JP2005089705A - スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物 - Google Patents

スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005089705A
JP2005089705A JP2003328397A JP2003328397A JP2005089705A JP 2005089705 A JP2005089705 A JP 2005089705A JP 2003328397 A JP2003328397 A JP 2003328397A JP 2003328397 A JP2003328397 A JP 2003328397A JP 2005089705 A JP2005089705 A JP 2005089705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sulfonic acid
acid group
ladder silicone
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003328397A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Tamori
功二 田守
Takeshi Mogi
武志 茂木
Takao Sone
卓男 曽根
Akira Nishikawa
昭 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2003328397A priority Critical patent/JP2005089705A/ja
Publication of JP2005089705A publication Critical patent/JP2005089705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】小さい体積抵抗とともに成膜性を満たす、シリコーン材料を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるラダーシリコーンであって、スルホン酸基を含有したものを主骨格とするスルホン酸基含有ラダーシリコーン。
【化1】
Figure 2005089705

(式中、R1は同一または異なり、水素原子、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基、トリアルキルシリル基、nは自然数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、体積抵抗が小さく、優れた成膜性を有するスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物に関する。
固体中をイオンが移動する物質は、電池をはじめとする電気化学素子を構成する材料として精力的に研究されており、現在Li+、Ag+、H+、F-など様々な伝導イオン種のイオン伝導体が見出されている。このような伝導体は、燃料電池、キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子など様々な電気化学素子への応用が期待されており、上記のような電気化学素子の電解質として体積抵抗が小さい材料(以下、小抵抗材料という。)を用いることができる。
上記のような小抵抗材料として、例えば、特許文献1において、特定のシラン化合物の混合物に、硫酸および/またはリン酸を添加し、この混合物を加水分解・縮合して得られるポリシロキサンが、高温・低湿度条件下でも、体積抵抗が小さく、しかも体積抵抗の上昇が小さく、さらに、煩雑な製膜工程および脆性の問題を回避できる柔軟な自立性の膜となることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−97272号公報
しかしながら、近年、小抵抗材料を工業製品として利用するためには、小さい体積抵抗を保ちつつ、さらにクラックのない膜を形成できる成膜性が要求されている。
本発明者らは、種々のシリコーン材料を検討した結果、特定の構造を有するシリコーン材料を用いることにより、小抵抗材料に要求される小さい体積抵抗とともに成膜性を満たすことを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で表されるラダーシリコーンであって、スルホン酸基を含有したものを主骨格とするスルホン酸基含有ラダーシリコーンが提供される。
Figure 2005089705
(式中、R1は同一または異なり、水素原子、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基、トリアルキルシリル基、nは自然数を表す。)
ここで、上記のスルホン酸基含有ラダーシリコーンは、例えば、各種の有機ポリマー、無機系ポリマー、各種の無機塩など他のポリマー及び/又は溶剤からなる成分を含んで組成物とすることができる。
また、本発明によれば、下記一般式(1)で表されるラダーシリコーン10〜90重量%と、スルホン酸基を含有するポリマー10〜90重量%とを含むスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物が提供される。
Figure 2005089705
(式中、R1は同一または異なり、水素原子、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基、トリアルキルシリル基、nは自然数を表す。)
ここで、本発明に係るスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物の体積抵抗は、10-2〜103Ω・cmであることが好ましく、10-2〜102Ω・cmであることがさらに好ましい。また、本発明に係るスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物のスルホン酸基量は、体積抵抗と成膜性のバランスの点から0.2〜5mmol/gであることが好ましく、0.2〜4mmol/gであることがさらに好ましく、0.5〜3mmol/gであることが特に好ましい。
