JP5190940B2 - 抗菌防黴被膜及びその製造方法、並びにそれらを用いた製品 - Google Patents
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なお、「抗菌防黴性」とは、細菌類及び真菌類(カビ)等の微生物の膜タンパク質及び酵素等の表面や活性中心等に存在するチオール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等の極性基と結合して変性や失活を引き起こし、それらの機能を阻害することや、細胞内に到達して酵素を失活させること等により、これらの微生物の増殖又は生存を防止することのできる性質をいう。
アルコキシシリル基及びハロシリル基は、ヒドロキシル基等の活性水素基を有する、金属、セラミックス、樹脂、繊維等からなる種々の基材の表面との縮合反応により共有結合を形成することができる。また、チオール基及びスルフィド基は、金等の貴金属或いは遷移金属からなる基材の表面に共有結合を形成することができる。
銅(II)イオンは、高い抗菌防黴性を有すると共に、人体や環境に有害な影響を及ぼすことがないため、安全性の高い抗菌防黴剤として用いることができる。
これらの材料は、いずれも人体に接触することの多い物品に用いられるものであり、特に、建築物、自動車、船舶、航空機、及び列車については、公共の場で多くの人が触れる機会が多い。したがって、抗菌防黴性と安全性との両立が強く求められており、本発明を好適に適用することができる。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る抗菌防黴被膜の断面構造を分子レベルまで拡大して模式的に表した説明図、図2は本発明の第2の実施形態に係る抗菌防黴被膜の製造方法において、エポキシ基を有する単分子膜を形成する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図、図3は同抗菌防黴被膜の製造方法において、イミダゾリル基を有する単分子膜を形成する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図である。
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(3) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(6) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)3Si(OC2H5)3
(8) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(9) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(11) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(12) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
なお、酸素原子から延びた3本の単結合は基材11の表面又は隣接するシラン化合物のケイ素(Si)原子と結合しており、そのうち少なくとも1本は基材11の表面の酸素原子と結合している。
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルキレートの具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、室温における縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
2−メチルイミダゾールはエポキシ基と反応するアミノ基を1−位に有しており、下記の化5に示すような架橋反応により結合を形成する。
(31) 2−メチルイミダゾール(R2=Me、R4=R5=H)
(32) 2−ウンデシルイミダゾール(R2=C11H23、R4=R5=H)
(33) 2−ペンタデシルイミダゾール(R2=C15H31、R4=R5=H)
(34) 2−メチル−4−エチルイミダゾール(R2=Me、R4=Et、R5=H)
(35) 2−フェニルイミダゾール(R2=Ph、R4=R5=H)
(36) 2−フェニル−4−エチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Et、R5=H)
(37) 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Me、R5=CH2OH)
(38) 2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(R2=Ph、R4=R5=CH2OH)
なお、Me、Et、及びPhは、それぞれメチル基、エチル基、及びフェニル基を表す。
配位結合の形成は、銅塩を溶解した溶液にイミダゾリル基を有する単分子膜13が固定された基材11を浸漬し、又はイミダゾリル基を有する単分子膜13上に銅塩を溶解した溶液を塗布することにより、銅塩とイミダゾリル基を有する単分子膜13とを接触させることによって行うことができる。配位結合の形成は室温で行うことができ、反応に要する時間は数十分〜数時間程度である。
溶液には、pHを調整するために、水酸化アルカリ等の塩基を適宜添加してもよい。
また、アミノ基は、化7に示したような1級アミン以外に2級アミンでもよく、アミノ基の代わりにピロール基、イミダゾリル基等のイミノ基を有する官能基を含むアルコキシシラン化合物を用いることができる。
この場合において、用いることができるアミノ基を有するアルコキシシラン化合物の一例としては、下記(21)〜(28)に示した化合物が挙げられる。
(22) H2N(CH2)5Si(OCH3)3
(23) H2N(CH2)7Si(OCH3)3
(24) H2N(CH2)9Si(OCH3)3
(25) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(26) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(27) H2N(CH2)7Si(OC2H5)3
(28) H2N(CH2)9Si(OC2H5)3
したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、上述のものと同様の化合物を単独で又は2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
用いることのできる助触媒の種類及びそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、及び助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間についてはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合と同様であるので、説明を省略する。
