JPH0564859A - フツ素系樹脂積層膜およびその製造方法 - Google Patents

フツ素系樹脂積層膜およびその製造方法

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JPH0564859A
JPH0564859A JP3288663A JP28866391A JPH0564859A JP H0564859 A JPH0564859 A JP H0564859A JP 3288663 A JP3288663 A JP 3288663A JP 28866391 A JP28866391 A JP 28866391A JP H0564859 A JPH0564859 A JP H0564859A
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fluorine
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adsorption
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Sanemori Soga
眞守 曽我
Norihisa Mino
規央 美濃
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材表面に基材表面と−Si−結合によって
共有結合した吸着膜を形成し、その上にフッ素系ポリマ
ーを架橋結合によって積層することにより、剥離強度の
高いフッ素樹脂コーティング膜を得る。 【構成】 基材1表面上に、基材表面の活性水素と反応
するシラン系界面吸着剤を接触させて、脱塩化水素反応
または脱アルコール反応により−Si−結合を有する単
分子またはポリマー吸着膜2´を形成し、この上にフッ
素系ポリマーをコーティングした後、電子線などを照射
して架橋反応させ、フッ素樹脂コーティング膜3´を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材の表面に特定の吸
着膜を介してフッ素系樹脂を積層させた膜およびその製
造方法に関するものである。さらに詳しくは、フライパ
ン、ホットプレート、炊飯器、鍋などの調理器具、複写
機のロール、化学反応容器、撹拌機等のフッ素コーティ
ング物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ素樹脂のコーティング膜は、
フッ素系高分子と例えば金属板との密着性を高めるため
に、電解エッチング、または機械的研磨等により金属板
の表面を粗面化した後、フッ素系高分子の懸濁液をコー
ティングし、高温で焼き付け処理して造られている。他
の方法として、粗面化された材料の表面に、まずポイミ
ド樹脂やエポキシ樹脂などのアンダーコート膜を薄く形
成し、その上にフッ素樹脂を焼き付けコーティングする
ことも行われている。いずれも基材の材料表面とフッ素
樹脂コーティング膜との接着性を高め、剥離を防止する
ためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法で得られるフッ素樹脂コーティング膜は、基材の材料
表面とフッ素コート膜との間には化学結合が存在しない
ため結合力が弱く、長時間使用すると密着性が悪くな
り、フッ素コート膜が材料の表面から剥離するという課
題があった。
【0004】また、粗面化処理として材料表面を機械的
に荒らしたり電解エッチングするため、製造工程が複雑
となり、製造コストが高くなるという課題もあった。本
発明は、前記従来技術の課題を解決するため、基材の表
面との密着性が優れたフッ素系樹脂積層膜を提供するこ
とを目的とする。
【0005】第2の目的は電解エッチング工程が不要
で、製造工程の簡単な、フッ素系樹脂積層膜の製造方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のフッ素系樹脂積層膜は、基材表面に内層膜
とその上に表層膜を少なくとも設けた積層構造のコーテ
ィング膜であって、前記内層膜は基材表面と−Si−結
合によって共有結合された吸着膜であり、前記表層膜は
フッ素系ポリマーで形成され、かつ表層膜と内層膜とは
架橋結合していることを特徴とする。
【0007】前記構成においては、内層膜が、シロキサ
ン系単分子吸着膜またはシロキサン系ポリマー吸着膜で
あり、かつ基材表面とシロキサン結合によって共有結合
されていることが好ましい。
【0008】また、前記構成においては、内層膜がアル
キルシランハライド、アルケニルシランハライド、アル
キンシランハライド、アルキルアルコキシシラン、アル
ケニルアルコキシシラン、アルキンアルコキシシラン、
及びこれらのフッ素含有誘導体から選ばれる少なくとも
一種のシラン系界面吸着剤の残基であることが好まし
い。
【0009】また、前記構成においては、表層膜と内層
膜との架橋結合が、表層膜及び/または下層膜中の不飽
和結合の開裂によるものであることが好ましい。また、
前記構成においては、基材が金属、セラミックス、プラ
スチック、ガラス、木材、石材から選ばれる少なくと一
つの材料であることが好ましい。
【0010】次に本発明のフッ素系樹脂積層膜の製造方
法は、基材表面上に、基材表面の活性水素と反応するシ
