH2CH2O)9CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C12H25−O−(CH2CH2O)6CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C12H25−O−(CH2CH2O)7CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C12H25−O−(CH2CH2O)8CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C12H25−O−(CH2CH2O)9CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C12H25−O−(CH2CH2O)8CH2CONHCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)9CH2CONHCH2CH2CH2Si(OCH3)3
CH3−O−(CH2CH2O)3COCH2CH(COOH)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CH3−O−(CH2CH2O)3COCH(CH2COOH)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)7COCH2CH(COOH)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
C12H25−O−(CH2CH2O)8COCH(CH2COOH)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
C17H35−COO−(CH2CH2O)9COCH2CH(COOH)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
C17H33−COO−(CH2CH2O)5COCH(CH2COOH)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
C17H35−CONH−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C4F9CH2CH2O(CH2CH2O)qCONHNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C6F13CH2O(CH2CH2O)qCONHNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
C6F13CH2CH2O(CH2CH2O)qCONHNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
ただし、qは1〜30の整数を表す。
−{CH2C(CH3)(COOCH2CH2C6F13)}r−{CH2C(CH3)(COOCH2CH2O(CH2CH2O)tCONHNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3)}s−
−{CH2CH(COOCH2CH2C6F13)}r−{CH2CH(COOCH2CH2O(CH2CH2O)sCONHNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3)}t−
ただし、r、s及びtは1〜30の整数を表す。
(CH3)3SiO−〔(CH3)Si{(CH2)u(CH2CH2O)vCONHNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3}〕w−O−〔Si(CH3)2O〕z−Si(CH3)3
ただし、u、v、w及びzは1〜30の整数を表す。
前記式(4)で表される化合物は、いわゆるアルコキシケイ素系化合物である。
CH3Si(OC2H5)3
C8H17Si(OCH3)3
C8H17Si(OC2H5)3
C18H37Si(OCH3)3
C18H37Si(O2H5)3
CH2=CHSi(OCH3)3
CH2=CHSi(OC2H5)3
H2NCH2CH2CH2Si(OCH3)3
H2NCH2CH2CH2Si(OC2H5)3
ClCH2CH2CH2Si(OCH3)3
SHCH2CH2CH2Si(OCH3)3
SHCH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2
CH2=CHCOOCH2CH2CH2Si(OCH3)3
CH2=C(CH3)COOCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C6H5Si(OCH3)3
C6H5Si(OC2H5)3
(CH3)3COCOCH2CH2SCH2CH2CH2Si(OCH3)3
(CH3)3COCOCH2CH2SCH2CH2CH2(CH3)Si(OCH3)2
p−CH3C6H4CH2CH2SCH2CH2CH2Si(OCH3)3
o−CH3C6H4CH2CH2SCH2CH2CH2Si(OCH3)3
p−ClCH2C6H4CH2CH2SCH2CH2CH2Si(OCH3)3
o−ClCH2C6H4CH2CH2SCH2CH2CH2Si(OCH3)3
C6H4CH2CH2SCH2CH2CH2Si(OCH3)3
本発明の親水化剤は前記式(1)で表される溶液と硫黄元素含有官能基修飾金属酸化物ゾル溶液を混合することにより得られる。
これらのうち、アルコール系溶剤、水及びそれらの混合溶剤が好ましい。
上記範囲であると、生成した膜の特性(例えば、耐水性や基板に対する密着性及び硬化特性等)がより発揮できる。
上記範囲であると、生成した膜が着色せず、抗菌性を発揮できる。
本発明の親水化剤は前記式(1)で表される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と硫黄元素含有官能基修飾金属酸化物ゾルを含有する溶液と、前記式(3)で表される化合物と前記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物及び/又は前記式(4)で表される化合物の加水分解物の混合物及び/又は加水分解縮合物の溶液を混合することによって得られる。
用いる溶媒としては、段落〔0097〕に記載の溶媒と同様である。
上記範囲であると、生成した膜の特性(例えば、耐水性や基板に対する密着性及び硬化特性等)がより発揮できる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤等が挙げられる。