(a)刃物の例:
包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジューサーの刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッチキスの刃、缶切りの刃、又は手術用メス等。
鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、注射針、手術用針、又は安全ピン等。
陶磁器製、ガラス製、セラミックス製又はほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗面器、ほうろう製鍋、各種コンクリート製品。
手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡等。
プレス成形用金型、注型成形用金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダイ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カレンダー加工用ロール等。
腕時計、メガネフレームや真珠、真珠、ルビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤモンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジスト、カメオ、オパール、水晶、ガラス等の宝石、更に白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫或いはそれらの合金やステンレス製の指輪、腕輪、ブローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス等の貴金属装飾製品等。
ケーキ焼成用型、クッキー焼成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿等。
鍋、釜、やかん、ポット、フライパン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ焼きプレート、流し台等。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェンレンオキサイド等
テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機の羽根、照明器具、文字盤、ヘアドライヤー、電話機、ファクシミリ、携帯電話、パーソナルコンピュータ及び周辺機器(例えば、キーボード、マウス)等。
スキー、釣竿、棒高跳び用のポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボード、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、釣り浮き等。
(1)ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネル、内装部品、オートバイのプロテクター、(2)セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンドル(3)FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジンカバー、(4)フェノール樹脂:ブレーキ(5)ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャブレター部品(6)ポリアミド:ラジエータファン(7)ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、リレーハウジング(8)ポリブチレンテレフタレート(PBT):リヤエンド、フロントフェンダ(9)ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム(10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器板とカバー、センターマーク(11)ポリプロピレン:バンパー(12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホイールキャップ(13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストルメントパネル、ファン(14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒーターハウジング、計器板
万年筆、ボールペン、シャ−プペンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、電話台、物差し、製図用具等。
屋根材、外壁材、内装材。屋根材として窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)等。外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コンクリート、ケイカル板、窯業系サイジング、金属系サイジング、レンガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料等。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維等。
花コウ岩、大理石、みかげ石等。例えば、建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念碑、門柱、石垣、歩道の敷石等。
打楽器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器等の楽器、及びマイクロホン、スピーカ等の音響機器等。具体的には、ドラム、シンバル等の打楽器、バイオリン、チェロ、ギター、琴等の弦楽器、ピアノ等の鍵盤楽器、フルート、クラリネット、尺八等の木管楽器、ホルン、トランペット等の金管楽器、及びマイクロホン、スピーカ、イヤホーン等の音響機器。
いわゆるアパレル製品であり、一般の天然繊維製品、化学繊維、合成繊維製品、毛皮製品、皮革製品、紙製品も含む。具体的には、衣類、帽子、ネクタイ、靴、鞄、傘、レインコート、スポーツ衣類、壁用クロス、カーテン、ジュータン、家具、乗り物の内装、シート類、生理用品、紙おしめ、寝具、シーツ、漁網等。
実施例1:抗菌防黴被膜の形成
(1)エポキシ基を有する単分子膜の形成
