JP5688649B2 - 撥水撥油性部材とその製造方法及びそれらを用いた物品 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2に記載の方法では、防汚処理時に溶媒を必要としないが、処理により光沢が劣化するという問題や、反応に長時間(数時間)を必要とするので効率が悪いという問題を有している。
このようにして撥水撥油防汚性を有する含フッ素官能基を含む物質を得ることにより、高価なフッ化炭素系の膜化合物を使用した場合よりも低コストで撥水撥油防汚性を有する撥水撥油性部材を製造できる。
表面粗さを上記範囲内とすることにより、平坦な表面の場合よりも撥水撥油性部材表面の見かけ上の表面エネルギーを大幅に低減でき、高い撥水撥油防汚性を付与できる。
撥水撥油性部材の表面粗さが可視光の最短波長である400nm以下であれば、下地表面の色調や光沢を損なうことなく高い撥水撥油防汚性を付与できる。
工程Cにおいて、基材表面に形成される炭化水素基を有する物質の被膜が、ナノメートルレベルの膜厚を有する有機薄膜であれば、基材の表面の光学的特性や熱伝導率等を損なうことなく撥水撥油性を付与できる。
Z−SiXpY3-p (X)
なお、式(X)において、Zは炭素数25以下のアルキル基、アリール基、ビニル基及び炭化水素基を含むシリコーン基のいずれかを含む置換基を表し、
Xは水素原子、又は前記Zより炭素数の少ないアルキル基、アリール基、ビニル基及び炭化水素基を含むシリコーン基のいずれかを含む置換基を表し、
Yは、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、
pは0、1又は2を表す。
CH3(CH2)nSi(OA)3 (XI)
[CH3(CH2)n]2Si(OA)2 (XII)
[CH3(CH2)n]3Si(OA) (XIII)
CH3(CH2)m−COO−(CH2)nSi(OA)3 (XIV)
CH3(CH2)m−O−(CH2)nSi(OA)3 (XV)
なお、式(XI)〜(XV)において、m及びnは、それぞれ独立して0以上24以下の整数を表し、m≧nであり、Aはアルキル基を表す。
SiHx(OA)4−x (VI)
(AO)3Si(OSi(OA)2)nOSi(OA)3 (VII)
なお、式(VI)及び(VII)において、
xは0、1、又は2であり、
Aはアルキル基を表し、
nは0、1、又は2である。
ポリシロキサン分子の被膜を形成することにより、最表面の膜物質の密度を向上でき、耐久性及び撥水撥油防汚性を向上できる。
フッ化炭素基を含む化合物のガス雰囲気中で高周波放電によりプラズマを発生させると、フッ素ラジカル(・F)や、トリフルオロメチルラジカル(・CF3)等のフッ化炭素ラジカルが生成する。これらのラジカルが、基材3の表面の炭化水素基の水素原子をトリフルオロメチル基19、43(フッ素原子又はフッ化炭素基の一例)で置換する(図2、4、7、8(b))。或いは、テトラフルオロエチレン等の不飽和結合を有する化合物を含むガスを用いる場合には、プラズマ重合により炭素数の大きいパーフルオロアルキル基も生成しうる。
基材3の材質の具体例としては、樹脂等の有機材料、金属及びセラミックス等の無機材料が挙げられる。
(a)刃物の例:
包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジューサーの刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッチキスの刃、缶切りの刃、又は手術用メス等。
鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、注射針、手術用針、安全ピン等。
陶磁器製、ガラス製、セラミックス製又はほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗面器、ほうろう製鍋、各種コンクリート製品。
手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡等。
プレス成形用金型、注型成形用金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダイ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カレンダー加工用ロール等。
腕時計、メガネフレームや真珠、真珠、ルビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤモンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジスト、カメオ、オパール、水晶等の宝石、更に白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、スズ或いはそれらの合金やステンレス製の指輪、腕輪、ブローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス等の貴金属装飾製品、及びこれらに用いられる樹脂又は皮革製の部材等。
ケーキ焼成用型、クッキー焼成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿等。
鍋、釜、やかん、ポット、フライパン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ焼きプレート等。
テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等の金属及びガラス部材。
万年筆、ボールペン、シャ−プペンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、電話台、物差し、製図用具等の金属部材。