また、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、フィルムとして用いることが好ましい。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物によれば、体積抵抗が小さく、かつ成膜性に富むという優れた効果を奏する。
以下、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物について詳細に説明する。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーンは、ラダーシリコーンであって、スルホン酸基を含有したものを主骨格とする。
本発明におけるラダーシリコーンは、下記式(1)で示すn個のシルセスキオキサン繰り返し構造を有する梯子状のポリマーである。
Figure 2005089705
(式中、R1は同一または異なり、水素原子、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基、トリアルキルシリル基、nは自然数を表す。)
一般式(1)において、R1の炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、エポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
1の置換誘導体における置換基としては、例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。一般式(1)中に複数個存在するR1は、相互に同一でも異なっていてもよい。
1としては、特にフェニル基を含むことが好ましい。フェニル基としては、非置換フェニル基でも、置換フェニル基でもよい。フェニル基の置換誘導体における置換基としては、例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。これらの置換基のうち、体積抵抗がより小さい点で、特に、スルホン酸基、リン酸基が好ましい。フェニル基の好ましい割合は、全R1の25モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上、最も好ましくは75モル%以上である。R1としてフェニル基を導入することにより、ラダーシリコーン中にフェニルシルセスキオキサン単位を含有させることができ、小抵抗材料としたときの成膜性に富み、かつ、後述のスルホン化等により小さい体積抵抗を発現することができる。
2の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などを挙げることができる。一般式(1)中に複数個存在するR2は、相互に同一でも異なっていてもよい。
2がトリアルキルシリル基の場合、主鎖末端基が不活性のエンドキャップ基により置換された状態である。主鎖末端基がエンドキャップ基により置換される割合は、例えば、1H、13Cおよび29Si−NMR測定で得られるNMR曲線の各ピーク強度から、主鎖末端基に残存する水酸基およびアルコキシ基の総数を求めることにより算出することができ、この値を高くすることにより ゲル化の発生を防ぐことができ優れた保存安定性を付与することができる。逆に、この値を低くすることにより硬化活性を高くすることができる。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーンの数平均分子量は500以上であることが好ましく、このラダーシリコーン又は組成物が溶液状のコーティング材として供給される場合は、500〜5万であることが好ましく、式(1)におけるnはこの値に対応する数値である。スルホン酸基含有ラダーシリコーンの数平均分子量が500未満ではシルセスキオキサン構造を形成することは困難であり、数平均分子量が5万を超えると溶剤への溶解性が不充分となる。なお、数平均分子量は一般的な測定法として既に広く採用されているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPCと略)法にてポリスチレンを標準物質に用いて測定される。
次に、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーンの製造方法について説明する。
本発明で用いるスルホン酸基を含有する前段階のラダーシリコーンは、原料モノマーとして好ましくはフェニルトリアルコキシシランを含むトリアルコキシシラン、または、好ましくはフェニルトリハロシランを含むトリハロシランを加水分解し、縮重合を行うことにより製造することができる。
ラダーシリコーンを製造する際に用いられるフェニルトリアルコキシシランとしては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、また、フェニルトリハロシランとしてはフェニルトリクロロシランなどが挙げられる。
その他の原料モノマーとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリブロモシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−プロピルトリブロモシラン、i−プロピルトリクロロシラン、i−プロピルトリブロモシラン、n−ブチルトリクロロシラン、n−ブチルトリブロモシラン、n−ペンチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−ヘプチルトリクロロシラン、n−オクチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリブロモシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリブロモシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリブロモシラン、3−アミノプロピルトリクロロシラン、3−アミノプロピルトリブロモシラン、2−ヒドロキシエチルトリクロロシラン、2−ヒドロキシエチルトリブロモシラン、2−ヒドロキシプロピルトリクロロシラン、2−ヒドロキシプロピルトリブロモシラン、3−ヒドロキシプロピルトリクロロシラン、3−ヒドロキシプロピルトリブロモシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリブロモシラン、3−イソシアナートプロピルトリクロロシラン、3−イソシアナートプロピルトリブロモシラン、3−グリシドキシプロピルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリブロモシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリクロロシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブロモシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリブロモシラン、3−ウレイドプロピルトリクロロシラン、3−ウレイドプロピルトリブロモシランなどのトリハロシシラン類を挙げることができる。