(1)3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)をエタノール39.0gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%イソプロパノール溶液)3.0g、水5.0gを加えて24時間過熱還流した。次いで過酸化水素水(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)2.9g(25.5ミリモル)を加え24時間加熱還流した。反応終了後室温まで冷却後、炭酸銀700mg(2.5ミリモル)を加え室温で一晩撹拌した。得られた白色沈殿の溶液の中に水約100gを加え不溶分をろか後さらに水を加えることにより、AgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水溶液200.0gを得た。
(2)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0ミリモル)と1,3−プロパンスルトン(ナカライテスク社製)3.05g(25.0ミリモル)を脱水イソプロピルアルコール10mlに溶解させて一晩加熱還流した。次いで水10mlを加えて一晩加熱還流し、室温に戻し水で希釈することにより目的物であるN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液50.0gを得た。
(3)(1)で得たAgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水0.2g、(2)で得たN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水49.3gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)実施例1の(1)で得たAgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水0.4g、実施例1の(2)で得たN−プロピルトリメトキシシラン−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水49.1gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)をエタノール39.0gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%イソプロパノール溶液)3.0g、水5.0gを加えて24時間過熱還流した。次いで過酸化水素水(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)2.9g(25.5ミリモル)を加え24時間加熱還流した。反応終了後室温まで冷却後、酢酸銅一水和物509mg(2.5ミリモル)を加え室温で一晩撹拌した。得られた青白色沈殿の溶液の中に水約100gを加え不溶分をろか後さらに水を加えることにより、Cu0.5OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水溶液200.0gを得た。
(2)(1)で得たCu0.5OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水溶液0.5g、実施例1の(2)で得たN−プロピルトリメトキシシラン−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水49.0gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)実施例3の(1)で得たCu0.5OSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水1.0g、実施例1の(2)で得たN−プロピルトリメトキシシラン−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水48.5gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)三洋化成工業株式会社製界面活性剤(ビューライトLCA−H、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、酸価:107)7.57gと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3.4gをアルゴン雰囲気下、100℃で2日間反応させることにより、ビューライトLCA−Hと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがエステル結合を介して結合した界面活性シランカップリング剤10.3gを得た。1H−NMR測定か
ら原料である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエポキシ環上のプロトン(
2.62、2.80、3.16ppm)の吸収の消失を確認した。
(2)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0ミリモル)、(1)で得た界面活性シランカップリング剤1.5gをエタノール10ml及び水5mlに溶解させて一晩加熱還流した。得られた溶液の中に3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)5.62g(25.0ミリモル)及び水5mlを加えて一晩加熱還流後、水を加えることによりN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモモニウムベタインと界面活性シランカップリング剤の加水分解縮合物が溶解した無色透明溶液50.0gを得た。
(3)実施例1の(1)で得たAgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水0.2g、(2)で得たN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタインと界面活性シランカップリング剤の加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水49.3gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)3,5−ジメチルピラゾール4.81g(50.0ミリモル)と3−イソシアナー
トプロピルトリエトキシシラン12.35g(50.0ミリモル)を室温で一晩撹拌す
ることにより3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランのイソシアナート基を3,