屋根材、外壁材、内装材。屋根材として窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)等。外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コンクリート、ケイカル板、窯業系サイジング、金属系サイジング、レンガ、石材、プラスチック材料プラスチック材料(カーポート等の屋根材、雨樋等)、アルミ等の金属材料等。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等の金属材料、木材(加工木材を含む)、プラスチック材料、紙、繊維等。
花コウ岩、大理石、みかげ石等。例えば、建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念碑、門柱、石垣、歩道の敷石等。
打楽器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器等の楽器、及びマイクロホン、スピーカ等の音響機器等。具体的には、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、ギター、マンドリン等の弦楽器、ドラム、シンバル等の打楽器、ピアノ等の鍵盤楽器、フルート、サキソホン等の木管楽器、ホルン、トランペット、トロンボーン、サキソルン属等の金管楽器、ピアノ、電子オルガン、シンセサイザー等の鍵盤楽器、メトロノーム、チューナー等の補助器具、及びマイクロホン、スピーカ、イヤホーン、ミキサー等の音響機器。
(1)ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネル、内装部品、オートバイのプロテクター、(2)セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンドル、(3)FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジンカバー、(4)フェノール樹脂:ブレーキ、(5)ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャブレター部品、(6)ポリアミド:ラジエータファン、(7)ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、リレーハウジング、(8)ポリブチレンテレフタレート(PBT):リヤエンド、フロントフェンダ、(9)ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム、(10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器板とカバー、センターマーク、(11)ポリプロピレン:バンパー、(12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホイールキャップ、(13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストルメントパネル、ファン、(14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒーターハウジング、計器板。
一般の天然繊維製品、化学繊維、合成繊維製品、毛皮製品、皮革製品、紙製品も含む。具体的には、衣類、帽子、ネクタイ、靴、鞄、傘、レインコート、スポーツ衣類、壁用クロス、カーテン、ジュータン、家具、乗り物の内装、シート類、生理用品、紙おしめ、寝具、シーツ、漁網等。
(1)グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、高級パンフレット紙等の紙製品、(2)テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等の家電機器、(3)スキー、釣竿、棒高跳び用のポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボード、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、釣り浮き等のスポーツ用品、(4)万年筆、ボールペン、シャ−プペンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、電話台、物差し、製図用具、コンピュータ、携帯電話等の文具及び事務用品。
魔法瓶、真空機器、電力送電用碍子又はスパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電圧性絶縁碍子等からなる物品。
図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る撥水撥油性部材10において、基材12の表面には、デシル基(C10H21:炭化水素基であるアルキル基の一例)中の末端のメチル基の水素原子がトリフルオロメチル基19で置換された膜物質(水素原子の一部又は全部がフッ素原子及びフッ化炭素基のいずれか一方又は双方で置換された含フッ素炭化水素基を有する膜物質の一例)を含む含フッ素有機薄膜11が形成されている。本実施の形態において、含フッ素有機薄膜11は、基材12の表面に共有結合(化学結合の一例)した膜物質からなる単分子膜である。
基材12の表面を粗面化する方法としては、サンドブラスト、機械研磨、及びクロム酸混液、リン酸、アルカリ等による化学処理等の任意の公知の方法を用いて予め粗面化しておいてもよいが、酸素ガス及び塩素ガスを含む雰囲気中で低圧プラズマ処理を行うことにより行うこともできる。所望の表面粗さ及び凹凸の大きさを有する表面が得られるようにプラズマ処理の条件を適宜調節してもよい。なお、低圧プラズマ処理に使用される装置及び処理条件等については工程Aの場合と同様であるので詳しい説明を省略する。