これらのうち、好ましくは、成膜性と化学的安定性の点でメチルトリメトキシシラン、後述するスルホン酸基の導入の容易さと化学的安定性から、ビニルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが用いられる。
ラダーシリコーンは、対応する原料モノマーの総モル量に対して好ましくは1〜8倍モルの水と、該モノマー1モルに対して好ましくは0.005〜0.05倍モルの酸触媒の存在下で加水分解、縮重合し、アルカリ中和後生成する塩を除去し、さらに必要に応じて主鎖末端をエンドキャップすることにより製造することができる。
加水分解、縮重合に際して、使用する水の量が1倍モル未満では加水分解が充分に進行せず、目的とする分子量のものが得にくく、また、8倍モルを越えると急激な発熱反応が起こり反応制御が困難になるばかりか、生成物のゲル化が起こり易くなり好ましくない。加水分解、縮重合に際して使用する酸触媒の量は、原料モノマー1モルに対して0.005〜0.05倍モルであることが好ましい。該酸触媒の量が0.005倍モル未満では、加水分解、縮重合速度が極めて緩慢となり効率的でなく、目的とする分子量のものが得にくく、また、0.05倍モルを超えると、急激な反応が起こり反応制御が困難になるばかりか、不規則な三次元的縮重合が起こり本発明の目的とする規則性の高いラダー構造物が得られないばかりでなく、生成物のゲル化が起こり易くなる。使用される酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、蓚酸などの有機酸が挙げられる。
反応条件については特に限定しないが、一般的に反応温度は通常0〜100℃であり、反応時間は1〜24時間程度である。反応をより効率良く、且つ、ラダー構造の規則性を高めるためには、最初の加水分解反応を0〜20℃の如き比較的低温で0.5〜1時間程度行い、引き続いて40〜100℃、好ましくは60〜80℃で1〜10時間反応を行うことが望ましい。
縮重合反応の停止は反応溶液をアルカリを用いて中和することにより行ない、その際生じる塩は、濾過または水洗、あるいは両方の併用により除去する。必要によっては該脱塩操作に先立ち、共存する水を充分に除去する場合は、該水と共沸性を有する溶媒、例えば、エチルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、キシレンやトルエンなどの芳香族炭化水素類などを添加して蒸留操作を施しても良い。本発明に於いて使用されるアルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属の水酸化物、n−ブチルアミン、トリエチルアミンなどの有機アミン化合物である。
引き続き、必要に応じて、上記の方法で得られたラダーシリコーンの主鎖末端の水酸基及び/またはアルコキシ基を1官能性シリル化剤を用いてシリル化反応を行うことにより、主鎖末端をエンドキャップ基に置換する。
該シリル化反応は、ラダーシリコーン溶液に以下に示すシリル化剤を添加することによって行われる。該シリル化剤としては、ハロシランを含まず、且つ加水分解に用いた過剰の水の影響を受けにくいもの、あるいはそれ自体が酸性雰囲気下で加水分解されてシリル化剤になるものでも良い。
該シリル化剤としては、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシラノール、トリフェニルシラノール、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシランなどの化合物が例示される。
本発明の好ましい態様において、トリメチルシリル化は原料であるラダーシリコーンにトリメチルシラノールを反応させることによって行うことができる。また、該ラダーシリコーンにヘキサメチルジシロキサンをシリル化剤として酸性下で反応させることも効果的である。この場合の反応条件としては、ヘキサメチルジシロキサンを所定量よりやや過剰量で用い、溶媒としては例えばエチルアルコールを少量使用し、50〜100℃の温度で1〜8時間が選ばれるが、これらの反応条件に必ずしも限定される訳ではない。
また、本発明の好ましい態様としては、前記の主鎖末端基をエンドキャップ基に置換する工程(シリル化反応)の溶媒としてトリアルコキシシランを加水分解、縮重合する際に副生するアルコール類(好ましくはメチルアルコール、エチルアルコールまたはこれらの混合物)を使用することができる。
なお、ラダーシリコーンとしては、昭和電工(株)製グラスレジンGR−650(ポリメチルシルセスキオキサン)、GR−100(メチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共縮重合物)、GR−908(メチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共縮重合物)、GR−950(ポリフェニルシルセスキオキサン)などの市販品を用いることもできる。
以上のように、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーンは、ラダーシリコーンであって、スルホン酸基を含有したものを主骨格とするものである。