基材として用いた石英基板をクロロホルム、アセトン、及びエタノール中で順次超音波洗浄した。次いで、有機溶媒により洗浄を行なった石英基板にエキシマ処理洗浄を行なった。このようにして洗浄した石英基板を、11、12−エポキシドデシルトリメトキシシラン(化8)(EDDS、和光純薬株式会社)のトルエン溶液(0.01mol/L)に2時間浸漬した。その後、石英基板を引き上げた後、トルエンですすぎ洗いし大気中で24時間放置した。
上記(1)でエポキシ基を有する単分子膜を形成した石英基板を、2−メチルイミダゾールのメタノール溶液(0.1mol/L)5mLを純水50mLで希釈することにより調製した溶液に浸漬して80℃で加熱しながら1時間放置した。基板を引き上げた後、マッフル炉により150℃で24時間加熱した。炉から取り出した後、クロロホルム、アセトン、エタノール中で順次超音波洗浄を行なった。このようにして、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基を反応させて、イミダゾリル基を有する単分子膜を形成した。
上記(2)でイミダゾリル基を有する単分子膜を形成した石英基板を、塩化銅(II)0.1mol/L水溶液10mL、純水50mL、及び水酸化ナトリウム0.1mol/L水溶液3mLを混合して調製した溶液に浸漬して室温で2時間放置した。基板を引き上げた後乾燥することにより、銅(II)イオンがイミダゾリル基に配位結合した抗菌防黴被膜を得た。
膜化合物としてオクタメチルトリメトキシシランCH3(CH2)17Si(OCH3)3を用いた以外は実施例1(1)と同様の手順により、石英基板の表面にアルキル基を有する単分子膜を形成した。
(1)水滴接触角の測定
水滴接触角の評価は、自動接触角計CA−VP型(協和界面科学株式会社)により行った。水滴の滴下量は、3μLで固定し、各サンプルにつき5点測定しその平均値と標準偏差により評価した。エキシマレーザー洗浄処理後の石英基板、エポキシ基を有する単分子膜を形成した石英基板、イミダゾリル基を有する単分子膜を形成した石英基板、イミダゾリル基を有する単分子膜に銅(II)イオン(Cu2+)を配位させ抗菌防黴被膜を形成した石英基板のそれぞれについて接触角を測定した。
エポキシ基を有する単分子膜、イミダゾリル基を有する単分子膜、及びアルキル基を有する単分子膜を形成した石英基板の赤外吸収スペクトルの測定には、FT−IR Nicolet8700を使用した。測定する基板を、FT−IR装置のサンプル室に入れ、10L/minの流量で5時間窒素置換を行った。まず、単分子膜を形成していない石英基板をリファレンスとして測定後、単分子膜を形成した基板を測定し、両者の差スペクトルを得た。また、分光計に付属している偏光板を0〜90度回転させた状態で測定することにより単分子膜の配向性を評価した。
このことから、エポキシ基末端単分子膜と2−メチルイミダゾールとの反応により、イミダゾリル基が単分子膜の表面に結合固定されていることが確認された。
イミダゾリル基へのCu2+の配位を確認するために、紫外可視分光光度計(V−530)を用いて抗菌防黴被膜を形成した石英基板のUV−VISスペクトルの測定を行った。リファレンスとしてイミダゾリル基を有する単分子膜が形成された基板を用い、差スペクトルを得た。なお、単分子膜における微小な吸光度変化を測定するために、イミダゾリル基を有する単分子膜及び抗菌防黴被膜がそれぞれ形成された石英基板4枚に割り、それらをジグに挟んで積層した状態で測定を行なった。
まず、使用する寒天培地(標準寒天培地、日水製薬株式会社)、及びシャーレをアルミホイルで包み、高温蒸気滅菌器(三洋電機メディカ MLS−3750)にて121℃で15分間滅菌を行なった。次に、寒天培地を作製したシャーレ上に大腸菌(NBRC3301 Escherichia coli)を殖菌し、インキュベーター(三洋電機メディカ MCO−17ALC)内にて、37℃で30分間培養を行なった。次に、大腸菌が繁殖した寒天培地上に、抗菌防黴処理群として抗菌防黴被膜を形成した石英基板と、対照群として未処理の石英ガラスとをそれぞれ置いて、再びインキュベーター内で培養を行なった。培養は9日間行い、その期間中に抗菌防黴処理群及び対照群の写真を撮影し、その経時変化より抗菌効果を測定した。写真撮影は、石英基板を取り除いた状態で行った。
11:基材
12:エポキシ基を有する単分子膜
13:イミダゾリル基を有する膜化合物の被膜
Claims (8)
- 基材の表面に化学結合した膜化合物が形成する被膜を介して抗菌防黴性の銅(II)イオンが固定された抗菌防黴被膜であって、
前記膜化合物は、分子の一端に前記基材の表面と結合を形成する表面結合基を、他端にイミダゾリル基をそれぞれ有し、
前記膜化合物は、前記表面結合基を介して前記基材の表面に結合しており、
前記銅(II)イオンは、前記イミダゾリル基との間に形成される配位結合を介して固定されていることを特徴とする抗菌防黴被膜。 - 前記表面結合基が、アルコキシシリル基、ハロシリル基、チオール基、スルフィド基、及びカルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の抗菌防黴被膜。
- 前記基材が、建築物、自動車、船舶、航空機、列車、アパレル製品、宝飾品、及び装飾品のいずれかに使用される材料であることを特徴とする請求項1又は2記載の抗菌防黴被膜。
- 分子の一端に基材の表面と結合を形成する表面結合基を、他端にエポキシ基をそれぞれ有する膜化合物を該基材の表面と反応させて、前記基材の表面に化学結合した前記膜化合物の被膜を形成する工程Cと、イミダゾール誘導体を、前記エポキシ基と前記イミダゾール誘導体のアミノ基との反応により形成される結合を介して前記膜化合物の被膜の表面に結合させる工程Dとからなり、分子の一端にイミダゾリル基を有する膜化合物の被膜を形成する工程Aと、
抗菌防黴性の銅(II)イオンと前記イミダゾリル基との間で形成される配位結合を介して、該銅(II)イオンを前記膜化合物の被膜の表面に固定する工程Bとを有することを特徴とする抗菌防黴被膜の製造方法。
- 前記表面結合基が、アルコキシシリル基、ハロシリル基、チオール基、スルフィド基、及びカルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項4記載の抗菌防黴被膜の製造方法。
- 前記基材が、建築物、自動車、船舶、航空機、列車、アパレル製品、宝飾品、及び装飾品のいずれかに使用される材料であることを特徴とする請求項4又は5記載の抗菌防黴被膜の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の抗菌防黴被膜が表面に形成されていることを特徴とする製品。
- 建築物、自動車、船舶、航空機、列車、アパレル製品、宝飾品、及び装飾品のいずれかであることを特徴とする請求項7記載の製品。
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