JP5337971B2 - 防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 - Google Patents
防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5337971B2 JP5337971B2 JP2009084243A JP2009084243A JP5337971B2 JP 5337971 B2 JP5337971 B2 JP 5337971B2 JP 2009084243 A JP2009084243 A JP 2009084243A JP 2009084243 A JP2009084243 A JP 2009084243A JP 5337971 B2 JP5337971 B2 JP 5337971B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- film
- antibacterial
- antifouling
- bond
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- YDCBAUVTRSCXFI-UHFFFAOYSA-N Cc1nc(S)nc(S)n1 Chemical compound Cc1nc(S)nc(S)n1 YDCBAUVTRSCXFI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Description
また、特許文献1〜4のいずれにおいても、抗菌防黴効果と防汚性を兼ね備えるための手段及び方法については何ら記載されていない。
また、チオレート結合を形成する結合基としては、取り扱いやすいチオール基又はトリアジンジチオール基等が挙げられる。
更にまた、「抗菌防黴性の金属原子、イオン又は金属微粒子」とは、細菌類及び真菌類(カビ)等の微生物の膜タンパク質及び酵素等の表面や活性中心等に存在するチオール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等の極性基と結合して変性や失活を引き起こし、それらの機能を阻害することや、細胞内に到達して酵素を失活させること等により、これらの微生物の増殖又は生存を防止することのできる任意の金属原子、イオン又は金属微粒子をいう。
アルコキシシリル基及びハロシリル基は、ヒドロキシル基等の活性水素基を有する、金属、セラミックス、樹脂、繊維等からなる種々の基材の表面との縮合反応により共有結合を形成することができる。また、チオール基及びスルフィド基は、金等の貴金属或いは遷移金属からなる基材の表面に共有結合を形成することができる。
このようにすることにより、表面結合基と結合基とをそれぞれ分子の両端に有する膜化合物よりも入手が容易で安価な原料を用いて防汚性抗菌防黴被膜を製造することができると共に、表面結合基と結合基との反応による歩留りの低下等の弊害を回避することができる。
アルコキシシリル基及びハロシリル基は、ヒドロキシル基等の活性水素基を有する、金属、セラミックス、樹脂、繊維等からなる種々の基材の表面との縮合反応により共有結合を形成することができる。また、チオール基及びスルフィド基は、金等の貴金属或いは遷移金属からなる基材の表面に共有結合を形成することができる。
これらの金属原子、イオン又は金属微粒子は、高い抗菌防黴性を有すると共に、基材表面に強固に結合されているため、人体や環境に有害な影響をほとんど及ぼすことがない。したがって、防汚性抗菌防黴被膜は、安全性の高い抗菌防黴膜として用いることが可能である。
これらの材料は、いずれも人体に接触することの多い物品に用いられるものであり、特に、建築物、自動車、船舶、航空機、及び列車については、公共の場で多くの人が触れる機会が多い。したがって、防汚性、抗菌防黴性と安全性との両立が強く求められており、本発明を好適に適用することができる。
以下、各工程について説明する。
(1)基材
基材11としては、アルコキシシリル基と縮合反応し、共有結合を形成することができる活性水素基を表面に有する任意の材質のものを用いることができる。なお、図2では活性水素基の一例としてヒドロキシル基を有する場合を図示しているが、アミノ基、チオール基(メルカプト基)、スルフィド基、カルボキシル基等であってもよい。基質11の材質としては、ガラス、セラミックス、ほうろう等の無機酸化物、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属、樹脂、繊維、布帛等の有機材料が挙げられる。有機材料を用いる場合、ヒドロキシル基を有するセルロース等についてはそのまま用いることもできるが、濃硝酸等による酸処理及びコロナ放電処理等により表面を極微量酸化して活性水素基を形成させてもよく、或いはプラズマ処理等により活性水素基を有する分子をグラフトさせてもよい。
フッ化炭素基を含むアルコキシシラン化合物としては、下記の一般式(化1)で表されるアルコキシシラン化合物が挙げられる。
また、Yは、(CH2)k(kは1〜3の整数を表す)及び単結合のいずれかを表し、Zは、O(エーテル酸素)、COO、Si(CH3)2、及び単結合のいずれかを表す。
(2) CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(3) CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(4) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(5) CF3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(6) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(7) CF3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(8) CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15Si(OC2H5)3