ここで、「主骨格とする」とは、固体状としたときに該ラダーシリコーンが連続相として、存在することを意味する。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、前記したスルホン酸基含有ラダーシリコーンと共存する成分があっても良いが、該ラダーシリコーンが10重量%以上含まれることが好ましい。該ラダーシリコーンが10重量%未満になると、成膜性や化学的安定性が損なわれることがある。該ラダーシリコーンと共存する成分としては、後述のスルホン酸基を有するポリマー以外に、ポリオキシエチレン、フッ素ポリマーなど各種の有機ポリマー;ポリオルガノシロキサンなど各種の無機系ポリマー;タングストリン酸、モリブドリン酸、タングステンペルオキソ錯体など各種の無機塩を挙げることができる。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、小さい体積抵抗を発現するために、例えば以下の方法により、スルホン酸基を含有させたものであることが好ましい。
(I)上記した式(1)で表されるn個のシルセスキオキサン単位を含有するラダーシリコーンをスルホン化する方法(本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーンに相当する)。
(II)(A)上記した式(1)で表されるn個のシルセスキオキサン単位を含有するラダーシリコーン10〜90重量%、(B)スルホン酸基を有するポリマー10〜90重量%を共存させる方法(但し、(A)と(B)との合計が100重量%であり、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物に相当する)。
すなわち、本発明におけるスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物には、次の2種類のものがある。
(i)上記(I)に示すスルホン酸基含有ラダーシリコーンの組成物。この組成物の例としては、スルホン酸基含有ラダーシリコーンに各種有機ポリマー、無機系ポリマー又は各種の無機塩などのポリマー及び/又は溶剤、さらには他の添加材を含有するものが挙げられる。
(ii)上記(II)の(A)ラダーシリコーンと(B)スルホン酸基を有するポリマーとからなる組成物。この場合、(B)スルホン酸基を有するポリマーとしては、スルホン酸基含有ラダーシリコーンは除外される。また、この組成物には、さらに他のポリマー及び/又は溶剤、さらには他の添加材を含有することもできる。
まず、(I)のn個のシルセスキオキサン単位を含有するラダーシリコーンをスルホン化する方法は、溶媒の存在下または非存在下に、シルセスキオキサン単位を含有するラダーシリコーンへスルホン化剤を添加する方法である。この場合のスルホン化剤としては、アセチル硫酸、プロピオン酸硫酸(無水プロピオン酸と硫酸の反応物、または、プロピオン酸と無水硫酸の反応物など)、無水硫酸、無水硫酸と電子供与性化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンなど)との錯体のほか、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Na塩、K塩、Li塩など)などが使用される。なお、スルホン化を受ける基として、フェニル基以外に、ビニル基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基などが共存してもよい。
スルホン化剤の量は、ラダーシリコーン中のフェニル基のトータル1モルに対して、通常、無水硫酸換算で0.005〜10モル、好ましくは0.01〜5モルである。スルホン化剤の量が0.005モル未満では、充分に小さい体積抵抗とするスルホン化率のものが得られず、一方、10モルを超えると、精製の工程が煩雑になるか、純度が低下する。
このスルホン化の際には、無水硫酸などのスルホン化剤に不活性な溶媒を使用することもでき、この溶媒としては、例えばクロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イオウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤が挙げられる。これらの溶媒は、適宜、2種以上混合して使用することができる。このスルホン化の反応温度は、通常、−70〜200℃、好ましくは−30〜80℃であり、−70℃未満ではスルホン化反応が遅くなり経済的でなく、一方200℃を超えると副反応を起こし、生成物が不溶化する場合がある。また、スルホン化後に、不溶化溶媒の混合による再沈、溶媒抽出、デカンテーションなどの方法により精製することが好ましい。
この方法によって導入されるスルホン酸基の量は最大で5mmol/g(ポリマー1g当たり5mmol)程度であり、スルホン酸基の量は多いほど体積抵抗は小さくなるが、成膜性など他の性能とのバランスから、好ましいスルホン酸基の量は、0.2〜4mmol/g、さらに好ましいスルホン酸基の量は、0.5〜3mmol/gである。
次に、(II)の(A)式(1)で表されるn個のシルセスキオキサン単位を含有するラダーシリコーン10〜90重量%、(B)スルホン酸基を有するポリマー10〜90重量%を共存させる方法を説明する。ここで、(B)のスルホン酸基を有するポリマーとしては、特に制限はなく、例えば、ポリブタジエンのスルホン化物、ポリイソプレンのスルホン化物など共役ジエン(共)重合体のスルホン化物;ポリスチレンのスルホン化物、スチレン・ブタジエン共重合体のスルホン化物、水添スチレン・ブタジエン共重合体のスルホン化物、スチレン・マレイン酸共重合体のスルホン化物、スチレン・アクリル酸共重合体のスルホン化物、アセトフェノン系ケトン樹脂のスルホン化物、芳香族ポリイミド樹脂のスルホン化物、ポリエーテルサルホン樹脂のスルホン化物など芳香族系(共)重合体のスルホン化物;イソプレンスルホン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などスルホン酸基含有モノマーの(共)重合体;デュポン社製NAFIONに代表されるスルホン酸基を有するフッ素系ポリマーが挙げられる。
(B)スルホン酸基を有するポリマーは、10〜90重量%を共存させることが好ましく、20〜80重量%を共存させることがさらに好ましい。スルホン酸基を有するポリマーが10重量%未満では、スルホン酸基を有しないラダーシリコーンを用いた場合、体積抵抗が大きくなり、一方90重量%を超えるとラダーシリコーンに基づく成膜性、化学的安定性が不足する。