5−ジメチルピラゾールでブロックしたブロックドイソシアナート化合物16.8gを得
た。1H−NMR測定から原料である3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネー
トのイソシアネート基が結合した炭素のプロトン(3.27〜3.32ppm)の吸収が
消失して、新たに目的物のウレア基が結合した炭素のプロトン(3.32〜3.39pp
m)の吸収を確認した。
(2)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0ミリモル)、実施例5の(1)で得た界面活性シランカップリング剤1.5g及び(1)で得たブロックドイソシアナート化合物2.0g(5.8ミリモル)をエタノール10ml及び水5mlに溶解させて一晩加熱還流した。得られた溶液の中に3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製)5.62g(25.0ミリモル)及び水5mlを加えて一晩加熱還流後、水を加えることによりN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、界面活性シランカップリング剤及びブロックドイソシアナート基含有シランカップリング剤の加水分解縮合物が溶解した無色透明溶液50.0gを得た。
(2)実施例1の(1)で得たAgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水0.2g、(2)で得たN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、界面活性シランカップリング剤及びブロックドイソシアナート基含有シランカップリング剤の加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液2.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水47.3gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)をエタノール39.0gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%イソプロパノール溶液)3.0g、水5.0gを加えて24時間過熱還流した。次いで過酸化水素水(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)2.9g(25.5mmol)を加え24時間加熱還流した。反応終了後室温まで冷却後、水酸化リチウム1水和物425mg(10.1ミリモル)を約10gの水に溶かして加えて中和し、水で希釈することにより、LiOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール水溶液75.0gを得た。
(2)実施例1の(2)で得たN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5gと(1)で得たLiOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液0.5gを水49gに希釈することにより本発明の親水化剤50.0gを得た。
(1)実施例7の(1)と同様の操作で得た水酸化リチウムで中和する前のHOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液全量の中に実施例6の(1)で得たブロックドイソシアナート化合物1.5gを加えて一晩加熱還流した後、水酸化リチウム1水和物425mg(10.1ミリモル)を約10gの水に溶かして加えて中和し、さらに水で希釈することにより、LiOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基とブロックドイソシアナート基で修飾されたシリカゾルのエタノール/水混合溶液75.0gを得た。
(2)アルゴン雰囲気下、ジメチルアミノエタノール(ナカライテスク株式会社製)7.2g(80.8ミリモル)に3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製)20.0g(80.8ミリモル)を加え、90℃で24時間反応させることにより、ジメチルアミノエチル基がカーバメート結合を介して3−(トリエトキシシリル)プロピル基と結合した化合物26.4gを得た。
1H−NMR測定から原料である3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートのイソシアネート基が結合した炭素のプロトン(3.30ppm)の吸収が消失して、新たに目的物のカーバメート基が結合した炭素のプロトン(3.17ppm)の吸収を確認した。
(3)実施例5の(1)で得た界面活性シランカップリング剤1.5g、(2)で得た化合物8.4g(25.0ミリモル)、3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)3.0g(15.3ミリモル)をエタノール10ml及び水4mlに溶解させ一晩加熱還流した。得られた溶液の中に、クロロ酢酸ナトリウム(ナカライテスク社製)2.9g(25.0ミリモル)及び水4mlを加えさらに一晩加熱還流した。得られた溶液に水を加えることによりN,N−ジメチルカルボキシベタイン基、界面活性基及びチオール基をそれぞれ含有したケイ素化合物が加水分解縮合したケイ素系ポリマー水溶液50.0gを得た。
(4)(1)得たシリカゾル溶液15.0g、(3)で得たケイ素系ポリマー溶液水2.5g、水32.5gを加えることのより本発明の親水化剤50.0gを得た。
(1)N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.2g(25.0ミリモル)、実施例6の(1)で得たブロックドイソシアナート化合物2.0g(5.8ミリモル)をエタノール10ml及び水5mlに溶解させて一晩加熱還流した。得られた溶液の中に3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製)5.62g(25.0ミリモル)及び水5mlを加えて一晩加熱還流後、水を加えることによりN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン及びブロックドイソシアナート基含有シランカップリング剤の加水分解縮合物が溶解した無色透明溶液50.0gを得た。