ラン系界面吸着剤を接触させて、脱塩化水素反応または
脱アルコール反応により−Si−結合を有する単分子吸
着膜またはポリマー吸着膜を形成し、前記吸着膜上にフ
ッ素樹脂コート膜を架橋反応によって形成させたことを
特徴とする。
【0011】前記構成においては、シラン系界面吸着剤
がアルキルシランハライド、アルケニルシランハライ
ド、アルキンシランハライド、アルキルアルコキシシラ
ン、アルケニルアルコキシシラン、アルキンアルコキシ
シラン、及びこれらのフッ素含有誘導体から選ばれる少
なくとも一種のシラン系界面吸着剤であることが好まし
い。
【0012】また、前記構成においては、シラン系界面
吸着剤を非水系の有機溶媒に溶解し、この溶液に基材を
浸漬して基材表面にシラン系界面吸着剤を化学吸着さ
せ、シロキサン結合を有する単分子またはポリマー吸着
膜を形成させる吸着膜形成工程と、前記吸着膜形成工程
後フッ素系高分子をコーティングし、しかる後架橋反応
させてフッ素コート膜を形成するフッ素コート膜形成工
程を有することが好ましい。
【0013】また、前記構成においては、フッ素高分子
のコート膜の架橋反応が、放射線を照射、または加熱架
橋であることが好ましい。また、前記構成においては、
フッ素系高分子が炭素−炭素間の二重結合または三重結
合を含むことが好ましい。
【0014】また、前記構成においては、フッ素系高分
子が、溶剤可溶型タイプのポリマであることが好まし
い。
【0015】
【作用】前記本発明の構成によれば、フッ素系樹脂積層
膜は基材表面に内層膜とその上に表層膜を少なくとも設
けた積層構造であって、内層膜は基材表面と−Si−結
合によって共有結合された吸着膜であり、表層膜はフッ
素系ポリマーで形成され、かつ表層膜と内層膜とは架橋
結合しているので、基材と積層膜との接着強度を高いも
のとすることができる。内層膜は基材表面と化学結合
し、表層膜も内層膜と化学結合しているからである。
【0016】そのため、長時間使用しても剥離すること
のなく、従来の単にアンカー効果を期待しただけのフッ
素コ−ト膜に比べ、密着性の優れたフッ素系ポリマーで
コーティングした材料が得られる。
【0017】次に本発明の製造方法の構成によれば、基
材表面上に基材表面の活性水素と反応するシラン系界面
吸着剤を接触させて、脱塩化水素反応または脱アルコー
ル反応により−Si−結合を有する単分子またはポリマ
ー吸着膜を形成し、前記吸着膜上にフッ素樹脂コート膜
を架橋反応によって形成させるので、電解エッチング等
の工程を必要としない。その結果製造方法が合理的、効
率的なものとなる。
【0018】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を具体的に
説明する。例えば図1に示すように、金属板1の表面全
面に、化学吸着法によりエチレン基を末端に有するシラ
ン界面吸着剤を吸着反応させて、シロキサン結合を有す
る吸着膜2を形成する。
【0019】本発明に使用できる金属基板1としては、
例えばアルミニウム,銅,鉄等所謂卑金属材料であれば
何れでもよい。もちろん金属板に限られることなく、セ
ラミックス、ガラス、プラスチック、半導体など基材の
種類は問わない。
【0020】金属材料は、表面に金属酸化膜を形成し易
く、この金属酸化膜の酸素とシラン吸着剤の珪素とが反
応し、シロキサン結合を形成する。また、本発明に使用
されるシラン系界面吸着剤は例えば次の式(化1)に示
されるものである。
【0021】
【化1】
【0022】(但し式中のnは何れも自然数で、6〜2
5程度が最も扱い易い。Rは低級アルキル基で、とくに
CH3 またはC2 5が好ましい。) 上記式中、(1) 〜(6) 式の化合物中aが1であるトリク
ロロシラン系化合物を好ましく用いることができる。
【0023】シラン系界面吸着剤の吸着方法としては、
前記シラン系界面吸着剤を用い、2×10-3〜5×10
-2Mol /l 程度の濃度で溶かした80wt%ヘキサデカ
ン、12wt%四塩化炭素、8wt%クロロホルム溶液を調
整し、前記金属板を室温で1時間浸漬する。金属板1の
表面はナチュラルオキサイド(自然酸化膜)が形成され
ており、表面には水酸基(−OH)が含まれている。従
って、シラン系界面吸着剤のクロロシリル基(−SiC
l)と水酸基(−OH)とが反応して、基材表面に次の
化学式(化2)で示す結合が生成され、単分子膜2が一
層、酸素原子を介して、化学結合した形で形成される。
なお次の化学式(化2)は、シラン系界面吸着剤の一例
として例えば、CH2 =CH(CH2 n SiCl3
反応例を示すものである。
【0024】
【化2】
【0025】これを非水溶液である例えばフレオン11
3またはクロロホルム等で洗浄する。未反応物を除去す
るためである。非水溶液を用いて未反応物を洗浄除去し
た後、水で洗浄するか空気中にさらして空気中の水分と
反応させてSiCl基を加水分解することにより−Si
OH基に変える。この反応式を下記式(化3)に示す。
この非水溶液を用いて未反応物を洗浄除去する工程を採
用すると、内層膜は単分子吸着膜となる。
【0026】
【化3】
【0027】次に乾燥することにより−SiOH基同士
が脱水縮合を起こし、下記式(化4)に示すようにシロ
キサン結合(SiO−)が形成される。
【0028】
【化4】