(B)スルホン酸基を有するポリマーの分子量は、好ましくは2000以上であり、溶液の場合には、好ましくは2000〜5万である。
(B)スルホン酸基を有するポリマーのスルホン酸基の量が多いほど、同じスルホン酸基量を有する組成物を得るのに必要なラダーシリコーン量を多くすることができるため、ラダーシリコーンに基づく成膜性や高温安定性が発現しやすいという利点がある。(B)スルホン酸基を有するポリマーのスルホン酸基の量は、好ましくは、1mmol/g以上、さらに好ましくは2mmol/g以上、最も好ましくは3mmol/g以上である。
この方法によって組成物に含有されるスルホン酸基の量は多いほど組成物の体積抵抗は小さくなるが、成膜性など他の性能とのバランスから、好ましいスルホン酸基の量は、0.2〜4mmol/g、さらに好ましいスルホン酸基の量は、0.5〜3mmol/gである。
この(II)の場合において、「(B)スルホン酸基を有するポリマー」とは、スルホン酸基がポリマー中に固定された状態で存在することを意味する。
上記(I)(II)の方法を組み合わせても良い。
本発明に係るスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物はフィルムなどの固体状、または、溶液、分散体などの液体状を呈する。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物で固体状の材料は、上記ラダーシリコーン(混合物)の溶液から溶媒を揮発させること、上記ラダーシリコーンの分散体から分散媒を揮発させるなどの方法により得られる。
また、ラダーシリコーン及び組成物で液体状の材料は、上記ラダーシリコーン(混合物)の溶液、分散体として得られる。この場合の溶媒、分散媒としては、ラダーシリコーンが溶解、または、分散する限り制限はないが、好ましくは、水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどケトン系溶剤;酢酸エチル、乳酸エチルなどエステル系溶剤;テトラヒドロフランなど複素環系有機溶剤;ジメチルスルホオキシドなど含硫黄系有機溶剤が挙げられる。
ラダーシリコーン及び組成物で液体状の材料は、適宜、硬化剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤などを添加しても良い。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、コーティング材、特に電池セパレーター用不織布のコーティング材やバインダー樹脂、高分子固体電解質膜などの種々用途に適用可能である。また、種々用途に適用する際、物性等を改良するために、他のポリマーを併用することもできる。
また、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、キャストフィルム成形などの成形法を用いて精度の良いフィルムを得ることができ、例えば、イオン交換膜などに好適に用いることができる。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、通常、単品あるいは各種添加物を加えた配合物として使用される。コーティング材として使用する場合、コーティング方法には特に制限なく、刷毛塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、バーコーター、ディップコーターなどを使用することができる。塗布膜厚は、用途によって異なるが、乾燥膜厚で、通常、0.01〜1,000μm、好ましくは0.05〜500μmである。
また、使用される基材には特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの高分子材料、アルミニウム、銅、ジュラルミンなどの非鉄金属、ステンレス、鉄などの鋼板、ガラス、木材、紙、石膏、アルミナ、無機質硬化体などが挙げられる。基材の形状に特に制限はなく、平面状のものから不織布などの多孔質材料などにも使用できる。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、乾燥膜として燃料電池などの高分子固体電解質や、基材表面の改質剤として使用できる。例えば、疎水性表面にコーティングすることにより、親水性、吸湿性の発現あるいはその維持が可能となる。また、静電気などによる汚れ、埃付着防止が可能である。さらに、不織布などの多孔質材料にコーティングした場合には、例えば空気中あるいは水中に存在するアンモニア、アミンなどの弱塩基、またはイオン性物質の捕捉作用を示す。また、電池用セパレータの表面をコーティング処理することにより、電池用電解質との親和性が向上し、自己放電特性など電池特性の向上に繋がるといった効果も期待できる。加えて、前記の各種粒子を高度に分散させることも特徴の一つであり、粒子が持つ機能性を十分発揮できるという特徴もある。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。また、実施例における各種の評価、測定は、下記方法により実施した。
(スルホン酸基量の測定)
得られたスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物の溶液について、フェノールフタレインを指示薬、水酸化カリウムエタノール溶液を塩基とした酸塩基滴定でスルホン酸基量を測定した。
(成膜性の測定)
スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物の溶液を、乾燥後の膜厚が0.2mmとなるように4フッ化エチレン重合体(登録商標:テフロン)製の枠に流し、25℃にて24hr放置して溶剤を揮発させた。乾燥後の塗膜(フィルム)のクラックを目視にて観察し、○〜×の3段階で成膜性を判定した。
(成膜性の判定)
○……クラックが無い。
△……フィルムの端にクラックが見られる。
×……フィルムの全面にクラックが見られる。
(体積抵抗の測定)