工程Cにおいて有機薄膜18の形成に使用する処理液は、膜化合物を溶媒中に分散させることにより調製される。ここで、「分散」とは、均一な溶液、懸濁液、及び乳濁液のいずれかを形成している状態を意味する。使用することができる膜化合物としては、鎖状の親油性の官能基を含み、基材12の表面に膜物質2からなる被膜を形成することができる任意の化合物が挙げられるが、基材12表面の表面官能基との結合を介して基材12の表面に固定させるためには、表面結合基を末端に有していることが好ましい。好ましい表面官能基としては、多くの材料の表面に存在するヒドロキシル基と室温で比較的迅速に反応するアルコキシシリル基が挙げられる。また、単分子膜を形成するためには、親油性の官能基は、自己組織性を有する直鎖状の長鎖アルキル基等が好ましい。
Z−SiXpY3-p (X)
なお、式(X)において、Zは炭素数25以下のアルキル基、アリール基、ビニル基及びシリコーン基のいずれかを含む置換基を表し、
Xは水素原子、又は前記Zより炭素数の少ないアルキル基、アリール基、ビニル基及びシリコーン基のいずれかを含む置換基を表し、
Yは、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、
pは0、1又は2を表す。
CH3(CH2)nSi(OA)3 (XI)
[CH3(CH2)n]2Si(OA)2 (XII)
[CH3(CH2)n]3Si(OA) (XIII)
CH3(CH2)m−COO−(CH2)nSi(OA)3 (XIV)
CH3(CH2)m−O−(CH2)nSi(OA)3 (XV)
なお、式(XI)〜(XV)において、m及びnは、それぞれ独立して0以上24以下の整数(m≧n)を表し、Aはアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基を表す。
(1) CH3CH2O(CH2)15Si(OCH3)3
(2) CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(3) CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(4) CH3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(5) CH3(CH2)9Si(OCH3)3
(6) CH3(CH2)5Si(OCH3)3
(7) CH3(CH2)7C6H4SiCH3
(8) CH3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(9) CH3(CH2)2Si(CH2)15Si(OC2H5)3
(10) CH3(CH2)6Si(CH2)9Si(OC2H5)3
(11) CH3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(12) CH3(CH2)9Si(OC2H5)3
(13) CH3(CH2)7Si(OCH3)3
(14) CH3(CH2)7C6H4Si(OC2H5)3
(15) [CH3(CH2)5]2Si(OCH3)2
(16) [CH3(CH2)3]3SiOCH3
(17) [CH3(CH2)5]2Si(OC2H5)2
(18) [CH3(CH2)5]3SiOC2H5
(19) CH3(CH2)5SiCH3(OCH3)2
R1は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数12〜16のアルキル基を表し、
R2、R3、及びR4はメチル基又はエチル基、より好ましくはメチル基を表し、
Xはハロゲンを表す。
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルキレートの具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
以下、撥水撥油性部材20の製造方法について説明する。
(21)Si(OCH3)4
(22)SiH(OCH3)3
(23)SiH2(OCH3)2
(24)(CH3O)3SiOSi(OCH3)3
(25)Si(OC2H5)4
(26)SiH(OC2H5)3
(27)SiH2(OC2H5)2
(28)(H5C2O)3SiOSi(OC2H5)3
撥水撥油防汚性部材40の製造に用いられる基材42は、図8(a)に示すように、表面が炭化水素基43で被われている。工程Aにおいて低圧プラズマ処理した後の撥水撥油防汚性部材40の表面において、図8(b)に示すように、低圧プラズマ処理前の基材42の表面を被う炭化水素基43の水素原子の一部が、フッ化炭素基の一例であるトリフルオロメチル基44で置換されている。
フッ化炭素基を含む化合物のガス雰囲気中で高周波放電によりプラズマを発生させると、フッ素ラジカル(・F)や、トリフルオロメチルラジカル(・CF3)等のフッ化炭素ラジカルが生成する。これらのラジカルが、アクリル基材42の表面の炭化水素基の水素原子をトリフルオロメチル基43で置換する(図8(b))。
オクタデシルトリメトキシシランCH3(CH2 )17Si(OCH3)3(膜化合物)とテトラメトキシシランSi(OCH3)4とをモル比で3:1になるように秤量し、エタノールに0.01mol/Lとなるように混合して、ホモジナイザーで10分間程度処理すると、エタノール中に含まれる水分により、それぞれのメトキシシリル基(−Si(OCH3))の一部が加水分解され、−Si(OH)3基、=Si(OH)2基、或いは≡SiOH基(シラノール基)に変換された物質を含む処理液を調製した。
処理液がテトラメトキシシランを含まない以外は実施例1と同様の条件下で撥水撥油性部材を製造した。この場合、磁器板の表面に形成された含フッ素有機薄膜は、ポリシロキサン分子を含まない単分子膜となった。水滴接触角については、実施例1の場合と同様な結果が得られた。ただし、含フッ素有機薄膜の耐摩耗性は、実施例1において得られたものに比べ劣っていた。
まず、表3に示す条件の下で磁器板の表面を低圧プラズマ処理し、表面を粗面化処理した。