【0029】前記において、非水溶液の洗浄工程を採用
しない場合は、内層膜はポリマー吸着膜に形成できる。
本発明は、内層膜は単分子吸着膜でもポリマー吸着膜で
も差支えないが、どちらかというと単分子吸着膜のほう
が接着強力は高いので好ましい。内層膜が単分子吸着膜
の場合は、厚さがナノメーター(nm)のレベルのもの
となり、ポリマー吸着膜の場合はそれよりも厚いものと
なる。これらの内層膜自体の接着性は、碁盤目剥離強度
試験によっても剥離しない程度である。
【0030】次に、シリルアルコラート系界面吸着剤
[例えばCH2 =CH(CH2 n Si(OR)3 ]を
用いた場合は、次に示す化学式(化5)のように反応す
る。この反応工程は前記式(化2〜4)と同様に進行す
る。
【0031】
【化5】
【0032】また、金属板の表面をあらかじめアルカリ
水溶液で処理して、酸化膜をつくることにより、表面の
水酸基の数を増やすことができ、吸着密度を高めること
ができる。基材がプラスチックの場合は、表面を酸素雰
囲気でプラズマ照射(例えば100W、20分間コロナ
放電処理する)することにより、表面に活性基を生成さ
せることができる。もっともポリアミドやポリイミド
は、表面に−NH基を有し、これが反応に寄与するので
特別な処理は不要である。ポリアミドやポリイミドの場
合は次の(化6)のように反応が進む。この場合も反応
工程は前記式(化2〜4)と同様に進行する。
【0033】
【化6】
【0034】次に内層膜2の上に、フッ素系高分子の懸
濁液をコートし、乾燥・焼成して、フッ素コート膜3を
形成する。こうして得たフッ素コ−ト膜3は、シロキサ
ン結合を有した単分子膜2上にあるため、単分子膜2の
炭化水素基成分との界面において分子鎖が絡み合った状
態になっている。
【0035】その後、フッ素コート膜3に、放射線を照
射すると、図2に示すように、シロキサン結合を有する
単分子膜2およびフッ素系高分子のC=Cまたは炭素炭
素の三重結合が開裂して、単分子膜2´とフッ素コート
膜3´の間に化学結合が形成される。
【0036】フッ素コート膜3を構成するフッ素系高分
子としては、テトラフルオロエチレンあるいはテトラフ
ルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル
の共重合体がよい。放射線照射により前記単分子膜2と
効率よく架橋させるために、主鎖あるいは側鎖にC=C
または炭素−炭素の三重結合を有するフッ素系高分子の
方がさらに好ましい。
【0037】例えば、次のような繰り返し単位を有する
下記式(化7)の高分子が例としてあげられる。
【0038】
【化7】
【0039】(m、xは整数であり、mは5〜500程
度が好ましく、xは1〜10程度が最も扱いやすい。) フッ素コート膜に照射する放射線の例としてはとして
は、電子線、中性子線、α線、β線、γ線などが上げら
れる。
【0040】本発明は下記の用途など広く適用できる。
基材が金属、セラミックスまたはプラスチック、木材、
石材からなる材料に適用できる。表面は塗料などで塗装
されていても良い。たとえば次のようなものである。 [a] 刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻刀、
剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通し、バ
イト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジュ−サ−の刃、製
粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッチキス
の刃、缶切りの刃、または手術用メス等。 [b] 針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、注
射針、手術用針、安全ピン等。 [c] 窯業製品の例:陶磁器製、ガラス製、セラミックス
製またはほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器(例
えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶碗、
皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし容
器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、一
輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学
実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シ
ャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、
注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗
面器、ほうろう製鍋等。 [d] 鏡の例:手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、自
動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミラ
ー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡
等。 [e] 成形用部材の例:プレス成形用金型、注型成形用金
型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真空
成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダ
イ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カ
レンダー加工用ロールなど。 [f] 装飾品の例:時計、宝石、真珠、ブローチ、ネクタ
イピン、イヤリング、ネックレス、貴金属装飾製品、白
金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫あるいはそれらの
合金やステンレス製、メガネフレーム等。 [g] 食品成形用型の例:ケーキ焼成用型、クッキー焼成
用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成
形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿
等。 [h] 調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポット、フライパ
ン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ焼
きプレート等。 [i] 紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、高
級パンフレット紙等。 [j] 樹脂の例:ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノール
樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ア
クリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェンレ
ンオキサイド等 [k] 家庭電化製品の例:テレビジョン、ラジオ、テープ
レコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵
庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機
の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。 [l] スポーツ用品の例:スキー、釣竿、棒高跳び用のポ
ール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボー
ド、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、
釣り浮き等。 [m] 乗り物部品に適用する例: (1) ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネ
ル、内装部品、オートバイのプロテクター (2) セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンド
ル (3) FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジン
カバー (4) フェノール樹脂:ブレーキ (5) ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャ
ブレター部品 (6) ポリアミド:ラジエータファン (7) ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、
リレーハウジング (8) ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロン
トフェンダ (9) ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボ
ックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム (10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器板とカ
バー、センターマーク (11)ポリプロピレン:バンパー (12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホ
イールキャップ (13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストル
メントパネル、ファン (14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒ
ーターハウジング、計器板 [n] 事務用品の例:万年筆、ボールペン、シャ−プペン
シル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、
電話台、物差し、製図用具等。 [o] 建材の例:屋根材、外壁材、内装材。屋根材として
窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)など。外
壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コン
クリート、窯業系サイジング、金属系サイジング、レン
ガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料な
ど。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等
の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維など。 [p] 石材の例:花コウ岩、大理石、みかげ石等。たとえ
ば建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念
碑、門柱、石垣、歩道の敷石など。 [q] その他魔法瓶、真空系機器、電力送電用碍子または
スパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電圧性
絶縁碍子等である。
【0041】次に、具体的実施例を用いて本発明を説明
する。 実施例1 アルミニウム板(2×5×0.1cm)をω−ノナデセ
ニルトリクロロシランの10-2mol /l溶液(80wt%
ヘキサデカン+12wt%四塩化炭素+8wt%クロロホル
ム)に室温、窒素雰囲気下で60分間浸漬した後、クロ
ロホルムおよび純水で洗浄し、単分子膜をアルミニウム
表面に形成した。このアルミ板の表面にフッ素系高分子
[−(CF2 −CF2 8 −CH=CH−]n (但しn
はポリマの繰返し単位を示し、好ましくは5〜500で
ある。以下同じ。)の懸濁液をスプレーコートし、15
0℃で10分乾燥後、380℃で20分間焼成し、50
0μmのフッ素コート膜を形成した。このようにして作
成した試料に電子線を1分間照射した(300keV、
0.02Mrad/s)。
【0042】実施例2 実施例1においてω−ノナデセニルトリクロロシランを
19−トリメチルシリル−18−ノナデシニルトリクロ
ロシランに変えて同様の実験をした。
【0043】実施例3 実施例1においてフッ素系高分子を下記式(化8)のポ
リマーに変えて同様の実験をした。
【0044】
【化8】
【0045】実施例4 実施例1においてフッ素系高分子を(化9)のポリマー
に変えて同様の実験をした。
【0046】
【化9】
【0047】実施例5 実施例1においてフッ素系高分子をテトラフルオロエチ
レンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体
に変えて同様の実験をした。
【0048】実施例6 実施例1においてω−ノナデセニルトリクロロシランを
ノナデシルトリクロルシランに、フッ素系高分子をテト
ラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルの共重合体に変えて同様の実験をした。
【0049】実施例7 実施例1においてω−ノナデセニルトリクロロシランを
ノナデシルトリクロルシランに、フッ素系高分子をテト
ラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルの共重合体に変え、電子線照射は省略した。
【0050】実施例8 アルミニウム板(2×5×0.1cm)をω−ノナデセ
ニルトリクロロシランの10-2mol /l溶液(80wt%
ヘキサデカン+12wt%四塩化炭素+8wt%クロロホル
ム)に室温、窒素雰囲気下で60分間浸漬した後、純水
で洗浄し、内層膜としてポリマー吸着膜をアルミニウム
表面に形成した。このアルミ板の表面にフッ素系高分子
[−(CF2 −CF2 8 −CH=CH−]n (但しn
はポリマの繰返し単位を示し、好ましくは5〜500で
ある。以下同じ。)の懸濁液をスプレーコートし、15
0℃で10分乾燥後、380℃で20分間焼成し、50
0μmのフッ素コート膜を形成した。このようにして作
成した試料に電子線を1分間照射した(300keV、
0.02Mrad/s)。
【0051】比較例1 アルミニウム板(2×5×0.1cm)を電解エッチン
グした後、ポリテトラフルオロエチレンの懸濁液をスプ
レーコートし、実験1と同じ条件で乾燥・焼成してフッ
素コート膜を形成した。
【0052】以上の実施例1〜7および比較例1の試料
の剥離試験(接着強力試験)をした。剥離するフッ素コ
ート膜の幅は10mmとした。剥離強度の測定結果を表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】なお表1に示す剥離強度(接着強力)の測
定は、次の手順で行った。 (1) 幅×30mm、長さ60mmのサンプルを用意し、
測定面にフッ素樹脂プレート、例えばFEP(テトラフ
ロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体)をロ
ーラ加熱下、300〜350℃でプレ接着する。 (2) 次に電気炉中で、350℃で15分間メイン接着処
理をする。 (3) 次に幅10mmのサンプルをカットにより作成し、
これを通常の接着剥離試験機により測定する。
【0055】表1の結果からも明らかなように、比較例
の剥離強度は6kg/10mm(58.8Newton/10mm)であ