上記の方法により作成したフィルムを150℃×1hr焼成後、温度25℃、相対湿度60%にて24hr養生した。その後、該フィルムを白金箔を付けた2つの4フッ化エチレン重合体(登録商標:テフロン)製ブロック間に挟み、四隅を止めて測定セルを作成した。この際、膜に対して垂直方向から見たときに、各白金箔間の間隔が0.5cmとなるように調整した。本セルの白金電極部分に、インピーダンスメーターを接続し、両白金電極間の交流インピーダンスを周波数60Hzにて測定して該フィルムの体積抵抗を算出した。
実施例1
(ラダーシリコーンのスルホン化)
1L(リットル)の還流管付きセパラブルフラスコにラダーシリコーン〔ポリフェニルシルセスキオキサン:グラスレジンGR950(昭和電工(株)製)〕15g、1,2−ジ
クロロエタン300gを投入後、攪拌して十分に溶解させた。その後、オイルバスを用いて50℃まで昇温し、無水プロピオン酸(和光純薬(株)製)12g、濃硫酸(和光純薬
(株)製)6gを順次添加した。50℃にて1hr反応させた後、イソプロピルアルコール(和光純薬(株)製)3gを添加して、冷却を行った。
(スルホン化ラダーシリコーンの精製)
得られたスルホン化ラダーシリコーン溶液を分液ロートに移し、ジエチルエーテル200gを添加した後、500gの蒸留水にて5回洗浄を行った。洗浄後の溶液を真空乾燥して得られたポリマーに150gのテトラヒドロフラン(和光純薬(株)製)を加え十分に溶解した後、1000gのn−ヘキサン(和光純薬(株)製)中に投入してスルホン化ラダーシリコーン樹脂を得た。得られた樹脂を再びテトラヒドロフランに溶解し、所定濃度に調整することで、スルホン酸基含有ラダーシリコーン溶液を得た。
実施例2
ラダーシリコーンとしてグラスレジンGR100(メチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共縮重合物、昭和電工(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の操
作を行って、スルホン酸基含有ラダーシリコーン溶液を得た。
実施例3
1Lの還流管つきセパラブルフラスコにメタノール225g、メトキシエチルアクリレート90g、ヒドロキシエチルアクリレート15g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸45g、さらに水7.5gを加え、十分に攪拌し溶解させた。温水バスを用いて昇温を開始し、反応液温度が55℃となったときにアゾビスイソブチロニトリル0.75gを投入し、重合を開始した。60℃にて7hr重合反応を行い、(B)スルホン酸基含有ポリマーの溶液を得た。25℃まで冷却後、メタノール180gおよび(A)ラダーシリコーンGR950を45g加えた(このときの(A)ラダーシリコーンと(B)スルホン酸基含有ポリマーの重量比率は(A)/(B)=25/75である)。本混合物を攪拌し、均一に溶解させることで、スルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物溶液を得た。
実施例4
(A)ラダーシリコーンとして、GR950の代わりに、GR100を用いた以外は実施例3と同様の操作を行って、スルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物溶液を得た。
比較例1
メタノール160gにラダーシリコーンGR950を40g加えて、スルホン酸基を含有しないラダーシリコーン溶液を得た。
比較例2
(A)ラダーシリコーンと(B)スルホン酸基含有ポリマーの重量比率を(A)/(B)=95/5とした以外は実施例3と同様の操作を行って、スルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物溶液を得た。
比較例3
(A)ラダーシリコーンGR950の代わりに、メチルシルセスキオキサンオリゴマー〔X40−9220(信越化学工業(株)製)〕を用いた以外は実施例3と同様の操作を行
って、スルホン酸基含有シリコーン材料溶液を得た。
実施例1〜4、比較例1〜3により作成したシリコーン材料の特性を表1に示した。
Figure 2005089705
表1の結果からわかるように、実施例1〜4においてはスルホン酸基含有ラダーシリコーン又は組成物中に十分な量のラダーシリコーンおよびスルホン酸基が存在するため、成膜性および体積抵抗のバランスが良好であった。
比較例1ではスルホン酸基が含有されていないため、体積抵抗が高い結果となった。
比較例2ではスルホン酸基量が不足しているため、体積抵抗が高い結果となった。
比較例3ではシリコーンがラダーシリコーンでないため、成膜性が著しく低下する結果となった。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、コーティング材、特に電池セパレーター用不織布のコーティング材やバインダー樹脂、高分子固体電解質膜などの種々用途に適用可能である。また、フィルムにも適用でき、例えば、イオン交換膜などに好適に用いることができる。
また、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、乾燥膜として燃料電池などの高分子固体電解質や、基材表面の改質剤として使用できる。
本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、さらに種々用途に適用可能である。多孔質材料などに適用した場合には、例えば繊維用カチオン染色助剤、吸水性不織布、防汚材料、イオン交換繊維、電池用セパレータ親水化処理剤、アンモニア、イオン性物質などを除去するための空気清浄フィルター、水清浄フィルターなどのフィルター用途、白血球除去用フィルター、花粉症アレルゲン除去材料、水蒸気透過材料、抗菌材料、消臭繊維、消臭塗料、消臭性紙、防曇材、結露防止材料などの調湿材料、帯電防止材料、防食材料、酸素吸収剤、衛生用品、活性炭の表面改質などが挙げられる。また、フロアポリッシュ用、マスキング材、紙用サイズ材、紙力増強材、接着剤、ハロゲン化銀写真感光材料などの写真材料などへの応用も可能である。