その後、実施例1と同様の条件で、有機薄膜の形成及びテトラフルオロメタンガス雰囲気中での低圧プラズマ処理を行った。
まず、基材であるアクリル樹脂基板をエタノールで洗浄後、下記の表5に示す条件の下で、酸素ガス雰囲気中での低圧プラズマ処理(O2プラズマ処理)を行った。次いで、表6に示す条件の下で、酸素を含むテトラフルオロメタン(CF4)雰囲気中でプラズマ処理を行った。
2 含フッ素官能基を有する物質
3 基材
10、20、30 撥水撥油性部材
11 含フッ素官能基を有する物質
11a、21、31 含フッ素有機薄膜
12、22、32、42 基材
13、23、33 炭化水素基を有する膜物質
24、34 ポリシロキサン分子
24a シラノール基を有するポリシロキサン分子
25 シラノール基
26 シラノール基を有する有機薄膜
27、37 ポリシロキサン分子の被膜
27a シラノール基を有するポリシロキサン分子の被膜
18、28、38 有機薄膜
19、44 トリフルオロメチル基
41 含フッ素有機高分子
43 炭化水素基
Claims (14)
- 基材の表面の少なくとも一部が、前記基材の表面と共有結合した炭化水素基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子及びフッ化炭素基のいずれか一方又は双方で置換された含フッ素官能基を有する含フッ素有機高分子の被膜で覆われていることを特徴とする撥水撥油性部材。
- 前記含フッ素有機高分子が、前記基材の表面の少なくとも一部を覆うように存在する炭化水素基を有する有機高分子の被膜を、フッ化炭素基を含む化合物のガス雰囲気中で低圧プラズマ処理することにより得られることを特徴とする請求項1記載の撥水撥油性部材。
- 前記基材の表面粗さが10nm以上900μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の撥水撥油性部材。
- 前記基材の表面粗さが10nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の撥水撥油性部材。
- 前記基材の表面に表面粗さが10nm以上900μm以下である凸凹を形成する工程Bと、
前記基材の表面の少なくとも一部を覆い、かつ前記基材の表面と共有結合した炭化水素基を含む物質の被膜を前記基材の表面に形成する工程Cと、
前記炭化水素基を含む物質の被膜を前記基材の表面に形成した基材の表面を、フッ化炭素基を含む化合物のガス雰囲気中で低圧プラズマ処理し、炭化水素基中の水素原子の一部又は全部をフッ素原子及びフッ化炭素基のいずれか一方又は双方で置換する工程Aを含むことを特徴とする撥水撥油性部材の製造方法。 - 前記工程Cにおいて、炭化水素基を有する膜化合物を含む処理液を前記基材の表面に接触させ、前記膜化合物と前記基材の表面官能基との反応により炭化水素基を含む有機薄膜を形成することを特徴とする請求項5記載の撥水撥油性部材の製造方法。
- 前記膜化合物が、炭化水素基、エステル基を有する炭化水素基、及びエーテル基を有する炭化水素基のいずれかを含むことを特徴とする請求項6記載の撥水撥油性部材の製造方法。
- 前記膜化合物が、下記の式(X)で表される膜化合物であることを特徴とする請求項6又は7記載の撥水撥油性部材の製造方法。
Z−SiXpY3-p (X)
なお、式(X)において、Zは炭素数25以下のアルキル基、アリール基、ビニル基及び炭化水素基を含むシリコーン基のいずれかを含む置換基を表し、
Xは水素原子、又は前記Zより炭素数の少ないアルキル基、アリール基、ビニル基及び炭化水素基を含むシリコーン基のいずれかを含む置換基を表し、
Yは、ハロゲン原子又はアルコキシル基を表し、
pは0、1又は2を表す。 - 前記膜化合物が、下記の式(XI)〜(XV)のいずれかで表される膜化合物であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の撥水撥油性部材の製造方法。
CH3(CH2)nSi(OA)3
(XI)
[CH3(CH2)n]2Si(OA)2
(XII)
[CH3(CH2)n]3Si(OA)
(XIII)
CH3(CH2)m−COO−(CH2)nSi(OA)3
(XIV)
CH3(CH2)m−O−(CH2)nSi(OA)3
(XV)
なお、式(XI)〜(XV)において、m及びnは、それぞれ独立して0以上24以下の整数を表し、m≧nであり、Aはアルキル基を表す。 - 前記処理液が、下記の式(VI)で表されるアルコキシシラン及び/又は式(VII)で表されるアルコキシポリシロキサンを含んでいることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載の撥水撥油性部材の製造方法。
SiHx(OA)4−x
(VI)
(AO)3Si(OSi(OA)2)nOSi(OA)3
(VII)
なお、式(VI)及び(VII)において、
xは0、1、又は2であり、
Aはアルキル基を表し、
nは0、1、又は2である。 - 前記工程Cにおいて、アルコキシシラン及び/又はアルコキシポリシロキサンを含む溶液で前記基材の表面を処理して、該表面にポリシロキサン分子の被膜を形成し、次いで前記処理液でポリシロキサン分子の被膜が形成された前記基材を処理して、前記ポリシロキサン分子の被膜上に、前記基材の表面と結合した前記ポリシロキサン分子の被膜と共有結合する前記有機薄膜を形成することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載の撥水撥油性部材の製造方法。
- 前記工程Cにおいて、有機高分子を含む被膜を前記基材の表面に形成することを特徴とする請求項5記載の撥水撥油性部材の製造方法。
- 請求項1から4のいずれか1項記載の撥水撥油性部材を用いた物品。
- 前記物品が、放熱フィン及びタイルのいずれかであることを特徴とする請求項13記載の物品。
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