(2)実施例1の(1)で得たAgOSO2−CH2CH2CH2Si(−O−)3基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含む水0.2g、(1)で得たN−プロピルトリメトキシシリル−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン及びブロックドイソシアナート基含有シランカップリング剤の加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液2.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水47.3gで希釈することにより、本発明の抗菌親水化剤50.0gを得た。
(1)実施例1の(2)で得たN−プロピルトリメトキシシラン−N,N−ジメチル−N−(3−スルホプロピル)アンンモニウムベタインの加水分解縮合物が溶解した無色透明水溶液0.5g、水酸化リチウム一水和物7.5mgを水49.5gで希釈することにより、本発明の親水化剤50gを得た。
親水膜を形成する基材としてスライドガラス{76mm、26mm、1.2mm;水酸化ナトリウムの2−プロパノール飽和溶液に24時間浸漬した後、水洗し、乾燥(60℃、2時間)したもの}(実施例1〜5、7及び比較例1)及びポリカーボネート板(76mm、26mm、1.2mm;そのまま使用)(実施例6、8及び9)を用いた。ディッピング法によりスライドガラス基板に親水コーティング組成物を塗布した、そして、親水性コーティング組成物が塗布されたスライドガラス又はポリカーボネート基板を130℃で30分間保持することにより抗菌親水組成物を加熱硬化させた。これにより、親水膜を有する親水膜試験片を得た。
接触角測定装置{協和界面化学株式会社、DROP MASTER 500、液適量2μL、測定間隔1000ms、測定回数30回}で、表面改質スライドガラスの表面の任意の5箇所について、接触角(度)を測定し、平均値を算出した。結果を表1に示した。
抗菌性の評価は、試験菌として大腸菌を使用し、JISZ2801に準じた方法により実施した。
具体的には、上記表面改質スライドグラスまたはポリカーボネート板(実施例1〜6)の表面に菌液(1.3×104/cm2)を滴下し、ポリスチレン製のカバーフィルムを密着させ35℃、相対湿度100%条件下で24時間静置培養を行った。その後、指定される緩衝液でカバーフィルムとスライドガラス表面とを洗浄し、生残している試験菌を回収した。緩衝液中の生菌数を3M社製ペトリフィルム(ACプレート)により計数し、スライドガラス1cm2あたりの生菌数に換算した。
なお、表面未改質のスライドグラスについても同様に試験を行い対照区とした。抗菌活性値は試験区の生菌数対数値から対照区の生菌数対数値を差し引いた値を示した。
表2に抗菌性の評価結果を示した。ブランクのガラス板及びポリカーボネート板は抗菌性*)を示さなかったが、実施例1〜6及び9において、抗菌活性値が2.0以上を示していることから、いずれも高い抗菌性を有していることが確認できた。
*)JISZ2801では、抗菌活性値が2.0以上を示した場合に抗菌性があると判断される。
Claims (5)
- 下記式(1)で表される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物と
(X1)3−k(CH3)kSi−R1−(Y1−R2)m−N+(R3)(R4)−Z1 (1)
{式中X1は同一又は異なっても良い炭素数1〜5のアルコキシ基、水酸基及びハロゲン原子のいずれかを表し、kは0又は1を表し、R1は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Y1は−NHCOO−、−NHCONH−、−S−又は−SO2−を表し、mは0又は1を表し、R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでも良いアルキレン基又は−CH2CH2N+(CH3)(Z2)CH2CH2OCH2CH2−を表し、R3及びR4は同一又は異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基を表し、Z1及びZ2は(CH2)nSO3 −、(CH2)nCO2 −及びO−を表し、nは1〜5の整数を表す。}
下記式(2)で表される官能基によって表面修飾された金属酸化物ゾルを
MOS(=O)2−R2−Si(CH3)n(−O−)3−n (2)
{式中Mは水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン又はアンモニウム(NR3 4)基(R3は同一或いは異なってもよい炭素数1〜5のアルキル基又は水素原子)、R2は炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)であり、nは0又は1を表す。}
含有することを特徴とする親水化剤。 - さらに、下記式(3)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物の活性水素と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤から誘導される化合物及び/又は下記式(4)で表される化合物の加水分解物及び/又は加水分解縮合物を
R6−X2−(CH2CH2O)p−Y2 (3)
{式中R6は炭素数1〜20のアルキル基(該アルキル基はフッ素原子、ケイ素原子、ベンゼン環及び二重結合を含んでいてもよい。)、X2は−O−、−COO−あるいは−CONH−であり、pは1〜30の整数であり、Y2は水素原子、−CH2COOHを表す。}
(X1)3−k(CH3)kSi−(R6)m X3 (4)
{式中X3は、チオール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基あるいはブロック化イソシアネート基であり、R6は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。}
含有することを特徴とする請求項1に記載の親水化剤。 - 前記式(2)のMが、銅、銀、亜鉛、白金、鉛、コバルト、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、モリブテン及びタングステンのいずれか1種以上の金属イオンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の親水化剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の親水化剤を含有することを特徴とする親水性コーティング組成物。
- 請求項4に記載の親水性コーティング組成物を硬化させた構造体。
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