ったが、本発明のアルミニウム材料の剥離強度はいづれ
も、10kg/10mm(98.0 Newton/10mm)以上で比較
例に比べて密着性がすぐれていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明のフッ素系樹脂積層
膜は、フッ素コーティングポリマー膜がシロキサン結合
を介して基材表面と粘接着した形態をしているので、従
来のものに比べて密着性が優れている。
【0057】また、フッ素コーティングの前処理とし
て、電解エッチングする必要がないため、製造工程が簡
略になり、製造コストを低減することができる。このよ
うに本発明は工業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す放射線照射前の基材表面
を分子レベルまで拡大した図である。
【図2】本発明の実施例を示す放射線照射後の基材表面
を分子レベルまで拡大した図である。
【符号の説明】
1 基材 2 架橋前のシラン系界面吸着剤の内層膜 2´ 架橋後のシラン系界面吸着剤の内層膜 3 架橋前のフッ素コート膜 3´ 架橋後のフッ素コート膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/00 7141−4F 31/28 7141−4F

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に内層膜とその上に表層膜を少
    なくとも設けた積層構造のコーティング膜であって、前
    記内層膜は基材表面と−Si−結合によって共有結合さ
    れた吸着膜であり、前記表層膜はフッ素系ポリマーで形
    成され、かつ表層膜と内層膜とは架橋結合していること
    を特徴とするフッ素系樹脂積層膜。
  2. 【請求項2】 内層膜が、シロキサン系単分子吸着膜ま
    たはシロキサン系ポリマー吸着膜であり、かつ基材表面
    とシロキサン結合によって共有結合されている請求項1
    に記載のフッ素系樹脂積層膜。
  3. 【請求項3】 内層膜が、アルキルシランハライド、ア
    ルケニルシランハライド、アルキンシランハライド、ア
    ルキルアルコキシシラン、アルケニルアルコキシシラ
    ン、アルキンアルコキシシラン、及びこれらのフッ素含
    有誘導体から選ばれる少なくとも一種のシラン系界面活
    性剤の残基である請求項1に記載のフッ素系樹脂積層
    膜。
  4. 【請求項4】 表層膜と内層膜との架橋結合が、表層膜
    及び/または下層膜中の不飽和結合の開裂によるもので
    ある請求項1に記載のフッ素系樹脂積層膜。
  5. 【請求項5】 基材が、金属、セラミックス、プラスチ
    ック、ガラス、木材、石材から選ばれる少なくとも一つ
    の材料である請求項1に記載のフッ素系樹脂積層膜。
  6. 【請求項6】 基材表面上に、基材表面の活性水素と反
    応するシラン系界面吸着剤を接触させて、脱塩化水素反
    応または脱アルコール反応により−Si−結合を有する
    吸着膜を形成し、前記吸着膜上にフッ素樹脂コート膜を
    架橋反応によって形成させたことを特徴とするフッ素系
    樹脂積層膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 シラン系界面吸着剤がアルキルシランハ
    ライド、アルケニルシランハライド、アルキンシランハ
    ライド、アルキルアルコキシシラン、アルケニルアルコ
    キシシラン、アルキンアルコキシシラン、及びこれらの
    フッ素含有誘導体から選ばれる少なくとも一種のシラン
    系界面吸着剤である請求項6に記載のフッ素系樹脂積層
    膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 シラン系界面吸着剤を非水系の有機溶媒
    に溶解し、この溶液に基材を浸漬して基材表面にシラン
    系界面吸着剤を化学吸着させ、シロキサン結合を有する
    単分子膜またはポリマー膜を形成させる吸着膜形成工程
    と、前記吸着膜形成工程後フッ素系高分子をコーティン
    グし、しかる後架橋反応させてフッ素コート膜を形成す
    るフッ素コート膜形成工程を有する請求項6に記載のフ
    ッ素系樹脂積層膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 フッ素高分子のコート膜の架橋反応が、
    放射線を照射、または加熱架橋である請求項6に記載の
    フッ素系樹脂積層膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 フッ素系高分子が炭素−炭素間の二重
    結合または三重結合を含む請求項6に記載のフッ素系樹
    脂積層膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 フッ素系高分子が、溶剤可溶型タイプ
    のポリマーである請求項6に記載のフッ素系樹脂積層膜
    の製造方法。
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