さらに、本発明のスルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物は、各種機能性粒子を組み合わせることにより、種々用途に適用可能である。例えば、一般塗料、回路基板用塗料、導電性材料、固体電解質のバインダー、あるいは電極物質用バインダーなどの電池材料、電磁波シールド材料、帯電防止塗料、面状発熱体、電気化学的反応電極版、電気接点材料、摩擦材、抗菌材料、摺動材、研磨材料、磁気記録媒体、感熱記録材料、エレクトロクロミック材料、光拡散フィルム、通信ケーブル用遮水材、遮光フィルム、遮音シート、プラスチック磁石、X線増感スクリーン、印刷インキ、農薬粒剤、電子写真トナーなどが挙げられる。また、表面保護用のコーティング材として、例えばステンレス、アルミニウム、銅などの金属、コンクリート、スレートなどの無機物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどの高分子材料、木材、紙への応用も可能である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるラダーシリコーンであって、スルホン酸基を含有したものを主骨格とするスルホン酸基含有ラダーシリコーン。
    Figure 2005089705
    (式中、R1は同一または異なり、水素原子、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基、トリアルキルシリル基、nは自然数を表す。)
  2. 体積抵抗が、10-2〜103Ω・cmである請求項1に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーン。
  3. スルホン酸基量が、0.2〜5mmol/gである請求項1又は2に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーン。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーンと、ポリマー及び/又は溶剤からなる成分とを含む組成物。
  5. 下記一般式(1)で表されるラダーシリコーン10〜90重量%と、スルホン酸基を含有するポリマー10〜90重量%とを含むスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物。
    Figure 2005089705
    (式中、R1は同一または異なり、水素原子、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基、トリアルキルシリル基、nは自然数を表す。)
  6. 体積抵抗が、10-2〜103Ω・cmである請求項5に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物。
  7. スルホン酸基量が、0.2〜5mmol/gである請求項5又は6に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーンから成るフィルム。
  9. 請求項4〜7のいずれか一項に記載のスルホン酸基含有ラダーシリコーン組成物から成るフィルム。
JP2003328397A 2003-09-19 2003-09-19 スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物 Pending JP2005089705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003328397A JP2005089705A (ja) 2003-09-19 2003-09-19 スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003328397A JP2005089705A (ja) 2003-09-19 2003-09-19 スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005089705A true JP2005089705A (ja) 2005-04-07

Family

ID=34457984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003328397A Pending JP2005089705A (ja) 2003-09-19 2003-09-19 スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005089705A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204857A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Japan Atomic Energy Agency アルキルグラフト鎖からなる高分子電解質膜、及び、その製造方法
US7893119B2 (en) 2006-02-14 2011-02-22 Samsung Sdi Co., Ltd. Polymer electrolyte membrane, method of preparing the same and fuel cell including the same
US7935381B2 (en) 2005-08-12 2011-05-03 GM Global Technology Operations LLC Hydrophilic coating for fuel cell bipolar plate and methods of making the same
JP2011517711A (ja) * 2008-03-19 2011-06-16 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク 超伝導の電解ハイブリッド材料及びその製造方法、使用方法
JP2014026787A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Kri Inc 電池用セパレータ及びその製造方法並びにリチウムイオン二次電池
JP2014025157A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Kri Inc ポリシルセスキオキサン系不織布及びその製造方法、電池用セパレータ並びにリチウム二次電池
US8735022B2 (en) 2005-08-12 2014-05-27 GM Global Technology Operations LLC Fuel cell component with coating including nanoparticles