(9) CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(10) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(11) CF3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(12) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3
(22) HSCH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(23) HSCH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(24) TrNH(CH2)2Si(OCH3)3
(25) TrNH(CH2)4Si(OCH3)3
(26) TrNH(CH2)6Si(OCH3)3
(27) HSCH2O(CH2)3Si(OC2H5)3
(28) HSCH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(29) HSCH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(30) TrNH(CH2)2Si(OC2H5)3
(31) TrNH(CH2)4Si(OC2H5)3
(32) TrNH(CH2)6Si(OC2H5)3
(33) HS(CH2)10Si(OCH3)3
(34) HS(CH2)10Si(OC2H5)3
前記2つのアルコキシシラン化合物を含む溶液を基材11の表面に塗布し、室温の空気中で反応させると、アルコキシシリル基と基材11の表面のヒドロキシル基とが縮合反応を起こし、図2及び下記の化4で示されるような膜物質からなる混合単分子膜12が形成される。
また、酸素原子から延びた3本の単結合は基材11の表面又は隣接するシラン化合物のケイ素(Si)原子と結合しており、そのうち少なくとも1本は基材11の表面の酸素原子と結合している。
フッ化炭素基を有するアルコキシシラン化合物及びチオール基を有するアルコキシシラン化合物のモル比は特に制限されず、基材11の種類及び用途、必要とされる防汚性と抗菌防黴性との兼ね合い、並びに用いられる膜化合物の種類等に応じて適宜選択することができる。なお、フッ化炭素基を含む薬剤の添加量が0に近くなれば、当然防汚性はなくなる。
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルキレートの具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、室温における縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の場合と同様の化合物を単独でまたは2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
フッ化炭素基及びチオール基を有する混合単分子膜12上のチオール基と銅微粒子13の反応は、有機溶媒(例えば、アルコール)に分散した銅微粒子13を接触させ、加熱することによって行うことができる。
本発明に係る防汚性抗菌防黴被膜10が表面に形成された製品としては、表面にヒドロキシル基等の活性水素基を有する任意の物品又は物品の部品、部材又はその一部等が挙げられる。製品の具体例としては、以下に示すようなものが挙げられる。なお、これらは単なる例示であり、これらに限定されるものでない。
包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジューサーの刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッチキスの刃、缶切りの刃、又は手術用メス等。
鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、注射針、手術用針、又は安全ピン等。
陶磁器製、ガラス製、セラミックス製又はほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗面器、ほうろう製鍋、各種コンクリート製品。
手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡等。
プレス成形用金型、注型成形用金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダイ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カレンダー加工用ロール等。
腕時計、メガネフレームや真珠、真珠、ルビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤモンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジスト、カメオ、オパール、水晶、ガラス等の宝石、更に白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、スズ或いはそれらの合金やステンレス製の指輪、腕輪、ブローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス等の貴金属装飾製品等。
ケーキ焼成用型、クッキー焼成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿等。
鍋、釜、やかん、ポット、フライパン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ焼きプレート、流し台等。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、チオール樹脂、ポリウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェンレンオキサイド等
テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機の羽根、照明器具、文字盤、ヘアドライヤー、電話機、ファクシミリ、携帯電話、パーソナルコンピュータ及び周辺機器(例えば、キーボード、マウス)等。
スキー、釣竿、棒高跳び用のポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボード、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、釣り浮き等。
(1)ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネル、内装部品、オートバイのプロテクター、(2)セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンドル(3)FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジンカバー、(4)フェノール樹脂:ブレーキ(5)ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャブレター部品(6)ポリアミド:ラジエータファン(7)ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、リレーハウジング(8)ポリブチレンテレフタレート(PBT):リヤエンド、フロントフェンダ(9)ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム(10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器板とカバー、センターマーク(11)ポリプロピレン:バンパー(12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホイールキャップ(13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストルメントパネル、ファン(14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒーターハウジング、計器板
万年筆、ボールペン、シャ−プペンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、電話台、物差し、製図用具等。
屋根材、外壁材、内装材。屋根材として窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)等。外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コンクリート、ケイカル板、窯業系サイジング、金属系サイジング、レンガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料等。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維等。
花コウ岩、大理石、みかげ石等。例えば、建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念碑、門柱、石垣、歩道の敷石等。
打楽器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器等の楽器、及びマイクロホン、スピーカ等の音響機器等。具体的には、ドラム、シンバル等の打楽器、バイオリン、チェロ、ギター、琴等の弦楽器、ピアノ等の鍵盤楽器、フルート、クラリネット、尺八等の木管楽器、ホルン、トランペット等の金管楽器、及びマイクロホン、スピーカ、イヤホーン等の音響機器。
いわゆるアパレル製品であり、一般の天然繊維製品、化学繊維、合成繊維製品、毛皮製品、皮革製品、紙製品も含む。具体的には、衣類、帽子、ネクタイ、靴、鞄、傘、レインコート、スポーツ衣類、壁用クロス、カーテン、ジュータン、家具、乗り物の内装、シート類、生理用品、紙おしめ、寝具、シーツ、漁網等。
実施例1:防汚性抗菌防黴被膜の形成
(1)フッ化炭素基及びチオール基を有する混合単分子膜の形成
基材として用いたガラス基板をクロロホルム、アセトン、及びエタノール中で順次超音波洗浄した。次いで、有機溶媒により洗浄を行なったガラス基板にエキシマ光洗浄処理を行なった。このようにして洗浄したガラス基板を、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(化5)及びω−チオールデシルトリメトキシシラン(化6)(TDTS)(分子組成比1:1)のトルエン溶液(それぞれの濃度は、0.01mol/L)に2時間浸漬した。その後、ガラス基板を引き上げた後、トルエンですすぎ洗いし大気中で24時間放置した。
前述のフッ化炭素基及びチオール基を混合した状態で含む混合単分子膜を形成したガラス基板を、サイズがおよそ10nm程度の銅(Cu)ナノ粒子を1g/L程度で分散したエタノール溶液中に50℃で1時間程度浸漬して、チオール基と銅ナノ粒子を反応固定した。
その後、基板を引き上げた後、水洗乾燥することにより、銅ナノ粒子がチオレート結合を介して単層状でガラス基板表面に結合した防汚性抗菌防黴被膜を得た。
(1)水滴接触角の測定
防汚性の目安となる水滴接触角の評価は、自動接触角計CA−VP型(協和界面科学株式会社)により行った。水滴の滴下量は、3μLで固定し、各サンプルにつき5点測定しその平均値と標準偏差により評価した。エキシマ光洗浄処理後のガラス基板、銅微粒子を固定した単分子膜を形成したガラス基板のそれぞれについて接触角を測定した。
これに対して、実施例1に置いて、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランを除いた被膜では、防汚性の目安となる水滴接触角は、15度以下であった。これは、表面が酸化したCuの凸凹により、親水性が増大したためと考えられる。
すなわち、フッ化炭素基を含まない抗菌被膜では、防汚性は全くないことが確認された。