KR20150121666A (ko) * 2014-04-18 2015-10-29 (주)휴넷플러스 폴리실세스퀴옥산 공중합체 및 이를 포함하는 감광성 수지 조성물
KR101611935B1 (ko) * 2014-04-23 2016-04-12 (주)휴넷플러스 투명 플라스틱 기판용 수지 조성물

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9029046B2 (en) 2005-02-28 2015-05-12 GM Global Technology Operations LLC Hydrophilic coating for fuel cell bipolar plate and methods of making the same
US7935381B2 (en) 2005-08-12 2011-05-03 GM Global Technology Operations LLC Hydrophilic coating for fuel cell bipolar plate and methods of making the same
US8735022B2 (en) 2005-08-12 2014-05-27 GM Global Technology Operations LLC Fuel cell component with coating including nanoparticles
US7893119B2 (en) 2006-02-14 2011-02-22 Samsung Sdi Co., Ltd. Polymer electrolyte membrane, method of preparing the same and fuel cell including the same
JP2008204857A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Japan Atomic Energy Agency アルキルグラフト鎖からなる高分子電解質膜、及び、その製造方法
JP2011517711A (ja) * 2008-03-19 2011-06-16 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク 超伝導の電解ハイブリッド材料及びその製造方法、使用方法
JP2014026787A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Kri Inc 電池用セパレータ及びその製造方法並びにリチウムイオン二次電池
JP2014025157A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Kri Inc ポリシルセスキオキサン系不織布及びその製造方法、電池用セパレータ並びにリチウム二次電池
KR20150121666A (ko) * 2014-04-18 2015-10-29 (주)휴넷플러스 폴리실세스퀴옥산 공중합체 및 이를 포함하는 감광성 수지 조성물
KR101580898B1 (ko) * 2014-04-18 2015-12-31 (주)휴넷플러스 폴리실세스퀴옥산 공중합체 및 이를 포함하는 감광성 수지 조성물
KR101611935B1 (ko) * 2014-04-23 2016-04-12 (주)휴넷플러스 투명 플라스틱 기판용 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bourgeat-Lami et al. Synthesis and characterization of SiOH-functionalized polymer latexes using methacryloxy propyl trimethoxysilane in emulsion polymerization
JP5644252B2 (ja) 燃料電池用固体電解質膜およびその製造方法
KR101132049B1 (ko) 전자 부품용의 수성 코팅제
JPWO2011142130A1 (ja) 修飾金属酸化物ゾル
JP2005089705A (ja) スルホン酸基含有ラダーシリコーン及び組成物
KR100677782B1 (ko) 절연막 형성용 재료의 제조 방법
TW201842094A (zh) 親水性組合物及親水性構造體
TWI805569B (zh) 撥水結構體及其製造方法
KR20020068268A (ko) 중합체 조성물, 경화 제품, 적층물 및 경화 제품의 제조방법
CN102399372B (zh) 硅氧烷树脂组合物的固化覆膜形成方法
JP2006335925A (ja) スルホン酸基含有ポリマー、及びその製造方法、並びにポリマー組成物
JP2005023318A (ja) シロキサン系樹脂及びこれを用いた半導体層間絶縁膜
TWI764989B (zh) 親水性構造體及親水性構造體的製造方法
JP2018062500A (ja) スルホベタイン系ケイ素系化合物及びその製造方法
JPH11310411A (ja) 有機−無機複合体および多孔質ケイ素酸化物の製造方法
TWI793102B (zh) 撥水性粒子及其製造方法、撥水層及浸透防止結構體
JP6491910B2 (ja) 透明導電性シート及びその製造方法
JP2006282725A (ja) ケイ素含有新規光学活性化合物
JP4244782B2 (ja) スルホン酸基含有水系分散体
JP2012009796A (ja) メタクリロキシ基もしくはアクリロキシ基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを含む半導体絶縁膜用組成物
JP2005120198A (ja) 親水性重合体組成物
JP2019070071A (ja) 硬化性組成物及びその利用
KR102684821B1 (ko) 대전 방지 재료, 그의 제조 방법 및 대전 방지막
JP4562978B2 (ja) 固体電解質
JP2021098834A (ja) 親水化剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080701