まず、使用する寒天培地(標準寒天培地、日水製薬株式会社)、及びシャーレをアルミホイルで包み、高温蒸気滅菌器(三洋電機メディカ MLS−3750)にて121℃で15分間滅菌を行なった。次に、寒天培地を作製したシャーレ上に大腸菌(NBRC3301 Escherichia coli)を殖菌し、インキュベータ(三洋電機メディカ MCO−17ALC)内にて、37℃で30分間培養を行なった。次に、大腸菌が繁殖した寒天培地上に、抗菌防黴処理群として防汚性抗菌防黴被膜を形成したガラス基板と、対照群として未処理のガラス基板とをそれぞれ置いて、再びインキュベータ内で培養を行なった。培養は9日間行い、その期間中(培養開始から2日、8日、及び9日経過後)に抗菌防黴処理群及び対照群について、培地表面の大腸菌の生育状況を目視にて確認し、その経時変化より抗菌効果を測定した。目視確認は、ガラス基板を取り除いた状態で行った。
なお、この試験後でも、水滴接触角は、全く変化がなかった。
11:基材
12:フッ化炭素基を有する膜物質とチオール基を有する膜物質との混合単分子膜
13:銅(Cu)微粒子
Claims (10)
- 基材の表面に化学結合した膜物質が形成する防汚性の単分子膜と,該被膜との結合を介して前記基材の表面に固定された抗菌防黴性の金属原子、イオン又は金属微粒子とを有する防汚性抗菌防黴被膜であって、
前記単分子膜は、分子の一端にフッ化炭素基を、他端に前記基材の表面と反応して結合を形成する第1の表面結合基を有する第1の膜化合物と、分子の一端に金属原子、イオン又は金属微粒子とチオレート結合を形成する結合基を、他端に前記基材の表面と反応して結合を形成する第2の表面結合基を有する第2の膜化合物とが分子レベルで混合された状態で前記基材の表面と反応し、前記表面結合基と前記基材の表面との反応により形成された化学結合を介して前記基材の表面に化学結合した混合単分子膜であり、
前記金属原子、イオン又は金属微粒子は、前記結合基との間に形成されるチオレート結合を介して固定されていることを特徴とする防汚性抗菌防黴被膜。 - 前記第1及び第2の表面結合基が、アルコキシシリル基、ハロシリル基、チオール基、スルフィド基、及びカルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の防汚性抗菌防黴被膜。
- 前記金属原子、イオン又は金属微粒子が、Ag、Cu、Zn及びSnのいずれかの金属原子、イオン又は金属微粒子であることを特徴とする請求項1及び2のいずれか1項記載の防汚性抗菌防黴被膜。
- 前記基材が、建築物、自動車、船舶、航空機、列車、アパレル製品、宝飾品、及び装飾品のいずれかに使用される材料であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の防汚性抗菌防黴被膜。
- 分子の一端に基材の表面と結合を形成する第1の表面結合基を、他端にフッ化炭素基をそれぞれ有する第1の膜化合物、及び分子の一端に基材の表面と結合を形成する第2の表面結合基を、他端に第1の反応性基をそれぞれ有する第3の膜化合物を該基材の表面に接触させて、該第1及び第2の表面結合基と前記基材の表面との反応により形成された化学結合を介して前記基材の表面に結合した前記第1及び第3の膜物質の混合単分子膜を形成する工程Cと、前記第1の反応性基と結合を形成する第2の反応性基及び金属原子、イオン又は金属微粒子とチオレート結合を形成する結合基をそれぞれ有する分子を、前記第1及び第2の反応性基の反応により形成される結合を介して前記第3の膜物質に結合させ、前記第1及び第2の膜物質の混合単分子膜に変換する工程Dとからなり、分子の一端にフッ化炭素基を有する第1の膜物質、及び分子の一端に金属原子、イオン又は金属微粒子とチオレート結合を形成する結合基を有する第2の膜物質の混合単分子膜を基材の表面に形成する工程Aと、
抗菌防黴性の金属原子、イオン又は金属微粒子と前記結合基との間で形成されるチオレート結合を介して、前記金属原子、イオン又は金属微粒子を前記混合単分子膜の表面に固定する工程Bとを有することを特徴とする防汚性抗菌防黴被膜の製造方法。 - 前記第1及び第2の表面結合基が、アルコキシシリル基、ハロシリル基、チオール基、スルフィド基、及びカルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の防汚性抗菌防黴被膜の製造方法。
- 前記金属原子、イオン又は金属微粒子が、Ag、Cu、Zn及びSnのいずれかの金属原子、イオン又は金属微粒子であることを特徴とする請求項5又は6記載の防汚性抗菌防黴被膜の製造方法。
- 前記基材が、建築物、自動車、船舶、航空機、列車、アパレル製品、宝飾品、及び装飾品のいずれかに使用される材料であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の防汚性抗菌防黴被膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の防汚性抗菌防黴被膜が表面に形成されていることを特徴とする製品。
- 建築物、自動車、船舶、航空機、列車、アパレル製品、宝飾品、及び装飾品のいずれかであることを特徴とする請求項9記載の製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009084243A JP5337971B2 (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009084243A JP5337971B2 (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010235494A JP2010235494A (ja) | 2010-10-21 |
JP5337971B2 true JP5337971B2 (ja) | 2013-11-06 |
Family
ID=43090183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009084243A Expired - Fee Related JP5337971B2 (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5337971B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102326080B1 (ko) | 2018-05-08 | 2021-11-11 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 리튬 금속 이차 전지용 케이스, 이를 포함하는 리튬 금속 이차 전지 및 이의 제조 방법 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3468305B2 (ja) * | 1993-04-30 | 2003-11-17 | 松下電器産業株式会社 | 抗菌性薄膜およびその製造方法 |
JPH0797302A (ja) * | 1993-09-29 | 1995-04-11 | Tokuyama Corp | 抗菌剤組成物 |
JPH09208411A (ja) * | 1996-01-29 | 1997-08-12 | Mitsubishi Materials Corp | 抗菌防かび剤 |
JP2000351938A (ja) * | 1999-06-11 | 2000-12-19 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 撥水膜被覆物品を製造する方法および撥水膜被覆用液組成物 |
DE10054248A1 (de) * | 2000-11-02 | 2002-05-08 | Inst Neue Mat Gemein Gmbh | Mikrobizid beschichteter Gegenstand, Verfahren zu dessen Herstellung und dessen Verwendung |
JP3683524B2 (ja) * | 2001-03-14 | 2005-08-17 | リンナイ株式会社 | フルオロアルキル基を有する架橋ポリシロキサンおよびその製造方法 |
JP4285730B2 (ja) * | 2003-05-27 | 2009-06-24 | 藤倉ゴム工業株式会社 | 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法 |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009084243A patent/JP5337971B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010235494A (ja) | 2010-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR960006088B1 (ko) | 흡착단분자막 및 그 제조방법 | |
KR960015626B1 (ko) | 방오성 흡착막 및 그 제조방법 | |
KR950011183B1 (ko) | 플로로카아본계 코우팅막 및 그 제조방법 | |
KR0180819B1 (ko) | 화학흡착막의 제조방법 및 이것에 사용되는 화학흡착액 | |
KR0151174B1 (ko) | 표면처리제 및 그 사용방법 | |
KR950004153B1 (ko) | 화학흡착 단분자 누적막 및 그의 제조방법 | |
KR970011081B1 (ko) | 화학흡착막의 제조방법 | |
KR20100100590A (ko) | 발수·발유·방오처리액과 그 제조방법 및 그것을 사용한 발수·발유·방오처리 방법과 그것들을 사용하여 처리된 물품 | |
JP4084558B2 (ja) | コーティング膜の製造方法 | |
JP2011174001A (ja) | 撥水離水防汚処理液およびそれを用いた撥水離水性防汚膜とその製造方法およびそれらを用いた製品 | |
JP5688649B2 (ja) | 撥水撥油性部材とその製造方法及びそれらを用いた物品 | |
JPH0586353A (ja) | 化学吸着単分子累積膜及びその製造方法 | |
JP2013173939A (ja) | 表面に微細な凸凹を有する撥水撥油防汚膜が形成された物品および製品とそれらの製造方法 | |
JP2732777B2 (ja) | 化学吸着膜の製造方法 | |
JP5190940B2 (ja) | 抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 | |
JP5337971B2 (ja) | 防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 | |
JP2603017B2 (ja) | 化学吸着膜の製造方法 | |
JP2005206790A (ja) | 撥水撥油防汚処理剤とその製造方法 | |
JP5358935B2 (ja) | 撥水撥油防汚処理剤とその製造方法、およびそれらを用いて製造された物品とその製造方法、およびそれらの物品を装着した製品 | |
JPH10292057A (ja) | 化学吸着膜およびその製造方法とそれに用いる化学吸着液 | |
JP2500824B2 (ja) | フロロカ―ボン系コ―ティング膜及びその製造方法 | |
JP2009138091A5 (ja) | ||
JP5315549B2 (ja) | 防汚性抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 | |
JPH08337757A (ja) | 表面処理剤及びその使用方法 | |
JP2981043B2 (ja) | 防汚性吸着膜及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130417 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130712 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |